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アジア新興国におけるグリーン建材普及 のための建材規格

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アジア新興国におけるグリーン建材普及 のための建材規格
平成 23 年度中小企業支援調査
アジア新興国におけるグリーン建材普及
のための建材規格・標準化動向の基礎調査
平成 24 年 3 月
株式会社野村総合研究所
目 次
1
調査概要 .................................................................. 4
1.1.
背景と目的 ........................................................................................................... 4
1.2.
調査内容と実施方法 ............................................................................................. 4
1.3.
調査対象 ............................................................................................................... 6
【中国編】 .................................................................... 7
2
建材に関する国家規制・規格の概要、業界(団体)規格、認証制度等の内容 ............ 7
2.1.
2.1.1.
規格制度............................................................................................................ 7
2.1.2.
認証制度.......................................................................................................... 12
2.2.
規格全般.......................................................................................................... 14
2.2.2.
建材関連規格 .................................................................................................. 17
建築規制と規格との関係性 ............................................................................ 20
2.3.2.
建材に関する主要な規格 ................................................................................ 21
2.3.3.
建材に関する主要認証制度 ............................................................................ 29
グリーン建材及び住宅設備機器分野における環境・省エネ関連規制などの実態 ......... 30
6
環境・省エネ関連規制 ....................................................................................... 30
3.1.1.
気候区分.......................................................................................................... 30
3.1.2.
住宅の省エネ設計基準の概要 ......................................................................... 31
3.1.3.
業務用ビルの省エネ設計基準の概要 .............................................................. 32
3.2.
5
建材関連の主要な規制・規格・認証制度の内容 ............................................... 20
2.3.1.
3.1.
4
規格の策定に係る関係主体とプロセス .............................................................. 14
2.2.1.
2.3.
3
規格・認証制度の概要 ......................................................................................... 7
環境・省エネに関する認証制度......................................................................... 34
3.2.1.
Ⅰ型・Ⅱ型環境標識 (工業製品全般を対象)............................................ 34
3.2.2.
グリーン建材マーク (建材を対象) .......................................................... 36
3.2.3.
グリーン建築表示制度 (建築物全体を対象)............................................ 38
現地の建材及び住宅設備機器関連試験機関の現状と動向......................... 41
4.1.
各試験機関(国家・地方・民間等)の位置付け ............................................... 41
4.2.
主要試験機関の概要 ........................................................................................... 42
現地の建材及び住宅設備機器産業の実態 ...................................... 46
5.1.
住宅の市場規模 .................................................................................................. 46
5.2.
建材及び住宅設備機器の生産規模 ..................................................................... 46
5.3.
建材市場関連情報の取得元 ................................................................................ 47
調査結果のまとめ........................................................... 49
【ベトナム編】 ............................................................... 51
7
建材に関する国家規制・規格の概要、業界(団体)規格、認証制度等の内容調査 ....... 51
7.1.
8
9
規格・認証制度の概要 ....................................................................................... 51
7.1.1.
規格制度.......................................................................................................... 51
7.1.2.
認証制度.......................................................................................................... 52
7.2.
規格策定に係る関係主体とプロセス ................................................................. 53
7.3.
建材関連の主要な規制・規格・認証制度の内容 ............................................... 56
7.3.1.
建築規制と規格との関係性 ............................................................................ 56
7.3.2.
建材に関する主要な規格・認証制度 .............................................................. 57
グリーン建材及び住宅産業機器分野における環境・省エネ関連規制などの実態 .... 64
8.1.
環境・省エネ関連規制 ....................................................................................... 64
8.2.
省エネ認証制度(製品ラべリング制度) .......................................................... 64
8.3.
グリーン建築表示制度(構造物対象) .............................................................. 65
現地の建材及び住宅設備機器関連試験機関の現状と動向 ........................ 66
9.1.
試験機関等の位置付け ....................................................................................... 66
9.2.
主要試験機関の概要 ........................................................................................... 68
10 現地の建材及び住宅設備機器産業の実態 ...................................... 70
10.1.
住宅の市場規模 .................................................................................................. 70
10.2.
建材及び住宅設備機器の生産規模 ..................................................................... 71
10.3.
建材市場関連情報の取得元 ................................................................................ 72
11 調査結果のまとめ........................................................... 73
【提 言】 ................................................................... 75
【結 語】 ................................................................... 78
1
調査概要
1.1. 背景と目的
'調査の背景(
我が国における世帯数は 2015 年をピークに今後減少すると予想されており、日本の住宅建材・窯
業産業は、人口増加とともに、好調な経済成長を遂げるアジア新興国への事業展開を志向している。
その中で、日本の安全性・快適性・省エネ性・省資源性等に優れた良質な工業化建材'以下「グリー
ン建材」(を、アジア市場で普及させるためには、日本とアジア各国との建材の規格・標準に関する情
報交流を通じて、日系建材メーカーにおける情報の集積・共有及び建材規格の国際的な調和を図る
必要がある。また、アジア各国における建材の性能試験規格等には、国家規格が存在しない等の状
況も見受けられ、その規格・標準を補足する基礎資料や適用状況に関する情報も不足している。
こうした状況において、我が国が強みを持つグリーン建材の技術が適正に評価されるよう、その性
能試験規格の開発・普及を日本がリードすることができれば、日本製グリーン建材の競争優位性が発
揮されうる。
'調査の目的(
上記の背景を踏まえて、本調査事業では、アジア主要国の国家規格等が定める性能等級を実現
できる具体的な仕様の明確化とともに、日本の高品質・高性能なグリーン建材の優位性を示すための
データの充実や、性能を確保するための標準ディテールの充実に資することを目的に、アジア主要
国における建材の規制・規格・認証制度等の情報収集、現状把握及び包括的な現状分析を行った。
1.2. 調査内容と実施方法
本調査における調査内容は以下の 4 項目である。
1(建材に関する各国の国家規制・規格の概要、業界'団体(規格、認証制度等の内容
各国における規格制度の概要を文献調査'インターネットベースの論文検索、規格協会や関
連政府機関、関連業界団体等のウェブサイト検索等(、主に政府機関へのヒアリング等を通じて
調査した。具体的な内容としては、規格の内容や策定プロセス、関連機関の概要等である。
2( グリーン建材及び住宅設備機器分野における環境・省エネ関連規制などの実態
各国において環境・省エネ関連規制などの概要と建材規格との関連性について調査した。
具体的には、住宅・業務用ビルの省エネ設計基準やエコマーク等の仸意の環境認証制度に
ついて、インターネット及び文献リサーチを通じて調査を実施した。
3( 現地の建材及び住宅設備機器関連試験機関の現状と動向
現地の政府機関・民間企業等へのヒアリング及びインターネットリサーチにより、各国におけ
る試験機関の位置づけや役割等について調査した。
4
4( 各国の建材及び住宅設備機器産業の実態
インターネットリサーチ及び現地政府機関等へのヒアリングを通じて、各国における建材・住
宅設備機器市場の動向に関する統計やデータの整備状況を調査した。
上記の調査項目1(から4(の内容を踏まえ、有識者ヒアリングを通じて、とりまとめと提言を行った。
本調査の全体像を以下に記す。
図表 1.2.1 本調査の全体像
調査内容
1(建材に関する各国の国家規制・
規格の概要、業界'団体(規格、認
証制度等の内容
2(グリーン建材及び住宅設備機
器分野における環境・省エネ関連
調査項目
調査方法
・ 規格・認証制度の概要
・ 規格の策定に関わる関係主体とプロセス
・ 建材関連の主要な規制・規格・認証制度の
内容
・ 環境・省エネ関連規制
・ 環境・省エネに関する認証制度
規制などの実態
・ 文献、インターネット
リサーチ
・ 有識者ヒアリング'国
3(現地の建材及び住宅設備機器
・ 各試験機関'国家・地方・民間(の位置付け
関連試験機関の現状と動向
・ 主要試験機関の概要
4(各国の建材及び住宅設備機器
・ 住宅の市場規模
産業の実態
・ 建材及び住宅設備機器の生産規模
5
内、現地(
1.3. 調査対象
調査対象とする国については、建材市場の規模や日系建材メーカーの進出状況、業界団体等か
らの要望等を踏まえ、中国とベトナムを選定した。
また、調査対象とする建材・住宅設備機器は以下の通りである。
図表 1.3.1 本調査における対象建材・住宅設備機器
分類
建材・住宅設備機器製品
1.断熱材
繊維系、発泡系等
2.外装材
窯業系サイディング、外壁タイル、耐火被覆材等
3.開口部
ガラス、サッシ、カーテンウォール、窓シャッター等
4.内装材
床材、壁材、天井材、不燃ボード、繊維板、間仕切り等
5.衛生陶器・バス
トイレタリー、浴槽、洗面化粧台等
6
【中国編】
【中国編】
2
建材に関する国家規制・規格の概要、業界(団体)規格、認証制度等の内容
2.1. 規格・認証制度の概要
2.1.1.
規格制度
中国には、「中華人民共和国標準化法1」に基づき、4 種類の規格制度が存在する。それらは国家
規格、業界規格、地方規格、企業規格と呼ばれ、それぞれの規格コードは GB、JC/JG'業界毎にコ
ードは異なり、建材に係るコードは JC 及び一部 JG である(、DB、Q で始まる。
国家規格、業界規格及び地方規格は、強制規格と仸意規格に分類され、仸意規格の規格コードに
は「/T」というコードが付される'例えば、仸意の国家規格であれば「GB/T xxxxx」(。
中国において強制規格が策定される要件は、以下の通りである。
① 国家の安全
② 人体の健康と安心・安全の保証
③ 製品及び製品製造・輸送・使用中の安全・衛生・環境保護など
④ 建築工程の品質・安全・衛生・環境保護など
⑤ 汚染物排出制限値と環境
⑥ 動植物の生命の安全及び健康の保護
⑦ 悪徳商法防止・消費者権益の保護
⑧ 国家の管理上必要とする重要な製品技術
中国における各種規格制度の概要を以下に整理する。
1
「中華人民共和国標準化法」は、工業製品、環境保護、建築工程及びそのための技術用語、符号、製図方法等にお
いて、統一する必要がある技術要求を明文化すべきことを規定している法律である。
7
【中国編】
図表 2.1.1 中国における各種規格制度の概要
規格コード
位置付け
策定機関
備考
・ 約50%の国家規格が
国
家
規
格
GB+*'強制(
GB/T+*'仸意(
国家標準化管理委員会
全国規模で統一が必要
'Standardization
な技術要件等に対して策
Administration of
定
China – SAC)
国際規格や他国の国
家規格を踏襲した規
格である
・ 中国政府は上記の割
合をさらに増加させる
方針
業
界
規
格
業界毎に設定'建材
全国規模では規格が設
関係は JC 及び一部
定されていないが、業界
JG(
内において統一した技術
“/T”が付く場合
要件が必要な場合に策
は仸意
定
各業界における関連行政
国家及び業界規格が設
地
方
規
格
DB+*'強制(
DB+*/T'仸意(
*は地域別番号
主管担当部門
等の国家規格が策定
'SAC へ届出を行う必要
された場合、同業界
あり(
規格は廃止される
各省・直轄市・自治区の
定されていないが、省、
自治区、直轄市において
工業製品の安全・衛生基
準の統一が必要な場合
に策定
・ 地方規格の内容と同
標準化行政主管担当部
等の国家及び業界規
門
格が策定された場
'SAC へ届出を行う必要
合、同地方規格は廃
あり(
止される
・ 各企業は可能な限り
国家、業界及び地方規格
企
業
規
格
・ 業界規格の内容と同
国家、業界、地方規
Q+*
が設定されていない場
*は企業別番号
合、個別企業が策定可能
個別企業
な規格
格のいずれかを採用
することが推奨されて
いる
出所(中国国家標準化委員会、American National Standard Institute ウェブサイト等より NRI 作成
1(国家規格
全国的規模で統一が必要な技術要件に対して、国務院の標準化行政主管担当部門によって国家
規格が策定される。
2006 年末の時点で、中国における国家規格の内、約 14%にあたる 3,000 件程度が強制規格で、
残りの約 86%'18,000 件程度(が仸意規格となっている。
また、中国の国家規格は、総じて ISO'国際標準化機構 – International Organization for
Standardization(や IEC'国際電気標準会議 – International Electronical Comission(等の国
際規格、あるいは欧米や日本など他国の規格をベースに、オリジナルの要素を加えている場合が多
8
【中国編】
い。2006 年末時点で、全体の約 47%に当たる 9,931 件の国家規格が ISO、IEC 等の国際規格か、
EN'欧州規格 - European Standard(等の他国の規格を参照している'図表 2.1.2(。
図表 2.1.2 中国の国家規格への国際規格等の参照状況2
出所(中国家標準化委員会ウェブサイトより NRI 作成
なお、国家規格の見直し期間は明確に定めておらず、適合性の観点から国際規格が見直された
場合や、国内事情を考慮した見直しが必要な場合等に検討される。
2(業界規格
国家規格にはない3が、業界内で統一が必要な技術要件に対して、国務院の関連行政主管担当部
門'建設部住宅産業化促進センター等(によって業界規格が策定され、標準化行政主管担当部門に
届出が行われる。通常、業界規格と同じ内容の国家規格が公布されると、当該規格は即時に廃止さ
れる。
業界規格については、中国国内の 58 種類の業界に対して個別の規格コードを割り振っており、建
材については主に JC'Building materials(、及び一部 JG'Construction industry(規格として策
定されている。
中国における業界別の規格コードを下表に記す。
EN 規格についてはその他に含まれる
国家規格にする必要がないケースや、技術進歩の途上にあり国家規格にするための技術要件が定まっていな
いケースなど、様々なケースが想定される。
2
3
9
【中国編】
図表 2.1.3 中国における業界別の規格コード一覧
Code
Content
Code
Content
Code
Content
BB
Packaging
JC
Building materials
SJ
Electronics
CB
Ship
JG
Construction
SL
Water resources
SN
Commodity
industry
CH
Surveying
JR
Finance
inspection
CJ
Urban construction
JT
Communication
SY
Petroleum gas
CY
Press and
JY
Education
SY(>10000)
Oceanic petroleum
publication
DA
Archives
gas
LB
Tourism
TB
Railways
transportation
DB
Earthquake
LD
Labor and labor
TD
Land administration
safety
DL
Power
LY
Forestry
TY
Sport
DZ
Geology mineral
MH
Civil aviation
WB
Goods
EJ
Nuclear industry
MT
Coal
WH
Culture
FZ
Textiles
MZ
Civil affairs
WJ
Civil products from
arms industry
GA
Public security
NY
Agriculture
WM
Foreign trade
GY
Radio, film & TV
QB
Light industry
WS
Hygiene
HB
Aviation
QC
Automobiles
XB
Rare earth
HG
Chemical Industry
QJ
Space
YB
Ferrous metallurgy
HJ
Environmental
QX
Meteorology
YC
Tobacco
Protection
HS
Customs
SB
Commerce
YD
Telecommunication
HY
Ocean
SC
Water product
YS
Non-ferrous
metallurgy
JB
Machinery
SH
Petrol chemical
YY
Medicine
YZ
Posts
industry
出所(American National Standard Institute ウェブサイト等より NRI 作成
10
【中国編】
3(地方規格
国家規格及び業界規格が無く、また省、自治区、直轄市内で統一が必要な工業製品の技術要件と
して、省、自治区、直轄市の標準化行政主管担当部門により地方規格が定められ、国務院の標準化
行政主管担当部門及び関連行政主管担当部門に届出が行われる。通常、地方規格と同じ内容の国
家規格あるいは業界規格が公布されると、当該規格は即時に廃止される。
4(企業規格
中国においては、国家規格、業界規格、地方規格が策定されていない技術要件について、企業が
独自の企業規格を策定することが可能である。ただし、国内の企業は既存の国家規格、業界規格、
地方規格に極力合わせることを推奨されている。
11
【中国編】
2.1.2.
認証制度
中国における工業化製品を対象とする強制的な認証制度として、CCC'China Compulsory
Certification – 中国強制認証(制度が挙げられる。主に人体の健康と安全、動植物の生命と健康、
環境保護及び公共の安全に関わる工業化製品等を認証制度の対象としている。
国は認証制度の対象製品について「中華人民共和国による強制型商品認証実施に関する製品リ
スト」を公布し、国家規格、技術規則及び実施プロセスを定めることで統一的な運用を図っている。同
リストに挙げられた製品は、国の指定認証機関が発行する証明書を取得し、認証ラベルを表示した上
で製品の出荷、販売、輸入及び営業活動が可能となる。
CCC 認証の取得・運用プロセスは以下の通りである。
1.
製品の認証申請
2.
製品のサンプル試験
3.
工場の品質保証能力の検査
4.
認証結果の評定及び証明書の発行
5.
製品認証ラベルの購入及び使用
6.
証明書取得後の監督
CCC 制度の運用に関与する政府機関として、中国国家質量監督検験検疫総局と国家認証認可監
督管理委員会が挙げられる。前者は CCC 制度の規定の作成や対象製品リストの承認等の役割を、
後者は対象製品のリスト立案、認証機関や試験機関の指定等の役割を担う。それらに加え、中国品
質認証センターや国家建材試験認証センターなどの製品認証機関が複数存在する。
CCC 制度の概要を下表に示す。
12
【中国編】
図表 2.1.4 CCC 制度の概要
出所(JETRO 「中国における省エネ・エコ建材市場参入可能性調査」等より NRI 作成
13
【中国編】
2.2. 規格の策定に係る関係主体とプロセス
2.2.1.
規格全般
1(関係主体
中国において、規格の策定に関与している主要な関係主体は、中国国家質量監督検験検疫総局、
国家標準化管理委員会、標準化技術委員会等である。特に標準化技術委員会が中心となって規格
の素案を作成するため、規格策定の上で非常に重要な役割を担っている。標準化技術委員会を構成
するメンバーは、関連民間企業をはじめ業界団体、学識経験者など多岐に渡る。
国家規格の策定に関与する機関及びそれらの役割を以下に記す。
図表 2.2.1 国家規格の策定に関与する主な機関
出所(各関係組織ウェブサイト, American National Standard Institute ウェブサイト等より NRI 作成
14
【中国編】
図表 2.2.2 国家規格の策定に関与する主な機関の役割
組織名
役割
①
中国国家质量监督检验检疫总局
・ ②~⑤の組織の全体管理
中国国家質量監督検験検疫総局
・ URL: http://www.aqsiq.gov.cn
(AQSIQ)
・ 標準化に関する法律、規則の立案/実施、技術業務及び標準化技術委
員会の協調と管理
②
国家标准化管理委员会
国家標準化管理委員会
(SAC)
・ 国家規格の制定、修正及び国家規格の統一審査、許可、番号指定、公布
・ 業界、地方規格業務の協調と指導
・ 国際標準化機構'ISO(、国際電気標準会議'IEC)及びその他国際会議に
出席
・ URL: http://www.sac.gov.cn/
・ 国民経済と社会発展における総合的な標準化問題の研究、総合基礎標
③
中国标准化研究院
中国標準化研究院
(CNIS)
準を研究
・ 中国の技術進歩、産業の拡大、製品品質向上などを支援し、政府の標準
化政策の決定に科学的根拠を提供
・ URL: http://www.cnis.gov.cn/
・ 中国の技術進歩、産業の拡大、製品品質向上などを支援し、政府の標準
④
标准化技术委员会
標準化技術委員会
(TC)
化政策の決定に科学的根拠を提供
・ 国家規格の新しい項目の提案、規格素案の作成、意見聴取などを実施
・ URL: http://www.sactc249.com/
'例:全国建築衛生陶器標準化技術委員会の URL(
・ 国家規格の制定に自発的に協力する個人及び組織が集まった非政府組
⑤
中国标准化协会
中国標準化協会
(CAS)
織
・ 標準化に関する政策、法律、規制、技術課題等の調査及び情報の提供
・ 国家規格及び検討中の規格について周知活動を実施
・ URL: http://www.china-cas.org/
出所(各関係組織ウェブサイト, American National Standard Institute ウェブサイト等より NRI 作成
2(策定プロセス
中国における国家規格の策定プロセスを以下に記す。
