Comments
Description
Transcript
【妖精王】シルバーズ・ルーシー ID:90329
【妖精王】シルバーズ・ ルーシー リリノスケ ︻注意事項︼ このＰＤＦファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にＰＤＦ化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でＰＤＦファイル及び作品を引用の範囲を 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 ︻あらすじ︼ ﹂ 事故によって死んでしまった青年は、神様によって転生した 望んだ世界は﹁ＯＮＥ ＰＩＥＣＥ ﹂ !!! 胸に抱くは、エース、サボ、ルフィーとともに山を駆け抜けたいという思い。 青年が神様に望んだ願いは、﹁優遇してくれ しかも、転生特典は一つしかお願いできない。 !!! 優遇の意味が少し違うぞ ! 期待を胸にしまい、いざ目を覚ました時に映り込んだ風景はババァの顔だった。 おい‼神様 ! どうしたら女ヶ島で男が生まれてくることになんだよ ﹄から 今後の展開を考慮した結果タイトルを ﹃女ヶ島出身だけど、男ですがなにか ﹃︻妖精王︼シルバーズ・ルーシー﹄に変えました どうだろう．．．．．． ! ? と意見があったら戻します ! それ以外は特に変更はありません。 おかしいよ !? ! プロローグ │││││││││ │││ 冒険の香り │││││││││ 相棒 ││││││││││││ 冒険の夜明け ││││││││ 冒険 │││││││││││││ 母と父と祖母と僕と｜ペット︽武器︾と 75 70 109 96 目 次 プロローグ２ ││││││││ 生まれる前 こんな展開．．．．．．ある キャラ紹介 設定その１︵読んで 俺の出番が回ってきた 冥王は色々すごい ││││││ 幼少期 ︶ │││ 豪運の申し子 ││││││││ 色欲は大罪の１つ ││││││ ││ 1 23 15 8 ! 33 47 54 65 ? ! はずだった。 そして、この先もずっと、この島から男子が生まれることはない。 れてきたことは一度もない。 何百年と続く島の歴史から見ても、島で生まれ育ったアマゾネスの腹から男子が生ま 子は皆女子であり。 アマゾン・リリーは女ヶ島とも呼ばれ、その名の通りで不思議なことに生まれてくる 周りを凪の帯に囲まれた男子禁制の島。 カームベルト プロローグ プロローグ 1 なぜ、女ヶ島では女性しか生まれないのか、ある学者はこう語る どの強い遺伝子を持っているのか。 もし女ヶ島から男が生まれたら、それはどれほどの豪運の持ち主で、いったいどれほ 果たして、どっちの子が生まれるのだろうか。 じゃあ、女ヶ島の戦士がよりはるかに屈強な遺伝子を持つ男と交配した時には、 と、言った。 ネスを孕むのだ。よって女ヶ島の女性は女の子しか生まないのである。﹂ と交配して妊娠した時も、遺伝子的に劣勢なひ弱な男性を孕むより優勢で屈強なアマゾ れ、子を宿す。だが、女ヶ島の女性は皆屈強な戦士である。子を残そうと外界にいる男 生物学上動物のメスは、本能的に自分より優れている屈強な遺伝子を持つオスに惚 ている。そこで、なんで女ヶ島の女性から女子しか生まれてこないのか。 ﹁文化的背景から見て、女ヶ島の女性は皆屈強であり、より屈強な女性ほど美しいとされ 2 もし女ヶ島から男子が生まれたら、そいつは世界を揺るがす程の大事件であることに 違いない。 ﹂﹂﹂ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 攻めながら喋って爆笑するという、健全な男子高校生である。 学校で楽しいことといえば、友達と駄弁ることで、下ネタぎりぎりのきわどいとこを い、また適当に授業を受けて、友達と下校する。 朝起きてシャワーを浴びて飯を食わずに高校に登校し、適当に授業を受けて弁当を食 ! 行ってみてぇ ! 俺にとってこれはいつも通りの日常である。 ﹁﹁﹁おいおい、女だらけの島とかまじかよ プロローグ 3 その日は学生にとっては地獄である、休み明けの月曜日であった。 ﹄ ただでさえ気怠くて学校に行きたくないのに、大雨といういらないオプションまでつ ﹄ いていると来たもんだ。俺は布団の中で、 ﹃今日はあれであれだから学校を休もう 雨降ってんだから、遅刻するわよ と、マミーが と二度寝を決め込んだ。 が、そうは行かねぇ ﹃早く起きて学校に行きなさい ! ２支度し、この大雨の中学校へ向かおうとした。 × 俺は家を出ると同時に傘をさす。雨は横殴りであったため、３０秒もしないうちにズ 俺は、いやいやいやいや 叩き起こす。という言葉はまさしくこのことだろうか。 と、怒鳴り声と共に拳骨を落としてきた。 ! ! ! 4 ボンの裾がグショグショになった。鬱だ．．．．．．。 いつもの通りの電車に乗ろうとする。が、大雨のため人混みがすごい。 はやく乗らないと遅刻になってしまうが、この大雨じゃしかたないだろう。そう、仕 方がない ﹄ ! が、そうは問屋が卸さねぇと言わんばかしにマミーからメールが来る。 そして俺はジャンプをカバンの中にしまってミスドへ向かおうとした。 ﹃う∼ん、やっぱワンピースは最高だな 原作は今、頂上戦争後のルフィーの過去編だ。 ３分ほどでワンピースを読み終える。 ミスドに行く前にワンピースだけ読もう。 ﹃今週のワンピースがひじょ∼に気になる．．．．．．﹄ さっそく俺は、ＮＥＷ ＤＡＹＳでジャンプを購入する。 ムフフ 毎週月曜日に発売されるジャンプを買ってミスドでドーナッツ食いながらな．．． ﹃モーニングラッシュが過ぎるまでのんびり過ごすとするか。﹄ !! ﹃遅刻したらおこずかいなしよ﹄ プロローグ 5 6 バイトしてない俺にとってこれは死活問題である。 ﹂と聞こえたが無 ミスドへ向かおうとしている足を改札口に向き直し、ドーナッツの口になっているの を湿気を大量に吸い込んでリセットした。 時間を確認、うん、これはまずい 急ごう 階段を急いで駆け下りる、途中﹁危ないからゆっくり降りなさい 視。 俺にはおこずかいという人質があるんだ。 電車のドアが開いた音が聞こえた、人がぞろぞろと降りてくる。 この波にのまれてしまえば、この電車には乗れないだろう、 なぜだか、死んでしまうことしか頭に浮かばない。 両親には、先に発ってしまうことを詫びたい、だがそれすらも叶わないのだろう。 ひどくゆっくり流れる景色の中で俺は思った、なんて滑稽な死に方なのだろう。 そして俺は足を滑らせてしまう。 だが今は高校生、小学生の時とは足の長さも何もかもが違う。 一段飛ばしで階段を下りる、小学生のころはよくやっていたものだ。 !! そして、せめて最後だけは、俺らしくかっこよくこの世におさらばしようと思った。 オレ 享年１７ 死因 転落死 ﹁アデュｂｕｋｊｉｏｊｏｓふゲバ﹂チーン プロローグ 7 俺﹁い〟って〟ぇぇぇ 俺は生きているのか く、ない ﹂ ? 俺の脳みそに５ ５６差 ? 回るということは後遺症もないと思われる。 いや、頭が回る程度じゃないぞ、もうキレッキレだ、誰だ し込んだのは．．． 俺﹁知らない天井だ．．．﹂ これだ、一回言ってみたかったんだよ。 ? そしたら、俺はどれだけ運がいいのだろうか。盛大に頭を打ったんだ、これだけ頭が ? !! プロローグ２ 8 プロローグ２ 9 ちっちゃい頃は一年に一回は大きなケガをしていた、懐かしいなぁ∼。 小１のころ、幼馴染の│││と木登りしてて、手にかけた枝がポキッといってねぇ∼ 駐車場の石枕に後頭部ぶつけて血流して気絶したんだっけ。 ﹂ ．．．おいおい頭打って救急車に運ばれるとか、同じ轍を踏んでるじゃん。成長しろ よ、俺。 俺﹁いやに頭が回る．．．こえぇぇ。もしかして、ここって死後の世界 ? 不思議だな．．． 辺りを見渡せば、一面真っ白な世界。かと思えば綺麗な花畑にも見える。 いや摩天楼の天辺 でもこれで確信した、 ? ﹁やっと気づいたのね．．．やけに冷静じゃないあなた。﹂ 俺って死んだんだ。 ? ﹁．．．ん ﹂ 俺﹁．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．﹂ ? ﹁お∼い﹂ 俺﹁．．．﹂ ? ? 俺﹁はぁ．．．﹂ ? ﹁話が進まないわ、本題に入っていい ﹂ ? 俺﹁す、すいません。どうぞ﹂ ? ﹂．．．こんにちわ﹂ あ死んでた。ってところで６６６文字ピッタだった．．．オーメン どうやら声に出てたらしい．．．恥ずか死ぬ、あ死んでた。 ? ﹁こんにちわ、私を口説こうと思ってんならその程度の褒め方じゃだめよ﹂ きた短い人生の中で一番かわいいだｒ﹁声に出てるわよ るが程よく肉が付いていて柔らかそうな腕を振っている。うん．．．俺が今まで生きて ﹁俺の目の前には謎の美女がいる。俺が気づいてないと思っているのか、その華奢であ 10 プロローグ２ 11 ﹁ありがと、まずは自己紹介からね私の名前はフレイヤ、神よ﹂ ﹂ フレイヤ﹁あら よく知ってるわね、まぁ私がどうとかはこの際いいんだけど。もう ? の﹂ 俺﹁．．．まじで うれしくない フレイヤ﹁あら ? ? ﹂ これを読むために暇を作っていた、というほうが正しいのかも知れない。 どうやら俺は転生というのをするらしい。この手の小説は暇さえあれば読んでいた。 ? ﹂ フレイヤ﹁黄昏てないで話を聞きなさい、私はあなたを違う世界に送ろうと考えてる 執着していなかったんだろう。いや、現状していないのか。悲しいかなぁ．．． この状況でも俺は、自分が死んでいることを俯瞰的に見てしまってる、そんなに生に やっぱ死んでしまったのか．．．はぁ わかってると思うけどあなたは死んでしまいましたわ﹂ ? な 俺﹁か、神様で、すか 神フレイヤ．．．たしか美と豊饒となんたらの女神だったよう ? ? 12 で、でもどうして俺が 断る理由が見つからない、ただ 俺﹁ううう嬉しいっす ﹂ ? 俺﹁じゃあ、俺を見つけたのは奇跡ってことですか かも ﹂ ﹂ そんな中あなたを見つけたの。奇跡なんてものじゃないわ。