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新田園コミュニティ計画指針
人と自然との共生ゾーンにおける 新田園コミュニティ計画指針 平成28年4月 経 済 観 - 1 - 光 局 目 Ⅰ 新田園コミュニティ計画の基本的事項 1 神戸の農業・農村地域 (1) 現状 (2) 見直しの背景 2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 新田園コミュニティの基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・3 (1) 神戸の里づくり (2) 「計画づくり」から「新しいコミュニティづくり」へ (3) 新田園コミュニティの基本目標 (4) 基本目標に取り組む考え方 3 新田園コミュニティの取り組みの方策 (1) Ⅱ 次 ・・・・・・・・・・・・4 里づくりの中で取り組む (2) 新田園コミュニティの導入にあたり配慮すべき事項 (3) 里づくり計画の策定 (4) 農村用途区域の指定 (5) 農村景観保全形成地域の指定 (6) 協働の取り組みで新田園コミュニティをつくり、そだてる 新田園コミュニティ計画の基本的な要件 1 新田園コミュニティの活用にあたっての基本方針 2 新田園コミュニティの基本的な考え方 3 新田園コミュニティの活用区域の考え方 ・・・・・・・・・・6 4 新田園コミュニティの区域設定の考え方 ・・・・・・・・・・7 5 新田園コミュニティの整備の方向 - 2 - ・・・・・・6 ・・・・・・・・・・・6 ・・・・・・・・・・・・・8 Ⅰ 1 新田園コミュニティ計画の基本的事項 神戸の農業・農村地域 (1) 現状 神戸の 「農業・農村地域」 は、北神地域と西神地域に広がっています。 「農業・農村地域」 の多くが、市街化を抑制する区域として、都市計画法に基づく市街 化調整区域に指定され、住宅を建てる等の開発行為が制限されています。 また、昭和 44 年に「農業振興地域の整備に関する法律(農振法) 」が制定され、神戸市 においても、総合的に農業の振興を図ることが必要な農業地域を、同法に基づき「農用地 区域」と定め、農地以外への転用が制限されることとなりました。 一方、このような制度のもとで、「農業・農村地域」は、豊かな自然環境や営農環境及 び生活環境が守られるとともに無秩序な土地利用を防止してきました。 さらに、神戸市では、全国に先駆けて平成8年4月に、「人と自然との共生ゾーンの指 定等に関する条例」 (以下「共生ゾーン条例」といいます。 )を制定しました。そして、市 内の農業・農村地域を「人と自然との共生ゾーン」として位置づけ、そこに住む人々の主 体的な取り組みを尊重しながら、秩序ある土地利用の計画的推進、農村らしい景観の保 全・形成及び里づくりの推進により、農村環境の整備等を進めてきました。 し か し な が ら 、少 子・高 齢 化 や 農 業 従 事 者 の 後 継 者 不 足 等 に よ る 地 域 活 力 の 低 下 と と も に 、従 来 か ら 農 業・農 村 地 域 が 持 っ て い た 多 面 的 な 機 能 の 維 持 についても支障が懸念されています。特に市街化区域を含まない北区大沢 町・淡 河 町 及 び 西 区 神 出 町 な ど で 、少 子 化 に 伴 う 児 童 数 の 減 少 や 高 齢 化 へ の 対応が緊急の課題となっています。 平 成 10 年 5 月 に 都 市 計 画 法 が 一 部 改 正 さ れ 、 市 街 化 調 整 区 域 に お け る 地 区 計 画 に 適 合 す る 開 発 行 為 で あ れ ば 、農 村 地 域 に お い て も 、小 規 模 な 住 宅 開 発を行う途が開かれました。 こ の こ と か ら 、 平 成 13 年 度 よ り 市 街 化 調 整 区 域 の 地 区 計 画 の 活 用 に 向 け て 、 地 域 住 民 及 び 関 係 部 局 と 協 議 ・ 検 討 を 行 い 、 平 成 14 年 7 月 に 地 区 計 画 の 運 用 上 の 要 件 を 、共 生 ゾ ー ン 条 例 整 備 基 本 方 針 の 中 に 新 田 園 C 計 画 指 針 と して定めることができ、同地区計画の活用が進められることとなりました。 - 1 - (2) 見 直し の背景 制度運 用を開 始し てか らこれ まで、 同地 区計 画の実 績は、 西区 平野 町上津 橋地 区(平 成 23 年4月 決 定)の 1地区 にと どま ってい ます。 これ は、 対象区 域や整 備の考 え方が 既存 集落 を含め た一定 規模 以上 の一団 の活用 を想 定し ており 、新規 住民を 呼び込 むた めの 適当な 規模や 位置 の土 地確保 、及び それ ら権 利関係 の調整 が難し いこと が一 因と 考えて います 。 また、 人口減 少や 少子 ・高齢 化の進 展に より 、神戸 市の人 口は 平 成 24 年より 減少に 転じ、 特に 神戸 の農村 地域に おい ては 、農村 環境の 維持 ・発 展や農 業の担 い手不 足から 、農 村地 域の著 しい活 力の 低下 が懸念 されて きま した 。 こうし た中で 、国 にお いては 、平 成 26 年9 月に、 重点政 策の 一つ として 「地 方 創 生 」 を 掲 げ 、「 ま ち ・ ひ と ・ し ご と 創 生 」 に 関 す る 施 策 を 総 合 的 か つ 計 画 的 に実施 し、地 方の 人口 減少に 歯止め をか ける ととも に、地 方が それ ぞれの 特徴を 活かし た自律 的で 持続 的な社 会を築 いて いく ことと してい ます 。 神戸市 におい ては 、平 成 27 年 度よ り、 「 神戸・里山暮 らし 」推進 事 業を創 設し、 興味ある都市住民を農村地域へ呼び込むため、コーディネータを配置するなど、 農村地域における定住促進や規制緩和について、進めていくこととしています。 平成 26 年度 に内 閣府 が行っ た東京 都在 住者 を対象 にした 移住 に関 する意 向調 査によ ります と、 その 約4割 が農山 漁村 に定 住して みたい と回 答し ている ことか ら、近 年は、 より 「田 園回帰 」の動 きや 定年 退職を 契機と した 農村 の定住 志向が 大きく なって いる こと が伺え ます。 ま た 、 ラ イ フ ス タ イ ル の 多 様 化 に よ っ て U ・ J・ I タ ー ン に よ る 農 業 ・ 農 村 地 域での 「定住 」や 「就 農」へ の希望 も増 えて きてい ます。 このた め、平成 14 年 7 月に、里 づく り計画 を通し て地域 の活 性化 に地域 ぐる み で 取 り 組 む 集 落 を 支 援 す る 1 つ の 手 法 と し て 策 定 し た 、「 人 と 自 然 と の 共 生 ゾ ー ン に お け る 新 田 園 コ ミ ュ ニ テ ィ 計 画 指 針 」( 以 下 「 新 田 園 C 計 画 指 針 」 と い い ま す 。) を 、 こ の た び 、 神 戸 の 個 々 の 集 落 が 持 っ て い る 実 情 や 特 徴 に 応 じ た 区 域 設定等 が行い やす くで きるよ う見直 すも ので す。 見直し にあた って は、 市街化 調整区 域に おけ る地区 計画制 度の 運用 の考え 方に ついて、神戸市全体の土地利用規制の考え方(都市計画の線引き、共生ゾーン、 みどり の聖域 )や 上位 計画並 びに今 後の 神戸 の農業 振興の 考え 方な ど踏ま えると ともに 、どこ で適 用す べきか 、その 必要 性、 区域の 妥当性 等、 制度 の乱用 につな がらな いよう にも 配慮 してい く必要 があ りま す。 - 2 - 2 新 田園コ ミュ ニテ ィの基 本目標 (1) 神 戸の里 づ くり 神戸の 農業・農 村地 域 では、共 生ゾー ン条 例 による 土地利 用規 制と 地域住 民(里 づくり 協議会 )が 策定 する里 づくり 計画 を結 び付け 、秩序 ある 土地 利用の 計画的 なコン トロー ルを 行う ととも に、地 域住 民と 市が協 働して 総合 的な 地域施 策(里 づくり )を進 めて いき ます。 (2) 「計画 づくり 」か ら「新 しいコ ミュ ニテ ィづく り」へ 計画づ くりや 景観 づく りへの 取り組 みの 成果 として 、地域 コミ ュニ ティの 重要 性の再 認識や 、地 域コ ミュニ ティの 活性 化・ 連携強 化など があ げら れ、こ れこそ が里づ くりの 本質 であ り、最 も重要 なこ とで す。 神戸では、農業・農村地域における熱心な“地域づくり”活動の歴史は古く、 現在の “里づ くり ”活 動へ受 け継が れて きま した。 しかし ながら 、後 継者 不足や 高齢化 等に より 、農業 を含め て、 地域 の担い 手が 不足し ている のが 現実 です。 一方で 、都市 部の 住民 が、自 然やや すら ぎを 求めた り、観 光農 園や 貸し農 園や 農産物 直売所 を利 用す るなど 、農村 地域 に訪 れ、滞 在する 機会 が増 加し、 近年で は、「就 農」 や「農 村 定住」 の希望 者も 増加 してい ます。 そこで 、これ らの 新し い人々 の力を 地域 の維 持に活 かして いく こと も必要 であ り 、 既 存 の 住 民 と 新 し い 人 々 と 融 合 を 図 り 、「 新 し い コ ミ ュ ニ テ ィ を つ く り 、 そ だてる 」こと で、 農村 ・農業 の維持 ・発 展を 進めて いきま す。 (3) 新 田園 コミュ ニ ティの 基本目 標 地域の「自然」、「生 活 ・文化」、「農 業」が 活 き活き とし、 快適 な農 村空間 をまも り、つ くるた めに は、 これら の主体 とな る活 力ある 住民の 存在 と活 力ある 地域コ ミ ュ ニ テ ィ が 必 要 に な り ま す 。 そ こ で 、 農 村 に あ る 「自 然 」、 「生 活 ・ 文 化 」、 「農 業 」 の 豊 か さ を 保 ち な が ら 、「 ゆ と り ・ や す ら ぎ 」 を あ わ せ も っ た 居 住 空 間 を 生 み出し 、そこ に住 む人 々や訪 れる人 々に よっ て「活 力ある 地域 コミ ュニテ ィ」を 維持し 、地域 の個 性を 発揮し た「新 田園コ ミ ュニテ ィ」を 展開す る ことを 『新田 園 コミュ ニティ をつ くり 、そだ てる』 とし て 、基本 目標と しま す。 (4) 基 本目 標に取 り 組む考 え方 基本目 標の実 現に 向け て、次の 4つ を基 本的 な考え 方とし て、推進 してい きます 。 ① 活 き活 きと した「自 然」を まも り、 そだて る 豊か な 自然を 活かし た 、ゆと りある 新田園 コミ ュニ ティを 形成し ます。 ② 活 き活き とし た「生活・ 文化」をまも り 、そだ てる 地 域 の し きた り や 伝 統 を尊 重 し 、地 域 に 溶 け 込む 新 田 園コ ミ ュ ニ ティ を形成 します 。 ③ 活 き活き とし た「農業」を まも り、そ だ てる 既 存 の 住 宅と 新 住 民 が 協力 し て 、農 地 の 保 全 及び 有 効 活用 を 図 る とと もに後 継者の 確保 に繋 がる新 田園コ ミュ ニテ ィを形 成しま す。 ④ 上 記の3 つを 実践 し、活き 活きと した「地域コ ミュニ ティ をつ くり 、そ だて る」こと が、「新田 園コ ミュニ ティを つく り、 そだて る」鍵 となり ま す。 既 存の住 民と新 住民 が理 解しあ い、融合す る地 域コミ ュニテ ィを 育み 、 誇りと生きがいをもって生活できる新田園コミュニティを形成します。 - 3 - 3 新 田園コ ミュ ニテ ィの取 り組み の方 策 『新田 園コ ミュ ニティ をつく り、 そだ てる』 には、 地域 で協 力して 「里づ くり 」を 進める ことが 大切 です 。 「里 づく り 」は 、地 域 の多様 性を活 かし なが ら、地域の 実情 に 応じた 「里づ くり 計画 」を策 定し、 地域 の合 意形成 を図り 、取 り組 みを進 める役 割を 果たし ます。 そして、「里 づくり 」 の中で つくり あげ られ た「地 域の合 意」( 里 づくり 計画) を実 現する 手法と して、「 農村用 途区域 や農 村景 観保全 形成地 域の 指定 」、及び 「新 田園コ ミュニ ティの 導入 」が 重要な 役割を 果た しま す。 (1) 里 づくり の 中で取 り組む 地域の合意した里づくり計画(将来ビジョン)の中に、地域の土地の有効活用、 人口減 少への 対応 策や 地域の 活性化 策な どと して、 新田園 コミ ュニ ティを 導入す る ことは 、個性 ある 地域 づくり や持続 的な 農業 ・農村 地域づ くり に役 立ちま す。 (2) 新 田園コ ミ ュニテ ィの導 入に あた り配慮 すべき 事項 新田園 コミュ ニテ ィの 導入は 、単な る住 宅の 開発で はなく 、農 村地 域の豊 かな自 然環境 やコミ ュニ ティ などの 特長を 活か した 住宅の 建設で なけ れば なりま せん。 そ のため、導入 にあ たっ ては、下記の 事項 に充 分に配 慮して 検討 する 必要が ありま す。 〔配 慮す べき 事項〕 (3) ① ① 地 域の農 業振 興 ⑤ 地 域の地 形を 活か す ② コ ミュ ニティ の活気 ・賑 わい ⑥ 豊 かな自 然を 活か す ③ 個 性あ る農村 景観の 保全 ・形 成 ⑦ 地 域の歴 史や 文化 を活か す ④ 心 地よ い生活 空間の 創出 里 づくり 計 画の策 定 里 づくり 計画 は、 原則と して集 落単 位で 、地域 住民が 主体 とな って策 定する も のであ り、地 域の 社会 的・経 済的条 件や 集落 の個性 により 内容 が多 岐にわ たりま す。 市長は 、農業 振興 だけ でなく 環境整 備や 土地 利用、 景観の 保全 や都 市部の 住民 との交 流計画 等が 定め られた 里づく り計 画を 認定し ます。 ② 新 田園コ ミュ ニテ ィを導 入する 場合 は、 里づく り計画 の整 備の 目標や 方針の 中 に「新 田園コ ミュ ニテ ィ」に 関する 方針 を明 らかに 定める こと が必 要にな り、そ の内容は集落の土地利用計画や景観保全形成計画等へ反映されなければなりま せん。 ③ 整 備方針 及び 新田 園コミ ュニテ ィ計 画に は、導 入の目 的、 自然 環境や 営農環 境 等と調 和した 地域 の土 地利用 の方針 (景 観に 関する 事項も 含む。)、 ゆとり ある良 好な住 環境の 維持 ・形 成やコ ミュニ ティ の維 持と活 性化に 関す る事 項、事 業主体 - 4 - やその他地域の特性を活かすために必要な事項について定めることが考えられ ます。 ④ 特 に「新 田園 コミ ュニテ ィをつ くり 、そ だてる 」ため には 、新 しく受 け入れ る 住民を考えての地域のルールやしきたりなどの見直しを試みることも大切にな ります 。 ⑤ 土 地利用 計画 にお いては 、全地 域に 適切 な農村 用途区 域が 設定 される ことを 前 提に新たな新田園コミュニティ計画の導入予定区域が設定されることが条件に なりま す。さ らに 、農 業振興 計画や 環境 保全 計画に 基づき 適切 な農 業保全 区域や 環境保 全区域 が定 めら れなけ ればな りま せん 。 ⑥ 景 観保全 形成 計画 には、 地域全 体で の一 般的な 景観に 関す る考 え方や 取り組 み を定め るとと もに 、新 田園コ ミュニ ティ 計画 の導入 にあた って は、 当該活 用区域 につい ての景 観保 全形 成計画 を策定 する こと が必須 の条件 とな りま す。 具体的 には、 市長 が定 める「 景観保 全形 成基 準」へ 反映で きる よう な「景 観へ の配慮 事項」 や「 新田 園コミ ュニテ ィの 整備 に関す る事項 」な どを 定める ことに なりま す。 (4) 農 村用 途区域 の 指定 市長は 、認定 した 里づ くり計 画の土 地利 用計 画を反 映させ て、 農村 用途区 域の指 定や変 更を行 いま す。 (5) 農 村景 観保全 地 域の指 定 新田園 コミュ ニテ ィの 導入に あたっ ては 、農 村景観 保全形 成地 域の 指定が 必須の 条件と なりま す。 