...

58号 2009年3月20日発行

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

58号 2009年3月20日発行
March 2009
Radix
News Letter58
ラディックス ニュース レター
contents
注目!
Radixの会14年目 突入 !
春は準備・夏は企画満載です
Radix
● 4月10日
2
(東京)
4
41回 Radixの会役員会
第 4 回福広塾予定(野菜編)
(三重)
小祝塾開催報告
8
おいしい食べ物は、人の心を動かし、
人を幸せにする
食品衛生会議
食品衛生会議
(東京)
● 8月6、7日(予定)
全国お米会議
(山形庄内)
● 8月21日(予定)
食品衛生会議
(大阪)
● 9月4、5日
第五回東北若者集会
(山形高畠)
サクラの季節に事務
局は引越しします。
New Radix
をお楽しみに
小祝塾中級編を終えて
狩野自然農園 狩野隆行
20
(千葉)
●7月24日(予定)
勉強会のこれから
1年間お世話になりました
(九州)
第8 回お魚会議
小祝塾中級編
らでぃっしゅぼーや株式会社 森崎秀峰
9
● 6月26日(予定)
●7月10、11日(予定)
秋∼冬
6
● 6月5、6日
畜産合同会議
(長野)
農産特集 勉強会
第3回 めだかの学校
飼料米給与試験放牧豚試食会
● 6月中下旬予定
WAKAMONO! そして冬の陣
生産者塾開催報告
●5月15、16日
(北海道)
ラディックス
第40回Radixの会役員会開催報告
Report
レポート
10
2009畜産合同会議開催報告
12
13
14
15
16
だいずきっず倶楽部
18
飼料の外部依存から脱却する
出前研修開催報告 中部・北海道
お魚会議 番外編 in東京 開催報告
RadixWebを使おう!!
世界のオーガニックは今! その3
中東ドバイに行ってきました!!
食品リーダー、一堂に会す!
Radicle NEWS
21
知識だけではない学び
∼出前研修 &BL 研修リポート∼
Information
24
ラディクル・ニュース
インフォメーション
事務局からのお知らせです
2009 年1月。みなさまのお手元に一冊の冊子をお届けするこ
。総天然色 24 ページにもなるその冊子は、
とが叶いました(※)
これまで報告して参りました若者集会を再編集。Radix News
Letter の別冊という位置づけです。そして1月30日には冬の陣
を開催。次の若者集会へと一歩を踏み出しています。
見ると元気になる!
「WAKAMONO 01」
「若者集会宣言 若者たちの全てが
見えてくる 5 年間の記録」と記された若者冊子の表紙に
は「スポーツ・交流・勉強・ディスカッション・笑い・
不安・戸惑い・絆・信念・仲間・エネルギー・エネルギー・
WAKAMONO!
エネルギー 全てひっくるめて若者集会」ともあります。
若者集会の一瞬一瞬を切り取った写真からは、まさに
笑い・不安・戸惑い・絆・信念・仲間・エネルギーが感
じられます。
「読むと元気になる !」は講談社のモーニン
グですが、
「見ても元気になる !」を目指したこの若者冊
子、モノクロ印刷ではもったいないよ、とデザイン会社
さんもイチオシの若者集会
の写真たち。どうぞご覧く
ださいね。
※ Radix の会員のみなさま、らでぃっ
しゅぼーやスタッフ、Radicle の会の
配送スタッフのみなさまのお手元に
届いていると思いますが、
「見てない
なぁ」という方、お知らせください。
お送りいたします。また、Radix WEB
でもダウンロードできますのでどう
ぞ ご 活 用 く だ さ い。 http://www.
radix-jp.org/wakamono/index.html
ブリーフィング
配送車同乗の翌日は配送スタッフさん 60 名くらいが集まって、生
産者と交流 ...といきたかったのですが、
「小祝塾中級編と仕入れ説
明会」とバッティング。我々冬の陣は風前の灯火となってしまった
のでした。それならば、若者集会が始まった背景、継続する価値、
今後の目的を、じっくり話す場にしようとブリーフィングを行ない
ました。仕入れ説明会終了後に、Radix、Radicle双方の核とな
る若者約20 名が集まり、東北若者集会、冬の陣、配送車同乗に
ついて「やってよかったこと、こうしたいこと」を共有しました。
2・Radix News Letter 58
やってよかったこと
配送車同乗
翌日乗せてくれた人とグループワークで交流できた
農作業体験(実体験はいい勉強の場)
グループワーク(自分たちの課題が見えてきた、何
かを作る一体感がよい、自分たち自身の研修にもな
った)
仕事に対する考え方が刺激になった(情熱を知る
→伝えたい)
若 者 集 会
東北
2009年1月30日
東京都豊島区
トラットリア メトロポリターナ
「東北若者集会冬の陣」は 3 回目。
1)レストランの計
らいで、この日の参
加者の食材も使って
いただいた
1
過去 2 回は、初日は作る人が届ける
現場を体験、翌日に届ける人と作る
人との交流、というスタイルでした
と願った交流会は大盛況。パーティ
が、今回は翌日が農産部会の勉強会
半ばで行なった配送車同乗の報告の
と重なったため、
配送車同乗後の
「交
声もかき消されるほどでした。東北
流会」を主としたプログラムとしま
若者集会冬の陣担当としてはちょっ
した。
ぴり淋しい部分もありましたが、そ
2
そして冬の陣
配送車同乗 には首都圏 で 15 名、
れだけコミュニケーションができて
神奈川で 1 名の生産者・メーカーさ
いたということ、ヨシ ! としました。
んが参加。東北、そして日本海側の
この日、ニッポン放 送の「お早う
生産者さんには「冬の東京は快晴で
Good Day!」の取材があり冬の陣に
乾燥で」を体験していただきたかっ
ついてお伝えする機会がありました。
たのですが、
朝から雨。風も強く
「配
レポーターは「生産者、スタッフ、配
送は雨の日はほんとうにたいへんだ
送スタッフ皆さんが 対話 を大切
と分かりました」という体験となり
にされている。そういうコミュニケー
ました。
ション主義の企業は多くないのでは」
交流会には関東地区の生産者さ
と話していました。確かにそうかもし
ん、らでぃっしゅぼーやの新人スタ
れない。デジタル、バーチャルな今
ッフも加わり、100 名超の大立食パ
だからこそ大切にしておきたい人と人
ーティとなりました。作る人、届け
との対話。それを若者集会は5 年間
る人、伝える人が顔を合わせてそれ
体現してきたのだと思いました。そし
ぞれの思いや立場を知り合う場に、
てこれからも続けていくのです。
3
4
2)配送車同乗レポートを写真を使って行ない
ました。
3)昨年生産者を乗せてくれた配送スタッフさ
んからもコメントをいただきました。
4)配送車同乗レポートは喧騒にかき消される
部分もあれど、らでぃっしゅの営業スタッフ(右
2 名)& 新人スタッフ(左から 2 番目)も参加、
交流会としては盛況でした∼♪
こうしたいこと
前回の継続ではなく初参加でも分かるグループワーク
配送車同乗は継続したい(生産者、配送スタッフ双方のプロ
フィールが事前に分かるといい、会える会員さん時間などを事
前に把握したい、会員さんに前もって告知したい、夕方から会
員さんに会える確率が上がるから後半も乗っていてほしい)
配送車同乗を小ロット、複数回、継続で行ないたい
生産者の勉強会 + 農作業体験
商品の知識を得られる場にしたい
Radix の会副会長伊藤幸蔵氏やらでぃっしゅぼーや農産課
長森崎氏からは、
「若者集会と配送車同乗のリンク(産地ご
と・品目ごと)」「東北そこでしかない魅力を伝える」「参
加者自身も次世代を育てる立場で」「農作業体験などは少
数個別で、意思確認は今回のように集団で行なえば」など
のアドバイスもいただきました。
これらを踏まえて、2009 年夏の東北は高畠での開催を予
定しています。より深化した取り組みにしていきますので、
乞うご期待。いえ、ぜひ参加してくださいね。
3
Radix News Letter 58・
農産特集
勉強会 秋∼冬
農産部会 生産者塾開催報告
第3回 めだかの学校
11月14日(金)、群馬県甘楽町の JA甘楽富岡甘楽支所2F会
議室にて、第3回めだかの学校が開催されました。講師は新
井俊春さん(甘楽町有機農業研究会長)。参加者は70 名。
1人1人が 考えてみる こと
ぞれに提案を持ちかけるような意味
情報から作物を見る新井さんの指摘
第 1 部では甘楽町有機農業研究会
深いものを感じます。日々の農作業
は、生産者にとっても興味深い見解
だったのではないでしょうか。
メンバーのほ場や堆肥場を視察し、
で生産者は「来年こそ良い天候にな
第 2 部の座学講習では、新井さん本
る」と思い込みたくなるものですが、
人が作物の状態を撮影したものを含
新井さんの講義では自分で考えてみ
懇親会で未来を語り合う
めて148点もの資料や参考写真が説
る事の大切さについて何度もふれて
第 3 部は、交流会として「日本の
明と共にスクリーンに映し出されま
いるような気がしてなりません。
脳業を語る会」というテーマのもと、
した。
それこそが生産者による 生産者
情報交換が行なわれました。生産者
テーマ 1「土づくりを改めて考え
塾 の真骨頂、生産者へ伝わりやす
同士で可能な実質的で有用な情報交
てみる(土質・肥効・要素)」、テー
い講義となったのではと思います。
換方法の検討。研修・新規就農につ
マ 2「病害虫防除について考えてみ
いての今後の対応策(Radix による
特集/勉強会 秋∼冬
第3回めだかの学校
る」
、テーマ 3「作物の変質防止を
生産者による視点で
支援検討など)
。またらでぃっしゅ
考えてみる」
。3 つのテーマごとに
新井さんの講義では、理想的な
ぼーやの現場のスタッフと、実際に
講義が進められ、参加者に配布され
土 の 3 相 分 布 は「 気 相 30%・ 液 相
納品されたときの情報やこれからの
たテキスト資料は 37 ページもあり、
30%・固相 40%」であることや、単
生産者との取り組みについてなども
すべて新井さんが作成されたもの。
純化した窒素・リン・カリの役割の
話し合われました。
これ 1 冊で本が出版できそうな重厚
説明があったり、植物の病原体を分
な内容です。一読しただけで、普段
類し、それぞれが繁殖しやすい条件
何気なく見過ごしたままになってい
や対処方法などが話されました。
ることを再認識できた人もいるので
それぞれ詳細に調べられ生産者の
はと思います。
興味を惹くものでした。
「無肥料栽
1人の生産者の視点で語られてい
培では害虫の被害が非常に少ないの
った内 容 は、 聞き手となる生 産 者
に対してアミノ酸による生長では植
にとっても理解しやすく、テーマが
物から良い臭いがするためか、アブ
「... 考えてみる」という語尾になって
ラムシなどの害虫を誘引するので
いるように、生産者一人一人がそれ
はないか」などと、独自に集積した
70 名もの参加となり満員御礼状態の会場。若者
にもわかりやすい内容で次第に講義に引き込まれ
ていく
4・Radix News Letter 58
若者の参加が多い今回の勉強会。交流会にも多
くの若者が参加し、それぞれのこれからの展望が、
明るい農業の未来を予感できた
福広さんの元で就農した村山さん。1年目から作
付けしたほとんどのトマトを出荷したという、勉強
熱心さで結果も出すなど注目される生産者。新
規就農者という立場から見た農業は生産者にとっ
ても意味深い意見に
東に新井さんによる「めだかの学校」の開催に、
西の生産者塾長である福広さんが出席(写真中
央)
。生産者塾でお互いに参加し合い、回を増す
ごとに充実した勉強内容となっていく
理想的な土の3相分布
は講義のとおりであり、各自が
植物が良好な生育ができる土
栽培をしている作物に発生しや
壌内の 3 相分布は、気相(空気)
すい病害については、その逆の
30%/ 液相(水分)30%固相(土
条件を作り出す栽培をすれば良
の団粒構造)/40% がベストの
いことになる。
状態。団粒構造ができる基本は
粘土粒子の有無。少ない時はゼ
病気の発生3つの要因
湧 キ 出 ル
知 見
新 井 俊 春 さん 語 録
水分 過多を避ける少なめの窒素
堆肥や緑肥作物などの利用で有
分 類すると、3 つの要因が 考え
で生育した作物の細胞密度は緻
効微生物の住み家となる腐植が
られる。
密だが、窒素過多の作物の細胞
できるが、腐植と粘土粒子を結
1つ目は「主因」で連作や未熟
には隙間ができ、人間に例える
びつける役割をしているのが、
堆 肥(他の未熟 有機 物)などの
とメタボな状態となる。よく言わ
微生物が分泌する多糖類なのだ。
投入により、病原体の密度が高
れる軟弱徒長。この状態での収
これにより団粒構造ができ、
まっている状態。2 つ目は
「素因」
穫時の傷口がトロケにつながる。
肥料を閉じ込め流亡を防ぐだけ
で 種
自体の素質 = 病害耐 病
健康野菜の基本は窒素過多と根
でなく、この団粒の隙間に沿っ
性・抵抗性。果 菜 類などの苗の
圏の水分 過多を避けることであ
て根が伸びやすくなるのだ。
素質(適正苗の定植)ほか。3 つ
る。露地栽培における多雨対策
目は「誘因」で自然環 境と生 産
として、 団 粒 構 造の 作成・高畦
者自身の栽培環境を示す。栽培
栽 培・プラソイラー 等による硬
植物に病害を及ぼす病原体を
環 境には施 肥 設 計等も含まれ、
盤破壊・緑肥作物の根の伸長に
分類してみると、糸状菌(かび)
・
この善し悪しが作物の品質に最
よる水はけの改 良等である。肥
細菌(バクテリア)
・一部放線菌・
も影響するのだ。
料要素としては窒素 優 先ではな
ウィルス・センチュウなどであ
これらが相互に重なった場合
く、ミネラルとのバランスが重要
る。これらが繁殖しやすい条件
に病害が発生する。窒素過多と
なのだ。
植物の病原体を分類する
特集/勉強会 秋∼冬
第3回めだかの学校
植物に病害が発生する条件を
オライトなどで作り出す。優良
土壌分析+栽培作物の観察力を!
