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こちら - 長岡市
長岡市長記者会見要旨 日 時:平成27年5月27日(水)午後3時から 会 場:アオーレ長岡東棟4階 大会議室 【会見項目:産後のサポート強化で長岡版「ネウボラ」を展開 ∼妊娠から育児まで、切れ目のない子育て支援へ∼】 (長岡市長) 産後のサポート強化で、長岡版「ネウボラ」を展開します。「ネウボラ」とは、フィンランドで実 施されている妊娠、出産、育児を切れ目なく支援する制度のことを言います。「ネウボラ」という言 葉を使って、妊娠から育児まで切れ目のない子育て支援を展開するというのが今日の発表内容です。 「長岡版」とついていますが、長岡市は、気軽に相談できる窓口がたくさんあります。もちろん、 医療機関、助産師、保健師から情報が入ることはありますが、以前記者発表した子育ての駅の子育て コンシェルジュ、保育園の子育て支援センター、母子保健推進員、主任児童委員などから受けた相談 を、必ず産後ケアコーディネーターと保健師が受ける体制を作ります。あまり問題がない相談は子育 ての駅や子育て支援センターなどで相談して終わりますが、内容によってケアが必要な場合は産後ケ アコーディネーターに相談がいきます。その後は、母子保健推進員の訪問や、乳児家庭全戸訪問、フ ァミリーサポートセンター、児童虐待・DVの防止など、さまざまな支援の形態がありますが、産後 ケアコーディネーターに情報を一括して集めて、それぞれの課題に応じて支援機関と連絡調整する体 制をつくります。これを長岡版の「ネウボラ」と呼んでいます。 市に寄せられた子育てに関する声で、身近に相談できる支援者がいない、という声が大変多くなっ ています。大抵は、子育ての駅などで気軽に保育士に相談したり、仲良くなったベテランの母親に相 談したりして、子育ての駅などが気軽に相談できる場として成長していますが、妊娠、出産、育児の 不安や戸惑いといった専門的内容になると、そこで対応できないということで、先日記者会見で発表 した子育てコンシェルジュも一翼を担って、産後ケアコーディネーターと各地区の担当保健師が継続 してサポートしていく体制を構築したということです。 産後ケアコーディネーターは、嘱託助産師を1人、任命しています。そして、子育てに関する相談 が母子保健推進員や助産師に寄せられた際に、ケアが必要な課題を一括して産後ケアコーディネータ ーに集めて、地区の担当保健師と協働して、継続して相談者のケアをしていきます。産後ケアコーデ ィネーターは、ケアの頻度や回数を事前に調整して、対応していきます。 それから、産後のサポートをさらに充実する新規施策として、6月1日から、産後ケアコーディネ - 1 - ーターが常駐する場所、産後デイケアる∼む“ままリラ”を長岡市三和地内に開設します。完全予約 制です。先ほど申し上げた相談窓口を通じて、産後ケアコーディネーターに情報が伝わって、ケアを 受ける人は、産後デイケアる∼む“ままリラ”に行きます。発達障害の問題など、相談内容によって、 個人情報に注意しなければならない分野なので、詳しい住所は公表していませんが、5月29日の午前 10時から内覧会を実施します。 そのほか、今回拡充、新規に実施する事業として、助産師が、特に相談が必要な産婦に対して出産 直後から家庭訪問をして相談にのる、産後ケア訪問を実施します。産前産後寄り添い訪問は、母子保 健推進員が、これまでの子育て情報を提供する家庭訪問に加えて、無料で育児を手伝いながら身近で 話しやすい相談相手になるという事業です。ままのまカフェも拡充しまして、今年度から会場を市内 各地に拡大して、専門職に気軽に相談できる日を設けます。この産後ケア訪問、産前産後寄り添い訪 問、ままのまカフェの拡充などが、先ほど言った幅広い窓口の一翼を担っていきます。 以上、ざっと説明しましたが、こういう形の中で長岡版ネウボラの形が整って、6月1日から動い ていきます。 参考資料には、現在行っている妊娠、出産期の主な子育て支援が書いてありますが、母子保健推進 員が253人おり、大変好評です。助産師による「新生児・産婦訪問」、看護師・保健師による「こんに ちは赤ちゃん訪問」、各地区の担当保健師による訪問など、多重的に訪問などを重ねて、いろいろな 悩みを吸い上げていくという体制がほぼ完成します。これで完成したということではなく、今後も拡 充していきますが、形としてでき上がったというのが今日の発表内容です。 (記 者) こういった事業に関わらずほかにも共通することかもしれませんが、使う人、使わない人によって 相談する頻度やレベルが違ったり、殺到する部分とそうでない部分で分かれると思うのですが、平等 性を担保することについてはどのようにお考えでしょうか。 (長岡市長) まず平等に全員に働きかけるのが、母子保健推進員の活動や助産師による訪問です。