はじめに、業界団体や民間企業、学識経験者等で構成される標準化技術委員会において、研究
成果等に基づき新たな規格の素案を作成し、国家標準化管理委員会の傘下の主管担当機構に規格
策定の提案が行われる。次に、標準化技術委員会を通して、素案の作成に関与しなかった企業/機
関に対して意見聴取が行われる。それらの意見を踏まえて、素案の質をより向上させる。最終的には
国家標準化管理委員会の傘下の主管担当機構が当該規格の素案を批准し、一般に公布する。
業界規格の策定プロセスは、策定主体が国務院の関連行政主管担当部門である点を除いて、国
家規格の策定プロセスと基本的に共通する。
15
【中国編】
図表 2.2.3 中国における国家規格の策定プロセス
出所(独立行政法人 科学技術振興機構ウェブサイト
16
【中国編】
2.2.2.
建材関連規格
1(関係主体
建材関連の規格策定に係る関係主体として、標準化技術委員会'構成員は民間企業、業界団体、
学術経験者等(、政府主管担当機構、国家標準化管理委員会が挙げられる。
標準化技術委員会は、建築材料連合会'業界団体(や中国建築材料科学研究総院'政府系研究
機関(等の中に設置されることが多く、標準化技術委員会の傘下に、建材毎の標準化技術委員会が
設置されている。
例えば、政府系研究機関である中国建築材料科学研究総院の標準化技術委員会の傘下には、セ
メント、建築物用ガラス、衛生陶器用セラミック、壁・屋根・道路用材料など 11 の建材に係る標準化技
術委員会が設置されている。
図表 2.2.4 中国建築材料科学研究総院傘下に設置されている標準化技術委員会
全国水泥标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Cement
全国セメント標準化技術委員会
全国建筑用玻璃标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Architectural Glass
全国建築用ガラス標準化技術委員会
全国建筑卫生陶瓷标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Sanitary Ceramics
全国建築衛生陶器標準化技術委員会
全国墙体屋面及道路用建筑材料标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee of Building Materials for Wall, Roof and Road
全国壁、屋根、道路用建材標準化技術委員会
全国钟表标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Horologe
全国時計標準化技術委員会
标准化技术委员会
Standardization Technical
Committees
標準化技術委員会
全国轻质新型建筑材料标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Lightweight and New Building Materials
全国軽量および新建材標準化技術委員会
全国汽车标准化技术委员会/ 安全玻璃分枝术委员会
National Standardization Technical Committee for Motorcar / Safety Glass
Branch of Standardization Technical Committee
全国自動車標準化技術委員会 安全ガラス分会委員会
全国轻工机械标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Machinery for Light Industry
全国軽工業機械標準化技術委員会
全国纤维增强塑料标准化技术委员会
National Standardization Technical Committee for Fiber Reinforced Plastics
全国繊維強化プラスチック標準化技術委員会
全国工业玻璃和特种玻璃标准化技术委员会
Technical Committee on Industry Glass and Special Glass Standardization Administration of China
全国工業ガラス及び特殊ガラス標準化技術委員会
建材行业环境友好与有益健康建筑材料标准化技术委员会
Standardization Committee for environmentally friendly and healthy beneficial building materials
環境・人体配型建材標準化技術委員会
出所(中国建築材料科学研究総院資料
建材関連の規格を策定する際は、基本的に建設部が関連政府主管担当機構としての役割を果た
すが、建材関連の規格でも、国家発展改革委員会が担当するケースもある。建設部住宅産業化促進
センターへのヒアリングによると、策定する規格の内容によってどこの政府機構が担当するかという明
17
【中国編】
確な基準があるわけではなく、規格策定を検討する際に中国国家質量監督検験検疫総局が担当す
る政府機構を指名するとのことである。
また、建材の規格策定には、建築材料連合会が積極的に関与している。同機関の主な役割は、
建材業界の発展のためのサービス提供、新しい規格等の定義、市場管理、企業活動支援等であ
る。建築材料連合会は民間企業からの依頼を受け、新規規格の申請手続き等を実施する一方、
様々な技術に関して知見が深いため、国家標準化管理委員会の依頼により専門家として新規の
規格策定に関して意見を提出する場合もある。
2(策定プロセス
中国において新規に建材に関する国家規格を策定するためには、標準化技術委員会が規格の素
案を建設部標準定額司へ提出し、建設部から国家標準化管理委員会へ提出する必要がある。
規格の素案の提出は、建材メーカーのみでも可能'外資系建材メーカーも可(であるが、通常は建
築材料連合会や中国建築材料科学研究総院など、規格素案の作成・提出について実績がある機関
と協力し、その機関の名義で提案することが多い。そのため、標準化技術委員会は建築材料連合会
や中国建築材料科学研究総院などの傘下に設置される。
規格の素案を作成する際には、幅広い角度から規格の内容を検討するため、規格の対象となる製
品の建材メーカーに加えて、類似製品を製造する建材メーカーも標準化技術委員会に招集され、意
見交換への参加を要請される。なお、規格素案の策定に関与するメーカーは、数万元単位の参加費
用を支払うこともあるとのことである。
建材関連の国家規格の策定プロセスを以下に整理する。
① 建築材料連合会や中国建築材料科学研究総院等に相当する機関の傘下に設置される標
準化技術委員会'構成員は民間企業、業界団体、学術経験者等(において、規格の素案を作
成する
② 作成された規格の素案は標準化技術委員会より建設部標準定額司へ提出される
③ 建設部標準定額司へ提出された規格は、建設部内部において審査及び精査される
④ 当該規格素案の最終版を建設部より、国家標準化管理委員会に提出する
18
【中国編】
図表 2.2.5 中国における建材関連国家規格(素案)の策定プロセス
出所(中国建設部住宅産業化促進化センターヒアリングより NRI 作成
3(外資系建材メーカーの関与
前述の標準化技術委員会には、外資系建材メーカーも参加が求められ、自国の規格について情
報提供を求められている場合もある。今回の調査で実施したヒアリングでは、日系建材メーカーも、国
家規格の策定における標準化技術委員会において、JIS の情報提供を求められたとのことである。し
かしながら、当該規格の策定において、最終的な規格内容を確定する段階においては、関与するこ
とができなかったとのことである。
19
【中国編】
2.3. 建材関連の主要な規制・規格・認証制度の内容
2.3.1.
建築規制と規格との関係性
中国の建築法規体系は建築法律、建築行政法規、建築部門規制、地方建築法規、地方建築規定
により構成されている。
建築法律、建築行政法規、建築部門規則には行政管理と審査賞罰等のみが定められており、技術
要求は含まれていない。技術要求については、建築法規とは別に、規格として位置づけられる「工程
建設標準」で定められている4。なお、日本の建築法規体系では、法、施行令、施行規則にて、行政
管理、審査賞罰、設計施工の技術規定が全て含まれている5。
中国の建築技術要求においては、建築の種類に関係なく利用する規格、建築種類別に利用する
規格、必要に応じて利用する規格の 3 種類の規格が存在する。建築の種類に関係なく利用する規格
として「民用建築通則」、「建築設計防火規範」、「高層民用築設計防火規範」等がある。これらは、建
築設計において重要な規格として位置づけられる。建築種類別に利用する規格には、「住宅設計規
範」、「ホテル設計規範」、「総合医院設計規範」等があり、必要に応じて利用する規格には、「民用建
築防音設計規範」、「建築採光設計規範」等がある。
工程建設標準は 1989 年 4 月 1 日以前まで、○○標準、○○規範、○○基準、○○規程等という名称であった
が、標準化法により国家規格、業界規格、地方規格へと規定された。
5 中国の工程建設標準の内容は、日本の建築基準法における建築技術の基準規定と同等の内容である。
4
20
【中国編】
2.3.2.
建材に関する主要な規格
1)強制規格
建材について制定されている規格は、一部が強制規格であるものの、大半は仸意規格である。
建材に関する主要な強制規格を以下に記す。
図表 2.3.1 建材に関する主要な強制規格
分類
耐火性能
規格番号
GB
Classification for Burning Behavior of Building Materials and Products
8624-2006
建材の燃焼挙動の等級分類
GB
Limits of radionuclides in building materials
6566-2010
建材の放尃性核種の制限
GB
Indoor decorating and refurbishing materials-Limit of formaldehyde
18580-2001
内装と改装材料 - ホルムアルデヒド限界
GB
18581-2009
GB
18582-2008
有害物質
の許容範
囲
規格名称
Indoor decorating and refurbishing materials—Limit of harmful substances of solvent
based coatings for woodenware
室内装飾と改装用材料 - 木製機具の溶剤型塗料の有害物質限界
Indoor decorating and refurbishing materials - Limit of harmful substances of interior
architectural coatings
室内装飾と改装用材料 - 室内の建築用塗料の有害物質限界
GB
Indoor decorating and refurbishing materials - Limit of harmful substances of adhesives
18583-2008
室内装飾と改装用材料 - 接着剤の有害物質限界
GB
18584-2001
Indoor decorating and refurbishing materials-limit of harmful substances of wood based
furniture
室内装飾と改装用材料 - 木製家具の有害物質限界
GB
Indoor decorating and refurbishing materials-Limit of harmful substances of wallpapers
18585-2001
室内装飾と改装用材料 - 壁紙の有害物質限界
GB
18586-2001
Indoor decorating and refurbishing materials-Limit of harmful substances of polyvinyl
chloride floor coverings
室内装飾と改装用材料 - ポリ塩化ビーニル製床仕上げ材
Indoor decorating and refurbishing materials-Limitations of harmful substances emitted
GB
from carpets,carpet cushions and adhesives
18587-2001
室内装飾と改装用材料 - カーペット、カーペットクッション、接着剤から放出される有
害物質の限界
GB
Limit of ammonia emitted from the concrete admixtures
18588-2001
コンクリート混合物から放出されるアンモニアの限界量
出所(国家標準化管理委員会ウェブサイト
建材に関する主要な強制規格として、建材の防火性能を定めている GB8624-2006 と、建材内の
放尃能物質の許容量を定めている GB 6566-2010 や GB18580-2001 から 18588-2001 等が挙げら
れる。
GB 8624 は、建材の防火性能の分類を定義している。建材の防火性能を試験するための方法は
21
【中国編】
他の規格で規定されており、GB 8624 内でそれら試験方法の規格が参照されている。例えば、不燃
性試験は GB/T 5464、燃焼試験は GB/T 8626 が該当する。
有害物質に関する強制規格である GB 18580 は、主に木材を使用したパネルや室内装飾のため
に使用される製品'床板や壁板を含む(について、ホルムアルデヒド放出の基準値、試験方法及び試
験規則を規定している。また、ポリウレタン、ニトロセルロース、アルキド等、人体に影響を与える有害
物質の許容限度の基準値、試験方法、検査規則、梱包方法等も規定している。GB 18581 から
18588 についても、GB 18580 と同様に有害物質に関する基準を規定している。
GB8624-2006 の目次構成及び内容を以下に記す。
図表 2.3.2 GB8624-2006 「建材の燃焼挙動の等級分類」の概要
章
目次'英語(
目次'日本語(
1
Scope
範囲
2
Normative Reference
引用規格
3
Terms, Definitions and Symbols
用語、定義、記号
4
Class of Reaction to Fire
Performance
内容
対象となる建材を定義
試験方法の規格、その他参照された国際規格等を
整理
同規格内における専門用語や記号の定義
等級分類別に実施する試験方法及び等級分類基
防火性能の等級分類
準を表で整理
床材以外と床材を別々に 5 章~11 章の内容を整理
試験方法を定義する規格及び試験概要を記載
5
Test Methods
'実施試験は不燃性試験、燃焼熱量試験、着火性
試験方法
試験、床材の放尃熱源を用いた際の燃焼挙動試
験、燃焼時に発する煙の毒性試験等(
6
7
Principles for Testing and
試験及び試験サンプ
Specimen Preparation
ルの原則
Number of Tests for
等級分類に必要な試
Classification
験量
Testing of Construction
8
Products,
Excluding Floorings
9
Testing of floorings
Classification Criteria for
10
Construction Products,
Excluding Floorings
11
12
13
14
Classification Criteria for
Floorings
Presentation of Classification
Field of Application of the
Classification
Classification Report
床材以外の建築製品
の試験
試験及び試験サンプルに要求される事項を記載
各試験について必要な試験量について文章を記載
等級分類ごとに実施する試験内容の概要を文章に
て記載
また、それに付随して、煙の排出量・速度及び煙の
有毒性等に関する等級を分類する際に必要な試験
床材の試験
を記載
床材以外の建築製品
等級分類ごとに必要となる試験結果の概要を記載
の等級分類基準
また、それに付随して、煙の排出量・速度及び煙の
有毒性等に関する等級を分類する際の試験結果を
床材の等級分類基準
記載
等級分類の表示方法
等級分類の表示形式のテンプレートを記載
等級分類の利用分野
等級区分の利用分野について言及
等級分類レポート
22
等級分類レポートのフォーマットに関する説明を記
載
【中国編】
2)任意規格
国 家 規 格 管 理 委 員 会 の ウ ェ ブ サ イ ト に お い て 、 各 種 建 材 の ICS コ ー ド ' International
Classification for Standards – 国際規格分類、詳細は後述(をキーとして仸意規格を検索した際
に検出される規格を以下に記す。
本調査の対象となっている建材については、仸意規格が概ね整備されており、断熱材、ガラス、床
材・壁材・天井材等については特に仸意規格が充実している。
図表 2.3.3 中国における各種建材の主要な任意規格
分
類
建
材
製
品
規格番号
GB/T
16400-2003
GB/T
23615.1-2009
GB/T 25975-2010
GB/T 25997-2010
GB/T 26000-2010
GB/T 25996-2010
GB/T 10699-1998
1
.
断
熱
材
繊
維
系
・発
泡
系
GB/T 10303-2001
GB/T 19686-2005
GB/T 20473-2006
GB/T 20974-2007
GB/T 11835-2007
GB/T 5480-2008
GB/T 5486-2008
GB/T 17371-2008
GB/T 13350-2008
GB/T 17795-2008
規格名称
Aluminum silicate wool and it’s products for thermal insulation
ケイ酸アルミニウム素材のウールとその素材の断熱用製品
Accessorial material for architectural aluminum alloy profiles - Part 1: Thermal barrier
strip of polyamide
建築用アルミニウム合金の補助材ーパート1:ポリアミドの断熱ストリップ
Rock wool products for exterior insulation and finish systems(EIFS)
外断熱のロックウール製品と仕上げシステム'EIFS(
Polyisocyanurate products for thermal insulation
断熱用ポリイソシアヌレート製品
Thermal insulating mortar mixed with expanded and vitrified beads
発泡・ガラス化ビード混合断熱モルタル
Test method for thermal insulations on external stress corrosion cracking of austenitic
stainless steel
オーステナイトステンレス鋼の応力腐食亀裂の断熱材の試験法
Calcium silicate insulation
ケイ酸カルシウム断熱材
Expanded perlite thermal insulation
膨張パーライト断熱材
Rock wool, slag wool thermal insulating products for building
建築用ロックウールスラグウール断熱材製品
Dry mix thermal insulating composition for buildings
建築用乾燥断熱混合物組成
Rigid phenolic foam for thermal insulation(PF)
断熱用硬質フェノール樹脂フォーム'PF(
Rock wool , slag wool and it’s products for thermal insulation
ロックウール、スラグウール断熱材とその製品
Test methods for mineral wool and its products
ミネラルウールとその製品の試験法
Test methods for inorganic rigid thermal insulation
無機硬質断熱試験法
Silicate compound plaster for thermal insulation
断熱用ケイ酸石こう化合物
Glass wool and their products for thermal insulation
グラスウール断熱材とその製品
Glass wool thermal insulating products for building
建材用グラスウール断熱材製品
23
【中国編】
GB/T
17794-2008
GB/T
23932-2009
GB/T
10299-1988
GB/T
20312-2006
GB/T
19687-2005
Preformed flexible elastomeric cellular thermal insulation
予備成型弾性・気泡断熱材
Double skin metal faced insulating panels for building
ダブルスキン金属表面仕上げ建築用断熱パネル
Test method for hydrophobic nature of thermal insulation
断熱材の疏水性の試験方法
Hydrothermal performance of building materials and products - Determination of
hygroscopic sorption properties
建材の温湿度性能 - 吸湿吸着特性の測定
Determination of the long-term change in thermal resistance of closed-cell
plastics(accelerated laboratory test methods)クローズド・セルプラスチックの耐熱性の長期
的変化の測定'加速臨床検査法(
窯
デ業
ィ 系
ン サ
グ
イ
2
.
外
装
材
外
壁
タ
イ
ル
N/A
GB/T
4100-2006
Ceramic tiles
セラミックタイル
GB/T
23266-2009
GB/T
3810-2006
Ceramic board
セラミック基板
Test methods of ceramic tiles
セラミックタイルの試験法
耐
火
被
覆
材
ガ
ラ
ス
(窓
)
3
.
開
口
部
サ
ッ
シ
カ
ー
テ
ン
ウ
ォ
ー
ル
N/A
GB/T
11976-2002
Graduation and test method of daylighting properties for windows
窓の採光性最終製品試験方法
GB/T
8485-2008
GB/T
8478-2008
GB/T
8378-1987
GB/T
9158-1988
The graduation and test for airborne sound insulating properties of windows and doors
窓およびドアの遮音性能最終試験
Aluminium windows and doors
アルミニウム窓および扉
Test methods for fittings of solid web steel frame
ソリッドウェブ鋼枞のフィッティング試験方法
Mechanical test methods for windows
窓の機械的検査方法
GB/T
8377-1987
Technical requirements for fittings of solid web steel frame
ソリッドウェブ鋼枞のフィッティングの技術要件
GB/T
8378-1987
GB/T
8376-1987
Test methods for fittings of solid web steel frame
ソリッドウェブ鋼枞のフィッティングの試験方法
Basic dimensions for fittings of solid web steel frame
ソリッドウェブ鋼枞のフィッティングの基準寸法
GB/T
15227-2007
Test method of air permeability, water tightness, wind load resistance performance for
curtain walls
カーテンウォールの通気性、水密性、風荷重耐性の性能試験方法
GB/T
21086-2007
GB/T
17748-2008
Curtain wall for building
建物用カーテンウォール
Aluminum-plastic composite panel for curtain wall
カーテンウォール用アルミ・プラスチック合成パネル
24
【中国編】
窓
シ
ャ
ッ
タ
ー
4
.
内
装
材
5
.
衛
生
陶
器
・バ
ス
床
材
、
壁
材
、
天
井
材
、
間
仕
切
り
GB/T
20909-2007
Steel doors and windows
鋼製扉と鋼製窓
GB/T
23449-2009
Hollow concrete panel contained solid wastes for partition wall
固形廃棄物含有間仕切り壁用中空コンクリートパネル
GB/T
23450-2009
GB/T
23451-2009
GB/T
22412-2008
Heat insulation panels for partition wall used in buildings
建物用間仕切り壁用断熱パネル
Light weight panels for partition wall used in buildings
建物用間仕切り壁用軽量パネル
Paper base petroleum asphalt felt
紙ベース石油アスファルトフェルト
Aluminum-plastic composite panel for ordinary decoration
通常装飾用アルミ・プラスチック合成パネル
GB/T
24137-2009
GB/T
26001-2010
Wood-plastic composite decorative boards
木材・プラスチック合成装飾用ボード
Fired paving units
焼成舗床ユニット
GB 326-2007
ー不
ド 燃
ボ
N/A
繊
維
板
N/A
ト
イ
レ
タ
リ
ー
、
浴
槽
GB/T
9195-1999
Classification and terms of ceramic tiles and ceramic sanitary wares
セラミックタイルとセラミック衛生陶器の分類と定義
GB/T
12956-2008
Fixtures for bathroom
風呂場用用具
GB/T
23448-2009
Flexible hose for sanitary tap ware
衛生陶器用伸縮性ホース
GB/T
23447-2009
Shower outlets for bathing
入浴用シャワー出口
洗
面
化
粧
台
N/A
出所(国家標準化管理委員会のウェブサイト
25
【中国編】
3(建材に関する規格の情報取得方法
中国の規格については、国家標準化管理委員会の公式ウェブサイト上'http://www.sac.gov.cn/(
にデータベースがあり、そのデータベース上において英語及び中国語によるキーワード検索が可能
である。データベースにおいて無償で取得可能な情報は、規格コード、規格の名称等の基本情報で、
規格の詳細な内容は有償となっている。同ウェブサイトにおいては、規格に関する最新動向の情報も
取得することが可能である。建材の規格が改定された場合や、新規に公布された場合には、同ウェブ
サイト上にて通知される。
また、規格の内容をオンラインにて販売している民間企業も複数存在しており、それらの企業のウェ
ブサイト上でも、規格コード及び名称の情報を無償で、規格の詳細な内容を有償で取得することが可
能である。
国家標準化管理委員会のウェブサイト上において国家規格を検索する際、キーワード検索をかけ
る こ と が 可 能 で あ る が 、 よ り 優 れ た 検 索 方 法 と し て ICS ' International Classification for
Standards – 国際規格分類(のコードを入力することが挙げられる。ICS コードは国際規格、EN や
JIS などの地域規格、国家規格等について、国際的に共通の分類を行うことを目的に作成された分
類'方式、コード体系(である。異なった国、団体等にまたがって規格類を検索するとき、ICS コードを
利用すると、対応する規格をリストアップすることができる。つまり、JIS と ISO 規格のように、番号体系
が異なるものでも共通の検索キーとして使用できる。なお、建材については ICS コードが 91 から始ま
る。
国家標準化管理委員会のウェブサイトにおける規格の検索画面を以下に記す。
26
【中国編】
図表 2.3.4 国家標準化管理委員会の規格検索ページ
出所(国家標準化管理委員会のウェブサイト
4(規格の運用動向
'強制規格(
中国における製品の品質を向上、管理することを目的として策定された中国製品品質法では、強
制規格に関して、以下の内容を規定している。