だけどこれは必然なの 万年。悠久の時を生きる私たちデウスデアにとって一日とは、途方にもなく短いのよ。 フレイヤ﹁そうね、一日だけじゃない１０日１００日、１年、１０年、１００年。１ ? やつね。﹂ だ者全部見たわけじゃない、神である私でさえ全部は見れない．．．キャパオーバーって が死に絶えるわ。けどあなたのように面白い死に方は初めてみたの。私は決して死ん フレイヤ﹁簡単な話、あなたのいた世界に限らず一日２４時間のうちに数多くの生物 !!! ﹂ フレイヤ﹁とにかく 俺﹁うっす !!! 転生の儀式に移るわよ﹂ ! も、もしかして。口説いてｒ﹁口説いてないわ﹂ ? プロローグ２ 13 フレイヤ﹁転生の儀に移る前に、いくつか質問に答えてもらうわ。﹂ これは夢に見たあれだ !! きた ? ん ﹂ヒキ もちろんそれだけじゃないよ、俺は童てｉ﹁言わせねぇよ フレイヤ﹁なに一人で喋ってんの ﹂ !!! だ。 死んだことの心残りと言ったら、ＯＮＥ ＰＩＥＣＥを最後まで見れなかったこと あれはまだ未完である、最初の連載から１５年以上たった今でもだ。 それならもうすでに決まっている。ＯＮＥ ＰＩＥＣＥの世界だ。 特典ってやつだよね !!! 頭をフルで回転させる。きっと神フレイヤが俺の脳みそに５５│６を差し込んだん 特典は一つだけらしい、まぁいいか。 ＮＥ ＰＩＥＣＥね、特典は一つだけよ﹂ わぉ﹂ 俺﹁あぁ、悪い。ＯＮＥ ＰＩＥＣＥの世界に行きたい。ほんでもって特典はｆ﹁Ｏ ? ? 14 俺を優遇してくれ ﹂ だろう。今の俺はＩＱ２００のシカマル超えの頭脳さ 俺﹁特典は一つ !!! ! ているわけだから俺だけお別れか。 さぁみなさん一緒にご唱和を お別れの文句は俺の中にはすで決まってる。 俺と言ったらこれだろう 俺が決まり文句を言うのにかぶせて、床に穴が開いた。 俺﹁アデュｇｓｙｇｔぶべば﹂ !! フレイヤ﹁ふふ．．．言わせないわ﹂ !! 神フレイヤとはここでお別れになるだろう。いや神フレイヤは俺のことを天上で見 天上で見てるわ。それじゃ、また﹂ 儀も完了したわ。あなたの第二の人生くれぐれも早死にしないで、精一杯生きなさい。 フレイヤ﹁そうきたか．．．考えたわね。了解、あなたを優遇しましょう。さぁ転生の !! 生まれる前 こんな展開．．．．．．ある ? いたが。 神フレイヤはちょくちょく、さっき俺がいた世界を天上という言葉を用いて説明して いや、きっとあれよりもひどいに違いない。 のやつだ。 いわゆるあれだ、ノーゲーム・ノーライフとか異世界から問題児が来るそうですとか 俺は今、絶賛落下中である。 ﹁うひょぉぉお〟ぼげばべべべげば﹂ こんな展開．．．．．．ある? 15 16 ただいま俺は本当に天上の世界にいたんだと、身をもって痛切に感じている。 。 していなかった。うん．．．．．． だって俺が落ち始めて何分たっただろうか 最初は呼吸すら困難だった、あれ ? まるで地獄のようだ、永遠のように感じる。辛すぎる。痛すぎる。涙すら、声すら、呼 大気中の塵は摩擦によって針のようで、体中くまなく傷をつける 極寒の冷気によって体中の細胞が機能を停止させる 太陽の灼熱は骨の芯まで焦げさせる そして落ちていく中あらゆる拷問が俺を苦しめていた まさしく天上だ。 きっと宇宙空間と外気圏の狭間くらいから落ち始めたのだろう。 ? こんな展開．．．．．．ある? 17 吸をすることもままならない。 人の身で天上の世界に足を踏み入れた罰なのか．．．．．． それとも．．．．．．まぁいい、そんなことはどうでもいいぐらい辛い いっそ死にたい。 とは思ってませぇぇぇぇぇん これはきっと試練なのだろう．．．じゃないと色々おかしい。 !!!! 18 普通死ぬ そうだ、これから起こるであろう未来を妄想しよう やっぱ、麦わらの一味に入るのはマストだ。 その前に力をつけないといけない。 ダダンの息子とかやめろよ 絶対に !! 一緒にに山を駆け抜けたいなぁ．．．．．．︵期待︶ エースとサボとルフィーと杯を交わして義兄弟になりたい、そんでもって そうなると、ゴア王国かフウシャ村あたりの出身がいい。 俺は麦わら海賊団の副船長になりたいのだ。 いや、第一条件はルフィーと最初に合わなくてはいけない、か．．．．．． ! そうやって自己暗示をかける。じゃないと気が狂いそうだ。 神フレイヤが面白半分でそこから落としましたとかはありえない、はず。 俺の前の人生で犯した小さな罪が積み重なって、いま罰せられているのだ。 そんな都合よくあなたを転生させます。とはならないだろうから。 ! !! こんな展開．．．．．．ある? 19 そんなことを妄想しながら落ちていく 本当にこれからの人生が楽しみで仕方がない。 ２分後 20 ん いつまで落ちればいいの 海が見えてきた １分後 あ 島が見える、 ! ? ! ? ﹂ おいおい 勢い止まらないんですけど ! 誰だよ あと１分もしないうちに、大地に衝突してしまうだろう。 刻一刻とその時は迫ってくる ! ﹂ 死ぬの !!? てめぇ どうなってんの !! 男の叫びは無情にも大空に掻き消えてしまう。 !!?? ほら、さっさとこの世におさらばしｎ﹁しねぇよ ! !? そしてついに精〇に．．．．．．え そしてついに地面に衝突 〇子になった男は、 とは、ならなかった．．．．．． !! なにこれ ? また転落死 !? 男の体はみるみるうちに縮んでいく。青年だった男が幼児に、赤ん坊に．．．．．． ! ﹁え こんな展開．．．．．．ある? 21 ? 22 たまたまそこにいた、銀色の髪をして顎にこれまた銀色の髭を蓄えている初老の男性 にぶつかって吸収されていった。 ふぁ !? あいつの死に際は生涯で一番笑ったと思う、そりゃ盛大に笑ったさ 番泣いた、盛大に泣いた。 女遊びもどれくらいしていないだろうか．．．．．． この２年はとても長く感じた。 そして生涯で一 酒に溺れる日も続いた。ロジャーが死んでからは少々涙脆くなってしまったようだ。 ! いたから笑顔で見送れていたと思う。 ２年前、ロジャーが自首すると言って来たときは驚いた、ただなんとなく予想はして 経った。 大親友であり一生の相棒である、海賊王ゴール・Ｄ・ロジャーが処刑されて早２年が 色欲は大罪の１つ 色欲は大罪の１つ 23 ﹁なんだ、おい．．．．．．すっげぇヤリたい﹂ 金 〇 精〇 冥王は混乱していた、さっきから異常に性欲が湧くのだ。止まらない、止まらねぇ 源泉からでる水のように、とめどなく湧き続ける。 ﹂ 行き場を失った性欲はやがて．．．．．． ﹁うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお シャボンディー諸島が、いや世界が震撼する、冥王が暴れだしたことに。 !!!! ! 24 腕を振るえば大気が割れる。 深く息を吐くだけで竜巻が起きる。 足を一歩前に踏み出しただけで大地は、水面に落ちた水滴が波紋のように広がるが如 く波うつ。 冥王の一挙手一投足に世界が過剰なまでに反応している。 もはや人間がなせる所業ではない。 応答せよ こちらマリンコード２９０７７３海軍本部准将ドーマー その暴れる様はまさに、悪魔を束ねる冥府の王の姿であった。 グ ラ ン ド ラ イ ン ﹃応答せよ う、う 冥王シルバーズ・レイリ│を発 補測したと思ったらきゅ、急に暴れだしました 至急指示をお願いします 偉大なる海前半の最後の島、シャボンディー諸島にて 見 ﹄ザザー !! ! !!! !! わぁぁぁぁぁぁぁぁ ! ! !! !! 色欲は大罪の１つ 25 そして思い出させたのだ。 まれることになる。 コング元帥に至急このことを連絡しろ いま その事件は瞬く間に世界に広がった、全世界の人間は冥王の名を細胞レベルにまで刻 !! ．．．．．．くそっ ! ﹄ !!? すぐにだ ﹃おい、おい 大丈夫か !!!! 大海賊時代が幕開けての、初めての大事件である。 ! 26 ︻伝説はまだ生きている︼ その事件はロマンを求めて海賊になろうとした男達を、絶望させるのには充分だっ た。 そして ︿言うこと聞かない子は冥王の所に連れてくわ﹀ もはや、冥王は全世界共通語になってしまった。 ︿食べ物を粗末にする子は、冥王に食べられるわよ﹀ 色欲は大罪の１つ 27 世界はほんの少しだけ平和になった。 誰も予想はしてないだろう。いや、絶対にできない。だって。。。。。。 ﹁エッチしたくて暴れたなんて、だれにも言えない。﹂ 28 色欲は大罪の１つ 29 全員が避難して誰もいなくなったこの諸島にたった一人、 賢者モードの冥王の姿があった。 １時間後 30 ﹁レイリ│ そなた、レイリ│ではないか レイリ│﹁お前は．．．．．．ブラックローズか ? がやばｉ﹁何が何じゃ ﹂ ん〟っんー ﹂ ! ﹂ 懐かしいな ﹂ レイリ│﹁声に出ていたようだが、大したことではない。﹂ ? を晴らそうと思った矢先に旧友のブラックローズにあったため、﹁レイリ│のレイリ│ 海軍が乗り込んでくる前にさっさとこの場からとんずらしよう、そして次の島で鬱憤 海賊に戻っている。 ほんの少し前に賢者モードから立ち直ったレイリ│からは、以前のように貫禄のある 麗な女性であった。 ほんの少し前まで天災の中心であったこの地に現れたのは、ブラックローズという綺 !! ? ! ? 色欲は大罪の１つ 31 ﹂ お前は現アマゾン・リリーの ポーカーフェイスで話せるあたり、さすが大海賊といったところか。 ブラックローズ﹁目が泳いでるぞ ローズはどうしてここに 前言撤回、大海賊といえど嘘は苦手のようだ レイリ│﹁そ、それよりだ 皇帝ではないか﹂ ? ? ブラックローズ﹁そ、それは．．．．．．そのチラッ﹂モジモジ 張っている。いまだに世界一の美女である。 ちなみに、５０歳に近い年齢だが、肌は健康ピチピチで爆乳の持ち主でありちゃんと せた、伝説の一人に数えられるほどの大海賊である。 そう、ブラックローズはアマゾン・リリーの皇帝であり九蛇海賊団の名を世界に轟か 性王に名を改名したレイリ│にとって、ブラックローズは刺激が強すぎる。 ! 32 レイリ│﹁．．．．．．