市長は 、認定 した 里づ くり計 画の景 観保 全形 成計画 を反映 して 、指 定する 地域ご とに、 独自の 「景観 保 全形成 基準」を策定 し 、「基本 方針」の中 に定 めたう えで農 村景 観保全 形成地 域を 指定 します 。 「景観保 全形 成基準 」は 、具体 的な土 地利 用行 為の適 否の判 断基 準と なり、 さらに 基準を 満たす 条件 とし て「里づ くり 協議会 の 承認」等 を必 要とす る ことに より、 地域 住民の 意向が 確実 に担 保され るよう にし ます 。 (6) 協 働の 取り組 み で新田 園コミ ュニ ティ をつく り、そ だて る 市は、「農村 用途区 域 の土地 利用基 準」に 併 せて、 農村景 観保 全形 成地域 におい て は、「景 観保 全形成 基 準」に基 づく 届出制 度 の円滑 な運用 と適 切な 誘導を 行い、 里づ くり協 議会が 主体 的に 行う取 り組み を支 援し ます。 そして 、里づ くり やそ の活動 の中で の新 田園 コミュ ニティ の導 入を 通じて 『新田 園コミュニティをつくり、そだてる』ことができるように、地域住民、都市住民、 事業者 及び市 によ る協 働の取 り組み を進 めま す。 - 5 - Ⅱ 新田園コミュニティ計画の基本的な要件 1 新田園コミュニティの活用にあたっての基本方針 (1) 線引き制度の趣旨をふまえ、無秩序な市街化の誘発を防ぐ。 (2) 豊かな自然環境を保全・育成する。 (3) 新たな公共投資を生じさせない。 (4) 地域特性を活かした魅力・活力を創出する。 2 新田園コミュニティの基本的な考え方 (1) 新田園コミュニティの創造及び育成に寄与する。 (2) 定住型の集落住居住宅を展開する。 (3) 里づくり計画が策定され、土地利用の検討が行われている集落へ導入する。 (4) 新規住宅の戸数は、既存集落戸数を上限とする。 (5) 新規宅地の開発規模は、農用地の保全等の観点から概ね2ha 以下とする。 (6) 具体的な計画は、里づくり協議会又は事業者が主体となって関係機関と協議して、策定 する。 3 新田園コミュニティの活用区域の考え方 (1) 里づくり計画が策定された区域 (2) 集落居住区域の指定、かつ農村景観保全形成地域の指定が行われる区域 (3) 農業振興地域の整備に関する法律、農地法、都市計画法、森林法、建築基準法等の関係 法令の許可等の可能な区域 (4) 土地所有者等の権利関係が、調整されている区域 (5) 活用区域内の住民等の全員の合意が得られた区域 - 6 - 4 新 田園コ ミュ ニテ ィの区 域設定 の考 え方 ―新田園コミュニティの具体的計画方針― 農業・ 農村 地域 には、 地理・ 地形 や歴 史的・ 文化的 ・経 済的 な成り 立ちに よっ て、 それぞ れの地 域に 深く 根付き 守られ てき た特 性が存 在しま す。 北神地 域は、 丘陵 地が 多く中 山間的 な地 域で 農地の 中に住 民が 散在 してい る集落 が 多く、 西神地 域は 、ゆ るやか な丘陵 と広 く連 なる平 野部か ら成 り立 ち、住 宅が群 をな してい る集落 が多 いと いった 特徴が あり 、こ のよう な様相 が異 なる 中でコ ミュニ ティ が形成 ・維持 され てき ていま す。 このた め、地 域の 個性 やコミ ュニテ ィを 最重 要視す る新田 園コ ミュ ニティ の活用 に あたっ ては、 地域 の特 性に応 じたゆ とり ある 良好な 生活環 境の 形成 を図る ととも に、 営農環 境、自 然環 境、 農村景 観及び 地域 コミ ュニテ ィの活 性化 等に 配慮し た上で 、適 切な位 置、規 模及 び形 状とし ます。 そこで 、これ まで 設定 してい た、ゆ るや かな 丘陵と 平野部 から 成り 立って 住宅が 群 をなし ている 区域 を「 一般型 」とし 、新 たに 丘陵地 が多く 中山 間的 な地域 で農地 の中 に住民 が散在 して いる 区域に 設定す る場 合を 「散居 型」と して 追加 区分す ること とし ます。 一般型 散居型 (1)位置 ・規 模 既存住 宅(群)と隣 接し 、一体 となって良好な居住環境及び コミュニティの確保できる位 置・規 模であ るこ と。 