ほかにもいろ いろありますが、そういうもので幅広くカバーしていくということです。だけど、例えば妊娠8カ月 や、その直後といったある期間があるわけです。その後、子どもさんが3歳、4歳になると、例えば 子育ての駅などで悩みを抱えている人の問題を吸い上げる場所ができてくるという体系になっていま して、それが先ほど言いました、妊娠、出産、育児を切れ目なく支援する制度ということになります。 (記 者) 先日の子育てコンシェルジュの記者発表のときに、妊娠中からその後の子育て期間まで切れ目なく サポートするのがコンシェルジュという言い方をされていたと思うのですが、資料を読みますと、産 後ケアコーディネーターは、一部の産前産後の部分を見るということになるのでしょうか。 - 2 - (長岡市長) 課題や相談の内容によるということです。子育てコンシェルジュは、あくまで子育ての駅に配置し て、じっくり時間をかけて話を聞き必要に応じて専門職である産後コーディネーターや保健師につな ぎます。いろいろな相談事の中には、産後ケアコーディネーターのところに行かなくても、母子保健 推進員や子育てコンシェルジュに相談するだけで済んでしまう相談内容が結構あって、ただその中に は、やはり産後ケアコーディネーターや保健師が寄り添いながら切れ目なく支援をしなければならな い課題もあります。そういった相談が産後ケアコーディネーターへ行くということです。例えば発達 相談や児童虐待、DVの防止といった課題によっては、子育てコンシェルジュで対応できません。だ から、まず相談者を幅広く捉えるものがあって、相談内容によって産後ケアコーディネーターのとこ ろに情報が行って、そこから専門機関に行く一つの流れができたとご理解いただければと思います。 (記 者) 何か配慮が必要な場合は、子育てコンシェルジュが最初から最後まで、寄り添うのでしょうか。 (長岡市長) 内容によります。例えば相談相手がいなくて、さまざまなことを相談したいという母親がいれば、 子育てコンシェルジュがずっと一貫して対応します。ところが、問題によって、例えば発達障害のこ とを相談したい場合は、子育ての駅の子育てコンシェルジュでは対応できないのです。だから、お子 さんや母親が抱えている課題の深刻度などに応じて振り分けていくということです。子育ての駅の子 育てコンシェルジュが全ての厳しい条件まで全部一貫して対応できるとは限らないわけです。 (記 者) 産後ケアコーディネーターが対応するのは、例に出たような発達障害を抱えるなどのほかに、どう いうものを想定されているのでしょうか。 (長岡市長) 例えば母親が精神的な悩みを抱えているケースもありますし、DVの相談は、子育てコンシェルジ ュでは対応できませんから、専門機関につなぎます。 (子ども家庭課長) 子どもが、まだ子育ての駅に連れて行けないくらいの月齢で、出産直後、非常に母親が心身ともに 弱っているときに、助産師の産後ケアコーディネーターが、まず寄り添う第一歩になるということで す。子育てコンシェルジュは、よく話を聞いて次の機関に丁寧につないでいく役割ですし、産後ケア コーディネーターは子育てコンシェルジュから情報を受けて、専門的なアドバイスをして、場合によ っては子育てコンシェルジュに返します。資料の図は、わかりやすいように矢印が一方向になってい ますが、本当は縦横無尽に矢印が行ったり来たりしていくものとご理解いただければと思います。 (記 者) 産後ケアコーディネーターを設置する前は、例えば医療機関や助産師、保育士、子育ての駅に相談 - 3 - が寄せられて、DVなどの問題があってそこで対応できなかった場合、どう対応されていましたか。 (長岡市長) 個別に対応していました。子育ての駅の子育てコンシェルジュはいませんから、保育士が直接専門 機関につないでいたと思います。今回は情報を一元化しているところに特徴があります。深刻な相談 は、産後ケアコーディネーターのところに全て行きます。 例えば発達障害などは、母親が、子育てコンシェルジュや保健師に恐る恐る相談します。そうであ ってほしくないという思いを込めて相談するわけで、その方を説得して子ども家庭センターに行って いただくまでが勝負のことがあります。(相談に)行ったらどうですかと言って必ずしも行くとは限 りません。しかし、産後ケアコーディネーターを置いて、そこにままリラという部屋をつくることで、 そういうことを何回か相談してから専門医を受診する母親もいます。現場に即して、非常にきめ細か く考えているとご理解いただければと思います。 (記 者) これまでそれぞれの専門機関に寄せられた相談の中で、予想で結構ですが、産後ケアコーディネー ターさんが1年間に関わる相談件数は考えていらっしゃいますか。 (子ども家庭課長) 毎月200人近く出産がありますが、その中でやはり十数件、配慮が必要なケースがあります。