ゴクッ﹂ ﹂ ブラックローズ﹁レイリーニアイニキタノジャ﹂ボソッ 性王に１万のダメージを与えた レイリ│﹁ぐはっ 効果抜群 !!! するのである。 ルパーーンと化した性王とブラックローズは、海軍が突入してくる明日までハッスル ブラックローズ﹁きゃあぁぁぁぁああああぁん♡﹂ レイリ│﹁ローズちゅわぁぁぁん﹂ ! 妊娠が発覚したときは、二人して手放しで喜んだのだった。生まないという選択肢は る５０歳だ。 いくら若作りしていたって、ブラックローズは妊娠にも出産にも両方とも超高齢であ ただ、航海を始めて半年も経たないうちにブラックローズの妊娠が発覚したのだ。 のんびり海を旅していた。 あの事件のあとレイリ│とブラックローズの二人は、 でソワソワしていた 当事者であったレイリ│はというと、やっと復興したシャボンディー諸島の４２番Ｇ あの大事件から半年経った 豪運の申し子 豪運の申し子 33 34 二人には存在しない。 グ ラ ン ド ラ イ ン ただ、現実問題妊娠が発覚したばかりの妊婦が海を航海するのは大変危険である。 ここが偉大なる航路なら、なおさら危険だ。 そして、話し合いの結果出産するまでの間ブラックローズは女ヶ島で休養することに なった。 そうと決まれば早いもんで、急いで女ヶ島に向かった。が、またすぐに問題が発覚。 女ヶ島は男子禁制の島、皇帝の認めた男でさえそこに入ることはできない。 ブラックローズを女ヶ島にまで送った後、レイリ│はしぶしぶ一人でシャボンディ│ 諸島に戻るのである。 途中、何体かの超大型海王類が犠牲になったのはいうまでもない。 豪運の申し子 35 半年後 36 女ヶ島にいるブラックローズはというと、出産を目前に控えていた。 ブラックローズが妊娠していることを知っているのはたった一人、今年で７０歳を迎 えたブラックローズの前の前の皇帝であったグロリオーサという女性だった。 グロリオーサ、いや．．．．．．ニョン婆と呼ばれているこの人はとても博識である。 ５０年前のまだ２０代であった若かりし頃は、その美貌をいかし様々な商船や海賊船 にのりこみ色々な海を冒険したのである。その時に得た知恵でニョン婆は、女ヶ島のブ レインとして自分が皇帝を辞した後も次の皇帝を補佐として支え、その次の皇帝である ブラックローズも支えた。もはやここまで九蛇の名が世界に知れ渡っているのは、一概 にしてニョン婆のおかげといってもいい。 ブラックローズが妊娠していることをニョン婆しか知らないのには理由がある。い ワ ン ピー ス イ レ ギュ ラー や﹃隠しておかなければいけない﹄理由といったところだ。 イ レ ギュ ラー ニョン婆は知っていた、 えていたのだ。 けど、ニョン婆だけは妊娠が発覚した時から男の子が生まれてくるかもしれないと考 だった。 その子はもちろん女の子で、女の子が生まれてくることは女ヶ島では当たり前のこと ニョン婆には子供がいる。 そもそもなんでこの事態にニョン婆が気づいたのか．．．．．． 妊娠しているブラックローズですら．．．．．．。 よってこの異常事態に気づいているのは世界中でもニョン婆しか気づいていない。 ︻ブラックローズの妊娠はこの世界においては異常事態である。︼ 豪運の申し子 37 ﹃外界の男はアマゾネスよりも劣勢な遺伝子しか持っていない。よってアマゾネスが外 界の男と交配をして妊娠しても、弱い男よりも屈強な女性を孕む。これが女ヶ島から女 性しか生まれない理由だ。﹄︵一部省略︶ ニョン婆は自分よりも強かった人と恋に落ち、子をなした。 それを知っていたニョン婆だからこそ、自分の子が男の子かもしれないと思ったの だ。 けど違った。 ニョン婆は単に二分の一の確率で生まれた子供が女子だったわけじゃないと分かっ た。 ただ例外はある。 この結論に至ったのだ。 ︻アマゾネスが男の子を生むことはありえない。︼ 38 ︻アマゾネスは真の王の遺伝子にのみ、男の子を孕む。︼ ︻そして、生まれた男の子は．．．．．．．．．．．．。︼ 豪運の申し子 39 40 だからニョン婆は、ブラックローズが妊娠していることを隠す。 豪運の申し子 41 ブラックローズ﹁う〟ぇ．．．．．．．．．．．．。﹂ つわりが始まった。 もちろん産婆はニョン婆だ。ブラックローズはニョン婆に絶対の信頼を置いている。 ニョン婆﹁もうその時かにょう．．．．．．。大丈夫じゃ、安心して産めばいい。﹂ 出産は難産を極めた。そもそもこの年で妊娠したことが奇跡であるのだ。 １時間、２時間、３時間．．．．．． 時 間 は ど ん ど ん 過 ぎ て い く。は た し て 出 産 に よ る 痛 み は ど れ く ら い な の だ ろ う か。 きっと死ぬほうがましかもしれない。 命を生み出すということはそれほど大変なのだ。 超高齢出産である。ブラックローズはどんどん衰弱していく．．．．．．このままじゃ生 まれてくる子と一緒に死んでしまう。 ︻というのは嘘だ︼テヘペロ 42 出産は安産だった。 なぜかって それはあれだ が子宮から来た ︶﹂ ．．．．．．．．．やつが、帰ってきたんｄ﹁ばぶぶばばぶべぶぶばぶ ︵私 !!!!!! ? 早く冒険したいがためにすぐ出てきたのだ。 公だ。 オールマイト風に登場してきたこの子は、忘れてはならないこの作品の転生者の主人 !!!!!!!!!! ! じゃあ生まれた瞬間から記憶はあるのか ? 豪運の申し子 43 お腹の中にいた時から記憶があるのか 実は両方とも否である。 ﹂ ? 腹から一気に出てきたのは、潜在的にある意地みたいなものだ。 この赤ちゃんに記憶が宿るのには随分と後のことである。 ショートしてしまう。 生まれてきた赤ちゃんの脳に、前世の記憶を詰め込んだのならばその情報量の多さで ? オールマイト風に出てきたのは．．．．．．．．．なんでだろうね ﹁うぎゃぁぁあああぁおぎゃぁぁあぁ !!! 44 豪運の申し子 45 ニョン婆﹁にゃにゅ もう出てきたにょか しかも男の子 !!!? ﹂ !!! 計な事をいうな ︶﹂ ただ生まれたての赤ちゃんなので、サルみたいな顔であｒ﹁あううあうあうあう ︵余 髪の色は父親と同じ銀色、残念ながら目の色はまだ分からない。 ブラックローズ﹁あぁ、なんと愛おしい。﹂ 産湯で羊水を洗い流し、綺麗なタオルでくるみ母親に渡す。 ニョン婆はさっそくへその緒を切り取り赤ちゃんを取り上げる。 !! 母親視点ではママっ、ママって聞こえるらしい ブラックローズ﹁そうでちゅよー、ママでちゅよー♡﹂ アフレコを勝手に加えただけなので、なんて言ってるか分かんない ! !!! 46 ニョン婆﹁ローズ、この子の名前はルーシーでもう決まっておるにょか ﹂ ブラックローズ﹁あぁ、そうじゃ。このこはルーシーじゃ、シルバーズ・ルーシー﹂ ? ルーシーが腹にいた頃から、ブラックローズは子守歌やら楽器やらを弾いて聞かせて いた、もちろん名前を呼びかけるのは必須だ。 そばにいたニョン婆が知らないわけじゃない。 ブラックローズ﹁大きく元気に育つのじゃよ、ルーシー﹂ ルーシー﹁あうあうううあうあうわ ﹂ 後に︻妖精王︼という名で世界に名を轟かせる大海賊の誕生である。 !!!!!! キャラ紹介 ︶ ! きました。 ︶ !! ︶ !! ! キー シー ていうわけ豪運な主人公なので、冥王の子になります︵遺伝子最強＊ただし２世が大 す。︵超絶ＬＵＫＣＹ 転生特典は︻優遇してくれ ︼でしたね。言い換えれば︻ＬＵＫＣＹ︼にしてくれで した︵超絶ＬＵＫＣＹ 主人公は、天文学的な数字の確率で神フレイヤにより奇跡的に選ばれ転生者になりま にしたとのことです。 という店の看板が、ある日たまたまＫが抜け落ちてたとのことで、娘の名前をＬＵＣＹ ルー フェアリーテイルのルーシーの名前の由来は、両親が出会った場所であるＬＵＫＣＹ ラッ ルーシーという名前の由来は、フェアリーテイルのルーシーの名前の由来からとって シルバーズ・ルーシー ︵男︶ 主人公 設定その１︵読んで 設定その１（読んで!） 47 48 普通のところアマゾネスから生まれてくる子は女の子だがあ 成するとは保証しかねます＊︶ 母親は女ヶ島の皇帝 男は生まれません︶ じゃあ、シルバーズ・ラッキーにすればいいじゃん って思うかもしれませんが、原 りえないことに男に ︵作中でもある通り、男が冥王レベルじゃないとアマゾネスから ! との意見をもらいましたが。関係ありません ? いました。 それと主人公の名前は関係あるの 盲点でした !!! 原作でのドレスローザ編で、ルフィーは剣闘士ルーシーとしてコロシアムに参加して 作に赤髪の海賊団の幹部にラッキー・ルウがいたので、ルーシーにしました。 ! ! ︶ こ の 作 品 を 隅 々 ま で 読 ん で く れ た の な ら 分 か る と 思 い ま す が。︵特 に プ ロ ロ ー グ １ !!!! だから剣闘士ルーシィ 美味 ? ません よってドレスローザどころか、魚人島編も知りません しいの、それ ? ! ! 主人公の原作知識は頂上戦争が終わり、ルフィーの過去編が終わったぐらいしかあり ! 設定その１（読んで!） 49 すんません 言い訳っす ただしチートじゃ ︼ぐらいで覚えて頂いて結構です︵ＬＵＫＣＹの限度はあります、そこら辺は神 以上が名前の由来で、今後重要な部分です ︵︻主人公はラッキー ない ! ! とのことですが。 て．．．．．．．．．嫌いじゃないです むしろ好きです ! ルーシーは今のところ無能力者にしよう考えています︵父親が無能力者なので︶ 力です。﹄ ちなみに﹃総合的な実力とは、悪魔の実や武器、経験値など全てを含めてで出せる実 す。充分強いですね．．．．．．．．． 原作開始時︵１９歳︶でのルーシーは︻総合的な実力でエースと同じレベル︼にしま 双はきっとかけない．．．．．．．．． 自分的には書いてて面白くないので、無双はやめて軽いチートにしました。俺には無 ! 作 者 は﹃チ ー ト の 作 品 は 長 続 き し な い﹄と い う、根 も 葉 も な い 持 論 が あ り ま し なんでチートにしないの ＮＥＸＴ ! ! ? ! フレイヤに聞いてください︶︶ ! 50 ︶ そうすると、エースとの実力の差はどう頑張っても埋まりません．．．．．．．．．