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一般テーマ - Kyushu University Library

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一般テーマ - Kyushu University Library
一般テーマ
地域での異文化間交流についての一試論
一地域連携による相互交流型教育実践の試み一
一地域連携による相互交流型教育実践の試み一
九州大学大学混入間環境学研究段
古谷 武志
九州大学大学院人間環境学研二院 吉谷 武志
九州大学大学院人間環境学府
伊藤亜希子
九州大学大学院人間環境学府 伊藤亜希子
キーワード:留学生教育,典文化間交流,国際理解教育,互恵性,学校,公民館
キーワード1留学生教育,異文化問交流,国際理解教育,互恵性,学校,公民館
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Keywords: education for international students, intercultural exchange, education for international understanding,
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はむめに
はじめに
九州大学の糸島地区への移転にともない,伊都キャンパス周辺の地域住民,企業,自治体,機関
九州大学の糸島地区への移転にともない,伊都キャンパス周辺の地域住民,企業,自治体,機関
との間に様々な交流が試みられている
O それらは,九州大学の資源(知的,物的,人的等)を地域
との問に様々な交流が試みられている。それらは,九州大学の資源(知的,物的,人的等)を地域
社会のニーズに添う形で提供することにとどまらず,新たな需要を喚起するものなど様々な形があ
社会のニーズに添う形で提供することにとどまらず,新たな需要を喚起するものなど様々な形があ
り得るだろう
O もちろん,ここでいう交流,あるいは連携は,九州大学の社会貢献に属することで
り得るだろう。もちろん,ここでいう交流,あるいは連携は,九州大学の社会貢献に属することで
j することが主になるだろうが,一方的な「奉仕Jで
あるから,九州大学側の資源を地域に「提供
あるから,九州大学側の資源を地域に「提供」することが主になるだろうが,一方的な「奉仕」で
あるならば,大学にとっても,さらに実は住民側にとっても必ずしも潔いものではないだろう
O
と
あるならば,大学にとっても,さらに実は住民側にとっても必ずしも潔いものではないだろう。と
)
J という連携の
いうのも,伊都地区の地域住民にとって,一方的に「してもらう(提供を受ける
いうのも,伊都地区の地域住民にとって,一方的に「してもらう(提供を受ける)」という連携の
り方では,九州大学を地域の大学として受け入れ,ともに発展していくという気持ちをもつこと
在り方では,九州大学を地域の大学として受け入れ,ともに発展していくという気持ちをもっこと
が困難になり,一種の
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負い自 j を抱かせるものとなるからである O こうしたところから生じる意
が困難になり,一種の「負い目」を抱かせるものとなるからである。こうしたところがら生じる意
識の上での「議離
JI
疎遠感Jのもたらすものは,日本各地で大学移転にともない経験されてきた
識の上での「乖離」「疎遠感」のもたらすものは,日本各地で大学移転にともない経験されてきた
ものであり,地域の大学としての連携を阻んできたもののように思われる
O その意味で,大学移転
ものであり,地域の大学としての連携を阻んできたもののように思われる。その意味で,大学移転
にともなう地元地域との連携は,
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相互型jないし「互恵型jであることが重要であると思われる*九
にともなう地元地域との連携は,「相互型」ないし「互恵型」であることが重要であると思われる*11、
こうした視点は,実は,大学発祥の地であるヨーロッパ各国における都市における大学の在り方,
こうした視点は,実は,大学発祥の地であるヨーロッパ各国における都市における大学の在り方,
あるいは移転して都市と大学を構築した例を見てもその重要性の一端が伺われるのではないか。た
とえば,九州大学の移転に捺して参考にされたと思われる(調査団が派遣された大学の一つ)ベル
とえば,九州大学の移転に際して参考にされたと思われる(調査団が派遣された大学の一つ)ベル
ギーにおけるフランス語圏ルーヴァン・カトリック大学
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eCathorique de Louvain,UCL)
ギーにおけるフランス語圏ルーヴァン・カトリック大学(Universit6 Cathorique de Louvain, UCL)
のありかたは非常に参考になるだろう
O 戦後,オランダ語圏レウヴェン・カトリック大学 (
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のありかたは非常に参考になるだろう。戦後,オランダ語圏レウヴェン・カトリック大学(Kathoheke
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tLeuven) から分離独立する擦に,この大学はベルギーの首都ブワュッセルから鉄道で3
Universiteit Leuvefi>から分離独立する際に,この大学はベルギーの首都ブリュッセルから鉄道で30
分程度の距離に支線を構築し
その大学ターミナル駅を中心に放射線状に大学施設が都市と一体化
分程度の距離に支線を構築し,その大学ターミナル駅を中心に放射線状に大学施設が都市と一体化
して構築され,そこにブリユツセルからの自動車道も整備される形で大学都市が建築された。伝統
して構築され,そこにブリュッセルからの自動車道も整備される形で大学都市が建築された。伝統
のあるヨー口ツパの大学がそうで為るように,この大学も都市と一体化することで住民と学生,教
のあるヨーロッパの大学がそうであるように,この大学も都市と一体化することで住民と学生,教
伊藤真知子,小松隆二編著
2
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6年『大学地域論一大学まちづくりの理論と実践』論創杜,共同通信社,大分
ノ藤眞知子,小松隆二編著2006年『大学地域論一大学まちづくりの理論と実践』論創社,共同通信社,大分
0
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2年『異文化の風 -APUのキャンパスから j大分合同新聞社
合同新聞社共著, 2
合同新聞社共著,2002年『異文化の風一・APUのキャンパスから』大分合同新聞社
*1)
*1)
17一
一 17 一
職員との一体惑を醸し出す,ヨーロッパ型大学として発展を続けている
O いずれ
九州大学の伊都
職員との一体感を醸し出す,ヨーロッパ型大学として発展を続けている。いずれ,九州大学の伊都
キャンパスも周辺地域の発展と共に,一体感をより高めながら,地域(もちろん自然とも)との共
キャンパスも周辺地域の発展と共に,一体感をより高めながら,地域(もちろん自然とも)との共
生を実現し,連携が進められていくものと患われる
生を実現し,連携が進められていくものと思われる。O
こうした地域との一体感,相互型の連携,とくに地域社会の人との連携は,移転することにより
こうした地域との一体感相互型の連携,とくに地域社会の人との連携は,移転することにより
自ずから生ずるもので
i
まないだろう O こうした点も 過去の日本での大規模大学の移転の過程から
自ずから生ずるものではないだろう。こうした点も,過去の日本での大規模大学の移転の過程から
学び取られた教訓であり,それ故に,今回の移転にともなう我々大学側の努力も必要となり,地域
学び取られた教訓であり,それ故に,今回の移転にともなう我々大学側の努力も必要となり,地域
との交流,連携が奨励されている
との交流,連携が奨励されている。O
本論は,伊都地区への移転が現実化し始めたこの時点 (
2
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0
7年)で,将来の急速な人的交流の拡
本論は,伊都地区への移転が現実化し始めたこの時点(2007年)で,将来の急速な人的交流の拡
5常化す
大,すなわち九州大学の学生,教職員が伊都地区で大学生活を送り,地域住民との交流が
大,すなわち九州大学の学生,教職員が伊都地区で大学生活を送り,地域住民との交流が日常化す
ることを見越して,特に本学の留学生が伊都地区での学生生活を送ることを想定して,その教育上
ることを見越して,特に本学の留学生が伊都地区での学生生活を送ることを想定して,その教育上
のプログラムに生かせるような方策を求めて行っている試行について
その経過と在ち方について
のプログラムに生かせるような方策を求めて行っている試行について,その経過と在り方について
O
というのも,九州大学の総勢約 1
,
3
0
0名の留学生は,地域住民や学校,公民
検討するものである
検討するものである。というのも,九州大学の総勢約1,300名の留学生は,地域住民や学校,公民
館にとって,国際化,グローパル化が現実化している現代において,きわめて魅力的な人材(資源)
館にとって,国際化,グローバル化が現実化している現代において,きわめて魅力的な人材(資源)
Jの対象にもなり得るし,一方でボランテイア精神にあ
であるとともに,ともすれば「外国人排斥
であるとともに,ともすれば「外国人排斥」の対象にもなり得るし,一方でボランティア精神にあ
j に似てお祭りだけの,浅い人的交流
ふれる留学生による地域交流が,単なる一過性の「人材派遣
ふれる留学生による地域交流が,単なる一過性の「人材派遣」に似てお祭りだけの,浅い人的交流
O 従
って,
としかなり得ず,こうした学生側にも徒労感しか生み出さないケースも多いからである
としかなり得ず,こうした学生側にも徒労感しか生み出さないケースも多いからである。従って,
本論は具体的には,こうした現状に鑑み,真の異文化間交流が現実化し,次世代住民である子ども
たち(児童生徒)や地域住民と本学の留学生が共に異文化から学びあう関係を構築するために試み
たち(児童生徒)や地域住民と本学の留学生が共に異文化から学びあう関係を構築するために試み
ている異文化間交流(異文化問教育)の試みの一つの経過報告と見通しを示そうとするものである〈
ている異文仏間交流(異文幽間教育)の試みの一つの経過報告と見通しを示そうとするものである,
1
.糸島地域における異文化受容の現状一調査デ…タから1.糸島地域における異文化受容の現状一調査データから一
1
-1.地域住民にとっての異文化(留学生)認識
1−1.地域住民にとっての異文化(留学生)認識
現在の九州大学本部が位置する福岡市東区 留学生会館から九州大学に挟まれた香椎地区におけ
現在の九州大学本部が位置する福岡市東区,留学生会館から九州大学に挟まれた香椎地区におけ
る外国人生民の中で、
本学をはじめとする大学への留学生は 戦前戦中からの外国籍住民である在
る外国人住民の中で,本学をはじめとする大学への留学生は,戦前戦中からの外国籍住民である在
1
9
7
0
年代以降になって帰国した中悶残留帰国者とその家族などと比べても,
日韓国朝鮮籍者や戦後
日韓国朝鮮籍者や戦後1970年代以降になって帰国した中国残留帰国者とその家族などと比べても,
持に可視化という点において辻,詰立った存在である
O そして,彼らの存在が地域社会にとって,
特に可視化という点においては,目立った存在である。そして,彼らの存在が地域社会にとって,
O かつて NHK
テレビで報道され
異文化住民を代表するものとなっていることは否めないセあろう
異文化住民を代表するものとなっていることは否めないであろう。かつてNHKテレビで報道され
j についてのニュースの中で 住民によるこのボラン
た[香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会
た「香椎浜小学校親子日本語教室よるとも会」についてのニュースの申で,住民によるこのボラン
テイア日本語教室の試みが地域における「多文化共生
j の試みとして高く評価される一方で,地域
ティア日本語教室の試みが地域における「多文化共生」の試みとして高く評価される一方で,地域
住民の外国籍者への厳しいまなざしも詔介されていた。すなわち
香椎地区での留学生の姿が映し
住民の外国籍者への厳しいまなざしも紹介されていた。すなわち,香椎地区での留学生の姿が映し
J
,
出された後で,住民の声として「外国の方は心の中で何を考えているのかよく分からないので…
出された後で,住民の声として「外国の方は心の中で何を考えているのかよく分からないので…」,
jと
あるいは「地域に住む限りにおいて,外国の方も地域のルールを守って住んでいただきたい。
あるいは「地域に住む限りにおいて,外国の方も地域のルールを守って住んでいただきたい。」と
いう生の声がそれで、ある
念のために申し添えておけば,こうした声がすべてではないし,また,
いう生の声がそれである。念のために申し添えておけば,こうした声がすべてではないし,また,
O
ゴミ捨てのルールを守らないのが,すべて外国人住民であるという証拠があるわけで、はない。この
ゴミ捨てのルールを守らないのが,すべて外国人住民であるという証拠があるわけではない。この
すでに長期に
場合の問題は,留学生を含む外国人住民への一種の偏見が存在するという点である
場合の問題は,留学生を含む外国人住民への一種の偏見が存在するという点である。すでに長期に
O
わたって,地域の中核として存在してきた九州大学箱崎キャンパスの周辺地域でさえ,留学生の増
わたって,地域の中核として存在してきた九州大学箱崎キャンパスの周辺地域でさえ,留学生の増
加とそれにともなう地域社会での在住,可視化により生じた,こうした課題が,必ずしも解決され
加とそれにともなう地域社会での在住,可視化により生じた,こうした課題が,必ずしも解決され
-18一 18 一
ているとは言い難いのである
ているとは言い難いのである。O
では,従来,こうした「ニュー・カマー」である留学生を中心とする外国人住民と比較的出会う
では,従来,こうした「ニュー・カマー」である留学生を中心とする外国人住民と比較的出会う
ことの少なかった糸島地区ではどのようなことが起こるのだろうか。
ことの少なかった糸島地区ではどのようなことが起こるのだろうか。
筆者は,こうした地域住民による典文化受容に関して,かねてより興味を持ち,あるいは直裁に
筆者は,こうした地域住民による異文化受容に関して,かねてより興味を持ち,あるいは直裁に
異文化受容,異文化接触に関する講演等を通して,糸島地区の住民にとってこうした異文化接触が
異文化受容,異文化接触に関する講演等を通して,糸島地区の住民にとってこうした異文化接触が
どのように思われているのか
あるいは異文化理解の状況がどのようなものかについて探ってき
どのように思われているのか,あるいは異文化理解の状況がどのようなものかについて探ってき
た*九たとえば,糸島郡志摩町で、数回行った異文化接触に関する講座(地域公民館での講演)など
た*2)。たとえば,糸島郡志摩町で数回行った異文化接触に関する講座(地域公民館での講演)など
では,やがて移転してくる九州大学にどの程度の人数の留学生が在籍しているのか,あるいは,そ
では,やがて移転してくる九州大学にどの程度の人数の留学生が在籍しているのか,あるいは,そ
の出身冒がどこであるのか,などについてほとんど意識されていない状況であった。もちろん,多
の出身国がどこであるのか,などについてほとんど意識されていない状況であった。もちろん,多
くの留学生がいるという予想彼らが当然外国人であることについては
どこかに意識されてはい
くの留学生がいるという予想,彼らが当然外国人であることについては,どこかに意識されてはい
るが,場合によってはその大部分が英語を母語とする欧米(英米)からの学生であろうという程度
るが,場合によってはその大部分が英語を母語とする欧米(英米)からの学生であろうという程度
の明解であった。また
そうした留学生とその家族について 大学内で勉学しいていることは意識
の理解であった。また,そうした留学生とその家族について,大学内で勉学しいていることは意識
しているとしても
実際に地域社会で受け入れることになるということには意識が及ばないのが現
しているとしても,実際に地域社会で受け入れることになるということには意識が及ばないのが現
実であった。もちろん,移転が詰まる前であち,単に工事現場としての九州大学が見えるだけの時
実であった。もちろん,移転が始まる前であり,単に工事現場としての九州大学が見えるだけの時
期であるからそうしたことも仕方ないのかもしれない。しかしながら
すでに地域公民館に留学生
期であるからそうしたことも仕方ないのかもしれない。しかしながら,すでに地域公民館に留学生
を招いての料理教室やお国柄紹介などのイベントも実施されていたことも考えると,現実の留学生
を招いての料理教室やお国柄紹介などのイベントも実施されていたことも考えると,現実の留学生
の姿が,やはり見えにくく,自らのイメージをふくらませるまでに到らないという程度の意識状況
の姿が,やはり見えにくく,自らのイメージをふくらませるまでに到らないという程度の意識状況
であったことが見て取れた。
であったことが見て取れた。
1
-2.児童の異文化受容の一端
1−2.児童の異文化受容の一端
地域住民の異文化理解が,九州大学の移転を前にして,それほど明確ではないことも理解できる
地域住民の異文化理解が,九州大学の移転を前にして,それほど明確ではないことも理解できる
ことである
O では,出際理解教育の重要性が認識され *
3
) その後,総合的学習の時間の柱のーっと
ことである。では,国際理解教育の重要性が認識され*3),その後,総合的学習の時間の柱の一つと
して[国際理解
j が掲げられている学校において,異文化理解はどのようなものであったのか。現
して「国際理解」が掲げられている学校において,異文化理解はどのようなものであったのか。現
在,多くの学校では数が限られているとはいえ英語指導助手
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在,多くの学校では数が限られているとはいえ英語指導助手(ALT, Assistant Language Teacher)が
され,英語活動が行われるようになっている O その中で子どもたちはどのように異文化を理解
配置され,英語活動が行われるようになっている。その中で子どもたちはどのように異文化を理解
し,受容・認識しているのであろうか。この点について,
2
0
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4年 2月に九州大学社会連携事業の一
し,受容・認識しているのであろうか。この点について,2004年2月に九州大学社会連携事業の一一
環として糸島郡志摩町内の小学校で実施した「小学生中学生の異文化受容に関する讃査
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*
4
) の中か
環として糸島郡志摩町内の小学校で実施した「小学生中学生の異文化受容に関する調査」繍の中か
ら,関連するデータを紹介したい。
この調査は 4年生以上の子どもたちを対象として,外国への渡航総験,自己意識,興文化への
この調査は,4年生以上の子どもたちを対象として,外国への渡航経験,自己意識異文化への
接触度,外国イメ…ジ,日本(日本人)イメージ,日本人の異文化理解への努力の必要性,異文化
接触度,外国イメージ,日本(日本人)イメージ,日本人の異文化理解への努力の必要性,異文化
接触への自彊,外関人受け入れ意識,外国に関する'捷報源,等についてアンケート謁査を実施した
接触への自信,外国人受け入れ意識,外国に関する情報源,等についてアンケート調査を実施した
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1
9名(女子 1
1
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名,男子 1
0
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名)から回答をえた。
もので,町内の
もので,町内の219名(女子110名,男子1◎9名)から回答をえた。
2
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0
4年 2月)の回答者の海外への渡航経験は約 10%であるが,家族に渡航経験をも
まず,当時 (
まず,当時(2004年2月)の回答者の海外への渡航経験は約10%であるが,家族に渡航経験をも
筆者の一人吉谷は
2
0
0
0
年以降志摩町内の地域公民館において 異文化住民の受け入れについての講演を行
M者の一人吉谷は,2000年以降志摩町内の地域公民館において,異文化住民の受け入れについての講演を行
い,住民の異文化受容についての意見を開いてきた経緯がある。
い,住民の異文化受容についての意見を聞いてきた経緯がある。
判)
1
9
9
6
年の中央教育審議会審議のまとめ f
二十一世紀を展望した我が昌の教育の在与方について j等参照。
奄№X6年の中央教育審議会審議のまとめ「二十一世紀を展望した我が国の教育の在り方について」等参照。
判
九州大学社会連携委員会
九州大学教育学部志摩町プロジェクト委員会編
f
平成十五年度志望表町コミュニ
繽B大学社会連携委員会,九州大学教育学部志摩町プロジェクト委員会編『平成十五年度志摩町コミュニ
j
(
2
0
0
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年
3
月)参照。
テイ・ルネサンス・プロジェクト報告書
ティ・ルネサンス・プロジェクト報告書』(2004年3月)参照。
*2)
*
2
)
*31
*4>
-19一 19 一
つものは約
3分の 2に達した。家族の渡航先は,福需の地の利がある韓国が第 l位で約 25%,次に
つものは約3分の2に達した。家族の渡航先は,福岡の地の利がある韓国が第1位で約25%,次に
アメリカが
20%程度,ただしその多くはハワイであり,次いで多いオ…ストラリアを考えると,あ
アメリカが20%程度,ただしその多くはハワイであり,次いで多いオーストラリアを考えると,あ
る種身近な外国は,この韓国,アメリカ(ハワイ)
,オーストラリアということになる O この子ど
る種身近な外国は,この韓国,アメリカ(ハワイ),オーストラリアということになる。この子ど
もたちの中には,学校の外で外国の入に話しかけられた経験を持つものが約おおいる
O また,子ど
もたちの中には,学校の外で外国の人に話しかけられた経験を持つものが約30%いる。また,子ど
もたちは学校で
ALTと出会い,英語活動を行っているが,学校以外で外国語(ほとんどが英語)
もたちは学校でALTと出会い,英語活動を行っているが,学校以外で外国語(ほとんどが英語)
30%弱いる O 以上のように,志摩町の子どもたちは,自身が海外
を学んだ経験のあるものがこれも
を学んだ経験のあるものがこれも30%弱いる。以上のように,志摩町の子どもたちは,自身が海外
に出かけた経験を持っているわけではないが
言語の学習や街での出会いにより異文化に触れる機
に出かけた経験を持っているわけではないが,言語の学習や街:での出会いにより異文化に触れる機
会をもっているということになる
会をもっているということになる。O
以上のような子どもについて 彼らがもっている外国イメージを問う設問を設定していたのだが
以上のような子どもについて,彼らがもっている外国イメージを問う設問を設定していたのだが
その結果には比較的はっきりとした傾向が見て取れたりというのも
子どもたちのうち約 60%がい
その結果には比較的はっきりとした傾向が見て取れた。というのも,子どもたちのうち約60%がい
つか行ってみたい国をもっており,その半数はアメリカ(ハワイ含む)
,そして飽にオーストラワ
つか行ってみたい国をもっており,その半数はアメリカ(ハワイ含む),そして他にオーストラリ
ア,韓国,イタリア,フランスなどがあげられている
O 元々知っている国を 1
0カ国挙げたときに,
ア,韓国,イタリア,フランスなどがあげられている。元々知っている国を10力国挙げたときに,
中国が約半数いたのに比べて(アメリカは
90%) 行ってみたい国には出てこないという結果が興
中国が約半数いたのに比べて(アメリカは90%),行ってみたい国には出てこないという結果が興
味深いといえた。また,住んでみたい国にはアメリカ,オーストラリア,プランス,ブラジル(※
味深いといえた。また,住んでみたい国にはアメリカ,オーストラリア,フランス,ブラジル(※
ワールドカップサッカ…の影響が大きい〉などが為げられ 観光地やマスコミの影響がみて取
注 ワールドカップサッカーの影響が大きい)などがあげられ,観光地やマスコミの影響がみて取
れた
れた。
O
2
0
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4年の調査において 特に異文化受容という点で興味深いものは典文化接触への自信と受け入
2004年の調査において,特に異文化受容という点で興味深いものは異文化接触への自信と受け入
れについての傾向である
O
というのも,日本語の分からない入に対して道を教えることについては,
れについての傾向である。というのも,日本語の分からない人に対して道を教えることについては,
r
出来そうか,出来なさそうかについて反応が担学ばするのに
外国人(外国人児童) 住民j との
出来そうか,出来なさそうかについて反応が相半ばするのに,外国人(外国人児童)r住民」との
関係の取り方(位置取り)については,一緒に通学したり,親友になる,家族とも親しくなる,隣
関係の取り方(位置取り)については,一緒に通学したり,親友になる,家族とも親しくなる,隣
同士に住むなど,接触度が増すにつれて,否定的な傾向が増すという回答を得ている
O また,日本
同士に住むなど,接触度が増すにつれて,否定的な傾向が増すという回答を得ている。また,日本
にいる外国人は日本語を魁強すべきだ,日本の習潰を大事にすべきだ,
B本のことをもっと知るべ
にいる外国人は日本語を勉強すべきだ,日本の習慣を大事にすべきだ,日本のことをもっと知るべ
きだといった問いに対しては,答えが相半ばしており,外国人への同化圧力に関しては,反応がはっ
きだといった問いに対しては,答えが相半ばしており,外国人への同化圧力に関しては,反応がはっ
きりと分かれる傾向がみて取れた。これに対して特徴的だ、ったのは
日本にはもっとたくさんの外
きりと分かれる傾向がみて取れた。これに対して特徴的だったのは,日本にはもっとたくさんの外
留入が住むべきだという向いに対して,否定的な傾向(あまりそう患わない,ぜんぜ、んそう思わな
国人が住むべきだという問いに対して,否定的な傾向(あまりそう思わない,ぜんぜんそう思わな
い)という回答が約
80%となっており,子どもたちにとっては,漠然とした意識であろうが,外国
い)という回答が約80%となっており,子どもたちにとっては,漠然とした意識であろうが,外国
人住民が身近に住むということに対して肯定的には捉え得ないという傾向がみて取れた。こうした
人住民が身近に住むということに対して肯定的には捉え得ないという傾向がみて取れた。こうした
傾向が生じるのは
外国人や外国のことについての情報源としてテレピが群を抜いていたことにも
傾向が生じるのは,外国人や外国のことについての情報源としてテレビが群を抜いていたことにも
原田があるのかもしれない。
原因があるのかもしれない。
以上により,九州大学の移転により徐々に外国人(典文化)住民ないし学校の同級生を受け入れ
以上により,九州大学の移転により徐々に外国人(異文化)住民ないし学校の同級生を受け入れ
る可能性をもつことになる志摩町の子どもたちには,ごく簡単な調査ではあったが,外国人として
る可能性をもつことになる志摩町の子どもたちには,ごく簡単な調査ではあったが,外国人として
は欧米(英語圏)に対して一種の親近感を持っており,反対に身近なアジアの国(韓間,中国)に
は欧米(英語圏〉に対して一種の親近感を持っており,反対に身近なアジアの国(韓国,中国)に
ついては必ずしも義近感を有していないという傾向があるということが明らかになった。
ついては必ずしも親近感を有していないという傾向があるということが明らかになった。
もちろん,調査対象が小学生であり,未だ海外(外国)についての知識が豊富ではないこと,彼
もちろん,調査対象が小学生であり,未だ海外(外国)についての知識が豊富ではないこと,彼
らの海外に関する知識が,テレピ等マスコミに現れる頻度に大きく影響されており,その結果とし
らの海外に関する知識が,テレビ等マスコミに現れる頻度に大きく影響されており,その結果とし
てー殺に露出度が高いといわれるアメワカや英語(もちろん近年は韓流ブームがあるが)への額向
て一般に露出度が高いといわれるアメリカや英語(もちろん近年は韓流ブームがあるが)への傾向
があることなどが考慮されるべきであろう
O
しかしながら 先に触れたように九州大学の留学生は
があることなどが考慮されるべきであろう。しかしながら,先に触れたように九州大学の留学生は
20一
一 20 一
国,韓国はじめ,アジアからの留学生が大半を占めるという現状にかんがみるならば,こうした
中国,韓国はじめ,アジアからの留学生が大半を占めるという現状にかんがみるならば,こうした
どもたちの外国(外昌人イメージ)に対して辻 荷らかの対策が必要であるということは想像に
子どもたちの外国(外国人イメージ)に対しては,何らかの対策が必要であるということは想像に
難くないであろう
O つまり,欧米,英語偏重の外国人イメージを前提にして,それを乗り越えられ
難くないであろう。つまり,欧米,英語偏重の外国人イメージを前提にして,それを乗り越えられ
そうした機会を意識的に設
るような異文化接触の機会を工夫することが必要だということである
るような異文化接触の機会を工夫することが必要だということである。そうした機会を意識的に設
O
定すること無しに九州大学の伊都地区への移転がすすめられるならば,今後,留学生をはじめとす
定すること無しに九州大学の伊都地区への移転がすすめられるならば,今後,留学生をはじめとす
る文化的背景を異にするメンバ…の
撞域での交流が難しくなるので;まないかという危漢がある G
る文化的背景を異にするメンバーの,地域での交流が難しくなるのではないかという危惧がある。
2
. 学校における国際理解教育の課題
2.学校における国際理解教育の課題
先に触れたように 近年小中学校においても国際理解教育が以前にも増して 重要な課題とさ
先に触れたように,近年,小中学校においても国際理解教育が以前にも増して,重要な課題とさ
れている
O そうした頬向を京映して
学校ではやがて 2
0
0
8
年 4月から正式に導入される英語活動の
れている。そうした傾向を反映して,学校ではやがて2008年4月から正式に導入される英語活動の
ここでは,そうした間際理解教育,典文化理
時間や外国の文化の学習が様々に取り組まれている
時間や外国の文化の学習が様々に取り組まれている。ここでは,そうした国際理解教育,異文化理
O
解のための活動について,簡単に触れておきたい。というのも,英語活動の導入にせよ,悶際理解
解のための活動について,簡単に触れておきたい。というのも,英語活動の導入にせよ,国際理解
活動にせよ,身近な異文化理解という観点から,多くの場合,身近な異文化理解の資源として,地
活動にせよ,身近な異文化理解という観点から,多くの場合,身近な異文化理解の資源として,地
域の外宮入金民との交流が目指されたり,留学生にゲスト・ティーチャー
(GT) としての役割が
域の外国人住民との交流が目指されたり,留学生にゲスト・ティーチャー(GT)としての役割が
期待されたりすることがよくあるからである
O こうした際に,多くの留学生が快くその役割を引き
期待されたりすることがよくあるからである。こうした際に,多くの留学生が快くその役割を引き
受けるのであるが,時に交流の継旨とその成果をみるにつけ,重要な課題も散見されるからである
*5)0
受けるのであるが,時に交流の趣旨とその成果をみるにつけ,重要な課題も散見されるからである*5)。
学校での毘際理解教育について かねてからもっとも頻繁に指掃されてきた課題はいわゆる f
3
学校での国際理解教育について,かねてからもっとも頻繁に指摘されてきた課題はいわゆる「3
F
(スリーエブ )
J 問題である すなわち 国際理解活動を企画するに当たって 見た自に華やか
F(スリーエフ)」問題である。すなわち,国際理解活動を企画するに当たって,見た目に華やか
O
F(Food),民族衣装の F(
F
a
s
h
i
o
n
),そして各国のお祭りの F(
F
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s
で活動的で楽しいといわれる食の
で活動的で楽しいといわれる食のF(Food),民族衣装のF(Fashion),そして各国のお祭りのF(Fes−
t
i
v
a
I)を学校で実施することですませようとする傾向である O 特に,この場合,身近な典文化の担
tiva1)を学校で実施することですませようとする傾向である。特に,この場合,身近な異文化の担
として,地域住民や,そして多くの場合留学生が GTとして招かれ楽しいひとときを過ごすこ
い手として,地域住民や,そして多くの場合留学生がGTとして招かれ楽しいひとときを過ごすこ
とになる
O もちろん,現実に楽しく,活動的で、,親近惑を持てるという意味では,この 3F
は無前
とになる。もちろん,現実に楽しく,活動的で,親近感を持てるという意味では,この3Fは無前
に否定されるべきではない。問題なのは,この 3F活動が…回限りのイベントになったり,その
提に否定されるべきではない。問題なのは,この3F活動が一回限りのイベントになったり,その
そうした活動の場合 単に楽しいひとときを
前後の学習との文脈を欠いて実施される場合である
前後の学習との文脈を欠いて実施される場合である。そうした活動の場合,単に楽しいひとときを
O
過ごすだけで,また場合によっては授業参観の雰茜気を盛与上げるだけで,その-@J性ゆえに,児
過ごすだけで,また場合によっては授業参観の雰囲気を盛り上げるだけで,その一回性ゆえに,児
童生徒の異文化煙解の促進には役立たない徒労になる可能性があることである
童生徒の異文化理解の促進には役立たない徒労になる可能性があることである。
O
また,準備不足である場合,あるいは一回性の計画不足の異文化間交流は,時に偏見をもたらす
また,準備不足である場合,あるいは一回性の計画不足の異文化間交流は,時に偏見をもたらす
危険性さえある
O 筆者はかつて,そうした場面に遭遇したことがある O それは,日本人と留学生が
危険性さえある。筆者はかつて,そうした場面に遭遇したことがある。それは,日本人と留学生が
GTをつとめ,留学生の母国を紹介しようとする試みであった。ちょうど,小学校
コンビを組んで
コンビを組んでGTをつとめ,留学生の母国を紹介しようとする試みであった。ちょうど,小学校
一年生の国語の「スーホの白い馬
j という教材に会わせてそンゴルの紹介をするというもので,そ
二年生の国語の「スーホの白い馬」という教材に会わせてモンゴルの紹介をするというもので,そ
の意味では子どもたちのモンゴル理解
あるいは作品の背景を理解するにはいい機会となるはずの
の意味では子どもたちのモンゴル理解,あるいは作品の背景を理解するにはいい機会となるはずの
B本人 GTと受け入れ側の教師の要求に応じて用意された資料は,この作品
ものであった。当日,
ものであった。当日,日本人GTと受け入れ側の教師の要求に応じて用意された資料は,この作晶
に現れるモンゴルの美しい草原をはじめとする大自然の写真であり
民族衣装を着た留学生が物語
に現れるモンゴルの美しい草原をはじめとする大自然の写真であり,民族衣装を着た留学生が物語
の背景を語るというものであった。
の背景を語るというものであった。
じつは,この授業により子どもたちに伝えられたのは,モンゴルという聞は大平原の中にあると
じつは,この授業により子どもたちに伝えられたのは,モンゴルという国は大平原の中にあると
*5’
時
∞
佐藤郡衛.