甘楽町有機農業研究会 会長 新井 俊春
これまで 3 回の『めだかの学校』
が少ない方が伸びやすいのです。
それよ
開催により、延べ 200 名近くの皆
これにより葉物野菜と根物野菜
りも栽培
様に参加していただきました。特
との施肥体系が異なる事になりま
作物への
に今回は和歌山・三重をはじめ、
す。果菜類においては実の量が多く
観察力を
遠方より多くの方々にご出席いた
なる頃から少しずつ効けば良いわけ
つけることがより大切だと思いま
だき誠にありがとうございました。
で、前々から葉 茎が 繁り過ぎると
す。葉の黄化を例にしても、窒素・
3 回の勉強会を通して必ずお伝え
空気まわりが悪くなるために、カビ
苦土カリウム等の欠乏、ウイルス、
している事が 作物により肥料を
の害などが発生しやすくなります。
害虫付着など様々な要因があり、
使い分ける ... です。
また Dr ソイル等による土壌分析
生産者自身の的確な判断を必要と
土壌内の肥料濃度(特に窒素)
が一般化し、勘に頼らず間接的に
し、その再確認として土壌分析を
により、地上部の葉茎と根の伸び
数値を割り出し、施肥設計をする
並行して行うというような、二段
とは逆になります。水分量によっ
ことは 大変有効であると思います
構えでの判断が必要です。
ても異なりますが、施肥量が多い
が、分析の結果により出た数値は、
分析の数値だけではないプラス
場合に地上部の葉茎は伸びやすく
あくまで目安とすべきであると考
αを、それぞれの圃場条件に応じ
なり、その反対に根部は肥料濃度
えます。
て施肥設計すべきでしょうね。
5
Radix News Letter 58・
農産特集
勉強会 秋∼冬。充実の地域ブロック別集中講義!
農産部会 小祝塾開催報告 小祝塾中級編
「農業版 PDCAサイクル」と「これからの堆肥活用術」について
12 月12日WESTブロックIN大阪、12 月18日・19日北海道ブロックIN 札幌、1
月31日東北関東ブロックIN大宮、2月5日・6日九州ブロックIN熊本。全ブロック、
4箇所で開催されました。講師は小祝政明さん。小祝塾中級編を報告します。
小祝塾中級編とは
話されました。そして最後は小祝さ
農業版 PDCA サイクルを確実に活用
2008 年度後期の勉強会は、らで
んへの事前アンケートへの回答で全
しているためで、毎年何か失敗があ
ぃっしゅぼーやとの共催で、
「小祝塾
体をしめくくりました。
ると感じている生産者は情報を取り
中級編」と「仕入れ説明会」が行な
入れ PDCA サイクルで見直す事が肝
特集/勉強会 秋∼冬
小祝塾中級編
われました。小祝塾中級編では、こ
農業版 PDCAサイクルとは
れまで進めてきた「植物生長や各多
WEST で は 宮 垣 農 産 グ ル ー プ が
量要素・微量要素の働き」などの説
PDCA サイクルを実践。そのプロセ
これからの堆肥活用術とは
明を越えて、農作業に「計画・実行・
スを例に去年の失敗を今年につなげ
堆肥については、化成肥料が世界
評価・改善」からなる PDCA サイク
る流れを徹底しています。さらに「共
情勢の影響を受けるようになり、今
ルを実践し効率的に農業技術を向上
通のプラットフォーム」を持つ事で
後は有機肥料にも影響が出るため、
させていく方法がを集中して学びま
他生産者と情報交換を行なうことで
正しく作成された堆肥確保が肝要。
した。堆肥の積極的な活用では、資
更なる技術向上ができている流れを
生産者それぞれが確保しなければな
材高騰や有機栽培者の増加を見越し
小祝さんが詳しく説明。プロの生産
らない。堆肥の質についても、CEC
て、次世代に備えるためにも堆肥つ
者が、天候が悪くても毎年安定して
(保肥力)は固定ではなく常に微生
くりを積極的に進める重要性などが
収量を得られるのは、観念ではなく
物の分解によって変化することの
WEST
要とのお話しでした。
北海道
理解が必要。堆肥は C/N
比が 15 以上を心がけて、
窒素成分による栄養生
長をコントロールする。
また北海道では、施肥
後発生するハエの害虫
対策に、温暖になるまで
待つこと。ハエ発生前に
アンモニア態窒素に酢
大阪会場にて。参加 59 名。生産者から PDCA につ
いて具体的な方法など多くの質問が飛び交った
関東・東北
札 幌 会 場 に て。 参 加 51 名。 生 産 者 報 告 を 元 に
PDCAでどう解決していくのか実践的解決策とサイ
クルの回し方について詳しく説明された
酸に変化させ無臭にす
九州
ること。アンモニアの臭
を加えることでアミノ
いがきつい物をトラッ
プとして利用すること。
などを小祝さんは提案
しました。堆肥の繊維材
料として本州で普及し
てきた竹チップが分解
も速く有用、とも紹介さ
大宮会場にて。参加 186 名。大人数での勉強会と
なり講義も自然、熱意あるものに
6・Radix News Letter 58
熊本会場にて。参加70名。特に堆肥活用について、
九州で実際に改良成功した堆肥舎をもとに具体的な
説明が行なわれた
れました。
事前アンケートの回答
に実践的な内容で解を与えてくれま
質問状にも資材高騰を課題としてい
生産者の質問について時間のある
した。
る生産者が多く、他にも各生産者で
限り回答してくれました。全ブロッ
何かしら課題を持っていると考えて
クそれぞれ、地域ごとに差がありま
全ブロック勉強会を終えて
いて、今回の小祝塾中級編で解決の
すが、緑肥の効果は短い、微生物利
今年度は生産者を直撃する資材高
糸口を見つけられた生産者も多かっ
用による病気対策、腐敗対策のため
騰という事態もあり、改めて経営力
たのではないでしょうか。
の肥培管理、堆肥資材の有効利用、
や農業生産の効率化が求められるよ
害獣対策など、生産者が抱える問題
うになったのではないでしょうか。
小祝さん語録
計画
改善
PDCAサイクル
実行
評価
定した石灰分の供給が見込める。
可能性もある。これは優れた農業
「計画・実行・評価・改善」を繰
年間での肥効グラフはこれこれ」
技術を学ぶだけでなく必ず PDCA
などと、資材の情報一つでも曖昧
サイクルを徹底活用する成果によ
にせず、必要な情報が正確に伝わ
る。優れたグループでも情報を必
る様にする。また植物の生長過程
要としているので、どんな情報を
などデジカメで撮り貯めるだけで、
必要としているかを選別し、取り
何処でも公開でき誰からでも指摘
入れていく。
り返していくことで問題を解決し
続けていく方法。しかし生産者の
皆さんは、観察に頼りすぎ、観念
的な PDCA サイクルになっている
様に感じます。記録するまでには
至らない場合が多いために起こる
失敗も多いので、これを防ぐため
に具体的な方法論と実施方法が必
要です。
共通のプラットフォーム
を持つ
を受けることができる。特にデジ
人が仕事場に持ち込み、撮影を習
天災なのか人災なのか
分析する
慣づけて欲しい。今後は具体的な
天候不順はどこの地域でも起こ
情報を元に広い範囲で情報交換し
る。それでも隣の生産者が天候に
ていくことになる。
左右されず毎年変わらない収量を
カメでの撮影だけでも生産者1人1
とる場合は、何かが違うことに気
情報交換をするためには、双方
他所から優れた技術を
学ぶ
にとって有用で意味のある情報を
単収 1t とるグループが、団体内
率を最大限に引き出して日照不足
で情報交換し問題解決することで
を補うのかで、収量は明らかに差
2t3t の収量を得られるような成長
が出てしまう。人災とすることで、
ができるが、このグループが反収
何が足りなかったか分析し、天災
8t 取れる別グループと情報交換す
も最小限に食い止めていける。
もっている必要がある。
「あの肥料
はよく効く」だけでは何も伝わら
ず、
「貝殻石灰で作られ粒状でリン・
カリを含み、貝殻粉砕のため肥効
は遅いが分解が始まれば 5 年の安
特集/勉強会 秋∼冬
小祝塾中級編
PDCAサイクルとは
なにか
がつくはず。例えば日照不足と言
って終わらせるのか、光合成の能
ることで一気に 8t の収量となれる
7
Radix News Letter 58・
農産特集
勉強会 秋∼冬
おいしい食べ物は、
人の心を動かし、人を幸せにする
らでぃっしゅぼーや株式会社 MD 部農産課長 森崎秀峰
農産の昨年度、21期テーマは「品質改善」。全社一丸となって、
そして生産者の皆様の多大なるご協力により、売上、取り扱い数
量を約10% 伸ばしながらも、クレーム数を約20% 減らすことが
できました。天候も読みにくい中での収穫、出荷でご苦労も多かっ
たと思います。ご協力本当にありがとうございました。
クレームが減ったとは言え、まだまだ数多いと認識しています。
今年度も引き続き、品質改善に全社一丸となって取り組んでまい
りますので、皆様のご協力よろしくお願いします。
昨年度も、Radixの会と共に、株式会社ジャパン
事業規模が大きくなり、携わる人が増え、組織
バイオファームの小祝さんの勉強会の開催、三重
化してくると、ついつい縦割りの意識が強くなり、
県 ゆうき伊賀の里 福広さん、群馬県 甘楽町有機
横のコミュニケーションが取りにくくなります。
農業研究会 新井さんの勉強会開催と、生産現場で
これは、組織内だけに限らず、取引先や、お客さ
の品質、作業改善についての勉強会を重ねてきま
んについても、言えることではないかと思います。
した。そのまとめとして、年を挟んで皆さんおな
特集/勉強会 秋∼冬
らでぃっしゅぼーや農産課より
じみの小祝さんに、PDCA の具体的な話をしてま
私が現職に着任して丸 3 年が経過しますが、初め
とめてもらいました。
の 2 年はたて続けに大きな組織変更があり、手探
PDCA とは、Plan Do See Action の頭文字で、
り状態で、皆様にご迷惑、スタッフのみんなにも
計画・実行・観察・改善 という一連の流れで、絶え間
苦労をかけてきたと思います。その反省もこめて、
なく改善を続けていくというものです。改善とい
昨年度は2年間皆さんの所に伺えなかった分を取り
うと堅苦しくなるかもしれませんが、自然界で言
