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世界の「環境未来都市」を探る
連載
第 9 回 ∼カナダ・アルバータ州∼ その2
だ。非在来型天然ガスとは通常の
油田やガス田以外から生産される
天然ガスは世界３位
天然ガスを指し、CBM 、タイトガ
ス、シェールガスなどが代表的だ。
カナダの71％を担う
CBM は、石炭層中から採れるメタ
ンガスだ。また、タイトガスは砂岩
「カナダのエネルギー州」という
れた。これによりカナダのガス井・
層、シェールガスは頁岩層から採取
異名を取るアルバータ州のエネル
油井の70％が承認・開発されたこと
されるガスだ。
ギーの主役は、何と言っても天然
になる。
カナダ非在来型天然ガス協
ガスや石油などの化石エネルギー
だ。最近では、コールベッドメタン
非在来型ガス含めると世界 5 位
会（ The Canadian Society for
Unconventional Gas）によると、同
（ CBM ）、シェールガス、オイルサ
天然ガスとともに最近特に期待が
州では約500兆 ft3という膨大な量の
ンドなどの非在来型エネルギーにも
高まっているのが非在来型天然ガス
CBM およびタイトガスが埋蔵され
注目が集まっている。今回は同州の
アルバータ州の天然ガス潜在埋蔵量（在来型と非在来型）
天然ガスの動向について述べる。
天然ガスはカナダの71％を担う
天然ガス生産において同州はカナ
ダ全体の71％を担う。同州ではこ
れまで在来型天然ガスで150兆立方
フィート（ ft 3 ）が産出されている
が、さらに、採掘可能な最大残存
埋蔵量は223兆 ft3と言われている。
2010年には 4 兆1000億 ft 3が生産さ
れた。このうち、 3 兆8000億 ft 3が
在来型の天然ガ
ス、3000億 ft 3 が
非在来型天然ガス
だ。導入先は北米
向けが45％と圧倒
的に多く、残り29
％が同州、26％が
カナダの別の州と
なっている。
また、同年には
9492件のガス井お
よび油井が開発さ
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2012.12.18 環境エネルギー産業情報
出所：エネルギー資源保護委員会（ ERCB ）および AGS 社の推定値
アルバータ州の油井・ガス井開発件数
∼カナダ・アルバータ州∼ その2
ているという。シェールガスにいた
3
スの採掘場所は西部のカナダ西
っては844兆 ft が眠っているという。
部堆積盆地（ Western Canadian
こうした非在来型天然ガスは、以
Sedimentary Basin ）が中心だ。具
前は採掘するのに高い技術やイニシ
体的には、同州の大半、サスカチュ
ャルコストがかかるなどの理由から
ワン州およびブリティッシュ・コロ
積極的に開発が進められてこなかっ
ンビア州の一部（ホーンリバーな
た。一方で、07年以降は水平杭井、
ど）、マニトバ州西南部にわたって
水平破砕法、マイクロサイスミック
広がり、北部はノースウェスト準州
といった技術の確立により商業ベー
におよんでいる。
スに乗ってきている。同時にガス田
また、アルバータ州における11年
由来の天然ガスと価格もほぼ同等
天然ガス生産高トップ10企業は、
となっており、需要は高まる一方
Canadian Natural Resources 、
カナダのガス生産量は全世界で 3
だ。現在、同州の天然ガス価格は
ConocoPhillips Canada 、EnCana 、
位だが、その最大の産出地域がアル
2 米ドル前後 /100万 Btu（ British
Husky Oil Operations 、Devon
バータ州なのである。
thermal unit ）で推移しているが、
Canada 、Shell Canada Energy 、
米国よりも安価だ。
Cenovus Energy 、Apache Canada、
カナダにおける非在来型天然ガ
TAQA North、
Penn West Petroleum。
アルバータ州で生産された天然ガス
の導入先比率（2010年）
2012.12.18 環境エネルギー産業情報
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