2 1
年 f
国際理解教育 j明石書宕
イ藤虚語,2◎01年『国際理解教育』明石書店
21一21 一
いうメッセージであり
そンゴルという国に「ある J (つまりその一部としての)大平原ではなかっ
いうメッセージであり,モンゴルという国に「ある」(つまりその一部としての)大平原ではなかっ
た。留学生についても
近代的な都市や街もある母国モンゴルについては語る機会が無く終わり,
た。留学生についても,近代的な都市や街もある母国モンゴルについては語る機会が無く終わり,
伝えられたのはその一部としての美しい大平原であるという不満が残ることになった。こうした事
伝えられたのはその一部としての美しい大平原であるという不満が残ることになった。こうした事
例は,一事例にとどまらず,少なからず繰り返されてきた課題である
例は,一事例にとどまらず,少なからず繰り返されてきた課題である。O
学校における国際理解教育の必要性に基づいて,そして具体的で,メッセ…ジ性を確保し,教育
学校における国際理解教育の必要性に基づいて,そして具体的で,メッセージ性を確保し,教育
i
ま
効果を上げるために,紹介する屈の出寿者を招くという以上のような授業の主ち方は,基本的に
効果を上げるために,紹介する国の出身者を招くという以上のような授業の在り方は,基本的には
ったものでは無いといえよう O しかしながら,ぞれが計間性を欠き(つまり教師の多忙化や時に
誤ったものでは無いといえよう。しかしながら,それが計画性を欠き(つまり教師の多忙化や時に
は手抜き)
,異文化理解とその裏に常に悼う異文化への最見に禁顎藩で,しかも GTとして霊場す
は手抜き),異文化理解とその裏に常に伴う異文化への偏見に無頓着で,しかもGTとして登場す
る文化背景を異にする人(この場合は留学生)への配慮が伴わない場合には,学習者である子ども
る文化背景を異にする人(この場合は留学生)への配慮が伴わない場合には,学習者である子ども
GTの双方にマイナスの影響を残す可能性もある c さらに,こうした場合には,得てして,
たちと
たちとGTの双方にマイナスの影響を残す可能性もある。さらに,こうした場合には,得てして,
その授業や取り上げる教材自体が教育課程における位置づけをもつにもかかわらず,そこから逸脱
その授業や取り上げる教材自体が教育課程における位置づけをもつにもかかわらず,そこから逸脱
O 結局国際理解教育異文化理解教育のために役立つことを願っ
する可能性をも含んでいるだろう
する可能性をも含んでいるだろう。結局,国際理解教育,異文化理解教育のために役立つことを願っ
て善意で参加する留学生(資源)にも,学習者である子どもたちにも課題を残す,
GTによるこう
て善意で参加する留学生(資源)にも,学習者である子どもたちにも課題を残す,GTによるこう
した授業は,慎重に,かつ具体的な手立てを含んで再考される必要がある
した授業は,慎重に,かつ具体的な手立てを含んで再考される必要がある。
O
次に,ここまで述べた課題,改善点を念頭に置いて,刻苦すれば,地域(この場合,学校や公民
次に,ここまで述べた課題,改善点を念頭に置いて,別言すれば,地域(この場合,学校や公民
館)と大学の資源(この場合,大学にとっての教育対象としての留学生)の両者にとって有益な形
館)と大学の資源(この場合,大学にとっての教育対象としての留学生)の両者にとって有益な形
での異文化問交流(大学と地域の連携)を実現するための試みについて述べていきたい。これら辻,
での異文化問交流(大学と地域の連携)を実現するための試みについて述べていきたい。これらは,
現在のところ,大学と地域(学校,公民館)が,留学生と児童生徒,地域住民の学習活動の活性化
現在のところ,大学と地域(学校,公民館)が,留学生と児童生徒,地域住民の学習活動の活性化
f
試行j であり,引き続き改善,験討を続けていくべ
と充実を得るために協欝方策を模索している
と充実を得るために協働方策を模索している「試行」であり,引き続き改善,検討を続けていくべ
きものであるが
現在までの成果を取り纏めるものである O
きものであるが,現在までの成果を取り纏めるものである。
3
. P&Pの試み一互恵的な継続性のある交流に向けての試行一
3.P&Pの試み一互恵的な継続性のある交流に向けての試行一
3
0
0
名の留学生とかれらの家族の移動が生じ,九州大
九州大学の移転に伴い 九州大学で学ぶ約 1
九州大学の移転に伴い,九州大学で学ぶ約1300名の留学生とかれらの家族の移動が生じ,九州大
O 九州大学 P&P
学伊都キャンパスを中心とした地域の多文化化が急速に高まるものと予想される
学伊都キャンパスを中心とした地域の多文化化が急速に高まるものと予想される。九州大学P&P
プロジェクト「伊都国コミュニテイルネッサンスプロジェクト一地域環境の変化に対応する街づく
プロジェクト「伊都国コミュニティルネッサンスプロジェクトー地域環境の変化に対応する心づく
Jでは,こうした多文化化を見越し,留学生とその家族が地域に入っていきやすい,
りビジョン
りビジ9ンー」では,こうした多文化化を見越し,留学生とその家族が地域に入っていきやすい,
また地域も受け入れやすい土壌づくりを目指して
伊都キャンパスに最も近い小学校である前原市
また地域も受け入れやすい土壌づくりを目指して,伊都キャンパスに最も近い小学校である前原市
立東嵐小学校とその校区公民謡である東風コミュニティセンターにおける異文化問交流を試行的に
立東風小学校とその校区公民館である東風コミュニティセンターにおける異文直間交流を試行的に
実施した。
これまで留学生のような異なる文化的背景を持つ人々との交流の機会が少なかったと考えられる
これまで留学生のような異なる文化的背景を持つ人々との交流の機会が少なかったと考えられる
地元住民を対象に留学生との異文化間交流を行う場合
留学生の日本語能力が重要になってくる
地元住民を対象に留学生との異文化間交流を行う場合,留学生の日本語能力が重要になってくる。
O
外国人との接触経験の少ない企民は,自分自身が外国語ができないということを一つの理由に,留
外国人との接触経験の少ない住民は,自分自身が外国語ができないということを一つの理由に,留
しかし 実際には日本語が堪能な留学生も多く,かれら.
学生との交流に隣踏する様子が見られる
学生との交流に躊躇する様子が見られる。しかし,実際には日本語が堪能な留学生も多く,かれら。
O
とは通訳を介さず、とも直接
E本語で話をすることができる O そうした留学生との直接的な接触では,
とは通訳を介さずとも直接日本語で話をすることができる。そうした留学生との直接的な接触では,
の関心について十分に話をすることができ 交流を深めていくことができる O
互いの関心について十分に話をすることができ,交流を深めていくことができる。
そこで,本 P&Pプロジェクトでは,九州大学の留学生ブログラムの中でも,特に日本語に長け,
そこで,本P&Pプロジェクトでは,九州大学の留学生プログラムの中でも,特に日本語に長け,
日本文化や社会に強い関心を持つ留学生が集まる「日本語・日本文化研修コ…ス
j の学生を地域住
日本文化や社会に強い関心を持つ留学生が集まる「日本語・日本文化研修コース」の学生を地域住
22
一 22 一
民との異文化間交流のパートナーとした。このコースの学生に焦点化するには大きな意味がある
民との異文化問交流のパートナーとした。このコースの学生に焦点化するには大きな意味がある。 O
これまでも多くの留学生が学校や公民館での典文化問交流に「協力
Jしてくれていた。特に,大学
これまでも多くの留学生が学校や公民館での異文応問交流に「協力」してくれていた。特に,大学
毘に所寓する醤学生は明確に吾的を持ち,研究のため日本にやってきているので,より多くの時間
院に所属する留学生は明確に目的を持ち,研究のため日本にやってきているので,より多くの時間
を自分の研究に当てたいと思っているのだが,ボランティア精神を発揮し,
GTとして,交通費を
を自分の研究に当てたいと思っているのだが,ボランティア精神を発揮し,GTとして,交通費を
r
自弁,自分の時間を使って,学校や公民館に足を運んで、くれる
O その場では,
楽しかった」とい
自弁,自分の時間を使って,学校や公民館に足を運んでくれる。その場では,「楽しかった」とい
う思いを持つかもしれないが,それが何度も続くと留学生の負担になる
しかし,日本語・日本文
う思いを持つかもしれないが,それが何度も続くと留学生の負担になる。しかし,日本語・日本文
O
化研修コースの学生の場合,そもそも日本の文化や社会に触れることを留学の目的として日本に
化研修コースの学生の場合,そもそも日本の文化や社会に触れることを留学の目的として日本に
やってきておち
学校や公民館での異文化時交流そのものがかれらの留学の吾的を達成する一助と
やってきており,学校や公民館での異文化問交流そのものがかれらの留学の目的を達成する一助と
なる可能性を持つ。そうした点を鑑みると典文化問交流は異文化を知りたい異文化を持つ人々
なる可能性を持つ。そうした点を鑑みると,異文化問交流は,異文化を知りたい,異文化を持つ人々
と交流をしてみたいと考える学校や公民館側と,日本の学校や地域を自分で覗いてみたいと考える
と交流をしてみたいと考える学校や公民谷側と,日本の学校や地域を自分で覗いてみたいと考える
さらに,学校や公民館での定期的な交流を
留学生側の双方にとって互恵的なものとなるのである
留学生側の双方にとって互恵的なものとなるのである。さらに,学校や公民館での定期的な交流を
O
計闘することで,それを官学生のプログラムに組み込み,位置づけることで,留学生に対して具体
計画することで,それを留学生のプログラムに組み込み,位置づけることで,留学生に対して具体
8本語 .8本文化研修コースの大きな特色となる可能性が
的な日本事障のプログラムを提棋でき,
的な日本事情のプログラムを提供でき,日本語・日本文化研修コースの大きな特色となる可能性が
あると考えられる
あると考えられる。O
3
1.準備段階
3−1.準備段階
明
実施に至るまでに, 2
0
0
7年 3月,日本語・日本文化研修コースの留学生(第 7期生)の公民館活
実施に至るまでに,2007年3月,日本語・日本文化研修コースの留学生(第7期生)の公民館活
動への参加,東風小学校見学を行い,当コースの留学生が異文化問交流を行うのに十分な
B本語能
動への参加,東風小学校見学を行い,当コースの留学生が異文化問交流を行うのに十分な日本語能
力を有していることを,小学校や公民蕗鱒に体験していただいた。公民館の事業体験においては,
力を有していることを,小学校や公民館側に体験していただいた。公民館の事業体験においては,
のような哲学生の関心も高い日本文化に関するものでは,その活動体験に集中し,共に参
「書道」のような留学生の関心も高い日本文化に関するものでは,その活動体験:に集中し,共に参
加している地域住民との交流が少なく
地域の保護者からは「留学生と自由に話をしてみる時聞が
加している地域住民との交流が少なく,地域の保護者からは「留学生と自由に話をしてみる時間が
j といった声も聞かれ,地域住民の留学生への関心をつかがい知るのと同時に,活動体
欲しかった
欲しかった」といった声も聞かれ,地域住民の留学生への関心をうかがい知るのと同時に,活動体
験と地域住民との交流をどのように促進していくかという課題も明確になった。
験と地域住民との交流をどのように促進していくかという課題も明確になった。
また, 2
0
0
7
年 7丹に東嵐公民舘で需寵された「人権のまちづくり講演会j では,吉谷が,福関市
また,2007年7月に東風公民館で開催された「人権のまちづくり講演会」では,吉谷が,福岡市
東区の留学生とその家挟が集中する地域や学校における取り組みを紹介し
そうした地域住民がい
東区の留学生とその家族が集中する地域や学校における取り組みを紹介し,そうした地域住民がい
かに留学生に向き合っているのか,異文化間交流を進めているのかを紹介した。さらに,家族とと
かに留学生に向き合っているのか,異文化間交流を進めているのかを紹介した。さらに,家族とと
もに生活し,子育てをしながら本学大学院で学んでいる中国人留学生の体験談から,留学生がどの
もに生活し,子育てをしながら本学大学院で学んでいる中国人留学生の体験:談から,留学生がどの
ような思いを抱きながら地域社会で生活しているのかという点についても,留学生自身のことばで
ような思いを抱きながら地域社会で生活しているのかという点についても,留学生自身のことばで
怒介してもらった。
紹介してもらった。
このように学校,公民館,地域住民に対し,九州大学の留学生やかれらの存在を契機に行われ
このように,学校,公民館,地域住民に対し,九州大学の留学生やかれらの存在を契機に行われ
ている異文化間交流について広く紹介することにより
学校や地域における留学生との異文化間交
ている異文化間交流について広く紹介することにより,学校や地域における留学生との異文化間交
流を試行する準備を整えていった。
流を試行する準備を整えていった。
3
-2. 東員小学校での典文化関交流
3−2.東風小学校での異文詰問交流
日本語・日本文化研修コ…ス(第 8期生)が日本に到着し 1か月経過した項に,このコースの
日本語・日本文化研修コース(第8期生)が日本に到着し,1か月経過した頃に,このコースの
留学生を対象とした継続的な異文化理解・典文化間交流についての提案を小学校に対し行った
留学生を対象とした継続的な異文化理解・異文化問交流についての提案を小学校に対し行った
(
2
0
0
7
年1
1月)
01
0月に日本に到着したこれらの学生は 1
2か月が経過して,ょうやく日本での
(2007年11月)。10月に日本に到着したこれらの学生は1∼2か月が経過して,ようやく日本での
23-
一 23 一
生活にも'横れていくという留学生センター教員のアドバイスを元に,日本到着後
3か月呂(12月)
生活にも慣れていくという留学生センター教員のアドバイスを元に,日本到着後3か月目(12月)
l回交流会開催を目指したものであった。
に第
に第1回交流会開催を目指したものであった。
継続的な交流活動を提案した背景には,単発的ではない継続的な交流によって,留学生と児童の
継続的な交流活動を提案した背景には,単発的ではない継続的な交流によって,留学生と児童の
持続的な異文化問交流や異文化理解の促進
留学生の日本の学校理解や地域理解といったねらいが
持続的な異文化病交流や異文化理解の促進,留学生の日本の学校理解や地域理解といったねらいが
ある
O こうしたねらいをもち,年間 4
5回の異文化理解の授業や交流会を企画すること,留学生
ある。こうしたねらいをもち,年間4∼5回の異文化理解の授業や交流会を企画すること,留学生
の出身国の多様性を活かし,総合的な学習の時開や冨際理解教育,社会科等の授業で活用していた
の出身国の多様性を活かし,総合的な学習の時間や国際理解教育,社会科等の授業で活用していた
だくことなどを小学校側に提案したところ,小学校側も留学生の参加可能な活動について提案して
だくことなどを小学校側に提案したところ,小学校側も留学生の参加可能な活動について提案して
くださった。特に,授業時間帯以外の触れあいの場として,クラブ活動を挙げ,東風小学校にある
くださった。特に,授業時間帯以外の触れあいの場として,クラブ活動を挙げ,東風小学校にある
「日本文化クラブ
j で伝統文化に触れながら 児童との交流を進めることや, PTAのメンバーに
「日本文化クラブ」で伝統文化に触れながら,児童との交流を進めることや,PTAのメンバーに
よって構成されている「手作り隊
Jの活動に入り,年中行事に必要な飾り物を一緒に作りながら,
よって構成されている「手作り隊」の活動に入り,年中行事に必要な飾り物を一緒に作りながら,
保護者と交流する場面も挙げられた。
保護者と交流する場面も挙げられた。
このように小学校側と留学生側の互いの可能性を探りながらも まずはお互いが知り合うために
このように小学校側と留学生側の互いの可能性を探りながらも,まずはお互いが知り合うために
2
0
0
7
年1
2月 1
7日に学校見学及び希望学級との交流が行わ
も一度交流してみようということになり
も一度交流してみようということになり,2007年12月17日に学校見学及び希望学級との交流が行わ
れた
れた。O
∞
①
第 1邸異文化関交流 (
2 7
年1
2月 178)
①第1回異文化間交流(2007年12月17日〉
引率として教員 2名,補助として大学院生 2名,学部生 1名参加のもと, 1
2名の留学生が参加し
引率として教員2名,補助として大学院生2名,学部生1名参加のもと,12名の留学生が参加し
た*6)。
た
*60
交流の前に,学校長から東風小学校の概要について説明を受け,施設見学を 3
0
分程度行った。新
交流の前に,学校長から東風小学校の概要について説明を受け,施設見学を30分程度行った。新
設校であるため
一般教室のみならず特別教室も充実しており 各々が出身国の小学校と比較を
設校であるため,一般教室のみならず,特別教室も充実しており,各々が出身国の小学校と比較を
しているようであった。持に保建室や広いランチルームなどに関心を寄せていたようである
その
しているようであった。特に保健室や広いランチルームなどに関心を寄せていたようである。その
O
4名でなる 4グループに分かれ, 3時間目は l年生,ひまわり学級(特別支援学級), 2
後
, 2
後,2∼4名でなる4グループに分かれ,3時間目は1年生,ひまわり学級(特別支援学級),2
年生仕組),
6年 生 (1組
)
, 4時間百は 4年 生 3年生, 2年 生 (
2組
)
, 6年 生 (
2組)で,
年生(1組),6年生(1組),4時問目は4年生,3年生,2年生(2組),6年生(2組〉で,
それぞれ自国の紹介や自国の遊びの紹介
児童が考えた遊びを一緒にやるなと守交流を行った。
それぞれ自国の紹介や自国の遊びの紹介,児童が考えた遊びを一緒にやるなど交流を行った。
ここで,筆者が同行したグループについて少し述べておきたい。筆者はひまわり学級(3時間日)
ここで,筆者が同行したグループについて少し述べておきたい。筆者はひまわり学級(3時間目)
と
3年生は時開呂)に入るグループに同行した。参加留学生は E本の学校についてそれほど詳し
と3年生(4時間目)に入るグループに同行した。参加留学生は日本の学校についてそれほど詳し
いとは言えず,特別支援学級についても同様であり,別に日本人学生の補助があったほうがよいと
2人が補助で入った。ひまわり学級では,クワスマス会ということで,
の判断で,筆者と学部生の
の判断で,筆者と学部生の2人が補助で入った。ひまわり学級では,クリスマス会ということで,
一緒に歌を歌ったり
クリスマスケーキを作るのが主な活動となった。留学生は子どもたちの様子
一緒に歌を歌ったり,クリスマスケーキを作るのが主な活動となった。留学生は子どもたちの様子
を見ながら,クリスマスケーキのデコレーションをする過程で子どもたちにその都度声をかけ,子
を見ながら,クリスマスケーキのデコレーションをする過程で子どもたちにその都度声をかけ,子
どもたちの活動を東嵐小学校教員とサボーターである保護者と一諸に見守っていた。子どもたちの
どもたちの活動を東風小学校教員とサポーターである保護者と一緒に見守っていた。子どもたちの
ほうも少しずつ留学生に慣れていくと,自分たちから留学生に歩み帯り,ケーキを食べている聞は,
ほうも少しずつ留学生に慣れていくと,自分たちから留学生に歩み寄り,ケーキを食べている間は,
留学生に
f
日本の食べ物で好きなものはなんですか ?
J と質問を投げかけるなど,それぞれのベー
留学生に「日本の食べ物で好きなものはなんですか?」と質問を投げかけるなど,それぞれのペー
スでコミュニケーションをとっていたように思われる
O 特別支援が必要な子どもに対する教育制度
スでコミュニケーションをとっていたように思われる。特別支援が必要な子どもに対する教育制度
は,留学生の出身国でそれぞれ異なるため,こうした必要に応じて原学級と特別支援学級の双方で
は,留学生の出身国でそれぞれ異なるため,こうした必要に応じて原学級と特別支援学級の双方で
*6)
料)
参加留学生の出身国は以下の通り
O 韓国,中国,スロベニア,ロシア,台湾,ポーランド,
ドイツ,オラン
ロシア,台湾,ポーランド,ドイツ,オラン
Q加留学生の出身国は以下の通り。韓国,中国,スロベニア,
ダ
。
ダ。
24一
一 24 一
学ぶ子どもたちの姿は,留学生にとって印象的だ、ったようである
学ぶ子どもたちの姿は,留学生にとって印象的だったようである。O
次の時聞は, 3年生全体が集まり, 8
9人の児童に対して,留学生がそれぞれの屈の紹介をするも
次の時間は,3年生全体が集まり,89人の児童に対して,留学生がそれぞれの国の紹介をするも
のであった。留学生はそれぞれ,ロシア,韓
0
0,台湾のことについて,地理的な部分から説明を行っ
のであった。留学生はそれぞれ,ロシア,韓国,台湾のことについて,地理的な部分から説明を行っ
り,教科書を見せてみたり,人気のあるスポーツについて話をしてみたりしていた。ここで留学
たり,教科書を見せてみたり,人気のあるスポーツについて話をしてみたりしていた。ここで留学
生は,自国のことについて子どもに紹介することの難しさに直面したようであった
o r 人口」ゃ r~
生は,自国のことについて子どもに紹介することの難しさに直面したようであった。「人口」や「∼
百万人
j といったことばが,小学校 3年生では未習事項であったり,自分たちの一方的な発話にな
百万人」といったことばが,小学校3年生では未習事項であったり,自分たちの一方的な発話にな
r
らないようにと子どもとの双方向的なやり取りを目指した結果,
博多弁j に悩まされたり,子ど
らないようにと子どもとの双方向的なやり取りを目指した結果,「博多弁」に悩まされたり,子ど
もの発音が聞き取りにくかったりと
大学の教室の中では直加することのない課題に遭遇したので
もの発音が聞き取りにくかったりと,大学の教室の中では直面することのない課題に遭遇したので
ある
O さらに,これ辻吾本人にとっても閉じことではあるが,
8
9入もの子どもの集中力を 45
分間向
ある。さらに,これは日本人にとっても同じことではあるが,89人もの子どもの集中力を45分間向
けさせることは難しく,騒然とする場面も見られ,教員が聞に入り,子どもたちに注意する場面も
けさせることは難しく,騒然とする場面も見られ,教員が問に入り,子どもたちに注意する場面も
られた。こうした場面では,やはり教員の力が大きく,自悶紹介の前に,教員と留学生が打ち合
見られた。こうした場面では,やはり教員の力が大きく,自国紹介の前に,教員と留学生が打ち合
わせる時間が必要であることと
大勢を対象にする場合には それに向けた準需が必要であるとい
わせる時間が必要であることと,大勢を対象にする場合には,それに向けた準備が必要であるとい
うことが明らかであった。
うことが明らかであった。
それぞれ 3, 4時間自の交流を終えた後は,各自交流したクラスに分かれ,児童と給食を一緒に
それぞれ3,4時間目の交流を終えた後は,各自交流したクラスに分かれ,児童と給食を一緒に
3年生で屈の紹介をした韓国人留学生は,毘の紹
食べ,極々に話をしたり,遊んだりした。上述の
食べ,個々に話をしたり,遊んだりした。上述の3年生で国の紹介をした韓国人留学生は,国の紹
介がうまくいかなかったのではないか,教員が意図した国紹介にならなかったのではないか,と不
介がうまくいかなかったのではないか,教員が意図した国紹介にならなかったのではないか,と不
になり,一人で子どもたちの輪の中に入ることに跨賭していたが,結果的には別れ際まで子ども
安になり,一人で子どもたちの輪の中に入ることに躊躇していたが,結果的には別れ際まで子ども
たちがついてくるなど子どもたちとゆっくり話ができ
交流できたようであった。
たちがついてくるなど,子どもたちとゆっくり話ができ,交流できたようであった。
こうして,実際に日本語・日本文化研修コースの留学生が学校に入ってみると,課題はあるもの
こうして,実際に日本語・日本文化研修コースの留学生が学校に入ってみると,課題はあるもの
の,通訳を介さず,直接日本語で教員や子どもたちとコミュニケーションができることが学校側に
の,通訳を介さず,直接日本語で教員や子どもたちとコミュニケーションができることが学校側に
明確になった。この交流の後,学校側の窓口教員が各学年,学級にアンケ…トを取ったことにより,
明確になった。この交流の後,学校側の窓口教員が各学年,学級にアンケートを取ったことにより,
盟年
(
2
0
0
8
年) 1月に再度留学生交流のニーズが示された。
翌年(2008年)1月に再度留学生交流のニーズが示された。
②
第 2呂異文化問交流 (
2
0
0
8
年 1月2
8
B
)
②第2回異文化問交流(2008年1月28日)
第 2回の交流は 2年生の国語単冗「世界のかくれんぼj と関連し,いろいろな国の遊びを留学
第2回の交流は,2年生の国語単元「世界のかくれんぼ」と関連し,いろいろな国の遊びを留学
に紹介してもらおうとするものであった。教員 l名,大学院生 1名が同行し 3時間目に 2年 l
生に紹介してもらおうとするものであった。教員1名,大学院生1名が同行し,3時間目に2年1
組
, 4時開呂に 2年 2組に醤学生 5人が入ることになった *7)。今屈の交流の打ち合わせに関しては,
組,4時問目に2年2組に留学生5人が入ることになった*7>。今回の交流の打ち合わせに関しては,
留学生が学校に電話をし
2年生担任と直接話を進めてもらった。それを経て 当日はまず最初に
留学生が学校に電話をし,2年生担任と直接話を進めてもらった。それを経て,当日はまず最初に
入る
2年 1組の学級担任と校長室で簡単な打ち合わせをし,その後,教室に入ることになった。参
入る2年1組の学級担任と校長室で簡単な打ち合わせをし,その後,教室に入ることになった。参
加留学生
5人はそれぞれ出身地が異なることから,それぞれ遊びを用意してきていたが,小学校の
加留学生5人はそれぞれ出身地が異なることから,それぞれ遊びを用意してきていたが,小学校の
4
5分間という授業時間を考えると 5つ全部を紹介することは難しく
1組と 2組にそれぞ、れ 2つず
45分間という授業時間を考えると5つ全部を紹介することは難しく,1組と2組にそれぞれ2つず
つ紹介した
つ紹介した。O
それぞれのクラスでは,自己詔介した後,簡単な質問コーナ…が設けられ,児童が留学生にいく
それぞれのクラスでは,自己紹介した後,簡単な質問コーナーが設けられ,児童が留学生にいく
つか質問をした後,留学生の遊び紹介が行われた。まず,
1組ではスロベニアとドイツのリズム遊
つか質問をした後,留学生の遊び紹介が行われた。まず,1組ではスロベニアとドイツのリズム遊
*7)
*
7
)
参加留学生の出身国は次の通り
韓国,台湾,ロシア, ドイツ,スロベニア。
Q加留学生の出身国は次の通り。韓国,台湾,ロシア,ドイツ,スロベニア。
O
25
一 25 一
びが紹介された。リズムに合わせて
手をたたいたり 机をたたいたりしてリズムに合わせるスロ
びが紹介された。リズムに合わせて,手をたたいたり,机をたたいたりしてリズムに合わせるスロ
ベニアの遊びゃ,歌にあわせてリズムをとりながら友だちの手をたたいていくドイツの遊びに,最
ベニアの遊びや,歌にあわせてリズムをとりながら友だちの手をたたいていくドイツの遊びに,最
初は難しそうにしていた子どもたちも少しずつ慣れ,楽しんでいた。休み時間には遊びを教えてく
初は難しそうにしていた子どもたちも少しずつ慣れ,楽しんでいた。休み時間には遊びを教えてく
れた留学生に積極的に話しかけていっていた。休み時聞を挟んで
4時間目に訪問した 2組では,
れた留学生に積極的に話しかけていっていた。休み時間を挟んで,4時間目に訪問した2組では,
1
組でできなかった台湾と韓冨の遊び、を紹介した。台湾の遊び、は,鬼になる子が教室から出て行き,
1組でできなかった台湾と韓国の遊びを紹介した。台湾の遊びは,鬼になる子が教室から出て行き,
残った教室内で一人鬼が見つけるターゲットを決めて
それがばれないようにことばを使わず振る
残った教室内で一人鬼が見つけるターゲットを決めて,それがばれないようにことばを使わず振る
2年生には少し分かりづらく,ルールを理解するのに子どもたちも時間がか
舞うといったもので
舞うといったもので,2年忌には少し分かりづらく,ルールを理解するのに子どもたちも時間がか
かったようであった。また,ルールをうまく飲み込めていない鬼になった子がターゲットの子ども
かったようであった。また,ルールをうまく飲み込めていない鬼になった子がターゲットの子ども
を見つけ出すための手助けになるように,留学生がルールを工夫していたが,それをその都度理解
を見つけ出すための手助けになるように,留学生がルールを工夫していたが,それをその都度理解
していくのが子どもたちにとっては少し難しかったようである
O 韓国の遊びは
日本のムカデゲー
していくのが子どもたちにとっては少し難しかったようである。韓国の遊びは,日本のムカデゲー
ムに近いものだ、ったが,ムカデがどんどん長くなっていくのではなく,捕まった列はその場に座り,
ムに近いものだったが,ムカデがどんどん長くなっていくのではなく,捕まった列はその場に座り,
O こちらはルールが分かりやすく
2年生でも一緒に
最後まで、残った列が勝つというものであった
最後まで残った列が勝つというものであった。こちらはルールが分かりやすく,2年生でも一緒に
遊びやすいものであった。
遊びやすいものであった。
学校側と留学生のある種の「お見合い J的な顔合わせである第 1回の交流を経て,第 2回では授
学校側と留学生のある種の「お見合い」的な顔合わせである第1回の交流を経て,第2回では授
2屈の交流
業に関連する形で,皆学生に授業に参加してもらった。学習単元の内容にもよるが,第
業に関連する形で,留学生に授業に参加してもらった。学習単元の内容にもよるが,第2回の交流
のように授業計画と対応させ,留学生を活用すると,教科の学びが国際理解教育的な学習へと広が
のように授業計画と対応させ,留学生を活用すると,教科の学びが国際理解教育的な学習へと広が
りを見せると思われる*紛。また
日本語・日本文化研修コースの留学生も 自身の出身閣や文化の
りを見せると思われる*8/。また,日本語・日本文化研修コースの留学生も,自身の出身国や文化の
紹介をしてみたいと思っていた学生であったため,学生自身にとってもよい機会になっていた。こ
紹介をしてみたいと思っていた学生であったため,学生自身にとってもよい機会になっていた。こ
うした点で,学校側,留学生側双方にとっての互恵性が顕著に表れたと考えられる
うした点で,学校側,留学生側双方にとっての互恵性が顕著に表れたと考えられる。O
3
-2
. 東風公民館での異文化間交流
3−2.東風公民館での異文化問交流
2
0
0
7
年1
1月に,われわれが九州大学 P&Pプロジェクトを契機とした継続的な異文化間交流につ
2007年11月に,われわれが九州大学P&Pプロジェクトを契機とした継続的な異文化間交流につ
いて東嵐公民館に打診した後,公民館鶴では公民舘主事を中心に,試みとしての異文化関交流会を
いて東風公民館に打診した後,公民館側では公民館主事を中心に,試みとしての異文化間交流会を
開催することが検討された。そして,校区
PTAや民生委員,者人クラブの方々が集まる青少年育
開催二することが検討された。そして,校区PTAや民生委員,老人クラブの方々が集まる青少年育
r
日本の伝統文化紹介と体験Jと
成東風校区民会議で典文化間交流会について提案していただき,
成東風校区民会議で異文化問交流会について提案していただき,「日本の伝統文化紹介と体験:」と
1
2月2
2日に東民合民舘で餅つきや郵土料理の紹介をしていただくことになった c また,
いうことで,
いうことで,12月22日に東風公民館で餅つきや郷土料理の紹介をしていただくことになった。また,
Jと心配され,どの年齢層の方々と
「餅っきだけでは,官学生との十分な交流にはならないのでは
「餅つきだけでは,留学生との十分な交流にはならないのでは」と心配され,どの年齢層の方々と
j の準備を棒育指導員の方に依頼されており,留学生と地域住
も一緒にできる「ニュー・スポーツ
も一緒にできる「ニュー・スポーツ」の準備を体育指導員の方に依頼されており,留学生と地域住
民がともに話をしたり活動できるよう準備が進められていた。
民がともに話をしたり活動できるよう準備が進められていた。
日は,教員 2名,大学院生 1名,学部生 l名が同行し, 1
1名の留学生が参加した*ヘ交流会の
当日は,教員2名,大学院生1名,学部生1名が同行し,11名の留学生が参加した*9)。交流会の
r
8
開会の挨拶をうけ
留学生代表が
本について学び、 日本に来ているからこそ 地域のことにつ
開会の挨拶をうけ,留学生代表が「日本について学び,日本に来ているからこそ,地域のことにつ
この後 2丹20自に第 3罰百の異文化問交流として,皆学生 1
5名余りが 6年生の社会科の授業で,自分たち
*8/この後,2月2◎Hに第3回目の異文化間交流として,留学生15名余りが6年生の社会科の授業で,自分たち
の国の紹介を行った。
6
年生の社会科では,
I
世界の中の日本とわたしたち
Jという単元で,世界の国々に
の国の紹介を行った。6年生の社会科では,「世界の中の日本とわたしたち」という単元で,世界の国々に
ついての学習が組み込まれている
O 第 3
毘の異文化間交涜は単元学習に蜜接に関わり,また,教科書でそれ
ついての学習が組み込まれている。第3回の異文化問交流は単元学習に密接に関わり,また,教科書でそれ
ほど大きく取り扱われないような国々(例えば,ポーランド,スロベニアなど)についても,留学生を通し
ほど大きく取り扱われないような国々(例えば,ポーランド,スロベニアなど)についても,留学生を通し
て学習がなされることとなった。
て学習がなされることとなった。
判}
参加留学生の出身国は次の通り
O スロベニア,ポーランド,韓国,
ドイツ,オランダ,台湾,ロシア。
Q加留学生の出身国は次の通り。スロベニア,ポーランド,韓国,ドイツ,オランダ,台湾,ロシア。
*
8
)
*9}
-26一 26 一
いても体験したい j といったことを流暢な日本語で話し,参加留学生の名前と出身国を紹介した。
いても体験したい」といったことを流暢な日本語で話し,参加留学生の名前と出身国を紹介した。
その後,地域の方々とともに餅つきを行った。お餅を知っていても,それが餅米からできているこ
その後,地域の方々とともに餅つきを行った。お餅を知っていても,それが餅米からできているこ
とは知らず,餅米を蒸らし,それをついて餅を作る過程を見た留学生は,そのことに驚いていた。
とは知らず,餅米を蒸らし,それをついて餅を作る過程を見た留学生は,そのことに驚いていた。
また,餅つきなど経験したことがない学生が殆どなので,杵の持ち方,っきかた,間合いの取り方
また,餅つきなど経験したことがない学生が殆どなので,杵の持ち方,つきかた,間合いの取り方
などを教わったりし それぞれが興味深そうに 餅つきを体験していた。お餅は出来上がったそば
などを教わったりし,それぞれが興味深そうに,餅つきを体験していた。お餅は出来上がったそば
から,大根おろしで頂いたり,きなこで潔いたりと,その食し方もいろいろあるとそばにいる地域
から,大根おろしで頂いたり,きなこで頂いたりと,その食し方もいろいろあるとそばにいる地域
の方から教わっていた。留学生の中には 日本の家族の子育て観を課題研究のテーマにしている学
の方から教わっていた。留学生の中には,日本の家族の子育て観を課題研究のテーマにしている学
生もおり,小さなお子さんを連れて参加していた母親に,日本の家庭のことを質問したり,子ども
生もおり,小さなお子さんを連れて参加していた母親に,日本の家庭のことを質問したり,子ども
と遊んだりと,大学の中で学ぶだけではなし得ない体験をしていた。
と遊んだりと,大学の中で学ぶだけではなし得ない体験をしていた。
一通り,餅つきやニュースポーツなどでの交流を終えた後,豚汁とおこわを頂く食事会では,一
一通り,餅つきやニュースポーツなどでの交流を終えた後,豚汁とおこわを頂く食事会では,一
つのテーブルに留学生が l人入る形で席に着き,地域の方々との会話がさらに交わされた。不動産
つのテーブルに留学生が1人入る形で席に着き,地域の方々との会話がさらに交わされた。不動産
業に携わっている方は,留学生が日本でどのような部屋に住んでいるのか,出身国とはどのような
業に携わっている方は,留学生が日本でどのような部屋に住んでいるのか,出身国とはどのような
点が違うのか,入浴とシャワーについて等,様々な疑問を投げかけ,話が弾んでいた。
点が違うのか,入浴とシャワーについて等,様々な疑問を投げかけ,話が弾んでいた。
こうした地域のさまざまな方々の協力をえて行おれた交流会の最後に,留学生からの惑想、が求め
こうした地域のさまざまな方々の協力をえて行われた交流会の最後に,留学生からの感想が求め
られ,留学生の中には「今回は皆さんにいろいろ教えていただいたので,今度は自分たちが何か全