戻すべく、できるかぎり訪問させて頂き、話し合
えば「変化に対応する」ということだと思います。
いながら品質改善、売上を伸ばしていこうと、訪
まさに、農業にうってつけの考えだと思います。
問回数を増やさせていただいてきました。
その中で、お互いの気持ちは同じなのに、ボタ
残念ながら私は、大阪の集会には参加できませ
ンの掛け違いや、情報の共有不足のために、うま
んでしたが、4 回を通して会員 SC のスタッフに参
く進んでいないことが多くあることが分かりまし
加してもらうことで、現状の会員様の声を、皆様
た。お互いに話し合うときは、少しの気遣いでよ
にお伝えすることができたと思っています。北海
い情報共有ができると思います。
道集会で、会員 SC の宮本 GL が「本社に、商談に
いらっしゃったら、是非会員 SC にもお立ち寄りく
ださい」という呼びかけを行なったら、早速、北
海道帯広の大牧農場の後継者3人が応え、本社にい
らっしゃったときに、宮本を訪ねて会員 SC に訪問
1. 相手を信頼して、礼を尽くして伝える
2. 毎年同じことでも、繰り返し伝える
3. 情報は鮮度が命、できるだけ早く伝える
してくださいました。これに宮本は感動し「なか
暗い話ばかり耳にしますが、おいしい食べ物は、
なか生産者とのつながりを感じることができない
人の心を動かし、人を幸せにすると信じています。
職場だけれど、生産者の皆さんとつながっている
今年は、今まで育ててきた信頼関係をさらに力強
仕事をしていると、感じることができた !」と、喜
くし、笑顔で力をあわせて、全体の組織力で乗り
んで話してくれました。
越えていきましょう。
8・Radix News Letter 58
判断する目を持つ
同じ土台で勉強会を
Radixの会農産理事 菅野義則
Radixの会農産理事 宮楠仁之
勉強会の
これから
NOF 麓郷生産組合(北海道)
紀の芽の会(和歌山県)
小祝塾中級編を終えて
北海道での勉強会は、昨年、課題だ
今回の小祝塾中級編は、これまでに
った「クレーム率の低減を目指して」を
何回か勉強させていただいた内容を踏
実施し、生育管理、選別、保管、輸送
昨年12月から集中的に開催した全国
ク、改善することで、一昨年よりもクレ
らでぃっしゅぼーや農産課との共催
の各段階での問題点を各生産者でチェッ
ームが低減し、一応の成果があがったか
と思います。
ただし生産過程では、生産者それぞれ、
害虫による被害や、生育途中での葉枯れ
による収量の大幅減等もあり、問題の多
の地域別勉強会
「小祝塾中級編」は、
による総合的な内容で、ある意味こ
れまでの勉強会の総決算でもありま
した。全4回の計画を終えて、農産
理事のお2人にお話を伺いました。
い年でもありました。
まえての勉強会でありました。PDCA
サイクル(計画)
(実行)
(評価)
(改善)
を実践しなければ技術向上は望めない。
より効率的に情報交換をするには共通
の土台が必要である。次へのステップ
へとつながるヒントを聞くことができ、
たいへんよかったと思います。
そこで思ったことですが、今回改め
て、作物別(同じ土台)による技術交
土壌分析では、
これまでDr.ソイル中心で行なってきた分析を、
流会の開催の必要性を痛感しました。
でとはまるで逆の測定値になったとの報告もありました。生育
り、同じ作物のことになると話も盛り上がりました。それ
ほかの分析でやってみた結果、カリ不足、石灰過剰と、これま
に1度は複数の分析機器での測定もこうした「ミネラルの偏り」
を防ぐ手立てになるのではないかと思われました。
が今でもとても力になっていると思います。ですから是非、
特集/勉強会 秋∼冬
途中での葉枯れ等はこれによるところもあったのではないか、
とも思われました。どの分析機器もそれぞれ長短があり、数年
私が農業を始めた頃は、そういう場がありました。やは
これからの若い担い手のため、技術向上のためにも開催し
てほしいと思います。
何よりも、作物が今どのような状態にあるか、根が何を欲し
がっているか判断できる目を、自分自身が持つ事。これが大切
であると思います。そして土づくりはやはり有機物の投入で土壌
の有益な微生物を殖やす事、これが一番です。
1年間お世話になりました
狩野自然農園 狩野 隆行
Radixの会事務局の生産者若手研修生第1号と
して2008 年3月から1年間、農産の業務を担当
した狩野隆行くんが、晴れて研修期間を満了し
ました。狩野くん、おつかれさまでした !
北海道岩見沢
恵に驚かされっぱなしでした。また、
つの流れに結んでいきます。
市にある狩野自
未だに未熟ではありますが勉強会の
正直に言うと、研修前は農業知識
然農園の狩野隆
段取りの仕方や、生産者では苦手と
も無知でこのまま後継者となること
行 で す。2008
する経費計算など含む事務処理、ニ
に不安を抱いてました。しかし研修
年度に Raidx 事務局へ、生産者の息
ュースレターやブログなどを通して
によって知識だけは満載状態。あと
子で第 1 号研修生として 1 年間の研
文章の書き方など、農作業と直接関
は学んだことを実践し、これから発
修をさせていただきました。
わりがなくとも将来的に必ず必要に
揮していきます !
今年度の小祝塾だけでも 20 回もの
なることをいくつも学ぶことができ
Radix の会のみなさんからこのよ
勉強会を担当、その中で様々な知識
ました。無事研修を終え、この経験
うな機会をいただき、本当にありが
を学び、生産者と知り合い、その智
を第 2 号へバトンタッチして、ひと
とうございました。
9
Radix News Letter 58・
2009 畜産合同会議開催報告
Report
飼料の外部依存から
脱却する
2 月13日、2009Radixの会畜産合同会議と銘打ち、全国の畜
産生産者が東京浅草に集結。様々な意味で今後が問われる日
本の畜産。Radixの会では2年ぶりの催しとして、生産者の事
例発表、らでぃっしゅぼーやの方針説明、畜種別分科会、全
体の総括と、充実の 4 時間を共有した。
玄米卵のお話をする常盤村養鶏農業協同組合の石
澤直士さん
地域と共にある畜産を!
です」。
ジを与えた。かねてより飼料の自給
「畜産農家っていうモンは、いつも
5 年前から、飼料米の栽培試験と
化を目指してきたらでぃっしゅぼー
いかに安く買うか で考えてしま
鶏への給与試験に着手。昨年やっと
や、そして生産者の皆さんにとって
う」と切り出したのは、常盤村養鶏
試験販売にこぎつけ、今年からは生
は、この苦しい状況の真っ只中にあ
農業協同組合の石澤直士さん。
産量も増やして、耕畜連携、地域と
る。会議は今後どのようにらでぃっ
エサの話だ。日本の畜産物はいつ
ともにある国産卵の生産を軸に、さ
しゅぼーやと提携していくかを問
も「安く安く」の圧力にさらされて
らなるチャレンジを進めるという。
う、良い機会となった。
きた。それは「安い輸入の穀物飼料
共通する課題は、価格もあるが、
の導入」ありきでスタートした日本
2 年ぶりの畜産合同会議 国産を柱とした飼料の安定確保と品
特有の事情と符合する。
さて、集まったらでぃっしゅぼ
質の向上だ。 畜産品の「安い価格」は、エサを
ーやの畜産生産者は約 40 名。常盤
安く輸入し、規模を拡大しながら実
養鶏さんのほか、北海道で自給率
活動を膨らましていこう! レポート/2009畜産合同会議開催報告
現されていった。と共に、1 カ所で
100% の肉牛生産を進める北十勝フ
実際的な方向の大枠を示したの
大量に生産する弊害として薬剤の多
ァームさん、宮城県からは放牧豚へ
が、らでぃっしゅぼーやの発表。畜
投や畜産公害も構造化され、地域の
のお米の給与率を徐々に高め、より
産を含めた水産、加工食品全体の統
田畑からも離れた工場のような生産
安定的で地域に密着した取り組みを
括責任者・上原篤志の報告だ。上原
方式が主流となった。石澤さんは話
進める高橋精一さん、山口県から秋
は慎重に言葉を選びつつ、2009 年
を続ける…….。
川牧園さん(肉鶏)
、島根県から木
の畜産活動について「飼料の外部依
「しかしそれでは地元の農家さんた
次乳業さん(乳業・酪農)の 5者が、
存から脱却する方法を継続して模索
ちはどうなってしまうんだろう。家
飼料の国産化をメインテーマに、事
していく」と宣言。そして、輸入飼
畜にお米を食べさせて、お米の農家
例発表を行なった。 料の高騰より、消費者に提供する畜
さんたちも生産が続けられるように
昨年は輸入の肥飼料や燃油などの
産品の供給不安定化が問題として、
ならないものだろうか。
そう考えて、
原料価格が高騰した。なかでも飼料
無謀とも言われましたが、
今回の 玄
価格は 4 年前の価格をはるかに上回
けた。
米卵 の試行錯誤がスタートしたの
って国内の畜産農家に大きなダメー
畜種、地域ごとの生産者の活動を
らでぃっしゅぼーやの方針を語る上原課長
10・Radix News Letter 58
分科会の全体をまとめる中津ミートの松下憲司さん
「供給の安定化」を図ろう ! と呼びか
デントコーンを柱に国産100%を達成した
北十勝ファームの上田金穂さん
畜種をこえて集まろう! Radix の会畜産理事、中津ミート代
産物の本来の姿を消費者に理解して
畜種個別の課題もある。らでぃっ
表の松下憲司さんから、畜種をこえ
いただけないことには、適正な価格や
しゅぼーやの報告後の分科会(4 畜
て集まろう ! と、力強い地域集会の
必要な施策への理解も得られない。
種。豚・鶏肉鶏卵・肉牛・乳牛)は
提案。満場一致の拍手をもって承認
「皆さんのお話を聴いていて、情報
予定時間を大きくオーバー。さまざ
された。大成功である。6月5、
6日。
の重みをつくづく感じる。Radix の
まな課題も話されたが、最終的には
長野県松本市、旧四賀村(会田共同
会を通じて、伝えることも含めて、
全体を Radix 畜産役員会にて預かる
養鶏組合)に集まりましょう ! あ
活動を膨らませていきたい」。
として会議を終了。
らためてご案内します。
見える化 していくという。日本の畜
最後に、分科会全体のまとめ役、
放牧豚で飼料米!