製造者:製造した製品の品質に対する責仸を負う

製品の販売者:製品合格証明及びその他の表示を検査し、確認する義務を負う

国家:製品の品質を確保するため、抜取検査を主とする監督検査制度を実施する
しかし、国内外の有識者へのヒアリングを総括すると、実態としては、①規格の内容や水準自体が
それほど高度でないことや、②中国における試験技術がさほど高くなく、低品質な製品でも規格に適
合するという判断を下されること、③行政による確認体制が不十分であること等の理由により、低品質
な製品が市中に出回ってしまっている状況にあるとのことである。
27
【中国編】
'仸意規格(
中国においては、前述の通り、建材に関する仸意規格が多くあるが、それらの規格への適合は、製
品の製造、流通、販売、利用のために必要不可欠ではない。一般的には、ユーザーが製品の規格適
合を要求するケースはほとんどない。ただし、大規模ビル建設プロジェクトの場合は、仕様によって定
められている性能を満たす製品でないと利用できないという制約条件が定められているケースが多く、
それらの性能を担保する仸意規格への適合状況に関する情報や証明書を求められることがある。具
体的には、ユーザーが設計もしくは建設予定のビルについて、建築規制を満たすか否かの判断を行
うために、特定の仸意規格への適合状況'試験結果等(の提供を建材メーカーに求める。
ユーザー側から要求されるデータやレポートの内容としては、物性データと耐火性能データが多い。
また、中国の規格でなくとも、例えば日本の JIS と適合しているという試験レポートを翻訳したもので、
ユーザーが納得するケースもあるとのことである。
仸意規格への対応に関しては、基本的には、建材を利用するユーザー側'ゼネコン、設計事務所
等(のニーズに合わせて柔軟に対応することが重要である。
28
【中国編】
2.3.3.
建材に関する主要認証制度
前述の通り、中国の強制的な認証制度の一つとして CCC 制度がある。現在、CCC 制度の対象とな
っている建材は全部で 3 種類ある。また、それぞれの建材について CCC 認証を取得するための水準
が規定されており、その中で複数の規格が参照されている。
CCC 制度の対象建材及び関連する規格を以下に記す。
図表 2.3.5 中国において CCC 制度の対象となる建材6
建材
関連する規格
実施規則番号
GB15763.2
強
化
ガ
ラ
ス
製
品
'建築物内における強化ガラス構築用材料(
建築用強化ガラス
GB15763.3
'建築物内における合わせガラス構築用材料(
CNCA-04C-028:2009
GB/T11944
'密封断熱ガラス(
防
火
製
品
防火窓
タ
イ
ル
陶器タイル
※特になし
CNCA-09C-078:2011
GB6566
'建築材料における放尃性核種の限界(
CNCA-12C-050:2010
出所(国家標準化管理委員会のウェブサイト
なお、CCC 制度以外の建材に関する認証制度については、環境・省エネ関連の制度が複数存在
する。それらの認証制度については、第 3 章に記述する。
6
CCC 制度の対象となる建材関連製品には溶剤型木部用塗料、及びコンクリート凍結防止剤がある。
29
【中国編】
グリーン建材及び住宅設備機器分野における環境・省エネ関連規制などの実態
3
3.1. 環境・省エネ関連規制
中国は 5 つの気候区分に分類されており、気候区分によって住宅と業務用ビルに適用される
省エネ設計基準が異なる。それらの省エネ設計基準内においては、壁や窓等の建築物の部位毎
に満たすべき基準が規定されており、その基準を満たすために環境・省エネ性能の高い建材が
必要となる。
本章においては、建材に求められる環境・省エネ性能を間接的に定義する、住宅及び業務用
ビルの省エネ設計基準について慨述する。
3.1.1.
気候区分
中国全土は、①厳寒地域、②寒冷地域、③夏暑冬寒地域、④夏暑冬暖地域、⑤温和地域の 5 つ
の気候区分に分類されている'図3.1.1 参照、「GB 50176-93 中国建築熱工設計規範」がこれらの分
類を規定している(。それらの区分によって、住宅や業務用ビルに対して適用される「省エネルギー設
計基準」が異なる。住宅については、気候区分毎に省エネ設計基準が作成されており、業務用ビル
については、全ての気候区分において同じ省エネ設計基準を参照するが、同基準の中で気候区分
毎に要求される建築物の性能要求が定義されている。
これらの省エネルギー設計基準においては、屋根や壁、窓など、部位毎に基準値が定められてい
る。
図表 3.1.1 中国における気候区分
出所(中国建築科学研究院ウェブサイト
30
【中国編】
3.1.2.
住宅の省エネ設計基準の概要
各気候区分において適用される省エネルギー設計基準は基本的に暑熱地域においては冷暖房
のエネルギー消費を抑え、厳寒、寒冷地域においては熱損失を抑えることで省エネ効果を高めること
を念頭に規定されている。
具体的な省エネ設計基準の内容は以下の通りである。
図表 3.1.2 中国における気候区分毎の住宅省エネ設計基準の概要
気候区分
業界規格
省エネ設計基礎基準の
コード
策定目的
備考
熱損失を 50%削減すること
厳寒地域
'30%は室内熱環境の改良によっ
JGJ 26-95
て、20%はより効率的な暖房装置
-
を導入する事によって達成する(
寒冷地域
建築物の室内温度については
夏暑冬寒地域
夏暑冬暖地域
JGJ 134-2001
JGJ 75-2003
冷暖房のエネルギー消費を 50%
冬 18 度、夏 26 度を推奨。ま
削減すること
た、冬季はエネルギー効率比
'室内熱環境の改良及び効率的
が 1 である電気ストーブを使用
な冷暖房システムを導入する事
し、夏季はエネルギー効率比
によって達成する(
が 2.2 であるクーラーを使用す
ることと規定されている
温和地域
温和地域については省エネ設計基準の業界規格が存在しない
出所(各種規格'JGJ26-95, JGJ 134-2001, JGJ75-2003(より NRI 作成
これらの住宅省エネ設計基準においては、屋根・外壁・床材・ドア・窓等の熱貫流率を評価指標とし
て設定しており、具体的な数値基準が定められている。
部位毎の熱貫流率の基準値は以下の通りである。
31
【中国編】
図表 3.1.3 厳寒地域の住宅の外壁、窓等において求められる熱貫流率
熱流率 ( W/( m2. K)
建物外面構成要素
厳寒地域 A
'5500<H DD<8000(
0.40
厳寒地域 B
'5000<H DD18<5500(
0.40
厳寒地域 C
'3800<H DD18<5000(
0.45
7~9階建ての建物
4~6階建ての建物
0.40
0.40
0.40
0.40
0.45
0.45
3階建て以下の建物
10階建て以上の建物
7~9階建ての建物
0.33
0.48
0.40
0.36
0.45
0.45
0.36
0.50
0.50
4~6階建ての建物
3階建て以下の建物
0.40
0.33
0.45
0.40
0.50
0.40
外気に接触する 、吊る された或いは 外に突き 出た床
暖房された空間と暖房されてない空間の間の壁と床
入口の扉
0.48
0.70
1.50
0.45
0.80
1.50
0.45
0.80
1.50
バ ル コ ニー扉下部
ぺリメータースラブ
スラブ
ノンペリメータースラブ
WWR 20%以下
外窓
1.00
0.28
1.00
0.35
1.00
0.35
0.28
2.50
0.35
2.80
0.35
2.80
'バ ル コ ニーの WWR 20%~30%以下
透明部分を含 WWR 30%~40%以下
む(
WWR 40%~50%以下
2.20
2.00
1.70
2.50
2.30
1.80
2.50
2.30
2.10
10階建て以上の建物
屋根
外壁
出所(”Status of Energy Efficient Building Codes in Asia”, ClimateWorks Foundation
また、上記の省エネ基準を満たしていることを担保するため、試験方法に関する規格が整備されて
いる'例えば、外壁の断熱性については JGJ132-2001、住宅建築の省エネ性試験については
JGJ/T 132-2009 等(。
3.1.3.
業務用ビルの省エネ設計基準の概要
中国における業務用ビルの省エネルギー設計基準は全ての気候帯を対象としている設計基準で
ある。同規格の正式名称は「GB 50189-2005 公共建筑节能设计标准 - Design Standard for
Energy Efficiency of Public Buildings」であり、業務用ビルの屋根や壁、床、窓等における断熱性
能'R-値(及び日尃遮蔽係数'Shade Coefficient(の値を気候区分毎に定義している。
評価対象となっている部位は、住宅省エネ設計基準と同じであるが、数値基準については、業務
用ビルの基準の方がより厳しい数値となっている。
同規格内で定義されている外壁、窓などの性能を以下に記す。
32
【中国編】
図表 3.1.4 厳寒地域の業務用ビルにおいて外壁、窓などに求められる熱貫流率
熱貫流率 ( W/( m2. K)
体系係数'0. 3以下(
体系係数'0. 3から0. 4以下(
建物外面構成要素
屋根
0.35
0.30
外壁
'透明では 無いカ ーテンウ ォ ール を含む(
0.45
0.40
外気に接触する 、吊る された或いは 外に突き 出た床
0.45
0.40
暖房された空間と暖房されてない空間の間の壁と床
0.60
0.60
WWR 20%以下
3.00
2.70
WWR 20%~30%以下
2.80
2.50
WWR 30%~40%以下
2.50
2.20
WWR 40%~50%以下
2.00
1.70
WWR 50%~60以下
2.00
外窓
位置別の外窓
天窓
1.50
2.50
※ WWR=窓壁面積比
出所(”Status of Energy Efficient Building Codes in Asia”, ClimateWorks Foundation
33
【中国編】
3.2. 環境・省エネに関する認証制度
中国においては環境・省エネに関するラベリング制度が運用されており、政府関連の建設プロジェ
クトにおいては、省エネラベルを得ている製品がほぼ利用されているのが現状である。
それらのラベリング制度の中から、工業製品全般に関わるマークであるⅠ型・Ⅱ型環境標識'通称、
十環マーク(、建材を対象としているグリーン建材マーク、建築物全体に関するグリーン建築表示制度
について、概要を以下に整理する。
3.2.1.
Ⅰ型・Ⅱ型環境標識 (工業製品全般を対象)
Ⅰ型環境標識は特定の品目を、Ⅱ型環境標識はⅠ型の対象となる品目以外の製品を対象として
いる。Ⅰ型の対象品目に含まれている建材・住宅設備機器は、衛生陶器、プラスチック扉窓、人工木
質板材、木製床板等である。これらの製品に対する試験項目は業界規格によって定義されている。例
えば、衛生陶器は HJ/T296-2006'衛生陶器用の環境ラベル取得のための技術要件(、人工木質板
材は HJ 571-2010'人工木質板材の環境ラベル取得のための技術要件(等である。
Ⅰ型・Ⅱ型環境標識の概要を以下に記す。
図表 3.2.1 Ⅰ型・Ⅱ型環境標識の概要
Ⅰ型環境標識
Ⅱ型環境標識
ロゴ
策定年
目的・概要
1993 年 8 月 25 日
2002 年 9 月 28 日
中国環境標識は製品の認証マークである。公式
Ⅱ型環境標識はⅠ型環境標識についての補充
製品の品質の合格表示だけではなく、生産・使
である。Ⅰ型環境標識は基準が厳しく、大多数の
用・処分過程'ライフサイクル(の環境保護要件を
企業は基準に達しない7が、一部の製品は確か
満たしていて、同類製品と比べ、毒素が低い、省
にグリーン特性を持っているため、国際認証形式
エネなど環境親和性がある。
に準じ、グレード別製品対応認証を行い、消費者
また政府調達リストに掲載され、調達範囲も引続
にとって製品の選択に活用できる有益な情報を
き拡大しているため、中国環境標識は国家経済
提供している。
戦略推進の重要手段になっている。
7
Ⅰ型環境標識の方が基準自体は厳しいが、対象製品としてはⅠ型環境標識に一般的な製品が分類されており、
取得申請も多いことから、実績(取得企業数)は次頁に示すようにⅠ型環境標識の方が多い。
34
【中国編】
対象品目
'建材(
57 種目 'リストは 2006 年発表で 56 種目(
対象となる建材は衛生陶器、プラスチック扉窓、
Ⅰ型環境標識認証種類以外の製品
人工木質板材、木製床板等
対象品目の詳細については
対象品目の詳細については
http://www.sepacec.com/IIxhjbz/IIxbzjj/200403/
http://www.10huan.com/news/2006-1/20061
t20040315_94072.htm 参照
3134034.html 参照
試験項目
製品によって定義されている項目が異なる。それ
GB/T 24021-2001 及び ISO 14021 の「環境
らの項目は仸意規格として規定されている。例え
管理 環境標識と声明 自我環境声明」に基づ
ば、
き、第三者が認証申請者の「自我環境声明」につ
洗面器・便器:HJ/T296-2006
いて評価審議し、第三者審議認証機構確認を得
建設用陶磁器:HJ/T297-2006
て、証書授与と標識使用契約を締結する。
プラスチック扉窓:HJ/T237-2006
形質フォール板材:HJ/T223-2005
人工木質板材:HJ 571-2010
木製床板:HJ 571-2010 等
試験所
試験費用
指定検査機関
指定試験機関
申請費は 2,000 元
申請費は 2,000 元、
検査料金は検査に必要な日数、
及び人員数によ 認証・登録手数料は 1,500 元
って決定する。その他に認証・登録手数料が
年会費は 5,000 元
3,000 元、年会費が 5,000 元ほど必要になる。 詳細については
詳細については、
http://www.sepacec.com/IIxhjbz/rzwj/200509/t2
http://www.10huan.com/news/2006-1/20061
0050909_94082.htm 参照
3133657.html 参照
認証機関
実績
環境保護部環境認証センター 中環連合'北京(
環境保護部環境認証センター 中環連合'北京(
認証中心有限公司
認証中心有限公司
取得企業数 2,400 社以上
取得企業数 100 社以上
出所(環境保護部環境認証センター 中環連合'北京(認証中心有限公司ウェブサイト、
JETRO 「中国における省エネ・エコ建材市場参入可能性調査」等より NRI 作成
35
【中国編】
3.2.2.
グリーン建材マーク (建材を対象)
グリーン建材マーク'Certificate of green building material products(は板材、タイル、建築
コーティング材等を対象としている仸意の認証制度である。同認証を取得するためには、対象となる
建材が高防火性能であることと、有害物質の放出量が少量であることが求められる。これらの事項に
関しては、性能に対するクラス分類が、強制規格によって規定されている。防火性能は
GB8624-1997、有害物質については GB6566-2001、GB18582-2001 等によって規定されている。
グリーン建材マークに関する情報を以下に記す。
36
【中国編】
図表 3.2.2 中国におけるグリーン建材マークの概要
グリーン建材マーク 'グリーン建材製品証明書(
ロゴ
策定年
目的・概要
2009 年 11 月 1 日
中国建材市場協会が認証した後、企業に対して銅札とグリーン建材製品証書が授与される。証書の
有効期限は 2 年。
「グリーン建材製品性能評定技術条件」参照
http://www.cchbtv.com/shownews06.asp?id=1483
試験項目
壁材:放尃性 GB6566-2001 基準 A 級、燃焼性能関連 GB8624-1997 基準の B1 級、アンモニア放
出型コンクリート添加剤は GB18588-2001 基準 、その他建築コーティング゙材などは有害物質と放
尃性などは GB18582-2001 と GB6566-2001 を基準とする
壁材及びユニット材:各種板材、タイル'粘土タイル除外(、ブロック材、コンクリート材、防水吸音材な
ど。
対象品目'建
材(
建築コーティング材:室内建築塗料、室内パテ材、塗装石膏材、ドライミックスモルタル、防水密封材
など。
粘着剤:建築用各種粘着剤
http://www.cghcc.cn/wj.asp 参照
試験所
試験費用
認証機関
実績
国家建築材料展示貿易センター、建築材料工業技術監督研究センター専門家チーム
5,800 元'製品 1 種目含む(、製品が 1 種目増加ごとに審査費として 1000 元追加される
管理機関: 建築材料工業技術監督研究センターと国家建築材料展示貿易センター
発行者:グリーン建材(性能)評定事務室
取得企業数及び建材数は不明
出所(緑色建材ウェブサイト'http://www.cghcc.cn/(等より NRI 作成
37
【中国編】
3.2.3.
グリーン建築表示制度 (建築物全体を対象)
グリーン建築に関して最初に公布された国家規格は、GB/T 50378-2006 「グリーン建築評価基準」
である。同基準は住宅と、業務用ビルのうちオフィスビル、店舗、ホテルに対する評価に用いられる。
また、グリーン建築評価の原則として、「現地適合」が挙げられている。これは気候条件・地理環境・
都市及び農村の発展と経済の発展度合い等の条件によって、必要とされる建築物の性質が異なる点
を考慮することを意図する。例えば、中国国内では南方地区の建築物において、ヨーロッパ風の大き
なカーテンウォールを導入したが、太陽輻尃熱の効果低減処置が取られなかったため、空調エネル
ギー消費が一般建築の 2~3 倍になった等、単純に先端技術や海外技術を無理に導入することで、
グリーン建築が実現できるという考えを改めるべきであるという認識が広がりつつある。
グリーン建築評価に用いられる指標は、土地節約と室外環境、省エネとエネルギー利用、節水と水
資源利用、節材と材料資源利用、室内環境品質、運営管理の 6 つである。これらの評価項目を当該
建築物がいくつ満たすかによって、評価結果の格付け'グリーンビルラベル、与えられる星の数(が決
定する。格付けは、一つ星から三つ星まで存在し、それぞれの等級の必要項目数が異なる。また、住
宅と業務用ビルで必要項目数は異なり、業務用ビルの方がより厳しい基準を設けている。
例として住宅のグリーン建築等級ごとに満たすべき項目数を以下に記す。