︵悪魔の 実のアドバンテージが大きい の実以下ぐらい︼だと思ってください。 ? おいおい、レイリ│が親なのに教えてくれねぇのかよ と意見が来ると思うので．．．．．．．．．念のために ので覇気は二の次三の次 ! 主人公は武器を中心とした修行を行います !! 覇気を習得させると、原作︵２年前︶が崩壊してしまいますからねぇ。 悪魔の実のアドバンテージは覇気で埋まりませんか と思いますが まぁ︻主人公の使う武器はエースのメラメラの実と同等かそれ以上。黄猿のピカピカ これについては、もう決まってます。 具体的には武器に悪魔の実を喰わせる．．．．．．．．． だから、武器チートにしようと思っています。 ! 設定その１（読んで!） 51 転 生 特 典 死 の 一 撃 見聞色に関してはレイリ│に何度も殺されかけるので、生きるために自力で習得し原 作時には軽く使えます。︵主人公はＬＵＫＣＹです。身の危険が迫ると本能がそれを知 とのことで入れまし 武器が強いので習得する必要がなかった らせてくれるので反射で避けるという．．．．．．．．．見聞色とは関係ない能力があります︶ 武装色は原作開始時には全く使えません ということにします。 モンハンのタグをいれたのは、スラッシュアックスかっけぇ た。 えぇ、そういうことです．．．．．．．．． オリキャラ紹介 主人公 シルバーズ・ルーシー 滑稽な死に方をした主人公。ワンピースの世界で頑張るぞ !! ! ! 52 ブラックローズ︵女︶ オリ主人公の母親。アマゾン・リリーの前皇帝である︵原作１９年前︶ブラックロー 恋 煩 い ズの前の前の皇帝がグロリオーサことニョン婆。ハンコックが皇帝になるのは次の次 の次の次。︵入れ替えが早いのは皇帝が謎の病で早死にしたから︶ 出産後も見た目は変わらず絶世の美女。ちなみにルーシーを出産した時は５０歳。 黒髪碧眼。イメージ的にはセブンナイツというアプリゲームのセインという女キャ ラの髪を背中まで伸ばした感じである。カテゴリーは可愛い美人 謎 の 病 ブラックローズという名もセブンナイツのキャラ名です。 てことで、何度も離婚の 死 息子溺愛。愛お死を何度も経験します。もし息子が女を連れてきた際は．．．．．．．．． シルバーズ・レイリ│ 鬼 原作とは違い妻子持ち。女遊びはしません。︵きっと︶ この作品では海賊王とならぶ悪名。 白ヒゲばりの知名度 息子を強くするために扱きまくる。妻からはやりすぎだろ !! 53 設定その１（読んで!） 危機に．．．．．．．．． 幼少期 冥王は色々すごい 飛ばしすぎだって ルーシーが生まれてきてから５年が経った ん ? すんません !! ? 54 冥王は色々すごい 55 レイリ│が自分の子に初めて出会ったのはルーシーが生まれてきて５年たった後で あった．．．．．．．．． まぁこれにはいくつか理由がある。 一つ目は︻世界政府及び海軍による海賊王の関係者の掃討作戦︼である。 ロジャーが処刑されてすぐにこの作戦は始まった。船の乗組員や造船に関わったも の、ありとあらゆる関係者をくまなく探し殺していく。 副船長であるレイリ│はその筆頭であるのだ。シャボンディー諸島の悲劇があった の で 冥 王 に は 手 を 出 す な と 世 界 政 府 は 海 軍 に 命 令 を 下 し た、た だ 正 義 感 あ ふ れ た 56 愚 か 者 かわ 若い海兵によりたびたび冥王を襲撃した。冥王は攻撃を受けてはそれらを躱していく と疑われる可能性がある。 日々が続くのであった。もちろん掃討作戦中に女ヶ島に向かおうものなら、世界政府に 女ヶ島に妻子がいるのでは すのだ。 こじ そしてプレゼントしよう 会えない日々が続き、愛を拗らせたのかな 最強の武器を自ら作ろう と考え始めた。 ! ? 二つ目は︻まだ見ぬ宝へのプレゼント選び︼である。 ルーシー 油断も隙も無い。会いたいという感情を殺しまくり、血の涙を流しながら日々を過ご ロジャーが処刑された後、これが３年も続くのである。 れた後ルーシーたちを見つけて即殺するだろう。 そしたら一環の終わりだ、女ヶ島は強制的に海軍に圧力をかけられ徹底的に調査をさ ? ! 冥王は色々すごい 57 プレゼントをもらい破顔した可愛い娘が。﹃パパー、大ちゅき♡﹄と言ってくるのを妄 想し鼻血を出す。︵レイリ│は自分の子が男だと知りません︶ 忘れてはならないのは、レイリ│は剣士であるので剣の手入れはできるが、鍛冶師で はないので剣は作れないということだ。 と 勝 手 に 思 い は せ、そ れ ら を 見 つ け る た め に 海 賊 を 刈 しぶしぶ、自分で作ったわけでは無いが最上大業物１２工の内の１工をプレゼントし たら絶対に喜ぶだろう ただそれでも、死ぬ危険が無いとは言い切れない。だから、悪魔の実もついでにプレ だからあながちこのプレゼントは間違ったものではない。 る。 考えただけで故人であるロジャーにすら、 ﹃なぜ俺を海賊に誘ったのだ︵怒︶﹄と憤慨す ルーシーが冥王の娘︵本当は息子︶と知られたら、殺されるのが必然である。それを る．．．．．．．．．︵末期だ、冥王はだれにも止められない︶ ! 58 ゼントしようとする。 悪魔の実を選ぶのに妥協してはならない 海賊を刈り続ける ワ ン ピー ス 愛する娘︵本当は息子︶のために、今日も グ ラ ン ド ラ イ ン 果たして、シャボンディー諸島に到達すること自体どれほど幸運なことだろう．．．．．． 方が多い。 ただリバースマウンテンを越えるのは命がけだ。越えられずに死んでしまうものの 入ろうとする。 ひとつなぎの財宝 を 夢 見 る 海 賊 た ち は リ バ ー ス マ ウ ン テ ン を 乗 り 越 え 偉大なる航路 に 冥王は５年もの間、シャボンディー諸島にて︻伝説︼として君臨し続けた。 ルーシーが男だったとわかるのは５年も後のことであったであった．．．．．．．．． ! シャボンディー諸島に到達した海賊たちは思う﹃ここからが俺たちの本当の冒険だ。 このシャボンディー諸島は終わりじゃない、スタートラインなんだ﹄と。ただ、それは 違う。 冥王により、海賊たちの夢は潰える 冥王は海賊旗を掲げている船はすべて破壊し略奪したのだ。 と言うのならば、シャボンディー諸島を通過することは第二の試練である。︼ ︻ここシャボンディー諸島はただの通過点ではない。リバースマウンテンを第一の試練 冥王は色々すごい 59 冥王は略奪した財宝はほとんど全てシャボンディー諸島に寄付した。みるみるうち にここシャボンディー諸島は発展を遂げた。 このことは世界政府の手が回る前に、新聞社により全世界に報道された。 賢い海賊たちは新世界に行くのを諦める。 不運な男達 力を過信した愚かな海賊たちは冥王に敗れ死ぬ。 この５年間、新世界に入ることのできた海 賊は﹃０﹄ 全世界の母親たちは言う ﹃冥王みたいに、悪いことをした後は必ず良いことするのよ﹄と．．．．．．。。 60 冥王は色々すごい 61 世界はほんの少し平和になった ただ、人々は知らない．．．．．．．．． 冥王が海賊たちを刈り、略奪した財宝をシャボンディー諸島に寄付する理由は 刀と悪魔の実が欲しいからだ。 それ以外は必要ない。 ただそれだけである ブラックローズは子煩悩である 自分の息子は、可愛いの極みだ。 ブラックローズは自分の子を世界一可愛いと思っているらしく ﹂．．．．．．．．．と。 ﹁ル ー シ ー ち ゅ わ ん ♡ そ な た は 神 が 妾 に 使 わ し て く れ た 天 使 な ん で ち ゅ か ∼ 62 る．．．．．．誰もこの人が伝説の大海賊とは思わないだろう。 キ ャ ラ 崩 壊 が 激 し く ま だ 言 葉 も 理 解 で き て な い 赤 ん 坊 に 四 六 時 中 こ の 調 子 で あ ? 確かにルーシーは可愛いだろう．．．．．．．．．海色の目や形はブラックローズに似た、非 常に整っている顔立ち。将来は絶対にイケメンになるに違いない。が、大げさ過ぎるま である。 イケメンになるだろう．．．．．．．．． まぁそんなことをブラックローズの前で言ってみろ。簡単に死ぬぜ ニョン婆は完全に蚊帳の外 レイリ│のことは完全に忘れている 万が一があったら大変だ 弓や拳銃の扱い方、剣の握り方。基礎的なことは教えるが触れさせることはしない。 息子に手をあげることはできない。ゆえに軽∼く教える。 た。 そんな感じだが教育には余念がない、３歳を迎えたときから軽い∼く武術を教え始め ? ﹃あっ、あのひとイケメンだ∼。﹄くらいだ。中途半端に父に似ているので、中途半端な 冥王は色々すごい 63 64 将来海に出た時のために航海術は軽く教える。 海に何があるのかは話さない。興味を持たれて海に出てしまったら大変だ。 コミュニケーション能力をつけるために島の子たちと積極的に遊ばせる。好きな子 できたらどうしよう．．．．．．．．． あまりに過保護であまりに親バカだが。まだまだ小さいルーシーにとって母親のい うことは絶対である。 これが２年続く。 そして５歳になったルーシーは、前世の記憶を取り戻したのである。 俺の出番が回ってきた ルーシー﹁．．．．．．．．．ここって、どこだ したのは今日が最初。つまりこの瞬間 ﹂ ルーシーがこの世に誕生して今日で５年になった。転生者である俺が記憶を思い出 ? ! ルーシー﹁いて、いててててててて﹂ ︻主人公が転生した︼ 俺の出番が回ってきた! 65 66 別に興奮して股間を抑えているわけではないぞ．．．．．．．．． ルーシーは頭を両手で抱え込んで、痛みを必死に抑えている。 前世の記憶︵一部を消去されている︶の情報量が多すぎて、頭が爆発しそうなくらい 痛いのだ。 ルーシー﹁そうか．．．．．．．．．。俺って、転生したのか。﹂ ニヤケ顔である。 舌打ちしたろ ﹂ 転生前のルーシーの記憶ももちろん存在している。ニヤケ顔なのは母親が超絶美人 であることが分かったからだ。．．．．．．．．．チッ﹁おい ルーシー﹁う〟げぇぇぇぇぇぇぇぇ﹂ ! 立ち直るのに５分の時間を要するのである。 以上にきつい。 ルーシーとしての記憶が思い返される。母親はまだいい、ただ。