規 模 に つ い て は 、 概 ね 1 ha 以上で あるこ と。 既存住宅と一体となって良 好な居住環境及びコミュニテ ィの確 保でき る位 置・規模で あ ること 。 規模に ついて は、概ね 0.5ha 以上で あるこ と。 (2)定住 の可 能地 学校、 病院、 公共 交通 、その 他の公 共施 設等 からの 位置や 居 住者の 利便性 等を 考慮 し、将 来にわ たっ て定 住が可 能な位 置で あるこ と。 (3)設定 戸数 近隣とのコミュニティの形 近隣とのコミュニティの形 成を促 進する ため、一 団の土 地 成を促 進でき る、概ね 4戸以 上 の区域 に計画 され 、概 ね 10 戸 の規模 である こと 。 以上の 規模で ある こと 。 (4)公共 施設 居住者 が必要 とす る道 路や広 場等の 地区 施設 の配置 も含め た 規模で あるこ と。 (5)敷地 の形 状 整形の 区域設 定を 行う が、既 存の建 築物 の配 置状況 及び地 形 に配慮 し、か つそ れを 活かし た形状 であ るこ と。 (6)境界 区域の 境界は 、原 則と して、 道路、 水路 、河 川、そ の他の 地 形及び 恒久的 な土 地の 定着等 により 区画 され るよう に努め る。 ただし 、農村 地域 であ る特性 を考慮 して 、農 道や農 地の畦 畔等 境界が 明確に 判断 でき るもの であれ ば、 境界 として 認める 。 *「散 居型」 を設 定で きる区 域は、 乱開 発が 生じる 恐れの ない 区域 としま す。 - 7 - 5 新田園コミュニティの整備の方向 集落の特性にふさわしい良好な環境の維持・形成を図るため、新田園コミュニティの活用に あたっては、下表から整備に必要な項目を選択し、新田園コミュニティ計画に具体的な内容を 定めることができます。 定めることができる事項 概 要 新田園コミュニティの実現に向けて配慮すべき事項 地域の農業振興 農業生産の基盤整備、農業後継者の確保及び農地を活用し た交流計画等、農業振興に関する事項を定める。 コミュニティの活気・賑わ い 心地よい生活空間の創出 地域の歴史や文化を活かす 地域のコミュニティの活気・賑わいを維持するとともに、 新しい住民とのコミュニティをつくり、そだてるために必要 な事項を定める。 また、地域のしきたりや伝統を尊重し、ゆとりとやすらぎ を併せ持った生活空間を創出し、地域の個性を発揮するため に必要な事項を定める。 個性ある農村景観の保全・形成 地域の地形を活かす 豊かな自然を活かす 緑地や水系等の豊かな自然を活かし、周辺環境と調和した ゆとりある快適な農村空間をつくり、そだてるために必要な 事項を定める。 公共施設に関する事項 道路、広場等 下水処理施設 居住者が活用する道路、公園及び広場等については、既 存集落区域と新規住宅区域の一体性や整備水準の整合性に 配慮して、位置、規模等を定める。 原則として、公共下水道への接続又は、既存の集落排水 施設を活用する。 建築物に関する事項 適用区域 用途の制限 敷地面積の最低限度 建ぺい率の最高限度 容積率の最高限度 建築物等の高さの最高限度 壁面の位置の制限 形態又は意匠の制限 垣又はさくの構造の制限 原則として、既存集落と新規住宅の一体的な整備基準の 設定を行う。ただし、地域の状況により、やむを得ない場 合は、既存集落区域と新規住宅区域をゾーン区分する等、 地域の実情に応じて設定する。 良好な居住環境の保持等を目的として適正に用途配置を 行うために定める。 狭小敷地による居住環境の悪化を防止し、ゆとりある居 住環境の形成のために定める。 敷地内空地を確保し、密集化を防止するために定める。 周辺環境と調和するよう建物のボリュームを抑えるため に定める。 良好な住環境の確保やまち並みのそろった景観の形成等 を促進するために定める。 敷地内空地の確保や良好な集落景観の形成等のため、道 路や隣地境界からの後退距離を確保するために定める。 良好な集落景観を保全・形成し、地域の個性を発揮する ために定める。 - 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