図表 3.2.3 グリーン建築等級区分の必要項目数(住宅)
一般項目数'計 40 項目(
等級
土地節約と
室外環境
'8 項目(
省エネと
エネルギー
利用
'6 項目(
選択項目
節水と
節材と材料
室内環境品
水資源利用
資源利用
質
'6 項目(
'7 項目(
'6 項目(
運営管理
'7 項目(
数
'9 項目(
☆
4
2
3
3
2
4
-
☆☆
5
3
4
4
3
5
3
6
4
5
5
4
6
5
☆☆
☆
出所(GB/T 50378-2006 「グリーン建築評価基準」
また、6 つのグリーン建築評価指標の中でも、建材・住宅設備機器に関係するものは、省エネとエ
ネルギー利用、節材と材料資源利用、室内環境品質の 3 つである。ここでは、省エネとエネルギー利
用、節材と材料資源利用、室内環境品質について、規定されている内容を以下に記す。
38
【中国編】
図表 3.2.4 住宅向けグリーン建築評価指標(省エネ・エネルギー利用)の項目
省エネとエネルギー利用
規制項目
•
•
•
住宅地の熱技術、暖房、換気、エアコンの設計
は、国家によって承認された住宅における省エ
ネ規格の基準に適していなければならない。
中央空調システムが採用されている場合、水
冷却ユニットや基本空調ユニットの性能とエネ
ルギー効率の係数は、国家規格であるGB
50189(公共建築物の省エネ設計基準)にて規
定されている値に適合しなければならない。
中央暖房や中央空調システムが採用された住
宅建物は、室温調整と熱量測定の装置をそな
えなければならない。
一般項目
•
•
•
•
•
•
選択項目
建物の形状、方位、建物間の距離、窓と壁の
面積比は良い日差しや風通し、日照の建物を
提供するため、敷地の自然条件に合わせて合
理的に設計しなければならない。また必要に応
じて、日よけも設けなくてはいけない。
エネルギーを効率よく消費する装置やシステム
を使用しなければならない。中央空調システム
の温水循環ポンプのエネルギー効率、送風機
の電気消費量、中央空調システムの冷温水の
搬送のエネルギー効率は、国家規格であるGB
50189(公共建築物の省エネ設計基準)に適合
しなくてはいけない。
中央空調システムが使用される場合、水冷却
ユニットや基本空調セットの性能やエネルギー
効率比の係数は、国家規格のGB 50189(公
共建築物の省エネ設計基準)に記載されてい
る関連する指定された値が1級以上にしなけれ
ばならない。
公共空間の証明には、高効率の光源や照明器
具、低損失安定器などの付属品の使用もしくは、
他の省エネ対策がとられなければならない。自
然光については、時間や光の制御を備えてい
なければならない。
中央暖房システムや中央空調システムが採用
されている住宅建物では、エネルギー回生シス
テム(ユニット)を備えなければならない。
太陽エネルギーや地熱エネルギーなどの再生
可能エネルギーは、地元の気候や自然資源の
状況に応じて完全な使用を行わなければなら
ない。建物の総エネルギー消費量の再生可能
エネルギーの割合が5%以上でなければなら
ない。
•
•
暖房やエアコンのエネルギー消費量は、国家
によって承認か登録された建物における省エ
ネの基準値の80%以上になってはいけない。
建物の総エネルギー消費量における、再生可
能エネルギーの割合は10%以上でなければな
らない。
出所(GB/T 50378-2006 「グリーン建築評価基準」
図表 3.2.5 住宅向けグリーン建築評価指標(節材・際業資源最適利用)の項目
節材と材料資源最適利用
規制項目
•
•
建築材料における有害物質の含有量は、国家
標準であるGB18580 - GB 18588 や GB
6566 にて定められた基準に適合しなければな
らない
建築物の構造は簡潔であり、多くの装飾要素
を含んでいてはいけない
一般項目
•
•
•
•
•
•
•
選択項目
利用する建材の総重量の70%以上が、建設現
場の500km以内で生産された建材でなければ
ならない
生コンクリートは建築現場で混合したコンクリー
トを使用しなければならない
高性能コンクリートと高強度鋼は、建物の構造
材料として適度に使用しなければならない
建物の建設、古い建物の解体、現場清掃の際
に排出された廃棄物は分類しなければならな
い。また、廃棄物の内、再利用やリサイクルが
可能な素材は回収して再利用やリサイクルをし
なければならない
建築設計時に選択する材料は再生可能で保ち
のよい材料かを考慮しなくてはいけない。安全
性を確保し、環境を汚染しないという条件の元、
使用される再生可能な材料の重量は、使用建
材の総重量の10%以上でなければならない
新規の建築物の設計と建設は既存の建築物
や施設の解体・老朽化などを引き起こしてはい
けない
性能を担保したうえで、廃棄物から作られた建
築材料を同種類の建材の消費量の30%以上
利用しなければいけない
•
•
資源の使用が最小限かつ環境に低負荷な建
築構造システムを採用しなければならない
再利用可能な建材の利用率は5%以上でなけ
ればならない
出所(GB/T 50378-2006 「グリーン建築評価基準」
39
【中国編】
図表 3.2.6 住宅向けグリーン建築評価指標(室内環境品質)の項目
室内環境品質
規制項目
•
•
•
•
•
各アパートメントについて、最低一箇所の生活
空間、もし四箇所以上の生活空間が存在する
場合は、最低二箇所の生活空間が太陽光規
格の要件を満たさなければならない
寝室、リビングルーム、書斎、キッチンには窓
が設置され、照明係数がGB/T50033で規定さ
れている値よりも高くなければならない
室内において効果的な遮音及び騒音軽減策が
取られていなければならない。昼間に寝室及
びリビングにて許容される騒音レベルは45dB
(A)、夜間に許容されるレベルは35dBである
(A)。床や仕切壁の加重空気伝送音削減係数
(WASRF)は45dB以上でなければならない。
また、床の標準加重衝撃音圧が70dBを超えて
はならない。アパートのドアの加重空気伝送音
削減係数は30dB以上、窓の加重空気伝送音
削減係数は25dB(道路に面する場合は30dB)
以上でなければならない
生活空間な自然換気可能な場合、夏暑冬暖・
夏暑冬寒地域では換気口面積が部屋の床面
積の8%以上、その他の地域においては5%以
上でなければならない
遊離ホルムアルデヒド、ベンゼン、アンモニア、
ラドン、TVOC等の室内空気汚染物質の濃度
はGB50325に規定されている数値に従ってい
なければならない
一般項目
•
•
•
•
•
•
選択項目
生活空間の窓は、視界良好かつ、他の生活空
間から見えることを避けなければならない。ア
パートに2つ以上のトイレが設けられている場
合、最低1つ外窓が備えられていなければなら
ない
設定された室内温度及び湿度の条件で、屋根
の内側や地面、外壁、外窓の内側に霜がおり
てはいけない
自然換気の条件で、部屋の天井と東西の外壁
の内側の最高温度は、既存の国家規格
GB50176(民用建築物の熱工設計規範)の要
件を満たさなければならない
暖房やエアコンシステム(ユニット)が設けられ
ているアパートでは、それらが動作している間、
必要に応じて室温を調整できるようにしなけれ
ばならない
調整可能な外部の日よけを、夏の太陽日射が
窓ガラスを通して室内に入ることを防ぐために
使用しなければならない
換気装置や空気交換、室内空気の監視装置
が備えられていなければならない
•
エネルギーを貯めたり、湿度を調整したり、室
内空気を改善したりする機能を持つ材料を、寝
室やリビングルームで使用されなければならな
い
出所(GB/T 50378-2006 「グリーン建築評価基準」
40
【中国編】
4
現地の建材及び住宅設備機器関連試験機関の現状と動向
4.1. 各試験機関(国家・地方・民間等)の位置付け
中国においては試験機関の種類が国家・地方・民間の 3 種類に分れている。基本的には、国家試
験機関は機関の名称が「国家」から開始されており、地方の場合は地域名'上海市、北京市等(から
名称が開始されている。
これらの機関に対して、試験機関の認定を与える権限を持つ機関が、中国国家認証認可監督管理
委員会である。国家機関が認定している試験機関であるため、試験レポートの持つ制度上の効力等
については、国家試験機関でも、地方試験機関であっても同等である。
しかしながら、現地でのヒアリングでは、国家試験機関や地方試験機関にて取得した試験レポート
に対して、別機関での試験のやり直しを依頼されるようなケースが存在するとのことである。例えば、
上海市の地方試験機関で試験し、作成したレポートを提示しても、北京市の顧客が認めなかったりす
ることがある。ただし、国家試験機関で作成してもらった試験レポートについては、地域によらず認め
られるケースが多いという声も聞かれた。建材メーカーの視点からは、国家試験機関において作成し
た試験レポートを利用しつつ、ユーザーからの要望に応じて、指定する試験機関において試験レポ
ートを作成することが効率的である。
また、国内ヒアリングを通じて、日系建材メーカーの中国進出を大きく阻害する要因の一つとして、
試験レポートの有効期限が、1~2 年と設定されているため、試験を頻繁に実施しなければならず、結
果的にそういった試験費用が製品価格の高騰を招き、価格競争力の低下を招いてしまうという指摘が
あった。仸意規格の場合には、規格適合自体が義務づけられていないことから、実態としては、有効
期限の切れた試験レポートであっても、ユーザーが認めているケースもあるとのことである。
41
【中国編】
4.2. 主要試験機関の概要
本調査においてヒアリングを実施した政府系研究機関である中国建築材料科学研究総院の傘下に
は、複数の国家試験機関が存在する。中でも、中国建築材料試験認証センターは、ほぼ全種類の建
材を対象に、安全性試験、断熱性試験、防火性試験、ドア・窓等の省エネ性、環境評価など多岐に渡
る試験を実施可能である。同センターは北京-上海高速鉄道プロジェクトや北京国際空港建設プロジ
ェクトにも参画した経験を持つ。
中国建築材料科学研究総院傘下の試験認証機関は以下の通りである。
図表 4.2.1 中国建築材料科学研究総院傘下の試験認証機関
认证中心
Certification Center
認証センター
中国建筑材料检验认证中心有限公司
China Building Material Test and Certification Center Co., Ltd
中国建築材料試験認証センター株式会社
国家建筑材料质量监督检验中心
National Quality Supervision and Testing Center for Building Materials
国家建築材料品質監督・試験センター
国家建筑材料测试中心
National Research Center of Testing Technique for Building Materials
国家建築材料試験技術リサーチセンター
国家级质检 中心
State-level Quality
Supervision&Testing
国家レベル品質
監督試験センター
国家水泥质量监督检验中心
National Quality Supervision and Testing Center for Cement
国家セメント品質監督・試験センター
国家安全玻璃与石英玻璃质量监督检验中心
National Quality Supervision and Testing Center for Safety Glass and Quartz Glass
国家安全ガラス・石英ガラス品質監督・試験センター
国家玻璃质量监督检验中心
National Quality Supervision and Testing Center for Glass
国家ガラス品質監督・試験センター
国家钟表质量监督检验中心
China National Horological Quality Supervision and Testing Center
中国時計品質監督・試験センター
国家建筑卫生陶瓷质量监督检验中心
National Quality Supervision and Testing Center for Architectural and Sanitary Ceramic
国家建築・衛生陶器品質監督・試験センター
42
【中国編】
国家建筑材料工业太阳能光伏'电(产品质量监督检验中心
China Building Integrated Photovoltaic Product Test Center
中国建築材料統合太陽光製品試験センター
国家建筑材料工业水泥检验专用仪器设备质量监督检验测试中心
Quality Supervision and Testing Center for Cement Examining Instrument in Building Materials Industry
国家建築材料産業セメント検査機器品質監督・試験センター
国家建筑材料工业水泥能效环保评价检验测试中心
Evaluation and Testing Center of Energy Efficiency and Environmentally-Friendly in Building Materials Industry
国家建築材料産業エネルギー効率・グリーン評価・試験センター
国家建筑材料工业水泥包装袋质量监督检验测试中心
Quality Supervision and Testing Center for Cement Packing Bag in Building Materials Industry
国家建築材料産業セメント袋品質監督・試験センター
国家建筑材料工业墙体屋面材料质量监督检验测试中心
Quality Supervision and Testing Center for Wall and Roof Materials in Building Materials Industry
国家建築材料産業壁・屋根材料品質監督・試験センター
国家建筑材料工业房建材料质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for House Building Material in Building Materials Industry
国家建築材料産業住宅建材品質監督・試験センター
国家建筑材料工业墙体屋面及道路用建筑材料节能评价检验测试中心
Evaluation and Testing Center of Wall and Roof Materials in and Road Materials in Building Materials Industry
国家建築材料産業壁・床用材料評価・試験センター
国家建筑材料工业镁质胶凝材料产品质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Magnesian Cementitious Material in Building Materials Industry
国家建築材料産業マグネシウムセメント品質監督・試験センター
Ministerial-level Quality
Supervision&Testing
行政レベル品質
監督・試験センター
国家建筑材料工业建筑防水材料产品质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Waterproof Material in Building Materials Industry
国家建築材料産業防水材料品質監督・試験センター
国家建筑材料工业安全玻璃计量站
Metering Station for Safe Glass in Building Materials Industry
国家建築材料産業安全ガラス計測所
国家建筑材料工业耐火材料产品质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Refractory in Building Materials Industry
国家建築材料産業耐火材料品質監督・試験センター
国家建筑材料工业装饰装修建筑材料质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Decorative Materials in Building Materials Industry
国家建築材料産業装飾材料品質監督・試験センター
国家建筑材料工业铝塑复合材料及遮阳产品质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Alminium Plastic Composites in Building Materials Industry
国家建築材料産業アルミ・プラスチック化合物品質監督・試験センター
国家建筑材料工业放尃性及有害物质质量监督检验测试中心
Quality Supervision & Testing Center for Radioactivity and Toxic Substance in Building Materials Industry
国家建築材料産業放尃能物質・毒物品質監督・試験センター
国家建筑材料工业建筑材料节能评价检测中心
Evaluation & Testing Center of Energy-Saving in Building Materials Industry
国家建築材料産業省エネルギー評価・試験センター
国家建筑材料工业环境监测中心
Environmental Monitoring Center in Building Materials Industry
国家建築材料産業環境監視センター
国家建筑材料工业计量监督检验测试中心
Measurement Supervision Test Center in Building Materials Industry
国家建築材料産業計器監督・試験センター
国家轻工业造纸食品日用化工塑料机械质量监督检测中心
Quality Supervision and Measuring Center on Machinery of Papermaking,
Foodstuff, Daily Chemical, Plastics in Light Industry
国家軽工業製紙・食料品・日常化学製品・プラスチック用機械監督・計測センター
出所(中国建築材料科学研究総院資料
43
【中国編】
中国建築材料科学研究総院傘下の主要な試験機関の概要を以下に記す。
1(中国建築材料試験認証センター'China Building Material Test and Certification Center(