そうい う方たちは優先的に、年間で120人から130人ぐらいはお声がけしたいと考えています。スター トして様子をみながら対応していきたいと思いますし、産後ケアコーディネーターと保健師がチーム になって寄り添っていくような形を考えています。 (記 者) 全国でも「ネウボラ」を行っているところはあると思いますが、長岡の独自の部分は、この産後ケ アコーディネーターなのでしょうか。 (子育て支援部長) 一番は、産後デイケアる∼む“ままリラ”です。この名前はママがリラックスできる場所という意 味ですが、マンションの一室で、自分が普段住んでいるような状況の中で相談できる場所です。ほか の自治体では、病院に併設されていたり、市の施設の一角を使ったりしていて、少し敷居が高いんで すが、長岡市は、マンションの一室に、普段住んでいるような環境をしつらえて、にこにこしている 産後ケアコーディネーターがいて、じっくりお話を聞ける環境をつくっています。何回も何回も会っ てお話することで次につなげていけるという、関係性をうまくできるような場所をしつらえたという ところがほかの市にはない、長岡市独自のものだと思っています。 (長岡市長) それは、子育ての駅にも共通していて、市役所などに窓口をつくってそれで良いという考えではな く、母親の気持ちになって、自然に相談できる環境をつくる、それから子どもに問題があるときにそ - 4 - れを心から納得できる環境をつくるというところは長岡版だと思います。 (記 者) 昨日、全国市長会でも子育て支援策、提言をまとめられましたが、地方創生といった観点で見たと きの長岡の今回の取り組みというのはどういうふうに位置づけられて、意義を考えられているんでし ょうか。 (長岡市長) 私は、若い母親から非常によくしてもらった、本当に親切に相談に乗ってもらった、という声を聞 きます。そういうものが、長岡は子育てに優しいまちだ、という一つの評判になれば、地方創生に生 きてくると思いますが、そういう問題を広く知らしめるのはなかなか難しいことです。 (記 者) 今までもずっと取り組んでこられて、今回ある程度完成形というような表現をされましたが、それ でもなかなか難しいというところでしょうか。 (長岡市長) 先ほども言いましたが、地方創生まで欲張らないで、本当に問題を抱えた母親や、配慮が要る人た ちが、長岡に来て良かったと思ってくれればそれでいいということです。でも、一方では、できれば これを広めて、ほかの自治体にも真似してもらいたいという気持ちはあります。 (記 者) 今回初めての長岡版ネウボラということですが、県内では一番最初になるのでしょうか。 (長岡市長) ここまで丁寧にやっているところはないと思います。県内初です。 (記 者) 今回、きめ細やかなニーズに応じた場所を紹介する制度だと思うのですが、それはやはり、子育て しやすくすることによって、人口減少に歯どめをかけたいという思いがあるのでしょうか。 (長岡市長) それは副次的なことで、本当に問題を抱えている母親が良かったと思ってくれればいいんです。そ れが一番の目的です。だけど、市長としては、今おっしゃったようなことになるといいという気持ち はあります。 (記 者) これまでも既存の子育て支援事業があったと思いますが、今回、新規や拡充がありますが、前年度 に比べて長岡版ネウボラを立ち上げるにあたり、いくらぐらい予算をつけていらっしゃるんでしょう か。 - 5 - (子ども家庭課長) 申し訳ありません。調べて改めてお答えします。 − 回答結果 ― 平成26年度 430,000千円 平成27年度 460,000千円 比較 +30,000千円(※) ※長岡版ネウボラに関連する事業を合算した予算額です。 子育てコンシェルジュが10,000千円の増額(主に人件費)、産前産後のサポート事業関係が 30,000千円の増額(人件費、ままリラの家賃等)となりました。事業全体で調整を行い関連予算 全体では、30,000千円の増額となっています。 (長岡市長) 追加で申し上げますと、発達障害などに対応する子育て支援センターのようなところは、ほかには ありません。また、子ども家庭センターで発達障害のお子さんを抱えた親御さんに集まってもらって、 サークル活動をして、母親の悩みに寄り添いながら、少しでも子どもさんに育ってもらいたいという 事業をずっとやっていますが、そんなことをやっているところは、たぶんほかにないです。それから、 長岡市には、直営で、双葉寮という寮があります。ご家庭の事情により入所されているお子さんがい らっしゃいます。そういう現場を持っていることで出てきた政策があるということをご理解いただけ ればと思います。 - 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