ニョン婆の顔が想像 ! 俺の出番が回ってきた! 67 ５分後 ルーシー﹁あ、そうか 今日俺の誕生日か ﹂ ! ﹂ !! たところだ。 ルーシーは今、前世の記憶と母親に教えられた中途半端な教育しか分からないと言っ ルーシー﹁どうやって時間を潰すか。。。状況を把握しようか﹂ ５分後 ルーシーは立ち直るのに５分の時間を要した。 は想像以上にきつｉ﹁やめろぉ まぁそんなことはいい。パーティーにはニョン婆も参加するはず。が、ニョン婆の顔 どっかで遊んできなさい﹂と、シタリ顔で言われこの草原に来たのだ。 今 日 は ル ー シ ー の 誕 生 日 で あ る。ブ ラ ッ ク ロ ー ズ に﹁パ ー テ ィ の 用 意 を す る か ら、 ! 68 まさか．．．．．． ﹂ ! なんで男の俺がここにいるんだ ? ．．．．．．．．． ルーシー﹁まず、ここは女ヶ島で問題ないはず。ん ? ルーシー﹁ほっ．．．．．．．．ついてる。よかったぁぁぁぁ ﹂ ! まずは俺の出生について調べてみるか なんでこいつはナレーターに突っ込めるんだ ﹂ ル ー シ ー﹁そ う い や、父 親 は だ れ だ ．．．．．．．．．その前に海見に行こう ?? から自分に父親がいないことは当たり前のことだと思っていた。そもそも父親という ルーシーは父親を知らない。ルーシーの友達は皆父親というものがいなかった。だ !!!! ?? に安堵する。大切なものとは、失ったときに初めて気づくのであｒ﹁失ってねーぞー﹂ ルーシーは当たり前のように、生まれた時から寄り添ってきた相棒がそこにあること イチモツ ルーシーは慌ててズボンを下げて、股間についているはずの相棒を確認する。 ? !! 俺の出番が回ってきた! 69 言葉すら知らない。 ブラックローズがルーシーにレイリ│のことを話さなかったのには理由がある。 教えるも何も．．．．．．．．． 息子が愛おしすぎて旦那のことは忘れていたのだ。 冒険の香り この世界の海を 父親のことなど今はいい．．．．．． 俺は海を見たい !!! ﹃お母さんには内緒じょにょう ﹄ ルーシーとしての記憶では、海へ連れてってくれない母親の代わりにニョン婆が 海岸に行くための道は知っている。 ! もちろん女ヶ島であるので。漁師も農家もみんな女性。市場のいたるところに露出 ルーシーは海見たさに全力で駆け抜る。 この島で一番賑わっている市場をまっすぐ進めばすぐそこに海は見える。 もちろんそこまでの道のりは覚えている。 といい、しょっちゅうではないが何度か海岸まで連れてってくれた。 ? 70 度の高い服を着ているアマゾネスがいる。 ルーシーは前世では健全な男子高校生であったのに関わらず。それらに目を奪われ ることなくまっすぐ海へ向かう。 おい、下ネタ大好きなお前はどこに消えた。 カームベルト ルーシーはやっと、アマゾン・リリーの漁港についた。 そしてそこから見える海は凪の帯である。 カームベルト この世界の海は、とても厳かで静かであるとルーシーは思った。 凪の帯と言えどほんの少しであるが風は吹いている。 この風はどこから吹いてくるのだろうか．．．．．．．．． その風は止めどなく、冒険の香りは乗せてくる。 ルーシーはその風を、肺いっぱいに吸い込んだ。 そして．．．．．．．．．．．．．．． ﹄ !!!!!! ﹃冒険してぇ 冒険の香り 71 72 ルーシーはキラキラさせた目を大きく開き大声で叫んだ。 ルーシーのまだまだ声変わりしていない鈴の音みたいな声は、果てしなく続く大海原 に響いていく。 本当に１７歳だった健全な男子高校生か ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．。 誰だてめぇ ? と戻っていく。 うん、そんな。青春ダァ的なことをし終わったルーシーは満足げな顔でマイホームへ どうやら、子供の体に転生してしまったせいで煩悩は相殺されてしまったようだ。 ? 冒険の香り 73 ルーシーは今の行為をブラックローズが見られていたことに気づいていない。 ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． ブラックローズ﹁思い出した．．．．．．ルーシーの父親はレイリ│だったか。やはり父 に似たといったところか．．．．．．おちおち、ちゃんと鍛えてやらねば、嫌われるかもしれ んのう。そんなことになれば妾はしんでしまうぞ．．．﹂ 74 真っ青な顔をしたブラックローズはさっさと市場で買い物を済ませ、ルーシーよりも 先に家に帰ろうと、瞬足で帰路に入った。 相棒 誕生日会は１時間ほどで終了した。なぜだがブラックローズの顔色が悪いのだ。 そしてルーシーの顔色も悪い．．． たルーシーの友達であるマーガレット、スイートピー、アフェランドラ︵年の近い島の パーティーの主役の体調が悪いんじゃ仕方ない。ニョン婆はせっかく集まってくれ いい。 最大の敵になる。他にもＧＯＤエネル、ペローナ、強敵は多そうだ。早く克服した方が になってしまう。それはこの世界じゃ死に等しいことかもしれない。特にオカマ王は ないでルーシーが海に出たとしたら、ユニークでファンシーな顔を持つ人が自分の弱点 ニョン婆の顔に慣れるまで、思ったよりも長く時間が掛かりそうである。もし克服し ﹃ニョン婆の顔が記憶のモノよりも実物の方が圧倒的にきつい﹄ 相棒 75 76 子達︶を家に帰らせ、時間は早いがルーシーとブラックローズを寝室で寝させた。 数十分後 しばらくして立ち直ったルーシーは、自分に抱き着いているブラックローズを引き離 し忍び足で書斎に向かう。 自分の中にあるルーシーとしての記憶のせいで、母親であるブラックローズには女を 感じないらしい。 考えてみろ、自分の親の濡れ場を見たならばきっと１か月は立ち直れないだろ ルーシーは書斎にて自分のやりたいリストを紙に記し始める。 やりたいこと１ 麦わらの海賊団に入る。 ? やりたいこと２ うーん ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． ５分くらい考えてみたが、これ以外に見つかりそうになかった。 書斎にはいろいろな本が置いてあった。この家はニョン婆とブラックローズと自分 の３人暮らしである。この書斎は家族共同のもので、主にニョン婆のモノの本が占めて いる。そして外界の新聞もいくつかここに置いてあるのだ。 これからの海はどうなってしま ルーシーはその中から最新の新聞を手に取った。だいたい１週間前くらいのものだ ろうか、新聞の記事には ﹄ ? !? うのか ﹃伝説の海賊、冥王がシャボンディー諸島から消える 相棒 77 78 というものだった。 ﹂ ルーシー﹁これは俺の前世の記憶にはないものだ。俺の存在により世界にズレが生じ ているかもしれないのか そのとき、島の反対側の海岸では．．．．．．．．． た。 ルーシーは新聞や文献、童話、剣術の指南書など、書斎にあるものはすべてを読み漁っ ? 相棒 79 レイリ│﹁ふぅ、ほとんど毎日シャボンディ│諸島にやってくる海賊たちと戦闘をし カームベルト ていたせいか体は鈍っていないようだな。途中ボートが壊れてしまったときはさすが に焦ったが．．．﹂ジャボッ 海から上がってきたこの人物は、かの有名な冥王である。 忘れてはならないことがある。この女ヶ島が浮かんでいるのは凪の帯の上であるこ とだ。この男はそんな海を泳いできたのか。きっとそんな芸当ができるのはレイリ│ のほかに超人ハルクくらいだろう。 現在のレイリ│の服装は短パンのみ、靴も履いていない。そのほかには首にかかって いるチェーン付の宝箱と背中にかけてある二本の、一本は両刃剣、一本は刀のモノだけ だ。たったそれだけ レイリ│﹁この時が来るまで、五年．．．．．．早く会いたいものだな。ルーシーよ﹂ 80 レイリ│は急いで妻子がいるであろう家へ向かおうとしたが。自分がビショビショ であることと、ここが女ヶ島であることを思い出して、とりあえずこの森で野宿しよう と考えた。 次の日 窓から差し込んでくる太陽の光と、小鳥のさえずりによって気持ちよく目を覚まさせ たルーシーは自分の肩に毛布が掛けられていたことに気づく。 きっとニョン婆が掛けてくれたのだろう。ブラックローズが俺がここで寝ていたこ とに気づいたらお姫様抱っこで寝室にまで連れていくに違いない。 昨日は遅くまで本を読み散らかしていたのだが、あたりをみても散らかった様子は見 られない。 相棒 81 ニョン婆は本当にお婆ちゃんをやってくれている。ぽたぽた焼のお婆ちゃんくらい 優しい。 ルーシーは一刻も早くユニークな顔苦手体質を直そうと決意する。 三人で朝食をとる。ブラックローズに朝どこにいたのかを聞かれたりしたがそれ以 外には特になかった。 ニョン婆の顔を見たが、それほど苦手意識もなくなっているようだ。この調子なら１ 週間もしないうちに克服しそうである。 護身用の短刀と拳銃、水筒と弁当、植物図鑑と日記手帳、筆記用具が入ったバックを 背負い母たちに出かけてくると伝え、返事を聞く間も惜しんで扉は叩き開け家を出た。 今日は島の裏に行ってみようと思った、というのも昨日見た１週間前の新聞に﹁冥王 がシャボンディー諸島から消失した﹂という記事があったからだ。原作では︻暴君︼ク マ に よ り ル フ ィ ー は 弾 か れ、こ こ 女 ヶ 島 に １ 週 間 か け て 到 達 し 落 下 し た。曖 昧 だ が、 シャボンディー諸島と女ヶ島は比較的に近いという印象があった。 つまりだ、もしかしたら冥王がここに来ているかもしれない。とルーシーは結論付け る。 ﹂ 島には三日月型の壁が反り立っている、その壁に登ることは可能だが、島の裏に降り ることはできない。島の裏には島の沿岸から周らないと行けない。 ルーシーはやっとの思いで辿り着いた。 ルーシー﹁ふぅ、森の中怖すぎだろ．．．もう帰ろうかｎ ガサガサ ヒィ ガサガサと何か動いている。ニョン婆が言っていたことを思い出した。 !!! のは予想とは全然違うモノであった。 ルーシーは戦うことはせず、急いで木の上に避難しよとしたが。シゲミから出てきた 対に行ってはいけない。