……北海道飼料米給与試験実施中
畜産部会では昨年12月より、独立行政法人北海道農業研究
センターの依頼を受けて、北海道厚真町の希望農場(ファー
マーズジャパン契約農場/放牧豚)にて、飼料米の給与試験
を進めている。北海道での畜産飼料国産化の取り組みとして
は、北十勝ファーム(足寄町/肉牛)に続き2例目となる。
与飼料の 10% を地元厚真町で栽培
初年度の取り組みとして、収穫され
されたおコメで代替し、肥育後期
今、飼料の国産化、中でもお米
たお米を飼料化して給与、仕上が
31 頭への給与を 12 月にスタート
を飼料として家畜に与える飼料米
ったお肉を食べてもらって、消費者
させた。
の取り組みが、昨年の輸入飼料高
の評価を得たいとのことだった。
3 月 4 日 現 在 生 育 は 順 調 で、 希
騰の影響もあってか、全国で盛り
提供可能なお米は 1 トン。わず
望農場の中島道義さんも「普通の
上 が っ て い る。Radix の 会 で は 5
かな量だが、餌の生産から肉の消
エサより食い込みがいい」と結果
年前から、畜産飼料の取り組み(オ
費までの一連の流れで成果を確認
に期待。放牧豚は 3 月中旬には仕
ーガニック飼料から国産飼料まで)
できることや、府県と比べ取り組
上がる予定で、脂肪酸など肉質の
を進めてきたが、今回の試験は 3
みが遅い北海道でいち早く試験に
比較検査を行ったうえ、4 月以降、
年前、北海道の国産飼料調査の過
着手することの意義から、畜産部
らでぃっしゅぼーや会員さんへの
程でお付き合いの始まった、独立
会とらでぃっしゅぼーやの 2 者で
モニタリングが行なわれる予定だ。
行政法人北海道農業研究センター
協力して進めることを決定。全給
レポート/2009畜産合同会議開催報告
な、期待の品種の栽培試験開始の
(北農研)からの呼びかけがきっか
けとなって始まった。
●消費者の生の声を聞きたい
会員制組織らでぃっしゅぼーや
の力を借りたい。
以前からイネの多収品種の開発
に取り組んできた北農研さんが、は
るばる北海道から Radixの会を訪
ねてこられたのが昨年 3月。キタア
オバという寒冷 地でも多収が可能
雪の中すくすく育つ
お米育ちの放牧豚
11
Radix News Letter 58・
Radix 会員さんの地域貢献活動に参加
だいずきっず倶楽部
Report
∼第3回大豆収穫・第4回豆腐作り∼
おとうふ工房いしかわさんが地元で行なっている活動『だいず
きっず倶楽部』
。Radixの会の生産者・メーカーさんの地域貢献
活動をらでぃっしゅ会員さんに紹介し体験していただく、という
トライアル企画に中部地区のらでぃっしゅ会員さん19 組62名が
参加しています。12月には大豆収穫、そして2月は豆腐作りを行
ない、全4回の活動を終えました。
2008
12 月 7日
大豆を収穫 !
収 穫 の レ ポ ー ト は、
おとうふ工房いしかわ
2009
2 月8日
出来上がった豆腐はごま豆腐のような紫色(ね
ずみ色 ?)。黒豆の皮に含まれるアントシオニン
の影響だそう
豆腐作りにチャレンジ
この豆腐作り、通常は大豆をすり
高浜市民センターの
つぶして煮てから搾る「煮取り法」
調理実習室をお借りし
だそうですが、今回は先に搾る「生
レポート/だいずきっず倶楽部
の沢田さん、だいずきっず倶楽部の
て 37 家族が黒豆の木綿豆腐作りに
絞り法」
。子どもたちが多いので、
メイン担当の方です。
挑戦しました。130名という大所帯。
熱くなく簡単に搾れるようにとの配
「大豆の乾燥具合が少し遅れ、12
豆腐を作ってからお昼となる午前
慮からでした。
月 7 日の収穫となりました。少し寒
と、昼食後に豆腐を作る午後の 2 部
「一番みんながドキドキするのは、
い日でしたが天気もよく、大豆(黒
制での開催です。
型から取り出して水の中で布をはが
豆)を収穫することができました。
浸水させた大豆を水とともにミキ
すとき。子どもも大人も目がきらき
まずは乾燥した大豆を 1 本づつ枝
サーにかける(生呉といいます)
。
ら光る。この活動をしていてよかっ
ごと引き抜きます。そして、レジャ
生呉をこし布を使ってぎゅっと手絞
たと思う瞬間でもあります」と石川
ーシートの上で、木などの棒を使っ
り、おからと豆乳に分ける。豆乳を
社長はご本人のブログにも書いてい
て枝ごと叩いて殻から大豆を出しま
温めてにがりを入れる。型枠に入れ
らっしゃいました。
す。殻からうまく出なかった大豆は
て 20 分ほどプレス。型枠を外して
「種まきから時間をかけて体験でき
手でむきました。
木綿豆腐のできあがり。
たことがとてもよかった !」
「なかなか
脱穀した大豆を、
とうみを使って、
簡単な作業ですが豆乳はしっかり
ない経験なのでぜひこれからも続け
大豆とチリを分別。作業後は、青空
混ぜないとすぐに鍋底が焦げ、吹き
てほしい!」とらでぃっしゅの会員さん。
の下でみんなで食事。
炊き込みご飯、
こぼれるのもあっというま。にがり
「来年も新しい企画を考えるよ」と
だいずきっず特製豆乳芋煮鍋、田楽
の入れ方もコツがあり、同じ材料、
石川社長。ぜひまたらでぃっしゅ会
豆腐、デザートの 4 品でした」(だ
分量なのに一つとして同じ豆腐には
員さん枠をお願いしたいと思ってい
いずきっず倶楽部 HP より抜粋)
ならないんです。奥が深い……。
ます。
2
1
5
4
12・Radix News Letter 58
1)
「それっ」大 豆を引
き抜きま∼す
2)
「えいっ」いろんな
棒でたたいてま∼す
3)浸水した大 豆を何
回かに分けてミキサー
でなめらかにする
4)おからと豆乳に分
けます(おからも豆乳
も加熱前なのでとって
も青臭いんです)
3 5)豆乳を加熱中です。
(よーく見てないと焦げ
ちゃうよ∼)
6)
「よいしょ」っとにが
りで固めた豆腐を型枠
にいれていきます。ス
タートから2 時 間ほど
で 600gくらいのお豆
腐が完成 !
