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KITEC INFORMATION No265 (2013, Winter)

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KITEC INFORMATION No265 (2013, Winter)
265
KITEC
INFORMATION
No.
2013 WINTER
平成25年
新年のご挨拶 年頭所感
お 知らせ
今号より
KITEC INFORMATIONは
ホームページにも掲載致します。
http://www.kitec.or.jp/
賛助会員の広場
TOTO株式会社
株式会社正興電機製作所
私の研究室
福岡大学 工学部 電子情報工学科 友景 肇 教授
KITEC INFORMATION
2013 No.265
新年のご挨拶
麻生 渡 一般財団法人 九州産業技術センター 会長......................................................................... 2
年頭所感
廣實 郁郎 九州経済産業局長........................................................................................................... 3
渡辺 正信 独立行政法人 産業技術総合研究所 九州センター所長......................................................... 4
●賛助会員の広場
TOTO 株式会社......................................................................................................................................... 5
株式会社正興電機製作所. ......................................................................................................................... 8
●私の研究室
福岡大学 工学部 電子情報工学科 友景 肇 教授.................................................................................... 11
●センターからのお知らせ
平成24年度 第2回中国地域・九州地域の自動車産業に係る合同有識者会議開催のご案内......................14
第3回 首都圏販路拡大マッチング会 開催案内. ......................................................................................14
●センターの活動報告
「九州医療関連産業推進フォーラム」戦略セミナー 開催報告. .................................................................15
第3回「医工連携推進研究会」開催報告..................................................................................................16
九州・沖縄地区国立大学法人共同センター長会議(意見交換会)............................................................17
「九州の成長戦略に基づく事業創出推進事業」
................................................................................18
▪
第3回事業化連絡会
(コーディネータ)開催報告
平成24年度 第1回中国地域・九州地域の自動車産業に係る合同有識者会議(広島)開催結果及び施設見学会について.........19
「燃料電池等次世代自動車産業創出事業」
........................................................................................
▪「九州燃料電池自動車セミナー」開催報告
20
▪「第2回 自動車産業新規参入・取引拡大セミナー」開催報告
......................................................... 21
▪「オープンイノベーションセミナー」開催報告
................................................................................. 22
ビジネスイノベーション研究会
..................................................................................... 23
第2回委員会及び知財経営塾
in 熊本 開催報告
●トピックス
「オープンイノベーションソリューションサイト」の取り組み状況............................................................... 24
平成24年度九州地方発明表彰 九州産業技術センター会長賞 受賞者決定 ............................................ 25
●シリーズ
平成24年度(後期)国際研究集会助成完了報告書 ................................................................................ 26
●九州経済産業局情報
今冬の節電へのご協力のお願い. ............................................................................................................ 28
「新たな成長産業」へのアプローチ......................................................................................................... 30
九経マンスリー....................................................................................................................................... 31
九州地域の鉱工業動向(平成24 年10月速報)........................................................................................ 32
●産総研九州センター情報
本格研究ワークショップ in 熊本.............................................................................................................. 34
最近の特許情報(24 年8月〜24 年10月)............................................................................................... 36
●雑感......................................................................................................................................................... 37
●その他ご案内
賛助会員制度へ入会のご案内................................................................................................................ 38
センター事業日誌................................................................................................................................... 39
編集後記................................................................................................................................................ 39
新年のご挨拶
一 般 財 団 法 人 九 州 産 業 技 術センター
会長
新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
麻生 渡
の技術振興につきましては、国、自治体、大学・高
専等関係機関の協力を仰ぎながら、積極的な活動を
最近の我が国の経済社会は、世界経済の減速や内
推進してまいります。また、引き続き産学官の連携
需の減少等の影響により、景気後退局面に入ったと
の下で、現場の研究、技術者の育成を図っていきた
みられます。さらに、東日本大震災の復旧や少子高
いと考えています。
齢化社会・人口減の対応など克服すべき多くの課題
に直面している状況にあります。他方、九州地域に
当財団は、お陰をもちまして、昨年 4 月に一般財
おきましても、自動車は活況を維持しておりますも
団法人として新たなスタートを切ることができまし
のの、半導体工場の撤退等、景況は予断を許さない
た。ここに、年頭に際し、会員企業の皆さまをはじ
状況にあります。
め、九州経済産業局、九州各県・市、大学、研究機
関等、関係者の方々の一方ならぬご支援とご協力に
今後、九州地域が持続性ある豊かな地域経済社会
対しまして、厚く御礼申し上げます。
を実現していくためには、域内企業が創造性に富ん
本年も九州地域の産業技術振興のために全力で取
だ自前技術を持ち、果敢に製品化し、市場に投入し
り組む所存でございますので、会員並びに関係機関
ていくことが以前にも増して求められております。
の皆さま方におかれましては、従来にも増してご指
同時に、企業の国際的な産業競争力を高め、世界経
導・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
済への進出を図っていくことが一層重要となってお
ります。
新しい年が、九州地域経済にとりましても、皆さ
ま方におかれましても、活力に満ちた輝かしい一年
当財団は、九州域内唯一の広域的な産業支援機関
として、成長が期待される新事業・新産業の創出に
向けた活動を推進してまいります。特に、中小企業
2
となりますよう心より祈念いたしまして、新年のご
挨拶といたします。
年頭所感
九 州 経 済 産 業局長
廣實 郁郎
平成 25 年の新春を迎え、新年のご挨拶を申し上げま
り組みます。
す。
また、中小・小規模企業を巡る内外環境がこれまでに
我が国経済は、従来から抱えていた財政危機や長引く
なく変化する中、
「中小企業金融円滑化法」の期限が本
デフレ等の内なる構造的課題に加え、東日本大震災や原
年 3 月末に迫っております。昨年 8 月に施行された「中
子力事故、円高、欧州危機等の外的要因が重なり、円高
小企業経営力強化支援法」等の着実な実施による経営改
等による根こそぎ空洞化、エネルギー制約、企業競争力
善・事業再生等を強力に推進します。
の低下、雇用環境の悪化、全般的な貧困化等、かつてな
い危機に直面しています。
さらに、地域企業のグローバル戦略については、これ
まで推進してきた中国・韓国の環黄海地域を中心とした
九州経済産業局では、「アジアパワーを取り込み成長
経済交流促進・ビジネス展開支援に加え、アジア、更に
する九州」を目指し、「九州成長戦略アクションプラン」
は世界へと各種交流事業等の展開を拡大して参ります。
(平成22年12月策定)の具現化に向け、
「アジア」、
「環境・
エネルギー」、「次世代産業」、「観光」、「農業・地域型産
加えて、九州の企業、製品、サービスが有する創造性、
業」、
「中小企業」、
「基盤」を柱とする60を越えるアクショ
信用、信頼、品質を「九州ブランド」として確立し、市
ンの着実な実践に関係機関と連携し積極的に取り組んで
場において大きな付加価値を生み出すための知的財産戦
参りました。
略を構築して参ります。
今後、このアクションプラン等を着実に実行していく
このような政策を実行していくため、九州経済産業局
とともに、我が国を取り巻く様々な課題を克服・解決し
の全職員が、
支援施策の利用者である事業者の方々を「カ
ていくため、「強靱な九州経済の構築」に向けて政策資
スタマー」と意識し、顧客満足度を高めるクオリティの
源を集中投入して参ります。
高い柔軟な公共サービスの提供に心がける所存です。ま
た、その際は、九州域内の商店街、小規模・中小中堅企
具体的には、これまでのように我が国のリーディング
業をはじめとする企業、起業家、商工会、商工会議所、
産業の生産拠点の誘致に依存することなく、地域経済の
経済団体等、できる限り多くの方々の現場の声を聞き、
自立化を図るため、①潜在的内需を発掘する中核企業や
いわばホームドクターとして皆様の懸念の解消や課題の
多様な地場産業の育成、②九州企業のグローバル市場へ
解決に貢献していきたいと思います。
の積極的展開、③価値創造を支える九州ブランドの構築、
④イノベーションを生み出し、価値創造につなげる企業
最後に、昨夏の節電対策におきましては、九州の皆様
活動を支える多様な人材の育成(女性、高齢者等の活用)
方に多大なる御協力を頂き厚く御礼申し上げますととも
の 4 つの取組を展開して参ります。
に、本年におきましても更なる省エネルギーの推進とエ
ネルギーの安定供給の確保に御協力・御理解をお願いい
その第一歩として、本年 3 月には、次世代自動車、ヘ
たします。
ルスケア、バイオ、食・農業、グリーンエネルギー産業
等の「新たな成長産業」の創出による九州の発展方策を
本年が皆様方にとりまして輝かしい年となりますこと
「地域新産業戦略」として取り纏めることとしており、
「新
を心よりお祈り申し上げて、
新年のご挨拶といたします。
たな成長産業の芽作り」に関係機関と連携し積極的に取
3
年頭所感
独立行政法人 産業技術総合研究所 九州センター所長
渡辺 正信
あけましておめでとうございます。
「連携拠点」としては、
「太陽電池モジュール信頼
皆様には日頃から、産総研九州センターの活動に
性評価連携研究体」を設置し、九州センター内に建
対し、一方ならぬご支援を賜り、誠にありがとうご
設された評価施設において民間企業や公設試と共に
ざいます。
太陽電池の長期信頼性試験を実施しております。ま
た、産学官連携センターを設置し、コンソーシアム
ここ数年、リーマン・ショックに始まる欧州等の
「計測・診断システム研究協議会」
、産業技術連携推
経済停滞、東日本大震災とそれに続く原子力発電所
進会議等を通じ、九州の産業界、公的機関等と連携
の事故、これら様々な影響による円高による不況と
して、積極的な産学官連携を推進すべく活動を展開
厳しい状況が続いており、昨年は特に、九州に立地
しております。
の多い半導体業界にとって非常に厳しい年でした。
また、今後の貿易相手として期待度の高いアジア諸
昨年は、自治体等と新たに二つの連携・協力協定
国とも、領土問題等の問題が発生しており、今後の
(北九州市・九工大・産総研、佐賀県・産総研)を
影響が危惧されます。このような時こそ、今後の方
締結し、さらなる地域連携の加速を図っています。
向の検討や新たな技術開発を、様々な組織間での連
一昨年に開始した産業技術オープンデーを、昨年
携によって実現する、効率化することが一層重要と
も 11 月に、九州経済産業局、各県工業系公設研お
なると考えます。産総研は自らの研究活動のみでな
よび関連する公的機関との協力により開催し、400
く、このような連携活動への積極的な貢献を行うこ
名弱の方々にご参加いただき、定着してきました。
とを使命としており、旧来にも増して、皆様ととも
産総研は、「社会の中で、社会のために」との基
に前進していけるように願っております。
本理念のもと、出口を見据えた基礎研究から製品
化に至る連続時な研究を切れ目なく行うことを目
九州センターは、オール産総研の窓口として、
「研
指し、これを「本格研究」と名付けて推進しており
究拠点」と「連携拠点」の二つの機能により九州・沖
ますが、これに関する議論を行う「本格研究ワーク
縄地域の産業活性化に貢献することを目指しており
ショップ」を毎年各地域で開催しており、今年は 1
ます。
月 15 日(火)に熊本県において開催致します。
「研究拠点」としては、生産現場における品質・
生産性の向上や安全確保などに資する新たな計測ソ
今後もこれらの活動を含め、九州・沖縄地域の産
リューション提供を目指す「生産計測技術研究セン
学官の連携に積極的に貢献し、産業界の発展に寄与
ター」
、水素エネルギー社会構築に向けた水素の安
していきたいと考えます。皆様のご指導ご鞭撻、ご
全利用技術の確立等を目的とする「水素材料先端科
支援をよろしくお願い申し上げますとともに、本年
学研究センター」(九州大学内に設置)の 2 つの研
が我が国および九州・沖縄にとりまして、また皆様
究センターを設置し、地域産業貢献のための研究開
方にとりまして、すばらしい一年となりますようお
発に取り組んでおります。
祈り致します。
4
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賛助会員の広場
●
KITEC 2013 No.265
TOTO 株式会社
あしたを、ちがう「まいにち」に。
TOTO グループの思い、それは“真のグローバル企業 TOTO”へ進化することです。
それは単に売り上げや海外比率が大きいということではなく、固有の習慣や文化に適応した水まわり商品をお
届けし、生活文化の向上の一助となることで、
「そこに暮らすお客様から、その土地の企業として認められること」
を目指していきます。
そのためには、地球規模の課題である環境問題の解決に貢献することが重要であると考えています。私たちは、
「ま
いにち使っていただくことが節水や節電になる」商品をお届けすることで、持続可能な社会の実現に貢献して
いきます。
TOTO グループは、地球に存在を許されている企業として“真に持続可能な社会”をリードしていくことを
目指します。生活価値を創造し提供していく企業として、未来へとつながる「あした」に向かい、期待を超え
るかつてない「まいにち」を提案します。
事業概要
上席執行役員
衛陶生産本部長
麻生 泰一
会 社 名
創 立
資 本 金
従業員数
TOTO 株式会社(TOTO LTD.)