﹄と ﹃島の裏にはイノシシのＢＯＳＳのオッコトと、黒豹のＢＯＳＳのバサラがいるから、絶 82 相棒 83 レイリ│﹁もしかして、君はルーシーか ﹂ ﹂ シゲミから出てきたのは冥王だった、ルーシーの推察は間違っていなかったようだ。 ? 君の母親は それと父親のことはしっているかい ! 少し質問いいかい ? ルーシー﹁そ、そうだけど．．．。すげぇ、冥王だ レイリ│﹁ ﹂ !!!! ? ガーーーーーーーーーーーーン ピシャーーン レイリ│は雷が落ちたかぐらいの衝撃を受けた。 ! ルーシー﹁お母さんはブラックローズだけど、父親は知らない。﹂ みせた。そして が、父親である自分のことを知らないのではないのかと、すぐさま焦った表情にかえて レイリ│は、目の前にいる子が自分の子であると分かり一瞬喜色の表情を浮かべる ? 84 ﹂ レイリ│の心の荒れ模様のことなど露知らず、ルーシーはレイリ│に修行を付けても 俺に修行つけてくれ えばいいじゃんという事を思いついた。 ルーシー﹁レイリ│ !! えた。 なぜだがレイリ│の目にはルーシーの周りに、ポワポワと花弁が舞っているように見 全体的に自分に似ている。 なんと可愛らしい子であるのか．．．．．．目元はブラックローズにそっくりであるが、 の心が一気に晴れた。 この子が自分の子であるとわかったからなのか、さきほど傷心したばかりだったはず レイリ│は気絶していたがルーシーの叫びによって目を覚ます。 !! ﹂ レイリ│﹁ルーシー、分かった 修行を付けよう、だけどその前に．．．．．．。君の父親 は私だ ! ! 相棒 85 ええぇぇぇぇーーーーーーー ピシャーン 父と子のハジメマシテから５時間は経過した。 静かな波が絶え間なく押し寄せてくる砂浜に、冥王と少年の姿があった。 ザッパーーン ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． ルーシーも雷が落ちたかぐらいの衝撃を受けた。 !!! その間に何をしたかと言えば、お互いの軽い自己紹介からどんな修行をしたいのか、 今はレイリ│の冒険記について聞いていた。 レイリ│は最初自分のことをどう呼ばせようか思案していた。 君は女の子だろう ﹂ ﹄と言ってきた。意味も分からずレイリ│は首をかしげながら問う。 レイリ│﹁何をいってるんだ ? ? 服は女物を着させていた。まだ５歳の子供であるので、中性的であるし髪もフワフワで も女の子そのものだ。ニョン婆もブラックローズもルーシーが男だとばれないように こともなく産まれてくる子が必然的に女の子だと思っていた。それにルーシーの容姿 レイリ│がこう思うのも無理はない。妻のブラックローズはアマゾネスである、疑う ? かはないの う∼ん、う∼んと唸っていたところ。ルーシーが横から﹃ルー君とか、ルーシー君と ちゃん﹄。この中から選ぼうにも選べず。 逆にルーシーの呼び方をどうしようか考えており、 ﹃ルーシー、ルーちゃん、ルーシー 呼ばれたかったのは言うまでもない︶ 父さんと呼ばせてくれとのことで、お父さんと呼ばれることになった。︵本当はパパと ﹃パパ、お父さん、お父ちゃん、親父﹄この中から選ぼうにも選べず、結局ルーシーがお 86 相棒 87 お父さんを驚かそうとしているのかい まったく、 肩にかからないくらいの長さである。声変わりもまだまだ先だ。だれも男だとは思わ ない。だからルーシーのいう事が理解できない。 ﹂ ? ルーシー﹁いや、俺男だけど．．．．．．．．．．．．﹂ レイリ│﹁なにを言ってるんだ ルーシー﹁男だって 君はどんだけ可愛ければ気が済むのかね﹂ ? レイリ│﹁これからも、ルーシーと呼ぶことにするよ﹂ この日、三度目の雷が落ちたことになる。 裸の愛娘。ただ、ルーシーの股間には紛れもない漢が付いていた。 おとこ りおもむろに自分のズボンに手をかけ一気にずりおろした。レイリーの目の前には下 馬耳東風であるレイリ│にはこれしかないと言わんばかしに。ルーシーは立ち上が レイリ│﹁またまたー﹂ ! 88 結局これに落ち着いた。 レイリ│﹁でも、どうして男が生まれてきたんだ ﹂ ? ルーシー﹁わかんない．．．．．．．．．でも、ニョン婆なら知ってると思う。俺はまだ聞い お婆ちゃんかい でもブラックローズは自分の母親のことは たことないけど、これから聞こうと思ったけどね。﹂ レイリ│﹁ニョン婆 ? に不信感が募るばかりである。 ン婆のことを話してくれなかったのか。この５年間音沙汰がなかったのか。愛する妻 結果、レイリ│はブラックローズが何故父親のことを話してくれなかったのか、ニョ 言ってなかったような．．．．．．．．．。﹂ ? 相棒 89 ルーシー﹁ねぇ、その宝箱はなにが入ってるの ﹂ ルーシー﹁ゴクッ、これって．．．．．．．．．悪魔の実 ﹂ パカッとふたを開けると中に入っていたのは奇妙な柄の果物だった。 ルーシーはレイリ│から鍵を受け取り、小さな宝箱に差し込む。ガチャっと音を立て だ、開けてみるといい。これはそのカギだ﹂ レイリ│﹁あぁ、これはルーシーに上げようと思ってね。プレゼントといったところ ルーシーはこの、ＴＨＥ冒険、の証である宝箱に興味を示す。聞かずにはいられない。 ? 想像以上の重さに落としそうになる。しっかりと鞘を握り、刀を引き抜く。 られない、悪魔の実のことはすっかり頭から抜けてしまっている。その刀を手に取るが レイリ│が渡してきたのは一本の刀だった。ルーシーは初めて見る刀に興奮を抑え しまったが手入れはしてある﹂ レイリ│﹁そうだ、よく知っているな。それと、これもプレゼントだ。海水で濡れて ? 90 シャリィィィィィィィィン ルーシーは初めて聞く鞘と刃が擦りあって響くこの音に心を奪われてしまった。本 来、主人公の知っている日本刀という武器は世界中で最高の切れ味を誇るものである お父さん ﹂ が、刀を鞘から引き抜いたとしてもこのような音がなることはない。だから、それはこ の世界の加工技術の高さを物語っていた。 剣を教えてくれ !! ルーシー﹁俺、この剣に似合うような剣士になりたい !!! ルーシー﹁︻暴食︼ ﹂ レイリ│﹁その刀は最上大業物１２工の１工、︻暴食︼だ。﹂ る﹂と空返事した。 レイリ│は﹃お父さん﹄という甘美な響きに酔いしれる。﹁あぁ、いいぞ。教えてあげ !!!! 刀身が折れても︻暴食︼は血液中に含まれる僅かな鉄分でさえ吸えば元の形に戻る、と、 の手入れ﹄というのも、ただイノシシの体を切り刻んだだけ。例え刃こぼれした時でも レイリ│﹁そう。その刀は常に最高の切れ味を発揮するんだ。さっき私が言った﹃刀 ? 相棒 91 言うのも、その刀を打つときに使われた金属は﹃血吸鋼﹄とよばれているもので。その 名の通り血を吸う鋼。とても希少で世界中さがしても現在１０ｋｇ程しか見つかって いないそうだ。﹃血吸鋼﹄は加工が非常に難しい。﹃血吸鋼﹄を使った刀など、この︻暴 食︼の一本だけだ。﹂ 例えるのなら、ＮＡＲＵＴＯの再不斬が使っていた︻首切り包丁︼と似たようなもの だろう。 レイリ│﹁さっきも言った通り、最高の切れ味を誇るこの刀は取り扱いが非常に難し い。私が認めるまで、この刀は抜いてはならないぞ。念のため鍔と鞘の部分を布でグル グル巻きにして抜けないようにしようか。﹂ ﹂ レイリ│はそういうとルーシーから刀を取り上げようとする。 ルーシー﹁ちょちょちょ、待って‼もう少し見てたい レイリ│﹁危ないからダメだ﹂ !! 92 ルーシーとレイリ│は︻暴食︼を取り合う。 ルーシーは刀を離さないように全ての体重を掛ける。一方レイリ│は可愛い息子の 手前強引には奪えないので力は殆どかけていない．．．．．．．．．．．．。しょうがない、もう少 し刀を持たせてあげるか。。そう思い力を緩めた瞬間、ルーシーの手から︻暴食︼が鞘だ け残しすっぽ抜けた。刀身だけが宙に舞う。レイリ│は冷静に自分たちには被害はな いだろうと判断し、すぐにルーシーを抱き寄せ身を守る。宙を舞った︻暴食︼は、置い てあった悪魔の実をスパッと一刀両断し地面に深く突き刺さる。その瞬間。 悪魔の実は消失した。 かの有名な天才科学者Ｄｒぺガパンクは、モノに悪魔の実を食べさせる実験を成功さ せた。原作でも、アラバスタ編ではイヌイヌの実モデル：ダックスフンドを食べた大砲、 ゾ オ ン ﹂ エニエスロビー編ではゾウゾウの実を食べた刀が登場したがどちらの悪魔の実も 動物系であった。 ルーシー﹁お父さん、あの悪魔の実って何だったの レイリ│﹁あれはブキブキの実、食べた人間は自在に体の一部を武器に変えることが ? パラミシア ﹂ できるようになる。超人系のものだ。Ｄｒぺガパンクがモノに悪魔の実を食べさせる 実験を成功させたとは聞いたが、切るだけでいいものなのか ルーシーは刀に近づき地面から引き抜いた。 ルーシー﹁なんも変わったことはないけど．．．．．．。﹂ だが、次の瞬間に︻暴食︼が姿を変えた。 ? ﹂ 刀であった︻暴食︼は４２口径の自動拳銃になった。︻暴食︼としての印象も残ってい る。 ﹁﹁すごいな﹂﹂ レイリ│﹁元に戻せるのか ?? ルーシー﹁まって、念じればいいのかもしれない﹂ムムムムムムムムム はぁ !! 相棒 93 ルーシー、それを貸してみなさい﹂ ルーシーがもとに戻れと念じたら︻暴食︼は元の刀の姿に戻る。 レイリ│﹁私でもできるのか ジして念じるが、何も変化は訪れなかった。 ルーシーは何も言わず素直に︻暴食︼を渡した。受け取ったレイリ│は拳銃をイメー ? レイリ│﹁随分と懐かれたもんだな。大切にしなさい﹂ うものならルーシーの手を切断しない限り無理だろう。 ︻暴食︼は篭手に姿をかえ、ルーシーの腕にしっかりと巻き付く。︻暴食︼を引きはがそ シーに近づき再び︻暴食︼に触れようとしたが。その時。 ルーシーはレイリ│を一瞥した後︻暴食︼を拾い上げ鞘にしまった。レイリ│はルー ていたが結局のところ︻暴食︼は動かなかった。 レイリ│は慌てて刀を放り投げる。また動き出す危険もあるためしばらく様子を見 ︻暴食︼はまるで意志を持ったかのようにレイリ│に刃を向けた。 94 相棒 95 レイリ│はルーシーの腕に巻き付いた︻暴食︼に嫉妬の目を向けた ﹂ 行こう。