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2.東京大学における臨床研究倫理に関する取り組み

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2.東京大学における臨床研究倫理に関する取り組み
東京大学における
臨床研究倫理に関する取り組み
1
課題
臨床研究における倫理違反・研究不正等により、
社会における臨床研究への信頼が喪失している
対策
1.
2.
3.
4.
目標
研究倫理を遵守し研究の信頼性を確保するために、
臨床研究を管理して推進する体制を構築
臨床研究における倫理の教育
利益相反の管理体制の強化
臨床研究ガバナンスの改善と研究不正の防止
透明性・信頼性を担保した臨床研究体制の構築
東京大学における
臨床研究倫理に関する改革のポイント
• 文部科学省・厚生労働省「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」
(2015年4月施行予定)
• 厚生労働省「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会報告書」
•
(2014年12月11日)
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(2014年11月26日施行)
• 文部科学省「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」
(2014年8月26日)
本部が各部局の臨床研究実施体制を統括し、
教育、利益相反、倫理審査など、
臨床研究ガバナンス全般に責任を負う体制への改革
2
東京大学における臨床研究倫理に関する新たな体制
総 長
報告
担当理事
ライフサイエンス
委員会
東大として一本化
「再生医療等の安全性の確保等
に関する法律」への対応
倫理審査委員会
倫理委員会
(医学系研究科・
医学部附属病院)
倫理審査委員会
(医科学研究所・
附属病院)
倫理審査専門委員会
(上記を除く全学)
「人を対象とする医学系研究に関す
る倫理指針」への対応
3
指導・監督
特定認定再生医療等委員会
報告
指導・監督
本部研究推進部
研究推進企画課
ライフサイエンス研究倫理支援室
部
局
長
東京大学における臨床研究倫理支援体制の連携強化
本部と各部局の研究倫理支援室との連携を促進し、
本学のみならず全国の研究倫理支援体制構築に貢献する
室長:担当理事
指導・連携
ライフサイエンス
研究倫理支援室
(本部)
連携
報告
新たに全学の状況を
総合的に把握・情報集約する
定例会議を設置
• 専任教員を配置
• 各分野の兼任教員を配置し多角
的な検証と指導・助言
• 医学系以外の部局での研究倫
理向上を支援
4
研究倫理支援室
(医学部・附属病院)
研究倫理支援室
(医科研・附属病院)
• 臨床研究に特有の課題の把握・
情報集約
• 専任教員を配置
• 全国の規範となるような臨床研究
教育プログラムの開発と実践
• 全国に広がりつつある臨床研究
倫理支援職への教育・研修機会
の提供
医学系研究科・医学部附属病院
臨床研究倫理に関する取り組みの経過
H26年
1月21日 附属病院SIGN調査チーム設置
2月19日 東京大学SIGN研究特別調査 予備調査委員会設置
2月19日 病院全職員へのe-learning開始
3月14日 予備調査委員会による中間報告書の記者発表
3月26日 医療情報担当者の入館規制を強化
4月11日 病院全職員へのe-learning終了。100%受講の達成。
4月〜
臨床研究支援センターでの学生の臨床研究教育の強化
4月〜
利益相反委員会の定期的開催(毎月)と利益相反管理の強化
5月16日 改訂版研究倫理セミナーの開催(内容の充実と機会の増加)
5月16日 先端医療開発戦略室の設置
6月24日 特別調査委員会による記者発表
8月25日 医学部学生との「臨床研究について考える会」の開催
9月〜