られ,留学生の中には「今回は皆さんにいろいろ教えていただいたので,今度は自分たちが何か企
画をしたいと思います」と話す学生もいた。これは,こうした交流会をイベント型で終えるのでは
画をしたいと思います」と話す学生もいた。これは,こうした交流会をイベント型で終えるのでは
なく,継続的に自分たちができる方法で関わりを持って交流を続けてみたいと思っている留学生が
なく,継続的に自分たちができる方法で関わりを持って交流を続けてみたいと思っている留学生が
いることの表れであり
地域の方々にも峻かく受け入れられていた。
いることの表れであり,地域の方々にも暖かく受け入れられていた。
帰りには,留学生それぞれが小さく作った鏡餅を頂き,地域住民の方が準備してくださっていた,
帰りには,留学生それぞれが小さく作った鏡餅を頂き,地域住民の方が準備してくださっていた,
日本語での鏡餅の説明書きも頂いた。こうした地域の方々の心遣いによって
東風校区の地域住民
日本語での鏡餅の説明書きも頂いた。こうした地域の方々の心遣いによって,東風校区の地域住民
と程学生との第
l回の交流を経えることができた。今回の試みが功を奏したのは,われわれは提案
と留学生との第1回の交流を終えることができた。今回の試みが功を奏したのは,われわれは提案
したけれども,その内容について法公民館を中心とした地域の方々に考えていただき,地域の方々
したけれども,その内容については公民館を中心とした地域の方々に考えていただき,地域の方々
による手作りの異文化問交流になったという点であると考えられる
この交流会に参加された地域
による手作りの異文応問交流になったという点であると考えられる。この交流会に参加された地域
O
の方々が暖かく留学生を受け入れ,留学生といろいろな話をしてくださったことに,留学生は喜ん
の方々が暖かく留学生を受け入れ,留学生といろいろな話をしてくださったことに,留学生は喜ん
でおり,大学外の地域の人々と接する機会をもてたというのは,かれらの日本理解に非常に有効で
でおり,大学外の地域の人々と接する機会をもてたというのは,かれらの日本理解に非常に有効で
あったように思われる
あったように思われる。
O
3
-3. 福岡市西区今津公民館での試み- r
今津の十一日祭り Jへの参加
3−3.福岡市西区今津公民館での試み一「今津の十一日祭り」への参加一
九州大学伊都キャンパスに直近の小学校区は上述の前原市東風小学校区である O これに対して,
九州大学伊都キャンパスに直近の小学校区は上述の前原市東風小学校区である。これに対して,
r
福関市の誌に位置する今季小学校区は,
今j
幸福社村j として亙療,謡社関係施設が集讃し,地域
福岡市の西に位置する今津小学校区は,「今津福祉村」として医療,福祉関係施設が集積し,地域
の特色をなしている
O 一方でこの地域は
様々な伝統文化が保存されており 地域住民が年間を通
の特色をなしている。一方でこの地域は,様々な伝統文化が保存されており,地域住民が年間を通
して伝統行事に取り組んでいることでも有名である
O 現在においてもこの伝統は守られているが,
して伝統行事に取り組んでいることでも有名である。現在においてもこの伝統は守られているが,
少子化や都市への移動などもあり,住民の減少はこうした伝統行事を存続させて行くに当たって大
少子化や都市への移動などもあり,住民の減少はこうした伝統行事を存続させて行くに当たって大
きな課題を投げかけている
もちろん,今津地域では,特定の祭りの期間中だけは里帰りするよう
きな課題を投げかけている。もちろん,今津地域では,特定の祭りの期間中だけは里帰りするよう
O
な住民もおり,その結果として他の地域では見られないような伝統行事が残されているのである
な住民もおり,その結果として他の地域では見られないような伝統行事が残されているのである。O
一方,日本の伝統文化に興味を持つ留学生は多いが,その多くは文献資料によるのであって,具
一方,日本の伝統文化に興味を持つ留学生は多いが,その多くは文献資料によるのであって,具
体的な,いわばブイールド調査に属するようなアプローチは,日本人にとっても,いわんや滞
B期
体的な,いわばフィールド調査に属するようなアプローチは,日本人にとっても,いわんや滞日六
-2
7一
@27 一
一一一
関が授られる留学生にとって密難を伴うことが多い。そこで,地域住民による伝統行事に対して,
問が限られる留学生にとって困難を伴うことが多い。そこで,地域住民による伝統行事に対して,
年聞を通して参加する道を開こうという試みを現在行っている州)。もちろん
いきなり多くの行
年間を通して参加する道を開こうという試みを現在行っている*10)。もちろん,いきなり多くの行
事に地域の外側から,しかも言葉や習慣をことにする留学生が参加することには,住民にとって様々
事に地域の外側から,しかも言葉や習慣をことにする留学生が参加することには,住民にとって様々
な心理的抵抗もあることが予想された。そこで,まずは,比較的参加しやすい行事を選ぴ,体験的
な心理的抵抗もあることが予想された。そこで,まずは,比較的参加しやすい行事を選び,体験的
に参加してみることを試みた。
に参加してみることを試みた。
今回,留学生(ソウル・プログラムによる硬修中の留学生日名)とその時本人チューターが参加
今回,留学生(ソウル・プmグラムによる研修中の留学生13名)とその日本人チューターが参加
し
たのは, f
今津の十一日まつり」として知られる伝統行事である O この祭りは,古来,対外貿易
したのは,「今津の十一日まつり」として知られる伝統行事である。この祭りは,古来,対外貿易
港として大陸からの船を迎えてきた今津地区の正月の催しとして行われてきたものである*出。
港として大陸からの船を迎えてきた今津地区の正月の催しとして行われてきたものである*lo。
現在では,成人式の祝日に,澄志神社でお被いを受けた地域の男衆と子どもたちが,それぞれ神輿
現在では,成人式の祝日に,登志神社でお祓いを受けた地域の男衆と子どもたちが,それぞれ神輿
を担ぎ,山車
(
fとおりもん J
) を曳いて地域をまわり,先々で各家で一年間の家内安全と繁栄を祈
を担ぎ,山車(「とおりもん」)を曳いて地域をまわり,先々で各家で一年間の家内安全と繁栄を祈
念すると共に無礼譲として溜肴を振る舞われ新年を祝う行事である
念すると共に,無礼講として酒肴を振る舞われ新年を祝う行事である。O
留学生一行は,早朝の登志神社での祭り参加者へのお駿いに始まり,四台の子どもたちの山車に
留学生一行は,早朝の登志神社での祭り参加者へのお祓いに始まり,四台の子どもたちの山車に
梓い地区の家々を訪問し
伝統行事に参加すると共に地域の子どもや住民との交流を楽しんだ。本
伴い地区の家々を訪問し,伝統行事に参加すると共に地域の子どもや住民との交流を楽しんだ。本
来,こうした行事については祭りの当日に先立つて行われる神輿の準備や山車の組み立て,子ども
来,こうした行事については祭りの当日に先立って行われる神輿の準備や山車の組み立て,子ども
たちへの指導など,準備段階から参加することによって,日本社会の在り方や地域の組織について
たちへの指導など,準備段階から参加することによって,日本社会の在り方や地域の組織について
より具体的に学ぶことが出来る
実際に 住民からもそうした段階からの参加をすすめる意見も関
より具体的に学ぶことが出来る。実際に,住民からもぞうした段階からの参加をすすめる意見も聞
C
かれた。当の留学生にとっても,一連のしきたりを観察する機会は,日本の伝統的な社会の在り方
かれた。当の留学生にとっても,一連のしきたりを観察する機会は,日本の伝統的な社会の在り方
O その意味で,次年度については,祭り
の一端を理解する上で貴重なものとなることが予想される
の一端を理解する上で貴重なものとなることが予想される。その意味で,次年度については,祭り
当日だけでなく
準備段階での参加を計画する必要があると思われる O
当日だけでなく,準備段階での参加を計画する必要があると思われる。
なお,幸いなことに,今回,留学生の一人については,本人の希望もあり男衆とともに「法被姿j
なお,幸いなことに,今回,留学生の一人については,本人の希望もあり男衆とともに「法被姿」
で行事に参加する機会を得ることが出来た。次年度以降は,資料①
(
3
2ペ…ジ)に示した「年間行
で行事に参加する機会を得ることが出来た。次年度以降は,資料①(32ページ)に示した「年間行
事」に従って,それぞれの留学生の関心とスケジュールに従って,いくつかの行事に参加できるよ
う準需を進める予定である
う準備を進める予定である。O
まとめ一継続的な連携・交流を実現するために一
以上の前原市立東風小学校や東風公民館 さらに福岡市西区今津地区で行われた異文化間交流の
以上の前原市立東風小学校や東風公民館,さらに福岡市西区今津地区で行われた異文二三交流の
試みから,今後の異文化間交流を互恵、的,継続的なものとして学校や地域の中で進めていくための
試みから,今後の異文二二交流を互恵的,継続的なものとして学校や地域の中で進めていくための
M
具体的な方策について論じてみたい
具体的な方策について論じてみたい* 12)。
①
学校との協働化に向けて
①学校との協働化に向けて
東風小学校でのこれまでの異文化問交流を通して 留学生の送り出し側である九州大学と受入側
東風小学校でのこれまでの異文化問交流を通して,留学生の送り出し側である九州大学と受入側
今後,交流,見学の対象となる地域行事は本文末
P.32の表に示した。
。後,交流,見学の対象となる地域行事は本文末P.32の表に示した。
この祭りは,朝鮮半島から太宰府政庁へと献上される貢ぎ物が,正月の十日に今津港に陸揚げされ,登志
*11)この祭りは,朝鮮半島から太宰府政庁へと献上される貢ぎ物が,正月の十日に今津港に陸揚げされ,登志
神社に保管された後,十一日に今津中を山車に乗せられ披露された故事に拠っている O
神社に保管された後,十一日に今津中を山車に乗せられ披露された故事に拠っている。
判 2
)
以下の論述については,
2
0
0
8
年 2丹2
3日に東風コミュニテイセンターで開催された第 2回九州大学教育学
ネ下の論述については,2008年2月23日に東風コミュニティセンターで開催された第2回九州大学教育学
部フォーラムにおいて登壇いただいた,小川義隆氏(東風公民館主事),志渡津藤夫氏(東風校区代表),
部フォーラムにおいて登壇いただいた,小川義隆氏(東風公民館主事),志渡澤藤夫氏(東風校区代表),
1
1
1遺哲雄氏(東展小学校教務主任) 請求百合兵〈九州大学官学生センター教授〉らによってなされた提案
川邊哲雄氏(東風小学校教務主任),清水百合氏(九州大学留学生センター教授)らによってなされた提案
を参考に,まとめたものである O
を参考に,まとめたものである。
*le)
判。)
判 1
)
* ’2}
一部一
一 28 一
である東風小学校が共通の課題として認識したのは
交流の準備段階で入念に具体的な打ち合わ
である東風小学校が,共通の課題として認識したのは,交流の準備段階で入念に具体的な打ち合わ
せをしなければならないということである
O むしろ当たり前のように感じられるのだが,これまで
せをしなければならないということである。むしろ当たり前のように感じられるのだが,これまで
の交流では,留学生と学校の教員が鵜密会打ち合わせをする時間がうまくとれず¥授業に入ってと
の交流では,留学生と学校の教員が綿密な打ち合わせをする時間がうまくとれず,授業に入ってと
1
5分あげるので,自分の
まどう様子が見られた。
送り出し側の九大教員から指摘があったのは, r
まどう様子が見られた。送り出し側の九大教員から指摘があったのは,「15分あげるので,自分の
毘を詔介してください
j と突熱いわれても,それを留学生にとって外患語である時本語で,子ども
国を紹介してください」と突然いわれても,それを留学生にとって外国語である日本語で,子ども
たちに説明するには,無理があるといったことであった。具体的に,国のどのようなことを紹介し
たちに説明するには,無理があるといったことであった。具体的に,国のどのようなことを紹介し
て欲しいのかを示さないと,留学生はどのように紹介してよいのかわからず,戸惑ってしまうので
て欲しいのかを示さないと,留学生はどのように紹介してよいのかわからず,戸惑ってしまうので
r
あ
る O 他方,小学校側では, 留学生との交流を通して,子どもたちに荷を学んで欲しいのかを子
ある。他方,小学校側では,「留学生との交流を通して,子どもたちに何を学んで欲しいのかを子
j という点を,自分たち受入側の課題として挙げて
どもに十分には理解させていないのではないか
どもに十分には理解させていないのではないか」という点を,自分たち受入側の課題として挙げて
い
る O 子どもたちが留学生を受け入れ かれらを通して学ぶような欝えを学校教員が整えていくこ
いる。子どもたちが留学生を受け入れ,かれらを通して学ぶような備えを学校教員が整えていくこ
O これは,留学生側が交流の準備をする上でも盤要な点である O というのも,国や
とも重要である
とも重要である。これは,留学生側が交流の準備をする上でも重要な点である。というのも,国や
文化紹介の前に綿密な打ち合わせをすることで,留学生は,学校側が自分たちを過して,子どもた
文化紹介の前に綿密な打ち合わせをすることで,留学生は,学校側が自分たちを通して,子どもた
ちに何を伝えようとしているのか,学ばせようとしているのかを理解し,それに沿った活動内容を
考えることができるからである
考えることができるからである。
O
さらに,教科内容に添った形で交流を進めようとする擦には,今後,学校の教育課程に基づいて
さらに,教科内容に添った形で交流を進めようとする際には,今後,学校の教育課程に基づいて
立てられた年間計画を念頭に置いて,より綿密、な打ち合わせをした上で,留学生を授業に招き入れ
立てられた年間計画を念頭に置いて,より綿密な打ち合わせをした上で,留学生を授業に招き入れ
c 文化祭や運動会などの行事については,年度初めに明確になると思われるが,そう
る必要がある
る必要がある。文化祭や運動会などの行事については,年度初めに明確になると思われるが,そう
したイベント的な行事だけでなく,留学生を日々の授業で活かすためには,各学年,各学級におけ
る授業の展開をも念頭に撞いて,留学生との交流(留学生活用)のための年間計甑を作成し,相手
る授業の展開をも念頭に置いて,留学生との交流(留学生活用)のための年間計画を作成し,相手
側に示す必要があるだろう
側に示す必要があるだろう。O
年間計画が立つことで,どの授業科目のどの単元の時に 留学生を GTとして活用するかが明確
年間計画が立つことで,どの授業科目のどの単元の時に,留学生をGTとして活用するかが明確
になってくる
例えば,第 2呂の異文化間交流で 2年生の国語の単元[世界のかくれんぼj と関連
になってくる。例えば,第2回の異文化間交流で2年生の国語の単元「世界のかくれんぼ」と関連
O
づけられたように
5年生で学習する農業や漁業についてや 6年生で学溜する「世界の国々 Jにつ
づけられたように,5年生で学習する農業や漁業についてや6年生で学習する「世界の国々」につ
いてなど,留学生の出身国と関連づけて学習を進めることも可能である
O また,東風小学校では食
いてなど,留学生の出身国と関連づけて学習を進めることも可能である。また,東風小学校では食
育に力を入れていることから
留学生の各々の出身国の風土にあった食事について紹介してもらう
育に力を入れていることから,留学生の各々の出身国の風土にあった食事について紹介してもらう
といったことも計画に組み入れることが出来る
といったことも計画に組み入れることが出来る。O
他方で,こうした授業単元や学校が主体的に進めている取り組みについて,年間計画と留学生の
他方で,こうした授業単元や学校が主体的に進めている取り組みについて,年間計画と留学生の
受け入れ可能な時期が明確に提示されることで
大学側でもそれを留学生教育のプログラムに反映
受け入れ可能な時期が明確に提示されることで,大学側でもそれを留学生教育のプログラムに反映
O たとえば,今年度の取り組みでは,留学生が学校に受け入れられる可能
させることが可能に会る
させることが可能になる。たとえば,今年度の取り組みでは,留学生が学校に受け入れられる可能
性として,授業や委員会活動,クラブ活動が学校側から挙げられたが,さらにその具体的なスケ
性として,授業や委員会活動,クラブ活動が学校側から挙げられたが,さらにその具体的なスケ
O
というのも,今回,異文化問交流のパ…トナー
ジ、ユールが留学生側に示される必要があるだろう
ジュールが留学生側に示される必要があるだろう。というのも,今回,異文化問交流のパートナー
とした日本語・日本文化研修生に対しては,火曜日から木曜日に日本語の授業が集中的に行われて
とした日本語・日本文化研修生に対しては,火曜日から木曜日に日本語の授業が集中的に行われて
おり,大学の学期中はそれ以外の月曜と金曜に活動時間が限定された。双方が互いの活動条件やス
ケジュ…ルを明確に提示し合うことで
具棒的かっ継続的に交流することのできる時間を設定する
ケジュールを明確に提示し合うことで,具体的かつ継続的に交流することのできる時間を設定する
ことができる
O 今まで,このような活動においてありがちだ、ったように,学校側の受け入れ希望日
ことができる。今まで,このような活動においてありがちだったように,学校側の受け入れ希望日
だけを優先する「人材派遣業
j のような対応では,留学生との立恵的な交流が達成できず,交流は
だけを優先する「人材派遣業」のような対応では,留学生との互恵的な交流が達成できず,交流は
頓挫せざるを得なくなるだろう
O それを防ぐには,やはり互いの情報交換を密にし,年間計画を明
頓挫せざるを得なくなるだろう。それを防ぐには,やはり互いの情報交換を密にし,年間計画を明
29-
一 29 一
確にすることが必要不可欠であり,そのことで留学生も余裕を持って交流の準備をすることができ
確にすることが必要不可欠であり,そのことで留学生も余裕を持って交流の準備をすることができ
るのである
るのである。O
②
地域の受け入れ窓口を構築すること
②地域の受け入れ窓口を構築すること
今西,当該地域において継続的な異文化問交流を実施したい旨の打診を行った際,大学鱒からの
今回,当該地域において継続的な異文化問交流を実施したい旨の打診を行った際,大学側からの
提案のーっとして,公民館の中で留学生との交流を企画する国際交流グループのようなものを組織
提案の一つとして,公民館の中で留学生との交流を企画する国際交流グループのようなものを組織
することは可能かという提案を行った。交流の初期段階では
大学を過し 留学生と連絡を取らざ
することは可能かという提案を行った。交流の初期段階では,大学を通し,留学生と連絡を取らざ
るを得ないが,交流が始まり,留学生も地域住民も互いの顔が見えるようになると,直接に連絡を
るを得ないが,交流が始まり,留学生も地域住民も互いの顔が見えるようになると,直接に連絡を
取り合うことで,より関係が密になり,留学生の地域理解も地域住民の留学生理解も可能になるだ
取り合うことで,より関係が密になり,留学生の地域理解も地域住民の留学生理解も可能になるだ
ろうということを狸つてのことで為る
ろうということを狙ってのことである。O
実際に準備段階での交流をへて 第 1回の地域住民主導の異文化間交流を立案 実施した東風公
実際に準備段階での交流をへて,第1回の地域住民主導の異文化問交流を立案,実施した東風公
民館の側から課題として示されたのは,地域連携事業についての公民鰭・住民側の受け入れ体制の
民館の側から課題として示されたのは,地域連携事業についての公民館・住民側の受け入れ体制の
確立であった。そこで,受け入れ体制確立のために挙げられたのは,背少年育成東風校区民会議の
確立であった。そこで,受け入れ体制確立のために挙げられたのは,青少年育成東風校区民会議の
事業として,異文化間交流を始めとした地域連携事業を確立するということであった。第
1回の異
事業として,異文鶴間交流を始めとした地域連携事業を確立するということであった。第1回の異
文化問交流事業は,既に述べたとおり,青少年育成東風校区民会議で議論していただき,実施に至っ
文化間交流事業は,既に述べたとおり,青少年育成東風校区民会議で議論していただき,実施に至っ
た。子どもの保護者だけでなく
老人会や自治会の役員など校区の様々な人々が集まるこの会議
た。子どもの保護者だけでなく,老人会や自治会の役員など,校区の様々な人々が集まるこの会議
において,異文化関交流について議論がなされたこと辻,地域において留学生を理解し,受け止め
において,異文歯面交流について議論がなされたことは,地域において留学生を理解し,受け止め
ようとする動きが広がることになったと考えられる
O このような地域住民が集まる会において,住
ようとする動きが広がることになったと考えられる。このような地域住民が集まる会において,住
民主導により,交流会の企画・立案がなされ,実施に至ることが地域における異文化問交流におい
民主導により,交流会の企画・立案がなされ,実施に至ることが地域における異文面向交流におい
ては重要で、ある
ては重要である。O
留学生との異文化間交流について,地域住民による受け入れ窓口が明確になり,留学生に関する
留学生との異文化間交流について,地域住民による受け入れ窓口が明確になり,留学生に関する
理解が地域に広がっていくことで,留学生を身近に感じ,互いに声をかけやすい雰囲気が生み出さ
理解が地域に広がっていくことで,留学生を身近に感じ,互いに声をかけやすい雰囲気が生み出さ
れるだろう
O 実際に
外国人である留学生が地域を訪問する際は それでなくても緊張した面持ち
れるだろう。実際に,外国人である留学生が地域を訪問する際は,それでなくても緊張した面持ち
でやってくることが多い。その際に,挨拶の一言でも笑顔でかけてもらえるならば,緊張もほぐれ,
でやってくることが多い。その際に,挨拶の一言でも笑顔でかけてもらえるならば,緊張もほぐれ,
交流のきっかけがスムーズに作れるのである
O というのも,大学生としての母国での生活であれば
交流のきっかけがスムーズに作れるのである。というのも,大学生としての母国での生活であれば
まだしも,文化的な背景の異なる中で,学びつつある別の言語でコミュニケ…ションを取ることは,
まだしも,文化的な背景の異なる中で,学びつつある別の言語でコミュニケーションを取ることは,
ただでさえ難しいのである
O このことは,さらに,留学生が一般住民と交流する際に,通訳を介さ
ただでさえ難しいのである。このことは,さらに,留学生が一般住民と交流する際に,通訳を介さ
ず自ら日本語でコミュニケーションできる程度の日本語力が必要であることにもつながる
O このこ
ず自ら日本語でコミュニケーションできる程度の日本語力が必要であることにもつながる。このこ
とについてはすでに指識したとおりである
C いずれにせよ,留学生部にとって,
B本語と日本文化
とについてはすでに指摘したとおりである。いずれにせよ,留学生側にとって,日本語と日本文化
とを学ぶことを尊重しながらの交流という相互性が確保されねば
ならないという点は忘れられて
とを学ぶことを尊重しながらの交流という相互性が確保されねば,ならないという点は忘れられて
ほごにらないのである
はならないのである。
O
謝
辞
謝辞
大学と地域との連携は,文字通り互恵的なものでなければならない。この互恵性を実現するため
大学と地域との連携は,文字通り互恵的なものでなければならない。この互恵性を実現するため
に試みている東風校区における試行は,すでにこの段階で両者の信頼関係があって可能となるもの
に試みている東風校区における試行は,すでにこの段階で両者の信頼関係があって可能となるもの
である
O 筆者は,将来に向けて,有意義な連携体制を作るために貴重な時間と労力を裂いていただ
である。筆者は,将来に向けて,有意義な連携体制を作るために貴重な時間と労力を割いていただ
いている地域住民,学校関係者,公民館関係者,そして何よりも留学生と子どもたちに感謝の意を
いている地域住民,学校関係者,公民館関係者,そして何よりも留学生と子どもたちに感謝の意を
30
一 30 一
表するものである
表するものである。O
r
1 .本論文は,九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト (B-3) 伊 都 国
付記1:本論文は,九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト(B−3)「伊都国
J(研究
コミュニテイルネッサンスプロジェクトー地域環境の変化に対応する街づくりビジョンコミュニティルネッサンスプロジェクトー地域環境の変化に対応する街づくりビジョンー」(研究
代表者:吉谷武志)における調査研究の成果の一部である
代表者:吉谷武志)における調査研究の成果の一部である。 O
-31一31 一
資料①
浦山窓ぬ﹀
一 32 一
liωNi!
譲圏軍翠樟ヨ皿
白山神社祇園祭
各神社1:紘し祭り
O廉﹂禦娯韓樟和 鐙下沼門川悪黛顯O溢共漁鵯望診野饗
ψ︽V論
鳶鯉ψ々倉嶋題潭樋細
慰霊霊祭
校長京消縁
七五三
川園甲かさ鰹ζや懸柚
おくんち
子ども会老ク交流
誓願寺火渡り行
際藁遡≠烈士二野綱
各神事土お汐弁取り
熊野神社お汐井取り
町内灘動会
素人形芝居公演
今i
焼納祭
登志神社合キL
今 津1
1おまつり
鐙。樋驚麟艇奪 譲磯糧
登志神社おりたち善意り
町内清掃草刈
ラブアース
歳亘書寺
鰹鍵攣毒選継へ榊︽頑恥庫 顛憲塑長蛍
9劔機羅韓姦羅
問所神社藤篭り
町内清掃草刈
廉﹄︸転
鐙細驚嬰羅無樋綱 難黛羅黒ヨ偲
白山神社神楽
類糞・羅襟
譲鹸譲蝿鄭奥判凄く魁を 莫樹笠島痙旨
蛭1トト窮冥枡囎櫃蜜蛍
翼糾嘩糎鐘蛍
雛繹
町内清掃草刈
文化祭
子ども会新年交歓会
叔掛べ尋艇奪叔卦く登無椀
カプトカ!ニ放流
駕鎖噂瞭ムト臓霧幾怒卦も魁壷
姻翻製ぐ魁奇
姻翻製昼縫椀
玄i
宇中運動会
一墾㍗︶マ魁壷
玄i
宇中入学式
礁題奴母簗趨ρ勾串
主ま恋;神社焼け篭り
考社・神社
校区
今i
家小入学式
鄭懸
学校
今津小運動会
今津小バザー
今津小学校公開
譲ス懸藤懸鰹櫨藁雛
特別支援学校総刈り
心廉鐸S蜜
福祉村運動会
福祉村村議会
野の花祭り
特別支援学校公開
姻龍起起翠鯉
姻贔鯉享磐田
賦穏麟潔馨鞭
掌編‡‡毒鞭
9月
麗︽鄭卦鰻枢認蝉
福祉村村議会
9翠霞‡鄭羅
8月
1
0月
1
1月
姻灘蓼‡死闘
福祉村主主踊り
福祉村村議会
1
2月
1月
2月
礁穗奪‡毒撃
顛電算‡翠鯉
硬卜
7月
硬。。
福祉村村議会
喫①
べ撃田軽齢鰻枢﹁鹸黎
皿O
6月
興9
特別支援学校問機え
興=
蕪纒‡‡毒撃
興協
5月
興窪
福布t
村村議会
硬F
叔卦︽鰹卦鰹緑﹁鹸糞
奪翠攣
殴博
4月
喫N
特別交後学校入学式
福祉村村議会
3月
興“う
綴右上級設花見
繍私t
村
蹄に霧些老麺ξ採艇金
今津文化体験禁補行事
学生生活と学卒者のキャリア
一九州大学卒業生の教育効果の点検・評価ー九州大学卒業生の教育効果の点検・評価一
人間環境学研究院・助教
山田 裕司
人間環境学研究院・助教 山田 裕司
キーワード:大学教育,職業への移行,キャリア,教育効果,大学教育の有用性
キーワード:大学教育,職業への移行,キャリア,教育効果,大学教育の有用性
1
.課題の設定
1.課題の設定
本論文の B的は,大学教育の成果を,学部卒業生・大学院修了生によるアンケ…ト調査(卒業生
本論文の目的は,大学教育の成果を,学部卒業生・大学院修了生によるアンケート調査(卒業生
r
調査)から点検・評価することにある
O 教育の成果を点検・評価する視点として,
学部卒業生・
調査〉から点検・評価することにある。教育の成果を点検・評価する視点として,「学部卒業生・
r
Jうえで, 現在の仕事を遂行する Jうえで,
大学院修了生が大学から職業への移行期に仕事を得る
大学院修了生が大学から職業への移行期に仕事を得る」うえで,「現在の仕事を遂行する」うえで,
f
将来のキャワア展望をする j うえで という学卒者が誌験する 3つの時期を取り上げた。この視
「将来のキャリア展望をする」うえで,という学卒者が経験する3つの時期を取り上げた。この視
点により,大学教育の成果や有用性が持続的であるのか否かについて検証することができると考え
点により,大学教育の成果や有用性が持続的であるのか否かについて検証することができると考え
る。
る
G
1
-1.大学教育と在学中の学習経験
1−1.大学教育と在学中の学習経験
学生は在学中に,どの程度意欲的に学習をしているのだろうか。さらに,大学はいかなる教育内
学生は在学中に,どの程度意欲的に学習をしているのだろうか。さらに,大学はいかなる教育内
容,教育方法によって学生を教育しているのだろうか。大学教育の成果を点検するために,まずは
容,教育方法によって学生を教育しているのだろうか。大学教育の成果を点検するために,まずは
学卒者による授業評揺を実施した。これによって,大学教育の教育内容,教育方法の頭向を明らか
学卒者による授業評価を実施した。これによって,大学教育の教育内容,教育方法の傾向を明らか
にする
O そして
学生時代にどのような学習経験を積んでいたのか自己評価する項目を設定した。
にする。そして,学生時代にどのような学習経験を積んでいたのか自己評価する項目を設定した。
1
-2.職業への移行
1−2.職業への移行
学生は己の知的好奇心のみで大学に入学し学習を行っているのだろうか。または,仕事に就く前
学生は己の知的好奇心のみで大学に入学し学習を行っているのだろうか。または,仕事に就く前
のモラトリアム期間を延長するために
大学へ進学しているのだろうか。おそらく上記のような学
のモラトリアム期間を延長するために,大学へ進学しているのだろうか。おそらく上記のような学
生は少数であり,多くの学生は卒業後の仕事を得るためのひとつの手段として大学に進学している
生は少数であり,多くの学生は卒業後の仕事を得るためのひとつの手段として大学に進学している
であろう
であろう。O
フリーターやニートという雇用形態を選択する 1
0
代から 2
0
代の若者が増加している現在,学生は
フリーターやニートという雇用形態を選択する10代から20代の若者が増加している現在,学生は
仕事を得るためにどのような手段・方法により就職活動を行っているのだろうか。さらに,学生は
仕事を得るためにどのような手段・方法により就職活動を行っているのだろうか。さらに,学生は
就職活動をどのくらいの期間行っているのだろうか。学生の大学から職業への移行が円滑に行われ
就職活動をどのくらいの期間行っているのだろうか。学生の大学から職業への移行が円滑に行われ
ているのか点検するために,本調査では,
(
1
)就職活動において効果的であった手段・方法と, (
2
)
ているのか点検するために,本調査では,(1)就職活動において効果的であった手段・方法と,(2)
就職活動を実際に行った期間を質問する項§を設定した。また,就職活動における手段・方法では,
就職活動を実際に行った期間を質問する項目を設定した。また,就職活動における手段・方法では,
大学にある人的・物的資源を活用した学卒者と,学外の人的・物的資源、を活用した学卒者を区別す
大学にある人的・物的資源を活用した学卒者と,学外の人的・物的資源を活用した学卒者を区別す
る項
Eを設定した。
る項目を設定した。
-33
一
一 33 一
ト
3.学卒者のキャリア
1−3.学卒者のキャリア
大学卒業者の 3割が卒後 3年以内に離職しているという現状を鑑みると,大卒後 5年目とは,離
大学卒業者の3割が新誌3年以内に離職しているという現状を鑑みると,大卒後5年目とは,離
職後の新たなキャリアをスタートしている学卒者や,離職後に新たな仕事に就いていない学卒者,
職後の新たなキャリアをスタートしている学卒者や,離職後に新たな仕事に就いていない学卒者,
教育機関に再入学し教育・訓練を受けている学卒者,初識を継続している学卒者,転職して異なる
教育機関に再入学し教育・訓練を受けている学卒者,初職を継続している学卒者,転職して異なる
に就いている学卒者子育てや家族の世話のために仕事から離れている学卒者など,多様なキャ
仕事に就いている学卒者,子育てや家族の世話のために仕事から離れている学卒者など,多様なキャ
j と捉えることができるだろう o また,現在社事している
リアを歩んでいる「キャワア転換期
リアを歩んでいる「キャリア転換期jと捉えることができるだろうi。また,現在仕事している学
卒者においても
異動・昇進を経験した者 部下がいる者転職を経験した者など,職業キャリア
卒者においても,異動・昇進を経験した者,部下がいる者,転職を経験した者など,職業キャリア
の転換期として捉えることができる
こういった理由から 学部卒業後・大学院修士課程修了後 5
の転換期として捉えることができる。こういつた理由から,学部卒業後・大学院修士課程修了後5
O
年経過した学卒者を対象に調査を実施した。
年経過した学卒者を対象に調査を実施した。
2
.卒業生調査の概要
2.卒業生調査の概要
調査の対象者は 2
0
0
0年度大学卒業生と大学院修了生である O 調査は 2
0
0
5年 2月から 2
0
0
6年 1月
調査の対象者は,2000年度大学卒業生と大学院修了生である。調査は2005年2月から2006年1月
o調査対象学部・研究科は, 6
7
学部・ 1
1研究科である O 調査方法は, (
1
) 調査協力学部・
に実施した
に実施した2。調査対象学部・研究科は,67学部・11研究科である。調査方法は,(1)調査協力学部・
web調査のためのめパスワードを卒業生・修了生に郵送する方法と 同 調 査 協 力 大
研究科から
研究科からweb調査のためのID,パスワードを卒業生・修了生に郵送する方法と,(2)調査協力大
学から卒業生・修了生名簿を本研究会事務局に提供してもらい調査票を郵送する郵送調査,さらに
学から卒業生・修了生名簿を本研究会事務局に提供してもらい調査票を郵送する郵送調査,さらに
(
3
) 讃査協力大学から卒業生・鯵了生に調査票を郵送する三通りの方法を用いた。また,謂査票,
(3>調査協力大学から卒業生・修了生に調査票を郵送する三通りの方法を用いた。また,調査票,
w
eb調査のための IDを郵送した 1ヶ月後に
web調査のためのIDを郵送した1ヶ月後に
第一回目のお礼状兼督促はがきを,その
lヶ 表 l 九州大学卒業生調査の回答者の属性
第一回目のお礼状兼督促はがきを,その1ヶ 表1 九州大学卒業生調査の回答者の属性
月後に第二回のお礼状兼督促状(調査票合)
月後に第二回のお礼状兼督促状(調査票含)
現
在の年齢在籍年数
現在の年齢 在籍年数
を送付し,調査協力を呼びかけるようにした。
を送付し,調査協力を呼びかけるようにした。
この結果,全体の毘収率は
24.4%となった。
この結果,全体の回収率は24。4%となった。
教
青学部
教育学部
2
8
.
3
4
.
4
28.3 4。4
0
.
7
6
1
.0
6
α76 1.06
8
7
7 8
学部
法学 部
2
8
.
2
4
.
0
28,2 4.0
0
.
2
7
0
.
6
3
α6義3 0。27
M
5
3
53 54
法学研究院
法学研究院
2
.
3
3
3
.
5
33.5 2.3
4
.
2
0
0
.
5
4.20 0,500
4
4
4 4
回収率の内訳は,大学卒業者
24.5%,大学院
回収率の内訳は,大学卒業者24.5%,大学院
22.6%,調査票調査の回収率は 21
.2%,
修了者
修了者22.6%,調査票調査の回収率は21.2%,
w
eb調査は 69.7%である
web調査は69. 7%である。
O
九州大学においても 2
0
0
5年 6月から 9月に
九州大学においても2005年6月から9月に
本調査を実姥し,謂査協力学部・研究誌は,
本調査を実施し,調査協力学部・研究院は,
教育学部,工学部・工学研究院,法学部・法
教育学部,工学部・工学研究院,法学部・法
o 5
学部・研究院ともに,事務局
学府である
学府である。5学部・研究院ともに,事務局
工
学部
工 学 部
から調査票を郵送する調査方法を用いた。調
から調査票を郵送する調査方法を用いた。調
査表を郵送した卒業生・修了生は,教育学部
査表を郵送した卒業生・修了生は,教育学部
工学研究院
工学研究院
3
4
2名,工学研究段3
3
4名,法学
品名,工学部
45名,工学部342名,工学研究院334名,法学
2
8
.
2
4
.
1
28.2 4.1
0
.
9
2
0
.
5
6
α92 α56
5
7
5
8
57 58
2
.
9
3
0
.
0
30.0 2.9
1
.7
2
1
.
0
7
ノ,07 1.Z2
4
7
4
9
47 49
女性
男性
男性 女性
%
%
@% %
2
5
.
0 7
5
.
0
25.0 75.0
2
2 66
6
4
.
2 3
5
.
8
64.2 35.8
1
9
3
4
34 19
5
.
0
7
5
.
0 2
75.0 25.0
3
3 1
1
5
.
8
8
4
.
2
84.2 15.8
9
4
8
48 9
6
.
0
9
4
.