1917年(大正6年)5月15日
355億7,900万円(2012年3月現在)
連結 25,092名
単独 8,316名
営業品目 住宅設備機器
衛生陶器(大便器、小便器、洗面器、手洗器など)
システムトイレ
腰掛便器用シート(ウォシュレットなど)
水まわりアクセサリーなど
浴槽
ユニットバスルーム
水栓金具(各種給水栓、排水金具など)
システムキッチン、洗面化粧台
マーブライトカウンター
浴室換気暖房乾燥機
福祉機器など
新領域事業商品
環境建材(タイル建材、ハイドロテクト塗料など)
セラミック(精密セラミックス、光通信部品など)
住宅設備機器商品
国内向け新築需要およびリモデル需要に応えるため、レストルーム、バス、キッチン、洗面商品を展開しています。米州、
中国、アジア・オセアニア、欧州市場向けには、ウォシュレットをはじめとする機能商品を積極的に投入するとともに、
レストルーム商品の展開やバスルーム空間全体での提案を行っています。
新領域事業商品
環境浄化技術「ハイドロテクト」を応用した塗料・建材を展開。半導体・液晶製造分野や光通信分野でエアベアリング、
静電チャック、ボンディング・キャピラリー、光伝送機器といった高品質・高精度セラミック製品を製造・販売しています。 5
●
●
KITEC 2013 No.265
予想をこえる速度で進行する地球環境の変化。家庭からの CO2排出量は、家電
とならび、水まわり機器が多くの割合を占めています。
TOTO は、水まわりのトップメーカーとして、従来からの環境活動をさらに劇
的に加速する、TOTO GREEN CHALLENGE に取り組んでいます。すべて
の企業活動をいま一度検証し、2017年までの厳しい数値目標を掲げています。
商品を通じた取り組みでは、特に「水まわりの CO2削減」と「ハイドロテクト
による空気浄化」を推進。わかりやすい未来像とロードマップを示し、住設業界
全体を巻き込んだ、地球規模の活動へと広げていきます。
環境への
取り組み
トイレのエコ
賛助会員の広場
1976年に水洗便器の大洗浄の水量は1回あたり13リットルとそれまでの便器に比べて35%節水
を図りました。その後継続的に節水化を進めて、現在では、1回あたりの洗浄水量は3.8リットル
にまで削減しています。こうした節水トイレは日本のみならず、中国・アメリカ等の海外でもご使
用いただき評価をいただいています。
4.8L 便器を洗浄水量のグローバルスタンダードと位置付け、2011年12月には国内における累計
出荷台数が100万台を突破しました。また、2012年2月には、
「ネオレストハイブリッドシリーズ」
の床排水タイプで、次世代を見据えた3.8L というさらに高い節水性能を実現しています。
2011年度の4.8L 化率は、市場環境
の変化をうけて一部商品の投入時期の
変更を行ったため61%という実績で
したが、2012年度末には全品揃えの
うち84%を、2013年度末には92%
をラインナップする予定です。
今後も、2017年度までにレストルー
ム主力商品で CO2を90%(90年度比)
削減することを目指し、節水への貢献
を推進していきます。
バスルームのエコ
浴室においても、節水シャワーや一度温めたお湯が冷めにくい「魔法びん浴槽」を開発。CO2の削
減につながりご家庭での環境対策の実現をサポートしています。
エアインシャワー
空気の力で「節水」と「心地よさ」を両立。水に空気を含ませてシャワーの水粒を大粒
化することで、たっぷりの浴び心地を体感しながら快適性と節水を両立した新技術で、
CO2削減に貢献。従来に比べて35%(当社比)節水します。
魔法びん浴槽
帰宅が遅くなっても追いだきなしで、すぐお風呂
に入れます。二重断熱構造の「魔法びん浴槽」な
ら、5.5時間後の温度低下を2.5℃以内に抑えま
す。だから、省エネ、しかも快適です。
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●
賛助会員の広場
●
KITEC 2013 No.265
キッチン洗面所
のエコ
エコシングル水栓
従来のシングルレバー混合栓は、レバーの中央部では水と湯が混ざって
出るため、例えばしゃもじや歯ブラシをちょっとぬらすだけでも、気づ
かないうちに給湯機が作動し、無駄なエネルギーを消費していました。
そこで、よく使われるレバー中央部まで水が出るエコシングル水栓が新
登場。
さらに水と湯の境のクリック感で、水と湯がきちんと使い分けでき、無
意識によるエネルギーのムダ使いを防ぎます。
ハイドロテクト
ハイドロテクトは、光触媒を利用し光や水の力で地球も暮らしもきれいにする TOTO の環境浄化技
術であり、技術ブランドです。 ハイドロテクトの膜を建材や建物などの材料表面に形成すると「空
気浄化」「セルフクリーニング」など暮らしや地球環境に役立つ効果を発揮します。TOTO は、こ
の技術を「塗料(ハイドロテクトコート)
」や「タイル(ハイドロテクトタイル)
」など自社製品に
応用するだけでなく、国内外の幅広いメーカーと協業することでさまざまな材料に展開し、地球や
暮らしに貢献しています。
1993年光触媒抗菌タイルの実用化(世界初)を皮切りに、
TOTO は1995年超親水性技術の開発に世界で初めて成功す
る等「ハイドロテクト」の独自性を高めてきました。「ハイ
ドロテクト」は、自社製品であるタイル建材・塗料・コーティ
ング材に応用するだけでなく、国内外の100社以上の企業
とライセンス契約を結び、幅広い製品に応用されています。
また2009年より、
「ハイドロテクト」の普及を通じて社会・
環境に貢献することを共通目標とするパートナーシップ「ハ
イドロテクトの輪」をグローバルで推進し、着実に海外展
開・普及活動を進めています。現在国内・アメリカ・ヨーロッ
パを中心に大手建材メーカーにご参画いただいております。
TOTO はこれからも「環境浄化の輪」を広げて参ります。
※次回以降、掲載を希望される会員企業の方は、総務部 中間までご連絡ください。
TEL 092-411-7391
E-mail nakama @ kitec.or.jp
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●
賛助会員の広場
●
KITEC 2013 No.265
株式会社 正興電機製作所
情報と制御の独創技術で未来を創造する
正興電機は、1921年創業以来「最良の製品・サービスを以て社会に貢献す」を社是とし、堅実な経営、
人材育成を基礎として、時代を拓く技術の開発を続けてまいりました。
当社は、コア事業である電力システム、 社会システム分野の更なる事業拡大を推し進めるとともに、情
報と制御の独創技術で新製品・新事業の創出に取組み、環境にやさしく安全で快適な社会のインフラ ( 基盤 )
構築に貢献してまいります。
また、社会環境が大きく変化しようとしている今日、私たち社員一人ひとりが高い使命感を持ち、自ら
を最大限に発揮し、社会およびお客さまのニーズを的確に捉え、新時代の産業から生活まで幅広い分野で、
さまざまなご要望にお応えする製品 ・ サービスを提供してまいります。
代表取締役社長
井上 信之
■社是
最良の製品・サービスを以て社会に貢献す
■経営ビジョン
● 事業ビジョン
情報と制御の独創技術で、環境に優しい、安全で快適な社会の実現を目指す企業
● 経営ビジョン
CS 経営に徹し、顧客に愛され信頼される企業、併せて、株主様と社員の満足度の高い企業
● 企業文化ビジョン
人間尊重を基本として掲げ、自己実現の場づくりや、人材育成、人との出会いを大切にする企業
■経営方針
● コア事業の強化
情報×制御=∞でオンリーワンに挑戦する < Information × Control >
● CS 経営革新
最良のソリューション・サービスを約束する < Innovation for Customer >
● 楽しく果敢な社風
自己実現を追求する < Interesting & Challenging >
● キャッシュフロー経営
高効率・高収益・高分配を実現する < Increase of Cash flow >
会社概要
本
創
資
従
事
事業内容
電力システム、社会システム、情報システム、制御・電子、
商事・エンジニアリングサービス、オプトロニクス
8
本
業
業
社
業
金
員
所
福岡市博多区東光二丁目7番25号
1921(大正10)年5月
23億2,300万円
937名(連結) 592名(単体)
古賀事業所、東京支社
札幌営業所〜沖縄営業所(16ヵ所)
子
会
社 国内3社
海外4社(中国、フィリピン、マレーシア)
建設業許可 建設大臣許可(特)電気工事、
機械器具設置工事、電気通信工事
I S O 認 証 ISO 9001(品質認証)
ISO 14001(環境認証)
ISO/IEC 27001(セキュリティ認証)
●
賛助会員の広場
●
KITEC 2013 No.265
事業紹介(電力システム)
総合制御所システム
事業紹介(社会システム)
水処理監視制御システム
浄水場監視制御システム
下水処理監視制御システム
9
●
賛助会員の広場
●
事業紹介(社会システム)
V2Hシステム
新施設紹介(古賀事業所 Lサイト・Rサイト)
Green Innovation をリードする開発拠点
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KITEC 2013 No.265
●
私の研究室
●
KITEC 2013 No.265
福岡大学工学部電子情報工学科
友景 肇 教授
研究 部品内蔵基板を中心とした3次元実装技術の
テーマ 研究開発
研究背景
スマートフォンに代表される高機能携帯端末は、最高の半導体組み立て技術で作られている。携帯端末は落下する可
能性が高く、落下の衝撃にも耐える構造が施され、高機能を実現するために半導体チップと極小の電子部品が高密度に
実装されている。複数の半導体チップを1つの小型パッケージに実装する SiP(System in a Package)技術が多用され、
更に高密度に実装するための3次元化が進んでいる。
研究内容
2002年から2007年までの5年間、文部科学省知的クラスター創成事業を福岡県が受諾し、5つのプロジェクトが走っ
た。その中の1つ「SiP モジュール設計技術の確立」プロジェクトでは、3次元の高性能 SiP を設計するツール開発、実
装工程を検証するための評価 TEG(Test Element Group)チップ開発、実装工程を評価するための装置開発を行った。
2005年に福岡市百道浜に「福岡システム LSI 総合開発センター」が建設され、その1階に「SiP モジュール試作・検証
ラボ」が完成して、開発した装置や信頼性試験装置を使った研究開発を行った。
知的クラスター創成事業終了後、知的クラスター II 期にあたる地域イノベーション戦略支援プログラムが2007年か
ら始まり、福岡県で22のプロジェクトで研究開発が進んだ。その中の1つ「半導体実装プラットフォームの研究開発」
プロジェクトで、MEMS(Micro-Electromechanical Systems)対応の設計ツール、部品内蔵基板評価キット、MEMS ウェ
ハテスターなどの開発を行った。また、2011年3月に福岡県糸島市に「三次元半導体研究センター」が建設され、イノベー
ション事業の最終年度である2011年度は、企業36社が結集して、3次元実装に関する研究開発を共同で行った。
以下に、これまでの研究内容と研究成果を説明し、最後に今後の展望について述べる。
3次元設計ツール開発
3次元に高密度実装する SiP の設計は、2次元の CAD では無理で、3次元での接続
を記述するだけでなく、熱や電磁界のシミュレーション機能も要求される。知的ク
ラスター創成事業では、STEERSIP という3次元設計ツールを開発した。完全3次元
構造で設計ができ、熱シミュレーション結果などを設計にフィードバックできる統
合設計機能を有している。開発した STEERSIP は、現在共同開発企業から販売され
ている。
加速度センサーやマイクロフォンに MEMS 技術が使われている。可動部を有す
るデバイスでは、機械的な解析が設計時に必要となる。イノベーション事業では、
