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Page 1 2005年10月の大気大循環と世界の天候 大気大循環 北半球
気候情報 2005年10月の大気大循環と世界の天候 大気大循環 北半球500hPa高度では,中緯度帯で全般に東半球 側を中心として正偏差に覆われた.3つの正偏差域(北 太平洋中部,カナダ東部,北欧・ロシア西部)は9月 から継続している.一方,東シベリア,アラスカ湾か ら北米西岸,大西洋東部には負偏差が分布した. 熱帯の対流活動では,インド洋東部で平年より活発 だった.一方,フィリピンの東海上では平年よりも不 活発だった.カリブ海では熱帯擾乱が平年より多く発 生しており,対流活動は平年より活発だった.アジア モンスーンの活動度は平年並となったが,西偏傾向に 転じた. ③モンゴル東部の高温 ④中央シベリア南部の多雨 ⑤華南の高温 ⑥西シベリアから中央アジア東部の少雨 ⑦カスピ海周辺の多雨 ⑧ヨーロッパ北部から東部の少雨 ⑨ヨーロッパ北西部の高温 ⑩カナダ東部の高温・少雨 ⑪米国東部から中米の多雨 北大西洋からカリブ海では引き続きハリケーンが 多発し,上旬のハリケーン「スタン」により,グア テマラで死者2000人以上が報じられた.中旬には観 850hPa流線関数および風ベクトルでは,インド洋 では南北両半球に低気圧性循環偏差が見られ,赤道付 近は全域で西風偏差となった.太平洋では南北両半球 測史上最低気圧となる882hPaまで発達したハリ に弱い高気圧性循環偏差が見られ,赤道付近は西部と 中部で東風偏差となった.太平洋東部には赤道上に高 チなどで死者26人以上の被害をもたらしたと報じ 気圧性循環偏差がみられた. SOI(南方振動指数)は+1.2となった. また,ノースカロライナ州からメーン州では,8日 から降り続いた大雨で洪水が発生し,少なくとも10 人が死亡,6人が行方不明となっていると報じられ 世界の天候 ①日本の高温 ②中国北部の少雨 た. ケーン「ウィルマ」が,メキシコなどに被害を与え, 下旬にはハリケーン「アルファ」がドミニカやハイ られた. ⑫五大湖の南から米国南部の少雨 (気象庁地球環境・海洋部気候情報課 久保池大輔) (m) anoma皿e8 ・・ザ♂〆∼γぴ← レ巾甲 ・ 甲 ・ ・㌧声3噺 → 一9→、〉 ’ ア P ・ ドヴ ピピぐ しらも し じ ド セアアルのオゆ つつ う ロ 働㌔・ 矛 魏 14窪:黒ll、1一潰覧つう二鳶” ジ凶/迄←一 焦こざ・ミこ娘1・、淵 ヌ の つ ド も 噸・と‘一 ぜつと デ ← r駅r民 セ ・し・・¥憶 〆 ・←焦∼〈一←←一 庶 … しh\ ピビゼ〆 奪叡←← ∼ \ぺ I h、 〆 〆 を一く」 焦 ・↓↓を 一‘ 〆 〆 〆 / 〆←焦 \ 一・‘↓ ・‘ψ〆 ど ジジ ぢぺも ヘプコる ・↓ 〆 げ ψ \\べ \一・ 1圃¢ こ1↓ψ rへ \ \ ぺ一’ いげ ト ベ ペ ヘヘロ r一 へべぺ 飛い一 喩 幽 瞬\ 1冶 、↓ を←← レむ トセ 導 1 ↑1姻i il購i1↓ 彰,’lll、 驚 陰↑ ・ ・ ・↓ ↓↓↓ の し り コ 鱗 盤 ↓い 饗N謁齢三IN \→』’ノノ s つ λ \ ∼…4声↑↑↑ 楕→㍉ 還 \、→ →・ ・’戸戸ア↑↑ 十 ’ ユう ろオ つのノメヂでれ ぺ1’→ 、 第マ→..」