﹂ ばれたらまずいんじゃないか ﹂ ル ー シ ー﹁う ん、今 日 は も う 帰 ろ う か な。お 母 さ ん 心 配 す る し。お 父 さ ん も く る で しょ レイリ│﹁いいのか ルーシー﹁ばれなきゃいいんでしょ ? ルーシーはレイリ│の手を取り、家族の待つ暖かい家に帰ろうとした。 太陽が西に傾き、女ヶ島全体を朱色に染め上げた夕方５時頃。 ? ? ? この家の付近には黒豹のバキュラという番犬ならぬ番豹がいる。ルーシーが弱って 開拓し、そこに木造の家を建てた。ルーシーが生まれたのもこの家である。 だからニョン婆は万が一に備え、人が入ってこない手入れもされていない森の中心を ずっと良い。 されたとしても、きっと碌な事にはならないだろう。それなら性別を隠していたほうが シーが男だとばれてしまえばその場で殺されるか、母と共に国外に追放されるか。認知 が。そもそもブラックローズの妊娠、出産は現皇帝ですら知らされていなかった。ルー というのも、今でこそルーシーは女ヶ島の一員︵女の子として︶として認められてる ルーシー家族の家は島の中心街から大きく離れた森の中に存在する。 ルーシーはというとレイリ│の手を取り自分の家へ向かっていた。 現在夕方の５時過ぎ。 母と父と祖母と僕と｜ペット︽武器︾と冒険 96 いたまだまだ小さかったバキュラを保護したのが最初だ。以来懐いてこのうちに近づ く部外者は威嚇して追い払うようになる。ルーシーの朝はバキュラの背中に乗って散 歩するというのが日課だ。が、島の裏に行くのになんでバキュラを連れて行かなかった というと、ただのドジである。 レイリ│﹁はぁ、緊張するな．．．．．．．．．。﹂ それもそうだ。 レイリ│は連絡もなしに︵そもそも連絡手段を持っていない︶勝手に女ヶ島に侵入し 大きくなってから会えばいいのでは と随分と長い間葛藤していた。 ? すると突然体長３ｍ程の黒豹がレイリ│に襲い掛かってきた。だが冥王であるレイ てくれない、家までもう少しだ。 そんな感じで思考の海にどっぷり浸かっていたレイリ│だったが時は無情にも待っ とを忘れているんじゃないかと不安になる。 今では女ヶ島に来て良かったと思っているが、ルーシーと同じく愛する妻が自分のこ ? 女ヶ島に来る際もルーシーに会いたい半分、自分の子に対してどう接すればいいのか ぐにでも行きたかった︶。 ︵男なので正面から入ることができない︶５年ぶりに妻子に会おうというのだ︵本当はす 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 97 98 リ│にとって３ｍの黒豹が襲い掛かってきたとしてもタダ黒猫がじゃれついて来た程 度にしか思っていない。 それにレイリ│はルーシーとの会話の中で番豹であるバキュラの存在は聞いていた。 だからレイリ│はあしらう様に、襲い掛かってくる黒豹の方をまったく見ずにそっと右 手を挙げただけで黒豹を制した。レイリ│が放ったのは凄まじい殺気である、黒豹は思 わず一歩引いてしまうがすぐさまレイリ│にむかって威嚇を飛ばした。 レイリ│﹁私の覇気を軽くだが食らったはずなのに正気を保ち、挙句の果ては威嚇し 返すとは．．．．．．。相当この家族に忠誠を誓っているのだろう。﹂ あの凄まじい殺気を軽い覇気程度だと言ってる当たり、やはり冥王はとんでもない化 け物である。 ルーシーはレイリ│に威嚇を飛ばしている黒豹のバキュラに近寄りそっと喉の方を 撫でる。しばらくしてバキュラは気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしルーシーに すり寄った。レイリ│のことは完全に忘れている。 ﹂ ルーシー﹁バキュラ、この人は俺のお父さんで家族だよ。ほら、顔もどことなく似て るでしょ ? 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 99 ご主人にそんなことを言われバキュラはレイリ│とご主人の顔を見比べる。そして ﹂ バキュラはご主人の言ってることを理解したのかレイリ│の前で頭を下げた。 レイリ│﹁撫でろ、ということか レイリ│﹁何だったんだ ﹂ げな表情を浮かべて森の中に消えていった。 そしてバキュラはレイリ│の腕に噛み付くのを止め、ルーシーにすり寄ってから満足 腕に噛み付いた。どうやら撫でろとは言っていないらしい．．．．．．．．．。 レイリ│は右腕を出しバキュラの頭の上に置こうとしたがバキュラはその手を払い ? ルーシー﹁何だったんだろ ﹂ 当然レイリーは、バキュラが何をしたかったのが分からずに首を傾げる。 ? レイリ│﹁おじゃまするぞ﹂ ルーシー﹁ただいま∼∼∼∼∼﹂ ただ言えることは、バキュラが雌であるという事だ。 ご主人であるルーシーにすら、今のバキュラの行動が理解できない。 ? ﹁﹁おかえｒ．．．．．．．．． ﹂﹂ レイリ│﹁あぁ、ひさしぶり﹂ ブラックローズ﹁レイリ│、久しぶりじゃのう﹂ ルーシーと手をつないで帰ってきたことに驚きを隠すことはもちろん出来ないでいる。 王 レ イ リ │ と は 伝 説 の 海 賊 で あ り 紙 面 上 の 人 物 で あ る と 認 識 し て い た か ら だ。突 然 りルーシーの父親であることで知っていた一方、新聞愛好家であるニョン婆にとって冥 ニョン婆の体が硬直する。ニョン婆はレイリ│のことは、ブラックローズの旦那であ !!!!!!!!! このあと家族４人でご飯を食べたとさ。 ﹁﹁．．．．．．．．．．．．．．．。﹂﹂ 100 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 101 ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． １３年の時が過ぎた 飛ばしすぎだって ? え すんません ! ? １３年の間に何があったかを軽く説明しようと思う。 ルーシーとレイリ│は１３年間ほぼ毎日修行をしていた。以上 ．．．．．．．．．．．．．．．。 修行内容としては主に︻暴食︼を中心としたものだった。 ただ人には得意不得意が必ず存在しているし、それに１００種類の武器の使い方を会 得したところで、１回の戦闘で全部使う人はいない。 実際にルーシーが実戦で使えるものは両手で数えるくらいしかない。 たのは剣のみ。ブラックローズからは弓を、そして我流で銃、そのほか諸々を修行した。 ︻暴食︼はこの世のほぼ全ての武器に変身できるわけだが、レイリ│がルーシーに師事し 102 現在ルーシーの年齢はあと１か月したら１９歳になるといったところだ。 そして今は誰も住んでいない無人島に１人でいた。 ここに住み始めたのも５年以上になる。 なぜルーシーがこの無人島に住みはじめたのかというと、ルーシーが１３歳の時に声 変わりが訪れたためだ。 段々と男に成長していくルーシーは１３歳のときにはすでに、筋肉質でゴツゴツした 体つきだった。 ルーシーの唯一の女ヶ島の友達であるマーガレット、スイートピー、アフェランドラ は、胸も膨らみ始め筋肉質だが女性特有の柔らかみが存在しているが、ルーシーが自分 たちと少し体の構造が違うんじゃないかと気づき始める。 ﹂ ? 鉄球でも入ってんの ? ﹂﹂﹂ ﹂ な、．．．．．．。ちげぇよ 俺の股には、万が一のために備えて金の玉を詰め マーガレット﹁そういえば、ルーシーはお股に何入れてるの !!!!!!!!! !! これでどっかに漂流したとしても、売って生き延びられるんだぜ !!! ルーシー﹁ てんだ !!! ! ﹁﹁﹁おぉぉぉ∼∼∼∼∼∼∼。さすがルーシー 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 103 104 結局、ルーシーは性別を最後まで隠せそうになかったためレイリ│と共に女ヶ島から 少し離れた無人島に住み移ることになった。 それに移住に賛成しなさそうなブラックローズだが、以外にもこれをあっさりと認め ことになった。 これはルーシーが１２歳のころの話だ。 ブラックローズはルーシーがレイリ│とばっか一緒にいることをよく思っていなく、 たびたびレイリ│を怒鳴り散らしていたことから、週末は１日ずっとルーシーと一緒に 過ごすことになっていた。 そんなあるときの週末、ルーシーの腕を組んで市場をデートしていた時、ふとブラッ Д｀︶ クローズはルーシーの横顔を見た。 ルーシー﹁げへへぇ∼∼﹂︵＊ なんと上半身裸で作業をしている綺麗な女性がいた。 先をみたところ、 子の新たな一面に驚きを隠せないながら、ブラックローズは急いでルーシーの見ている 愛息子がハァハァと鼻の下を伸ばし目を皿にして一つの方向を凝視していた。愛息 ´ 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 105 ブラックローズ﹁あぁぁ、よもや女好きもレイリ│ににてしまうのか．．．．．．．．．﹂ヘタ リ ブラックローズは思わず気絶してしまい、次の週末まで寝込んでしまったとか。なん とか。 というエピソードがあったため、これ以上女に鼻を伸ばしてほしくなかった母親はし ぶしぶあっさり移住を認める。 時が少し流れたある日に、ルーシーは女ヶ島の裏にある浜辺にきていた。 そこにはルーシーのほかに５つの人影と１匹の獣影があった。 ルーシーの母親であるブラックローズ、祖母であるニョン婆、友達のマーガレット、ス イートピー、アフェランドラの５人、と、黒豹のバキュラだ。 そして、父親であるレイリ│の姿は見当たらない。 別に、ブラックローズと離婚したから女ヶ島に居れなくなったとかではない。ただ、 今は大喧嘩の真っ最中である。そのためルーシーは無人島にて、 106 ルーシー﹁じゃあ父さん、またシャボンディー諸島で再会しよう ﹂ ! ちのほうが凄い。 ニョン婆はというと９０歳近い年齢だが、正直７０歳の時と同じ顔形だ。むしろこっ えるというのに、２０歳の女性と見間違うぐらい美しい。 ブラックローズの顔面は涙やら鼻水やらでグシャグシャだ。そろそろ７０歳をむか 今日はルーシーの旅立ちの日である。 