STEERSIP に応力解析機能を付加し、熱応力解析可能な設計ツール STEERMEMS を
図1 加速度センサーの応力解析例
11
●
私の研究室
●
KITEC 2013 No.265
開発した。これも、現在市販されている。図1は、3次元加速度センサーデバイスを設計し、加速度を検知する部分の応
力解析を行っているものである。
3次元で設計後、例えば実装するプリント基板を製造するために設計データがプリント基板メーカーに送られる。従来、
GERBER 形成のデータが使われてきたが、3次元の接続を表現することはできなかった。そこで、3次元データフォーマッ
ト FUJIKO を開発した。これは、外から見えない形式で、装置まで直接データを送ることができ、CAM データへの変換
も不要である。FUJIKO フォーマットは、日本電子回路工業会(JPCA)で2011年11月に EB02として規格化され、現
在国内3社の CAD 上で動いている。これによって異なる CAD での設計が可能になった。
実装工程評価用 TEG 開発
半導体組み立て工程で、例えばボンディン
グが正しくできているかを確認するために、
TEG チップが用いられる。図2は、開発した
先端 LSI 用の TEG チップである。絶縁層に用
いられる低誘電率(low-k)の薄膜が機械的に
脆弱で、ダイシングやボンディング工程で発
生する不良を 図(a)は90nm ノード、(b)は
130nm ノードで設計、製造したものである。
図3は、部品内蔵基板評価用の TEG で、JPCA
の部品内蔵規格 EB01(Edition5)での試験
用 TEG に採用されている。
図2 low-k 絶縁層を有するTEG. 90nmノード(a)と130nmノード(b).
実装工程評価装置開発
半導体の組み立て工程での不良の原因を探
るための装置開発を行った。図4は、走査電子・
レーザビーム誘起電流(SELBIC; Scanning
Electron and Laser Beams Induced
Current)装置である。試料上面から電子ビー
ム、下面から赤外レーザを照射して、ビーム
照射時に流れる電流を測定する装置である。
TSV の欠陥を観察した例を図5に示す。1つの
TSV の右側に電流が流れて、白く表示されて
いる。ビア中の絶縁膜不良によるもので、非
破壊に電気的な測定が可能である。電子ビー
図3 部品内蔵基板評価用 TEG.デイジーチェイン (a)、キャパシタ(b).
ムは真空中で照射されるため、真空チャンバー
が必要で、300mm ウェハでの測定には巨大
なチャンバーが必要になる。そこで、電子ビー
ムを取り除き、赤外の2つのレーザで300mm
ウ ェ ハ 上 の TSV 欠 陥 を 評 価 す る 装 置 SLBIC
(Scanning Laser Beam Induced Current)
も開発した。この測定装置の写真を図6に示す。
MEMS の可動部分の振動を多点レーザを用
いて高速に観測する装置も開発した。図8に
その写真を示す。中心波長1.55μm で約60
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図4 SELBIC 測定装置
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私の研究室
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図5 TSV 欠陥の観察例
KITEC 2013 No.265
図6 SLBIC 測定装置
本の側波帯をもつ赤外レーザを分光器に通して分離して、60点同時に
レーザ光を照射するもので、μm オーダの振動をμs で観測することが
可能である。
部品内蔵評価技術開発
三次元半導体研究センターでは、部品内蔵基板の設計、評価、製造、
試験が量産レベルで可能である。電子部品を基板内部に埋め込んだ場
合に、特性がどのように変化するかを調べるための基板を開発した。
現在、SIPOS_EB01という名称で、複数の部品メーカで使用されている。
図7 MEMSウェハテスター
また、部品内蔵基板の設計データを FUJIKO を用いて高速に送る実証実
験も行われている。
今後の展望
2012年7月から、新たな地域イノベーション戦略支援プログラムが始まった。研究者を招聘し「高機能・高信頼性モ
ジュールのための高付加価値インターポーザに関する研究」プロジェクトが5年間の計画でスタートした。また、これま
で10年間の成果を活用し、2012年4月から「低温低応力微細実装技術の研究開発」コンソーシアムが始まった。これは、
福岡大学を中心に、材料メーカ、装置メーカ、プリント基板メーカ、CAD ベンダーが、三次元半導体研究センターの施
設を使って、部品内蔵基板など3次元実装に関する研究を共同で行うものである。現在、25社が参画して、月に1度の全
体ミーティングで進捗を確認しながら個別の研究テーマが走っている。
日本の半導体は負けた訳ではないし、死んだ訳でもない。まだまだ強い材料メーカや装置メーカが結集して、標準化や
技術の抱え込みなどで一丸となれば、勝てないことはない。コンソーシアムの狙いはそこにある。
友景 肇
照会先
教授
[email protected]
福岡大学工学部電子情報工学科 電話 092-871-6631 内 6390
福岡大学半導体実装研究所
電話 092-332-9144
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センターからのお知らせ
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KITEC 2013 No.265
平成 24 年度第 2 回中国地域・九州地域の
自動車産業に係る合同有識者会議開催のご案内
(会議の目的)
中国地域・九州地域の自動車産業は、ともに完成車の生産能力が150万台規模にあるうえ、その関連産業も多く集積しており、
地域経済に大きな影響を与える基幹産業の1つとなっている。
しかし、近年、自動車産業を取り巻く環境は、次世代自動車の普及や新興国市場の急速な拡大など大きく変化している。今後、
地域の自動車産業が世界的な競争力を高め、地域経済の牽引役として引き続き大きな役割を果たしていくためにも、技術開発力・
事業展開力の更なる強化が不可欠となっている。
中国地域・九州地域では、これまでも、自動車産業の技術開発力・事業展開力の強化に向けて、それぞれ産学官あげての多様
な活動が展開されてきたが、今後はこうした活動の更なるレベルアップが求められる。
本会議では、こうした問題意識のもと、中国地域・九州地域の自動車産業にかかるキーパーソンを参集し、更なる自動車産業
の競争力強化に向けた方策、あわせて生産能力300万台を越える自動車産業クラスターとしての連携方策等を検討していくこと
を目的とする。
(構成) 中国地域及び九州地域の産学官の関係者で構成
1. 日 時
平成25年 1 月29日(火) 14:00~17:30
2. 場 所
ホテルサンライフ福岡博多駅前
2F(博多駅博多口から徒歩5分程度)
ガーデンシティ博多アネックス 会議室ネプチューン
TKP
(福岡市博多区博多駅前
4-11-18 TEL:092-433-0520)
お問い合わせ先
技術振興部 担当 田中
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
第3回 首都圏販路拡大マッチング会 開催案内
(一社)
東京都中小企業診断士協会が、地方企業の首都圏での販路拡大を目指し、中小企業支援機関と連携し、供給者と
首都圏の代理店・顧客を結ぶマッチング会を下記の通り開催します。
標記会に(一財)九州産業技術センターの平成24年度九州地域中小企業事業化支援事業「九州地域ものづくり中小企業
事業化支援スキーム実証・高度化等調査」事業において調査した下記企業が参加することになりました。
[開催概要]
◆ 実施主体:一般社団法人東京都中小企業診断士協会 事業化推進部
◆ 対象商材:地方で実績があるが県外へ出ていないもの
(日)12:00~16:00
◆ 日 時:平成25年2月3日
◆ 場 所:中小企業会館 8 階会議室および9階講堂
TEL:03-3542-0121
〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目10-18
http://www.tokyo-kosha.or.jp/kosha/office/chusho.html
◆ 開催規模:出展企業10~15社、サポーター+顧客企業担当者50~80名
[参加企業]
◆ 企 業 名:株式会社馬場木工
◆ 代 表 者:代表取締役 馬場 末広
◆ 所 在 地:福岡県久留米市三潴町西牟田2225-6
◆ 事業内容:家具製造全般および施設関係の納品家具・オリジナルオーダー家具の製造
Care Support Table
◆ 出展商品:手摺付きテーブル「手助けくん」
~福祉家具のひとつである掴まり立ち機能を特に配慮したテーブル~
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お問い合わせ先
技術振興部 担当 田中
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
「九州医療関連産業推進フォーラム」戦略セミナー 開催報告
主催:九州経済産業局、九州医療関連産業推進フォーラム推進会議、九州産業技術センター
平成24年10月2日
(火)
、アクロス福岡4階国際会議場において標記セミナーを開催し、医療機器・医薬品メーカー・販社、
医療機関、ものづくり企業、支援機関等より234名の参加がありました。
セミナーでは、我が国における最新の医療関連プロジェクトの現状、医療サービスとの連携のあり方や九州における
大学や企業の先進的な取り組みが紹介されました。また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構「PMDA」による「薬
事戦略相談」も同時開催し、医療関連産業への参入意欲を高めるプログラムの提供を行いました。
また、セミナーのあと開催した名刺交換会には89名の方に参加いただきました。
プログラム
○開会挨拶 九州経済産業局地域経済部長
平井 淳生
○講 演「成長戦略・産業競争力強化の視点から見た医療機器の研究開発について」
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
産業技術本部バイオテクノロジー医療技術部部長 森田 弘一 氏
○講 演「医工連携推進のための産学官の役割 : 佐賀大学におけるプロジェクトから」
国立大学法人 佐賀大学学長
佛淵 孝夫 氏
○お知らせ「医薬品・医療機器薬事戦略相談について」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)調査マネジメント部
薬事戦略相談室テクニカルエキスパート
石川 廣 氏
開会挨拶
(平井九州経済産業局
地域経済部長)
○参入促進事例紹介
◦事例報告①医療機器開発・市場化までの現実(医工連携の事例から)
① - 1「眼底血流画像化装置の多機能化とその製品化」
ソフトケア(有)取締役(九州工業大学名誉教授)
① -2「血栓症用イムノクロマトリーダー事業化への取り組み」
株式会社デンケン技術総括室副室長
① -3「東九州メディカルバレー構想総合特区」指定後、医療機器製造業許可取得第1号
安井株式会社開発部主査
◦事例報告②「産学連携・医工連携における成功の要件 : 上市を加速させる方法」
九州大学先端医療イノベーションセンター教授
◦事例報告③「医療機関の国際展開・小倉記念病院における国際医療連携の実態と課題」
財団法人平成紫川会小倉記念病院院長代理
藤井 仁 氏
日浦 昭二 氏
会場風景
荒殿 剛 氏
大平 猛 氏
瀬尾 勝弘 氏
○講 演「医療機器・医療サービス等の展開について」
経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課長 福島 洋 氏
同時開催
PMDAによる「薬事事前相談」: 12時45分〜17時30分 参加 : 8 機関 21名
お問い合わせ先