0
94.0 6.0
3
4
7
47 3
J)若年者の職業への移行,非典型躍用での就業状況などについては,堀
(
2
0
0
7
) において詳細に分析されている。
1)若年者の職業への移行,非典型雇用での就業状況などについては,堀(2007)において詳細に分析されている。
本論文で使用するデータは
「企業・卒業生による大学教育の点検・評価に関する日欧比較研究J(科学研究費
{論文で使用するデータは,「企業・卒業生による大学教育の点es ・評価に関する日欧比較研究」(科学研究費
(
A
)
平成 1
72
0
年) (研究代表者:吉本圭一)ぷよる謂査結果である O さらに,本調査と共通した調査票を患い
(A)平成17∼20年)(研究代表者:吉本圭一)による調査結果である。さらに,本調査と共通した調査票を用い
3ヶ国においても実施している O 本論文では九州大学の卒業生・修了生のみを取り上げ,学卒
て調査は,欧州 1
て調査は,欧州13ヶ国においても実施している。本論文では九州大学の卒業生・修了生のみを取り上げ,学卒
者の大学教育の評価を点検することを目的とした。したがって,日本と欧州の学卒者による大学教育の評価に
者の大学教育の評価を点検することを目的とした。したがって,日本と欧州の学卒者による大学教育の評価に
関する比較や, B本国内における九州大学学卒者の評儲については行っていない。本論文では詳織な分析より
関する比較や,日本国内における九州大学学卒者の評価については行っていない。本論文では詳細な分析より
も,むしろ九州大学卒業生による大学教育会般,学部教育の評価の傾向について,学部比較することを日的と
も,むしろ九州大学卒業生による大学教育全般,学部教育の評価の傾向について,学部比較することを目的と
している。
している。
2)
2)
-34
一 34 一
部
2
8
8名,法学研究 j
完4
1名である 最終的な回収率と調査対象者数は,教育学部 17.8% (調査対象
部288名,法学研究院41名である。最終的な回収率と調査対象者数は,教育学部17. 8%(調査対象
O
:指名,@l答者数: 8名 入 法 学 部 18.8% (対象者2
8
8名,自答者5
4名 入 法 学 研 究 院 9.8% (対象
者:45名,回答者数:8名〉,法学部18. 8%(対象者288名,回答者54名),法学研究院9.8%(対象
4
1名,回答者 4名),工学部 17.4% (対象者3
3
4名,回答者5
8名 入 工 学 研 究 院 15.8% (対象者3
1
6
者
者41名,回答者4名),工学部17.4%(対象者334名,回答者58名),工学研究院15.8%(対象者316
回答者 5
0名)である なお 調 査 対 象 者 の 現 在 の 年 齢 在 籍 年 数 の 平 均 は 表 lの通りである
名,回答者50名)である。なお,調査対象者の現在の年齢,在籍年数の平均は表1の通りである3。
O
o
3
. 学卒者の学習経験と大学教育への評価
3.学卒者の学習経験と大学教育への評価
学生の授業(講義,演習,実習)への評価は,学期末に実施されている授業評価から点検するこ
学生の授業(講義,演習,実習)への評価は,学期末に実施されている授業評価から点検するこ
O
しかし 個別授業への評価は学生の個人的な感情に左右されるため客観的な評価指標
とができる
とができる。しかし,個別授業への評価は学生の個人的な感情に左右されるため客観的な評価指標
としては適切とはいえない。さらに,同時期に開講されている科目間の教育内容や,卒業後のキャ
としては適切とはいえない。さらに,同時期に開講されている科目間の教育内容や,卒業後のキャ
リアとの関係性が評価項目として挙げられていない。つまり現在の授業評価は,学卒者の職業社会
リアとの関係性が評価項目として挙げられていない。つまり現在の授業評価は,学卒者の職業社会
O
したがって 本調査では卒業後ら年経過し
との関連性を点検するまでには至っていないのである
との関連性を点検するまでには至っていないのである。したがって,本調査では卒業後5年経過し
た学卒者を対象に学生時代とは異なる視点から大学教育の評価や,自己の学習経験について評倍
た学卒者を対象に,学生時代とは異なる視点から大学教育の評価や,自己の学習経験について評価
する項目を設定した。
する項目を設定した。
3
.1 大学教育への評価
3.1 大学教育への評価
大学・大学院を修了して 5年目の学卒者は大学教育や大学院教育に対してどのような評価をして
大学・大学院を修了して5年目の学卒者は大学教育や大学院教育に対してどのような評価をして
いるのだろうか。大学教育への評価を得るため
教育内容と教育方法の二つの側面から調査した O
いるのだろうか。大学教育への評価を得るため,教育内容と教育方法の二つの側面から調査した。
教育内容は, 1
卒業した大学の学部・学科(課程・コース)の教育内容には,次のようなことは
教育内容は,「卒業した大学の学部・学科(課程・コース)の教育内容には,次のようなことは
Jという設問のもと,以下の 6項目の評価を 5段階尺度4にて点検した。
どの程度あてはまりますか
どの程度あてはまりますか」という設問のもと,以下の6項目の評価を5段階尺度4にて点検した。
1
. 一般的に,授業・課題の要求水準が高いとみなされていた j, 1
2
. 教育課程の内
目は, 1
各項目は,「1.一般的に,授業・課題の要求水準が高いとみなされていた」,「2.教育課程の内
3
.科目選択の自由度の高い教育課程だ、った j, 1
4
. 幅広い
容が,雇用者によく知られていたj
,1
容が,雇用者によく知られていた」,「3.科目選択の自由度の高い教育課程だった」,「4.幅広い
.1
5
. 職業志向的な教育課程だ、った j, 1
6
. 学術的に評価の高い教育課程
目標を有していた j
教育目標を有していた」,「5.職業志向的な教育課程だった」,「6.学術的に評価の高い教育課程
った j である o
だった」である5。
教育学部と工学研究毘の学卒者辻 教育内容を学術志向が高かったという評舘をしている(教育
教育学部と工学研究院の学卒者は,教育内容を学術志向が高かったという評価をしている(教育
A
v
e
3
.
9,工学 A
v
e
3
.6
)0 さらに教育学部卒業者は科自選択の自自度が高い教育課程 (
A
v
e
3
.
6
)で
Ave3.9,工学Ave3.6)。さらに,教育学部卒業者は科目選択の自由度が高い教育課程(Ave3.6)で
B擦を持った授業 (Ave3.6) があると評{屈している O その一方で,
あり,そのうえ,幅広い教育
あり,そのうえ,幅広い教育目標を持った授業(Ave3.6)があると評価している。その一方で,
職業志向的な教育課程では,教育学部を含む他の学部・研究院において低い評価となっている(工
職業志向的な教育課程では,教育学部を含む他の学部・研究院において低い評価となっている(工
A
v
e
2
.
9,教育・工学 Ave2.4,法学部 Avel
.9
)0 九州大学の学卒者は,学部・研究院の授業科
学部Ave2.9,教育・工学Ave2.4,法学部Ave1.9)。九州大学の学卒者は,学部・研究院の授業科
目や教育内容が学術的であると評価しているが
職業的ではなかったと評価している O
目や教育内容が学術的であると評価しているが,職業的ではなかったと評価している。
教育方法は「卒業した大学の学部・学科(課程・コース)では 次のようなことがどの程度重視
教育方法は「卒業した大学の学部・学科(課程・コース)では,次のようなことがどの程度重視
されていましたか」という設問のもと
以下の 1
1項目の評価を 5段階尺度6にて点検したり各項目
されていましたか」という設問のもと,以下の11項目の評価を5段階尺度6にて点検した。各項目
法学研究院は回答者数が極端に少ないため,本論文では分析対象から外すことにした。
3学部 2研究院では,
@学研究院は回答者数が極端に少ないため,本論文では分析対象から外すことにした。3学部2研究院では,
住所を把握している学卒者全員を調査対象とし
住所を把握している学卒者全員を調査対象とした。
なお,教育学部,法学部・法学研究践において住所不明者が少ないのは,同窓会が学卒者の住所管理・更新を
なお,教育学部,法学部・法学研究院において住所不明者が少ないのは,同窓会が学卒者の住所管理・更新を
行っていたからである O
行っていたからである。
41
4
) 教育内容の 5
段階足度:とてもあて詰まる 5から まったくあてはまらない =1
ウ育内容の5段階尺度:とてもあてはまる=・・ 5から,まったくあてはまらない=1
3}
3
)
5) 関
1~ 国 4 は各項 E の平均僅を算出したものである O
}1∼図4は各項目の平均値を算出したものである。
51
品)教育方法の
5段階尺震:とても重視されていた 1から まったく重視されていなかった =1
ウ育方法の5段階尺度:とても重視されていた灘1から,まったく重視されていなかったwl
6)
-35一 35 一
間
1 教育内容への評価
図1 教育内容への評価
5
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教育学部
.....法学部
一←教育学部 ・・O一一法学部
一色叩工学部
叩'一工学研究院
一S・一工学部 一■一工学研究院
1
.
0
1.0
要求水準が高い
農用者への周知
科関選択の自由度
幅広い教育闘機
職業窓向的
学術的に評価の高い
要求水準が高い 履用者への周知 科圏選択の窃由度 幅広い教育膿標 職業志向的 学術的に詳価の高い
r
r
r
r
j, r
5
. 経験的・実務的な知識J, r
6
. 学問的な理論や概念枠組み j, 1
7
.教師が主導的
体験実習
体験実習」,「5.経験的・実務的な知識」,「6.学問的な理論や概念枠組み」,「7.教師が主導的
は
,
1.講義j, 2
. グループ学習 j, 3
. 研究プロジェクト j, 4
. インターンシップ,職場
は,「1。講義」,「2.グループ学習」,「3。研究プロジェクト」,「4.インターンシップ,職場
j, 1
8
. プロジェクト型・問題解決型学習 j, 1
9
. 論文やレポートの執筆 J
,1
1
0
.口
に教えること
に教えること」,「8.プロジェクト型・問題解決型学習」,「9.論文やレポートの執筆」,「10.口
頭でのプレゼンテーション
j, 1
11.選択式の客観テスト j である O
頭でのプレゼンテーション」,「11.選択式の客観テスト」である。
教育学部,法学部,工学部・工学研究院の学卒者は, 1
講義」や[学問的な理論や概念枠組み j,
教育学部,法学部,工学部・工学研究院の学卒者は,「講義」や「学問的な理論や概念枠組み」,
「論文やレポートの執筆
Jが重視されていたと評価している (
A
v
e
3
.6
)0 さらに,教育学部の学卒
「論文やレポートの執筆」が重視されていたと評価している(Ave3.6)。さらに,教育学部の学卒
者は「プロジェクト型・問題解決型学習
j (
A
v
e
3
.
6
)や「口頭でのプレゼ、ンテーション j (
A
v
e
3
.
4
)
者は「プロジェクト型・問題解決型学習」(Ave3.6)や「ロ頭でのプレゼンテーション」(Ave3.4>
が,工学部の学卒者は
f
教師が主導的に教えること j (
A
v
e
3
.
6
) が重視されていたと評備している O
が,工学部の学卒者は「教師が主導的に教えること」(Ave3.6)が重視されていたと評価している。
その一方で
4学部・研究践ともに f
インターンシップ,職場体験実習 j が重視されていなかった
その一方で,4学部・研究院ともに「インターンシップ,職場体験:実習」が重視されていなかった
図
2 大学教育において重視されていた教育方法
図2 大学教育において重視されていた教育方法
5
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-36一 36 一
と回答している
O 教育内容でも同様の評価があったように
4学部・研究院は職業志向の科目・教
と回答している。教育内容でも同様の評価があったように,4学部・研究院は職業志向の科目・教
育プログラムよりも,学術志向の科目を議視した教育内容・教育方法を学生に提供している傾向に
育プログラムよりも,学術志向の科目を重視した教育内容・教育方法を学生に提供している傾向に
あ
る G では,学生はこのような教育内容,教育方法に対してどのような評倍をしていたのだろうか。
ある。では,学生はこのような教育内容,教育方法に対してどのような評価をしていたのだろうか。
次節以降において学生の学習経験
大学教育への満足度をもとに考察していくことにする O
次節以降において学生の学習経験,大学教育への満足度をもとに考察していくことにする。
3
.2 在学中の学習経験
3.2 在学中の学習経験
学生の学習経験はどのようなものだろうか。第 2節では,学習への取り組みと
1週間の平均学
学生の学習経験はどのようなものだろうか。第2節では,学習への取り組みと,1週間の平均学
習時間という指標を用いて学生の学習経験を概観する
習時間という指標を用いて学生の学習経験を概観する。O
学習への取り組みでは,教育学部と工学研究院の学生が 1
1
.試験に合格するためだけの勉強で
学習への取り組みでは,教育学部と工学研究院の学生が「i.試験に合格するためだけの勉強で
r
J(教育 A
v
e
3
.
5,工学 A
v
e
3
.4
), 2.できるだけよい点数をとるため
なく,それ以上の勉強をした
なく,それ以上の勉強をした」(教育Ave3.5,工学Ave3.4),「2.できるだけよい点数をとるため
r
に努力した
J(教育 A
v
e
3
.
5,工学 A
v
e
3
.
6
) と居容している一方で,法学部の学生辻 3
.学外での
に努力した」(教育Ave3. 5,工学Ave3.6)と回答している一方で,法学部の学生は「3。学外での
講座や通信教育などで積極的に学習した
J(法学部 A
v
e
2
.
5
) と回答している O 教育学部,工学部・
講i座や通信教育などで積極的に学習した」(法学部Ave2.5)と回答している。教育学部,工学部・
工学研究院の学生は授業・ゼミなど学内での学習を優先し意欲的に取り組んでいた。しかし,法学
工学研究院の学生は授業・ゼミなど学内での学習を優先し意欲的に取り組んでいた。しかし,法学
G また,学生が 1
部の学生は学内での学習と間程度に学外での学習を位置づけていたことが分かる
部の学生は学内での学習と同程度に学外での学習を位置づけていたことが分かる。また,学生が1
r
週間のうち,学習にどの程度時間を費やしていたのか測定するために,
講義や自学自習,インター
週間のうち,学習にどの程度時間を費やしていたのか測定するために,「講義や自学自習,インター
l週間の学習時間」という質問を行った。その結果,工学部の学生が
ンシップなどの時間を含めた
ンシップなどの時間を含めたユ週間の学習時間」という質問を行った。その結果,工学部の学生が
3
3
.
2時間 (
S
D
1
7
.4
6
),法学部が2
4
.
8時間 (
S
D
1
6
.5
4
),教育学部が2
2
.7
時間 (
S
D
8
.
0
6
) となった。
33.2時間(SD17.46),法学部が24.8時間(SDI6.54>,教育学部が22.7時間(SD8.06)となった。
工学部の学生は実験などの実習時間が含まれているため,文科系学部と単純比較することはできな
工学部の学生は実験などの実習時間が含まれているため,文科系学部と単純比較することはできな
い。しかし,工学部のこのような状況を考患に入れても,法学部や教育学部の学生の
1Bの学習時
い。しかし,工学部のこのような状況を考慮に入れても,法学部や教育学部の学生の1日の学習時
4時間というのは,授業やゼミを合むことを前提にすれば短いと感じざるを得ないだろう
間が約
間が約4時間というのは,授業やゼミを含むことを前提にすれば短いと感じざるを得ないだろう。
O
3
.3 学卒者の大学教育への満足度
3.3 学卒者の大学教育への満足度
大学教育の教育内容,教育方法の評価と同様に,教育学部,工学部・工学研究院では,大学教育
大学教育の教育内容,教育方法の評価と同様に,教育学部,工学部・工学研究院では,大学教育
国
3 在学中の学習経験
図3 在学中の学習経験
4
.
0
4.0
3
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5
3.5
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1
.
5
1,5
献験に合格する以上の勉強
試験に合格する以上の勉強
よい点数のために努力
よい点数のために努力
-37一 37 一一
学外での講座や通信教育
学外での講座や通信教育
全般に対して満足度が高い。教育学部では
専門教育 (
A
v
e
4
.
4
) 指導教員や研究室での指導 (
A
v
e
全般に対して満足度が高い。教育学部では,専門教育(Ave4.4),指導教員や研究室での指導(Ave
4
.
3
),教養教育 (
A
v
e
3
.
9
) の全ての教育課程において,法学部・工学部・工学研究設よりも満足
4.3),教養教育(Ave3.9)の全ての教育課程において,法学部・工学部・工学研究部よりも満足
度が高かった。法学部の学生は,専門教育や指導教員や研究室での指導,さらには大学生活全般に
度が高かった。法学部の学生は,専門教育や指導教員や研究室での指導,さらには大学生活全般に
おいて,教育学部・工学部ー工学研究設よちも評価が低い。このような学生の溝足度が,学生の学
おいて,教育学部・工学部・工学研究院よりも評価が低い。このような学生の満足度が,学生の学
習行動に影響している可能性があるのではないだろうか。
習行動に影響している可能性があるのではないだろうか。
4
.大学から職業への移行
4.大学から職業への移行
学部によって就職活動の方法は様々であるら工学部 工学研究院の学卒者は「大学の先生や研
学部によって就職活動の方法は様々である7。工学部,工学研究院の学卒者は「大学の先生や研
究室の紹介」ゃ「就職部や就職情報窓
J(工学部49.1% 工学64.4%) を利用して就職希望先の情
究室の紹介」や「就職部や就職情報室」(工学部49.1%,工学64.4%)を利用して就職希望先の情
報収集を行っているのに対して
法学部の学卒者は i
web上にある就職斡旋サイりや「求人情報
報収集を行っているのに対して,法学部の学卒者は「web上にある就職斡旋サイト」や「求人情報
誌・求人広告
J (53.7%)を利用して就職希望先の情報収集を行っている O さらに,法学部には「会
誌・求人広告」(53.7%)を利用して就職希望先の情報収集を行っている。さらに,法学部には「会
社からの誘い
J(
14.6%), i
個人的なってを利用 J(9.8%) して就職活動を行っている学生もいる
社からの誘い」(14. 6%),「個人的なつてを利用」(9。8%)して就職活動を行っている学生もいる。
また,就職活動に要した期間は
4学部・研究科ともに 6ヶ月以内であった。教育学部の学生は現
また,就職活動に要した期間は,4学部・研究科ともに6ヶ月以内であった。教育学部の学生は現
在博士後期課程に在学している学卒者が多いため
「有給の仕事に就いていない J(28.6%) 割合が
在博:士後期課程に在学している学卒者が多いため,「有給の仕事に就いていない」(28。6%)割合が
多い結果となった
多い結果となった8。o
表
2 就職活動で最も活用した方法
表2 就職活動で最も活用した方法
教育学部
教育学部
ま学部
法学部
工学部
工学部
工学務究院
工学研究院
インターネット
インターネット
1
4
.
3
14.3
4
1
.5
41.5
2
1
.8
21.8
1
7
.
8
17.8
大学の先生や研究室の紹介
大学の先生や研究室の紹介
求人情報誌・求人広告
求人情報誌・求人広告
1
4
.
3
14.3
0
.
0
0.0
2
1
.8
21.8
2
6
.7
26.7
1
4
.
3
14.3
1
2
.
2
12.2
7
.
3
7.3
4
.
4
4.4
大学の就職部や就職情報室
大学の就職部や就職情報室
会社(雇用主)からの誘い
会社(雇用主)からの誘い
0
.
0
0.0
9
.
8
9.8
2
7
.
3
27.3
3
7
.
8
37.8
0
.
0
0.0
1
4
.
6
14.6
5
.
5
5.5
6
.7
6.7
民間の職業紹介機関
民間の職業紹介機関
求人があるかどうか知らずに
求人があるかどうか知らずに
会社(雇用主)と接触
?ミ(雇用主)と接触
0
.
0
0.0
0
.
0
0.0
1
.8
1.8
0
.
0
0.0
1
4
.
3
14.3
0
.
0
0.0
0
.
0
0.0
0
.
0
0.0
1
4
.
3
!4.3
9
.
8
9.8
0
.
0
0.0
2
.
2
2.2
2
8
.
6
28.6
1
2
.
2
12.2
1
4
.
5
14.5
4
.
4
4.4
4
1
5
5
41 55
4
5
45
家族、親戚、友人、知り合い
家族、親戚、友人、知り合い
などの橿人的なって
ネどの個人的なつて
有給の仕事に就いていない
有給の仕事に就いていない
言
十
合 計
7
7
5
. 学卒後のキャリアと大学教育の有用性
5.学卒後のキャリアと大学教育の有用性
九州大学の学卒者は,大学教育において職業志向の科目やプログラムがあまり提供されていな
九州大学の学卒者は,大学教育において職業志向の科目やプログラムがあまり提供されていな
かったと評価している
O では,学術志向の教育内容・教育方法だけでは,学生の職業への移行が円
かったと評価している。では,学術志向の教育内容・教育方法だけでは,学生の職業への移行が円
学生の就職行動における大学の支援とその効果についは,小杉
(
2
0
0
7
) において詳細に示されている O
w生の就職行動における大学の支援とその効果についは,小杉(2007)において詳細に示されている。
品)就職活動の方法についての質問は
1
1
.求人情報誌・求人広告
J
1
2
. 公共職業安定所 J13. 民間の職業紹
A職活動の方法についての質問は,「1.求人情報誌・求人広告」「2.公共職業安定所」「3.民間の職業紹
介機関
J
1
4
.
インタ…ネット
J
1
5
.
求人があるかどうか知らずに会社(雇用主)と接触
J16. 会社(雇用
介機関」「4.インターネット」「5.求人があるかどうか知らずに会社(雇用主)と接触」「6.会社(雇用
主)からの誘い
J
1
7
.
大学の就職部や就職情報窓
J
1
8
.
家族,親戚,友人,知り合いなどの信人的なってj
主)からの誘い」「7.大学の就職部や就職情報室」「8.家族,親戚,友人,知り合いなどの個別的なつて」
19. 大学の先生や研究室の紹介J1
1
0
. 起業j という 1
0
項目から最も重要であった方法を選択する形式にし
「9.大学の先生や研究室の紹介」「10.起業」という10項目から最も重要であった方法を選択する形式にし
ている
c
ている。
7}
i
l
8)
qJ
一 38 一
O
に行われないのだろうか。さらには,卒業後の仕事と直結していない教育内容・教育方法は,職
滑に行われないのだろうか。さらには,卒業後の仕事と直結していない教育内容・教育方法は,職
なキャリア形成に役に立つことができないのだろうか。第 5章では学術志向の高い教育内容ー
業的なキャリア形成に役に立つことができないのだろうか。第5章では学術志向の高い教育内容・
教育方法を学習した九州大学の学卒者が,卒業後のキャリア形成において大学教育の有用性をいか
教育方法を学習した九州大学の学卒者が,卒業後のキャリア形成において大学教育の有用性をいか
r
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に評価しているのか,
1.働き始めるうえ j, 2.職場で学習を進めていくうえ j, 3.現布の
に評価しているのか,「1.働き始めるうえ」,「2.職場で学習を進めていくうえ」,「3.現在の
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を遂行していくうえ j, 4
. 将来のキャリアを展望するうえ j, 5
. 人格の発達のうえ Jとい
仕事を遂行していくうえ」,「4.将来のキャリアを展望するうえ」,「5.人格の発達のうえ」とい
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5つの指標によって考察する O
う5つの指標によって考察する。
また,大学教育の有用性を点検するためにキャリア形成期を大学卒業前と現在,将来の 3つの
また,大学教育の有用性を点検するために,キャリア形成期を大学卒業前と現在,将来の3つの
時期に分け,各時期における学卒者の評短を分析した九これによって,学卒者が大学教育の
時期に分け,各時期における学卒者の評価を分析しだ。これによって,学卒者が大学教育の有用
を即時的な効果として評価しているのか それとも 持続的な効果として評留しているのか考察
性を即時的な効果として評価しているのか,それとも,持続的な効果として評価しているのか考察
する
する。
O
学卒者は大学教育が「人格の発達のうえ Jで有用性があると評価している O 学部別の特徴を概観
学卒者は大学教育が「人格の発達のうえ」で有用性があると評価している。学部別の特徴を概観
r
する。教育学部では「職場での学習
j(
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.3
), キャリア展望 j (Ave3.3) 項目の評価が高いこ
する。教育学部では「職場での学習」(Ave3.3),「キャリア展望」(Ave3.3)項目の評価が高いこ
とから,卒業後のキャリア形成において大学教育の有用性が持続していると評価している
O
とから,卒業後のキャリア形成において大学教育の有用性が持続していると評価している。法学部
では「キャリア展望
j(
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.4
),工学部では「職場での学習 j (Ave3.3) が,工学研究院では r~動
では「キャリア展望」(Ave3.4),工学部では「職場での学習」(Ave3.3)が,工学研究院では「働
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き始める
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), 職場での学習 j (
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), キャリア展望 j (Ave3.5) 項目の評価が高い 0
き始めるj(Ave3.5>,「職場での学習」(Ave3.7),「キャリア展望」(Ave3,5)項目の評価が高い。
4
学部・窺究箆の学卒者は 職業への移行期から将来のキャリア展望という卒業前から卒業後の
4学部・研究院の学卒者は,職業への移行期から将来のキャリア展望という卒業前から卒業後の
トータルなキャワア形成において大学教育が役に立っている
つまり大学教育の有貯往があると評
トータルなキャリア形成において大学教育が役に立っている,つまり大学教育の有用性があると評
価している
価している。O
図
4 大学教育の有用性
図4 大学教育の有用性
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働き始める
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仕事の遂行
仕事の遂行
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人格の発達
人格の発達
以上の結果から,学卒者は卒業後経過年数 5年 1
3,さらには
5年呂以誇においても,大学教育の
以上の結果から,学卒者は卒業後経過年数5年目,
さらには5年目以降においても,大学教育の
有用性が持続すると評価していることが分かる
有用性が持続すると評価していることが分かる。O
項目
lから 4は,大学から職業への移行期「働き始める J
,現在の仕事における状況「職場で学習 JI
現在の仕
?レ1から4は,大学から職業への移行期「働き始める」,現在の仕事における状況「職場で学習」「現在の仕
を遂行
J
,将来展望「将来のキャリア展望
J
といった,学卒者のキャリア形成期の
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つの時期に分類するこ
事を遂行」,将来展望「将来のキャリア展望」といった,学卒者のキャリア形成期の3つの時期に分類するこ
とができる O
とができる。
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一
一 39 一
6
.まとめと展望
6.まとめと展望
国立大学は独立法人化後,中期目標・中期計画において「卒業生,企業による大学教育の成果の
国立大学は独立法人化後,中期目標・中期計画において「卒業生,企業による大学教育の成果の
点検・評価
J
を掲げ,教育の対社会における成果を点検・評価するようになった。調査を始めた 2
0
0
5
点検・評価」を掲げ,教育の対社会における成果を点検・評価するようになった。調査を始めた2005
年度では,独自の卒業生調査を実施もしくは実強予定の大学は一機大学など数校に限られていたが,
年度では,独自の卒業生調査を実施もしくは実施予定の大学は一橋大学など数校に限られていたが,
現在で辻
2
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7
年度に実施した九州大学をはじめとする多くの大学が実施するようになってきた。こ
現在では2007年度に実施した九州大学をはじめとする多くの大学が実施するようになってきた。こ
のような状況を鑑み,本論文では,卒業生調査から何が見えてくるのか,さらには卒業生調査を実
のような状況を鑑み,本論文では,卒業生調査から何が見えてくるのか,さらには卒業生調査を実
施するにあたり大学教育のどこに着目することができるのか,実施済の謂査データを用いてひとつ
施するにあたり大学教育のどこに着目することができるのか,実施済の調査データを用いてひとつ
の方向性を検討してきた。
r
第 3章では「教育内容・教育方法j, 学生の学習経験や学習意欲j,第 4章では「卒業前の進路
第3章では「教育内容・教育方法」,「学生の学習経験や学習意欲」,第4章では「卒業前の進路
選択行動
j に着目し, 4学部・研究院の大学教育や学生の特骸を明らかにした。さらに,第 5章で
選択行動」に着目し,4学部・研究院の大学教育や学生の特徴を明らかにした。さらに,第5章で
は大学教育や学生の学習経験が卒業後のキャリア転換期において役に立っているのか検証するため
は大学教育や学生の学習経験が卒業後のキャリア転換期において役に立っているのか検証するため
に,職業への移行期・現在の仕事・将来展望という
3つの時点から考察した。単純比較ゆえに,大
に,職業への移行期・現在の仕事・将来展望という3つの時点から考察した。単純比較ゆえに,大
学教育の成果と卒業後のキャリア形成の密接な関係性まで論じることはできないが
4学部・研究
学教育の成果と卒業後のキャリア形成の密接な関係性まで論じることはできないが,4学部・研究
院の学部教育や学生の特徴
さらには大学教育・学部教育の効果の持続性という点を明らかにする
院の学部教育や学生の特徴,さらには大学教育・学部教育の効果の持続性という点を明らかにする
ことカすできた。
ことができた。
卒業生調査や地域のステークホルダーへの聞き取り調査など 第三者による大学教育の成果の点
卒業生調査や地域のステークホルダーへの聞き取り調査など,第三者による大学教育の成果の点
検・評価結果は,今後の大学教育・学部教育の改善・発展に資する根拠資料となってくるであろう。
検・評価結果は,今後の大学教育・学部教育の改善・発展に資する根拠資料となってくるであろう。
こういった調査が数多く実施され始めた現在,調査データから見えてくる結果をもとにした大学独
こういつた調査が数多く実施され始めた現在,調査データから見えてくる結果をもとにした大学独
自の大学教育改革の実施や,その成果の検証が今後の諜題となってくるであろう
自の大学教育改革の実施や,その成果の検証が今後の課題となってくるであろう。O
参考文献
r
大久保幸夫,
2
0
0
2 新卒蕪業ーなぜ,彼らは就職しないのか j,東洋経済新報社.
大久保幸夫,2002『新卒無業一なぜ,彼らは就職しないのか』,東洋経済新報社.
r
小杉札子・掘有喜衣,
2
0
0
6 キャワア教育と就業支援ーフリーター・ニート対策の国際比較 j,勤
小杉礼子・掘有喜衣,2006『キャリア教育と就業支援:一フリーター・ニート対策の国際比較』,勤
草書房.
草書房.
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小杉礼子編,
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主
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堀有喜衣編,2007『フリーターに滞留する若者たち』,山草書房.
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吉本圭一・山田裕司
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吉本圭一・山田裕司,2003「第5章 大学教育の職業生活への関連性一選抜効果・教育効果・キャ
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リア効果」,『高等教育と職業に関する日欧比較一高等教育卒業者調査の再分析』(調査研究報
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2
),日本労働研究機構, 7
4
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0
3貰.
告書No.162),日本労働研究機構,74−103頁.