6
だいずきっず倶楽部:大豆・大好き・子どもたち(kids)を掛け合わせた造語で大豆を題材にした青空教室の倶楽部名。株式会社おとうふ工房いしか
わさんのHPに活動の詳細が載っています。 http://daizkids.exblog.jp/
Radicleの会との連携企画
出前研修開催報告
Report
『出前研修』それは、Radixの会の生産者・メーカーさんが、らでぃっしゅ
ぼーやのセンターなどを訪れ、配送スタッフのみなさんにその作物や商品に
ついての知識、こだわりなどの思いを説明しにやってくる(出前)という企画。
2005年よりRadicleの会・Radixの会の連携企画として続いております。
出 前 研 修
中部
2008年11月29日
愛知県高浜市
おとうふ工房
いしかわ高浜工房
かき混ぜる「技」が
必要とされる「にが
り」チーム。いしか
わさんのスタッフさ
んに教えてもらって
います
配送代理店のリーダーさん 10 名
て主流になったのだそうです。海に
がメーカーさんを訪ねる形での開催
囲まれた日本では、にがりのほうが
となりました。まずは工場見学。人
手に入れやすかったのですね。
「す
が入れば異物混入も増す。いちばん
ましこ」と「にがり」では投入後の
雑菌を持ち歩いているのは人。とい
時間や攪拌方法に違いがあるうえ、
うことで、ガラス越しでの見学。次
にがりには職人の技を要するとか。
に
「豆腐作り」
。
「すましこ」
「にがり」
味は、単体では気づかないのですが
の 2 班に分かれて豆腐を作り、味を
食べくらべるとその差は歴然。
「ど
くらべるという小学生向けプログラ
っちがいい悪いではないですよ。ど
運営、先輩と新人との交流、部下を
ムを体験。すましこ(硫酸カルシウ
ういう目的で豆腐を作るかどこにこ
まとめて伸ばしていく、といった話
ム)はもともと中国で主流のもの。
だわりを置くか、ということです。
にも及び、代理店のリーダーのみな
日本では、戦後に GDL(グルコノデ
ボクは昔ながらのにがりの豆腐を甦
さんにとって非常に有意義な研修と
ルタラクトン)とともに凝固剤とし
らせたかった」とは石川社長。組織
なったようです。
北海道
2008年12月1日
北海道札幌市
レポート/出前研修開催報告
出 前 研 修
石川社長の
お話しに耳
を傾けます
大学でも講義をされ
る河野会長の講演は
飽きさせません
さっぽろテレビ塔
講師は Radix の会の河野会長(八
話を伺いたい」と、再びの北海道で
木澤商店)
。
「RadixとRadicleは両輪」
の開催に至りました。
八木澤商店
さんと市販
品の食べく
らべ中
「配送スタッフのみなさんは、そん
月曜の配送は夕方からというこ
じょそこらの荷物を運んでいるので
とで、それまでの時間を利用。2 時
はありません !」という河野会長の
間たっぷりの講話完全版。講話後は
言葉を「一人でも多くの配送スタッ
味付ぽん酢柚子やドレッシング 3 種
フに聞いてもらいたい(Radicle の
類、生揚げ醤油などを試食。市販と
会市川会長)
」と、2006 年 10 月か
の味くらべを行なうと「香りの違い、
ら翌年 10 月まで Radicle の会の 5 支
甘味の深さに改めて驚きました」と
生産者の想いを会員様に伝えること
部で開催してきました。北海道を皮
いう声も。
が、私達配送スタッフの使命だと感
切りに神奈川、中部、首都圏、大阪
「河野 会長の講 話は何度めかです
じられた講演でした」
。足かけ2 年。
と完成度が増していった河野会長の
が、その時の自分の身の丈にあった
Radicleの会全支部への河野会長の
講話を「ビデオを交えた完全版のお
示唆や感動があります」
「この感動や
行脚は大団円にて幕を閉じました。
13
Radix News Letter 58・
食品部会活動報告
お魚会議 番外編 in東京 開催報告
Report
2008 年11月28日 築地市場厚生会館会議室。今回で3回目と
なる『お魚会議 番外編 in東京』が開かれました。年末商戦を
目前に控えたこの時期、多忙なスケジュールを縫って25 社 27
名の水産加工メーカーのみなさまが集まってくださいました。
黒板に年末スケジュールを書き出します。授業
みたい
レポート/お魚会議 番外編 開催報告
番外編は MD 部食品課からの「年
ます !」... お魚会議は切磋琢磨しあ
眞城さんから受け継いだ竹並さんが
末クレーム対策・年末スケジュー
う場でもあるのですね。
元旦にアップ、2 月は渡辺商会さん
ルの再確認」
、品質保証部品質管理
Radix の会事務局からは「お魚会
とバトンがつながれています。
課からの「クレーム事例と対策」、
議の今後と方向性」について。北海
後半のフリートークでは「資材も
Radix の会からの「お魚会議の今後
道、九州、四国、山陰、東北と全国
高騰。燃料も高騰。かと思えば原油
と方向性」という3 本立て。
行脚をしてきたお魚会議ですが、次
の値下がり。かつおぶしは商品化ま
年末は、おせちの取り扱いプラス
回は関東、房総での開催を目指しま
で月日がかかる、 今年は安い と報
特別配送スケジュールです。カタログ
す。「これまで常識と思っていたこ
道されてもすぐに反映できない」
「魚
スケジュールや首都圏センターでの荷
とは未常識なのだと認識し、消費者
がないと言われますが日本人の漁師
受体制の説明がなされ、特別配送へ
に知ってもらうよう伝えていかない
さんはいますか ? 若いですか ? 地元
の対応を共有しました。
「クレーム事
と」「魚の捌き方も伝えたい」など
の平均年齢は68 歳。5 年先には魚よ
例と対策」では、今期のクレーム数
消費者へ伝える重要性もあげられ、
り漁師がいなくなります」
「漁船がや
や内容(らでぃっしゅの会員さんから
千葉でのお魚会議が実現する際には
っていけるくらいの高値安定になって
問合せがあったものをカウントしてい
生かしていきたいところです。
くれれば」農業同様に厳しい現状が
る)が各社別に一覧表示。
「クレーム
また WEB を利用しての情報交換
窺えました。一方で「コンビニ向け
数の大小で優劣を決めようというもの
の場。これまでも「水産原料ネット
を多く担当していたので、今回参加
ではありません。一社だけでは見るこ
ワーク」
「お魚掲示板」など、お魚
して 消費者と直接対話ができるの
とができないクレームの種類や件数
会議から発案され試験運用されてき
かな という期待をひしひしと感じて
を知り、他社の対応から更なる衛生
た実績があります。Radix の会会員
いる」
「作り手が非常に団結している
管理への対策が学べるチャンスでも
が自己紹介していく「生産者ブログ」
雰囲気にびっくり。らでぃっしゅぼー
あると思うのです」とは品質管理課
もお魚会議から発案されており、今
やさんが生産者と一体になって提案
の露木課長。2008 年は中国ギョー
回着手するに至りました。リレート
していくところにもびっくり。自分も
ザ問題などの影響か、ちょっとの臭
ーク形式で、スタートは現在 Radix
溶け込みたい」など、初参加の方か
いでもクレームとなったそうです。
の会役員理事を務める眞城さん(ア
らの嬉しい声もいただきました。こ
「とても勉強になりました」「数字
ジアマリン)から。当日はアップ予
れら水産業を取り巻く情勢も含めて
など持ち帰り数字など改善していき
定の画面を見ていただくにとどまり
Radixの会として消費者に伝えてゆけ
ます」
「来年はクレーム 1 位を脱し
ましたが、12 月 2 日にアップされ、
たらと思っています。
左)
「 冷蔵庫一週間入れた牡蠣
は見た目は平気そうだが大丈夫
か ? 一般のお客様から それっ
て…? と首を傾げたくなる質問
やクレームも来るんです…」と
は岩手の丸友しまかさん
中)チームお魚(?)に新たに加
わった食品課スタッフ鎌田氏も
自己紹介
右)会議後の交流会は屋形船で
の東京湾ナイトクルーズ。もん
じゃ焼きを体験。英気を養い、
年末年始に向けてスタートをき
りました
14・Radix News Letter 58
Radixの会オフィシャルホームページ
RadixWebを使おう!!
Report
2007年11月にスタートして早1年が経過した、
Radixの会のホームページ『Radix
Web』
。日々進化を遂げています。まだ見たことない方、新しい機能を使ったこ
とない方、いますぐホームページにGO!
http://www.radix-jp.org
このボタンを押せばトップに戻ります
農産 25、畜産 8、水産 17、加工食品 36、エコグッ
ズ 7、酒類 5。合計 98 団体の Radix 会員さんへ
の直接リンクを掲載しています。まだ載ってい
ない方は事務局にお問い合わせを !
Radixの会って何でしょか ?運営し
ている役員さんの構成や、これま
での活動の系譜、分野ごとの説明
などがわかります
まだ入会していない方はこちら
の説明をお読みください
ご意見ご質問など何でも。こちらにある
メールアドレスまで ! 事務局の地図もある
ので、ご訪問されるときはここを見て !
農産畜産ブログ
農産部会、畜産部会
の情報はここです。
勉強会やセミナーの
お知らせや、参加報
告。周辺情報をリア
ルタイムでお知らせ
しています。
水産食品ブログ
レポート/Ra dix We bを使おう
水産食品の情報はこ
こを押す。と、水産
食品関連の衛生講習
会や食品勉強会、内
外情報などのリアル
タイム情報が見られ
ます。
交流部会ブログ
Radix の 会
本 部 情 報。
役員会、総
会の開催な
ど、大切な
お知らせは
ここです。
ニュースレター全部
見ちゃお !
ご存知ですか? Radix の会が本格的
に活動を開始してからず∼っと発行し
てきたラディックスニュースレターの
バックナンバーが、こ
こで全部見れちゃいま
す。しかも ! 見たい情
報のキーワードで検
索もできる ! 使える便
利なページですヨ !
もしかしていちばん
楽しい交流部会。若
者の取り組みを筆頭
に、東京家政大学と
のコラボレーション
企画、配送代理店さ
ん の 会・Radicle の
会との共同企画など
など、もりだくさん。
時々出る担当シマダ
の つぶやき にも
癒されます。
上の4つの
blogが新し
い順に並ん
でいます。
伝説 !?『らでぃ∼』も
見れます
2008 年 の 4 月、10 月 と 2 回 に
わたってらでぃっしゅぼーや会
員の皆様に配布し、感動を呼ん
だ『らでぃ∼』
が、ここから
ダウンロー
ドできるよ
うになって
います。
!!
生産者
Voice
いまや伝統 !
『図解 若者集会』
若者集会これまでの活動の総集
編。美しい若者たちの姿が、地
域 で の 交 流、Radicle の 皆 さ ん
との交流の中で
燃 え て ま す。 こ
れもダウンロー
ドできます。
昨年から
スタート
した新企画。およそ
月 1 イ チ で、Radix
に関わってくださっ
ている生産者、メー
カーさんたちが自己
紹介。トモダチのト
モダチは……と続く
チェーン blog。
15
Radix News Letter 58・
世界のオーガニックは今 ! その3
中東ドバイに行ってきました!!
オマーン
カタール
ドバイ
Report
アラブ首長国連邦
オマーン
アブダビ
2008 年11 月16 日∼18 日の3日間、アラブ首長国連邦(UAE)の構成国の
ひとつ、ドバイ首長国の首都ドバイ・世界貿易センターで開催された「中東ナ
チュラル &オーガニック製品エキスポ(MENOPE)&オーガニック会議 2008」
にIFOAMの理事として参加してきました。ドバイでもサウジアラビアでもオー
ガニック食品市場は伸びていました!
www/globallinksdubai.com
サウジアラビア
イラン
IRAN
イラク
IRAQ
KUWAIT
エジプト
EGYPT
スーダン
SUDAN
サウジアラビア
SAUDI
ARABIA
BAHRAIN
QATAR
アラブ首長国 OMAN
連邦
UNITED ARAB
EMIRATES
YEMEN
レポート/中東ドバイに行ってきました
!!