技術振興部 担当 野田
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
第 3 回「医工連携推進研究会」開催報告
九州経済産業局は、平成22年12月に策定した「九州成長戦略アクションプラン」で「医療・医療機器産業の
振興及び医工連携の推進」を掲げ、その具体的取組として、昨年9月に医療機器・医薬品メーカー・販社、医療
機関、ものづくり企業等との緩やかなネットワークを目指す「九州医療関連産業推進フォーラム」を構築した。
このネットワークを活用し、地域における様々な取組について、関係機関間の情報の共有を進めているが、さ
らなる医療・医療機器産業の振興に向けた取組の活発化を促すため、今般、佐賀地区において、医療現場で求め
られる医療機器等の開発推進のため第3回「医工連携推進研究会」を開催した。
開催内容
■日 時:平成24年11月12日(月)
17:00~19:30
■会 場:国立大学法人 佐賀大学医学部 臨床講義室 小講堂2
( 佐賀市鍋島五丁目1番1号)
■プログラム
○開催挨拶
九州経済産業局地域経済部新産業戦略課参事官
石丸 晃
○取組報告
①産学連携・医工連携におけるトランスレーショナルリーサーチの要件:上市を加速する方法
九州大学先端医療イノベーションセンター 教授
大平 猛 氏
②医工連携推進に向けた医療現場ニーズと製造業のマッチングの試み
九州大学先端医療イノベーションセンター 副センター長 重倉 光彦 氏
○医療現場等のニーズ発表
①「外科治療における医療機器ニーズとその技術的課題」
佐賀大学医学部附属病院呼吸器外科 講師
櫻木 徹 氏
②「リハビリテーション医療における医療機器ニーズとその技術的課題」
佐賀大学医学部附属病院先進総合機能回復センター助教
南里 悠介 氏
③「耳鼻咽喉科治療における医療機器ニーズとその技術的課題」
佐賀大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学 准教授
倉富勇一郎 氏
○閉会挨拶
佐賀大学理事 産学地域連携機構長
中島 晃 氏
■セミナー終了後、交流会開催(19時45分~20時30分)
開催結果
■参加者数:90名 (企業32社、大学・支援機関など)
■研究会開催風景
お問い合わせ先
技術振興部 担当 野田
E-mail [email protected]
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講演状況(大平先生)
講演状況(櫻木先生)
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
九州・沖縄地区国立大学法人共同センター長会議
(意見交換会)
昨年11月26日
(月)
(一財)九州産業技術センター(福岡市)において、当財団主催による「九州・沖縄地区
国立大学法人共同センター長会議(意見交換会)
」を開催いたしました。
本意見交換会は、九州・沖縄地区の国立大学産学官連携推進センター、九州経済産業局、
(独)
産業技術総合研
究所九州センター並びに(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 九州支部等の関係機関がネットワークを形
成し、産学官連携に関する現状と課題、協力体制並びに企業ニーズと大学シーズとのマッチング等について意見
交換を行い、九州地域の産業技術振興に向けた共同研究の推進に資することを目的として、平成6年度より開催
しているもので、今回で19回目の開催となります。
意見交換会は、はじめに九州経済産業局から、地域技術支援の取り組みについて説明があり、その後、各大学
の共同研究センターから平成23年度の事業実績と平成24年度の事業計画について、報告していただき、意見交
換が行われました。
その後、休憩を挟み、各大学でかかえている課題や問題点として、「産学官連携コーディネーター・URA の役
割と雇用の安定化について」
、
「TLO と大学の関係について」の2テーマについて活発な意見交換が行われました。
当センターといたしましては、この意見交換会の内容を踏まえながら、地域のニーズにマッチした先端技術の発
掘、助成など新規事業の創出等に資する事業を引き続き推進して参ります。皆さまのご協力をよろしくお願いい
たします。
お問い合わせ先
技術振興部 担当 中原
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
「九州の成長戦略に基づく事業創出推進事業」
◎第 3 回事業化連絡会(コーディネータ)開催報告
(一財)九州産業技術センターでは、九州地域における広域的な産業技術支援機関として期待される役割を果たし
ていくため、九州経済産業局が策定した「九州成長戦略アクションプラン」の達成に向け、その一翼を担うため、
平成23年度から新たに「九州の成長戦略に基づく事業創出推進事業」に取り組んでいます。
本事業は、①成長戦略調査研究、②事業創出調査研究、③ミニセミナーの開催、④コーディネータ交流会の開
催で構成しており、大学・公的研究機関等のシーズ及び企業ニーズの発掘・マッチングから、産学共同研究開発、
実用化・事業化に向けたフォローアップまで一貫した支援を行っています。
その中の事業創出調査研究では、事業推進委員会で選定した戦略分野、企業候補に対して、コーディネータが
企業と大学等研究機関の技術ニーズ・シーズのコーディネータ活動を行うとともに、統括コーディネータを座長として、
事業化連絡会を開催し、コーディネータ活動の活性化及び進捗状況の管理を行っています。
このたび、
「平成24年度産業技術オープンデー」に参加するとともに第3回連絡会を開催しました。
第3回事業化連絡会
日 時
平成24年11月29日(木) 15:00~17:00
場 所
鳥栖市民文化会館 2階 会議室2
議 題
1)コーディネータ活動進捗状況報告
2)オープンイノベーションソリューションサイトについて
3)コーディネータ活動の情報交換
お問い合わせ先
この事業は、競輪の補助を受けて実施したものです。
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http://ringring-keirin.jp
技術振興部 担当 徳渕
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
平成 24 年度第 1回中国地域・九州地域の自動車産業に係る
合同有識者会議(広島)開催結果及び施設見学会について
中国地域・九州地域の自動車産業振興に向けた取り組みを互いに情報提供し、それぞれの地域における課題等現
状認識を共有した上で、中国・九州地域の自動車産業振興における連携に向け、具体的に検討するため、広島で合
同有識者会議が開催されました。
◦合同有識者会議
(日時) 平成24 年10月 3 日(水)14:00~17:30
(場所) ひろしまハイビル 21 17階 第1・第2会議室
(広島県広島市中区銀山町3-1)
また、有識者合同会議に併せて、医工連携に関する施設の見学会を実施しました。
◦ひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点施設見学会
(日時) 平成24 年10月 4 日(木)10:00~11:00
(場所) 広島大学霞キャンパスひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点(広島市南区霞1-2-3)
お問い合わせ先
技術振興部 担当 田中
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
「燃料電池等次世代自動車産業創出事業」
◎「九州燃料電池自動車セミナー」開催報告
2015年に燃料電池自動車が販売開始されるため、水素・燃料電池自動車にかかる理解の促進を図り、九州地
域において円滑に普及することを目的に、企業や自治体等を対象とした、「九州燃料電池自動車セミナー」を開
催致しました。
開催内容:
■日 時:平成24年10月23日(火) 13:00~15:30
■会 場:グランメッセ熊本 コンベンションホール 同乗試乗会15:30~16:30(C 駐車場)
(熊本県上益城郡益城町福富1010)
■開会挨拶
九州経済産業局 資源エネルギー環境部 電源開発調整官 田上 哲也
■基調講演
題 名「水素エネルギー社会に向けた取り組み」
経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部
新エネルギー対策課 燃料電池推進室 課長補佐 原 伸幸 氏
■セミナー1
題 名:「Honda FCV の取り組みについて」
本田技研工業(株) 四輪 R & D センター 第5技術開発室 上席研究員 守谷 隆史 氏
■セミナー2
題 名 :「水素供給インフラの構築に向けた取組」
水素供給・利用技術研究組合 技術本部長 北中 正宣 氏
■事例紹介
題 名 :「福岡ブルータワー(次世代バイオマス水素供給)の取組」
(株)
イデックスエコエナジー 代表取締役 社長 岡嶋 祐治 氏
■セミナー終了後、燃料電池自動車同乗試乗会が開催された。
開催結果:
■参加者数:126名
お問い合わせ先
技術振興部 担当 髙尾
E-mail [email protected]
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☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
◎「第 2 回 自動車産業新規参入・取引拡大セミナー」開催報告
「第2回 自動車産業新規参入・取引拡大セミナー」を北九州市にて開催、今回の自動車セミナーでは、トヨタ
自動車㈱やデンソー㈱などでトヨタ生産方式の実践に多大なる実績を上げられた岩月事務所代表の岩月伸朗氏に
『経営の基本と原則 ドラッカーとトヨタ生産方式』をテーマに講演をいただきました。
岩月氏は、トヨタ自動車工業㈱入社後、1970年に張富士夫氏らが指導に訪れた際、
「トヨタ生産方式」と出会い、
以降、生産方式の生みの親である大野耐一氏から直接指導を受け、社内やグループ会社への指導に長年携わり、
大きな実績を残された方で、現代経営学のバイブル「ドラッカーのマネジメント」発表以前より、その要諦を実
践していた「トヨタ生産方式」の現場事例を基にドラッカーの経営論を易しく読み解くという、これまで誰も気
付かなかった視点でお話し頂き、自動車産業への新規参入や取引拡大だけでなく、企業経営、生産現場の改善の
ヒントとなる貴重な講演でした。
開催概要:
■日 時:平成24年11月22日(木) 15:00~17:00
■会 場:ホテルクラウンパレス小倉 3F ダイヤモンドホール
(北九州市小倉北区馬借1-2-1)
■開会挨拶
一般財団法人 九州産業技術センター 事務局長 村上 英治
■基調講演
題 名『経営の基本と原則 ドラッカーとトヨタ生産方式』
岩月事務所 代表 岩月 伸朗 氏
■セミナー終了後、交流会開催(17:00~)
交流会挨拶 ・北九州市長 北橋 健治 氏
・九州経済産業局 地域経済部長 平井 淳生 氏
開催結果:
■参加者数: 120 名
岩月代表 講演
セミナー風景
お問い合わせ先
技術振興部 担当 髙尾
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
◎「オープンイノベーションセミナー」開催報告
産業技術総合研究所九州センターが中心となって、地域の企業、中小企業支援団体等の様々な関係者・機関を
対象に、最新技術情報の提供や情報交換等を行う交流の場として九州・沖縄 産業技術オープンデーを開催、そ
の中の九州・沖縄地域連携フォーラムにおいて「オープンイノベーションセミナー」を行い、当財団が構築した
マッチングサイトの普及促進に努めた。
開催内容:
■日 時:平成24年11月29日(木) 13:25~17:00
■会 場:鳥栖市民文化会館 2階小ホール
(佐賀県鳥栖市宿町807-17)
■開会挨拶
九州経済産業局地域経済部 技術振興課長 大串 渉
■オープンイノベーションソリューションサイト概要説明
一般財団法人 九州産業技術センター 技術振興部長 二階堂 正憲