臨床研究部分を強化した個人情報e-learningを開始
9月1日
改訂版「利益相反自己申告書」 の運用開始
10月15日 企業等からの資金提供状況を公表
10月〜
臨床研究支援センター等の職員補強
H27年
1月
臨床研究ガバナンス部を設置
1月
倫理委員会委員等の利益相反管理の開始
5
1. 臨床研究
における
倫理の
教育
2. 利益相反
の管理
体制の
強化
3. ガバナンス 4. 透明性・信頼
の改善と
性を担保した
研究不正
研究体制
の防止
構築
医学系研究科・医学部附属病院
1.臨床研究における倫理の教育
課題
• 臨床研究者における研究倫理や利益相反の知識不足
• 臨床研究の研究者教育不足
対策
• 研究倫理セミナーの内容の充実と機会の増加(H26年5月〜)
• 病院全職員へのe-learning(H26年2 月19 日〜4月11日で100% )
• 医学生と一般職員の教育 (H26年4月〜)
• 個人情報e-learningの強化 (H26年9月〜)
• 各種職種に適合させた 複合学習を学習管理システムで行う。(導入予定)
① ICT活用
教育
全職員の教育
③ 演習
研究者の育成
生涯教育
④現場での
OJT
効果
6
倫理性
科学性
②講
義
目標の定まった系統的カリキュラムを継続的
に併用し、臨床研究に関する総合的な基礎
力・実践力を獲得させる。
①
ICT活用教育
e-learning・インターネット授業・ビデオライブラリー
②
③
④
講義・講演
演習・ワークショップ
現場でのOJT(On the Job Training)
個別コンサルテーション・指導
臨床研究者や教職員の研究倫理や利益相反の知識・理解の充実
臨床研究の質と信頼性を確保
医学系研究科・医学部附属病院
2. 利益相反の管理体制の強化
公正性の
担保
• 研究者の利益相反に関する知識・理解の不足
• 利益相反管理の体制の不足
課題
H26年4月〜
• 利益相反委員会の定期的開催(H26年4月〜、月1回)
• 倫理審査申請書と同時に審査し、不承認や改善の勧告も含め、管理を徹底
• 「利益相反自己申告書」 の見直し(H26年9月〜)
• 倫理委員会委員等の利益相反も管理(H27年4月〜)
対策
意見書
要約書
倫理委員会
諮問
利益相反委員会
COI自己申告書
答申
医学系研究科長
倫理審査申請
臨床研究者
効果
7
研究の主体と研究資金
を明記
財団やNPO経由の資金
も明確に
「利益相反自己申告書」の改定
研究自体の利益相反も
申告
計画書・同意説明書で
利益相反の開示を確認
•「医系大学・研究機関・病院のCOI(利益相反)マネージメントガイドライン」や日
本医学会の「医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」に準拠
•臨床研究に参加する研究者全員を提出の対象とする
利益相反に関する研究者の知識と理解の充実
臨床研究開始時に研究者自身が利益相反を確認し、利益相反委員会が
適切な管理を行える仕組み
医学系研究科・医学部附属病院
品質管理と
不正防止
3. 臨床研究のガバナンスの改善と研究不正の防止
課
題
対
策
• 臨床研究の実施支援部門から臨床研究の管理部門が独立していない
• 研究マネジメント不足
• 研究監視機能不足
• 臨床研究の実施支援部門から独立して、臨床研究のガバナンスの改善と研
究不正防止を行うため、外部専門家も参加し、「臨床研究ガバナンス部」を設
置(H27年1月〜)
学内他部局との
連携と支援
大学間・学外との
連携と支援
病院長
実施支
援部門
研究支援部長
臨床研究ガバナンス部
管理
研究部門運営諮問委員会
(外部専門委員の参加)
先端医療開発戦略室
●研究マネジメントの強化
効
果
8
臨床研究支援センター
新設
臨床研究者教育研修室
●研究者教育の強化
新設
監査・信頼性保証室
●研究監視機能の強化
研究の品質と信頼性を担保し、研究不正を防止
東大が率先して研究ガバナンスの規範を示し、アカデミア研究の信頼を回復
医学系研究科・医学部附属病院
4.透明性・信頼性を担保した臨床研究体制の構築