IFOAM の理事やスタッフは、世
大のドバイ・オーガニックエキスポ
品への関心も高まりつつあるそう
界各地で開催される有機農業に関す
を 3 年前からサポートしています。
で、
「Organic Foods & Cafe」では、
る国際会議やオーガニック食品の展
僕は、今回 IFOAM を代表して、初
ヨーロッパやオーストラリアなどの
示会で、IFOAM がサポートしてい
日にオープニングのスピーチをさせ
契約農場から有機野菜やオーガニッ
るものに参加して講演を行ったり、
てもらいました。英語でのこういう
クな精肉を直輸入して販売、人気を
ワークショップで発表したり、展示
場面での挨拶は初めてだったので、
博しているそうです。現状、消費者
会ブースで IFOAM や有機認証制度
かなり緊張しましたが、しっかり原
の多くは欧米人ですが、地元の人々
の説明などをしています。
稿を作って臨んだのでなんとか無事
の利用も着実に増えているとのこ
アラブ首長国連邦(UAE)の保健
にこなせました。開会式には、UAE
と。他のスーパーにも有機野菜コー
省、環境水資源省後援のもと、ドバ
の保健省大臣が参加しました。UAE
ナーがあり、地元アラブ人の消費者
イ世界貿易センターで開催されたオ
では政府関係者の影響力は大きく、
が増えているそうです。最近では、
ーガニック EXPO には、中東をはじ
前回に続いて参加した保健大臣は、
ドバイ近郊でも砂漠を農地に変える
めヨーロッパやアフリカ、インドや
予想に反してかなり多くのブースを
試みが進行中だそうですが、増え続
東アジア、カナダなど 35 カ国から
視察して回り、関係者は政府の関心
ける人口をまかなうのはやはりまだ
175 を超える企業が参加しました。
の高さを感じて喜んでいました。
無理のようで、現状はオーガニック
主催者によると、ここ数年の間、
入口近くには、ヨーロッパでも有
食品も輸入が中心のようです。
UAE、サウジアラビア、オマーンな
名な大手乳製品メーカーのブースが
サウジアラビアのブースには、地
どの国では、
政府と有機農業団体が、
出店。大きな冷蔵ショーケースが印
元で栽培された有機野菜や果物、ド
有機農業とオーガニック市場の振興
象的でした。フランスに本部のある
ライフルーツなどが展示されていま
のために様々な取り組みを行ってき
世界的な有機認証団体、エコサート
した。そこには日本の JICA にあた
たそうです。中東におけるナチュラ
も目立つ場所に出店していました。
るドイツの開発援助機関 gtz が共同
ル・オーガニック商品への関心の高
日本や韓国からの出店もありまし
で出店していました。サウジアラビ
まりと市場の急速な拡大は、UAEを
たが、ナチュラル市場を狙ったサプ
アの有機農業推進を支援している
含む地域から 25 を超える企業が参
リメント系の商品を展示していまし
gtz と農業省による有機農業プロジ
加したことからもわかるといいま
た。会場の中央に芝生を敷いて公園
ェクトのマネージャー、ロバート・
す。UAE、サウジアラビア、オマー
の一角ような演出がされたフィリピ
グラス氏によると、サウジアラビア
ンにおけるナチュラル・オーガニッ
ンのブースは、オーガニック商品と
ではドバイよりも野菜など生鮮食品
ク商品の生産量や売り上げは増加し
サプリメント商品が両方展示されて
を食べる人が多く、イスラム教国で
ており、これらの国中で、薬局や健
いました。
文化的に(レストランでは男性だけ
康関連企業を含む 3,000 もの小売店
ヨーロッパのオーガニックスーパ
?)日常生活に楽しみが少ないから、
がナチュラルでオルタナティブな商
ーのような、きれいでオシャレな展
安全でおいしい食生活はこの国の人
品を販売しているそうです。
示が特徴的だったのが、2006 年に
たちにとっては重要で、消費者のオ
ドバイで初めてできたオーガニック
ーガニックに関する興味は高まって
IFOAM は、オーガニック市場が
食品店「Organic Foods & Cafe」の
いるそうです。そして、サウジアラ
順調に発展しているこの中東地域最
ブース。最近では、オーガニック食
ビアでは何百ヘクタールという大規
16・Radix News Letter 58
1
3
1)各出店者のブースを視察する保健省
大臣
2)サウジアラビア産の有 機 野菜たち、
大規模農場も増えているとか
3)サウジアラビアのブースには、地元で
栽培された有機野菜や果物、ドライ
フルーツなどが展示された
4)独自で個性的なデザインのビルが立
2
4
ち並ぶドバイ中心部
ブースの数や規模、会場に来た参加
によると、ここ数年間の中東地域の
ると言います。
者の数などは、印象的なものですが、
好景気の影響で、出店料やホテル代
そして、現在、有機農業への関心
日本の BioFach Japan の規模に近い
などがどんどん上昇して経費がかさ
を高めているサウジやドバイなどガ
ように感じました。ただ、この展示
むから、海外からの出展者にとって
ルフ(湾岸)地域の国では、有機認
会は、BioFach のように「出店され
は費用対効果を考えると、それなり
証団体と協力して、それぞれのオー
る商品は認証されたオーガニック商
の成果が得られないと出続けるのは
ガニック基準や有機認証制度を作る
品とそうでないものは厳格に区別さ
難しいかもしれないということでし
準備が進んでいると言います。でも
れなければならない」というような
た。その意味では、昨年のアメリカ
ロバート氏は、この地域でいくつも
縛りがないため、いわゆる「ナチュ
の金融バブルが崩壊したことによる
の国によるオーガニック基準ができ
ラル」な商品とオーガニック商品の
加熱した景気の沈静化には、物価や
るよりは、国を超えた地域で共通の
区別が、普通の人にはつき難いので
賃料が適正な価格に戻るいい側面も
スタンダードができることが望まし
はないかと感じました。
あるのかもしれないと思いました。
いと言っていました。その話を聞い
また数人の出展者に聞いたところ
レポート/中東ドバイに行ってきました
模のオーガニック農家も出てきてい
て、この 5 年間に東アフリカで地域
共通のオーガニック基準と有機認証
制度のインフラ整備のお手伝いをし
てきた IFOAM として、何か手伝え
ることがあるのではないかと伝える
と、確かに彼らは自国のオーガニッ
クを発展させるために、外部の専門
家や権威が必要だと感じているから
何か一緒にできるかもしれないと答
えてくれました。
展示会場には、有機野菜、果物、
ドライフルーツ、オーガニックな飲
食物や乳製品、チョコレート、ハー
ブ、香辛料、穀物、サプリメント、
ヘルスケア製品、オーガニックコス
メ、自然化粧品、自然療法、伝統薬、
リラクゼーション(ヨガ体験教室)、
ペット用品など様々な製品が展示さ
れていました。さすがに中東地域か
らの出店が多いだけに、野菜や果物
などの生鮮食品の展示は少なかった
ように感じました。また、出店した
ドバイに関するミニ情報
ドバイは、中東地域のほぼ中央部、
ペルシア湾に面した平坦な砂漠の地
にあります。11 月は冬季に当たる
そうですが、昼間は 30 C 近くまで
気温が上がり、気候条件によっては
砂嵐が発生することもあります。中
東といえば、石油、オイルマネー
という言葉がすぐ浮かびますが、ド
バイは元々石油の埋蔵量が少なく、
1980 年 代 の 半 ば 頃 か ら 金 融 と 流
通、および観光の拠点を目指して欧
米からの投資やの企業を積極的に誘
致して、産業の多角化を進めてきま
した。
その結果、24 時間稼働の国際ハ
ブ空港、ドバイ国際空港を持ち、中
東の金融センターとしての位置を占
めることに成功。市内には超高層ビ
ル、高級ホテル、マンション、別荘
などが立ち並び、中東地域の人と物
の流れの中継貿易都市として繁栄し
ています。観光面でも、ヨットの帆
のようなデザインの建築で有名なホ
テルや、ヤシの実を象った人工島な
どの(バブリーな ?)マリンリゾー
トなどで知られています。
!!
ドバイの最新の建築物群は、世界
一の高さを誇る「ブルジュ・ドバイ」
をはじめ、豪華で奇抜なことで知ら
れています。特にこの 10 年間は、
原油高も追い風になり中東をはじめ
世界中からの投資により、ビルやマ
ンションの建築ラッシュで、一時期
は世界の1/3の建築用クレーンがド
バイに集結していると言われるほど
でした。しかし、昨年のアメリカの
金融バブルが崩壊したことによる世
界的な不況は、ドバイの建築、金融、
経済にもかなり大きな影響を与えて
いるようです。
17
Radix News Letter 58・
食品部会 新年情報交換会
食品リーダー、一堂に会す!
Report
2009 年1月16日(金)、川越東武ホテル3F 瑞光の間において、Radixの会食
品部会の主催による初めての「新年情報交換会」が開催されました。趣旨は、
食品部会の経営者の皆様とらでぃっしゅぼーやの経営陣との直接の交流を通
じて、経営の方向性とビジョンを共有していただくこと。またご参加者間で
の情報交換を通じて横のつながりを作っていただくことなどです。
最初にらでぃっしゅぼーやの緒方
て道を切り拓いてきた経験から、こ
社長と古原常務から、昨年末のジャ
れまでの地域との軋轢などでご苦労
スダック上場を受けて 10 年後のビ
されてきた経緯などが次々と披露さ
ジョンと今期・来期の会社の状況に
れる場面もありました。でも、うれ
ついての報告がありました。緒方社
しいことに最近は時代が皆さんの意
長からは、有機農業を日本の基幹産
識に追いついてきて、地域でも評価
業として育てるために、また子供た
が高まってきていることが報告され
ちが育つために非常に重要な食、正
てとても盛り上がりました。野菜く
しくない方向に進んできた日本の食
らぶの澤浦さんからは、第 47 回農
を正していくためにも、企業として
林水産祭で「天皇杯」を受賞する栄
(体力をつけて)メジャーになって
誉に輝いたことが報告されました。
いく必要があると考えて上場を目指
レポート/食品部会 新年情報交換会
してきたことや、今後も Radix の会
この後に賀詞交換会(懇親会)が
員の皆様に、
(企業理念である)持
開催され、それぞれの専門分野で蓄
続可能な社会の実現を目指すパート
積してきた経験を共有されていまし
ナーとして力を貸していただきたい
た。ご参加いただいた約 40 名の皆
というメッセージなどが伝えられま
様からは、後継者の問題など同じ悩
した。
みを抱えながらも頑張っている仲間
の話を聞いたり、苦労を分かち合う
Radix の会会長 4 年目を迎える八
ことができて「元気をもらった。
」
木澤商店の河野和義さんからは、ら
「勇気づけられた。
」とうれしい感想
でぃっしゅぼーやのファンになった
をいただきました。翌日には、創業
会員様が新しいお客様を増やしてく
250 年の歴史と伝統を誇る地元「松
れるような団体にしていくためにも
本醤油商店」さんの工場見学や小江
「Radix の会の仲間はらでぃっしゅ
戸として人気の高い川越市内見学も
ぼーやとの売り買いだけの 取引き
行なわれました。
ではなく、勉強会などを通じて本物
の食べ物作りを目指す 取組み の
輪を広げていこう !」と熱く力強く
呼びかけられました。
熱い想いが伝わったのか、この後
の参加者全員による自己紹介では、
それぞれの業界を代表するメーカー
の皆さんが、食の安全と環境保全に
対する新しい取り組みの先駆者とし
18・Radix News Letter 58
日本各地から、製菓、惣菜、農産・畜産・水産加工品メー