■記念講演
題 名:「“あなたの素晴らしい技術を探しています”
オープンイノベーションソリューションサイト」
(公財)大阪産業振興機構 取引振興課 コーディネータ 森村 潔 氏
■記念講演の後、九州・沖縄地域公設試&産総研合同成果発表会が開催された。
■参加者数:95名
【記念講演】
大阪産業振興機構 森村コーディネータ
お問い合わせ先
技術振興部 担当 髙尾
E-mail [email protected]
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セミナー風景
☎ 092 - 411 - 7394
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センターの活動報告
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KITEC 2013 No.265
ビジネスイノベーション研究会
第 2 回委員会及び知財経営塾 in 熊本 開催報告
本ビジネスイノベーション研究会は、厳しい国際競争の下、技術のみならず、知財マネジメントや国際標準化戦略を一体的
に実践・展開する三位一体のビジネスモデルの構築・推進の必要性を提示するとともに、世界市場で活躍される九州のグロー
バルチャンピオン企業の発掘、創出のための方策等を検討するため、昨年5月に発足したものであります。
今回は、第2回委員会を開催し、先進的な取り組みを行っている企業 3社からお話を伺い、グローバル展開の成功要素等の
深堀の検討を行いました。
また、本研究会の一環として、上述の視点から、九州地域の中小企業を対象にグローバル中小企業の輩出のための環境醸
成を図るため、知財経営塾を開催しました。
《ビジネスイノベーション研究会第 2 回委員会》
開催日時: 平成24年11月15日(木)
13:30~16:00
場 所: 九州経済産業局 第2~3会議室
概 要: ◆中堅・中小企業3社からのプレゼン
◆意見交換
◆その他
今後の検討イメージ及びスケジュール
ビジネスイノベーション研究会第2回委員会
《ビジネスイノベーション研究会 知財経営塾 in 熊本》
開催日時: 平成24年12月13日(木)13:30~17:00
場 所: KKR ホテル熊本
概 要: ◆講 演
○演題名:「日本発イノベーションの創発に向けて」
○講演者: 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
総務企画部長 東條 吉朗 氏
◆パネルディスカッション
○テーマ:
「バイオ・ライフ産業におけるビジネスイノベーションについて
○参加者: ◦独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
総務企画部長
東條 吉朗 氏
◦佐賀大学工学系大学院 教授
中山 功一 氏
◦東郷メディキット株式会社 取締役・工場長 坂本 和仁 氏
○司 会: 経済産業省九州経済産業局 地域経済部長 平井 淳生 氏
お問い合わせ先
技術振興部 担当 本多
参 加 者: 43名
E-mail [email protected]
☎ 092 - 411 - 7394
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トピックス
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KITEC 2013 No.265
「オープンイノベーションソリューションサイト」の取り組み状況
九州産業技術センターでは、技術開発に必要な外部資源の導入を目指す企業から技術課題
(ニーズ)
をお預かりし、
その概要をサイトで公開することにより、優れた技術を持つ研究機関・企業等から提案をいただき、ニーズ企業の
技術課題と解決可能なシーズとのマッチングを支援する仕組みを運用しています。
(前号の「トピックス」で紹介
しております)昨年10月に開設して以来、九州域内のコーディネータや企業等から多くの、お問い合わせをいた
だいています。
下記の表は、当財団が共同運用しているサイトで先行して開設した大阪産業振興機構の7か月間の取り組み実
績です。皆さま、ぜひご活用ください。
棒グラフ
折線グラフ
(凡例)
http://open-inv.kitec.or.jp/open-inv/
お問い合わせ
一般財団法人 九州産業技術センター 技術振興部
住所 福岡市博多区博多駅東二丁目 13 番 24 号
Tel 092-411-7394
e-mail:[email protected] http://www.kitec.or.jp
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トピックス
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KITEC 2013 No.265
平成 24 年度九州地方発明表彰
九州産業技術センター会長賞 受賞者決定
昨年11月8日に平成24年度の九州地方発明表彰式が開催されました。
この地方発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与すること
を目的として大正10年に創設され、全国を8ブロックに分け、各地方において優秀な発明・考案・意匠を完成した方々、
発明等の実施に尽力された方々及び発明等の指導・奨励・育成に貢献された方々の功績を称え、公益社団法人発明
協会の主催で表彰するもので、今年度、九州地方では、35件の発明が受賞対象となりました。
表彰式当日は、文部科学大臣発明奨励賞をはじめ数々の賞の表彰が行われ、そのうち九州産業技術センター会長
賞についても次のとおり受賞者が決定され表彰されましたのでお知らせいたします。
九州産業技術センター会長賞 受賞者: 永 吉 英 昭
氏 株式会社フジコー 技術開発センター 取締役 センター長
尾 崎 龍 宏
氏 株式会社フジコー 環境プランテックグループ製造課 係長
古 田 博 昭
氏 株式会社フジコー ロール事業部 山陽工場 課長
大 野 京一郎
氏 株式会社フジコー 光触媒事業部 課長
テーマ: 「高殺菌・消臭分解機能製品の開発」
[発明品の概要]
アナターゼ型二酸化チタンを多く含む層を短時間に形成し、光触媒機能が長時間維持できる皮膜である。
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シリーズ
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KITEC 2013 No.265
平成 24 年度(後期)国際研究集会助成完了報告書
宮崎大学大学院 農学工学総合研究科 物質情報工学専攻 博士課程 2 年
永岡 章
1.はじめに
3.講演内容
2011年8月25日から31日まで九州産業技術センター
現在、化合物太陽電池において低コスト、高効率が
の国際研究集会参加助成の支援を受けて、オーストリ
期 待され、最 近 5 年 間 で活 発 に研 究 が 行 わ れている
ア ザルツブルクで開催された多元系材料の国際会議
4 元 系 化 合 物 Cu2ZnSnS4(CZTS)、Cu2ZnSnSe4
である18th International Conference on Ternary
(CZTSe)は世界的に見ても注目を集めるトピックスと
and Multinary Compounds(ICTMC18)にて研究
なっている。高効率を達成するため研究の主流は、デバ
成果の発表を行った。以下において、会議の概要、講演
イス応用に向けた CZTSSe 薄膜多結晶作製およびそ
内容、意見交換内容などを紹介する。学会の開催場所
れを用いた物性評価で研究の主流となっている。一方
であるザルツブルクは観光都市であり、また作曲家モー
で、基礎研究である単結晶成長及び単結晶を用いた基
ツァルトの出生地でもある。新市街地と旧市街地に分
礎物性評価はほとんど報告されていない。例として、半
かれ旧市街地においては昔ながらの建造物がそのまま
導体における重要物性であるバンドギャップも正確な
残っており趣があった。また学会期間中は、世界的に有
値が決まっていない。上記の現状をふまえて8 月 27 日、
名なザルツブルク音楽祭の開催時期でもあり、毎日夜
初 日 午 後 の「Growth and preparation techniques
遅くまで演奏やオペラが行われており賑やかであった。
– bulk mater ials, thin films, nanostructured
materials, nanoscale structures 」セッションにおいて
「Growth and Characterization of I2-II-IV-VI4 Single
Crystal」というタイトルで口頭発表を行った。初日の午
後一番のセッションであり注目を集めている材料のため、
聴取者も多い中での発表であった。CZTS とCZTSe
は融点以下において、ZnS、ZnSe がそれぞれ周りの液
相と反応する包晶反応によって CZTS 相、CZTSe 相
が形成されるため、Si 単結晶に用いられるような融液か
らの成長は困難であり、またヨウ素を用いた気相成長
ザルツブルク旧市街地
においては成長時間が1カ月程度かかり、また形もイレ
ギュラーなものしか得られないという現状がある。そこ
で、融点以下でセンチオーダーの大きな単結晶成長が
可能な溶液成長を選択しCZTS、CZTSe 単結晶成長
2.会議の概要
を行った。溶液成長をするにあたって溶媒には構成元
ICTMC18は、既存の二元系までの化合物にない性
素で高溶解度、低融点金属の Sn を用いた。更に最適
質あるいはより優れた特徴を機能性材料として生かそう
な成長条件を求めるために CZTS(Se)
とSn の擬二元
とする視点に関連する問題を活動の中心とした国際研
系状態図を作製し、単結晶成長が可能な条件を見出し、
究集会である。特にエネルギー問題解決のため、再生
発表を行った。またセンチオーダーの単結晶ウエハー
可能エネルギーである高効率太陽電池開発に向けて多
を用いて半導体において基本測定となるホール効果測
元系太陽電池の発表が活発にされていた。
定を行い、キャリア濃度、抵抗率、移動度の基礎電気物
26
●
シリーズ
●
KITEC 2013 No.265
現在高効率を達成しているセルは、CZTSSeと混晶の
ため、私の研究は CZTSSe 単結晶成長の実現と評価
が今後課題となってくる。また、京都大 野瀬先生グルー
プは、低コスト多元系化合物 ZnSnP2 バルク結晶の作
製報告を行っていた。ZnSnP2もバンドギャップ、光吸収
係数ともに太陽電池材料として適している。しかしながら、
研究報告が非常に少なく今後の動向が注目される。
5.まとめ
口頭発表時の様子
2年に一度開かれる多元系材料に焦点を当てた会議
において口頭発表を行い、聴講をした。本学会を通じて
性の報告も同時に行った。
聴講者に興味を持ってもらい質問を受けた点は、
(1 )
改めて多元系材料の応用性と可能性を再確認できた。
私の研究は、純粋に太陽電池を作製し変換効率を上げ
成 長 原 理 や 条 件 の 詳 細を知りたい、
(2)単 結 晶を用
るという応用研究とは、対照的な単結晶成長、評価を行
いた物性評価のより細かな実験条件、といった点であ
う基礎的な研究である。しかしながら、信頼性のある評
る。
(1)については世 界 初の 溶 液 成 長 による CZTS、
価を行うことで更なるCZTS 系太陽電池の向上へ繋が
CZTSe 単結晶成長であるのでノウハウなどについては
ることを今回の会議において、各国の研究者と議論する
答えられる範囲で回答し、
(2)について、質問者のグルー
ことで再確認した。今回得られた知見を基に研究を行っ
プは、今年 6 月に Physical Review B[3]に CZTS の
ていく。最後に、本助成により国際会議において研究発
再結合過程の活性化エネルギーの報告を行い、支配的
表ができ、充実した知見を得るとともに研究者ネットワー
なキャリア密度の値を見積もり、その値の妥当性として