建材関連の国家レベル及び行政レベルの品質検査を行う。現在国内の建築材料検査及び認
証領域において最大規模且つ独立法人の性質を有する第三者検査認証機関である。

「客観独立、公開公正、誠実信用」という基本原則を遵守し、公衆の消費や集団購買について
指導し、安全、健康、環境保護、高品質製品、サービスや管理体系評価、監督、並びに全方
位的なサービス及び各種サービスを提供し、国際的に影響力を持ち且つ知名度の高い検査
認証機関になるべく努力している。

また、試験機関だけではなく認証機関としての機能も持ち、前述の強制的な認証制度である
CCC 制度の認証なども当該センターで実施することが可能である。
図表 4.2.2 中国建築材料試験認証センターの概要
中国建築材料試験センター
'China Building Material Test and Certification Center(
対象品目
試験項目
試験所
•
ほぼ全て建材を対象
•
物理テスト、化学テスト'力学、熱学、光学、成分分析など(
•
安全性能テスト'衛生、有害物質、防火等(
•
機能テスト'防音、断熱、耐火、抗菌、耐気候性等(
•
建築プロジェクトテスト'カーテンウォールの試験、鉄骨組の試験(等
•
北京市
出所(中国建築材料試験センターウェブサイトおよびヒアリング
44
【中国編】
2(国家ガラス品質監督試験センター'National Quality Supervision and Testing Center for
Glass(

強化ガラス、安全ガラス等、様々な種類のガラスを対象とする国家試験機関であり、試験項目
についても、U 値検査や防カビ性など幅広い試験を実施する。
図表 4.2.3 中国建築材料試験認証センターの概要
国家ガラス品質監督試験センター
'National Quality Supervision and Testing Center for Glass(
対象品目
試験項目
試験所
実績
•
強化ガラス
•
安全ガラス
•
普通平板ガラス 等
•
空洞ガラスアルゴン含有量検査測定
•
空洞ガラス U 値検査測定及び計算
•
ガラス虹彩検査測定
•
化粧強化ガラス検査
•
モザイクガラス検査
•
ガラス防カビ材料検査 等
•
海浜市秦皇島
•
検査企業数:1,600 社
•
各種検査報告:20,000 件程度
出所(国家ガラス品質監督試験センターウェブサイト
3(国家建築衛生陶磁器品質監督検査センター'National Quality Supervision and Testing
Center for Architectural and Sanitary Ceramic(

各種陶磁器壁用煉瓦、衛生用具、水槽部品、各種蛇口及び洗浄バルブ、洋式便座及び便座
カバー等製品を対象に、検査報告約 30,000 件余りの実績を保有する試験機関。
4(国家建築材料工業住宅建材製品品質監督検査試験センター' Quality Supervision and
Testing Center for House Building Material in Building Materials Industry(

壁材、装飾、内装、断熱材などを対象に有害物質含有量等の試験を実施する試験機関。
45
【中国編】
5
現地の建材及び住宅設備機器産業の実態
5.1. 住宅の市場規模
中国における住宅着工床面積は、経済成長とともに年々増加してきており、2010 年の住宅着工床
面積は、前年から約37%増の 1,294 百万㎡となっている。あわせて住宅投資額も大幅に増加しており、
2010 年の住宅投資額は 45,936 億元、前年比約 26%増となっている。
図表 5.1.1 中国における住宅着工床面積と住宅投資額の推移
住宅投資額
1,400
45,936
45,000
1,200
40,000
36,428
1,000
400
35,000
30,881
30,000
25,005
800
600
50,000
19,333
644
1,294
788
億元
百万㎡
住宅着工床面積
836
933
25,000
20,000
15,000
10,000
200
5,000
0
0
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
出所(中国統計年鑑 2011
5.2. 建材及び住宅設備機器の生産規模
中国建築業年鑑によると、建材工業総売上額は、2008 年に 17,125 億元、2009 年に 21,000 億元
となっており、住宅市場の成長にあわせて約 23%という大幅な増加傾向を示している。
各品目別の生産規模に関しては、各種ガラスや陶磁器煉瓦、衛生陶器などの生産量が公表されて
いる。各データを次の表に示す。
46
【中国編】
図表 5.2.1 中国における品目別生産規模
品目
2009 年 生産量
2008 年比 '%(
164,831 万トン
16.07
2443.55 億個
43.42
57.14 億枚
17.56
平板ガラス
57,685 万重量箱※
-2.33
中空ガラス
3,010 万㎡
22.13
強化ガラス
14,898 万㎡
-0.06
合わせガラス
3,630 万㎡
5.59
陶磁器タイル
867,855 万㎡
9.97
15,790 万個
11.69
205.67 万トン
-11.03
セメント
煉瓦
瓦
衛生陶器
グラスファイバー
※中国で用いられる板ガラスの計量単位、約 50kg に相当
出所(中国建築業年鑑 2010
5.3. 建材市場関連情報の取得元
建材及び住宅設備機器に関する公的な統計データは限られているが、中国建築材料連合会の下
部組織である製品分類毎の分科組織'中国衛生陶器協会など(が市場規模に関する統計データを収
集・公表している。
建築材料連合会のウェブサイト上では、製品分類毎の統計データをデータベースとして格納して
おり、有料会員8になれば統計データを取得することができる。ただし、集計対象範囲は一定規模以
上の企業であり、必ずしも市場全体のデータでない点に留意する必要がある。
そのほかの情報源として、中国商務網'http://www.chinaccm.com/(が発行している業界トレンド
レポート'有料(があり、市場規模等のデータ入手が可能である。
8
会員条件等は、同連合会の利用規約ページ'http://www.cbminfo.com/tabid/466/Default.aspx( を参照。
47
【中国編】
図表 5.3.1 中国建築連合会の建材関連データベース規約説明画面
出所(中国建築連合会ウェブサイト
48
【中国編】
6
調査結果のまとめ
本章では、中国における建材に関する規格等の現状のポイント及び今後の展望を整理する。
1(規格等の整備状況

基本的には、国際規格'ISO 等(と整合・調和を図る形で、対象とする建材等については、
国家規格'GB(、業界規格'建材についてはJC及び一部JG(、地方規格'DB(、企業規格
'Q(のいずれかにより規格が整備されている。

国家規格、業界規格、地方規格、企業規格の中でも、同じ内容の上位規格が策定された
場合には、下位の規格は廃止されることになっている。したがって、現地参入に当たって
は、国家規格を最も重視する必要がある。