カー、調味料・酒造メーカー、有機農業団体などの各
業界を代表するプロフェッショナルな食の作り手、経
営者が一堂に会して、熱い想いを語り合いました。
写真上から
当日は加工メーカーの代表者を中心に参集した/冒頭
のごあいさつを当会副会長、おとうふ工房いしかわの
石川伸さん/展望を語るらでぃっしゅぼーや緒方大助
社長/事業側面での裏づけ、そして方向性を古原岳志
常務取締役/らでぃっしゅぼーやを中心とした取り組
みの意義を語る当会会長、八木澤商店の河野和義さん
こだわりの歴史が
語られた
…新年情報交換会
動 物を相手にすると、餌のやり方に
よってずいぶんかわってくる。牛
に化学肥料たっぷりの草をやっていたん
ですが、昭和 40 年以降取り除いてみた
ら牛の調子がよくなった。今でも放牧
でやっているがすごいリスクをしょって
やっている。(木次乳業・佐藤貞之さん)
家は作るだけだった。作って農協に売る。
農 そこに非常に疑問をもっていた。自分は農
家から消費者に直接販売した。でも地元では程
度の悪い変わり者呼ばわり。10年間は後ろ指を
指されっぱなし。もう2∼3年したら奴はいな
くなるぜと言われていたが、今になってみると
あんた一番いいことをしたねと言われている。
(カジカワ農場食品・戸嶋秀昭さん)
(原料を)高く買って(製品を)安
先 代に「
く売るんだよ。」と何度も言われた。高く
ム・ソーセージを無添加でやるというの
ハ は当時の業界では変人・奇人。亜硝酸を
買わないといい原料は手にはいらない。昔の人
の言葉は本当によいなと思う。一生懸命にやる
とお客さんもわかってくれる。これまでスー
パーさんの世界とお店のお客さんとは違う世
界。みんなで啓蒙していくと世の中変わるし良
い世の中になるし、現在燃えている段階です。
(手造り屋・岩崎勉さん)
使わないハムはハムでない、あんなものはダ
メだと言われた。確かに全然売れない時代が
続いた。ずっと赤字だった。自然食品、安全
な食品に風が剥いてきてやっと目を向いてく
れる人が増えてきたというのは最近のこと。
(中津ミート・松下憲司さん)
亜 硫酸を抜くのは亜流というか、
業界ではばかにされた。絶対に
品質はよくないと言われた。しかし、
メルシャン、サントリーなども国産ワ
インの棚で無添加ワインがずっと並ん
でいる状態になっている。
(林農園・菊池敬さん)
家 業を継ぐために通っていたお菓子学校で、
先生にドラヤキにどうしてこんなに添加
はと思うぐらいの個数。
(新規参入の若者に対し
て)行政から有機農業を目指すような人には今
は支援をすることはできないと言われた。がっ
くりというか怒りを覚えましたが、怒りをエネル
ギーにかえて、できるだけ笑顔で行政等々と話
をしなければならないと思っています。
(NOF 麓郷生産組合・菅野義則さん)
レポート/食品部会 新年情報交換会
物を入れるのかを聞いたら「こっちのがおいし
いから」との返答。「お前のところはどうなん
だ ?」と聞かれて、無添加で作っていると言っ
たら「それで本当にできるのか ?」というので、
そこで父親はすごいと思うようになった。研究
熱心な親なんだなと気付いて、やっと最近に
なってよく話をするようになった。
(菓房はら山・西田英俊さん)
家戸数が毎年減少している。今後10年後
農 を見るとほとんど集落を形成できないので
新年情報交換会番外 ∼かわごえ∼
翌日は、松本醤油商店の松本社長
のコーディネートで松本醤油さんの
蔵の見学、小江戸川越の散策となり
ました。
川越は、徳川家城下町の面影を今
に残していることから「小江戸」と
呼ばれているそうです。都心に近く
休日は観光客で賑わいます。商店街
の街並みも瓦屋根やなまこ壁の建物、
電線は通さない、など景観にも気を
配っています。そんな商店街を一本
入った住宅街に松本醤油さんの蔵は
ありました。
敷 地内では古い蔵をギャラリーや
cafeとして再生したり、若手ガラス職
人のためにガラス工房を作ったり、さ
らには2000 年に幕を閉じた地元川越
の鏡山酒造さんの復活のために、自宅
を壊して酒蔵を建てる(!?)など、その
活動は多種多様です。
「次の NHKの朝
ドラの舞台が川越なんですが、これ以
上の観光客を受け入れるキャパシティ
がないことが心配です。1度来て失望
されたら2 度と訪ねてもらえなくなって
しまう…」と松本社長は心配していま
す。松本醤油さんの蔵酵母が芳醇なは
つかり醤油を育てるように、松本社長
の地元を想う気持ちが川越をより魅力
的に醸しているのだなぁと感じずにい
られませんでした。
左)松本社長のガイドで蔵をまわる。本日のお客さんは社長さん社長さん社長さん…… 中)創業 250 年、文政 13 年に建造された蔵は川越市の都市景
観重要建築物。ここで醤油は 2 年間醸される 右)復刻の銘酒鏡山。仕込み中を試飲させていただきました。甘い∼
19
Radix News Letter 58・
第40回Radixの会役員会開催報告
Radixの会 常務理事 事務局長 後藤和明
Radix
2009 年1月15日、新年早々、13期最後の活動報告と来期の抱負を協議。翌
日は食品部会によるトップセミナーが川越で開催、充実した2日間でした。
役員会会議は原則年に4回開催です。前半は各部会に分かれて理事とらでぃっ
しゅぼーや MD 部が中心に協議を重ね、後半は全体で報告承認される流れに
なっています。夕方2時間は、らでぃっしゅぼーや経営陣やスタッフを交えた
懇親会、活きた情報交換や議論が飛び交うのが常です。
今回の役員会は、最初は、農産部
会、畜産部会、食品部会、エコデザ
●畜産部会
飼料米給与試験進捗報告、畜産合
イン部会に分かれて討議した後、全
同会議開催(2 月 13 日予定)
、畜産
体会が行なわれました。
交流会(2009 年 6 月 5、6 日に、会
までの入会の場合は、半額
とし、1 月から 2 月に入会の
場合は、無料とする。
→全員一致で承認。
田共同養鶏さん幹事団体で開催予
●交流部会
定)など
4 年ぶりの北海道元気市報告と出
前研修中部の報告。今後は配送同乗
16 名参加予定、東北若者集会冬編
の開催が予定されています。
●農産部会
小祝塾中級編と仕入れ説明会 4 ブ
2. 水産理事の追加
食品部会からの提案。女性理事の
要望もあったことから、渡辺水産渡
辺美和子氏を推薦するとのこと)
ロック開催報告又は予定について、
→全員一致で承認。
新規就農者希望者に対する助成金制
ラディックス/第 回Ra dix の会役員会開催報告
40
●エコ部会
度の情報収集について、各ブロック
3. 各部会の勉強会、研修、集会情
間伐伐採と竹林管理など森林活動
で生産者代表者会議の開催提案など
報を他部会へも共有する。Radixの
会員に限り、横断的に送る。
をテーマに今後情報収集を行なって
いきます。
【議 案】
●食品部会
1. Radixの会規約変更
→全員一致で承認。
(3月1日から行なう)
衛生講習会 in 大阪の報告、アトピ
入会時の変動会費の徴収開始時期の
上記の報告と議案の承認がなされ
ー全国会議の報告、衛生講習会来期
変更(入会翌年度から開始を、入会
ました。4月10日の役員会では年間活
活動方針など……
月の翌々月から開始に変更)に伴い、
動計画と予算承認がおこなわれます。
規約を変更する。
(徴収開始時期の
1. 基本的な衛生管理についての講
習会は継続して実施する。
2. 講習会の内容については 3 月をめ
変更自体は、第 34 回役員会で承認
済み)→入会月による、初年度の固
定会費額を変更。
どに詳細をまとめていく。
3. 開 催 地 域 は 東 北・ 関 東・ 関 西・
九州の四地域とする。
現行
第 25条(会費)
4. 現場のスキルアップのための品
(3)新規入会会員の初年度の固
質管理担当者向けの研修セミナ
定会費は、入会年月日より
ーを別途開催する。
起算し事業年度末まで
活発な役員会のもよう
180 日に満たないとき、これ
題と水産資源」の報告、お魚会議 in
を半額とする。
改訂後
宮城、
およびお魚会議番外編の報告、
第 25条(会費)
食物アレルギー研修会の報告、栄養
(3)新規規入会会員の初年度の
……小松先生講演会「世界の食糧問
分析・細菌検査助成の報告など。
20・Radix News Letter 58
固 定 会 費 は、9 月 か ら 12 月
天皇杯受賞の澤浦彰治副会長に河野会長からお
祝い
ラディクルニュース
13
知識だけではない学び
∼出前研修 &BL研修リポート∼
Radicle の会では、この秋冬、研修を集中的に開催してきました。Radixの会との連
携で開催している 出前研修 。そして今期から始まった配送代理店のリーダー(業務
責任者)を対象とした ビジネスリーダー(BL)研修 。知識を学ぶことはもちろんで
すが、研修の現場に溢れる熱意や意欲を感じられたことも大きな収穫となりました。
出前研修 in 北海道
2年前に北海道支部を皮切りにスタートしたRadix 河野会長の出前研修。実は初回と
いうこともあって、ビデオ上映などが無い短縮バージョンでした。その後の各支部で
の内容を聞いた北海道支部からの アンコール に、河野会長が快く応えていただき、
今回の出前研修 再演 ? となりました。
12月1日
@ さっぽろテレビ塔(北海道札幌市中央区)
参加スタッフ合計29名
ラウンド・ワーク北海道 19 名/ Radicle 役
員 2 名/らでぃっしゅぼーや8名
香りの違い、甘味の深さに改めて驚き、らでぃっしゅぼ
ーや商品の味がやさしくておいしいのは生産者の人柄が
★ Sapporo
染み出ているからだと気付きました。
この感動や生産者の想いを会員様に伝えることが、私
たち配送スタッフの使命だと熱く感じられた講演でし
●町矢 大(北海道支部・ラウンド・ワーク)
た。河野会長ありがとうございました。
『ひとにやさしく』
すること
河野会長の講話を真剣
に聞き入る配送スタッ
フ
今回の出前研修で初めて Radix の
会河野会長の話を聞いて一番印象に
残った言葉は、
『ひとにやさしく』することです。私たち
配送スタッフは、毎日車を運転して会員様のお宅へ配達
しているので、今から行動に移せる大切なことだと思い
ました。やさしくすることには、お金もかからないし、
自分もうれしくなることなので忘れない様に自分に言い
聞かせていこうと思います。河野会長のお言葉ひとつひ
とつから情熱が伝わり、また経験から話される内容には
説得力があり、
聞き入るうちに心から感動を覚えました。
講演後、八木澤商店さんの生揚醤油、ドレッシング、ポ
ン酢ゆずの試食もさせて頂き、一般品と味比べをして、
市販品との味比べは
一口(?)瞭然
21
Radix News Letter 58・
出前研修 in 中部
中部支部の出前研修は、通常とは逆に配送スタッフが作り手の現場を訪問。配送代理店の
現場リーダーさんを中心に少数精鋭のメンバーで「おとうふ工房いしかわ」さんの工房での
研修となりました。
11月29日
自身の周りを見渡してもここまでの活力を持った人間は
@おとうふ工房いしかわ(愛知県高浜市)
参加スタッフ合計11名
エムズクレヴァ 5名 /シード中部4名
/ピーズグリーン1 名 /Radicle役員1名
残念ながらいません。大いに見習うべきところです。
社長も元気、社員も元気、だからこそ会社も元気なん
だなと勉強になることばかりで、本当にこの研修に参加
させてもらい感謝しています。そしてここで学んだこと
を自分から周りに発信できるように努めていきたいと思
★ Takahama
います。
●堀部 義郎(中部支部・エムズクレヴァ)
社長も元気! 社員も元気!
だから会社も元気!