クを築くことができたことを示して謝意を示す。
我々が報告した CZTS 単結晶のキャリア濃度の値をリ
ファレンスとして挙げている。そのため、論文には記載
していない詳細な実験条件の質問をしたと考える。活発
な議論が行われたため、本研究への関心の高さが確認
出来た。
4.情報収集
新たに得られた情報として龍谷大 和田先生の招
待講演において IBM グループが今年 8 月に CZTSSe
太陽電池が 11.1% の変換効率を達成したことである。
IBM グループは、論文で報告はしておらず今後の発表
会場であるザルツブルク大学にて
吉野研究室のメンバーと
に注目である。他の発表論文において特に注目を置い
たのが、第一原理計算におけるマテリアルデザインの
報告である。近年、コンピュータの発達により計算技術
が向上したため理論計算により材料の物性を知る事が
できる。発表によるとCZTS は第一原理計算からバンド
構造を、Cu(In1-xZn0.5xSn0.5x)S2は直接遷移型半導体
になるという報告を行っていた。また CZTSとCZTSe
を混晶にした場合、スピノーダル分解をするのかどうか
の評価を行う必要があることが課題になるとした。特に
27
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
今冬の節電へのご協力のお願い
∼昨冬の同様の節電への取り組みを!!∼
28
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
製造業の場合
オフィスビルの場合
ドラッグストア
(卸・小売店)
の場合
食品スーパーの場合
宿泊施設の場合
学校の場合
29
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
「新たな成長産業」へのアプローチ
九州経済産業局地域経済部新産業戦略課
新産業戦略課は、平成 24 年 10 月 1 日の組織改編により、新たな産業の発掘・育成など地域における新産業戦略
に関する業務を行うための組織として、当局地域経済部に新たに設置されました。
設置の背景は、昨今の閉塞感ある経済情勢、さらには先行き不透明感にあります。九州経済は、国際競争の激化、
円高の進行を背景に、これまで地域経済を牽引してきた半導体関連産業を中心に工場撤退・縮小が相次いでおり、
また新規工場立地件数も低下傾向で推移しており、足下ではピーク時の 1 / 6 以下水準になっております。また、新
規開業率は廃業率を大きく下回り、就業者数もここ数年で 9 万人減少しているなど、生産活動のみならず雇用面、活
力面でも厳しい状況が続いております。さらには、企業の海外移転が加速しており、これにより地域経済を支えてき
た地域の企業集積が崩壊するおそれも危惧され、円高が解消しても企業の国内回帰は望めず、更なる地域の雇用・
所得への悪影響が懸念されます。
こうした状況の下、九州経済が将来にわたって発展していくためには、現下の閉塞感の打破、先行きの不透明感の
払拭、地域雇用を育むより確かな
「新たな成長産業」の創出が重要と考えられます。
このような背景を踏まえ、当課は「新たな成長産業の芽づくり」をミッションとして掲げ、船出いたしました。まだ緒
についた段階ではありますが、地域ポテンシャルを踏まえ医療機器、機能性・健康食品、医療・福祉サービス等を取
り込んだヘルスケア産業や食・農業、集積が高い自動車産業、さらには再生可能エネルギーを中心としたグリーンエ
ネルギー産業などを新たなターゲット産業として、地域が有する資源の結集とプレイヤーのニーズを踏まえた九州地
「地域新産業戦略」として取りまとめることとしております。次年度以降、
域にふさわしい発展方策を平成 25 年 3 月末に
当課自らもプレイヤーの一員として、アジア等に目を向けつつ、各自治体等と連携し、地域にしっかりと根ざした産業
づくりに努めてまいることとしております。
併せて、新規事業の創出・育成についても、
「新たな成長産業の芽づくり」の両輪の一つとして、特に、女性や若者
などターゲットを明確化し、さらには発展段階に応じたきめ細やかな支援策を講じて、力強く進めてまいりたいと考え
ております。
世界に名だたる大企業も創業期をみれば、規模の小さい企業でありましたが、新市場に挑戦する情熱に突き動かさ
れた先人たちが今の企業の姿へと続く隘路を切り開いてまいりました。当課もこうした想いを持ち、地域の競争力に
直結する
「新たな成長産業」づくりに取り組んでまいる所存です。
最後に、本年が皆様方にとりまして、飛躍の年になりますよう祈念いたします。
新産業戦略課長 名垣 眞一
30
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
九経マンスリー
平成 24年12月12日
九州経済産業局
今月の管内経済動向: 九州地域の経済は、足踏み状態となっている。
生産は弱含んでいる。設備投資は持ち直しの動きがみられる。雇用は製造業を中心に減速感がみられる等、このところ足踏み状態となっている。個人消費は一部に
施策効果の反動減がみられる等、足踏み状態となっている。幅広い業種で需要低迷から弱い動きがみられる。
海外経済の先行き不透明感が続く中、国内外の需要動向等には引き続き注視する必要がある。
概 況
1.生産動向
10 月の鉱工業生産指数(季節調整済)は、98.7 で前月比+2.1%と3
ヶ月ぶりに上昇。生産は弱含みで推移。
2.設備投資動向
24 年度の設備投資計画は、製造業は前年度比+16.4%、非製造業
は同+5.3%とともに前年度を上回り、全産業でも同+8.9%と2 年ぶ
りに前年度を上回る見込み。
3.貿易動向
10 月の輸出額は、前年比▲9.0%と5 か月連続で前年を下回った。
輸入額は同▲20.2%と2 か月ぶりに前年を下回った。
4.消費動向
●大型小売店販売額
10 月の大型小売店販売額は1,249 億円で前年比▲1.1%と3 か月ぶり
の減少となった。百貨店は442 億円で同▲2.4%と7 か月連続の減少とな
り、スーパーは807 億円で同▲0.4%と3 か月ぶりの減少となった。
●コンビニエンス・ストア販売額
10 月のコンビニエンス・ストア販売額は796 億円で、前年比は全店
では+4.1%と13 か月連続の増加、既存店では同▲1.4%と5 か月
連続の減少となった。店舗数は4,767 店で、前年比で 971 店舗増加
した。
●乗用車新規登録・届出台数
10 月の乗用車新規登録・届出台数は、軽自動車が前年を上回るもの
の、普通・小型車計で前年を下回り、乗用車全体では前年比▲6.1%
と2 ヶ月連続で前年を下回った。
●家計調査
10 月の消費支出(二人以上の世帯)は25 万 3,467 円で、前年比▲
2.4%となった。可処分所得(勤労者世帯)は、前年比▲3.3%となっ
た。
●家電販売額
10 月の家電販売額は前年比▲16.5%と15 か月連続の減少となっ
た。薄型 TV、パソコン等が前年比で減少となった。
●旅行取扱高
10 月の九州の主要旅行業者 3 社の旅行取扱高は、国内旅行は前年
比▲12.5%と2 か月連続、海外旅行は同▲4.6%で 15 か月ぶりの
減少。合計では同▲10.2%と2 か月連続で前年を下回った。
●賃金(現金給与総額)
9 月の賃金(5 人以上の事業所)は、全産業では前年比▲0.2%と2 か月
連続の減少、製造業では同+0.3%と4 か月ぶりの増加となった。
5.住宅建設動向
10 月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家で前年を上回り、全体では前
年比+10.9%と2 か月連続で前年を上回った。
6.物価動向
10 月の消費者物価指数(九州)は、99.6 で、前年比▲0.4%と5 か月連
続で低下。
(前月比は横ばい)国内企業物価指数は、100.1 で、前月比▲
0.3%と3 ヶ月ぶりに低下。
(前年同月比は▲1.0%)
7.雇用動向
10 月の新規求人倍率は前月から横ばいの 1.08 倍、月間有効求人倍
率は前月から横ばいの 0.69 倍となった。
8.公共投資動向
10 月の公共工事請負金額は、前年と比較して全ての発注者で増加。
全体では前年比+32.1%と6 ヶ月連続の増加となった。
9.企業倒産動向
10 月の倒産件数は前年比+41.2%と5 か月ぶりに前年を上回った。
負債金額は前年比+141.1%と3 ヶ月連続で前年を上回った。
九州の主要経済指標(24年10月)
■生産動向【九州経済産業局】 生産指数
98.7
(参考)出荷指数
97.9
在庫指数
138.1
前月比 2.1
0.7
1.2
前年比
▲3.3
▲2.9
▲1.4
■設備投資動向【日本銀行福岡支店】
(23 年度、24 年度計画)
23 年度
24 年度
全産業
▲19.5
8.9
製造業
▲17.5
16.4
非製造業
▲20.4
5.3
■貿易動向【門司税関】
輸出通関額
506,459 百万円
輸入通関額
507,137 百万円
▲9.0
▲20.2
■大型小売店販売額【九州経済産業局】
合計
124,924 百万円
百貨店
44,205 百万円
スーパー
80,719 百万円
▲1.1
▲2.4
▲0.4
■コンビニエンス・ストア販売額【九州経済産業局】
商品販売及びサービス売上高
796 億円
全店
4.1
既存店 ▲1.4
店舗数
4,767 店
971 店舗増加
■乗用車新規登録・届出台数【福岡県自動車販売店協会等】
乗用車計
30,545 台
▲6.1
普通・小型車計
17,473 台
▲10.7
軽自動車
13,072 台
0.8
■家計調査【総務省】
消費支出(二人以上の世帯)253,467 円
可処分所得(勤労者世帯) 369,141 円
平均消費性向(季調値、全国)
74.0%
(実質) ▲2.4
(実質) ▲3.3
1.3
■家電販売額【GFK ジャパン】
販売額前年同月比(中国・四国・九州)
▲16.5
■旅行取扱高【九州運輸局】
国内旅行
9,143 百万円
海外旅行
4,064 百万円
合計
13,207 百万円
▲12.5
▲4.6
▲10.2
■賃金【各県】( 9 月 )
全産業
製造業
▲0.2
0.3
■住宅建設動向【国土交通省】
住宅着工計
7,287 戸
持家
2,754 戸
貸家
3,169 戸
分譲住宅
1,310 戸
10.9
5.6
41.3
▲21.9
■物価動向【日本銀行・総務省】
消費者物価指数(九州)
99.6
企業物価指数(全国)
100.1
0.0
▲0.3
▲0.4
▲1.0
■雇用動向【九州各労働局】
1.08 倍
新規求人倍率(季調値)
月間有効求人倍率(季調値)0.69 倍
0.00
▲0.00
0.06
0.08
※四捨五入により小数点第二位までの値としたため、数の差は表示された各倍率の差と必ずしも一致しない
■公共投資動向[工事請負]
【西日本建設業保証 (株)】
請負金額
167,744 百万円
32.1
■企業倒産動向【(株) 東京商工リサーチ福岡支社】
倒産件数
96 件
60.0
負債金額
22,946 百万円
60.3
41.2
141.1
(注)
・九州の主要経済指標中、
【 】内は出所。また、
( )で記載の値は、平成 24 年 10 月分でないものを明記。
・
「1. 生産動向」の指数は季調値、ただし前年比は原数値で比較。
・
「3. 貿易動向」の通関額は九州経済圏の通関額であり、九州に加え、山口・沖縄を含む。
・
「4. 消費動向」中、消費支出・可処分所得の前年比は、算出にあたって消費者物価指数(総務省)により実質化。また、平均消費性向は前月差、前年差で表記。
・
「4. 消費動向」中、家電販売額前年比は、九経マンスリー平成 23 年 5 月版から対象企業が変更されたため、平成 23 年 4 月発表以前のマンスリーの数値とは連続性がない。
※四捨五入関係で総数と各項目の合計は必ずしも一致しない。
31
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
九州地域の鉱工業動向(平成 24 年 10 月 速報)
○ 基調判断
生産は弱含み
生産は弱含みで推移。国内外の需要に先行き不透明感が増しており、今
後の動向を注視していく必要がある。
1.