40一
一 40 一
大学の理念について思う
九州大学大学院農学研究院植物資源科学部門
山下 昭二
九州大学大学院農学研究院植物資源科学部門 山下 昭二
2
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4年 4月国立大学の法人化が施行されて約 4年が経過し 多くの先生方がその経過報告書の作
2004年4月国立大学の法人化が施行されて約4年が経過し,多くの先生方がその経過報告書の作
成に追われる中,改めて,大学の理念について考えてみるのも,大学での教育研究活動の中にとか
成に追われる中,改めて,大学の理念について考えてみるのも,大学での教育研究活動の中にとか
く違和感,戸惑いを感じることの多くなったー教員として必要であろう O 国立大学の法人化と前後
く違和感,戸惑いを感じることの多くなった一教員として必要であろう。国立大学の法人化と前後
して,特色ある大学の創造をめざし,多くの大学からそれぞれの教育研究に関する大学憲章が提出
して,特色ある大学の創造をめざし,多くの大学からそれぞれの教育研究に関する大学憲章が提出
された。多くの大学人および関連された方々の様々な角度からの議論検討の中で確立されてきた
された。多くの大学人および関連された方々の様々な角度からの議論検討の中で確立されてきた
これら大学憲章の中に,現在の大学の抱える難況を克服し,将来にむけた展望を見出すことが出来
これら大学憲章の中に,現在の大学の抱える難況を克服し,将来にむけた展望を見出すことが出来
1
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0年から 7
0年当時 学生教員を問わず教育研究という大
るかもしれない。我々が学生であった
るかもしれない。我々が学生であった1960年から70年当時,学生教員を問わず教育,研究という大
にとって最も基本的活動に常にその社会的位置づけが求められた。当事の時代背景,社会情勢か
学にとって最も基本的活動に常にその社会的位置づけが求められた。当事の時代背景,社会情勢か
ら安易な社会連携は厳しい批暫を受け,大学の基本的役割とは?の質問には必ず,真理の探究と知
ら安易な社会連携は厳しい批判を受け,大学の基本的役割とは?の質問には必ず,真理の探究と知
の創造およびその継承と伝達との答えが返ってきた。多感な時期をその時代に過ごした私には,何
の創造およびその継承と伝達との答えが返ってきた。多感な時期をその時代に過ごした私には,何
世紀にもわたり大学が存続して来た根源的理由は,本来この理念にあったのではないかと,今でも
世紀にもわたり大学が存続して来た根源的理由は,本来この理念にあったのではないかと,今でも
思えてならない。実際,日本の大学を代表するであろう東京大学の大学憲章の中の学術の基本目標
思えてならない。実際,日本の大学を代表するであろう東京大学の大学憲章の中の学術の基本目標
r
に
は, 東京大学は,学問の自由に基づき,真理の探究と知の創造を求め,世界最高水準の教育・
には,「東京大学は,学問の自由に基づき,真理の探究と知の創造を求め,世界最高水準の教育・
j と謡われ,京都大学の研究と教育に関する事項には
研究を維持・発展させることを呂擦とする。
研究を維持・発展させることを目標とする。」と謳われ,京都大学の研究と教育に関する事項には
それぞれ「研究の自由と自主を基礎に,高い倫理性を備えた研究活動により,世界的に卓越した知
それぞれ「研究の自由と自主を基礎に,高い倫理性を備えた研究活動により,世界的に卓越した知
r
j, 多様かつ調和のとれた教育体系のもと,対話を根幹として自学自習を促し,卓
の創造を行う。
の創造を行う。」,「多様かつ調和のとれた教育体系のもと,対話を根幹として自学自習を促し,卓
j との記述がみられる O このことから判断すれば,
越した知の継承と創造的精神の語養につとめる。
越した知の継承と創造的精神の酒糟につとめる。」との記述がみられる。このことから判断すれば,
現夜においても大学を大学たらしめているのはこの理念であることに間違いないようである
現在においても大学を大学たらしめているのはこの理念であることに間違いないようである。 O
然しながら,この基本理念が顕な形で記載された大学憲章はむしろ少ない。地方に位置する旧国
然しながら,この基本理念が平な形で記載された大学憲章はむしろ少ない。地方に位置する旧国
r
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立大学の理念あるいは目標を象徴するキーワードは,
社会連携 j, 地域社会への貢献j, 地域産
立大学の理念あるいは目標を象徴するキーワードは,「社会連携」,「地域社会への貢献」,「地域産
業の発展への寄与
j等々である。これらのキーワードをふくむ大学の憲章や目標が圧倒的に多く,
業の発展への寄与」等々である。これらのキーワードをふくむ大学の憲章や目標が圧倒的に多く,
私に;ま,大学の基本理念は前提
むしろ,こちらが大学の本来の理念と錯差しかねないほどである
むしろ,こちらが大学の本来の理念と錯覚しかねないほどである。私には,大学の基本理念は前提
O
として議論されつつも,各大学の個性や特色を色濃くだすために提案されたキーワードに思えるの
だが,若い教員あるいは学生には本来の基本理念に対する認識は薄いかもしれない。本来の大学の
だが,若い教員あるいは学生には本来の基本理念に対する認識は薄いかもしれない。本来の大学の
基本理念(今では私が信じているだけかもしれない)が各大学の特徴や独自性を表す目標と必ずし
基本理念(今では私が信じているだけかもしれない)が各大学の特徴や独自性を表す目標と必ずし
後者は,
も矛震するとは思わない。しかしながら,両者の位麓付けには,十分に検討の余地はある
も矛盾するとは思わない。しかしながら,両者の位置付けには,十分に検討の余地はある。後者は,
O
前者と切り離された形で,ある意味において,安易な,評価,格付けを許すことになり,後者を対
前者と切り離された形で,ある意味において,安易な,評価,格付けを許すことになり,後者を対
象にした,行き過ぎた評価システムは,本来の基本理念の実現において前提となる,自由な教育研
象にした,行き過ぎた評価システムは,本来の基本理念の実現において前提となる,自由な教育研
もし,現代における大学の果たすべき役割や目標が
究活動に重大な障害をあたえる可能性をもっ
究活動に重大な障害をあたえる可能性をもつ。もし,現代における大学の果たすべき役割や目標が
O
されるなら,それは,日々,深刻化の度合いを深める環境問題,枯渇する資源,果てしなく激
特定されるなら,それは,日々,深刻化の度合いを深める環境問題,枯渇する資源,果てしなく激
動する政治・経済情勢の中にあって,人類のみならず全ての生物を含む,地球社会とも言うべき社
動する政治・経済情勢の中にあって,人類のみならず全ての生物を含む,地球社会とも言うべき社
会の発展と共生の実現への貢献であり,あまりにも時間的にも空間的にも狭すぎる社会との関係強
会の発展と共生の実現への貢献であり,あまりにも時間的にも空間的にも狭すぎる社会との関係強
-41一41一
化は,大学の存立基盤を脅かすことになりかねない。基本理念に基づく教育研究活動は時間的にも
化は,大学の存立基盤を脅かすことになりかねない。基本理念に基づく教育研究活動は時間的にも
O 又,持たねばならない。それ故,その時点時点での大学における教
空間的にも無限の広がりもつ
空間的にも無限の広がりもつ。又,持たねばならない。それ故,その時点時点での大学における教
育研究の点検,評価百襟の設定は時間的ダイナミズムの考慮のもとに慎重になされなければならな
育研究の点検,評価目標の設定は時間的ダイナミズムの考慮のもとに慎重になされなければならな
い。現在の大学を取り巻く社会状況は
過去から現在までの時間的に累積された大学の社会貢献の
い。現在の大学を取り巻く社会状況は,過去から現在までの時間的に累積された大学の社会貢献の
所産であり,必ずしも,現在の大学の姿とは直結しない。むしろ,現在の大学の活動は時間を経た
所産であり,必ずしも,現在の大学の姿とは直結しない。むしろ,現在の大学の活動は時間を経た
将来の社会に影響を与える
時節時節における大学改革はこの点を決して見落としてはならない。
将来の社会に影響を与える。時節時節における大学改革はこの点を決して見落としてはならない。
O
O 我々,理系の人間は,信号検出シ
これに関連するもう一つの問題点は,縄念なき試行錯誤である
これに関連するもう一つの問題点は,理念なき試行錯誤である。我々,理系の人間は,信号検出シ
ステムをリセットし,実験系を完全に組み替え,新たにスタートする,という試行錯誤を必要に応
ステムをリセットし,実験:系を完全に組み替え,新たにスタートする,という試行錯誤を必要に応
じて何茂でも繰り返す。このことにより,しばしば大きな成果が得られることも多い。大学におけ
じて何度でも繰り返す。このことにより,しばしば大きな成果が得られることも多い。大学におけ
る教育研究における方針の決定や改革においてはこのような試行錯誤は許されない。…度の試行の
る教育研究における方針の決定や改革においてはこのような試行錯誤は許されない。一度の試行の
結果は次の試行のあり方を規定する
O 現在の教育研究システムのもとに養成される学生あるいは研
結果は次の試行のあり方を規定する。現在の教育研究システムのもとに養成される学生あるいは研
O 一歩誤れば,異なるシステムで有意に成長
究者は,時間を置いた将来の教育研究の担い手である
究者は,時間を置いた将来の教育研究の担い手である。一歩誤れば,異なるシステムで有意に成長
した人材が異なるシステムを担わなければならない。我々の実験のケ…スでいえば,
X線での検出
した人材が異なるシステムを担わなければならない。我々の実験のケースでいえば,X線での検出
O 前号で柴田先生
システムを用いて赤外線を検出せねばならないような状況におちいることになる
システムを用いて赤外線を検出せねばならないような状況におちいることになる。前号で柴田先生
8教養部の廃止とその教育に号える影響について論じておられた。又,基礎教養教育の見重し,
が
, 1
が,旧教養部の廃止とその教育に与える影響について論じておられた。又,基礎教養教育の見直し,
O
これらの件についても,大学の基本理念に基づ
大学院組織の統廃合が矢継ぎ早に計画されている
大学院組織の統廃合が矢継ぎ早に計画されている。これらの件についても,大学の基本理念に基づ
くことなく,その確かな位置付けがあいまいなまま実施されれば,関係する方々の苦労も報われる
くことなく,その確かな位置付けがあいまいなまま実施されれば,関係する方々の苦労も報われる
ことなく,これらは悪しき試行錯誤に終わる危険性を苧む。
ことなく,これらは悪しき試行錯誤に終わる危険性を孕む。
r
近年における,大学への批判辻,一党,抽象的,非現実的にも見える, 真理の探求と知の創造
近年における,大学への批判は,一見,抽象的,非現実的にも見える,「真理の探求と知の創造
Jという理念に大学および大学人の独断と閉鎖性を感じる事に艇因しているようだ。この点
と継承
と継承」という理念に大学および大学人の独断と閉鎖性を感じる事に起因しているようだ。この点
に関して,私も含めて,長く大学にいる大学人はあまりにも鈍感であった点は否めない。黙しなが
に関して,私も含めて,長く大学にいる大学人はあまりにも鈍感であった点は否めない。然しなが
ら,本来,この基本理念の追求は,個々の教育研究者相互の,また社会による恒常的かっ広範な点
ら,本来,この基本理念の追求は,個々の教育研究者相互の,また社会による恒常的かつ広範な点
検評語抜きには実現し得ない。得られる橿々の知性は
それを取り巻く環境社会との相互作用のも
検評価抜きには実現し得ない。得られる個々の知性は,それを取り巻く環境社会との相互作用のも
O 大学が時代を超えて創造的知性を生み,
とにフィードパックし新たな創造をうみだす源泉ともなる
とにフィードバックし新たな創造をうみだす源泉ともなる。大学が時代を超えて創造的知性を生み,
宥意の人材を世に輩出してきた根源的理由はこの点にある
O また,真理の探究と知の創造と継承と
有意の入材を世に輩出してきた根源的理由はこの点にある。また,真理の探究と知の創造と継承と
いう大学の理念は
理性をもっ人類固有の感性に立脚するものであり その実現の場としての大学
いう大学の理念は,理性をもつ人類固有の感性に立脚するものであり,その実現の場としての大学
の魅力は今なお多くの学生
大学院生,教員がそこに学ぶことに意義を見出し,護れた叡智を結集
の魅力は今なお多くの学生,大学院生,教員がそこに学ぶことに意義を見出し,優れた叡智を結集
大学における一つの大きな役割が有意な人材養成による社会への貢献であると
する源泉でもある
する源泉でもある。大学における一つの大きな役割が有意な人材養成による社会への貢献であると
O
するなら,その実現に;え橿々の大学が社会にとって魅力ある大学であると同時に,そこに学ぶ学
するなら,その実現には,個々の大学が社会にとって魅力ある大学であると同時に,そこに学ぶ学
生,大学人一人一人にとっても魅力ある大学でなければならない。
生,大学人一人一人にとっても魅力ある大学でなければならない。
大学の法人化からやがて 5年。今,大学のあり方が点検される時期にあたり,再度,大学の理念
大学の法人化からやがて5年。今,大学のあり方が点検される時期にあたり,再度,大学の理念
について議論をつくし,すべての生命社会の発展と共生に資する新たな大学像を一日も早く確立し
について議論をつくし,すべての生命社会の発展と共生に資する新たな大学像を一日も早く確立し
たいものである
たいものである。O
42-
一 42 一
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-韓国語教育における実践を中心に
一韓国語教育における実践を中心に一
庚
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吉田
九州大学大学院言語文化研究院・準教授
九州大学大学院言語文化研究院・准教授 曹
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キーワード:
ICT
,
WebOCM,自律学習,異文化理解,異文化問コミュニケーション
キーワード:ICT,WebOCM,自律学習,異文化理解,異文自問コミュニケーション
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eywords:ICT
,
WebOCM,
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Keywords: ICT, WebOCM, self−learning, cross−cultural understanding, cross−cultural communication
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Abstract:
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versity. This paper examines the structures and effects of the system. The implications and challenges of the system are also
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.
presented.
1
.はじめに
1.はじめに
現代社会は,情報技術の進展や交通手段の発達により,急速にグローパル化が進みつつある 自
現代社会は,情報技術の進展や交通手段の発達により,急速にグローバル化が進みつつある。自
O
宅に居ながらにして,世界のどこにでもヴアーチャルな援ができ,世界中の清報を収集することも
宅に居ながらにして,世界のどこにでもヴァーチャルな旅ができ,世界中の情報を収集することも
可詑となってきた。また,実実的な人口移動もグローパル
f
としている O グローパル化に伴い,人々
可能となってきた。また,実質的な人口移動もグU一バル化している。グU・一一バル化に伴い,人々
は多言語・多文化の人種と関わりを持つ状況が頻繁に生じており,国際社会において多言語・多文
は多言語・多文化の人種と関わりを持つ状況が頻繁に生じており,国際社会において多言語・多文
r
O このような情勢の中で,
多言語・多文化問理解」のための共通
化問理解が強く求められている
化問理解が強く求められている。このような情勢の中で,「多言語・多文化間理解」のための共通
しかし一角では,
言語として英語の果たす役割は大きく,その度合いもますます強まってきている
言語として英語の果たす役割は大きく,その度合いもますます強まってきている。しかし一角では,
O
英語一極化に対する憂慮感をも提起されている
英語一極化に対する憂慮感をも提起されている。
O
アメリカでは,近年,初等学校から英語以外の外国語教育に取り組み始めた。また, EU加盟国
アメリカでは,近年,初等学校から英語以外の外国語教育に取り組み始めた。また,EU加盟国
の間でも,
r
ヨーロッパ言語年2
0
0
1
J の新教育プログラムがまとまり,高校卒業までに母語以外に
の問でも,「ヨーロッパ言語年2001」の新教育プ’ログラムがまとまり,高校卒業までに母語以外に
2
カ国語を留得することなどが盛り込まれた 10 さらに 欧州の学生・教員交流プログラム「エラ
2力国語を習得することなどが盛り込まれだ。さらに,欧州の学生・教員交流プuグラム「エラ
(Erasmus)J
2で詰,高等教育機関の学生や教員の致荊域内でのそゼリティ〈移動性)を高め,
スムス
スムス(Erasmus)」2では,高等教育機関の学生や教員の欧州域内でのモビリティ(移動性〉を高め,
f
也国で学んだり,経験を積むことを支援することによって,異文化問理解の促進を図っている さ
他国で学んだり,経験を積むことを支援することによって,異文化問理解の促進を図っている。さ
らに欧州では,
r
2
0
0
8
年欧州異文化問対話年j3を指定するなど, r
多言語・多文化社会の共生 j の実
らに欧州では,「2008年欧州異文化間対話年」3を指定するなど,「多言語・多文化社会の共生」の実
O
2
0
0
1年現夜 1
5カ国 1
1公用語から 2007
年 現 在27カ国 2
3公用語となっている O
’2001年現在15力国11公用語から,2007年現在27力国23公用語となっている。
1
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2
エラスムス (
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) 計画とは, EU諸問における各種の人材養成計画,科学・技術分野における加盟国間
2「エラスムス(Erasmus)」計画とは, EU諸国における各種の人材養成計画,科学・技術分野における加盟国間
の人物交流協力計画の一環として行われるもので 大学生・教員・研究者の総合交流推進計画である O 単 位 互
の人物交流協力計画の一環として行われるもので,大学生・教員・研究者の総合交流推進計画である。単位互
換制・授業料免除のシステムのもと マルチリンガルのヨーロッパ市民の育成を目指して実践されている O こ
換制・授業料免除のシステムのもと,マルチリンガルのヨーロッパ市民の育成を目指して実践されている。こ
9
8
7年に始まったもので, 1
9
9
5
年には EUの教育分野の行動計画である「ソクラテス j 計 画 の 一 部
の計画は, 1
の計画は,1987年に始まったもので,1995年にはEUの教育分野の行動計画である「ソクラテス」計画の一部
(高等教育部門)として統合された。
く高等教育部門)として統合された。
-43一 43 一
現のために努力している昨今である
O このように,国際社会では,中等教育の段階から英語以外の
現のために努力している昨今である。このように,国際社会では,中等教育の段階から英語以外の
外国語教育に取り組んで、いるのに比べ,国際文化ブオーラム
(
2
0
0
5
) によれば,日本では,わずか
外国語教育に取り組んでいるのに比べ,国際文化フォーラム(2005)によれば,日本では,わずか
な高校生が英語以外の外国語を履修しているのが現状である九さらに日本の大学においては,
1
9
9
1
な高校生が英語以外の外国語を履修しているのが現状である4。さらに日本の大学においては,1991
年のカリキュラムの自由化や,
2
0
0
1年 7月に文部科学省が行った日英語が使える日本人 j の育成
年のカリキュラムの自由化や,2001年7月に文部科学省が行った「『英語が使える日本人』の育成
Jにより,英語以外の言語は必修科目から選択科目に転じると共に,履惨単位の
のための戦略携想
のための戦略構想」により,英語以外の言語は必修科目から選択科目に転じると共に,履修単位の
削減の傾向も進んでいる
O 中等教育段階から英語以外の外国語教育に積極的に取り組んでいる国際
削減の傾向も進んでいる。中等教育段階から英語以外の外国語教育に積極的に取り組んでいる国際
社会の動きからすれば,日本はむしろ逆方向(すなわち,英語一様化)へ進みつつあるように思わ
社会の動きからすれば,日本はむしろ逆方向(すなわち,英語一極化)へ進みつつあるように思わ
れる
れる。O
本稿では,このような問題意識をベースに,日本の大学における第二外国語教育の現状とそのあ
本稿では,このような問題意識をベースに,日本の大学における第二外国語教育の現状とそのあ
り方について考え,韓国語の場合を例に,
ICTを導入した自律学習環境づくりの意義について検討
り方について考え,韓国語の場合を例に,ICTを導入した自律学習環境づくりの意義について検討
し
たい。
したい。
2
. 日本の大学における第二外国語教育
2.日本の大学における第二外国語教育
大部分の日本の大学生は 大学ではじめて英語以外の言語文化に触れることになる 大学で英語
大部分の日本の大学生は,大学ではじめて英語以外の言語文化に触れることになる。大学で英語
O
以外の外国語科吾を学ぶ意義は
言語文化の多様性を体験し 当該言語を媒介に他文化の人々との
以外の外国語科目を学ぶ意義は,言語文化の多様性を体験し,当該言語を媒介に他文化の人々との
関わりを経験することで
異文化理解を促し 異文化問コミュニケーションカを養成することにあ
関わりを経験することで,異文化理解を促し,異文化問コミュニケーションカを養成することにあ
O 当該言語の習得を通じてその言葉の中に溶け込まれている文化や思想を学び
当該言語で情報
る
る。当該言語の習得を通じてその言葉の中に溶け込まれている文化や思想を学び,当該言語で情報
を捉え,当該言語で自分の考えを再発信することができれば,大学で外国語を学ぶ目的は概ね達成
を捉え,当該言語で自分の考えを再発信することができれば,大学で外国語を学ぶ目的は概ね達成
されたといえよう
されたといえよう。O
もっとも,大学における外国語教育が,語学のみの学習や文化のみの理解で終わるのは望ましい
もっとも,大学における外国語教育が,語学のみの学習や文化のみの理解で終わるのは望ましい
i
駅前の語学塾j でも可能であり,後者についても,必ずしも大学の語学
ことではない。前者は,
ことではない。前者は,「駅前の語学塾」でも可能であり,後者についても,必ずしも大学の語学
授業に頼る必要はない。大学における外国語授業だからこそ,語学運用力と異文化理解の南方を併
授業に頼る必要はない。大学における外国語授業だからこそ,語学運用力と異文化理解の両方を併
j の向上が要求されるのである 語学運用力を伴わない
せ持った[異文化問コミュニケーション力
せ持った「異文化問コミュニケーションカ」の向上が要求されるのである。語学運用力を伴わない
G
O というのは,日本語で異
異文化理解のみでは,消極的なコミュニケーションに留まることになる
異文化理解のみでは,消極的なコミュニケーションに留まることになる。というのは,日本語で異
O 当該言語で情報を捉え,そ
文化を理解し語ることができてもその波及効果は限られるからである
文化を理解し語ることができてもその波及効果は限られるからである。当該言語で情報を捉え,そ
の清報の中に含まれている内容を理解し,当該言語で自分の意見を再発信してこそ,真の異文化関
の情報の中に含まれている内容を理解し,当該言語で自分の意見を再発信してこそ,真の異文化間
O ただ
このような言語運用能力を養成するには 当該言語を用いたか
理解が可能になってこよう
理解が可能になってこよう。ただ,このような言語運用能力を養成するには,当該言語を用いたか
なりの時聞に及ぶ実践トレーニングと
当該文化について語り合いながら考察する時聞が必要であ
なりの時間に及ぶ実践トレーニングと,当該文化について語り合いながら考察する時間が必要であ
O 異文化問コミュニケーションカの向上は,異文化理解と言語運用力の両方を兼ね構えてこそ可
る
る。異文化間コミュニケーションカの向上は,異文化理解と言語運用力の両方を兼ね備えてこそ可
能になるといえよう
能になるといえよう。
O
しかしながら,大学における現状の第二外国語教育では,このようなコミュニケーションカを養
しかしながら,大学における現状の第二外国語教育では,このようなコミュニケーションカを養
欧州委員会は, I
より健全な社会のために奥文化問の対話と交流が必要である」との見解を示し, 2
0
0
8年を「異
3欧州委員会は,「より健全な社会のために異文二間の対話と交流が必要である」との見解を示し,2008年を「異
文北関対話年(交流年りとしている O 民族的・宗教的な違いから生じる信見や誤解をなくすことを目的とす
文化問対話年(交流年)」としている。民族的・宗教的な違いから生じる偏見や誤解をなくすことを目的とす
る同委員会は,対話の重要性を強調し,共通価値と相互理解を促進し,議論と意見交換を促進する活動を行う
る同委員会は,対話の重要性を強調し,共通価値:と相互理解を促進し,議論と意見交換を促進する活動を行う
ことにしている O
ことにしている。
4
国際文化フォーラム (
2
0
0
5
) 日本の学校における韓国朝鮮語教育一大学等と高等学校の現状と課題 -j の調
4国際文化フォーラム(2005)『日本の学校における韓国朝鮮語教育・・一一・L大学等と高等学校の現状と課題一』の調
査によれば,英語以外の外冨語教育の 2
0
0
3年衰の実施率(実施校数/全学校数〉はどれも l割に溝たない数で,
査によれば,英語以外の外国語教育の20◎3年度の実施率(実施校訂/全学校数)はどれも1割に満たない数で,
多い }
I
貨に中国語8.74%,フランス語4.32%,韓国語4.03%,スペイン語1.86%, ドイツ語1.84%となっている
多い順に中国語8.74%,フランス語4.32%,韓国語4.03%,スペイン語1.86%,ドイツ語1.84%となっている
2
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),p
.
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0
)
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(国際文化フォーラム (
(国際文化フォーラム(20◎5>,p.20)。
3
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-44一 44 一
成することは容易なことではない。九州大学を例にとると,同大学の「言語文化基礎科目
Jでは,
成することは容易なことではない。九州大学を例にとると,同大学の「言語文化基礎科目」では,
7単位(理系 G単位)が必要であ
英語以外の外国語を第一外国語として履{参する場合,文系学生ほ
英語以外の外国語を第一外国語として履修する場合,文系学生は7単位(理系6単位)が必要であ
5単位(理系 4単位)の履修が卒業に必要な単
り,第二外国語として履修する場合は,文系学生は
り,第二外国語として履修する場合は,文系学生は5単位(理系4単位)の履修が卒業に必要な単
位と定められている九理系学生は,概ね
1回生の特に第二外居諾を履穆(通年 4単位)しており,
位と定められている§。理系学生は,概ね1回生の時に第二外国語を履修(通年4単位)しており,
78時間 (
9
0分 X週 2凹 X26遡キ 78時間)を外国語学習に割いていることになる O もう少し興
年間約
年間約78時間(90分×週2回×26週≒78時間)を外国語学習に割いていることになる。もう少し興
味を持って外国語学習を続ける場合でも
1回生の持の通年 4単位と 2回生 1学期の 2単位までで,
味を持って外国語学習を続ける場合でも,1回生の時の通年4単位と2回生1学期の2単位までで,
3
学期合わせて約 1
2
0時間 (
9
0
分×週 2回 X39週
三
千1
1
7時間)あまりを外国語とその文化の習得に費
3学期合わせて約120時間(90分×週2回忌39週≒117時間)あまりを外国語とその文化の習得に費
やしていることになる
O 一つの外国語の習得を通じて異文化問コミュニケーション力を養うまでに,
やしていることになる。一つの外国語の習得を通じて異文化問コミュニケーションカを養うまでに,
この
1
2
0時間という学習時間は明らかに少なすぎると言わざるを得ない。
この120時間という学習時間は明らかに少なすぎると言わざるを得ない。
では,どのようにして「語学学習を通じて異文化理解とコミュニケーション力を養成する j とい
では,どのようにして「語学学習を通じて異文化理解とコミュニケーションカを養成する」とい
う大学における第二外国語学習の意義に沿うことができるであろうか。
1
0
0時間前後の授業で最大
う大学における第二外国語学習の意義に沿うことができるであろうか。100時間前後の授業で最大
限の効果を生み出すためにはどのような方法が考えられるだろうか。この問いかけに対する一つの
限の効果を生み出すためにはどのような方法が考えられるだろうか。この問いかけに対する一つの
有望な答えとなるのが,情報コミュニケーション技術
(
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有望な答えとなるのが,情報コミュニケーション技術(ICT:Information Communication Technology)
をベ…スとした
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gである o ICTを外国語教育に導入すれば,従来教室内で習得度アップな
をベースとしたe−Leamingである。 ICTを外国語教育に導入すれば,従来教室内で習得度アップな
らびに理解度確認のために行われてきた反復練習と繰り返し説明の部分を省くことができ,授業の
らびに理解度確認のために行われてきた反復練習と繰り返し説明の部分を省くことができ,授業の
充実化が図られる
O すなわち,反復練習の部分や,教師の介入が必ずしも必要でなく授業外ででき
充実化が図られる。すなわち,反復練習の部分や,教師の介入が必ずしも必要でなく授業外ででき
る部分を学生各自の自律学習に委ねることによって,授業内では,実践的コミュニケーション・ト
る部分を学生各自の自律学習に委ねることによって,授業内では,実践的コミュニケーション・ト
レーニングや異文化に関する討論などに多くの時間を割くことができょう
O 学生による自律学習の
レーニングや異文化に関する討論などに多くの時間を割くことができよう。学生による自律学習の
一方法として
ICTを利用することによって 6 よりインタラクテイブでインテンシブな綬業が可能
一方法としてICTを利用することによって6,よりインタラクティブでインテンシブな授業が可能
となる
となる。O
3
.I
C
Tによる韓国語自律学留の試みと学生評価
3.ICTによる韓国語自律学習の試みと学生評価
前節では,日本における第二外国語教育の現状を踏まえ, ICTによる自律学習の必要性を述べた。
前節では,日本における第二外国語教育の現状を踏まえ,ICTによる自律学習の必要性を述べた。
ここでは,九州大学を例に,平成
1
9
年度韓国語クラスで行われた ICT化 の 試 み に つ い て 考 察 し た
ここでは,九州大学を例に,平成19年度韓国語クラスで行われたICT化の試みについて考察した
7
い。韓国語クラスでは,
LMS (
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) である WebOCM
を導入して韓国語教
い。韓国語クラスでは,LMS(Leaming Management System)であるWebOCM7を導入して韓国語教
育及び自律学習の
ICT化を試みた。一般的な LMSは,自らのシステムのなかに教材コンテンツを
育及び自律学習のICT化を試みた。一般的なLMSは,自らのシステムのなかに教材コンテンツを
b
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nしているのに対し, WebOCMは教材コンテンツを a
d
donすることを基本としている O さら
build・inしているのに対し, WebOCMは教材コンテンツをadd onすることを基本としている。さら
に
WebOCMでは,リンクによってヴアーチャルな教材コンテンツ体系をネットワーク上に構築す
にWebOCMでは,リンクによってヴァーチャルな教材コンテンツ体系をネットワーク上に構築す
ることができる
O
その概念図は図表 lのとおりである O
ることができる。その概念図は図表1のとおりである。
韓関語の場合,文字や発音,文法,文化のいずれの部分においても,韓国語を外国語として学ぶ
韓国語の場合,文字や発音,文法,文化のいずれの部分においても,韓国語を外国語として学ぶ
日本人学習者のための
Web学習コンテンツが乏しい。それは,これまでの日本における韓国語学
日本人学習者のためのWeb学習コンテンツが乏しい。それは,これまでの日本における韓国語学
習者の傾向を反映するものでもある
o 2
002年ワールドカップ共催以前は,日本国内における韓国語
習者の傾向を反映するものでもある。2002年ワールドカップ共催以前は,日本国内における韓国語
学習者の数が少なかったため,ークラスの学生数も少なく,
ICTをベースとした e
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g教材開
学習者の数が少なかったため,一クラスの学生数も少なく,ICTをベースとしたe−Leaming教材開
平成 1
9年度全学教育科目履修要項による O
5平成19年度全学教育科目履修要項による。
京都大学におけるフランス諾・中国語への
ICT導入,東京大学におけるスペイン語への ICT導入,上智大学
6京都大学におけるフランス語・中国語へのICT導入,東京大学におけるスペイン語へのICT導入,上智大学
におけるフランス語への
I
C
T
導入,大阪大学や東北大学におけるドイツ語への
ICT導入など,数多くの実践
におけるフランス語へのICT導入,大阪大学や東北大学におけるドイツ語へのICT導入など,数多くの実践
事例が報告されている O
事例が報告されている。
7
WebOCMは,大阪大学で開発された外国語学留に特化したかL
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gのための LMSシステムである O
7WebOCMは,大阪大学で開発された外国語学習に特化したe−LearningのためのLMSシステムである。
5
6
-45一 45 一
図表
l リンクによって構築される WebOCMのヴアーチャル教材コンテンツの体系
図表1 リンクによって構築されるWebOCMのヴァーチャル教材コンテンツの体系
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ーリンクが構築する ヴアーチャルな 教材体系
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〈出所 :杉浦謙介 iWebOCMによる r ラ ー ニ ン グ実 施 マ ニュアル」 ホ ー ム ペ ー ジ ,
〈出所:杉浦謙介「WebOCMによるe一ラーニング実施マニュアル」ホームページ,
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ng_manual
j)
http://www.he.tohoku.ac.iD/nysugiura/elearnin2 manual/>
発によるコストが便益を上回ったと考えられる
そこで, 一般的な韓国語クラスでは対面授業が優
発によるコストが便益を上回ったと考えられる。そこで,一般的な韓国語クラスでは対面授業が優
O
先され,
ドイツ語やフランス語などのヨーロ ッパ言語のような, ICTを活用した Web学習 コンテ
先され,ドイツ語やフランス語などのヨーロッパ言語のような,ICTを活用したWeb学習コンテ
ンツの開発が遅れてしま
ったと い う経緯がある O 近年,日本におけるドイツ 語やフランス語などの
ンツの開発が遅れてしまったという経緯がある。近年,日本におけるドイツ語やフランス語などの
ヨーロッパ言語においては,
Webベースの教材コンテンツが体系的かつ大量 に開発されており,
ヨーロッパ言語においては,Webベースの教材コンテンツが体系的かつ大量に開発されており,
全面的な
ICT化授業への取り組みが試みられている大学もある o
全面的なICT化授業への取り組みが試みられている大学もある8。
しかし,韓国語の場 合,体系的なコンテンツも 整っ ておらず,はじめて ハ ングル文字に 接する学
しかし,韓国語の場合,体系的なコンテンツも整っておらず,はじめてハングル文字に接する学
習者を対象
に全面的な ICT化による自律学習に踏み切ることには若干無理がある O そこで,リン
習者を対象に全面的なICT化による自律学習に踏み切ることには若干無理がある。そこで,リン
クによ
ってヴアーチャルな教材作成が可能である点を利用し, WebOCMによる部分的 ICT化を試
クによってヴァーチャルな教材作成が可能である点を利用し,WebOCMによる部分的ICT化を試
みることにした
。WebOCMの LMS機能には,コミュニケーション・ツールとして「新世界j が備
みることにした。WebOCMのLMS機能には,コミュニケーション・ツールとして「新世界」が備
わってお
り,この「新世界」機能を使えば,学生への連絡も作文の添削も 可能である さらに,学
わっており,この「新世界」機能を使えば,学生への連絡も作文の添削も可能である。さらに,学
O
習管理やテスト問題作成,出席・成績管理をも行える
本節では,これらの機能を活用した韓国語
習管理やテスト問題作成,出席・成績管理をも行える。本節では,これらの機能を活用した韓国語
O
クラスの試みについて
考察したい 。
クラスの試みについて考察したい。
3
.1 韓国語皿クラスにおける 実践と学生評価
3.1 韓国語皿クラスにおける実践と学生評価
韓国語
Eクラスは,すでに韓国語 Iと Eを履修(約 7
8時間)した学生のクラスである O このクラ
韓国語皿クラスは,すでに韓国語1とllを履修(約78時間)した学生のクラスである。このクラ
品
東 北大学 の ドイツ 語クラスの 中 には
, 全 面 ICT授業を行っ てい るクラスがある O
8東北大学のドイツ語クラスの中には,全面ICT授業を行っているクラスがある。
46 一 46 一
まずは,テステイング機能を利用した小テストと,外部 Webサ
スでの試みについて紹介したい。
スでの試みについて紹介したい。まずは,テスティング機能を利用した小テストと,外部Webサ
WebOCMの e-Leaming教 材 構 築 機 能 を 活
イトへのリンクによってヴアーチャル教材を構築できる
イトへのリンクによってヴァーチャル教材を構築できるWebOCMのe−Learning教材構築機能を活
用した試みから考察しよう
O 九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト
(p& p)
用した試みから考察しよう。九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト(P&P)
助成
(2006 年度 ~ 2007年度)によって行われた fIT を活用したアジア言語教育環境の構築 J プロ
助成(2006年度∼2007年度)によって行われた「ITを活用したアジア言語教育環境の構築」プロ
ジェクトの一環として,
2
0
0
7年度より韓国語 II
II
Iの授業の一部において,自律学習の環境づくり
ジェクトの一環として,2007年度より韓国語IH皿の授業の一部において,自律学習の環境づくり
の試みとして
WebOCMの活用を開始した 9。韓国語をはじめて学習する韓国語 Iと Eの授業におい
の試みとしてWebOCMの活用を開始した9。韓国語をはじめて学習する韓国語1とIIの授業におい
Web小テストを作成し,文法理解の
ては,その日に学習した語集や文法事項を確認できるような
ては,その日に学習した語彙や文法事項を確認できるようなWeb小テストを作成し,文法理解の
ための反復ドリルとして提供した
。韓国語 Eにおいては,リスニングの自律学習として,韓国の子
ための反復ドリルとして提供した。韓国語皿においては,リスニングの自律学習として,韓国の子
供教育用
Webサ イ ト に 公 開 さ れ て い る イ ソ ッ プ 物 語 や 世 界 名 作 へ の リ ン ク に よ っ て 構 築 さ れ た
供教育用Webサイトに公開されているイソップ物語や世界名作へのリンクによって構築された
ヴアーチャル教材を提供し,
Webテストを試みた。具体的な手順を示すと,まず,学生は図表 2
ヴァーチャル教材を提供し,Webテストを試みた。具体的な手順を示すと,まず,学生は図表2
の画面から
WebOCMにログインし,複数提供されている科目の中から,学生本人が履修している
の画面からWebOCMにログインし,複数提供されている科目の中から,学生本人が履修している
韓国語科目を選んで登録を行う(図表
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韓国語科目を選んで登録を行う(図表3)。
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図表2 WebOCMへのログイン画面
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、最 初に、「新規ユーザ萱縁jをクリックして、「ユーザ名」と「 パスワー ドjを
未登録の方は、最初に、「新規ユーザ登録」をウリックして、「ユ・・一ザ名」と「パスワード」を
取得して下さい。
取得して下さい。
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図表 3 韓国語クラスへの登録画面
図表3 韓国語クラスへの登録画面
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9九州大学では,第二外国語の一部クラスがICTを利用している。ドイツ語やフランス語の場合, WebOCMの
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コンテンツが開発され,提供されている O
コンテンツが開発され,提供されている。
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図表 3で韓国語クラスへの登録が終わると 図表 4のようなインターフェースが開く メニュー
図表3で韓国語クラスへの登録が終わると,図表4のようなインターフェースが開く。メニュー
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の中から「eラーニング」の窓を開けると,韓国語クラスで提供されているWeb上のヴァーチャル
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教材やテスティング素材,文化素材,写真素材にアクセスすることができる10。ここでは,学生個々
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人の興味に合わせて韓国文化を理解してもらおうと,多数の文化関連写真,各種の韓国語Webサ
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イト,日本語のよる韓国文化紹介サイトなどが提供されている。O
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図表4 韓国語クラスのインターフェース
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韓国語皿のクラスで,特にリスニングの練習として提供している物語についてみてみよう。学生
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は毎回提供されるイソップ物語や世界名作物語にアクセスする。提供する物語の選定にあたっては,
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子供の頃に読んだ馴染みのある物語で,量的にもそれほど長くないイソップ物語を中心に,
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子供の頃に読んだ馴染みのある物語で,量的にもそれほど長くないイソップ物語を中心に,「ウサ
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キツネとブドウム「田舎のネズミと町のネズミ」などの物語を選択した 。いずれもアニ
ギと亀」,「キツネとブドウ」,「田舎のネズミと町のネズミ」などの物語を選択した。いずれもアニ
メーション付きの物語で,朗読と同時に朗読部分の文字が赤く反転し,音声と文字が同時に提供さ
メーション付きの物語で,朗読と同時に朗読部分の文字が赤く反転し,音声と文字が同時に提供さ
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れるフラッシュ・スタイルのWebサイトである。図表5の画面から学生が特定の物語を選択する
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と,図表6のように物語がスタートする。
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スサイト」などの素材にアクセスして学習することが可能である。もっとも,現在提供している「文化」や「物
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語」の利用度は高いが,「ダイアログ」,「語彙」,「文型」などについては,教室で使っている教科書と直接関
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係のあるものではないため,学習者の利用度が低かった。そこで,実際教室で使用している教科書の内容に沿っっ
た形で「語葉」と「文型 Jを提供するための Web教材の制作に取り組んでいる O
た形で「語彙」と「文型」を提供するためのWeb教材の制作に取り組んでいる。
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図表5 リスニングのためのイソップ物語と世界名作物語のリンク教材
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に自律的に繰り返し聴くことを勧めた。学期最後に,韓国語皿のクラスの学生を対象に,リスニン
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評価*
5
4
3
2
1
人 数
20
21
1
5
2
49
40.8
42.9
2.0
10.2
4.1
100
計
%
*
5点リ ッカート・スケールの尺度は次のとおりである 。以下, 同じ。
*5点りッカート・スケールの尺度は次のとおりである。以下,同じ。
5
かなりそう思う
4ややそう思う, 3どちらとも言えない,
5かなりそう思う,4ややそう思う,3どちらとも言えない,
2
ややそう思わない 1まったくそう思わない 。
2ややそう思わない,1まったくそう思わない。
図
表 8 リスニング・テスト画面の一例
リスニング・テスト画面の一一例
図表8
膠 層 1‘
凹回園
曽 ■ 膠 ・
置 置
, 曜
鰯・誰
フ
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) 編集(
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気に入り(虫) ツ ーJ~ ① ヘルブ(
日
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上lにコ
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Cの健康状態 閑 スペ-A T C
2
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三・
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注
意:
以下の問題をつ1)ッ
ク
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注意:以下め間隔をクリックし一〔、設問に解答して下さL1“全ての問題、
誤
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J
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、解答を提出願います
設問に解答後、「subtuit」壷クリックして、解答壷提出願います
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1
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J
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問題
1
(
設問数3
) 問題 2
(
設問数 1
1) 問題 3
(
設問数 3) 問題 4
(
設問
問題ユ(設問救:3)問題2(設問数:11)問題3(設問数:3)問題4Gft問
数
3
) 問題 5
(
設問数 2
) 問題 6
(
設問数 4
)
妻嫡問題5(設問iA:2)問題‘(設離姻)
亀 rl
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設問
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設問1早人L営2早曳酬1〔H5H OIOPI司エ瓢台U刀1?