規格には、市場に流通させるために最低限満たさなければならない強制規格と、政府や
業界等が推奨する仸意規格とがある。建材に関しては大半が仸意規格であり、強制規格
は「GB 326-2007 Paper based petroleum asphalt felt'紙型アスファルトフェルト(」など一部
に限られる。

なお、米国等が既に経済的及び技術的な支援を通じて法律/制度/基準/規格等の策
定に積極的に関与している。
2(規格等の運用・活用状況

強制規格は、制度上、最低限遵守すべき規格として位置づけられ、メーカー等が当該製
品を市場に流通させる際には、政府等が指定する試験機関において試験・測定を行い、
製品が強制規格に適合していることを確認する必要がある。

しかしながら、実態としては、遵守を担保するための仕組みや体制が十分でなく、政府等
により強制規格に適合しているか否かのチェックや認証は十分に行われていない状況に
ある。また、試験機関の試験レベルも我が国の試験機関に比べると高いとは言えず、結果
的に、強制規格に適合していない製品や規格には適合していても品質の低い製品がユ
ーザーに採用されるケースもあるとのことである。

また、仸意規格についても、ユーザーの規格に対する関心はそれほど高くなく、規格への
適合が差別化要因につながるような市場環境には至っていない。

日本製の製品は高品質という認識は定着しているものの、それを裏付けるための認証制
度等が不十分であるため、低価格な製品に対する競争優位性が十分に評価されない状
況にある。
49
【中国編】
3(今後の見通し

近年、中国においてはスケルトン・インフィル住宅のような住宅の産業化・工業化に対する
注目度が高まっており、今後、住宅産業の成熟化・高度化に伴い、規格による建材・住宅
設備機器の品質や性能の担保の重要性が高まると考えられる。

また、省エネや健康'化学物質の低減等(、高齢者対応、子育て対応等への関心が高ま
っており、ユーザーの建材等の品質や性能に対する要求水準も高まりつつあることから、
特定の分野において、規格や認証制度等による品質・性能の担保や可視化に対するニ
ーズがより一層高まる可能性がある。
以上より、現状において、中国では、建材等の規格は概ね整備されており、強制規格もあるものの、
強制規格の数自体が少なく、また、規格の運用体制が十分に整っていないことから、日系建材メーカ
ーにとって、規格そのものが直接的な参入障壁になっているという状況にはない。また、市場におい
て規格への適合が重視される状況にもないことから、現時点では、現地での事業展開において規格
への対応を重視する必要性は高くない。
一方で、中国の住宅市場をとりまく状況は、社会・経済情勢の変化とともに市場環境が急速に変化
しており、住宅の産業化・工業化、省エネ、健康、高齢者対応、子育て対応等への注目度が高まって
いる。ユーザーのニーズに対応した品質や性能を担保するという観点から、今後、中国の住宅・建材
市場における規格や認証制度等の重要性は高まると考えられる。
50
【ベトナム編】
【ベトナム編】
7
建材に関する国家規制・規格の概要、業界(団体)規格、認証制度等の内容調査
7.1. 規格・認証制度の概要
7.1.1.
規格制度
ベトナムでは、2007 年 1 月に発効された「規格および技術規則に関する法律'The law on
Standards and Technical Regulations(」に基づき、規格制度に関する制度改革が進められており、
強制規格である QCVN、QCDP、仸意規格である TCVN、TCCS の 4 種類の規格制度がある。
強制規格の QCVN は、各分野における担当政府機関が安全や衛生、環境面で強制適用が必要と
判断した項目について策定される国家規格である。一方で、QCDP は地方政府によって定められる
強制規格であるが、策定された規格はほとんどなく、ベトナム国内ではあまり運用されていないという
実態である。
仸意規格の TCVN は、製品やシステム、環境、建築物及び建材など多分野の項目において、政
府のみならず民間企業や業界団体等の組織が関与して策定される。2011 年 3 月現在で、約 6,300
の TCVN が策定されており、そのうち約 200 の TCVN について見直し作業が行われている。仸意規
格の TCCS は、製品の品質や安全性に関する技術要件・基準を記したもので、事業者が独自に規定
できるものである。
なお、QCVN では、TCVN の規格を参照する形で定められた規格があり、TCVN の規格であった
としても、QCVN の強制規格となっているかどうかを確認する必要となる。
国家規格の策定および管理は科学技術省'MoST(が担当しており、規格の開発は各分野の管轄
省庁が行っている。例えば、建築・建材に関しては建設省、省エネルギーに関しては商工省、環境保
全に関しては資源環境省が担当する。
51
【ベトナム編】
図表 7.1.1 ベトナムにおける規格制度の概要
規格コード
QVCN
タイプ
強制
概要
策定機関
• 他国の国家規格や国際規格を参考にして定められる
各分野における管轄
• 安全や衛生、環境面で強制適用が必要と判断した項目 に
省庁
対して技術基準が設定される
'建材の場合は建設
• QVCN の対象については、担当政府機関の指定する機関
省(
で認証を受ける必要がある
• 地方政府が定める規格で記述基準の内容は地方政府によ
QCDP
強制
地方政府
って判断される
• ほとんど規格が存在せず、実態として運用されていない
• 科学技術省'MoST(の傘下にある STAMEQ が中心とな
科学技術省
り、規格の開発・策定・運用がなされている
• 規格の素案作成については、担当政府機関及び関連する
TCVN
仸意
業界団体、民間企業等が参画する
• 製品やシステム、環境、建築物及び建材など対象となる分
野は多岐にわたる
• 2011 年 3 月時点で約 6,300 の規格が存在する
TCCS
仸意
• 製品の品質や安全性についての技術要件・基準を記したも
ので、事業者が独自に規定できる
民間企業 や 業界団
体等
出所(各機関ウェブサイト、ヒアリングを基に NRI 作成
7.1.2.
認証制度
ベトナムでは、QCVN に対する適合性を証明するための認証制度が整備され、試験結果に基づい
て認証を行う機関は認定・登録されている。建材に関しては、ベトナム認証センター'QUACERT( 、
ベトナム建築材料研究所'VIBM(、品質保証試験センター 3'QUATEST3(の 3 機関で認証を取得
することができる。
なお、ベトナム建築材料研究所及び品質保証試験センター 3 は、試験と認証の両方を行うことが
できるが、ベトナム認証センターは試験所を保有していないため、他の試験機関による試験結果が別
途必要となる。
QCVN 認証の取得プロセスは以下の通りである。
1.
製造ラインの審査:製品を製造している工場を、認証機関のスタッフが現地調査
2.
製品の審査:製造ラインからランダムに抜き取ったサンプルを決められた試験項目で検査
3.
認証の完了:製造ライン、製品共に規格に合格している場合、認証
※ 海外工場で製造された製品についても、製造元の工場での現地調査が必要とされる。
52
【ベトナム編】
7.2. 規格策定に係る関係主体とプロセス
1(関係主体
ベトナムにおいて、規格の策定における中心的な機関は科学技術省'MoST(の傘下に位置付け
られており、規格策定では標準品質総局'STAMEQ(と傘下の組織が主として関わっている。
また、製品を管轄する官庁の傘下にも研究機関等の規格のドラフト作成などで関わる機関が存在し、
建材については、建設省の所管のもと、研究機関であるベトナム建築材料研究所'VIBM(やベトナ
ム建築科学技術研究所'IBST(等が主に関わっている。
図表 7.2.1 ベトナム国家基準の制定プロセスに関与する組織
科学技術省
MoST
標準品質総局
STAMEQ
ベトナム標準品質研究所
VSQI
建設省
MOC
基準認証局
BoA
ベトナム建築材料研究所
ベトナム建築科学技術研究所
VIBM
IBST
ベトナム認証センター
QUACERT
出所(各機関ウェブサイト、ヒアリングを基に NRI 作成
53
【ベトナム編】
図表 7.2.2 組織別の役割
組織名
Ministry of Science & Technology
略称
日本語訳
組織概要 'URL(
MoST
科学技術省
科学技術分野の監督官庁。標準品質総局の他に知的財産局などの下部機関がある。
STAMEQ
標準品質総局
ベトナムの各種基準や測定、品質の分野を監督する国家機関であり、ベトナム標準品質
'http://www.most.gov.vn/(
Directorate for Standards, Metrology And
Quality'http://www.tcvn.gov.vn/(
規
格
全
般
Bureau of Accreditation
研究所'VSQI(やベトナム認証センター'QUACERT(などの機関の上位組織にあたる。
BoA
基準認証局
認証機関、試験機関の認定を行う機関である。標準品質総局の傘下であったが、2009
'http://www.boa.gov.vn/(
Vietnam Standards and Quality Institute
年 10 月より科学技術省の傘下となった。
VSQI
'http://www.vsqi.gov.vn/(
ベトナム標準
規格作成等を推進する機関であり、標準化技術委員会の事務局も担当する。標準品質
品質研究所
総局の標準化担当として、国際規格等の標準化団体との協調なども行う。スタッフは約
80 名。
Vietnam Certification Center
QUACERT
'http://www.quacert.gov.vn/(
Vietnam Institute for Building Materials
建
材
関
連
Technology
工業製品およびシステムについて、規格に対する適合性を認証する機関である。
センター
VIBM
'http://www.vibm.vn/(
Vietnam Institute for Building Science and
ベトナム認証
IBST
ベトナム建築材料
建設省傘下の政府系研究機関として、新たな建材の研究や試験の他に、国家規格の素
研究所
案作成にも関わる。主にコンクリートなどの材料を試験対象としている。
ベトナム建築科学
建設省傘下の政府系研究機関として、主に建築物の設計や構造に関する調査、研究及
技術研究所
び試験を行っているが、一部の建材試験も実施している。
'http://www.ibst.vn/(
出所(各機関ウェブサイト、ヒアリングを基に NRI 作成
54
【ベトナム編】
2(策定プロセス
ベトナムにおいて、新たに仸意規格'TCVN(を策定するプロセスを以下に整理する。
・担当政府機関や業界団体などから規格素案の提案を受け、標準品質総局'STAMEQ(が規格開
発の提案を承認することによって、規格策定の手続きが開始される。
・承認された規格提案に関して、標準化技術委員会'TC(やベトナム標準品質研究所'VSQI(がド
ラフト案の作成や関係主体からの意見聴取を行う。
・標準品質総局から規格の最終案が科学技術省に提案され、科学技術省の承認を経て、規格とし
て発効される
建材については、ベトナム建築材料研究所'VIBM(等がドラフト案を作成し、その後は、上記のプ
ロセスに従って、標準品質総局'STAMEQ(やベトナム標準品質研究所'VSQI(による審査、科学技
術省による承認・発効が行われる。
標準化技術委員会の運営については、ベトナム標準品質研究所が事務局を担当しており、9 部門
の約95 の技術委員会が設置されている。委員には、産業界、関係省庁、一般企業、消費者等が選出
される。業界団体が規格開発に参画しており、外資系企業が現地の業界団体を通じて規格策定に関
与することも可能である。過去には、フロートガラスに関して、日本板硝子とベトナム現地の公団が設
立した合弁会社が規格策定に関与した事例がある。
図表 7.2.3 国家規格の策定プロセス
産業界、省庁、政府
一般企業消費者からの
ニーズ
あらゆる組織、
人からの提案
Working Draftの作成
Final Draft Standardsの作成及び
MoSTへ承認のために提出
Standards Project(企画開発プロジェクト)
の提案
(このプロジェクトには開発計画を含む)
Committee Draftの作成
TCVNの承認
企画開発提案の承認
TCVN Draftの作成
TCVNの発行
コメント検討のためのTCVN Draft回付
 担当組織凡例
産業界、省庁、政府、
一般企業、消費者等
※建材においては
VIBMも関わる
STAMEQ
TC
(技術委員会)
※外資系企業も
関与している
(例)日本板硝子
55
VSQI
MoST
出所)標準化と品質管理 2009年6月号(日本規格協会)
ヒアリングを基にNRI作成
【ベトナム編】
7.3. 建材関連の主要な規制・規格・認証制度の内容
建築規制と規格との関係性
7.3.1.
建築基準として強制規格 QCVN が建設省 Ministry of Construction (以下 MOC)策定されて
おり、その一つとして建材に関する規格である QCVN16:2011 Vietnam Building Code: Products,
Goods of Building Material '以下 QCVN16(が定められている。
図表 7.3.1 建築基準と強制規格 QCVN
コード
名称
公表日
-
Vietnam Building Code – Part I
ベトナム建築基準 – 第Ⅰ部
14/12/1996
-
Vietnam Building Code – Part II & III
ベトナム建築基準 – 第Ⅱ部、第Ⅲ部
25/09/1997
-
Code of Internal Water Supply & Drainage Systems
給水及び排水システム基準
21/12/1999
QCXDVN 01:2002
Building Code of Construction Accessibility for People With
Disabilities 建築基準:障害者への利便性
17/01/2002
QCXDVN 09: 2005
Vietnam Building Code-Buildings use Effective Energy
ベトナム建築基準:ビルにおけるエネルギーの効率利用
17/11/2005
QCXDVN
01:2008/BXD
Vietnam Building Code.Regional and Urban Planning and Rural
Residental Planning
ベトナム建築基準:地域・都市開発と地方住宅開発
03/04/2008
QCXDVN
05:2008/BXD
Dwellings and Public Buildings - Occupational Health and Safety 住居
と公共建築物 – 健康と安全性
06/06/2008
QCVN
02:2009/BXD
Vietnam Building Code Natural Physical & Climatic Data
for Construction
ベトナム建築基準:建設のための自然、物理、気候データ
14/08/2009
QCVN
08:2009/BXD
Vietnam Building Code for Urban Underground Structures 都市にお
ける地下構造のベトナム建築基準
14/08/2009
QCVN
14:2009/BXD
Vietnam Building Code- Rural Residental Planning
ベトナム建築基準 – 地方住宅開発
10/09/2009
QCVN
03:2009/BXD
Vietnam Building Code on Classifications and Grading of Civil and
Industrial Buildings and Urban Infrastructures
市民建築物、産業建築物及び都市インフラの分類及び等級に係る
ベトナム建築基準
30/09/2009
QCVN
07:2010/BXD
Vietnam Building Code Urban Engineering Infrastructures ベトナム
建築基準 都市工学インフラ
05/02/2010
QCVN
16:2011/BXD
Vietnam Building Code: Products, Goods of Building Material ベトナ
ム建築基準:建築材料製品及び商品
30/08/2011
出所)ベトナム建設省
56
【ベトナム編】
7.3.2.
建材に関する主要な規格・認証制度
1)強制規格
建材に関する強制規格 QCVN16 は、2011 年 10 月 15 日に発効された強制規格であり、現時点
では、以下の 6 つのカテゴリーの建材を対象としている。
・
ポートランドセメント、ポートランドセメントクリンカー製品
・
建築用ガラス及びその関連製品
・
ポートランドセメントとコンクリート用混和剤製品
・
無機繊維又は有機繊維、アルミニウム合金、木材ベースの製品を含む建築材料製品
・
塗料、防水材、シーリング材と関連製品
・
床及び壁用タイル製品
QCVN16 の目次を以下に記す
1.
範囲
対象製品が規定されている
2.
適用の対象
規格が適用される対象である組織等が規定されている
3.
定義
用語の定義が規定されている
4.
一般規定
規格の中身の概要が記されている
5.
技術的な要件
製品毎に適用される規格'主に TCVN(やテスト方法が記されている
6.
適合性評価、認定、適合ルールの方法
認証の手順、サンプリング検査の方法、評価や検査の必要頻度などが記されている
7.
包装、ラベリング、輸送および貯蔵に関する規制
ラベリングを中心とした規定が記されている
なお、目次は対象カテゴリー全てにおいて同一であるが、記述内容が異なる。
57
【ベトナム編】
2)任意規格
次表に示すとおり、本調査の対象となる建材・住宅設備機器に関する仸意規格 TCVN が複数定め
られており、断熱材、ガラス、衛生陶器に関する規格が特に充実している'なお、表で示した規格は、
標準品質総局のウェブサイトにおいて、ICS コード9をキーとして仸意規格を検索した際に検出された
ものである(。
図表 7.3.1 建材に関する主要な任意規格
分
建材
類
製品
1
.
断
熱
材
規格番号
規格名称
TCVN 8055-1:2009
断熱材・硝子製品の試験方法 パート 1:サイズの決定
繊維系、
TCVN 8055-2:2009
断熱材・硝子製品の試験方法 パート 2:容積質量の決定
発泡系
TCVN 8055-3:2009
断熱材・硝子製品の試験方法 パート 3:収縮温度の測定
TCVN 8054:2009
断熱材・硝子製品の技術的な要件
窯業系サ
イディン
N/A
グ
2
.
外
装
材
外壁タイ
N/A
ル
耐火被覆
N/A
材
Code of practice for application of glass in building. Selection and
TCVN 7505:2005
installation
建物内のガラス利用についての実施基準:選択及び設置
TCVN 7736:2007
3
.
開
口
部
TCVN 7529:2005
ガラス
Glass in building. Drawn sheet glass
建物内のガラス:延伸板ガラス
Glass in building. Heat absorbing tint glass
建物内のガラス:熱線吸収着色ガラス
Glass in building. Laminated and laminated safety glass. Test
TCVN 7368:2004
methods for impact resistance
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
耐衝撃性の試験方法
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. part
TCVN 7364-1:2004
1: Definitions and description of component part
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート 1: 部品の定義と説明
9
詳細は中国編 章 2.3.1 を参照
58
【ベトナム編】
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. Part
TCVN 7364-2:2004
2: Laminated safety glass
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート2:合わせ安全ガラス
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. part
TCVN 7364-3:2004
3: Laminated glass
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート3:合わせガラス
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. Part
TCVN 7364-4:2004
4: Test methods for durability
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート4:耐久性の試験方法
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. Part
TCVN 7364-5:2004
5: Dimensions and adge finishing
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート5:寸法及びエッジ仕上げ
Glass in building. Laminated glass and laminated safety glass. Part
TCVN 7364-6:2004
6: Appearance
建物内のガラス:合わせガラス及び合わせ安全ガラス
パート6:外観
Glass in building. Method for determination of light transmittance,
light reflectance, total solar energy transmittance and ultraviolet
TCVN 7737:2007
transmittance
建物内のガラス:光線透過率、光の反尃率、
総太陽エネルギー透過率、紫外線透過度測定法
TCVN 7527:2005
TCVN 7528:2005
Glass in building. Rolling patterned glass
建物内のガラス:ロール・パターンガラス
Glass in building. Solar reflective coated glass
建物内のガラス:太陽反尃コーティングガラス
Glass in building. Test method for non-destructive photoelastic
TCVN 8261:2009
measurement of surface and edge stresses in flat glass
建物内のガラス:板ガラスの表面及びエッジにおける
非破壊弾性測定のための検査方法
TCVN 7455:2004
TCVN 7456:2004
TCVN 8260:2009
TCVN 3992-85
TCVN 7625:2007
Glass in building. Thermally toughened safety glass
建物内のガラス:熱的に強化された安全ガラス
Glass in building. Wired glass
建物内のガラス:網入りガラス
Glass in buildings. Sealed insulating glass.
建物内のガラス:封入型絶縁ガラス
Glass wares in building. Terms and definitions
建物内のワイヤー:用語と定義
Mirrors. Method of test
59
【ベトナム編】
鏡:検査方法
Mirrors. Mirrors from silver-coated float glass by wet-chemical
TCVN 7624:2007
technology. Specifications
鏡:湿式化学法による銀めっきフロートガラスの仕様
TCVN 7218:2002
TCVN 7219:2002
TCVN 7526:2005
Sheet glass for construction. Clear float glass. Specifications
建築用板ガラス:透明フロートガラスの仕様
Sheet glass for construction. Method of test
建築用板ガラス:検査方法
Sheet glass in building. Definitions and classification
建物内板ガラス:定義と分類
N/A
サッシ
カーテンウォ
N/A
ール
N/A
窓シャッター
Ceramic tiles. Grouts and adhesives. Part 1: Terms, definitions and
TCVN 7899-1:2008
specifications for adhesives
セラミックタイル:グラウトと接着剤
パート1:接着剤の用語、定義、仕様
Ceramic tiles. Grouts and adhesives. Part 2: Test methods for
TCVN 7899-2:2008
adhesives
セラミックタイル:グラウトと接着剤
パート2:接着剤の試験方法
Ceramic tiles. Grouts and adhesives. Part 3: Terms, definitions and
TCVN 7899-3:2008
specifications for grouts
セラミックタイル:グラウトと接着剤
パート3:グラウトの用語、定義、仕様
4
.
内
装
材
Ceramic tiles. Grouts and adhesives. Part 4: Test methods for grouts
床材、壁材、
天井材、
TCVN 7899-4:2008
セラミックタイル:グラウトと接着剤
パート4:グラウトの試験方法
間仕切り
Gypsum boards. Test methods. Part 1: Determination of dimensions,
TCVN 8257-1:2009
recessed or tapered edge depth
石こうボードの検査方法
パート1:寸法、埋め込み又は台形エッジ奥行きの測定
Gypsum boards. Test methods. Part 2: Determination of end, edge
TCVN 8257-2:2009
and core hardness
石こうボードの検査方法
パート2:先端、エッジ、コア硬度の測定
TCVN 8256:2009
TCVN 7960:2008
Gypsum boards. Specifications
石こうボードの仕様
Wood flooring strips. Specifications
木材縁甲板の仕様
60
【ベトナム編】
Reinforced concrete roof and floor of buildings. Technical
TCVN 5718:1993
requirements for watertightness
建物の鉄筋コンクリート屋根及び床:水密性の技術的な要件
TCVN 7955:2008
TCVN 7961:2008
Wood flooring strips. Code of practice and acceptance
木材縁甲板:実施及び承認基準
Wood flooring strips. Test methods
木材縁甲板の試験方法
不燃ボード
N/A
繊維板
N/A
TCVN 6073:1995
Sanitary ceramic articles. Technical requirements
セラミック製衛生用品:技術的な要件
System of building design documents. Symbols for pipelines to be
TCVN 4036-85
used in sanitary systems
建物設計図系:衛生システムに使用するパイプラインを表わす記号
TCVN 5436:2006
5
.
衛
生
陶
器
・バ
ス
トイレタリー、
浴槽
TCVN 7743:2007
TCVN 6073:2005
TCVN 5436:1998
TCVN 4615-88
Sanitary ceramic articles. Test methods
セラミック製衛生用品:試験方法
Ceramic sanitary wares. Terminology, definition and classification
セラミック製衛生陶器:専門用語、定義、分類
Sanitary ceramic wares. Specifications
セラミック製衛生陶器:仕様
Sanitary ceramic articles. Test methods
セラミック製衛生用品:試験方法
System of building design documents. Symbols for sanitary appliances
建物設計図系:衛生器具を表わす記号
N/A
洗面化粧台
出所)標準品質総局ウェブサイト
61
【ベトナム編】
4)建材に関する規格の情報取得方法
ベトナムの国家任意規格については、標準品質総局の公式ウェブサイト(http://en.tcvn.vn/)
にデータベースがあり、そのデータベース上において英語及びベトナム語によるキーワード検索が可
能である。データベースにおいて無料で取得可能な情報は、規格コード、規格の名称等の基本情報
'うち、一部が英語に翻訳されている(である。規格の詳細な内容については有償となっており、同ウ
ェブサイトからの注文も可能である。規格の内容については、英語に翻訳されているものも販売して
いるが、価格がベトナム語版よりも高額に設定されている。
一方、ベトナムの建材分野における強制規格の最新情報は、規格の詳細も含め、建設省のウェブ
サイト10より無償で取得することが可能である。現状では、規格の内容についてはベトナム語のみ公表
されており、英語で公開される情報は限定的である。
なお、建材の規格が改定された場合や、新規に公布された場合には、同ウェブサイトや建設省ウェ
ブサイト等にて通知される。
図表 7.3.2 TCVN の検索結果(ウェブサイト画面例)
出所(標準品質総局 ウェブサイト
10
ベトナム建設省ウェブサイト http://www.moc.gov.vn/
62
【ベトナム編】
5(規格の運用動向
'強制規格(
法律では、QCVN16 の対象となる 6 つのカテゴリーに含まれる建材は必ず認証を取得しなければ
いけないと定められている。しかしながら、本調査のヒアリングによると、現時点では、輸入品に関する
適合性の認証・確認は厳格に実施されているが、国内で製造された製品については、製品の品質レ
ベルが十分でないために適合できない製品が多いと見込まれるため、国内産品の適合性認証に関
する監督・指導は厳しく行われていない状況にある。なお、外資系メーカーがベトナム国内で製造す
る製品については、国内で製造された製品とみなされる。
'仸意規格(
仸意規格の TCVN については、適合していなくても国内での流通・販売については問題が生じな
いが、建材の営業・販売に際して、建材が規格に適合していることは製品の競争力の1つとして利点
になる場合もある。例えば、公共での建設プロジェクトの入札条件として TCVN を満たしているケース
や、入札時に TCVN の認証取得を示すことによって信頼獲得に貢献するケースなどが期待される。
しかしながら、TCVN への規格適合が厳密に求められるケースは必ずしも多くはなく、製品の品質
に対する信頼性の観点からは、ベトナムの規格よりもむしろ、JIS'日本標準規格(や ISO'国際規格(
など日欧米の規格に適合していることの方がアピールになるという指摘もある。
なお、規格制度の運用に際して重要な役割を担う試験機関や認証機関の能力・ノウハウが未熟で
あり、日本は JICA などを通じて電気・電子分野での支援を行っている。
図表 7.3.3 QCVN16 の一部
出所(建設省ウェブサイト
63
【ベトナム編】
グリーン建材及び住宅産業機器分野における環境・省エネ関連規制などの実態
8
8.1. 環境・省エネ関連規制
ベトナムにおける環境・省エネ関連規制として「ベトナム省エネ建築基準」が挙げられる。
同基準は 2005 年 11 月に建設省より公表され、商業ビル、政府機関関連のビル、集合住宅、ホ
テル等を対象に、エネルギーを効率的に利用するため、エネルギー消費量の多い設備及びシス
テムに対して技術基準を定めている。
技術基準の策定対象となっている設備及びシステムを以下に整理する。