概 況
平成 24 年 10 月の鉱工業指数(季節調整済)は、前月比で生産が+2.1%、出荷が
+0.7%、在庫が+1.2%と上昇し、在庫率が▲3.6%と低下した。
(平成 17 年=100)
原 指 数
季節調整済指数
前年同月比 %
前 月 比 %
九州
全国
生 産
98.7
2.1
106.0
▲3.3
出 荷
97.9
0.7
105.6
▲2.9
在 庫
138.1
1.2
138.0
▲1.4
在庫率
145.1
3.6
121.2
▲2.7
生 産
88.1
1.8
92.0
▲4.3
出 荷
87.6
0.0
90.3
▲4.7
在 庫
108.1
0.3
109.9
4.2
在庫率
128.1
▲1.8
127.3
9.8
▲印は低下を示す。
平成24年 10月
九州 98.7
全国 88.1
九州の鉱工業生産指数と前年比の推移
(平成17年=100)
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
-45
前年同月比
九州生産指数
全国生産指数
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
前 年 同 月 比︵ % ︶
生 産 指 数︵ 季 節 調 整 済 ︶
145
140
135
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
60
55
(年)
※時系列表は当局ホームページからダウンロード出来ます。
(http://www.kyushu.meti.go.jp/)
※東日本大震災に関わる鉱工業指数の全国分の集計については経済産業省ホームページをご参照下さい。
(http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/infomation.html)
(本発表資料のお問い合わせ先)
九州経済産業局総務企画部調査課長 藤井
担当者:安永、真木
電話:092-482-5418
32
KITEC 2013 No.265
九州経済産業局情報
2.業種別動向
10 月の生産指数は 98.7 で、電気機械工業、化学工業、食料品・たばこ工業などが
上昇し、一般機械工業、鉄鋼業、輸送機械工業などが低下した結果、前月比で+
2.1%の上昇、前年同月比で▲3.3%の低下となった。
【 生 産 】全 17 業種中 上昇 8 業種、低下 9 業種、横ばい 0 業種
R
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
23 年
10∼12 月
105.6
0.8
2.5
主な上昇・低下業種/ウェイト
24 年
1∼3 月
107.0
1.3
6.2
4∼6 月
104.4
▲2.4
2.0
前 年
同月比
7∼9 月
101.6
▲2.7
▲3.2
24 年
7月
106.0
3.0
0.1
前 月 比
前月 今月
8月
102.0
▲3.8
▲3.4
9月
96.7
▲5.2
▲6.3
P
10 月
98.7
2.1
▲3.3
主な上昇・低下品目
上昇
低下
電気機械工業
410.7
化学工業
819.4
16.1
▲0.4
8.4 ビスフェノール A、パラキシレン 等
食料品・たばこ工業
1,061.8
6.0
▲0.7
4.5 ビール類 等
一般機械工業
1,055.9
▲28.0
▲0.6
773.7
5.9
1.6
1,538.8
▲11.3
16.1
鉄鋼業
輸送機械工業
0.5 ▲18.4
R
26.0 太陽電池モジュール、高圧開閉器 等
▲10.8 一般用蒸気タービン、半導体製造装置 等
▲7.8 特殊鋼熱間圧延鋼材、普通鋼鋼板 等
▲1.0 軽・小型乗用車 等
【 出 荷 】全 17 業種中 上昇 9 業種、低下 7 業種、横ばい 0 業種
R
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
23 年
10∼12 月
107.2
2.3
4.2
24 年
1∼3 月
107.3
0.1
8.9
4∼6 月
104.1
▲3.0
5.8
7∼9 月
102.5
▲1.5
▲2.3
24 年
7月
108.9
6.9
2.3
8月
101.4
▲6.9
▲3.9
R
9月
97.2
▲4.1
▲5.4
【 在 庫 】全 17 業種中 上昇 7 業種、低下 10 業種、横ばい 0 業種
R
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
23 年
10∼12 月
129.0
▲2.7
16.3
24 年
1∼3 月
137.4
6.5
25.9
4∼6 月
137.1
▲0.2
11.3
7∼9 月
136.5
▲0.4
2.9
24 年
7月
136.2
▲0.7
6.1
8月
137.6
1.0
5.1
P
10 月
97.9
0.7
▲2.9
R
9月
136.5
▲0.8
2.9
P
10 月
138.1
1.2
▲1.4
九州の総合及び半導体・自動車関連の生産指数
(平成17年=100)
150
鉱工業生産指数
自動車関連
半導体関連
140
130
自動車関連 115.0
前月比
▲0.1%
120
110
鉱工業総合 98.7
前月比
+2.1%
100
半導体関連 92.0
前月比
+0.2%
90
80
70
60
50
40
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
(年)
《注:自動車関連、半導体関連は以下の品目を合成して指数化》
自動車関連:
「四輪自動車(乗用車+トラック)」+自動車部品+二輪自動車+二輪自動車部品+普通鋼鋼帯+普通鋼冷延広幅帯鋼+アルミニウムダイカスト
+線ばね+うす板ばね+粉末や金製磁性材料+安全ガラス+プラスチック製機械器具部品+自動車用タイヤ
半導体関連:半導体素子+集積回路+半導体部品+半導体製造装置+半導体・IC 測定器
33
●
34
産総研九州センター情報
●
KITEC 2013 No.265
●
産総研九州センター情報
●
KITEC 2013 No.265
35
●
産総研九州センター情報
●
KITEC 2013 No.265
【最近の特許情報】
( 24年 8 月〜24年10月)
特許番号
(登録日)
第5062593
(H24.8.17)
第5083956
(H24.9.14)
出願番号
(出願日)
2008-186135
(H20.7.17)
2007-241861
(H19.9.19)
発明の名称
リグニンを原料とする
炭素微粒子及びその製
造方法
詰まり検出システム
代表発明者
要 約
亀川 克美
本発明は、リグニンと無機化合物の混合溶液から複合微粒子を調製
し、その後熱処理、洗浄、乾燥を行うことによりナノからミクロン
サイズの炭素微粒子を製造する方法及び炭素微粒子を提供する。従
来の炭素微粒子の製造原料に使用されていた化石資源を、本発明に
よりリグニンが含まれるパルプ廃液等の生物資源で代替することが
可能となり、またこの方法は製造温度が600℃程度と低いことから、
省エネルギーにも大きく寄与する。
卜 楠
本発明は、ポンプ及び該ポンプに接続される配管から構成される流
動媒体の経路において、配管外周の形状に沿って密着して設置され
るフィルム状の圧電センサにより、配管内部の詰まりを検出するた
めの詰まり検出システムに関する。詰まり箇所の特定が容易である
と共に、作業効率が良く、既存の配管経路に対しても容易に利用可
能であり、システム全体として簡易かつ低コストな詰まり検出シス
テムを提供することにある。
中島 達朗
本発明は、溶液中の放電電極間に高電場を印加してプラズマを発生
させるソリューションプラズマにおいて、放電により発生した気泡
を蓄える凹部を有し、その中でプラズマを発生させることにより放
電電極間の距離あたりの電圧を低く抑え、プラズマ状態を安定して
維持することができるプラズマ放電装置を提供する。
第5083825
(H24.9.14)
2008-169374
(H20.6.27)
第5093472
(H24.9.28)
2007-228339
(H19.9.3)
オリゴ糖の製造方法
山田 則行
本発明は、大量生産が可能な水熱処理において過酸化水素を添加す
ることにより、処理温度の低下および収率を向上させることを特徴
とする。水熱処理を多段化させることにより、オリゴ糖組成のを高
純度化を、また、温度と処理時間の組み合わせを変えることで、オ
リゴ糖組成を変化させることが可能である。
第5093478
(H24.9.28)
2007-529517
(H18.8.2)
応力解析用の被測定
物、該被測定物に塗
膜層を形成するため
の塗布液及び応力発
光構造体
徐 超男
本発明は、応力解析用の被測定物の表面にある塗膜層(応力発光物
質の層)において、効率良く歪みエネルギーを伝達できることを目
的とする。測定物の歪みエネルギーの伝達性は、塗膜層を構成する
基材自体の弾性係数に依存するものであることを見出した。
第5093639
(H24.9.28)
2006-091068
(H18.3.29)
炭素/セラミックス
複合材の製造方法
小川一太郎
本発明は、高圧成形することなく常圧で高密度に製造できる複合材、
特に炭素/セラミックス複合材を製造する技術を提供する。
第5099704
(H24.10.5)
2008-203460
(H20.8.6)
高さを測定する方法
及び高さ測定装置
坂井 一文
本発明は、被検査物における高さを測定する方法及び高さ測定装置
に関するものであり、特に製造工程における半導体素子の面上の凸
部の高さや凹部の深さ、IC のリードの浮きによる高さのような微小
な高さを測定するのに適用される。
第5099765
2007-338724
(H24.10.5) (H19.12.28)
酵素活性の高感度測
定方法
松井 雅義
本発明は、酵素が微量でも高感度、簡便且つ迅速に測定できる酵素
活性の測定方法を提供することを主な目的とする。
36
液体中プラズマ放電
装置
●
雑感
●
KITEC 2013 No.265
雨は、大砲で雨と化す」などがはずれ組みだ。こうした当たり
外れの原因は、20世紀当初、既に当該技術が存在したかある
いはその芽があったがどうかに大きく左右されている。つまり、
雑
感
既に存在していた鉄道、自動車、電信電話などの交通通信技
術の100年後の発展は高い精度で予測できたが、たんなる夢
想であった獣との会話や自然の制御は当たらなかったことに
なる。当時、飛行船は存在していたものの、航空機やロケット、