• 臨床研究支援体制の不足
• 透明性・信頼性の確保
• 企業の医療情報担当者と研究者との不適切な接触
課題
資金情報の公表
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>
26
9
H26年10月〜
• 臨床研究支援センター職員補強による臨床研究の実施体制の強化
• 企業等からの資金提供状況を公表(H26年10月〜)
• 販売促進行為を目的とした不適切な接触を防ぐため、医療情報担当者の
入館規制を強化(H26年4月〜)
対策
効果
透明性・信
頼性の確保
6
9
医療情報担当者(MR)の
病院内立ち入り規制
販売促進行為を目的とした不適切な接触を
防ぐため、入院病棟における病院教職員と
事前にアポイントのない医療情報担当者
(MR) の入館を禁止するなど、MR の入館
時のルールを定め、本年4 月から実施。
透明性・信頼性を担保し、臨床研究の信頼性を確保
医科学研究所・附属病院
倫理性
科学性
1.臨床研究における倫理の教育
課題
対策
• 臨床研究者における研究倫理や利益相反の教育の実効性の確認不足
• 臨床研究の研究者の教育機会の不足
• テストを含む緊急臨床試験倫理セミナーを開催 ※
• 臨床研究不正防止セミナーを開催 ※
• 個人情報取扱に関する緊急調査の実施(医学部附属病院と共通)
• 研究分野に応じた継続的教育カリキュラムの策定 ※ ※
医科研独自の取り組み
目標の定まった系統的カリキュラムを継続的
に併用し、臨床研究に関する総合的な基礎
力・実践力を獲得させる。
①
ICT活用教育
① ICT活用
教育
全職員の教育
③ 演習
研究者の育成
生涯教育
④現場での
OJT
効果
10
② 講義
e-learningの導入・ビデオライブラリーの拡充
②
③
④
講義・講演
演習・ワークショップの拡充
現場でのOJT(On the Job Training)
個別コンサルテーション・指導
臨床研究者や教職員の研究倫理や利益相反の知識・理解の充実
臨床研究の質と信頼性を確保
医科学研究所・附属病院
2. 利益相反の管理体制の強化
課題
対策
• 研究者の利益相反に関する知識・理解の不足
• 利益相反管理の自己申告項目の不足
• 従来より、観察研究を含め全ての臨床研究の利益相反審査を実施 ※
• 体制を見直し、倫理審査委員会との連携を強化
※ 医科研独自の取り組み
• 緊急調査の実施(医学部附属病院と共通)
• 「利益相反自己申告書」 の見直し(医学部附属病院と共通)
倫理委員会・治験
審査委員会
諮問
利益相反アドバイ
ザリー室会議
意見書
答申
COI自己申告書
病院長(基礎研究は所長)
倫理審査申請
臨床試験審査申請
臨床研究者
効果
11
公正性の
担保
研究の主体と研究資金
を明記
財団やNPO経由の資金
も明確に
「利益相反自己申告書」の改定
研究自体の利益相反も
申告
計画書・同意説明書で
利益相反の開示を確認
•「医系大学・研究機関・病院のCOI(利益相反)マネージメントガイドライン」や日
本医学会の「医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」に準拠
•臨床研究に参加する研究者全員を提出の対象とする
利益相反に関する研究者の知識と理解の充実
臨床研究開始時に研究者自身が利益相反を確認し、利益相反委員会が
適切な管理を行える仕組み
医科学研究所・附属病院
品質管理と
不正防止
3. 臨床研究のガバナンスの改善と研究不正の防止
課
題
• 臨床研究の実施支援部門に比べ、臨床研究の管理部門が人員不足
• 研究マネジメント不足
• 研究監視機能不足
対
策
• 独立したデータマネジメントの義務化※
• TR・治験センターのデータマネジメント機能増強のため増員
• データマネジメントに関する緊急セミナーを開催※
• 医学部附属病院臨床研究支援センターとの連携強化
運営管理部門
※
医科研独自の取り組み
監視の徹底
治験事務局、外部プロジェクト管理
センター長
コーディネーター部門 全臨床試験への配備
