...

チェーンオペレーション

by user

on
Category: Documents
16

views

Report

Comments

Transcript

チェーンオペレーション
だんでぃフジカワプレゼンツ
∼流通機能とスーパーの現状∼
藤川 直樹
二時間目:チェーン・オペレーション
今回の主題はチェーンオペレーションです。チェーンオペレーション、つまりチェーン店とは、
多数の店舗を所有し、本部の指導により手広く営まれている小売業の形態のことをいいます。
1. チェーン店の定義
チェーン店の特徴としては、次の三つが挙げられます。
①本部主導による統一的な管理・運営
②販売は各店舗が、全体の機能は本部が担当
③標準化・マニュアル化による店舗の運営
これらの機能によって、大量仕入による仕入原価の低減や、全店一括広告による販売の効率化な
どのスケールメリットを得ることが出来ます。
2. チェーン店の形態
チェーン形態の種類は大きく分けるとレギ
ュラーチェーン、フランチャイズチェーン、ボ
ランタリーチェーンの三つに分けられます。
① レギュラーチェーン(チェーンストア:
コーポレートチェーン:連鎖店)
・ スーパー、専門店
・ 主に直営店
・ 本部の集中管理・経営
レギュラーチェーンとは、ひとつの企業が各地に多くの直営店を出し、それらの店の経営を本部
が集中的に管理・運営するチェーン形態を言います。レギュラーチェーンでは本部が集中して管理・
経営をするので大量仕入が可能になり、仕入原価が低減されます。さらに大量仕入を背景に、メー
カーや卸業者に対しての発言力が強く、仕入活動がしやすくなります。このような仕入活動におけ
る買い手の購買力をバイイングパワーといいます。他にも一括しての在庫品の保管や広告も行うの
で販売経費の節約ができ、有利な販売活動を行うことが出来ます。
② フランチャイズチェーン(契約チェーン)
・ コンビニ、飲食他サービス業
・ 主に加盟店
・ 本部の集中管理・経営
・ 加盟店はロイヤリティを支払う
フランチャイズチェーンとは、優れた
商品や営業方法を持つ企業、フランチャ
イザーが、加盟店、フランチャイジーを
募集し、その加盟店に一定の地域内での
販売権を与えて組織化し、加盟店を直営店と同じように本部が集中的に管理・運営を行うチェーン
形態をいいます。レギュラーチェーンと大きく違うのは、フランチャイズチェーンの場合、加盟店
は資本的には独立していることです。加盟店に対しては、販売権を与えるとともにスーパーバイザ
ー(監督者)による徹底した経営指導を行い、加盟店は本部の方針・指導に従わなければなりません。
そして加盟店はその代わりに、一定の契約料やロイヤリティを支払います。このロイヤリティにつ
いては最後に3で説明します。フランチャイズチェーンにおける本部企業の利点は、直接出資をす
るのは加盟店であって自分ではなく、そのため多額の資本を投下しなくても、短期間で市場を拡大
できる点です。つまり、人材さえいれば、月に何店舗も出店させることも可能です。逆に加盟店の
利点は、ロイヤルティーはかかるものの、全国的なネームバリューを持つ企業の商号や商標を使用
することができ、さらに経営の指導から商品の提供まで行ってくれる点です。このように、本部企
業、加盟店両方にメリットが大きいことからフランチャイズチェーンは急速に増えています。特に
コンビニエンス・ストアはFC率が9割を超えています。しかし急速な事業拡大が進むフランチャ
イズチェーンですが、一方で本部と加盟店の間でのトラブルも発生しています。例えば契約通りに
運営がなされていなかったり、満足な経営指導が行われなかったりと、一部では加盟店の脱退にま
で発展するケースもあります。フランチャイズシステムによる事業を成功させるためには、優れた
商品や営業方法を持つとともに、何よりも加盟店を十分に指導できる人材の育成が最も必要となっ
ています。
③ ボランタリーチェーン(任意連鎖店)
・ 食料品店、衣料品店、医薬品店
・ すべて加盟店
・ 共同仕入、共同広告
・ 自由度が高い半面、統一的な活動は難しい
フランチャイズチェーンは、経営の独立性は維持しているものの本部の統制が厳しく、店として
の独自性を発揮するのは難しいです。そこ
で経営の独立性は維持しながら店として
の独自性を発揮することもできるチェー
ン形態がボランタリーチェーンです。ボラ
ンタリーチェーンとは、多数の中小の小売
業者が経営の独立性を維持しながら、共同
で仕入や販売促進活動を行うことによっ
て、スケールメリットを追及することを目的とした組織を指します。利点は、全て本部の指示では
なく自由度があるので、店としての独自性を保てることです。短所は、逆に本部の統制が緩いがた
めに組織としての統一的な活動がしづらいことが挙げられます。なお、ボランタリーチェーンはそ
の主導者によって『小売商主宰ボランタリーチェーン(コーペラティブ・チェーン、水平的統合)』と
『卸売商主宰ボランタリーチェーン(垂直的統合)』の二種類に分類されます。
3.ロイヤリティについて
ロイヤリティとは、特許権、商標権、著作権等の使用料などの意味もありますが、ここでは経営
指導料を指します。支払方法には売上高や利益の何%という場合、供給する商品に含まれている場
合、業績に関らず一定額払う場合、店舗規模で決まる場合など色々な種類があります。
Fly UP