ヌ駕ll ∼ ↑’→ ∼ r P \、 、 ・ 、 オ ㌧ ㌧ ・・戸 71メノ P I ベ ヘ\曳 ・ 》 ゆ 』 と も ー λ ■ノ ノ ’ ・ ・ オ の ロ ら ら つ の オ ノ ノ ア \\\、 ン’ ■’¥ .¢ζマ.マ了1 ..:ll翼1γ \\ \、 r ・ ・ }’ 7 “ 十 ! \\\ 、 r \ 駅 K し ー ㌧ 一 ・つ・、摯 … 遭 ・・ ’・ →20 s 璽 ’→1 2005年10月の北半球月平均200hPa風速および風ベ 齢剛9己9一。“ ノ 2005年10月の北半球月平均500hPa高度および平年 偏差 等値線の間隔は60m,偏差パターン問隔は60m.平年 値は1979∼1993年のECMWF15年再解析データによ クトル 等値線問隔は20m/s.陰影部は40m/s以上.太実線で 囲まれた領域は平年の40m/s以上の領域を示す.平 年値は1979∼1993年のECMWF15年再解析データに よる. る. 26 “天気”52.12. 929 鵡 炉 槻 30,E . ,』1 ・・ ■レ i……:毎…………:i嚢 瘡 灘…………詐 鑛 三 ,叢 灘郵 ・・ 縫 0も o ■・.i: o 、縄 ■ 1稼◎航 …,購 ㍑…………… ‘一・護ili’ . 簸 艶峯i………翌 ・譲隙.: 藤 ● . . ・・i…一一:…1二::: o 測 “ ’: 類o 亀庵蓼0 霧…,織 3:::i:.o 繭. 90 o雛 騨 . ・ o ● ・一 ano皿d置e8 講…鵠 。♂ 顧 ’ 『 酬 酬 薗川響 φ﹃o ・竃”…9 f ’ ・謙:…:・Ol●。 EQ 鼎 150W 120W 18『 』 働 3 0 :…=.:◎ 藍i a 酬 瓢 纒裟、 ”1 蕊.1マ ■ 150E 120帆 9㎝ ……i………………lii………認 菱ii鐘 苫 雛 o ・. , レ (W/皿2⊃ ◎ ◎ 鯛 辱)㊤ o I ● 、 2005年10月の月平均外向き長波放射量平年偏差 等値線間隔は10W/m2で,値が小さいほど対流活動が活発であったと推測される.元データは CPC/NCEP/NOAA,平年値は1979∼2000年のデータから作成. ω縦.. 02 30呪 90,E 120咀 150。E 180・ 15㎜ 2 ■ 。9・一響転 、 』凸 』4 _7 璽 欄』』 ひ 隔 ノ ぬ “どφ,る 刀 》 矛 ←ぺ し 、 、、》 → ← 7 、,『、じり , 隻 , ア w も・…認ち・・魂..1 ・で?、5\ば! 、 、 の 脅 ■ 曳 、 一 ↓↓ 』 し 尋 』 〆 ,9 ↓ ぺ二、 \ ∼ 執←←ヒ \っ嵜・. ←ゼ r ’ 戸 λ → 4 → 《疑←←翫 .謝←←も『 ゼ濱←ゼ← 岬90一響。。 ←←←穐. 臥K へ 、 、 r l r㌧ 、卜 ←← ←も← ← ← ・P?〆㌻噂 敷藍へ・ ノ〆一執感 r ぜ 『’『 一 ’ 辱、”詫_ ー∼二4距 ..、 、 、 し . 力戸ノ・づ、、 ㍉、ヤ・魂. ..