副センター長
研究倫理支援室
プロジェクト・マネジメント部門
との連携
プロジェクトマネージャー
TR・治験センター
データ管理部門
モニタリング、データ
マネジメント、生物統計
開発推進部門 知財管理、規制対応
効
果
12
増員・強化
研究の品質と信頼性を担保し、研究不正を防止
東大が率先して研究ガバナンスの規範を示し、アカデミア研究の信頼を回復
医科学研究所・附属病院
4.透明性・信頼性を担保した臨床研究体制の構築
透明性・信
頼性の確保
課題
• 臨床研究支援体制の不足
• 透明性・信頼性の確保
• 企業の医療情報担当者と研究者との不適切な接触の懸念
対策
• 臨床研究支援者の増員※
• 資金提供情報の公表(医学部附属病院と共通)
• 医療情報担当者(MR)の病院内立ち入り規制(医学部附属病院と共通)
※
資金情報の公表
医科研独自の取り組み
医療情報担当者(MR)の
病院内立ち入り規制
販売促進行為を目的とした不適切な接触を
防ぐため、入院病棟における病院教職員と
事前にアポイントのない医療情報担当者
(MR) の入館を禁止するなど、MR の入館
時のルールを定め、本年12月から実施。
効果
13
透明性・信頼性を担保し、臨床研究の信頼性を確保
平成 26 年 12 月 22 日
東京大学医学系研究科・医学部附属病院
「臨床研究に関する倫理指針」不適合事例の再発防止策
不適合事例の内容
1) 個人情報関係
患者 ID 番号などの個人識別情報が含まれる臨床研究のアンケートデータが企業に渡った。
2) 利益相反関係
医師主導の臨床研究において、研究計画書の作成やデータの運搬など、様々な役務提供。
また、該当企業に関する利益相反の開示が適切になされていなかった。
臨床研究における倫理や利益相反の教育
1.
2.
3.
東大研究倫理セミナーで利益相反、信頼性確保に関する具体例を用いた講義内容に改善。
全病院職員を対象に利益相反や臨床研究の信頼性確保について e-learning を実施。
個人情報保護に関する e-learning についても、臨床研究に関する具体的な問題を増設。
医学生の臨床実習に「科学性•倫理性•信頼性を確保した臨床試験の実態」を導入。
利益相反の管理体制の改善
1.
2.
3.
利益相反アドバイザリー機関と倫理委員会を連携させ利益相反に関する指導を強化。
申請者が利益相反関係の自己点検ができるように「臨床研究に係る利益相反自己申告書」
の書式を改訂また、申告書は倫理審査申請書と同時に提出し、それぞれ平行して審査。
倫理委員会等の委員自らの利益相反についても申告システムを整備。
臨床研究の倫理審査体制の改善
1.
2.
3.
倫理委員会、IRB 等の倫理審査申請の窓口を一本化し一元管理。
倫理審査申請書類に個人情報の扱いに関するチェックリストを追加し、確認を強化。
臨床研究の適正化検討委員会を設置し、規約の改正等体制の改革を実行。また、研究倫
理支援室の人員増による体制の充実。
臨床研究の監査・モニタリング体制の強化等、臨床研究のガバナンスの改善
1.
2.
臨床研究ガバナンス部を設置し、
臨床研究のデータ管理やモニタリング、
監査等を実施。
臨床研究ガバナンス部には、先端医療開発戦略室監査・信頼性保証室、臨床研究者教育
研修室を設置し専任スタッフを配置。
適切な臨床研究実施体制の強化
1.
2.
3.
4.
臨床研究支援センター職員の人員補強による臨床研究の実施体制の強化。
企業等からの資金提供状況を公表。
販売促進行為を目的とした不適切な接触を防ぐため、医療情報担当者の入館規制を強化。
臨床研究の倫理指針違反を起こした当該科には複数の臨床倫理指導員の配置を義務づけ。
TR 加速ネットワーク拠点と早期・探索拠点
1.
2.
早期・探索的臨床試験拠点体制を再検討し、研究代表者を交代。
TR 加速ネットワークシーズ及び早期・探索的臨床試験拠点整備事業シーズに関する臨床研究の倫
理・利益相反問題がない事を再確認。
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