1, (:〉天}〈1)」≦≡≧1 季1□lOll 〔二H言Hノ団
1
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手│
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│
例1
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H司六1
2 . 0 7\ 1 せ手~例| 忠~ 目望叫 1 C
H司六1
2.○刃ヒr旱窪(川烈烈臼望(翔[H言翻川
C
Dの会話をよく聞いて、質問に筈えなさい 。 3. ()しH製≦≧1 二llミ重」o刊 〔二H5H/d
CDの会話をよく聞いて、質問に答えなさい。
3
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H包2.1
刃
│
さ
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C
H司六1
面司
会話スキッ
トの理解問題
会話スキットの理解問題
巨 姐 包 旦2
姐
魍1漉
旱P
設問2
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設問2早人t書厚臼感量し}フ陸二二口謝?
1. 0 日告手豆 R~
1.O〔L呂旱里豊製
2
. O ~ 宝さき岩
2.OILi…皇{三組
3
.0望日手│
3.○望Lヨ引
4
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4.○しH望
設問
3A
il
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Iと o
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I叫│コ同 2 官し│功?
設問3岬駆潤セ(H CI(翔フ圏エ書]刀1?
1
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2
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3.o〔H人屠
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一般文の内容理解問題
一般文の内容理解問題
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Dをよく聞いて、内容と一致するものを選ひ
CDをよく聞いて、内容と一致するものを選び
む
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なさい。
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設問
117.
設問117.
1
. om
O
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Iとコ↑宅訪宮川│忠告Lj仁ト
1,0叫Ol暑測{…フ1署:触書訓1飯自L1口.
2
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人f
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│六│望官Lj口
2.○ロトOIきAkl t三〔H入トモ葦(}11Afi gl暫]こf.
3
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T量制口 f
O
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3.o刈{三書6HロIOI門屋暑剰{彗曇累自u〔1.
4
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1
雲μ
!と NLH針。↑量三卜弓 0
1忠告U口
4.○□fOl暑Ml{三〇ILH9.l O睡琶碧 oi歎自q〔1、
設問
218.
設問218.
1
. 0守口 1
MI と Ol~ 手町 1 0
1
人↑
霊 京音叫口
1.O牛□l Ml{≡Ol望季(凋l O丁丁鍛台Ll ct.
2
.0キロ│刈 立│召さ N手玉き芭害叶│叶│忠告Lj口
2.o幸団Mlg.1召{皇。卜旱杢書をぎヒII酬瓢合u[二1.
MI
立│召皇室│人}
叫ん│巴LjC
f
3
. 0キロ 1
3.o弁=□lMlg』査1≡≡重1人卜(》{1人1臼u〔二t.
4O
キロ 1
MI
と N豆}豆雲 人}司平言LjU
4.○寺・□lMlヒ三〇卜豆t⊆…暑人卜剖コユ書し1〔;t.
│
面霊
一一問
題5の設問│ま以上廿ー
竭閧Tの設問は以上です一一一一一一
一一一
設問
1 28 . 李聖叶|早 兜 量計コ|豆更~B Lj 万い
設問128.旱二七1早曳書さPl呈戴含Ll刀1?
10
伺雪量コロ│豆憩畠Lj仁↑
10(河断書フ}PIS…戴台しに1.
長いスキッ
トを聞く問題
長いスキットを聞く問題
長いスキ
ットをよく聞いて、質問に答えなさ
長いスキットをよく聞いて、質問に答えなざ
し、。28−29
巨姐 血 盟 主 姐
pa Emppm
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岨ρ
ヴ/
2
0叫干言言トコ│豆 京告し」口
20併〒岩髭コ1豆戴合目こ1,
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吾自例 1 :コ}コ│豆京音LjC
ト
30晋{ヨ(翔,P1量雪穴L1口.
40
三仕量計コ│豆京音Lj(ニト
40暑上書δtコ1里回覧U〔.1.
設問
229.手 人}君主叫フ f21
2
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:
1重
量
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設問229.二人t二二UIpt皇田早曳書二二Ll刀1?
10
5
:
:六l
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10玉川轡(>ll )Pl里烈合L{〔二1.
20
町呈芝川│コロ│豆想畠LjC
f
20雪署書(川コPl豆…戴自U口.
3 0 口| 会主叶| コロ |豆 主~ B Lj U
30□陰轡011コPl里戴自q〔Lt.
4O
勾全量手1
~なさトコ|豆想吉Lj口
402「≡≒書季1杢言PI皇莫夢合q〔t,
│
一一問
題2の設問│ま以上です
竭閧Wの設問は以上です一一一一一
一一一一
注)画面右上に
WindowsMediaP
l
a
y
e
rが常駐し,動画などを再生する D
注)画面右上にWindows Media Playerが常駐し,動画などを再生する。
-50一 50 一
A
また,このクラスでは,上記以外にも
8のようなリスニング・テストを Web上に提供し,
また,このクラスでは,上記以外にも図表8のようなリスニング・テストをWeb上に提供し,
学習者の自律的な反復学習を促した。
学習者の自律的な反復学習を促した。
このリスニング・テストの学習効果についても,同様の質問を行った。 IWebに提供されている
このリスニング・テストの学習効果についても,同様の質問を行った。「Webに提供されている
Jという質問に対し,
リスニング・テストの反復が聞き取り能力を高めるのに役立ちましたか
リスニング・テストの反復が聞き取り能力を高めるのに役立ちましたか」という質問に対し,図表
9
のような結果が得られた。 1
5かなりそう思う Jと答えた学生がれ名 (
4
2
.
9
%
), 1
4ややそう思
9のような結果が得られた。「5かなりそう思う」と答えた学生が21名(42.9%),「4ややそう思
j と答えた学生が2
1名 (
4
2
.
9
%
) となっており, 4
9
名中 4
2名 (
8
5
.
6
%
) もの学生が学習効果を
う
う」と答えた学生が21名(42. 9%)となっており,49二二42名(85.6%)もの学生が学習効果を認
C
ワスニングの練習やテストにおいて,自律学習の学習効果が高く
める肯定的な評倍を行っている
める肯定的な評価を行っている。リスニングの練習やテストにおいて,自律学習の学習効果が高く
評
f
[ffiされた結果といえよう O
評価された結果といえよう。
図表
9 1
リスニング・テストの反復が聞き取り能力を高めるのに
図表9 「リスニング・テストの反復が聞き取り能力を高めるのに
計
役立ちましたかJ
役立ちましたか」
5
4
3
2
1
人 数
21
21
0
6
1
49
42.9
42.9
12.2
2.0
10◎
◎
%
評価
WebOCMシステムには,成績表示機能が備わっており,テストの成績について,クラス全体の
WebOCMシステムには,成績表示機能が備わっており,テストの成績について,クラス全体の
平均と学習者自身の偏差値などが表示されるようになっている
O この成績表示に関する質問には,
平均と学習者自身の偏差値などが表示されるようになっている。この成績表示に関する質問には,
1
0のような結果が示された。「採点結果や平均と成績分布図の
,学習意欲が高まりまし
図表
図表10のような結果が示された。「採点結果や平均と成績分布図の表示で,学習意欲が高まりまし
1
5かなりそう思う」と答えた人が 1
4名 (
2
8
.
6
%
), 14ややそう思う J
たか」という質問に対して,
たか」という質問に対して,「5かなりそう思う」と答えた人が14名(28.6%),「4ややそう思う」
と答えた人がお名
(
51
.0
%) となっており,合計で3
9名 (
7
9
.
6
%
) の人が肯定的な評価を示した o
と答えた人が25名(51.0%)となっており,合計で39名(79.6%)の人が肯定的な評価を示した。
W
ebOCMの成績表示機能が学生の学習意欲向上にも有効であることが示唆されたことになる O
WebOCMの成績表示機能が学生の学習意欲向上にも有効であることが示唆:されたことになる。
図表
1
01
採点結果や平均と成績分布図の表示で,
意欲が高ま
図表10 「採点結果や平均と成績分布図の表示で,学習意欲が高ま
りましたかJ
りましたか」
5
4
3
2
1
計
人 数
14
25
2
7
1
49
28.6
51.0
4.1
14.3
2.0
100
%
評価
韓国語自クラスの運営において リスニングの繰り返し練習やリスニング・テストに ICTを
韓国語IHクラスの運営において,リスニングの繰り返し練習やリスニング・テストにICTを導
入することで,リスニングの学習効果は明らかに上昇したと考えられる
一方,授業内で縁与返し
入することで,リスニングの学習効果は明らかに上昇したと考えられる。一方,授業内で繰り返し
O
寝かせる代わりに学生の自葎的学習に委ねることで,時間的余硲が生まれ,その時間をタイピング
聴かせる代わりに学生の自律的学習に委ねることで,時間的余裕が生まれ,その時間をダイビング
Jを使って,図表1
1の
と作文に充てることができた。コミュニケーション・ツールである「新世界
と作文に充てることができた。コミュニケーション・ツールである「新世界」を使って,図表!1の
ように韓国語でのタイピング演習を試みた。この試みには二つの狙いがあり,その一つは,
ように韓国語でのダイビング演習を試みた。この試みには二つの狙いがあり,その一つは,韓国語
の特徴である子音と母音の構造が,タイピングによって理解しやすくなるだろうということであっ
の特徴である子音と母音の構造が,ダイビングによって理解しやすくなるだろうということであっ
た。韓国語のタイピングは
左手で子音をタイプし 右手で母音をタイプするようになっている O
た。韓国語のダイビングは,左手で子音をタイプし,右手で母音をタイプするようになっている。
韓国語の場合,体言や用言の語幹が子音で終わるのか母音で終わるのかによって,格助詞の接続や
韓国語の場合,体言や用言の語幹が子音で終わるのか母音で終わるのかによって,格助詞の接続や
活思形変化が異なるので
子音と母音をしっかりと覚えておく必要がある O
活用形変化が異なるので,子音と母音をしっかりと覚えておく必要がある。
二つ呂は,タイピングかできれば自分の意見をチャットなどで書き込むことが可龍であると考え,
二つ目は,ダイビングかできれば自分の意見をチャットなどで書き込むことが可能であると考え,
当該言語を使って自分の意見を発信できるようにすることであった。このような試みは,実践的コ
当該言語を使って自分の意見を発信できるようにすることであった。このような試みは,実践的コ
51ー
一 51 一
図表
1
1 タイピング練習の一例
図表11 ダイビング練習の一例
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Fr
om:・・園田 [
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From: 一[eclol−11]
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ジャンル
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評
点、:9 点
評点=9点
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":タイピンタ 3
タイトル1ダイビング〔3
参照 :
参画1
本文:
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本文1 I 天1{≡ 古トコユ A.,i… 裂01 0卜三F三 ∈讐台し1〔=卜.
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15
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刈モ≡∋ 理暑 E甚〔]1 審〔〕1/d XH[】1凱{≡∋ 01〔lPI{≡} 窃ロ[ 呈≡「二[1 凱〔]1且.
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旨司曇官口│日目川 A
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I量 官 口 1a
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コ己に■L君習暑Ol型呈計書誤早裂土目謂吾列側且.
文 I~ 早己|也也 H 川1M .2豆き~量コト豆対手起附宮聖吾口ト♀.
フ二言♀己Rゴ習冒}川ノd呈三モ…引暑Pl三態雫翌〔田碧富農口卜且.
珂~ I~H 霊半霊州国|豆町手フ|州 R.
フqモ≡… 三エニ己H葦≡… 早… 〔工H〔Hl三≡三 〇卜三1三 ,lUHE日L.
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1.I èH 量買 c[~1 也也~~とE 曇宮聖~計現目丘.
〔HHI週督冒01書型トロ1±己H暑翌{≡日1担習ヒ」二二岩習高書亭亭〔H且.
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返答する
閉じる
ミュニケーション力を養成するために必要不可欠であると考えられる
O
もっとも タイピングにお
ミュニケーションカを養成するために必要不可欠であると考えられる。もっとも,ダイビングにお
いても,主な練習は自律学習に委ね,教室では
1
5分間でどのくらいタイピングできるかj などの
いても,主な練習は自律学習に委ね,教室では「5分間でどのくらいダイビングできるか」などの
タイピング力の伸びについてのみ確認を行うことにした
。一定程度の速度でタイピングが可能に
タイピングカの伸びについてのみ確認を行うことにした。一定程度の速度でダイビングが可能に
図表 1
2 与えられたテーマに対する韓国語作文テストの一例
図表12 与えられたテーマに対する韓国語作文テストの一例
1 … 一 …・ 凹回調
ファイル(F} 編集(E) 表示(哺 お気〔こ入り(A) ツールrn PLJV S(H} it
∫ 」凶日山ノ)検索★綱こ入り頓診妻・田図∵…1鍛S
移動
噌'
・リノク
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・
・
・
A
注意:以下の問題をクリ ッケして、設問に解答して下さ 1
.
.
.
.
1
0
:
全ての
章、r
s
u
b
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u
t
Jをク1
)ックLて、解答を提出願いま
問題、設巴市 ご解答 f
す
白 墨1
(
設問数 1
) 白 星 主(設問数 1
) 白 皇l
(
設問数 1
)
s
l
.
I
bm
i
.
t
与え
られたテーマについて、
与えられたテーマについて、
韓国語で作文し
なさい。
韓国語で作文しなさい。
、
,
設問
1
1未来志向的な日韓関係について。
設問エ1未来志向的な日韓関係について。
︵⋮
雇圏
対亘フ fkl~ 当皇室}雪'2J~計 2 吾き oHOÞ oHR.kl 呈 三l 皇室}古ト.Jl~喜霊
再三ぱ毒翔毒墨画壷鐙測量鍵密言書書蚕
舌 半 計 巴 雲 皇 を き 雲 町 呈 今 日」
凹R
.コe
Hk
l望星豆}主1
ミ皇室.'0 告 官 室 )
h
1
師フ点〔亜ヨ
一一一問題 1の設問は以上です一一
ハ ,1:
面翠
設問11あなたの尊敬する人は?それはむぜですか。
与えられたデーマについて、
与えられたテーマについて、
韓国語で作文しむさい。
韓国語で作文しなさい。
騰点〔亟ヨ
J一謙宿..、慧.、ら一一
面軍
与えられたデーマについて、
与えられたテーマについて、
韓国語で作文し
なさい 。
韓国語で作文しなさい。
iも鎌熱無蹴癖鵡魚_、、.、,な
設問1、1将来何にねりたいですか。それは、なせですか。作文してください。
臣冒芸謡講臨L讐1群論1亘鵬跳躍儲幽幽
瞬点〔言置
一一一問題 lの設問1
;
1
:
以上です一一
織報騨懲_騨 _・灘難裟1離癬、犠鑓
-52一 52 一
和 訳)
図表
1
3 韓国語文章に対する日本語訳 (
図表13 韓国語文章に対する日本語訳(和訳)
瑚 E 恥 掛端
フ
ァ
イ
ル
(
円
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嗣 耐1
現地
編集 (
E) 表示 M
日回Lヨ
お気に入り
(
向
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i ヘル
ブ (H)
移動
‘・ドレ画鋤いノ醜b。cm.・c.k…h一軸m・7/U・些・・tiA。1・ssesY>〈ML2HTML・脚?F・。・SC・RE・1&J・k・n・1・&旦ご日移動
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健康状態
m璽垂二ニヨ互E
i・・
関 /
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.
・ 3 ・亀
・
嗜〕・藺+幽XML2HTMO顧
-・・・・ ~M2 冨E冨
注意:
以下め 問題をクI
}ッケ
して、設巴
市 こ解答して下さいや全ての問
注意=以下CD間顕をクリワクして..設問に解答して下さい。全ての問
s
ubmi
t
Jをク1
)ックして、解答を提出願います
題、
設問│
ご解答後、r
題、設問に解答後、「51ぬ皿it」崔クリックして、解答を提出願います
白墨l(設問数
1) 白墨~(設問数 1)
問題1(設間数:1}問題2(設問凱1)
s
u
bmi
t
面
重
量
;
欠の韓国語の文の意味 (
1何
智の韓国語の文の意味は何
で
すか。 日本語訊をしてくださ
ですか。日本語訳をしてくださ
し
。
、
い。
天H壬百三号告企~
~量 N 手雲 N
淵ヒ…創卜書到暑otEI1 e= Ol
宮
w 巳トコ日::iJ. ~ コ~~.s:.聖
暫しに1.コ司エ梨,1聲呈召
人}
き 芭t
W口 天1
針 宮 川│叫人ト
人1碁}書]〔/.天1皇卜芭μ川△1入卜
討
さE官 三 号 人 } 宮 呈 さ 哲 司 這
6tt eJ暑人1曹暑書習研き
WO針弓白白苅│コト日H
呈
芭
書q口.皇1暑創創刈1コ田H{垂
告
企J釜 N手 聖 司 叫 ん1
這百
含国軽…O悸召臼。因き…茸
七
三 史 君 告 W↑
仁
割引君含Llα.
面璽
設問
1
設問11
I~
私は捻 国の食 べ物が大好きです。そして( )もよ く使います 。私 と→絡に食 五
1私臓置物べ物が大幅です・そしてり征く健います・枇一緒庫.’5・
E
ま しぱ私が幸い食事をとてもよ く食 J
事する韓国の 人 々は非常に驚きます o し│
1戯する韓国七人eは非常に驚きます。しばしば私が辛い食事をとてもよく食Y.
「
点ICheckI
「点〔亟璽
一一問題1の該聞は以上です一一
_凋護繭蘭は以上です_一 −懸影縫1轡:
設問
12
設問12
君
主号包「コト召 量 日 量 フ │判言H
蓉薯壱フ圏書騒暑フ1♀1δH
六
1万三号雲 0
1吉川 1
~計 七三 人|苫
川コド辱暑Ol君測司モ…人IZF
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1:き宣言叫
暑フ囚ヒi夷OI琶2書し旧.
フ}需量 0 1 官J)j l 告 企!呈~呈
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町~i:三人|之.1-,ユ司 2 官J)jl ~工
引里と刈孔コ司エ書凋」
と 人 | さきコ ~ 7\ 1 旨 ~O l 望 E
セ…人IPLI書1,卜刃{三…刻Ol司宰
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倖せな家庭を作るうえで、家族たちが一緒にする時闇を持つことが重要で A
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円
F
D
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一家
一
点族一た巨ち亙三え斜で
日 に 理 副を作主たちが見一…時
コ て る 問 、そ れ
で掴
ー丸
緒山
に略
遊屈ぶ重 要 を で
持つ 三
A │
i主_窪響蜂埜一緒に料理を作って見る時間、それで一緒に遊ぶ時間を持で、.!一:
Fr点〔Check〕
│
ー
噛
2の設問は以上です ー
セ明2の設問は以上です一一一一一一
一一一一一一
~W(二}
書LI口,
なった時点で,与えられたテーマについての作文を韓国語でタイビングさせることにした
。その結
なった時点で,与えられたテーマについての作文を韓国語でダイビングさせることにした。その結
果が図表
1
2に示されている O また,図表 1
3にみるように, 韓国語文章の日本語訳により, 韓国語の
果が図表12に示されている。また,図表13にみるように,韓国語文章の日本語訳により,韓国語の
情報に対する理解力についても確認を行った
情報に対する理解力についても確認を行った。。
このように,韓国語皿クラスでは, ICTによる自律学習システムを導入することで,学習効率の
このように,韓国語皿クラスでは,ICTによる自律学習システムを導入することで,学習効率の
向上という本来の目的のみならず
発信可能な実践的外国語運用力を養成するといった副次的な目
向上という本来の目的のみならず,発信可能な実践的外国語運用力を養成するといった副次的な目
的をも同時に達成することができたといえよう
的をも同時に達成することができたといえよう”。
3
.2 韓国語 1.Iクラスにおける実践と学生評価
3.2 韓国語1・llクラスにおける実践と学生評価
次は,韓国語 Iと Eのクラス運営と関連した ICT化の試みについて述べることにしよう 120 韓国
次は,韓国語1とHのクラス運営と関連したICT化の試みについて述べることにしよう12。韓国
語
1.Iのクラスの学生にとって,韓国語は大学に入ってはじめて接する言語であり,文字さえも
語1・llのクラスの学生にとって,韓国語は大学に入ってはじめて接する言語であり,文字さえも
目に慣れていないのが実情である
O それにもかかわらず,近年の韓流ブームと,日本語と文法がほ
目に慣れていないのが実情である。それにもかかわらず,近年の韓国ブームと,日本語と文法がほ
ぼ同じであるということから
学生は韓国語に対して親近感を覚えるようである O 教室運営におい
ぼ同じであるということから,学生は韓国語に対して親近感を覚えるようである。教室運営におい
ては,基本的には対面授業をメインとするが,教室で学習した内容の理解度を確認するために,
Web
ては,基本的には対面授業をメインとするが,教室で学習した内容の理解度を確認するために,Web
図表
1
2と図表 1
3のいずれにおいても,内容を書いて (タイピングして)いくと,画面が下へスクロールするよ
}表12と図表13のいずれにおいても,内容を書いて(ダイビングして)いくと,画面が下ヘスクロールするよ
うになっている
うになっている。O
1
2 ログインやクラスへの登録等は,
3
. 1の韓国語皿クラスのところで説明した内容と同様である O
12ログインやクラスへの登録等は,3.1の韓国語IHクラスのところで説明した内容と同様である。
11
1
1
-53一 53 一
上に各課の小テストや文法ドリル,リスニング・テストを提供し,それらを半自律的に繰り返し学
上に各課の小テストや文法ドリル,リスニング・テストを提供し,それらを半自律的に繰り返し学
1
414のように小テストや文法ドリル,リスニングが提供され
習するよう勧めた九具体的には,図表
習するよう勧めた’3。具体的には,図表1414のように小テストや文法ドリル,リスニングが提供され
るが,各課で提供される小テストやドリル,リスニングに繰り返しトライすることで,最終的には
内容の完全理解を目指した
内容の完全理解を目指した。。
Webテステイングでは,各課で学習すべき語葉や文法項目,文型,活用形,談話理解などが,
Webテスティングでは,各課で学習すべき語彙や文法項目,文型,活用形,談話理解などが,
図表
1
5と図表 1
6にみるように,穴埋め形式や選択形式で提供される O ここで提供される小テストや
図表15と図表16にみるように,穴埋め形式や選択形式で提供される。ここで提供される小テストや
ドリルについては
2回目の実施で正解が表示されるような仕掛けとな っており へ 何回でもトラ
ドリルについては,2回目の実施で正解が表示されるような仕掛けとなっており15,何回でもトラ
イすることができる
O 学生には,
1
0
0点満点がとれるまで自律学習を続けるよう勧めた 。
イすることができる。学生には,100点満点がとれるまで自律学習を続けるよう勧めた。
幽
1
4 韓国語
Iと Eの Webテステイングに提供されるテストやドリルなど
図表
図表14
韓国語1とllのWebテスティングに提供されるテストやドリルなど
I i l i ! o 哲 男 向 唖 国 間 垣 間 関 山 削 罵 間 取 罰 富 岡 思 想 四 時 頼 関 帽 唱 団幽
8
門.幽
iEb−r=MrmstTTIImueT111rTITI}H:IIIjM:rmMrm::T:!rrTT:
多 田面回岨山岨皿山田直国車凪晶皿.I.EIa岨園山辺凪岨岨田山-・E・.i![,国~I
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任意のテストのd由をクリックしてください
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■画 ,・ ■国罰圃■
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Pages塩e 15 v
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156 「 苗 評めi ズニ! r 簾’1三14:旭餌 正00
1.
腰
正55 E 螢艮 空 幽しら子「 07’1310%23 100
L44 − 0ア11Z1重.44:38 且00
123 曲 06々監21:02.Ol IDO
Q26
壁3 」困厄 0醐7三2:3426 100
Q11
76 」」コ上鍵 05124L2、切=49 100
Q00
52 皿 051Σ0 1459・26 100
P94
26 こ。 一「1 04/2612:34:03 100
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P89
6 壁⊥ニニ上 o覗216:54:34 100
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235
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01/2509:50:5ア
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P111514:45:40
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P:10112:32:12
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奄盾P181218:38
P00
P011122;58:46
PDO
図表
1
5 活用ドリル問題
図表15 活用ドリル問題
面軍
醤
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欠
の用言の活用形表を作りましょう.
次の用言の活用形表を作りましょう..
雇圏
1
1
設問
1力1¥ンを
J
1
tL
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:9,
藷・・灘・書きま・・湘体・一・・・… U・tt)(非囎,輔にあ,正。、齢のもの。選㈱,.
設問1カバンを章います。.
丁Il2寧
J~
形の
-活2
用形を書きましJょう。(格式体 ー(全)ロLlc
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(
非4次の 日本語にあう正u、
活用形のものを選ひなさい。 1
1
[
1
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}号室 ( )
1
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I
口
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[IP出直().給Uヒl v×.
設問
2ご飯を食べます。
[1ゴ.tt..ゴ1豆一..
設問2ご飯を食べます。
[
1
]皆 霊 型 合 し10
v 0
[1]暫書( )一台L1〔l vO.
[
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J
1
剖 G
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設問
3毎日、運動しません
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設問3毎日、運動しません。
[
3
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[3].. .
[
1
]
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)
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訂
版│
警合
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0
[1]日H裂( )感…曇計天ltt合.Uに1>O.
[
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]
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[4] ti卜豆
設問4図書館で:を読みます。
設問4図書館で本を読みます。
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v
[
5
]
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[5】...食べる
[ 1] S:: ^i~ 例 I ^i 型釜(
)包剖5:i O
.
.
[1】呈川書q因型暑( )劉〔HRvO.
~凹 2
設問 5今日は授業がありますか。
[
6
]
1
[6】....馴盆
設問5今日は授業がありますか。
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I
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1
]2
這さ令包
0
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)
~ ~吐))ト v O?
[1]≦≧き{≡≡ 亭暫Ol ( )卑倉1=P叶 > O?
[
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J
卑合Ll口 .
設問 6お会いできて嬉しいです。
日目宜
設問6お会いできて嬉しいですr
[
8
]
1
一
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3
却宝(非格式 )
現在〔非箔…慈〕
現在肝(
格式)
現在形〔楮武)
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本形
基本形
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意味
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1
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1
1
2
2
且
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旦[斗
3
3
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量叫叫
暑司u
司叫
卑叫
5
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百
叫
曽叫
着
る
着る
8
8
百
音叫 Q
曽盲q口
量
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普叫
返事
き。}且
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叫
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田♀[モ
習 が芋~
習う・学ぶ
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11
吾羊さ
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勉
強する
勉強する
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有
縫い
有難い
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12
12
2官告叫叫
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螂
13
ls],.... .,.. oH.[or...g.
[
1
]巴 叫ん1 ( )也君享
1
5
:
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[1]慰し因 ( )琶フ團且 vO.
設問7日
月
日
(
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1
:学校へ来ます。
設問7明日は学校へ来ます。
[
1
]LH ~ ËÒ 雪 辺 倒 1 ( 釦5
:
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[1] しH羽田 引正ql ( ) 9卜R v O.
設問
B昨日 (
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1
:
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かったです。
設問8昨日は暑かプとです。
一三H正
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刊宜
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[?1]’’” il i’/t”t’i
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図表
1
6 文法や談話理解 の小 テスト問題
図表16 文法や談話理解の小テスト問題
面蓮
翻
(
)
の 中に適当な助詞はどれですか
。の中に適当な助詞はどれですか
設問 1苅()明 白 山
設問1月0奪督留]〔1.
1口0
1
1DOI
雇圏
次の会話を完成法せなさい。
函
次の会話を完成させなさい。
設問 1 コ } 全 );i l コ ↑ ~ 例B. ? しト(
設問1 Pl:奇Xllp卜烈引R? Ll:( )
1 0 叶 1 . 史~ 0iB. 0
1(…)ヒIL烈01RO
200L
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忠則2
L
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昔
話
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300f
300tq R,誤(朝R
2白川
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2()O卜し」R,父匙(}iR
4 口~
4D8
4 0 叶 1 . ~ 0i B.
40ヒu,綴σ{2
3回t
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3図旨0
設 問 2コ
トき号例
さ I
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致
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設問2フト:き曇01囚獄酬R?し1:
1 0 吋し~ E: 例| なひl B.
ユ○目1,裂呂(月lkF OI R.
設問 2{
ゴ包国(
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吉 臼L
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設問2d鯉冒0創暑人t営og qこト,
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1図30
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L
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吋
1
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8
弓削
│
忍剖丘
4 O LdLgiOil XIF OI R
六
200卜し遷R,遷蚤≡nyOjlAI昊丈(>1 R,
2口七
三
2□i三
コ
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3
3□P卜
3(∋O卜し4 R,Oe’{書Q1[ノLri契丈01」≡≧.()
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設問 3♀州 .
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:
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設問3♀Olに圃i…田9人卜営OO旧Uα,
1口と
1口i
2 []Pf
2 f
設問 3↑
コ0
1突き 早突包LlJ
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設問3フ1:01 X. 9早口91]Pt?し1:
10 t
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20♀例│
口白U口
30主!
子雲 町民0iB.
30n[1〒垂巳}鼠卜Q1 R.
人忍包 L
l
10人卜{ヨ創Ll〔⊃卜, Q
コ
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3図0
10
3MOIO
20♀011〔」卜9」L」〔卜.
学生への見返 りとして,自律的に行 った学習を努力加算点(10
0点満点中 1
0点) として認めたという意味で,
w生への見返りとして,自律的に行った学習を努力加算点(100点満点中10点)として認めたという意味で,
O
半自律的といえる
半自律的といえる。
1
4 W
ebテステイングのインターフェースは,韓国語 Eのクラスにもあるが,ここでの紹介と重複するので 3
.
1の
vebテスティングのインターフェースは,韓国語mのクラスにもあるが,ここでの紹介と重複するので3.1の
説明では省略した
。
説明では省略した。
1
5 P回目に,正解を提示し採点することも,正解を提示しないで採点のみ行うことも可能であるが,このクラス
1回目に,正解を提示し採点することも,正解を提示しないで採点のみ行うことも可能であるが,このクラス
では
2回目に正解を表示することにした 。最低限 1回くらいは,間違ったことについて考えることを求めた 。
では2回目に正解を表示することにした。最低限1回くらいは,間違ったことについて考えることを求めた。
13
1
3
’4
ユ5
-54一
一 54 一
図表
1
7 個 人 成 績 表 に 見 る 繰 り 返 し テ ス ト と 成 績 (1学期と 2学期)
図表17 個人成績表に見る繰り返しテストと成績(1学期と2学期)
一-~ 固 移動
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2007/07/1314:23:12
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2007/07/1314:01:38
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テスト 3
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2
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Q008/01/1714:03:02
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Q008/01/1714:16:05
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2
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2
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Q00ア/12/1313:10:32
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Q007121313’46‘52
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1/1514:20:23
2007/11/1514:20:23
2
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4
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2
1:
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Q007/11/1514:21:04
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2
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Q007 11 29 12:54:59
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2007
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2
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1/1512:37:37
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2
007/11/1512:
3800
Q007 11 15 12’38:00
2
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200アノ10/1813:33:20
2
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232小デスト 21課 I
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デス卜
Q32月置スト 21課小テスト
2
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217川テスト 19課小テスト
2
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課I
J
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テスト
Q17小テスト 19課小テスト
2
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テスト
Q17小テスト 19四聖テスト
テスト
17課I
J
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J
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210日置スト 17課小テスト
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テスト
2
10小テスト 17課I
Q10小テスト 17課小テスト
議 げ ス卜
210小テスト I
Q10小ゲスト 17課小テスト
1
99ハテスト 15課リスニング
1gg小テスト 15課リスニング
199小テスト 15課リス二ンク!
P99小テスト 15課リスニング
199小テスト 15
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P99小テスト 15課リスニング
199小テスト 15~;1 ~スニン 之
P99小テスト 15量1スニン’●
193小テスト 15課小テスト
193小テスト 15課小ゲスト
1
93小テスト 15
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テスト
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1
93小デスト 15
課I
J
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デス卜
P93小テスト 15課小テスト
課小デス卜
1
93小テスト 15
P93小ゲスト 15課小テスト
1
88ハデスト 13課リスニンク.
188川テスト 13課リスニング
188小テスト 13
課リスニング
P88小テスト 13課リスニング
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232川テス 21言川テスト
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Q32小テスト 21課小テスト
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1課小テスト
Q32小テスト 21課小テスト
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233小テスト 19課リスニング’
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2007/06/0813:07:13
2
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1
2007/05/2513:11:31
2
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1
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2007/06/21 11:39:50
2007/07/1216
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4
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007/07/1216:59:28
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2007071217’04璽17
2
007/05/11 1
3
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2007/05/11 13:13:17
2
007/06/21 1
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2007/06/21 11:19:04
2007/06/21 1
1
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3
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2007〆06/21 11:23:58
2
007/04/271
3
:1
5
:56
2007/04/2713:15:56
2
007/06/21 10:54:33
2007/06〆21 10:54:33
一
韓国語
I.Iクラスの学生の個人成績 は 図表 1
7のように表示される 160 1
0
0点満点がとれるまで
韓国語1・Hクラスの学生の個人成績は,図表17のように表示される’6。100点満点がとれるまで
トライすることを勧め,それを
努力点 として成績に加算する ことにした 。図表 1
7には,学生個人の
トライすることを勧め,それを努力点として成績に加算することにした。図表17には,学生個人の
この成績表示については,韓国語皿のクラスにおいても行われているが,ここでの紹介と重複するので
3
.1
アの成績表示については,韓国語mのクラスにおいても行われているが,ここでの紹介と重複するので3.1
の説明では省略した。
の説明では省略した。
’6
1
6
-55一 55 一
努力や成績の推移が一例として表示されているが
繰り返し学習によって成績が徐々に上がってい
努力や成績の推移が一例として表示されているが,繰り返し学習によって成績が徐々に上がってい
く様子が確認できる
く様子が確認できる。
O
韓国語
Iと Eに提供されたリスニング・テストについては
韓国語1とHに提供されたリスニング・テストについては,
1
学期は期末に l回のみ行ったが,
1学期は期末に1回のみ行ったが,
2
学期は 3回提供された 。問題形式としては 1フレーズで単語を聞き取る問題,単純会話の l
2学期は3回提供された。問題形式としては,1フレーズで単語を聞き取る問題,単純会話の1
ターンの話を聞き取る問題
2
3ターンで談話を理解する問題などに分けられ 学生がリスニン
ターンの話を聞き取る問題,2∼3ターンで談話を理解する問題などに分けられ,学生がリスニン
グに拒否反応を起こさないように配慮しながら
例えば 図表1
8のように構成されている O
グに拒否反応を起こさないように配慮しながら,例えば,図表18のように構成されている。
図表1
8 韓国語 1 .Iのリスニング・テストの一例
図表18韓国語1・Hのリスニング・テストの一例
臼
. 置 1 量.匪 ・ ・ tT ・
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注意;以下の問題をク1
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1
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. 全ての 問 題、誤聞に 解答後、
r submitJをクリ ッ クし て 、 高~~容を 提出願います
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閏 皇 設問数 5
) 閏 皇 主{
設問数 5
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設問数 4
) 白霊
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) 白墨2
(該間数 1
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面運
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CD
の発音を聞いて、正しいものを選んでください
。
CDの発音を聞いて正しいものを選んでください。
C
D(
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秒
CDは1回のみ発音します。次の問題に移るまで10秒
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あいています。
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舜っ
世
ヒ
蟻
ち融、 .