照明

空調

ボイラー

換気システム

エネルギー管理システム
同基準は 2007 年以降に設計、建設及び改築された住宅・建築物に対して適用され、標準的
な住宅・建築物と比較して、10%~20%のエネルギー消費削減を見込んでいる。
8.2. 省エネ認証制度(製品ラべリング制度)
ベトナムの省エネルギー政策を所管している商工省は、2013 年以降から順次、省エネ認証制度
'製品ラベリング制度(を開始すると発表しており、当初は、蛍光灯、エアコン、冷蔵庫、家庭用洗濯機
等の家電製品や、配電変圧器、電気モーター等の工業設備製品を対象に省エネ認証制度が運用さ
れる予定である。
すでに計画されている省エネ認証ラベリング制度の対象製品及び認証開始時期を以下に記す。現
時点では、建材に関しては省エネラベリング制度の検討対象ではない。
図表 8.2.1 省エネ認証制度の対象製品と開始時期
製品分類
対象製品
開始時期
2013 年 1 月 1 日以降
家電製品
直管型蛍光灯、電球型蛍光灯、 蛍光灯の磁気式安定器と電子式安
グループ
定器、エアコン、冷蔵庫、家庭用洗濯機、炊飯器、扇風機、テレビ
工業設備
配電変圧器、電気モーター
2013 年 1 月 1 日以降
商業用冷蔵庫、コピー機、コンピュータのモニター、プリンター
2014 年 1 月 1 日以降
乗用車'7 人乗り以下(
2015 年 1 月 1 日以降
グループ
事務機器・
商用機器
グループ
運輸
グループ
出所(通商弘報 2011 年 3 月 1 日 JETRO
64
【ベトナム編】
8.3. グリーン建築表示制度(構造物対象)
ベトナムには Vietnam Green Building Council'VGBC(という機関が存在し、日本で CASBEE
を運用している日本サステイナブル建築協会に相当する機関として、建築物環境評価システムの
「LOTUS」を運用している。LOTUS は、既存の評価システム'LEED、BREEAM、Green Star(に
基づいた評価システムで、Gold、Silver、Certified の 3 段階で評価される。評価項目は住宅と建築
物で分かれている。
2011 年後半頃より本格的に制度が始まったが、コストとのバランスの問題で普及が進んでいないた
め認証物件はなく、ウェブサイトには登録物件として建設中の 3 つの非住宅建物が紹介されている。
65
【ベトナム編】
9
現地の建材及び住宅設備機器関連試験機関の現状と動向
9.1. 試験機関等の位置付け
1(試験機関
ベトナムでは、基準認証局'BoA(が ISO/IEC Guide 17025 に合致した試験機関を認定しており、
約 130 の試験機関が認定されている。試験機関には、試験と認証を行う品質保証試験センター
'QUATEST(やベトナム建築材料研究所'VIBM(等の他に、ベトナム建築科学技術研究所'IBST(
等の試験のみを行う機関がある。
国家試験機関としては、標準品質総局'STAMEQ(傘下の品質保証試験センターの他に、製品毎
に管轄官庁の傘下に試験機関が設けられていることが多い。建材に関しては、建設省'MOC)傘下の
ベトナム建築材料研究所やベトナム建築科学技術研究所がある。
BoA が認定した試験機関であれば、民間試験機関あるいは国家試験機関によって試験結果や認
証に効力の差はなく、同一に扱われる。ただし、国家試験機関の方が優秀な人材が豊富で、費用も
安価なことが多いといわれている。
なお、試験センターのリストは基準認証局のウェブサイト11より閲覧が可能であるが、英語の情報は
機関名や代表的な対象製品のみで詳細はベトナム語でのみ記載されている。
2(認証機関
QCVN16 の認証を行える組織は、ベトナム認証センター 、ベトナム建築材料研究所、品質保証試
験センター 3'QUATEST3(の 3 機関のみである。'なお、ベトナム認証センターについては試験所
を保有しておらず、ベトナム認証センターが指定する外部の試験機関を利用して試験結果を得ること
が必要になる。(
試験・認証の費用について、料金表は公開されてらず、個別に問い合わせ、相談を行うことが必要
である。下記に、本調査のヒアリングで入手した価格データを参考として示す。
図表 9.1.1 品質保証試験センター1で建設鉄材の耐圧試験の試験費用
直 径
価 格
5mm 未満
15 万ドン'約 600 円(
5mm~10mm
20 万ドン'約 800 円(
10mm~20mm
30 万ドン'約 1,200 円(
20mm 以上
別途問い合せ
出所(ヒアリングを基に NRI 作成
11
基準認証局の試験機関検索ウェブサイト http://www.boa.gov.vn/accredited-bodies/laboratories/
66
【ベトナム編】
図表 9.1.2 主な国家試験機関等の概要
試験機関等
品質保証試験センタ
所在地
ハノイ市
建材が対象
管轄官庁
であるか
科学技術省
可
ダナン市
科学技術省
ホーチミン市
○
○
×
○
○
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
認証
対象である
ー2 (QUATEST2)
品質保証試験センタ
認証機能
耐圧のみ試験
ー1 (QUATEST1)
品質保証試験センタ
QCVN16
試験機能
科学技術省
対象である
ー3 (QUATEST3)
ベトナム認証センター
ハノイ市
(QUACERT)
'ホーチミン市
科学技術省
対象である
他の試験
×
に事務所あり(
機関との調
整可
ベトナム建築材料研究
ハノイ市
建設省
主としてセメン
所(VIBM)
'ホーチミン市
トなどの建築
に事務所あり(
材料
ベトナム建築科学技術
ハノイ市
建設省
主としてドアや
研究所 (IBST)
'ホーチミン
壁材など建築
市・フエ市に事
設備
務所あり(
出所(ヒアリング、各機関のウェブサイトを基に NRI 作成
67
【ベトナム編】
9.2. 主要試験機関の概要
現時点での強制規格の QCVN16 を認証することができる機関は、ベトナム認証センター
'QUACERT(、ベトナム建築材料研究所'VIBM(、品質保証試験センター3'QUATEST3(に限ら
れている。各試験機関で認証にかかる費用は異なっているため、各機関への問い合わせが必要であ
る。
仸意規格の TCVN の試験については、国家試験機関に依頼するのが無難であると考えられるが、
価格が機関によって異なることが予想されるため複数の機関に相談をする方が良い。仸意規格につ
いては、QUATEST1 等の耐火など建材に特化した試験を行っていない機関であっても、認証機能
を有しているところであれば窓口となり試験機関のアレンジメントをしてくれる。
なお、試験機関についてのリストについては、基準認証局'BoA(が管理しているため、試験機関に
ついては基準認証局のウェブサイトを参照するか、直接問い合せるのが良いと考えられる。
図表 9.2.1 試験機関の検索画面
出所(BoA ウェブサイト
68
【ベトナム編】
主要な国家試験機関の概要を以下に記す。
1(ベトナム建築材料研究所 (Vietnam Institute for Building Materials)