φ魂二》ノラ→ 、ぐ一、↑丹’ 瀞亀集駅← 敷 ← ギ 噺 ./ノヲλ ,∼ ↑ ・ ・ぺ、ゐ.敷 陛廊一 ¥ ㌔噂 、 、 , , 7 ↓雫刃甲ゼ げ ? ∼ 一 』 』 4 , 一 一ゼ ー ・ 〆ビ鮮㍗ γ丑ベレ ・昌費 ノげ げ ‘’♂ ♂ ’ゼ匁.、 へ 〆 匂 .〆←、 ..畿 ♂ピ 《議! ..、屍1. ■、 鰍 魂イ 『 4 つ を ←{げ 丞駅←“貯二1ぐ〆ゾ/ド ●o ←“、へ l 飛 く”,’一u’ ↓ y 鑛訟. 轟 、梓智、. ■。幅卜← 凝 b鑑↓・← 璽ぐ覧卜娠’ド噛 ツ罷賜’甲 ■ 讐…あ欝 風ゆ, .¥、 か㌦ン 、 も ㌧ リ ず・. ’ の ゆ “ぺぺ ㌣唾“K ζ.齪 k登・・ 、も、ン 』 ノ. 噌 ・阜↑ ,’秀 監h → 5 ダ テ1一\ 即! ノ♂ K ’ 』 の ρ ・ \ 覧 、 ピ ↓ ・ 劇剛 8 ↓》↓ ・り ・の ,∂ ゼ ¶ 、“ ‘昌 ↓ ・ 、 ← 噸【 , の ’ ヂ ↑ .雛 〆κヂ レ ’ 一. ←そ一 ←← 一 F 』 オ ーう ↓、一甘 くこ》い 一 亀 し r ← ← ゼ 』 ‘uげ申艇噛 ぐ一ぐ4ピ ’ 、 rk ↓ , ’ 』 ・ ヂ→ sつ ㌧ ↓● , P メ , 》「⇒ ←K ‘つむ駒 →一〉→→ ノ〉ノラ→ 01→・ 矧 懸べ ゲ. 伊い♂一〆げ ・塾 ’← ソ ←↓ 隔 一 ‘ , →→→ 璽 もK r H↓ へ 馬 “ ← ∼ ぐ一 を’ ,● EQ オ ∼ 輪 →ノP K 甲 ・ ?H・ ↑︸ へ・ げ㌧ 一r ’ 甲邑一 ・ る を’ ギ 、 へ ← 6 κ〆 /≠γ ピ 入 レ 響 遇 ↓ ・ 『 →− ヂ ← ↑ ↑ ↓ →H , ,・ゼ 腔 7→ ・ 4 1 ・『? \ 曳ぺ 舟 “ ノヲ → の r ゆ ・ ↓ 、、 激副.ノ 辱 3 b ,ヲ リ ‘c恥e .へ婁 ψ ’ピど 噛》→ 『噛 ゼ ㈹ ↑ 〆ザー↓↓ 》 ゼピ ←一■﹄占ム凸 、顔 ・轡 』 ‘ も ・ 、 ノ ・ 、タ も メノヲア→ 刀ノ カ→ − P , .■,一 會4’ →4m/8 →2nj78 → → , 事、減⇒諭._... 9層 9, 2005年10月の月平均850hPa流線関数平年偏差及び風平年偏差ベクトル 流線関数の偏差の等値線問隔は2×106m2/s.平年値は1979∼1993年のECMWF15年再解析 データによる. 0 30U 9㎝ 30E 60E 90E 120E 150E 副誤嶺,畿…鷺、 60N 一・ βON一一 150W 180 120W 蜘 30触1 6側 90N 聾譜’ 一轡緊灘継 鴎 60閥 讐鎌……蓼欝IIl, 『。懇翼『 EQ… 30閥 EQ △、 30S … ・3〔β 議 × × 60S・ 60S 騨繍i灘轡属’ 90S 90S 0 3側 30E 60E 90E 120E 150E 180 15側, 12㎝ 90W 60W CPDIJ鍵 2005年10月の世界の異常天候分布図 △異常高温 ▼異常低温 □異常多雨 ×異常少雨 異常高温・低温は標準偏差の2倍以上,異常多雨・少雨は降水5分位値が6および0.図中の 番号は本文中の番号と対応している. 2005年12月 27