聖
子
函連
CD
の会話を聞いて、質問に苦えな乱 。
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CDの会話を聞いて、質問に答えなさい。
設問
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IコfN互 A
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設問ユフト:釧q計針畢州豊?
[1]しト:( )i一一 vフト O卜玉互二[互 望Ol Lρ卜≦エ.
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設問
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12:
:
:
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1B.?
設問2フ区M理朔「皇奴朝R?
)
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10剛 則 旦
設問 3コト号 0
1叶碕丘町望珂 1
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H
[ユ]Lt・01子,1{・。1。回川細R.
[
1
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H
設問3 )t:暑OI OI卑豊.α讐洲1δHR?
[1]し囮昊創ol=子.一》ト書□tM EAI]R.
[1) し問問 () Eヨ雲町λ.~ ~刈|♀
設問
4Jf
包苅│字回叶豆:
:
:
20
1丘?
設問4 )t:卜占1早日恵庭奴倒且?
[1]し1・o、:==二1_翌担早日R.
川
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設問
5コト
設問5 )t:
川
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設問
設問11
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0 20
CDの会話は1回発音します。次の問題に移るまで10
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秒あいています。
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30冒旧曽
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設問
設問22
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の会話を聞いて、正しいものを選ひなさい。
CDの会話を聞いて、正しいものを選びなさい。
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CDの会話は1回発音します。
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設問
設問11
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韓国語 Iと Eクラスの学習者に対し, 2
0
0
7年度末の最後の授業において, ICTを用いた授業の学
韓国語1と皿クラスの学習者に対し,2007年度末の最後の授業において,ICTを用いた授業の学
習効果について,以下のような質問票調査を行った九
IWeb上で反復練習を行うのは,効果的な
習効果について,以下のような質問票調査を行った17。「Web上で反復練習を行うのは,効果的な
学習法だと思いますか
Jという質問に対して,図表 19にみるように, 1
5かなりそう思う Jと答え
学習法だと思いますか」という質問に対して,図表19にみるように,「5かなりそう思う」と答え
た人が
2
8名 (
2
6
.
2
%
), 1
4ややそう思う」と答えた人が5
6名 (
5
2
.
3
%)で,学習効果について肯定
た人が28名(26.2%),「4ややそう思う」と答えた人が56名(52.3%)で,学習効果について肯定
韓国語
Iと Eの履修者は, 一部の再履修者を除き,前期と後期で学習する通年学習者である o 2
0
0
7年度後期に
リ国語1とllの履修者は,一部の再履修者を除き,前期と後期で学習する通年学習者である。2007年度後期に
3
クラスの学生すべてを対象に質問票調査
を行った
。
担当した
担当した3クラスの学生すべてを対象に質問票調査を行った。
ユ7
1
7
一 56 一
的な評倍を示した人が
8
4名 (
7
8
.
5
%
) に上り 拐殺学習者に対する ICT授業の試みは概ね成功し
的な評価を示した人が84名(78.5%)に上り,初級学習者に対するICT授業の試みは概ね成功し
たといえそうである
たといえそうである。O
図表
1
9 IWeb上で反復線習を行うの辻,効果的な学育法だと黒い
図表19 「Web上で反復練習を行うのは,効果的な学習法だと思い
ますかJ
ますか」
評価
5
4
3
2 1
計
人 数
28
56
10
9
4
107
%
26.2
52.3
9.3
8.4
3.7
100
次に, 1
韓国語のはじめてのリスニングとして, Webリスニング・テストは学習に役立ちました
次に,「韓国語のはじめてのリスニングとして,Webリスニング・テストは学習に役立ちました
か
j という質問に対しては,図表2
0のような結果が示された。すなわち, 1
5かなりそう思う j と
か」という質問に対しては,図表20のような結果が示された。すなわち,「5かなりそう思うjと
3
7名 (
3
4
.
6
%
), 1
4ややそう思う」と答えた人が5
9名 (
5
5
.
1%)で, 9割もの学生が学
答えた人が
答えた人が37名(34.6%),「4ややそう思う」と答えた人が59名(55.1%)で,9割もの学生が学
習に役立ったと答えている
O これについて,何人かの学生は,自由記述繍に「鰐単なフレーズや 2
習に役立ったと答えている。これについて,何人かの学生は,自由記述欄に「簡単なフレーズや2
~3 ターンの短い会話がテスト形式で提供されるので,緊張感をもって取り組むことができた J と
∼3ターンの短い会話がテスト形式で提供されるので,緊張感をもって取り組むことができた」と
書いており,
Webリスニング・テストはりスニングの練青としてかなり効果的であることが分か
書いており,Webリスニング・テストはリスニングの練習としてかなり効果的であることが分か
る。O
る
図表
2
0 IWebリスニング・テストとは学習に役立ちましたかj
図表20 「Webリスニング・テストとは学習に役立ちましたか」
ユ
5
4
3
2
人 数
37
59
7
4
0
107
34.6
55.1
6.5
3.7
0
100
%
評価
計
次
に, IICTを活用した Webテスト(文法・リスニング)の提供が学留に役立ちましたかj とい
次に,「ICTを活用したWebテスト(文法・リスニング)の提供が学習に役立ちましたか」とい
う質問に対して,図表
2
1にみるように, 1
0
7
名中 9
2名 (
8
6
%
) の学生が肯定的な評価を与えている
う質問に対して,図表21にみるように,107名中92名(86%)の学生が肯定的な評価を与えている。
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2
1 ICT活用と総合的な学習評缶
図表211CT活用と総合的な学習評価
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4
3
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計
人 数
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47
5
9
1
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43.9
4.7
8.4
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%
評価
以上から,韓国語 IとEのクラスにおいて, ICTを活用した自律学習が明らかに学習効果を高め
以上から,韓国語1とHのクラスにおいて,ICTを活用した臼律学習が明らかに学習効果を高め
たことが確認された。さらに,
ICTを活用した自律学習を導入することで,限られた時間の有効活
たことが確認された。さらに,ICTを活用した自律学習を導入することで,限られた時間の有効活
用が可能となり,授業内で学生のコミュニケーション・スキルを磨くためのインタラクテイブな活
用が可能となり,授業内で学生のコミュニケーション・スキルを磨くためのインタラクティブな活
動が行えるようになった。また,韓国語阻の授業においては,当該言語で異文化問コミュニケーショ
動が行えるようになった。また,韓国語mの授業においては,当該言語で異文七十コミュニケーショ
ンが可能な基礎体力作りができたと思われる
大学における第二外国語学習の意義ならびに今後の
ンが可能な基礎体力作りができたと思われる。大学における第二外国語学習の意義ならびに今後の
G
あり方を考えると,
ICTを活用した自律学習が示唆するものは大きいといわざるを得ない。
あり方を考えると,ICTを活用した自律学習が示唆するものは大きいといわざるを得ない。
4
. ICTによる自律学習の効果と今後の課題
4.ICTによる自律学習の効果と今後の課題
大学で第二外国語を学ぶ意義は
語学力養成のみや異文化理解のみで i
まなく 当該言語を用いて
大学で第二外国語を学ぶ意義は,語学力養成のみや異文化理解のみではなく,当該言語を用いて
5
7
一
一 57 一
典文化問コミュニケーション力を養成することにある
異文化問コミュニケーション力を養うとい
異文化間コミュニケーションカを養成することにある。異文化間コミュニケーションカを養うとい
O
うことは,異文化に関する情報を当該言語で収集・理解し,その典文化についての自分の意見を
うことは,異文化に関する情報を当該言語で収集・理解し,その異文化についての自分の意見を当
該古語で表現できることを意味する
O 異文化問コミュニケーションを可能にするためには,かなり
該言語で表現できることを意味する。異文閉炉コミュニケーションを可能にするためには,かなり
と当該異文化についての知識が要求される O しかし 日本の大学における第二外国語教育
の語学力と当該異文化についての知識が要求される。しかし,日本の大学における第二外国語教育
の現場では,異文化問コミュニケ…ションを行えるほどの文化理解と語学力を養えるほどの授業時
の現場では,異文学問コミュニケーションを行えるほどの文化理解と語学力を養えるほどの授業時
間が与えられていないのが実
i
言である O だからといって,大学の語学授業が,訳語の学習塾のよう
間が与えられていないのが実情である。だからといって,大学の語学授業が,駅前の学習塾のよう
な語学力養成のみの授業に留まってはならない。また
異文化の紹介をメインとする文化センタ
な語学力養成のみの授業に留まってはならない。また,異文化の紹介をメインとする文化センター
の教養講座のレベルに留まるのも問題である
の教養講座のレベルに留まるのも問題である。
O
大学で第二外国語を学ぶ真の目的を実現しようとすれば現状の授業時間では少な過ぎる O 各大
大学で第二外国語を学ぶ真の目的を実現しようとすれば,現状の授業時間では少な過ぎる。各大
は,第二外国語のおかれているこのような問題を解決すべく,多様な工夫や試みがなされてい
学では,第二外国語のおかれているこのような問題を解決すべく,多様な工夫や試みがなされてい
O 九州大学においても,
I
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T技術を活用したアジア言語教育環境の構築Jプロジェクトにおいて.
る
る。九州大学においても,「IT技術を活用したアジア言語教育環境の構築」プロジェクトにおいて,
さまざまな試みがなされている
O その試みのーっとして,筆者の担当する韓国語クラスでは,
配
1
CT
さまざまな試みがなされている。その試みの一つとして,筆者の担当する韓国語クラスでは,ICT
を活用した自律学習システムを導入した
O その結果
従来授業内で
を活用した自律学習システムを導入した。その結果,従来授業内で行っていた一定の学習を学生自
らの自律学習に委ねることによつて
学生倍々入の学翌理解度を大鵠に向上させることがでで、きたと
らの自律学習に委ねることによって,学生個々人の学習理解度を大幅に向上させることができたと
思われる
O また
異文化問コミュニケ…ションを可能にするための基礎力の養成においても, ICT
思われる。また,異文化問コミュニケーションを可能にするための基礎力の養成においても,ICT
を活用した自律学習システムの効果は認められたといえよう
を活用した自律学習システムの効果は認められたといえよう。 O
における第二外国語教育の意義ならびに今後のあり方を考えると, ICTを活用した自
大学における第二外国語教育の意義ならびに今後のあり方を考えると,ICTを活用した自律学習
が示唆するものは大きい。しかし一方では,
ICTを活用した自律学留の定着のために解決していか
が示唆するものは大きい。しかし一方では,ICTを活用した自律学習の定着のために解決していか
なければならない課題も多い。
ICTの活用を持続的に効率的に行うためには まず学生の自律学習
なければならない課題も多い。ICTの活用を持続的に効率的に行うためには,まず学生の自律学習
をスム…ズに導けるさまざまなコンテンツの開発が求められよう
O また,学生個々人の自律学習の
をスムーズに導けるさまざまなコンテンツの開発が求められよう。また,学生個々人の自律学習の
進め方や,自葎学習時に遭遇する多様なトラブル等に対応できる環境ならびにサポート・システム
進め方や,自律学習時に遭遇する多様なトラブル等に対応できる環境ならびにサポート・システム
を整備・携築していくことも最優先課題の一つである
O この分野における今後のさらなる進展を期
を整備・構築していくことも最優先課題の一つである。この分野における今後のさらなる進展を期
待したい。
*本相は,九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト
(P&p)助成 (
2
0
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7
*本稿は,九州大学教育研究プmグラム・研究拠点形成プロジェクト(P&P)助成(2006年度∼2007
によって行われた I
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T技術を活用したアジア言語教育環境の構築 Jの研究成果の一部であ
年度)によって行われた「IT技術を活用したアジア言語教育環境の構築」の研究成果の一部であ
る
るQO
参考文献
∞
奈良彦・大草壁広・志水俊広・田中俊明・田中揚子・毘娼義之・松由経治 (
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ヨーヨツ
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欧州連-駐日欧州委員会代表部公式ホームページ:
欧州連一業日欧州委員会代表部公式ホームページ:
1tx!1p!1(}yw}y,dgljpg,gg,g11Epppmllur2,p11ptt// di /h h
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国際文化フォーラム
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96
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韓 国 語 学 習 者 の た め の Web
開 発J e
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g教育研究Jj, Vo
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曹美庚・李相穆(2008)「韓国語学習者のためのWeb辞書の開発」『e−Leaming教育研究』, Vol.2,
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6
3
7
3
.
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杉
浦謙介・李相穆・佐藤滋 (
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) rWebOCMの 教 材 作 成 ・ 管 理 系 機 能 の 特 徴J rド イ ツ 語 情 報 処
杉浦謙介・李相穆・佐藤滋(2006)「WebOCMの教材作成・管理系機能の特徴」『ドイツ語情報処
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7,p
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理研究
理研究』,Vbl.17, pp.25−38.
杉
浦 謙 介 rWebOCMによる e
-ラーニング実施マニュアル J ホ ー ム ペ ー ジ :
杉浦謙介「WebOCMによるe一ラーニング実施マニュアル」ホームページ:
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h貸:〃www.he。tohok鱗.ac.’INsu iura/eleamiR mamuaY
杉
浦 謙 介 ・ 細 谷 行 輝 ・ 伊 藤 直 哉 ・ 竹 蓋j
頼子・大久保政憲・鈴木敦典ー喜美庚・大前智美・李相穆
杉浦謙介・細谷行輝・伊藤直哉・竹蓋順子・大久保政憲・鈴木敦典・曹美庚・大前智美・李相穆
(
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0
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)r
外 国 語 eラ ー ニ ン グ シ ス テ ム と し て の WebOCMJ rLET第4
7回 全 国 研 究 大 会 発 表 論
(2007)「外国語eラーニングシステムとしてのWebOCM」『LET第47回全国研究大会発表論
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文集』,外国語教育メディア学会,pp.226−231.
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愛
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知大学言語と文化Jl, N
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“
-59一 59 一
九州大学大学院共通教育プログラムの遠隔講義による展開
九州大学高等教育開発推進センター
工藤和彦・岡本秀穏
九州大学高等教育開発推進センター 工藤 和彦・岡本 二二
九州大学情報碁盤研究開発センター
多川孝央
九州大学情報基盤研究開発センター 多川 二二
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ー ワ ー ド : 大 学 院 共 通 教 育 遠 隔 講 義 テ レ ビ 会 議 シ ス テ ム インターネット
キーワード:大学院 共通教育 遠隔講義 テレビ会議システム インターネット
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1
.はじめに
1.はじめに
九州大学(九大〉は, 1
7の大学院(学野と称している)に 6,
5
5
0名の大学院生が在学しており,
九州大学(九大)は,17の大学院(学府と称している)に6,550名の大学院生が在学しており,
lに示すとおり箱崎,伊都,筑紫,大橋,六本松,病院地区の 6カ所のキャン
これらの院生は,図
これらの院生は,図1に示すとおり箱崎,伊都,筑紫,大橋,六本松,病院地区の6カ所のキャン
1
8年 5月現在の修士課程,専門職学位課程,博士後期課程在学生の合計〈
パスに分散している(平成
パスに分散している(平成18年5月現在の修士課程,専門職学位課程,博士後期課程在学生の合計、
1
1,
8
4
3名 )
0 分散したキャンパスにおける教育,研究上の問題の解消のために,
なお,学部在学生は
なお,.学部在学生は!1,843名)。分散したキャンパスにおける教育,研究上の問題の解消のために,
2
0
1
9年までに箱崎および六本松地区を伊都新キャンパスに統合集結する計画が進行中ではあるが,
2019年までに箱崎および六本松地区を伊都新キャンパスに統合集結する計画が進行中ではあるが,
この分散状態は早急には解決されないという状況にある
この分散状態は早急には解決されないという状況にある。O
一方,九大では平成 1
8年度から 5年計画で「社会的課題に対応する大学院共通教育プログラムの
一方,九大では平成18年度から5年計画で「社会的課題に対応する大学院共通教育プログラムの
J(以後「大学院共通教育j と呼ぶ)という特別教育研究経費が
展開一大学院人材養成機能充実展開一大学院人材養成機能充実一」(以後「大学院共通教育」と呼ぶ)という特別教育研究経費が
文部科学省から採択された。これは大学院生に対して従来の専門教育に加えて,いわば文理の系列
文部科学省から採択された。これは大学院生に対して従来の専門教育に加えて,いわば文理の系列
を越えたつベラルアーツ教育を施し,知識基盤社会を多様に支える高度な知的人材を養成しようと
を越えたりベラルアーツ教育を施し,知識基盤社会を多様に支える高度な知的人材を養成しようと
するものである
するものである。O
上記のような多数のキャンパスにいる混生に共通教育を有効に行うには 遠稿講義システムの導
上記のような多数のキャンパスにいる院生に共通教育を有効に行うには,遠隔講義システムの導
このシステムを活用できれば,大学院生や教員は,離れた他キャ
入・活用整備は必須のものである
入・活用整備は必須のものである。このシステムを活用できれば,大学院生や教員は,離れた他キャ
O
ンパスの講義場所に出かける必要がなく,そのための時間的ロス,経済的な出費が大揺に軽減され
ンパスの講義場所に出かける必要がなく,そのための時間的ロス,経済的な出費が大幅に軽減され
る
O
また,学外の講師に講義を依頼する場合,講師の出張時期の調整や講義回数などに制限が生じ
る。また,学外の講師に講義を依頼する場合,講師の出張時期の調整や講義回数などに制限が生じ
ることが多いが,遠階講義システムの活用によりこの問題が相当解決される
ることが多いが,遠隔講義システムの活用によりこの問題が相当解決される。
O
61一 61 一
このような状況のもとで 九大では これまでも法科大学院やシステム生命科学府など少数の学
このような状況のもとで,九大では,これまでも法科大学院やシステム生命科学府など少数の学
1年 4月までに六本松
府では学府内の講義において
遠隔講義が採用されてきている O また 平成2
府では学府内の講義において,遠隔講義が採用されてきている。また,平成21年4月までに六本松
1
9年 6月の拡大役員会において,全学的な遠
地区が伊都新キャンパスに移転することもあり,平成
地区が伊都新キャンパスに移転することもあり,平成19年6月の拡大役員会において,全学的な遠
隔講義システム導入のための遠隔地講義・会議システム整備プロジェクトが設置され,現在整備導
隔講義システム導入のための遠隔地講義・会議システム整備プロジェクトが設置され,現在整備導
入が進められている
入が進められている。O
大学院共通教育では平成 1
9年度からテレビ会議システムを応用した遠隔講義をいくつか開始した。
大学院共通教育では平成19年度からテレビ会議システムを応用した遠隔講義をいくつか開始した。
遠隔講義のシステムが日常的に利用しやすく整備されると,学内の教員による講義だけでなく,九
遠隔講義のシステムが日常的に利用しやすく整備されると,学内の教員による講義だけでなく,九
州、│以外の遠隔地,たとえば東京オフィスなどの国内,カリフォルニア北京,ソウルの各九大オフィ
州以外の遠隔地,たとえば東京オフィスなどの国内,カリフォルニア,北京,ソウルの各九大オフィ
スなどの外国からの学外非常勤講師による授業も容易に実現でき,カリキュラムの質が一層,向上
スなどの外国からの学外非常勤講師による授業も容易に実現でき,カリキュラムの質が一層,向上
することが期待できる
することが期待できる。O
以下,本稿では,九大における大学院共通教育について遠隔講義の実施例を報告し,その現状と
以下,本稿では,九大における大学院共通教育について遠隔講義の実施例を報告し,その現状と
今後の課題について議論する
今後の課題について議論する。O
図
l 九 州 大 学 の キ ャ ン パ ス (6カ所)の分散状況
図1 九州大学のキャンパス(6カ所)の分散状況
(東西 間の直線距離約 2
0
k
m 南北聞の直線距離約lOk
m)
(東西問の直線距離約20km,南北間の直線距離約10km)
2
. 遠隔講義システムの構成と留意点
2.遠隔講義システムの構成と留意点
遠隔講義のため学内のいくつかの講義室に導入されているテレビ会議システムを用いた 。 これは
遠隔講義のため学内のいくつかの講義室に導入されているテレビ会議システムを用いた。これは
基本的にはネットワーク(インターネット)に接続された二地点の間で音声と映像の双方向送受信
基本的にはネットワーク(インターネット)に接続された二地点の間で音声と映像の双方向送受信
を行うシステムであり,標準規格に則り,様々なメーカーより端末機器(端末)が発売されている
を行うシステムであり,標準規格に則り,様々なメーカーより端末機器(端末)が発売されている。 O
国内では,
SONYや POLYCOMなどの製品が多く使われている O
国内では,SONYやPOLYCOMなどの製品が多く使われている。
テレビ会議システムの端末は,カメラとマイクより入力された映像と 音 声 をネットワークを介し
テレビ会議システムの端末は,カメラとマイクより入力された映像と音声をネットワークを介し
て相手に送信する
O また,相手から受信した映像と音声を,プロジェクターとスピーカに出力し,
て相手に送信する。また,相手から受信した映像と音声を,プロジェクターとスピーカに出力し,
遠隔地の話者の姿や発言を再生する
O これにより遠隔地とのコミュニケーションを行うことができ
遠隔地の話者の姿や発言を再生する。これにより遠隔地とのコミュニケーションを行うことができ
O
このようなシステムは,会議のための移動やスケジュール調整,時間の活用にメリットを有す
る
る。このようなシステムは,会議のための移動やスケジュール調整,時間の活用にメリットを有す
ることから,集会方式の会議に代わって企業や様々な団体における会議などで用いられている
ることから,集会方式の会議に代わって企業や様々な団体における会議などで用いられている。 O
ただし,このようなシステムや端末は,あくまで一般的な対話や会議をするために作られたもの
ただし,このようなシステムや端末は,あくまで一般的な対話や会議をするために作られたもの
-62
一 62 一
であり,大学での講義に用いることを
して設計されたものではないため 大学院共通教育科目
であり,大学での講義に用いることを意識して設計されたものではないため,大学院共通教育科目
の講義に使用するにあたって 下記のような工夫や注意が必要であっ 。
の講義に使用するにあたって,下記のような工夫や注意が必要であった。
表示の
表示の問題
象は栢手の顔や姿を表示するのみで充分であることが多い。一方,多くの講
テレぜ会議で辻,映f
テレビ会議では,映像は相手の顔や姿を表示するのみで充分であることが多い。一方,多くの講
義では教員は板書や資料を用いて説明を行う O このときその教室にいる学生は,黒板や資料を見な
義では教員は板書や資料を用いて説明を行う。このときその教室にいる学生は,黒板や資料を見な
がら教員の説明を開くことができるが,これと同等の「講義を受けている j という臨場感を遠橋地
がら教員の説明を聞くことができるが,これと同等の「講義を受けている」という臨場感を遠隔地
においても得るには,教員の姿を映した映像と一緒に,黒板や資料の映像もまた送られ,表示され
においても得るには,教員の姿を映した映像と一緒に,黒板や資料の映像もまた送られ,表示され
る必要がある O
る必要がある。
近年で、は,ほとんどのテレビ会議システムの端末は,主映像に加え,パソコンからの入力による
近年では,ほとんどのテレビ会議システムの端末は,主映像に加え,パソコンからの入力による
資料映像(副映像)を送受信する機能を持つようになっている これにより,教員は教室に持参し
資料映像(副映像)を送受信する機能を持つようになっている。これにより,教員は教室に持参し
O
たノート
PCをケーブルでシステムに接続することによって 講義で用いている Power P
o
i
n
t等の
たノートPCをケーブルでシステムに接続することによって,講義で用いているPower Point等の
資料を,自分の姿と一諸に遠高地の教室に送電することができる
資料を,自分の姿と一緒に遠隔地の教室に送信することができる。O
一方,逮鴇地の教室においては, I
教員の姿j と「資 *
4瑛像j の二つの挟{象が再持に表示される
一方,遠隔地の教室においては,「教員の姿」と「資料映像」の二つの映像が同時に表示される
必要がある
O 学生にとって資料映像は内誌の理解と
教員の姿は授業の迫力や学習意欲と結びつく
必要がある。学生にとって資料映像は内容の理解と,教員の姿は授業の迫力や学習意欲と結びつく
ものであり,それぞれの映像は出来るだけ大きく,明瞭に表示されることが望ましい。さらに,遠
ものであり,それぞれの映像は出来るだけ大きく,明瞭に表示されることが望ましい。さらに,遠
隔地においても,発信元の教員へ質問が自由にでき,学生と教員の質疑応答が,相手の顔を見て理
隔地においても,発信元の教員へ質問が自由にでき,学生と教員の質疑応答が,相手の顔を見て理
解度を確認しながら
スムーズに行われる必要がある O
解度を確認しながら,スムーズに行われる必要がある。
このため受講側の教室では 教室内に高性能のプロジェクターを二
し,大面積のスクリー
このため受講側の教室では,教室内に高性能のプロジェクターを二台設置し,大面積のスクリー
ンに教留と資料の映像を同時に表示する等の工夫を行っている。
ンに教員と資料の映像を同時に表示する等の工夫を行っている。
接続の
接続の問題
遠縞講義は分散キャンパス環境において受講のためにキャンパス間を移動する時間や交通費,あ
遠隔講義は分散キャンパス環境において受講のためにキャンパス問を移動する時間や交通費,あ
るいは受講機会に関するロスを低減する手段として重要で、ある
特に大学院共通教育のような特定
るいは受講機会に関するロスを低減する手段として重要である。特に大学院共通教育のような特定
O
の学府の大学院生のためのものではなく,文理の垣根を越えた内容の講義については,受講希望者
の学府の大学院生のためのものではなく,文理の垣根を越えた内容の講義については,受講希望者
に余分な負担をかけない受講の機会と手段を与える責任がある
に余分な負担をかけない受講の機会と手段を与える責任がある。O
テレピ会議システムを用いた遠隔授業はそのような責任を果たす手段として有効であるが,一般
テレビ会議システムを用いた遠隔授業はそのような責任を果たす手段として有効であるが,一般
O
しかし,二地点聞の
には,テレビ会議システムは二地点をネットワークでつなぐ形で利用される
には,テレビ会議システムは二地点をネットワークでつなぐ形で利用される。しかし,二地点間の
接続のみでは,同ーの講義を遠隔的に受講したいという各キャンパスからの要望には充分に応えら
接続のみでは,同一の講義を遠隔的に受講したいという各キャンパスからの要望には充分に応えら
れない。
れない。
この間額に対して,今回の遠漏講義では情報統括本部で運用している多地点接続装置 (
M
u
l
t
i
p
o
i
n
t
この問題に対して,今回の遠隔講義では情報統括本部で運用している多地点接続装置(Multipoint
C
o
n
t
r
o
lU
n
i
t,MCU) によって対応した。 MCUは同時に複数のテレビ会議システムの端末の接続相
Control Unit, MCU)によって対応した。 MCUは同時に複数のテレビ会議iシステムの端末の接続相
手となり,それぞれの端末からの映像と音声を仲介することにより
3地点以上の参加者によるテ
手となり,それぞれの端末からの映像と音声を仲介することにより,3地点以上の参加者によるテ
レビ会識を行うことができる
O 会議に拳加している各端末に対し,
MCUは各参加者を分割された
レビ会議を行うことができる。会議に参加している各端末に対し,MCUは各参加者を分割された
画面の中に配置した映像を送信する
O この映像のレイアウトは各参加者で自由に変えることが出来
画面の中に配置した映像を送信する。この映像のレイアウトは各参加者で自由に変えることが出来
る
O 教員の側では各教室の受講者の映像を一つの画面で同時に眺め,一方,遠隔地の受講者の側で
る。教員の側では各教室の受講者の映像を一つの画面で同時に眺め,一方,遠隔地の受講者の側で
は教員の映像をアップで見ることが可能である
o MCUには同時に接続できる端末数に上限はある
は教員の映像をアップで見ることが可能である。MCUには同時に接続できる端末数に上限はある
63-
一 63 一
(これまで 1
1端末の同時接続ができることを確認している)が,接続する端末を自由に増減し,ま
(これまで11端末の同時接続ができることを確認している)が,接続する端末を自由に増減し,ま
た,自動的に入れ替えることが可能である O このため, MCUを介して多数のテレビ会議システム
た,自動的に入れ替えることが可能である。このため,MCUを介して多数のテレビ会議システム
を接続することにより,遠隔授業を実施する際の講師の居場所,開講の対象や規模,受講できる教
を接続することにより,遠隔授業を実施する際の講師の居場所,開講の対象や規模,受講できる教
室などについて非常に広い自由度で設定することが出来る
室などについて非常に広い自由度で設定することが出来る。
O
大学院共通教育においては, MCUを利用することにより カリフォルニアオフィスからの講義
大学院共通教育においては,MCUを利用することにより,カリフォルニアオフィスからの講義
を本学の箱崎地区および伊都地区で同時に受講することが可龍となった 。 これは 3地点跨の接続で
を本学の箱崎地区および伊都地区で同時に受講することが可能となった。これは3地点間の接続で
ある O また,さらに別の教室(六本松地区)の端末から MCUに接続し,その端末を通じて講義の
ある。また,さらに別の教室(六本松地区)の端末からMCUに接続し,その端末を通じて講義の
映像を DVDレコーダーに録画することも行った 。
映像をDVDレコーダーに録画することも行った。
この時の機器の接続を図 2に示す 。
この時の機器の接続を図2に示す。
籍崎キャンパス
箱崎キャンパス
講義室端末
・懇戸
@講義室端末(情報基盤研究開発センター)
(
情報基盤研究開発セン合一)
カリフォルニア
カリフォルニア
MCU
MCU(情報基盤研究開発センター)
(情報基盤研究開発センヲー)
伊都キャンパス
講義室端末
@講義室端末(システム生命科学府講義室)
ktSJ
(
システム 主命科学府講義室)
句、
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オフィス
@オフィス
端末
六本松キャンパス
@ 端末(録画用)(21交流プラザチュートリアル室)
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,
川
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¥ ¥ ¥下 ,
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図
2 MCUを介した 4講義室の接続概念図 (うち 1講義室は録画用)
図2 MCUを介した4講義室の接続概念図(うち1講義室は録画用)
本学では,分散キャンパス環境への対応として,遠隔講義専用のシステムを備えた講義室を整備
本学では,分散キャンパス環境への対応として,遠隔講義専用のシステムを備えた講義室を整備
0年度末を目処に進行中である O このプロジェクトで整備されるシステムは,
するプロジ
ェ クトが2
するプロジェクトが20年度末を目処に進行中である。このプロジェクトで整備されるシステムは,
講義をする教員が自分で遠隔地の機器の起動や操作を行うことが可能であり,補助要員を要さず複
講義をする教員が自分で遠隔地の機器の起動や操作を行うことが可能であり,補助要員を要さず複
O このシステムは,操作性や機能性
数教室に対する遠隔講義が容易にできるように設計されている
数教室に対する遠隔講義が容易にできるように設計されている。このシステムは,操作性や機能性
において優れているが
反面 同ーの仕様に基づいて作られた講義室間での利用を主に想定してお
において優れているが,反面,同一の仕様に基づいて作られた講義室間での利用を主に想定してお
り,接続範囲をこの仕様以外の講義室に変更したり増やしたりすることは難しい。
り,接続範囲をこの仕様以外の講義室に変更したり増やしたりすることは難しい。
MC
むを介して現在各キャンパスで保有している端末を接続する本大学院共通講義のようなやり
MCUを介して現在各キャンパスで保有している端末を接続する本大学院共通講義のようなやり
方は,既存の設備を有効に利用でき,機器の設定や操作などに人手と手聞を要するものの,接続範
方は,既存の設備を有効に利用でき,機器の設定や操作などに人手と手間を要するものの,接続範
囲を自由に設定することが可能であり,専用教室を用いるよりは臨機応変な使い方が可能である
囲を自由に設定することが可能であり,専用教室を用いるよりは臨機応変な使い方が可能である。 O
専用教室の整備と並行して,その他の各講義室への汎用的なテレビ会議システムの導入と, MCU
専用教室の整備と並行して,その他の各講義室への汎用的なテレビ会議システムの導入と,MCU
の活用を促進することが望ましいと
言 える O
の活用を促進することが望ましいと言える。
-64一 64 一
他の遠隔講義の万法との比較
他の遠隔講義の方法との比較
今居行った遠階講義辻 教員と学生がリアルタイムに相手の声を開き反言、を返すことが可誌であ
今回行った遠隔講義は,教員と学生がリアルタイムに相手の声を聞き反応を返すことが可能であ
り,同期的・双方向型のものと呼ぶことが出来る
り,同期的・双方向型のものと呼ぶことが出来る。
O
一方,講義を録画,あるいは授業内容をテキスト化してサーバに蓄積し,学生がそれを各自でイ
一方,講義を録画,あるいは授業内容をテキスト化してサーバに蓄積し,学生がそれを各自でイ