1969 年に建材の国立科学技術研究所として設立され、建設省の建材研究所として、建材の
研究や試験を行っている。

試験のみならず、技術研究、コンサルティング、教育等の分野において活動している。
図表 9.2.1 ベトナム建築材料研究所の概要
ベトナム建築材料研究所
対象品目
試験項目
試験所
•
セメント、コンクリート
•
レンガ
•
ガラス
•
セラミック 等
•
耐火
•
耐圧
•
建材の原材料の化学テスト 等
•
ハノイ市の本部があり、ホーチミン市にも事務所がある。
出所(ベトナム建築材料研究所ウェブサイトおよびヒアリング
2(品質保証試験センター3 (QUATEST3 - Quality Assurance and Testing Center 3)

1975 年に科学技術省'MoST(によって設立された科学技術機関であり、標準品質総局
'STAMEQ(の傘下である。

建材以外にも、電気製品や食品など幅広い分野の製品の試験を行っている。
図表 9.2.2 品質保証試験センター3 の概要
品質保証試験センター3
(QUATEST3 - Quality Assurance and Testing Center 3)
対象品目
試験項目
試験所
•
セメント
•
レンガ
•
タイル
•
屋根瓦
•
衛生陶器
•
耐圧試験
•
曲げ試験
•
引張試験
•
ホーチミン
出所(品質保証センター3 ウェブサイト
69
【ベトナム編】
10 現地の建材及び住宅設備機器産業の実態
10.1. 住宅の市場規模
建設省'MOC(の発表によると、ベトナムにおける 2011 年の住宅着工床面積は 8,000 万㎡、ベト
ナム国内の一人あたりの平均住宅面積は 18.3 ㎡、都市部に限れば 21.3 ㎡である。12
建設投資の経年変化をみると、2004 年の 28 億ドルから 2009 年には 2.3 倍の 65 億ドルになって
おり、ベトナムの建設市場は大きく成長している。
図表 10.1.1 ベトナムにおける建築投資(名目)の推移
70
(億米ドル)
60
50
40
30
20
10
0
2004
2005
2006
2007
2008
2009
出所( 建設経済レポート No.57
ベトナム Business Times ウェブサイトより、抜粋
http://businesstimes.com.vn/vietnam-builds-80m-m2-of-housing-area-in-2011/
12
70
【ベトナム編】
10.2. 建材及び住宅設備機器の生産規模
各品目別の生産規模に関しては、ガラスやレンガ、衛生陶器などの生産量が公表されている。また、
一部の建材・住宅設備機器に関しては、2010 年、2015 年、2020 年の生産量の計画目標が 2008 年
に公表されている。
品目別生産量の実績値及び計画目標値のデータを次の表に示す。
図表 10.2.1 ベトナムにおける品目別生産実績
品目
単位
2005 年
2006 年
2007 年
2008 年
2009 年
2010 年
千トン
30,808
32,690
37,102
40,009
48,810
55,789
建築用石材
千㎥
70,836
80,132
92,838
122,088
136,897
148,297
建築用砂・砂利
千㎥
66,444
65,453
67,060
63,966
70,161
67,450
セラミックタイル
千㎡
107,478
100,662
147,680
170,559
185,406
176,877
グラニットタイル
千㎡
21,929
28,284
25,767
26,751
27,125
38,832
衛生陶器
千個
4,573
4,460
6,012
5,765
6,811
6,695
板ガラス
千㎡
74,767
74,390
75,301
74,997
70,119
78,819
天然石外装タイル
千㎡
3,200
4,500
6,000
6,500
7,200
8,000
焼成れんが
百万個
16,530
18,005
15,106
18,278
19,194
20,927
焼成瓦
百万個
527
459
440
484
515
561
セメント
出所(Mineral exploitation & processing for building material production 2012/2/23
図表 10.2.2 ベトナムにおける品目別生産目標
品目
2010 年
単位
2015 年
2020 年
セメント
百万トン
51
76
95
外装・床タイル
百万㎡
206
302
414
衛生陶器
百万個
9
13
21
建築用板ガラス
百万㎡
93
135
200
壁材
十億個
25
32
42
不燃壁材
十億個
2.5
8
16.8
屋根材
百万㎡
126
171
224
建築用石材
百万㎥
104
148
204
建築用砂
百万㎥
97
136
190
天然石外装タイル
百万㎡
8
14
20
出所(Mineral exploitation & processing for building material production 2012/2/23
71
【ベトナム編】
10.3. 建材市場関連情報の取得元
建材及び住宅設備機器に関する公的な統計データは限られているが、ベトナムにおける建材の業
界団体であるベトナム建材協会'Vietnam Association for Building Materials - VABM(が市場規
模に関する統計データを収集している。ただし、一般に公開されているわけではなく、統計データが
必要な場合はベトナム建材協会へのコンタクトが必要である。また、集計対象範囲は一定規模以上の
企業であり、必ずしも市場全体のデータでない点に留意する必要がある。
図表 10.3.1 ベトナム建材協会のウェブサイト
出所(ベトナム建材協会ウェブサイト
72
【ベトナム編】
11 調査結果のまとめ
本章では、ベトナムにおける建材に関する規格等の現状のポイント及び今後の展望を整理する。
1(規格等の整備状況

ベトナムには主に強制規格の QCVN と仸意規格の TCVN の 2 種類の規格が運用されて
いる。

建材分野における強制規格として QCVN16 が策定されており、建材の 6 つのカテゴリー
'ポートランドセメント・ポートランドセメントクリンカー製品、建築用ガラス及びその関連製
品、ポートランドセメントとコンクリート用混和剤製品、無機繊維又は有機繊維・アルミニウ
ム合金、木材ベースの製品を含む建築材料製品、塗料・防水材・シーリング材と関連製品、
床及び壁用タイル製品(に該当する製品については、その流通・販売にあたって認証を
取得しなければいけない。

仸意規格である TCVN の規格数は、2011 年 3 月現在で約 6,300 であり、日本の JIS や
中国の BG と比較すると規格数は少ない。しかしながら、2007 年に発効された「規
格および技術規則に関する法律」のもと、規格制度の改革に取り組んでおり、今後、
規格制度の整備・普及が進展すると見込まれる。
2(規格等の運用・活用状況

QCVN16 は強制規格であり、法律上はベトナム国内で流通する全ての製品について認
証を取得しなければならない。しかし、ベトナム国内で製造された製品については、製品
の品質レベルの問題から厳格な適応は困難であるため、現時点では、海外で製造された
輸入品に対してのみ適応されているのが実態である。

また規格制度の運用に際して重要な役割を担う試験機関や認証機関の能力・ノウハウが
未熟であり、日本は JICA などを通じて電気・電子分野での支援を行っている。

民間プロジェクトでは、仸意規格である TCVN よりも、むしろ ISO や JIS など日欧米などの
規格の方が重視されるケースも多く、ニーズに応じて TCVN とISO 等が使い分けられてい
る。
3(今後の見通し

近年、規格制度を強化する政策方針のもと、TCVN の規格の見直しや新設が積極的に進
められており、規格の対象製品(範囲)が拡大するとともに、国際レベルに適応した
規格内容への改善や、適合性認証の監督強化が進むものと見込まれる。

また、日本を含む海外政府機関の支援を受けて、試験機関や認証機関における能力・
ノウハウの向上にも取り組んでおり、将来的には規格制度の信頼性の向上、ひいて
は規格の普及が期待される。

建材に関しては、現時点でグリーン建材に関する規格はなく、製品ラベリング制度でも対
象製品として挙げられていない。しかしながら、今後、住宅や建築物における省エネルギ
73
【ベトナム編】
ー政策に応じて、建材に関する省エネ等のグリーン規格が策定される可能性がある。
以上より、ベトナムでは、建材等に関する仸意規格はほぼ整備されつつあるが、試験や認証等の
運用面の観点から規格制度はまだ未成熟であり、ベトナム社会において規格制度が十分に活用され
ている状況にはない。日系建材メーカーにとって、規格制度が事業の参入障壁にはなっておらず、
強制規格 QCVN16 の認証取得とあわせて JIS 適合に対する現地ニーズの必要性を把握しつつ、事
業展開することが可能である。
現在、ベトナム政府は規格制度の強化に取り組んでおり、今後、規格制度が社会において普及す
ることも予想されるとともに、将来的には省エネルギー等の環境政策の観点から、規格内容のグリーン
化が進展する可能性が期待される。このため、欧米や韓国等がベトナムの規格策定や制度強化に対
して関与することも想定され、ベトナムの規格が事業の参入障壁あるいは競争力の低下にならないよ
う、日本としても関わっていくことが重要である。
74
【提 言】
中国およびベトナムの調査結果を踏まえて、我が国が強みを有する高品質・高性能なグリーン建材
が適正に評価されるための提言を以下に整理する。
1(規格・認証制度等に関する情報収集・データベース化と民間企業等への情報提供

中国には、国家規格、業界規格を中心に、建材等に係る規格が多数あり、これらは建築
規制や認証制度等とも関連していることから、民間企業単独で規格・認証制度等の全体
像や詳細な内容を把握することは難しい。

また、実態として、地域や試験機関、ユーザー等によって規格や認証制度等の運用が定
まっていないことから、日系建材メーカーにとっては、規格や認証制度等への対応方策が
明確になっておらず、一部では業務上の非効率が生じている。

また、ベトナムについても、基本的には現地語での情報収集が必要であり、公表情報ベ
ースでの情報収集には限界があるとともに、正確な情報を得るためには、政府や試験機
関等、適切な機関にアプローチする必要がある。

そのため、日本の政府や業界団体等が主導して、規格や認証制度等の内容に加えて、
運用実態に関する情報収集を行い、データベース化する等により、民間企業等に情報提
供することは、日系建材メーカーの現地参入において大変効果的である。
2(規格等の策定支援が可能な建材等の抽出

中国においては、米国等の支援を受けて、建材や住宅設備機器等に関する規格が概ね
整備されている状況にあることから、規格策定において我が国が支援できる余地は限定
的と考えられる。

したがって、規格等の策定支援という観点からは、我が国が特に強みを有する技術'現地
建材メーカーとの技術力の差が大きい技術(や、住宅の産業化・工業化や省エネ、健康
など、中国におけるニーズが大きい技術について、個別の製品や技術要素を特定した上
で、規格策定に参画することが重要である。

個別の製品や技術要素の抽出にあたっては、国内及び中国における建材・住宅設備機
器の性能や市場動向に詳しい学識経験者、業界団体、実務者等へのヒアリングや検討会
による議論等により、有望セグメントを特定することが考えられる。

我が国のグリーン建材の競争優位性の確保という観点からは、仸意規格が大半を占める
「規格」という観点だけでなく、住宅や業務用ビルの性能を規定する設計基準'規制(や標
準設計指針'ガイドライン(等へのアプローチも重要である。

ベトナムに関しては、現在、規格制度の改革に取り組んでいる段階にあり、今後、規格制
度の整備・普及が進むと考えられることから、特定の建材等に特化したアプローチよりも、
包括的な規格策定に関する支援が有効と考えられる。
75
3(規格や認証制度等の運用体制の強化に対する支援

中国及びベトナムでは、現状において、規格や認証制度等の運用が十分に機能しておら
ず、これらの仕組みに対する市場の信頼度が高くないために、規格に適合していたり、認
証を取得している製品でも市場において適正に評価されない状況にある。

日本の政府や業界団体、試験機関等の連携により、行政側の確認体制の強化や試験機
関における試験レベルの向上など、規格・認証制度等の運用面での体制の強化を支援
することで、中国・ベトナムにおける規格・認証制度等の信頼度を高め、高品質・高性能な
グリーン建材等の製品が市場において適正に評価される環境を整備することが重要であ
る。

当面は、我が国が強みを有する製品や技術要素を中心に、日本の実務経験者等の現地
への派遣など、二国間の人材交流を通じた技術・ノウハウの移転等が考えられる。
4(現地企業の技術レベル及び品質の向上に関する支援

規格・認証制度の普及が進みにくい要因として、現地企業の製造技術レベルが低く、規
格・認証制度に適合できる製品が限られていることが指摘されている。

規格・認証制度の必要性を高め、高品質・高性能な製品が適正に評価される環境を整備
するためには、現地企業の技術レベル及び品質の向上によって産業化を支援することが
重要である。

具体的には、現地の業界団体等と連携した技術指導や研修などの技術交流の促進や、
両国間の企業提携に関するマッチング支援などが考えられる。
5(現地での実証事業による実績作りとジャパン・ブランドの浸透

一般論として、我が国の建材等の品質や性能の高さはユーザーに認知されているものの、
住宅・建築分野においては「実績」がより重視される傾向が強いことから、我が国のグリー
ン建材の競争優位を築くという観点から、グリーン建材を活用したモデル建築の実証事業
の実施が有効である。

実証事業を通して、我が国が強みを有する技術や中国における技術ニーズを把握するこ
とができる。また、我が国の設計基準や規格等を採用することで、中国・ベトナムでの適用
可能性の検証や課題の抽出が可能となる。

実証事業により、我が国のグリーン建材の品質・性能が市場に広く認知されれば、ジャパ
ン・ブランドの浸透につながるとともに、規格や認証制度等の策定に向けた契機となる。
6(産官学の連携による二国間での関係構築

上記の規格・認証制度等に関する情報収集や、規格等の策定、運用体制の強化に対す
る支援、現地企業の産業化、実証事業の実施等を実現するためには、官民連携による二
国間での関係構築が不可欠である。同時に、これらの取組を推進していく中で、両国間
の信頼関係をさらに強固なものにしていく必要がある。

特にベトナムにおいては、近年、規格・認証制度の改革・強化に取り組んでいるところであ
76
り、今後の規格整備に対する欧米や韓国等の海外からの関与が強まってくることが予想さ
れる。日本としても、海外各国に遅れをとらないよう、政府間での支援・協力がより重要に
なる。

このため、現地の政府や業界団体等と定期的な情報交換・情報共有の場を設けるなど、
政府・業界団体・民間企業の各レベルにおける緊密な連携が求められる。

また、規格や認証制度等の策定、運用においては、技術的・科学的な知見も必要とされる
ことから、学識経験者や試験機関等の専門家も交えた関係構築が重要である。
77
【結 語】
本調査では、アジア主要国の国家規格等が定める性能等級を実現できる具体的な仕様の明確
化とともに、日本の高品質・高性能なグリーン建材の優位性を示すためのデータの充実や、性
能を確保するための標準ディテールの充実に資することを目的として、中国及びベトナムを対
象として、建材の規制・規格・認証制度等の情報収集及び現状把握と、我が国が強みを有する
グリーン建材が適正に評価される環境整備に向けた提言を行った。
今回の調査を通して、国内において、アジア各国における建材の規制・規格・認証制度等の
情報が不足していること、それらの内容や運用実態を把握するためには、対象国の政府や試験
機関等、適切な機関にアプローチする必要があり、情報収集のハードルが高いことが明らかと
なった。また、建材の規制・規格・認証制度等の整備状況や運用状況は国毎に異なることから、
グリーン建材が適正に評価されるための環境整備に向けたアプローチも国毎に変えていく必要
がある。
今後は、本調査で対象とした中国やベトナムについて、グリーン建材が適正に評価されるた
めの環境整備に向けた各種取組を推進するとともに、インドやインドネシア、タイ、マレーシ
ア等、他のアジア新興国にも調査対象を広げ、アジア主要国における規格等の情報収集及びデ
ータベース化により、日系建材メーカーのアジア事業展開を支援していくことが期待される。
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