宇宙開発に関する予測は全くなされなかったのも同様の理由
によるものだ。空を駆る機械としての飛行機の実現は、1903
技術はどこへ行く
年12月のライト兄弟の快挙まで待たなければならなかった
のである。このように20世紀初頭の産業社会は、文明社会も
革新的な技術も萌芽期だったこともあり、技術予測はさして
政
府(文科省)は、先般、来年度から10年先の社会で開
花しそうな研究開発を支援すると発表した。研究開
発資金を、最長で10年間助成するというこの政策は、即効的
困難ではなかった。
そ
れでは、21世紀の技術はどのように展開し、それら
の技術の発展に対してどのような心構えが要るの
な結果を求めたがる役所仕事からすると、大胆で将来の社会
だろうか。一例として、文科省の科学技術・学術審議会作業部
課題への対応への意気込みが感じられる。この背景には、未
会は、山中教授のノーベル賞受賞後、iPS 細胞研究の新工程表
だ手つかずの将来市場性が見込まれる有力な分野に研究開発
の素案を了承した。そこには、神経幹細胞の患者への臨床研
資金を投入し、新たな産業を興して国際競争力を高めようと
究開始(平成28年末まで)、脳・肺・腎臓などの立体的器官・臓
する思惑もある。その有力候補に、ロボット技術などが挙がっ
器の作成技術確立(平成33年末まで)などの刺激的あるいは
ているという。こうした考えは、将来の産業の活性化のうえ
画期的な内容が盛られている。もとより、iPS 細胞技術のこう
でも歓迎されるべきものだろうが、実現に至る道のりは決し
した医学や創薬への応用は、かの生命倫理への厳格さで知ら
て平坦ではない。まず10年後の旬な最先端技術を見極める
れるローマ法王庁でさえ賛意を示したように各界からの期待
には、科学技術の先見性や予測だけではなく、その時代の社
も大きい。しかしながら、革命的な技術である iPS 細胞技術
会や産業の状況もかなりの確度で予測できなければ意味がな
にも未だ生命倫理上、世に定めやらぬ内容も多い。例えば、ひ
い。また、10年後の技術や産業をこうしたいという社会のグ
とりの人間の iPS 細胞から作成した精子と卵子を受精させる
ランドデザイン力と、併せて倫理面の検証も必要だ。となれ
ことは許されるのか(結婚などによるパートナーがいなくと
ば、研究者は言うに及ばず産業界や学識経験者、行政、国民も
も、
「自分」の子供がつくれる)
。同性愛者の細胞から精子と卵
巻き込んでの多角的な議論が必要であろうし、一方でそのよ
子を作成し、受精させることは許されるのかーなどの事例
うなにわか作りの寄り合い所帯でどれだけ満足な絵が描ける
はその一例に過ぎない。
か、いかにも心もとない。決めるだけであれば小学生にでも
iPS 細胞技術に限らずこのような未踏領域の技術課題を倫
できようが、未来の日本の産業と技術に責任を持つという意
理上どこまで認めるかーは、研究者や倫理学者の専門領域
味合いは、ずしりと重たいはずだ。イギリスなど EU 諸国には、
という側面にとどまらず、社会がどのように考えどこまで受
未来の社会像を想定し、その中での課題を洗い出してそれに
容するかにかかっている。社会の発展に、優れた技術は欠か
対する対応策を考えるため、
「フューチャーセンター」という
せない。同様に、優れた技術の発展には、社会の合意や支援
専門機関があるが、我が国でもそのような専門組織で間断な
さらには技術を律する体制づくりも不可欠だ。しかしながら
く議論を興し、腰を据えて具体策を練り上げる必要があるの
iPS 技術に見られるように、先端技術の進歩は目覚ましく、社
ではないか。
会の関与や検証は遅れがちだ。思えば、20世紀技術の負の遺
こ
とほどさように、複雑で高度な文明社会になるにつ
産である原水爆の開発は、このような社会の検証システムが
れて、技術と社会の予測は容易ではない。この点、
存在しなかったことと無縁ではない。
20世紀の社会は技術を展望しやすい時代であったといわれ
轍は、二度と踏まないことに越したことはない。つくるこ
ている。例えば、20世紀のはじめ1901年(明治34年)正月の
とー生産を優先し、とかく倫理を劣後に置く傾向が見られ
報知新聞は、20世紀社会で実現しそうな技術として次のよう
た20世紀生産システムを乗り越え、我々はこれから技術を駆
なことを予測している。
「東京・ニューヨーク間を無線電話で
り、何をつくり何をつくらないのかーその明確な意思表示
会話」、
「東京・神戸間が、鉄道で2時間半」、
「馬車はなくなり、
をしなければならない時代を迎えているように思う。冒頭に
自動車の世」、
「東京にいながらにして、欧州から遠距離の写
掲げた文科省の新政策や iPS 細胞技術のみならず、我が国の
真」
、
「新機械で暑さ寒さ知らず」などは予想が的中した好例だ。
研究開発や技術開発が、そうした時代感覚と覚悟の上で進め
他方、外れた予測もある。
「人と獣の会話が自由自在」
、
「暴風
られることを願いたい。
(E・M)
37
当
九州成長戦略支援事業
戦略的基盤技術高度化支援事業〈提案公募〉
国際技術交流事業
地域新成長産業創出促進事業(環境・エネルギー関係)
〈提案公募〉
一般財団法人
38
センター事業日誌
日 誌(11 月)
日(曜)
7(水)
会合名、テーマ・ゲスト、開催地 等
(福岡市:九州産業技術センター)
16名
事業化調査研究会
(九州大学産学連携センター:藤野茂 教授ほか、参加企業2社)
8(木) (機械切削加工可能な石英ガラス素材を用いた複雑構造特殊光学セルへの展開)
(福岡市:九州大学産学連携センター)
8名
戦略的基盤技術研究推進委員会
(福岡市:九州産業技術センター)
「ウォーターアシスト成形による医療用ディスポーザブル回路の開発」
14名
9(金)
第2回技術研究会「電気自動車向け銅の冷間鋳造技術の確立」
出席者数
12(月) 第3回「医工連携推進研究会」
(佐賀市:佐賀大学医学部)
90名
15(木) ビジネスイノベーション研究会
(福岡市:九州経済産業局)
19名
事業化調査研究会
(九州大学大学院:近藤隆一郎 教授ほか、参加企業2社)
(マツタケ人口栽培技術の開発)
(福岡県三潴郡:農事組合法人秋香園)
7名
16(金)
22(木) 「パーツ・ネット取引拡大セミナー」
(北九州市:ホテルクラウンパレス小倉)
120名
26(月) 「九州・沖縄地区国立大学法人共同研究センター長会議」
(福岡市:九州産業技術センター)
29名
28(水) 第1回マイルストーン分科会
(福岡市:九州産業技術センター)
13名
第3回事業化連絡会
(鳥栖市:鳥栖市民文化会館)
12名
オープンイノベーションセミナー
(鳥栖市:鳥栖市民文化会館)
95名
29(木)
日 誌(12月)
日(曜)
会合名、テーマ・ゲスト、開催地 等
18(火) 人材育成助成対象選考委員会
出席者数
(福岡市:九州産業技術センター)
11名
主な行事・スケジュール( 1 月)
日(曜)
会合名、テーマ・ゲスト、開催地 等
29(火) 第2回中国地域・九州地域の自動車産業に係る合同有識者会議
(福岡市:TKPガーデンシティ博多アネックス)
編集後記
また、新しい年を迎えました。
当財団は、昨年 4 月 1 日に一般財団法人へ移行しました。昨年の今頃は、移行の準備の大詰めを迎えていたころ
です。あれからもう1 年が過ぎてしまったのかとの思いが強いのですが、それだけ世の中の動きが早く、激しいとい
うことなのでしょう。
こんな落ち着かない世の中になると、地道に仕事をしていることが評価されにくくなっているような気がします。
今、求められているのは、企画力を持って新しい仕事にチャレンジすることであり、もちろんそれも大変大事なこと
ですが、コツコツと地道に働くことは時代遅れという風潮が強すぎるように感じます。成果主義とか目標管理とか
に踊らされるのではなく、自分のポジションをしっかり認識して地に足のついた仕事をすることも必要ではないでし
ょうか。そして、そのような仕事ぶりをもう少し評価してもよいのではないでしょうか。
凡人の一人として、こんなことを書いてしまいましたが、自信を失い、下を向いて歩いている人が多くなっているよ
うな気がします。凡人は凡人なりに努力することを忘れてはいけませんが、あまり上をみすぎないで、肩の力を抜い
て身の丈にあった目標に向かってやればいいのではないでしょうか。その方が達成感が得られると思います。
先が見えにくく、明るい話題の少ない世相ですが、元気のある楽しい 1 年にしたいですね。 (K.N)
試験分析事業部のご案内
水質関係測定業務
河川、ダム、貯水池においては、環境保全の基礎資料にするために行う定期的な水質調査が主体
であり、調査内容としては、重金属などの有害物質から赤潮の原因となる富栄養化対策項目の窒素、
リンまた、地下水においては、
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等に代表される有機塩素
化合物汚染があり、企業自主管理に伴った分析依頼が増加しております。その他 工場排水、産業
廃棄物、
ゴルフ場(農薬)排水、河川底質、土壌等の分析も行っていますので、
ご利用ください。
① 健康に関する項目
重金属他:カドミウム、鉛、六価クロム、水銀、
シアン、PCB
有機塩素化合物:トリクロロエチレン、
ジクロロメタン …
農薬類 :チウラム、
シマジン …
② 生活環境に関する項目
一般汚染物質:pH、BOD、油分、窒素、
リン、大腸菌 …
経験豊かな技術スタッフをそろえて技術相談等に対応しています。
試験分析事業部(計量証明事業所 佐賀県知事登録第20号)
〒841-0052 佐賀県鳥栖市宿町721-1 TEL 0942-83-2405
当センターの試験事業部は、骨材試験において
JIS Q 17025の適合試験所に登録されています。
登録事業者番号 070243JP
一般財団法人 九州産業技術センター
(URL)http://www.kitec.or.jp/
〒812-0013 福岡市博多区博多駅東 2丁目13番24号
総 務 部 TEL 092 - 411-7391
(代)
技術振興部 TEL 092 - 411-7394(代)
〒841-0052 佐賀県鳥栖市宿町721-1
試験分析事業部 TEL 0942-83-2405(代)
E-mail:kitec2@kitec2.jp
発行日:2013年 1 月 1 日
FAX 092-472-6609
FAX 092-472-6688
FAX 0942-85-3854
この印刷物は再生紙を使用しています
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