二人しかいないこの島に、泣きわめく冥王とそれを慰める妖精王の姿があった。 ただ．．．．．．．．．．．．。﹂グス か ら の 長 い 船 旅 の 中 で 習 得 す れ ば い い。そ れ ｔ ル ー シ ー﹁話 が 長 い わ ﹂ す ま ん。 するだろう。最後まで覇気は開花しなかったが基礎は教えた。才能も必ずある。これ レイリ│﹁あぁ、大きくなったな。まだまだ未熟でもあるが、新世界でも充分に通用 !! ︶﹂ ﹂ 結果的にルーシーは、マーガレット、スイートピー、アフェランドラの友達３人組に、 自分が男であること教えたのだった。 ﹂ 本当に行くに決 ! 絶 好 の 船 出 日 和 と は 言 い 難 い が。 ほんでもって金玉袋の中身見せてね ﹂﹂﹂ 絶対にまた女ヶ島に立 いっぱい修行したし ブラックローズ﹁グス、気を付けるのじゃぞ。。。。。。。グス、本当に行くのかぁ ﹂ ルーシー﹁ありがとう母さん、大丈夫だよ まってんじゃん ニョン婆﹁気を付けるのじゃにょぅ﹂ ﹂ ルーシー﹁わかったにょぅ、気を付けるにょい﹂ ニョン婆﹁婆ちゃんのマネするんじゃにゃい バキュラ﹁がうがうがうぅぅ∼∼︵行かないでぇぇ∼ ルーシー﹁よしよし﹂ナデナデ その時は旅の話も聞かせてね ? !!! ! !!! マーガレット、スイートピー、アフェランドラ﹁﹁﹁ルーシー ち寄ってね !!!!! !! ! ! ルーシー﹁死ぬわっ !! そして風は一切の無風 !! !! 本 日 の 天 気 は 快 晴 な り ! 母と父と祖母と僕と｜ペット《武器》と冒険 107 両親に伝説の大海賊をもった一人の男が旅立とうとしていた。 名を﹃シルバーズ・ルーシー﹄ ﹂ この男は後に︻妖精王︼として、麦わらの海賊団の副船長として様々な偉業を成し遂 げることになる。 世界一の冒険家になる !!!! ルーシー﹁俺は !!! ︻妖精王︼シルバーズ・ルーシーの大冒険の始まりである。 108 冒険の夜明け カームベルト レッ ド ラ イ イーストブルー ン 凪の帯の上に存在する島、女ヶ島アマゾン・リリーから東 の 海に行くのは以外にも簡単 なことである。 グ ラ ン ド ラ イ ン この世界の海は、世界を縦断する大陸﹁赤い土の大陸﹂と、それに対して垂直に世界 グ ラ ン ド ラ イ ン カームベルト レッ ド ラ イ ン を一周する航路﹁偉大なる航路﹂によって４つに分けられている。 イーストブルー ﹁偉大なる航路﹂は﹁凪の帯﹂に挟まれている。また﹁赤い土の大陸﹂よって二分された グ ラ ン ド ラ イ ン ﹁偉大なる航路﹂後半の海は﹁新世界﹂と称されている。 ウエストブルー サウスブルー ノースブルー ﹁偉 大 な る 航 路﹂﹁赤 い 土 の 大 陸﹂に よ り 東 西 南 北 に 区 切 ら れ た 海 は そ れ ぞ れ 東 の 海、 カームベルト 行くことも出来るし東 の 海に行くこともできる。 イーストブルー グ ラ ン ド ラ イ ン だから、凪の帯の上に存在する島、女ヶ島アマゾン・リリーからは﹁偉大なる航路﹂に ﹁西 の 海﹂、﹁南の海﹂、﹁北の海﹂と呼ばれる。上空には﹁空島﹂がある。 冒険の夜明け 109 110 カームベルト カームベルト イーストブルー 現在ルーシーは凪の帯を横切り、 東 の 海に来ていた。 移動手段は船ではない。凪の帯を航海できる船は、海軍の保有している軍艦しかな カームベルト グ ラ ン ド ラ イ ン い。海軍本部所属の軍艦は、ベカパンクの技術によって、船底に海楼石を敷き詰めるこ カームベルト とで比較的安全に凪の帯を航行する事が可能で、自由に﹁偉大なる航路﹂と４つの海と を行き来できる。 ここで気を付けて欲しいのは、比較的安全に凪の帯を航行する事が可能であるだけ カームベルト で、大型海王類に襲われる可能性がないわけじゃないということだ。 つまり、 ﹁凪の帯﹂を通りたいと言うやつは海軍か、自殺志願者くらいだろう、実力の カームベルト イーストブルー ある海賊でさえ通りたいとは思わない。 ﹂ じ ゃ あ 凪の帯 を 横 切 り、 東 の 海 に 行 こ う と し た ル ー シ ー は 自 殺 志 願 者 で あ る の カームベルト か．．．．．．．．．。そうであｒ﹁ちげぇよ !!! ようは凪の帯の上を航海しなきゃいいのだ。空を飛べばいいのだ。 ん ? 冒険の夜明け 111 ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． ルーシーの持つ武器、︻暴食︼は超便利アイテムである。 その便利機能の一つに、みなさんお馴染みの飛行機能のある武器があるのだ。 ミサイルである。 お馴染みじゃないって ﹂ 嘘つけ、日本人ならお馴染みだろ 消されるぞ ２か月に一回はお隣 ? え から飛んでくｒ﹁それ以上はやめとけ ! ? 名を﹃グライダー﹄ まぁ。．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．。 ミサイルと刃だけの大剣を組み合わせた武器 すことに成功した。 ルーシーは１３年間の修行の成果で、二つの武器を一つに組み合わせた武器を生み出 東 の 海に来たのではない。 イーストブルー 冗 談 は さ て お き．．．．．．．．．．．．。ル ー シ ー は ミ サ イ ル に 変 形 し た︻暴 食︼に 跨 っ て !! ? スパイダーマン１のゴブリンが乗っていてあれだ。 ﹃グライダー﹄って何って思うだろ ? 112 冒険の夜明け 113 忘れてはないだろうか。主人公は転生者で現世の知識を持っている。 それはこの世界を生き残るための大きなアドバンテージだ。生かさないわけないだ ろ おい そこ オリジナリティーが無いっていうな !! !! とにしようか。 イーストブルー ゴア王国の辺境に位置しているため、半ば忘れられたように王国に属している。赤髪海 ご存知の通りそこはルフィの故郷である。その名の通り多くの風車があるこの村は、 ルーシーの目的地は、ドーン島のフーシャ村。 ルーシーは︻暴食︼変形：グライダーに乗って、凪の帯を横切り、東 の 海に侵入した。 カームベルト とにかく、変形している︻暴食︼のことはこれから︻暴食︼変形：∼∼∼ と呼ぶこ ! ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．。 ? 114 賊団のかつての活動拠点であり、ルフィーが海賊になりたいと初めて思ったところだ。 ﹂ ワンピースファンのルーシーとしては、是非とも観光目的で行ってみたい。 ドーン島ってどの方角だ さっそく向かおう ルーシー﹁あれ ? !!! ルーシー﹁ん あれって、もしかして海上レストランバラティエ すげぇ、俺って本 飯屋に腹ごしらえも兼ねて情報収集もするか。でも島が見えねぇな．．．．．．。﹂ ルーシー﹁まぁ、まだ時間もあるだろうし、お腹も減ってるし、お腹も減ってるから。 ? ? るし ﹂ 当にワンピースの世界に来たんだな．．．．．．。サンジに挨拶でもしようかな。時間もあ ? ルーシーはまだ知らない。．．．．．．．．．．．．．．．。 ! 真の目的であるルフィーがすでに旅立っていることに．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．。 ﹂ ．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．．． 次の日 ドーン島 フーシャ村 とある酒場にて ﹂ マキノ﹁とうとう行っちゃいましたね 村長、寂しくなるわ。﹂ 村長﹁村の恥じゃ、海賊になろうなんぞ ! マキノ﹁そんなこと言いながら、昨日からお酒飲みっぱなしじゃないですか ? 冒険の夜明け 115 116 村長﹁そんなこと忘れたわ マキノ﹁はいはい．．．。﹂ ガラガラ もう一杯 ﹂ ! ﹂ マキノ﹁あ、いらっしゃい ．．．．．．。見ない顔ね、旅人さん ﹂ ﹂ ? ﹂ ? で足りますか ﹂ジャラ マキノ﹁えぇ、少しお待ちください。﹂ ルーシー﹁それで、なんで俺がルフィーという人物を知っているか、ですよね ルーシー﹁何で知っているかっていうと．．．．．．。風のうわさですよ。ここら辺に海賊 ? ? 村長﹁ああ、そうじゃ﹂ ﹂ ルーシー﹁あぁ、まぁいいや。店主さん、適当に料理と飲み物ください。お金はこれ 村長﹁なんじゃ貴様、ルフィーとはどういう関係なのじゃ あの、ルフィーという人物を探しているんですが。どこにいるか知ってます ルーシー﹁うおぉ、すげぇ。本物のマキノさんだ．．．．．．．．．。あ、そんなところです。 ? か ルーシー﹁あのー、すいません。一つお聞きしたいことがあるんですけど、いいです ! ! ? 冒険の夜明け 117 志望の悪ガキがいるって。俺は、その船に乗せてもらいたくてきたんですよ。﹂ 村長﹁ほう．．．．．．。そういうことか。ルフィーなら昨日海に出たわい﹂ 旅人さんも海賊志望だったりして。﹂ ルーシー﹁あぁーー、やっぱそうか．．．．．．。うすうす気づいてたわ。﹂ マキノ﹁はいお待たせ、ルフィーの話 て教えてもらえます ﹂ ルーシー﹁そうですよ、あ、この料理本当にうめぇ。もしよかったらルフィーについ ? ルーシー﹁やべぇ．．．．．．．．．。ルフィーとの距離がどんどん開いていくぞ。ゾロに会 酒場のバックグランドで寝ていた。 こんな感じで時間があっという間に過ぎ、ルーシーが目を覚ましたのは次の日の朝、 ちながら料理をつまむ。村長はそんな二人の話を聞きながら酒を飲む。 マキノはルフィーの過去の思い出話に花を咲かせて盛り上がり、ルーシーは相槌を打 マキノ﹁いいわよ﹂ ? 118 う前に俺と出会わなければいけねぇのに はやくルフィーに会ってみてぇな まぁいいか、寄り道も冒険の醍醐味か﹂ てから︻暴食︼変身：グライダーに乗り海に出た。 腹ごしらえした後、マキノさんにルフィーがどの方角に行ったのかを聞きお礼を言っ 酒場にでてマキノさんに朝食を作ってもらいそれを食す。やはりうまい。 ルーシー﹁はぁ、支度して出るか。その前に腹ごしらえ﹂ !!!