「感動した !」この一言をまず言わせ
てください。日常生活していく中で
なかなか出ない一言だと思います。
その一言が出るほどの経験が出来た
ことを関係各位に感謝致します。ありがとうございまし
た。
まず最初におとうふが出来上がるまでの生産工程を見
学しました。石川社長直々にひとつひとつ丁寧に説明を
していただく中で、石川社長の話術に終始笑いが絶えず
楽しく見学することが出来ました。この雰囲気を会員さ
↑「おとうふ工房
いしかわ」さんの
成り立ちをビデオ
鑑賞
んとの会話の中でお伝え出来れば、より一層信頼関係が
深まるのではないかと思いました。
その後は実際におとうふをみんなで作りました。ただ
作った訳ではなく、にがりの種類を変えて食べ比べをし
たのですが、味はもちろん、出来上がりまでの難しさも
それぞれ違っていて、おいしいおとうふを一丁完成させ
る難しさを改めて実感しました。一人でも多くの会員さ
んにこの経験と知識を伝えていきたいです。
←おとうふ作り体験
で「すましこ」と「に
がり」の違いを実感
それから、
ビデオを観ながら「おとうふ工房いしかわ」
さんの現在に至るまでの軌跡、石川社長が今まで経験し
てきた苦労や、それを元に得た人生論や知識など、多く
のことを教えていただきました。
「感動しました」この
一言に尽きます。石川社長を見ていて感じたのは、本当
に人生を楽しく前向きに力強く生きている人だなぁ、社
長のようにメリハリのある生き方、常に自分の可能性を
信じて上を向ける勇気は是非とも真似していきたいと心
から思いました。感動しました。
その後開かれた懇親会でも実感させられました。社員
の方もとても明るく元気で生き生きとしていました。僕
22・Radix News Letter 58
「おとうふ工房いしかわ」さんのお店「じげもん屋」さんで多いに盛り上がっ
た懇親会
ビジネスリーダー研修
配送代理店の将来を担う若手リーダーの育成を目的とした「ビジネスリーダー研修」
。コーチ
ングをテーマにした研修
(2回開催)のほか、
新人配送スタッフの育成を担う
「インストラクター
研修」も開催され、受講後の反響の良さからか回を重ねるごとに参加者が増えています。
■ 2008 年 8 月23 日 インストラクター研修 :受講者 14 名
■ 2008 年10 月18 日 コーチング研修Ⅰ
:受講者 19 名
■ 2009 年 1 月17 日 コーチング研修Ⅱ
:受講者 26 名
●奥村 雅一(大阪支部・アクティブ)
参加者の熱意と
意気込みに圧倒!
ことの難しさを感じました。
8 月にインストラクター研修、10
織力の向上という目標に向かっての学びがあり、型にはめ
コーチング研修は人材育成、さらにはその先にある組
月と 1 月にコーチング研修をラディ
クルの運営委員を始め各代理店のリーダーと共に学びま
した。まず一番感じたことは 3 回とも、参加された方々
の熱意と意気込みがすごいと思いました。
イントラ研修は今後入社してくる新人配送スタッフの
為の接遇研修レッスンプランを、より良いものにすると
いうもので、新人の方に理解しやすく「伝える」という
コーチング研修ではグループごとにコーチング
の役割演技を実践
●おめでとうございます!!
☆ Just Married
2008年10月22日 首都圏ラウンド・ワーク
新甫仁さん 朋子さん
☆ New Born Baby
2008年 8月 8日 北海道ラウンド・ワーク
大波章広さん 千幸くん
10月 3日 中部シード
渡邉誠一さん 煌也くん
10月 7日 首都圏ラウンド・ワーク
織戸誠之さん 一稀くん
12月14日 中部ピーズグリーン
前原公治さん 弘翔くん
●お見舞い申し上げます(傷病見舞金支給)
2009年
1月
大阪シード 平井勲さん(業務上)
るのではなく自分で考えながら行動する人材を育成してい
くための研修で、自分自身も多くの学びがありました。
私としてはいずれの研修もとても理解しやすく、苦痛
でない楽しい研修で、自分をとても成長させることがで
きました。今後、少しでも学んだことを同僚に伝え、実
践し、自立型の人材を増やしていけるように取り組んで
いきたいと思います。
イントラ研修ではグループごとにレッスンプランの見直しに取り組み、役割演技で皆に発表
●活動報告
2008 年
2009年
1月15日 Radixの会役員会出席
(東京・機械振興会館)
1月17日 ビジネスリーダー研修 /コーチング
(東京・アワードイン阪急)
1月18日 第5回拡大運営委員会(同上)
北海道支部出前研修
1月23日 ★首都圏支部 第8回接遇研修
(札幌・さっぽろテレビ塔)
第3回役員会(東京・機械振興会館) 1月24日 ★大阪支部 第8回接遇研修
第1回共学塾(同上)
1月30日 Radixの会 東北集会冬の陣
(東京・東京芸術劇場)
年末事故撲滅キャンペーン
1月31日 Radixの会 東北集会冬の陣
(埼玉・JA 共済埼玉ビルディング)
第4回役員会
2月14日 神奈川支部 キックオフミーティング
(らでぃっしゅぼーや本社)
(神奈川・厚木アーバンホテル)
11月18日 ★神奈川支部 第9回接遇研修
11月29日 中部支部出前研修
(おとうふ工房いしかわ)
12月 1日
12月 4日
12月15∼
31日
12月26日
ご意見ご感想お待ちしております!
Radicle の会事務局
お問い合わせ/事務局(らでぃっしゅぼーや営業企画課)木船まで
TEL:03-5777-8642 FAX:03-5777-8723
E-mail:[email protected]
または会長(市川)
[email protected]
23
Radix News Letter 58・
Information 事務局からのお知らせです
復活 ! 女子大生カフェ らでぃっしゅ食材に挑戦
Radix の会 Web Site http://www.radix-jp.org
よつらく さん ISO22000取得 !
栄養士や管理栄養士を目指す東
「牛乳」甘くて飲みやすかった
地球まるごとごっくん牛乳で
ズファクトリー。エサの高騰や
京家政大学の学生が日曜限定で
「生クリーム」市販のものと
お な じ み、四 日 市 酪 農( 通 称
飲用乳価の低迷に加え、消費も
行なったコンセプトカフェ @
比べコクがあり、トマトクリ
よつらく )さんが国際規格・
頭打ちということで、酪農乳業
茶の間。
「社会に出て学校や病
ームソースでは、トマトの酸
ISO22000を取得しました。
をめぐる情勢は日々厳しさを増
院の給食を担うであろう彼女た
味をまろやかにしてとてもお
ISO22000は、単なる工場での
しています。
ちに、いい食材を体感しておい
いしかった
食品衛生だけでなく、原材料の
そんな中での取得はとても意義
てほしい。将来それらを選びと
「はちみつ」今まで食べてた
調達から安全まで、安全、安心
深いことです。ちょうど農産勉
る目と意思を備えられるよう
ものはただのシロップと思
を確保するため、表示や情報発
強会で PDCAサイクルを集中し
に」そんな思いを込めて、らで
わせられるほど香りが良かっ
信も含めて管理するという、総
て学んでいるように、今回の認
ぃっしゅ食材を提供してきまし
た。味の違いにとても驚いた
合的な食品安全対策として定め
証取得をきっかけに、牛乳を生
た。11/30、12/14、12/21、
「人参」一番違いを感じた瞬
られた国際規格です。
産する酪農家と工場スタッフの
1/18 の 4 回、らでぃっしゅ食
間は切ったとき。甘い香りが
材はどのようなものだったでし
漂い、みんなで感動の叫びを
日の公式発表では、牛乳・発酵
りに進む
ょうか。
あげてしまった。 さすがら
乳を含めた工場の全ラインを対
ことを願
でぃっしゅだぁー !! と
象とした取得としては全国初と
っていま
す。
「卵」色も味も違う。お菓子
よつらく
さんによる 3 月 2
を作るとその違いが一目瞭
また、
「お腹に赤ちゃんがいるお
のこと。各ニュースメディアを
にぎわせています。
然、泡立ちも抜群
母さんから 安心して食べられ
「チーズ」変な臭みがなく量
ました というメッセージをい
よつらく さんは酪農家が運
も使いやすい。ゴーダチーズ
ただいた時は本当にやってよか
営する小さな工場、ファーマー
は濃厚な味がたまらなく、つ
ったと思った」と嬉しい体験も
まみ食いが多発
したようです。
「ベーコン」やわらかくて豚
「茶の間」は2009 年 3月をも
肉と変わらない食感。塩・胡
って残念ながら閉店とのことです
椒のシンプルな味付けでもと
が、この取り組みは何らかの形で
てもおいしかった
継続していきたいと思います。
皆さんが、より良い酪農製品作
Radix Milestone
活 動 短 報
2009 年1月
インフォメーション
15 第 40 回役員会(東京)
16・17 食品部会 新年情報交換会 in 川越(埼玉)
30 交流部会 東北若者集会冬の陣(東京)
農産部会 いと愛づらし選定会議 in 飯能(埼玉)
31 農産部会 小祝塾中級編 & 仕入れ説明会 / 東北・関東
(埼玉)
31 交流部会 東北若者集会冬の陣・ブリーフィング(大宮)
2009 年2 月
5・6
8
13
14
12 月 21 日のメニューの
ひとつ、きびのレンコン
はさみ揚げ
農産部会 小祝塾中級編 /九州(熊本)
交流部会 だいずきっず倶楽部 第 4 回お豆腐作り(愛知)
畜産部会 2009 畜産合同会議(東京)
畜産部会 部会役員会(東京)
交流部会 神奈川キックオフミーティング(出前研修)
(神奈川)
17 交流部会 白藤 PJ・酒仕込み(新潟)
17∼19 農産部会 小祝塾(沖縄・宮古島・石垣島)
25 エコ部会 来期活動策定ミーティング(東京)
27 交流部会 OSAKE cafe@ 茶の間2(東京)
編集後記
12年目のベテラン小祝先生と1年目の新米研修生狩野君が
農家に問うたメッセージ、
それは「PDCA サイクルの実践」
。
土壌分析により check 評価、施肥設計 action 改善、作業
/ 収量計画 plan 計画、肥培管理 do 実践。あたりまえの事
Radix
News Letter 58
ラディックス・ニュースレター
号
2009 年 3月20日発行
らでぃっしゅぼーや環境保全型生産者団体
にベテランも新人も気がついた。10 年の蓄積(= 宝物)が
ある人と、天災の言い訳が上達した人の差が収入にも大き
く響いているようだ。そんな当たり前のことより、有機の
文化を伝える開き直り方、それもお見事です。
「ミネラル
先行窒素後追い」小祝先生の格言「気持ち先行経済後追い」
事務局の格言にはしたくないものだ。
24・Radix News Letter 58
(後藤和明)
〒175-0081 東京都板橋区新河岸1-15-9
らでぃっしゅぼーや内
TEL 03-5399-4631
FAX 03-5399-4634
E-MAIL
offi[email protected]
Web Site http://www.radix-jp.org
お問い合わせは事務局まで
次号は59号(8月発行予定)
この会報は大豆油インキを使用しています。
Fly UP