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概要 日本目録規則とは⇒用語 基本記入方式と記述ユニット方式 記述の
概要 日本目録規則とは⇒用語 基本記入方式と記述ユニット方式 ・基本記入方式 ・英米の目録規則で採用されている方式、日本目録規則でも 1965 年版まで採用 ・著者名または書名を標目とする基本記入(基本カード)を作成 ・基本記入に基づいて、他の書誌的要素(標目に採用しなかった書名、共著者など)を 副出、内容を分出 ・記述ユニット方式 ・標目とは関係なく記述をユニットとして完成させ、同一の記述ユニットにそれぞれ標 目を与えて、それぞれの標目のもとに目録カードを、もしくは書誌データが編成され る 記述の対象 ・メディアの種類 ・和洋資料、古書・漢籍を含む図書館が所蔵するあらゆる資料 ・印刷資料(図書、雑誌・新聞など)、録音資料(音盤、音楽 CD など)、映像資料(ビ デオテープ、LD など)、マイクロ資料、電子資料... ・しかし、専門資料については、書誌情報の相互利用、流通を考慮に入れつつ、専門的な規 則を適用してもよい 記述の範囲・順序 1. タイトルと責任表示に関する事項 ・標題紙(裏)→奥付→背→表紙 2. 版 ( 次 ) に関する事項 ・標題紙(裏)→奥付→背→表紙 3. 資料(刊行方式)の特性に関する事項 ・(図書では使用せず)地図資料、楽譜、電子資料、博物資料、逐次刊行物 4. 出版・頒布等に関する事項 ・標題紙(裏)→奥付→背→表紙 5. 形態に関する事項 ・その資料から 6. シリーズに関する事項 ・その資料から 7. 注記に関する事項 ・どこからでもよい 8. 標準番号・入手条件に関する事項 ・どこからでもよい ・記述の情報源は以下のとおり(図書の場合) ・1,2,4 → 「資料本体」から転記(標題紙(裏)→奥付→背→表紙) ・5,6 → その図書から ・7,8 → どこからでも 記述の精粗 ・目録作成機関が、目録の規模や方針に対応して、記録すべき書誌的事項のレベル(水準) を選択できるようにしたこと ・『日本目録規則1987年版』の大きな特色 1 ■第1水準(必須) ・目録の機能を発揮するために必要とされる最低限の要件である ・『日本目録規則1987年改訂版』では本タイトル、最初の責任表示、版表示、出版者ま たは頒布者等、出版年または頒布年等、ページ数、本シリーズ名の7事項 ・記述方法は以下のとおり 本タイトル_/_最初の責任表示 . _−_半表示 . _−_資料(または刊行方式)の特性 に関する事項 . _−_出版社または頒布者等 , _出版社または頒布年等 . _−_特定資料 種別と資料の数量 . _−_(本シリーズ名) ■第2水準(標準) ・通常の目録に置いて必要とされる範囲の書誌的事項 ・本タイトル、資料種別、タイトル関連情報、責任表示、版表示、特定の版にのみ関係する 責任表示、資料(または刊行方式)の特性に関する事項、出版地または頒布地等、出版者 または頒布者等、出版年または頒布年等、特定し領主別と資料の数量、その他の形態的細 目、大きさ、付属資料、本シリーズ名、シリーズに関する責任表示、シリーズのISS N、シリーズ番号、下位シリーズの書誌的事項、注記、標準番号(ISBN) ■第3水準(詳細) ・国際的な書誌情報の流通に十分に対応可能な詳細度の書誌事項 書誌階層(レベル) ■単行レベル ・物理的単位に基づいた記録 ・例)上下2巻の図書 → 上巻、下巻それぞれ ・単行書誌単位【たんこうしょしたんい】monographic bibliographic unit(「図書館情報学用語 辞典」より) “単行レベルの書誌単位で、単行資料の本タイトルから始まる一連の書誌的事項の集合” (『日本目録規則 1987 年版改訂版』用語解説)。略して単行単位ともいう。書誌的記録を 組成する構造的な単位である書誌単位の一つ。逐次刊行書誌単位とともに基礎書誌単位に 位置付けられる。単行資料を記述の対象とするときには、この単行書誌単位を記述の本体 とする書誌的記録を作成するのが、『日本目録規則 1987 年版』および『同改訂版』におけ る原則的な方針であり、その作成される記録を単行レベルの記録という。 ■集合レベル ・書誌単位に基づいた記録 ・例)上下2巻の図書 → 2巻同一の固有タイトルのもとに集めた書誌的記録 ・集合書誌単位【しゅうごうしょしたんい】collective bibliographic unit(「図書館情報学用語 辞典」より) “集合書誌レベルの書誌単位で、単行資料の集合または上位レベルの逐次刊行物の固有の タイトルから始まる一連の書誌的事項の集合”(『日本目録規則 1987 年版改訂版』用語解 説)。略して集合単位ともいう。書誌的記録を組成する構造的な単位である書誌単位の一 つをなす。2 以上の階層で存在することがある。単行資料の集合を記述の対象とするとき には、集合書誌単位を記述の本体とする書誌的記録を作成することになり、それを集合レ ベルの記録という。 ■構成レベル 2 ・作品集などを構成する各編の作品タイトルで始まる書誌単位の記録 ・構成書誌単位【こうせいしょしたんい】component part bibliographic unit(「図書館情報学用 語辞典」より) “単行書誌単位もしくは逐次刊行書誌単位の、下位書誌レベルを記述する書誌単位で、固 有のタイトルを有しているが、形態的に独立していない、資料の構成部分を記述対象とす る”(『日本目録規則 1987 年版改訂版』用語解説)。略して構成単位ともいう。書誌的記 録を組成する構造的な単位である書誌単位の一つをなし、“構成部分の固有のタイトルか ら始まる一連の書誌的事項の集合”とも定義される。2 以上の階層で存在することがある。 構成部分を記述の対象とするときには、構成書誌単位を記述の本体とする書誌的記録を作 成することになり、それを構成レベルの記録という。 目録規則における用語 → 巻末の用語集を参照すること 記述(転記)の方法 ・原則 ・タイトルと責任表示、版、出版・頒布等、シリーズはそのまま(表示のとおり)転記 ・数字 ・タイトルと責任表示以外はアラビア数字で ・楷書体以外 ・楷書体で ・変体がな ・ひらがなで ・外国文字・記号 ・そのまま ・誤記・誤植 ・明らかな誤植は正しい形に訂正し、注記などに訂正したことがわかるように記録す る。 ・脱字は[ ]に入れて補記する。前後にスペースは入れない。 ・区切り ・ISBD 区切り記号法による ISBD 区切り記号 ■区切り記号の名称 記号 名称 = 等号 : コロン ; セミコロン / スラッシュ . ピリオド , コンマ 用語 ・日本目録規則【にほんもくろくきそく】Nippon Cataloging Rules(NCR) ・日本の標準目録規則。日本文庫協会は 1893(明治 26)年に書名基本記入方式の『和 3 漢圖書目録編纂規則』を制定し、その後身である日本図書館協会はこれを改訂し、 1910(明治 43)年に『和漢圖書目録編纂概則』を制定した。さらに 1932(昭和 7)年 には『和漢圖書目録法案』を公表したが、これは基本記入にかかわる問題のため案の ままに終わった。一方、青年図書館員聯盟は 1943(昭和 18)年に著者基本記入方式 の『日本目録規則 1942 年版』を刊行したが、第二次大戦後、国立国会図書館開設の ためにアメリカより招聘された特別顧問から、同館では和漢書にこの規則を使用する こととし、日本図書館協会が速やかにその改訂を行うよう勧告を受けた。以後、この 勧告に沿った『日本目録規則 1952 年版』、パリ原則に従った『同 1965 年版』、国際標 準書誌記述に準拠し、併せて記述ユニット方式を導入した『同新版予備版』(1977)、 これを踏襲しながらも、書誌階層にかかわる新たな規定を導入し、オンライン目録や MARC レコードにも配慮した『同 1987 年版』および『同 1987 年版改訂版』(1994) が日本図書館協会によって制定されている。 ・基本記入方式【きほんきにゅうほうしき】main entry system ・『日本目録規則 1987 年版改訂版』序説によれば、“基本記入と、これをもとにして補 助的に作成される副出記入、分出記入とをもって一つの著者タイトル目録を編成する 方式である”とされている。その長所としては、“基本記入と補助記入とを組み合わ せることにより効率的に情報を提供することができる”、さらには“単一記入制の目 録を編成する場合、目録記入を著者標目のもとに集中することができる”などがあげ られる。一方、複数記入制を前提とした場合、基本記入と副出記入とが含む情報量に 差がなくなったこと、個別型目録の作成にあたっては基本記入と副出記入の区別にあ まり意味がないこと、基本記入の標目の選定が目録担当者によって必ずしも常に一致 するとは限らないことなどが、基本記入方式の問題として指摘されている。『英米目 録規則第 2 版』など、基本記入方式を保持している目録規則も存在するが、複写技術 の発達と機械可読目録の登場もあり、現在では非基本記入方式である記述ユニット方 式や等価標目方式の考え方が推進されるに至っている。 ・記述ユニット方式【きじゅつゆにっとほうしき】descriptive unit system ・“書誌記述を標目とは切り離して完結させ、基本的な記述ユニットとする。この記述 ユニットに必要なだけの等価の標目を与え、指示されたそれぞれの標目のもとに各種 の目録を編成する方式をいう”(『日本目録規則 1987 年版改訂版』用語解説)。カード 目録では、この記述ユニットをなすカードを必要部数複製し、各々に標目を付加して 各種の記入を作成することになり、「記述ユニットカード方式」と呼ばれた(『日本目 録規則新版予備版』)。「記述独立方式」がその源流であるが、非基本記入の方式とい う点で『英米目録規則第 2 版』における「等価標目方式」と同趣旨である。これらは 標目の種別を問わず、多様な検索を可能とする機械可読目録に、よりいっそう適した 方式といえよう。その反面、記述対象資料に収録されている著作の第一義的な責任の 所在は示されない。 4