ンターネットを介して随時閲覧して学習を行う,非同期型の遠隔講義も存在し,近年多くの大学で
ンターネットを介して随時閲覧して学習を行う,非同期型の遠隔講義も存在し,近年多くの大学で
実施されるようになっている
実施されるようになっている。O
同期型の遠隔講義と非同期型!の講義は必ずしも相反するものではなく 講義を録画してコンテン
同期型の遠隔講義と非同期型の講義は必ずしも相反するものではなく,講義を録画してコンテン
ツ化したり,リアルタイムでの遠隔講義の後に電子掲示板を用いて学生が質疑や議論を行うという
ツ化したり,リアルタイムでの遠隔講義の後に電子掲示板を用いて学生が質疑や議論を行うという
形で,組み合わせた使い方も可能である
形で,組み合わせた使い方も可能である。G
ただし,講義内容によっては,教員の存在感や臨場感,迫力も学生にとって重大な要素であち,
ただし,講義内容によっては,教員の存在感や臨場感,迫力も学生にとって重大な要素であり,
また次節に述べる九大ーカリフォルニアオブイス間の遠隔講義のような肉声による対話が貴重な経
また次節に述べる九大一カリフォルニアオフィス間の遠隔講義のような肉声による対話が貴重な経
験となる場合がある
このような場合には リアルタイムでの映像と音声の送受信による双方向性
験となる場合がある。このような場合には,リアルタイムでの映像と音声の送受信による双方向性
O
が特に重要である
が特に重要である。C
3
. 遠隔講義の実際
3.遠隔講義の実際
平成
1
9年度は以下の 4科目について,遠隔講義システムを用いた講義を行った。
平成19年度は以下の4科目について,遠隔講義システムを用いた講義を行った。
講義名
時期講義場所
担当教員
講義名 時期 講義:場所 担当教員
1
.I
安全学j
前期伊都地区,箱崎地区工藤和彦(特任教授)
!.「安全学」 前期 伊都地区,箱崎:地区 工藤 和彦(特任教授)
2
.I
複合化の科学と思想J
後期伊都地区,箱崎地区 岡本秀穂(特任教授)
2.「複合化の科学と思想」 後期 伊都地区,箱崎地区 岡本 混血(特任教授)
3
.I
地球環境とエネルギ J
後期伊都地区,箱崎地区工藤和彦(特任教授)
3.「地球環境とエネルギー」 後期 伊都地区,箱崎地区 工藤 和彦(特任教授)
4
.I
九 大 生 よ , リ ー ダ ー に な ろ う り 後 期 カリフォルニアオフィス 松尾 正人(吉村件ニアオフィス費長)
4.「九大生よ,リーダーになろう!」後期 カリフォルニアオフィス 松尾 正人(か/フ籾ニアオフィ廟長)
伊都地区,箱崎地区
伊都地区,箱崎地区
このうち講義1.については,担当教員は伊都地区(工学部西棟 4番講義室)で講義を行い,箱崎
このうち講義1.については,担当教員は伊都地区(工学部西棟4番講義室)で講義を行い,箱崎
地区(工学部本館
4香講義室)にそれを中継した。学生たちに辻講義に関する資料を予め配者して
地区(工学部本館4番講義室)にそれを中継した。学生たちには講義に関する資料を予め配布して
お
く O ビデオカメラで撮影された伊都地区の画像は教員がいない箱崎地区の講義室に同時に送信さ
おく。ビデオカメラで撮影された伊都地区の画像は教員がいない箱崎地区の講義室に同時に送信さ
れ
る O 箱崎地区の講義室には教員の画像とともに配布した資料もパソコン(パワーポイント)経由
れる。箱崎地区の講義室には教員の画像とともに配布した資料もパソコン(パワーポイント)経由
O 教員はパワーポイントまたは電子白板の指
で送信され,プロジェクターでスクリーンに映される
で送信され,プロジェクターでスクリーンに映される。教員はパワーポイントまたは電子白板の指
示ペン接詑を用いて資料の重点ポイントを示しながら講義を進める
G
もちろん,音声は常時双方に
示ペン機能を用いて資料の重点ポイントを示しながら講義を進める。もちろん,音声は常時双方に
中継されており
質問 討論も常時行うことができる O 教員は講義している伊都地区の講義室の学
中継されており,質問,討論も常時行うことができる。教員は講義している伊都地区の講義室の学
とともに,箱崎地区の講義室に設けられたビデオカメラで学生の様子を常時見ることができ,学
生とともに,箱崎地区の講義室に設けられたビデオカメラで学生の様子を常時見ることができ,学
生の理解の状況などもある程度把握できる
生の理解の状況などもある程度把握できる。O
この方式であまりトラブルなく講義を行うことができたが 全く問題がないわけではない。ビデ
この方式であまりトラブルなく講義を行うことができたが,全く問題がないわけではない。ビデ
オカメラを固定しているため,教員が動き問るとカメラに捕らえられなくなる
また,龍子白板や
オカメラを固定しているため,教員が動き回るとカメラに捕らえられなくなる。また,電子白板や
O
パワーポイント上での書き込みはほとんど問題なく画像で学生たちに伝わるが
黒板の板書はよほ
パワーポイント上での書き込みはほとんど問題なく画像で学生たちに伝わるが,黒板の板書はよほ
ど大きい文字でなければカメラにきれいに収まらない。部屋の照明もあろうが黒板の板番の中謎は
ど大きい文字でなければカメラにきれいに収まらない。部屋の照明もあろうが黒板の板書の中継は
ほとんど不可能であった。音声はほぼ問題なく双方に伝わるが,少し離れた学生からの質疑はマイ
ほとんど不可能であった。音声はほぼ問題なく双方に伝わるが,少し離れた学生からの質疑はマイ
一 65 一
クのせいで十分聞きとれないこともあり マイクに近づいて離
クのせいで十分聞きとれないこともあり,マイクに近づいて離
すように指示することもあった 。 しかし 教員のいない講義室
すように指示することもあった。しかし,教員のいない講義室
の学生も,講義に関する意欲が低いといったことは感じられな
の学生も,講義に関する意欲が低いといったことは感じられな
かった 。
かった。
講義2
.と3
.では教員は毎週伊都地区と箱崎地区に交互に出か
講義2.と3.では教員は毎週伊都地区と箱崎地区に交互に出か
写 真 I 梶山総長とカリフォルニア
写真1 梶山総長とカリフォルニア
l回)
オフィスの対談による講義(第
オフィスの対談による講義(第1回)
けて講義した O 学生 にとっては隔週で教員と向かつて講義を受
けて講義した。学生にとっては隔週で教員と向かって講義を受
け そうでない週は遠隔講義を受けることになる この方式は
け,そうでない週は遠隔講義を受けることになる。この方式は
O
人 え
全受講生に顔を見せることができ
学生の感想、では好評であっ
全受講生に顔を見せることができ,学生の感想では好評であっ
た。電子白板は多くの便利な機能
た。電子白板は多くの便利な機能
を有していて講師は使いやすく,
を有していて講師は使いやすく,
学生にも見やすく,遠隔講義シス
学生にも見やすく,遠隔講義シス
テムの一部として非常に有用で
テムの一部として非常に有用で
あった 。
あった。
﹄7
講義4
.は講師を米国の九大カリ
フォルニアオフィス(パロアルト
市内,松尾正人所長)に招いて,
その映像を箱崎地区(情報基盤研
蕗
究開発センター多目的講習室)お
1究開発センター多目的講習室)お
よび伊都地区(システム生命科学
6
1
7A講義室)の遠隔講義システ
写
真 2 米国からの講師の映像と資料の上映
写真2 米国からの講師の映像と資料の上映
ムに中継する方式で行われた
。た
ムに中継する方式で行われた。た
だ
し, 1
2回の講義のうち最初は箱
だし,12回の講義のうち最初は箱
崎地区の九大梶山総長と米国の松
崎地区の九大梶山総長と米国の松
尾所長とのテレビ対談が中継され,
レ蜜
また
2回は来日した松尾所長など
また2回は来日した松尾所長など
により箱崎地区からの講義が行わ
れた
。パワーポイント資料を使う
れた。パワーポイント資料を使う
講義もあったが
2面のスクリーン
講義もあったが2面のスクリーン
を用いて問題なく映し出された
を用いて問題なく映し出された。。
この講義は毎週火曜日の 1時限
この講義は毎週火曜日の1時限
目に箱崎地区および伊都地区の講
目に箱崎地区および伊都地区の講
義室にそれぞれ遠隔講義システム
のオペレータが待機して,質問,
のオペレータが待機して,質問,
写
真 3 大型画面に同時に映された講師と各講義室の画面
写真3 大型画面に同時に映された講師と各講義室の画面
(
左上 :講師 右上:伊都キャンパスの講義室 右下 :箱崎 キャンパスの講義室)
(左上:講師 右上:伊都キャンパスの講義室 右下:箱崎キャンパスの講義室)
66一
一 66 一
討論時にはマイクを移動したり質
討論時にはマイクを移動したり質
問する学生を大写しするなどの操
問する学生を大写しするなどの操
作を行った。また,参考のために講義をビデオ記録し,一部オープンコースウエアとして公開して
作を行った。また,参考のために講義をビデオ記録し,一部オープンコースウエアとして公開して
いる
いる。O
講師がカリフォルニアの起業家や市長,サンフランシスコ日本総領事など社会的に重要な地位で
講師がカリフォルニアの起業家や市長,サンフランシスコ日本総領事など社会的に重要な地位で
積極的に活動している方々ばかりであり,講義内容もそれぞれ説得力,示唆に寓んだものであっ
積極的に活動している方々ばかりであり,講義内容もそれぞれ説得力,示唆に富んだものであった
ため,学生たちにも極めて深い感銘を与えたようであり,毎回時間をオーバーするほどの質問があっ
ため,学生たちにも極めて深い感銘を与えたようであり,毎回時間をオーバーするほどの質問があっ
た。講義時間後も居残って質問する女子学生もいた。講義の様子を写真
1
'
"
'
3に示す。
た。講義時間後も居残って質問する女子学生もいた。講義の様子を写真1∼3に示す。
このように,この種の最初の試みとしては大きいトラブルもなく,毎回多数の学生が出需し, ま
,
このように,この種の最初の試みとしては大きいトラブルもなく,毎回多数の学生が出席し,ほ
ぼ当初の期待どおりの講義が行われたと評価している
ぼ当初の期待どおりの講義が行われたと評価している。
O
4
. 今後の展開
4.今後の展開
いくつかの方式で遠縞講義を実施したが,システムの大きい不具合等は起こらず,それぞれの講
いくつかの方式で遠隔講義を実施したが,システムの大きい不具合等は起こらず,それぞれの講
義は当初の懸念よりも安定した状態で遂行された。この方式を改良していけば現在法科大学院に
義は当初の懸念よりも安定した状態で遂行された。この方式を改良していけば,現在法科大学院に
設置されている高機能の遠隔講義システムや,今後各地区に設置が計画されている遠隔講義専用の
設置されている高機能の遠隔講義システムや,今後各地区に設置が計画されている遠隔講義専用の
講義室のシステムを補完する簡易な講義システムとしての機能を果たせると考えられる
講義室のシステムを補完する簡易な講義システムとしての機能を果たせると考えられる。
O
れまじめに
j でも触れているが遠寵講義の大きいメリットは,
「はじめに」 でも触れているが遠隔講義の大きいメリットは,
-大学院生;土地キャンパスの講義場所まで出かける必要がなく,そのための時照的ロス,経済的
・大学院生は他キャンパスの講義場所まで出かける必要がなく,そのための時間的ロス,経済的
な出費が軽減される O
な出費が軽減される。
にとっても同様の利点が生じる O
・教員にとっても同様の利点が生じる。
-学外の講師は九大まで出張することなく,同時に複数の講義室に向けて講義ができる
このた
・学外の講師は九大まで出張することなく,同時に複数の講義室に向けて講義ができる。このた
O
め,講師の出張の調整などが不要となり,忙しい学外講締にも講義を誌頼しやすい。このこと
め,講師の出張の調整などが不要となり,忙しい学外講師にも講義を依頼しやすい。このこと
は特に外国在住の講師の依頼には極めて有利である 経費も節減される
は特に外国在住の講師の依頼には極めて有利である。経費も節減される。
O
O
しかし,本年度の経験を通して,単なるテレビ会議を行うのとは異なる問題点,留意点も下記の
しかし,本年度の経験を通して,単なるテレビ会議を行うのとは異なる問題点,留意点も下記の
ようにいくつか見出された。
ようにいくつか見出された。
-遠踏講義システム誌はほ安定に楼龍することが確認されたが,講義室での上映方法(スクワ
・遠隔講義システムはほぼ安定に機能することが確認されたが,講義室での上映方法(スクリー
ン,プロジェクター,カメラの設置など)にはさらなる改善が望まれる O スクリーンは 2面は
ン,プロジェクター,カメラの位置など)にはさらなる改善が望まれる。スクリーンは2面は
ぜひ必要である O
ぜひ必要である。
-遠隔講義に用いるテレビ会議システムの機器はなるべく高性能のモデルを使用したい。
・遠隔講義に用いるテレビ会議システムの機器はなるべく高性能のモデルを使用したい。
-電子自板はパソコン資料(パワーポイント)の表示に極めて有用であり,各講義室に設置する
・電子白板はパソコン資料(パワーポイント)の表示に極めて有用であり,各講義室に設置する
ことが望まれる O
ことが望まれる。
-講師だけの場所からの講義のためには, SONYの PCS-TL30モデルが使いやすい。持ち運びも
・講師だけの場所からの講義のためには,SONYのPCS−TL30モデルが使いやすい。持ち運びも
簡単なので,活用法を吏に考えたい。
簡単なので,活用法を更に考えたい。
(箱崎地区の場合)の準備,撤収に相当の時間を要し,また遠隔講義システムの操作をオ
・講義室(箱崎地区の場合〉の準備,撤収に相当の時間を要し,また遠隔講義システムの操作をオ
ペレータが行っていたため,これらに相当のロードがかかり,この点で改善を要する O 多数の
ベレータが行っていたため,これらに相当のU一ドがかかり,この点で改善を要する。多数の
遠蹄講義を展毘するにはこの操作を行うアルバイト学生などを十分手当てしていく必要がある O
遠隔講義を展開するにはこの操作を行うアルバイト学生などを十分手当てしていく必要がある。
-67一 67 一
-今後設置される遠楠講義専用の講義室のシステムとの接続が必要である
これが可能であれば,
・今後設置される遠隔講義専用の講義室のシステムとの接続が必要である。これが可能であれば,
O
遠楠講義のネットワークが非常に広がる
遠隔講義のネットワークが非常に広がる。
O
大学段共通講義は多数の地区の大学院生に講義を提供していく責務を持っておち,このためにも
大学院共通講義は多数の地区の大学院生に講義を提供していく責務を持っており,このためにも
今後ともこの方式の改善に努めたい。また,
2
0
年度は北京,ソウル,東京オフィスなどを利用した
今後ともこの方式の改善に努めたい。また,20年度は北京,ソウル,東京オフィスなどを利用した
遠稿講義の実施も計画していきたいと考えている
O 関心のある方の見学や,改善・改良のためのご
遠隔講義の実施も計画していきたいと考えている。関心のある方の見学や,改善・改良のためのご
意見も歓迎したい。
終与に 1
9年度の遠罷講義の実施に多大のご協力をいただいた情報統括本部,工学部等事務部,大
終りに19年度の遠隔講義の実施に多大のご協力をいただいた情報統括本部,工学部等事務部,大
学院システム生命科学培事務室に深く感謝します。
学院システム生命科学府事務室に深く感謝します。
68
一 68 一
九州大学大学院共通教育の取り組みの現状と展望
高等教育開発推進センター
高等教育開発推進センター
岡
本秀穂・工藤和彦
岡本 秀穗・工藤 和彦
キーワード:大学院共通教育,教育憲章,人間性,社会性,国際性
キーワード:大学院共通教育,教育憲章,人間性,社会性,国際性
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The new elective program of liberal arts, or professional breadth courses, has started for graduate students both in literature
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1
.はじめに一大学院教育の現状と課題1.はじめに一大学院教育の現状と課題一
1
-1.大学院教育の社会的課題
1−L大学院教育の社会的課題
わが国の高等教育に関する改革施策は近年 めまぐるしく変化している O まず平成 3年の大学設
わが国の高等教育に関する改革施策は近年,めまぐるしく変化している。まず平成3年の大学設
置基準等の大綱化に始まって
平成 1
0年の大学審議会答申 1
2
1世紀の大学像と今後の改革方策につ
置基準等の大綱化に始まって,平成10年の大学審議i会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策につ
いて…競争的環境の中で摺性が輝く大学一
J(教義教育と専門教育の有機的連携の確保の展望),平
いて一競争的環境の中で個性が輝く大学一」(教養教育と専門教育の有機的連携の確保の展望),平
成
1
1年の大学院設置基準改正 平成 1
6年 4月 国 立 大 学 の 独 立 行 政 法 人 化 平 成 1
7年の中央教育審
成11年の大学院設置基準改正,平成16年4月,国立大学の独立行政法人化,平成17年の中央教育審
議会大学分科会答申「新時代の大学院教育一国際的に慈力ある大学院教育の講築に向けて-を
議会大学分科会答申「新時代の大学院教育一国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて一網を
経て,平成
1
9年には大学院教育の実質化(=組織的展開の強化)に向けた大学院設置基準の改正が
経て,平成19年には大学院教育の実質化(=組織的展開の強化)に向けた大学院設置基準の改正が
発効した。こうした一連の高等教育機関の改革において,大学院は,学生定員の拡大,社会人のリ
発効した。こうした一連の高等教育機関の改革において,大学院は,学生定員の拡大,社会人のリ
カレント教育,留学生の積極的な受け入れ,国際水準に見合った教育研究の実施などを求められ,
カレソト教育,留学生の積極的な受け入れ,国際水準に見合った教育研究の実施などを求められ,
これらに対応してきた。
これらに対応してきた。
今,大学院に求められているのは,高い専門性のみならず¥関連する広範な分野に対する幅広い
今,大学院に求められているのは,高い専門性のみならず,関連する広範な分野に対する幅広い
関心と知識を持ち,自ら提起した課題に対して複合的・横断的に専門知識を活用し,柔軟な独自の
関心と知識を持ち,自ら提起した課題に対して複合的・横断的に専門知識を活用し,柔軟な独自の
解決策を提示できるような人材の育成である
O そのような人材は,劇的に変化する社会的環境に適
解決策を提示できるような人材の育成である。そのような人材は,劇的に変化する社会的環境に適
応し,主導的立場を保ち続けることが可能であり,大学院にはこのような人材を継続的に社会に輩
応し,主導的立場を保ち続けることが可能であり,大学院にはこのような人材を継続的に社会に輩
出することが求められている
出することが求められている。G
このような社会的要請をふまえ 新しい大学院設置基準に沿った教育課程および研究指導体制を
このような社会的要請をふまえ,新しい大学院設置基準に沿った教育課程および研究指導体制を
再構築することが急務になっている
再構築することが急務になっている。
O
-69一 69 一
ト 2
. 九州大学における大学院教育の現状
1−2.九州大学における大学院教育の現状
九州大学では平成 9年から大学院重点化に取り組み 大学の教育研究体制を学部から大学院に移
九州大学では平成9年から大学院重点化に取り組み,大学の教育研究体制を学部から大学院に移
行する新しい方法として これまで、の研究科を廃止し より柔軟な教育研究体制の構築を目指した
行する新しい方法として,これまでの研究科を廃止し,より柔軟な教育研究体制の構築を目指した
「学府・研究院制度」を平成 1
2年に導入した。これにより,大学院生が所属する教育組織は「学府」
「学府・研究院制度」を平成!2年に導入した。これにより,大学院生が所属する教育組織は「学府」
6の研
と称し,教員が所属する組織は「研究院j と称することとした O 現在,九州大学大学院には 1
と称し,教員が所属する組織は「研究院」と称することとした。現在,九州大学大学院には16の研
究院と 1
7の学府があり, 6,5
5
0名(平成 1
8年 5月現在)の院生を擁している 各学府では,優秀な
究院と17の学府があり,6,550名(平成18年5月現在)の院生を擁している。各学府では,優i弱な
O
研究者および高度職業人の養成を目的として 「専門性」を重視した教育研究指導を行ってきた。
研究者および高度職業人の養成を目的として,「専門性」を重視した教育研究指導を行ってきた。
しかし,詰述した社会から求められている人材像に照らし合わせると 専門性を強毘に支えるため
しかし,前述した社会から求められている人材像に照らし合わせると,専門品を強固に支えるため
に必須の人間性・社会性・国際性の面を備えた大学院生を育成することを明確な教育理念に掲げた
に必須の人間性・社会性・国際性の面を備えた大学院生を育成することを明確な教育理念に掲げた
教育プ口グラムの更なる展開が必要である O
教育プログラムの更なる展開が必要である。
2
. 大学院共通教育科自の目的
2.大学院共通教育科目の目的
前項の社会的要請に応えるために必要かっ有効なことは,各学府・専攻で行われている専門教育
前項の社会的要請に応えるために必要かつ有効なことは,各学府・専攻で行われている専門教育
内容をより充実したものにすると共に,本学の教育憲章に掲げられている「人間性(豊かな学識と
内容をより充実したものにすると共に,本学の教育憲章に掲げられている「人間性(豊かな学識と
r
人間性の育成)
J
, 社会性(社会的課題への対応 )
Jおよび「国際性(悶際社会への積極的貢献)
J
人間性の育成)」,「社会性(社会的課題への対応)」および「国際性(国際社会への積極的貢献)」
の
3つの原則を専門性に付与した教育を行うことである O そのために 本学が持つ豊かな教育資源
の3つの原則を専門性に付与した教育を行うことである。そのために,本学が持つ豊:かな教育資源
の全学的な活用を図らねばならない。
の全学的な活用を図らねばならない。
8年度から 5か年計画で,大学院人材養成の機能充実のための「社
こうした状況のもとで,平成 1
こうした状況のもとで,平成18年度から5か年計画で,大学院人材養成の機能充実のための「社
会的課題に対応する大学院共通教育プログラムの展開
j という特別教育研究経費が文部科学省から
会的課題に対応する大学院共通教育プログラムの展開」という特別教育研究経費が文部科学省から
採択された。これは院生が所属する学府の専門分野に関わらず,基礎から専門までの内容を十分に
採択された。これは院生が所属する学府の専門分野に関わらず,基礎から専門までの内容を十分に
理解できるよう構或された授業科目を捧系化するために,社会的課題に対正、した軒目群や,基礎的
理解できるよう構成された授業科目を体系化するために,社会的課題に対応した科目群や,基礎的
内容を合む新たな概念で構成された科目に配慮するものである
O この教育により
従来の専門教育
内容を含む新たな概念で構成された科目に配慮するものである。この教育により,従来の専門教育
に加えて,いわば文理の系列を越えたつベラルア…ツ教育(本稿では,学部教育と区別するため「広
に加えて,いわば文理の系列を越えたりベラルアーツ教育(本稿では,学部教育と区別するため「広
域専門職教育
Jと仮称する)を施し,知識基盤社会を多様に支える高度な知的人材を養成しようと
域専門職教育」と仮称する)を施し,知識基盤社会を多様に支える高度な知的人材を養成しようと
するものである
するものである。O
現在,学部低年次および高年次における全学教育でもリベラルアーツ教育はなされている O しか
現在,学部低年次および高年次における全学教育でもリベラルアーツ教育はなされている。しか
函養する大学院において広域専門職教員とし
し市民として必要な教養教育だけではなく
専門性を j
し市民として必要な教養教育だけではなく,専門性を酒養する大学院において広域専門職教員とし
ての大学院共通教育科目を開講し
自らが志した専門分野が社会全体の中でどのような位置づけに
ての大学院共通教育科目を開講し,自らが志した専門分野が社会全体の中でどのような位置づけに
あるかを改めて認識させる必要がある
O 次いで社会生活の基礎となっている様々な分野の共通知を
あるかを改めて認識させる必要がある。次いで社会生活の基礎となっている様々な分野の共通知を
習得させることで
諮問題に対して自らの専門性を柔軟かつ広く活かして解決するための強屈な基
習得させることで,諸問題に対して自らの専門性を柔軟かつ広く活かして解決するための強固な基
盤を形成させることができる
O
このような目的を持った大学院共通教育科目は,上述の三原則に専
盤を形成させることができる。このような目的を持った大学院共通教育科目は,上述の三原則に専
門性を加えた西京射に基づいた教育を行うために非常に有効であり
本学の教育システムを社会的
門性を加えた四原則に基づいた教育を行うために非常に有効であり,本学の教育システムを社会的
要請に応えられるものに展開できると考えられる。
要請に応えられるものに展開できると考えられる。
3
. 九州大学における大学院共通教育プログラム構築の実際
3.九州大学における大学院共通教育プログラム構築の実際
3
-1.平成 1
8年度2i
3−1.平成18年度2}
まず手始めに,上述の考えに合致した開講可能な教科を構築した。その科目数は 1
0
科目で,内容
まず手始めに,上述の考えに合致した開講可能な教科を構築した。その科目数は10科目で,内容
一 70 一一
-70-
は,知的財産持論第
1.2,大学院生に対する人間教育第 1 ・2,複合科学原論,リーダーシップ
は,知的財産特論第1・2,大学院生に対する人間教育第1・2,複合科学原論,り一ダーシップ
)ベラルアーツ講産「惑性・こころ・論理J,実践プログラム科目 I
KIZUKIJ,
科学研究実施論, 1
論,科学研究実施論リベラルアーツ講座「感性・こころ・倫理」,実践プログラム科目「KIZUKIj,
インと人間,安全学,アントレブレナーシッププログラムであった。履修届の提出者数は,科
デザインと人間,安全学,アントレプレナーシッププmグラムであった。履修届の提出者数は,科
目により異なるが,最大
6
9名,最小 2名の累計2
7
1名 (1教科あたりの平均履修者数は 2
7名で,単
目により異なるが,最大69名,最小2名の累計271名(1教科あたりの平均履修者数は27名で,単
位取得者数は
1
8
7名)であった。プロジェクトの手始めとしては 所期の目標を達成することがで
位取得者数は187名)であった。プロジェクトの手始めとしては,所期の目標を達成することがで
きたと評極している
きたと評価している。
O
この間,次年度の教育プログラムの構築に向けて,教育理念;こ準拠した次の作業を行った。
この間,次年度の教育プログラムの構築に向けて,教育理念に準拠した次の作業を行った。
(
1) 全大学院生ヘアンケートの実施
(1)全大学院生ヘアンケートの実施
H18年 1
1月に,全大学院生 (
6,
5
5
0名)を対象に「九州大学大学院共通教育科目に関する大学
H18年11月に,全大学院生(6,550名)を対象に「九州大学大学院共通教育科目に関する大学
院生アンケート Jを取り,院生の希望を聴取し結果を参考にした。アンケートの回収数は 2,
0
2
4
院生アンケート」を取り,院生の希望を聴取し結果を参考にした。アンケートの回収数は2,024
名(居収率辻 3
1%)であった。
名(回収率は31%)であった。
豆1
9年度罰講科日の決め方
(2)H19年度開講科目の決め方
① 本学の教育憲章(人間性,社会性,国際性,専門性,一体性の各原則)に照らし合わせて,
① 本学の教育憲章(人間性,社会性,国際性,専門性,一体性の各原則)に照らし合わせて,
シラパスから洗い出してみた。このときに用いた暫定的
この教育理念に合致する教科を
この教育理念に合致する教科を全学のシラバスから洗い出してみた。このときに用いた暫定的
な作業チャートを図 lに示す。
な作業チャートを図1に示す。
② 次にこの教脊理念に合致する教科に関採した本学教育のシラパスを,絹羅的に謂査し,講義
②次にこの教育理念に合致する教科に関係した本学教育のシラバスを,網羅的に調査し,講義
が可能と思われる教員と個別に折衝し 授業の承諾を得た。
が可能と思われる教員と個別に折衝し,授業の承諾を得た。
③ 1
2月に,当時,大学院共通教育を先行しているか,検討中であった他大学(北海道大学,名
③ 12月に,当時,大学院共通教育を先行しているか,検討中であった他大学(北海道大学,名
古屋工業大学,筑波大学)を訪問ヒヤリング(阪大は来訪)し,また各大学のホームペ…ジを
古屋工業大学,筑波大学)を訪問ヒヤリング(阪大は来訪)し,また各大学のホームページを
謁査(東工大,北陸先端科技大,鹿児島大など)して,本学の授業科目の妥当性につき検討し
調査(東工大,北陸先端科技大,鹿児島大など)して,本学の授業科目の妥当性につき検討し
た
。
た。
(
3
) 広報活動
(3)広報活動
大学院共通教育プログラムの活動を公表し 関係者からの意見を効率的にすくいあげるための
大学院共通教育プログラムの活動を公表し,関係者からの意見を効率的にすくいあげるための
活動の場として,ホームページ 3)を開設した。また,科目一覧のポスターを作成し,全学に配布・
活動の場として,ホームページ3)を開設した。また,科目一覧のポスターを作成し,全学に配布・
掲示した。
掲示した。
9年度に実施可能な科目を全学教務委員会に提案し,承
このような作業結果を総合勘案し,平成 1
このような作業結果を総合勘案し,平成19年度に実施可能な科目を全学教務委員会に提案し,承
を得た。
認を得た。
3
2
. 平成 1
9年度
3−2.平成19年度
9年度教育プログラムを構築した。その教科内容は,表 lに示す
上述の豆諸年の作業を基に,五 1
上述のH18年の作業を基に, H19年度教育プuグラムを構築した。その教科内容は,表1に示す
とおりである
とおりである。
O
前期の開講科目数は 1
2,後期は 1
8で,合計3
0科目である O 履修届の提出者数は,科目により異な
前期の開講科目数は12,後期は18で,合計30科目である。履修届の提出者数は,科目により異な
3
7名,最小 3名の累計 1
5
8名 (1教科あたりの平均履修者数は 1
3
.
2名)で単位取
るが,前期は最大
るが,前期は最大37名,最小3名の累計158名(1教科あたりの平均履修者数は13.2名)で単位取
得
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2
4名であった。後期では最大3
4名,最小 l名の累計2
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4名 の 履 修 登 録 者 数 (1教科あたり
得者は,124名であった。後期では最大34名,最小1名の累計244名の履修登録者数(1教科あたり
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1
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6名)であった。このうち複数の大学院共通教育科昌を受講している者 (2科
の平均履修者数は13。6名)であった。このうち複数の大学院共通教育科目を受講している者(2科
目
で2
6名 3科日で 9名など)が存在することは,彼らの知的要求度の高さと持続する志の現れを
目で26名,3科目で9名など)が存在することは,彼らの知的要求度の高さと持続する志の現れを
していると見ることができる O
示していると見ることができる。
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高等教育開発推進センター
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環 境
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1.大学院共通教育科目の九大教育憲章の理念との関連
土1.大学院共通教育科目の九大教育憲章の理念との関連
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(H19年度 試行のための暫定版)
この間,平成2
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この間,平成20年度の教育プログラムの構築に向けて,教育理念に準拠した次の作業を行った。
すなわち,文科省に採択された要件のひとつ
に 「科目群」 の構築がある O これは 単 にリベラルアー
すなわち,文科省に採択された要件のひとつに「科目群」の構築がある。これは単にリベラルアー
ツ科目を個別に設定
したり,各学府に開設されている科目をピックアップして開講するのではなく,
ツ科目を個別に設定したり,各学府に開設されている科目をピックアップして開講するのではなく,
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. H19年度大学院共通教育科目一覧
表1.H19年度大学院共通教育科目一覧
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4)講義場酬や日程は変蔓される場含があります。詳細は、htU):〃mai1.rche、kyushu−u.ac,jp,’∼in−kyotsu,’index、htm1でご確認ください。
学生が所属する学府の専門分野に関わらず
基礎から専門までの内容を十分に理解できるよう構成
学生が所属する学府の専門分野に関わらず,基礎から専門までの内容を十分に理解できるよう構成
された科目群を新たに設定して開講することを目的としている
このため新たな教育体制を整備し,
された科目群を新たに設定して開講することを目的としている。このため新たな教育体制を整備し,
O
73-
一 73 一
各研究院との連携・協力を図りながら
大学院共通教育プログラムを構築するものである O このプ
各研究院との連携・協力を図りながら,大学院共通教育プログラムを構築するものである。このプ
ログラムでは,基礎的な学部教育を受けていない学生でも受講可能となるように,基礎的内容を含
ログラムでは,基礎的な学部教育を受けていない学生でも受講可能となるように,基礎的内容を含
む新たな概念で構成された科目を副専攻(大学院生が所属する主専攻〔メジャー〕の学位とは別に,
む新たな概念で構成された科目を副専攻(大学院生が所属する主専攻〔メジャー〕の学位とは別に,
特定分野の履修成果を副専攻〔マイナー〕として認定する制度)的に開講することを目標とする
特定分野の履修成果を副専攻〔マイナー〕として認定する制度)的に開講することを目標とする。
O
また,豊かな学識を有する人材を養成する観点から,社会的課題に対応した体系的な科目群を設定
また,豊かな学識を有する人材を養成する観点から,社会的課題に対応した体系的な科目群を設定
し,十分な教育効果が得られるよう配慮する必要があることから,社会的要請がある次に掲げた
し,十分な教育効果が得られるよう配慮する必要があることから,社会的要請がある次に掲げた77
科目群を設定目標にして
順次科目群や各科目群に必要な科目を増やすことに努める計画である O
科目群を設定目標にして,順次,科目群や各科目群に必要な科目を増やすことに努める計画である。
これらの科目群は,将来的には副専攻としての取扱をする計画である
これらの科目群は,将来的には副専攻としての取扱をする計画である。O
-科学技術政策アナリスト関連科目群
・科学技術政策アナリスト関連科目群
-サイエンスコミュニケータ関連科目群
・サイエンスコミュニケータ関連科目群
.知的財産・職業倫理関連科目群
・知的財産・職業倫理関連科目群
-国際協力・国際貢献関連科目群
・国際協力・国際貢献関連科目群
・経済・ビジネス関連科目群
・経済・ビジネス関連科目群
・感性,心理関連科目群
・感性,心理関連科目群
・防災・自然・環境関連科目群
・防災・自然・環境関連科目群
なお,個別のリベラルアーツ科目(文理の学問分野の領域を越えて共通に必要な知識や技法の教
なお,個別のリベラルアーツ科目(文理の学問分野の領域を越えて共通に必要な知識や技法の教
養科目;これを本稿ではカテゴリー
A群と呼ぶ)と 将来目標の 8科目群(上記の 7科目群と図 1
養科目;これを本稿ではカテゴリーA群と呼ぶ)と,将来目標の8科目群(上記の7科目群と図1
で述べた共通基盤科目群;カテゴリー
B群と呼ぶ)の関係は 図 2の模式図に示すとおりである O
で述べた共通基盤科目群;カテゴリーB群と呼ぶ)の関係は,図2の模式図に示すとおりである。
個別のリベラルアーツ科目
(A群)は,将来,分類してそれぞれ関連の科目群 (B群)に帰属させ
個別のリベラルアーツ科目(A群)は,将来,分類してそれぞれ関連の科目群(B群)に帰属させ
る予定である
る予定である。
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科目
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群
科
科
科目
目数
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後期
前期
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年度(平成〉
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図2
. 個別科目から科目群への移行模式図
図2.個別科目から科目群への移行模式図
7科目群のうち, H20年度は,感性・心理関連科目群(九大のユーザー・サイエンス・機
前述の
前述の7科目群のうち,H20年度は,感性・心理関連科目群(九大のユーザー・サイエンス・機
-74一 74 一
構
USIを実施母体とするので,本稿では rUS 1科目群j と称する),防災,自然,環境関連科
構USIを実施母体とするので,本稿では「USI科目群」と称する),防災,自然,環境関連科
j と称する)と「国際協力・社会開発科目群j の 3科目群を重点的に
目群(本稿では「防災科目群
目群(本稿では「防災科目群」と称する)と「国際協力・社会開発科目群」の3科目群を重点的に
o 1
番目では,感性科学,
とりあげ,関連部局と連携してプログラムの実施を現在,計画している
とりあげ,関連部局と連携してプログラムの実施を現在,計画している。1番目では,感性科学,
感性創造,感性コミュニケーションなどの科目
2番目では工学研究院建設デザ、イン部門,環境都
感性創造,感性コミュニケーションなどの科目,2番目では工学研究院建設デザイン部門,環境都
市部門および西部地区自然災害資料センターとの連携科目
3番目では人間環境学研究院と言語文
市部門および西部地区自然災害資料センターとの連携科目,3番目では人間環境学研究院と言語文
化研究読の連携科呂を,それぞれ検討している
化研究院の連携科目を,それぞれ検討している。O
現在のところ, H
20年度は前期と後期を合わせて 5
1科目の開講を予定している O
現在のところ,H20年度は前期と後期を合わせて51科目の開講を予定している。
4
. 大学院共通教育で期待できる効果
4.大学院共通教育で期待できる効果
大学院生に対して いわばリベラルアーツ(広域専門職教員)としての大学院共通教育を展開す
大学院生に対して,いわばリベラルアーツ(広域専門職教員)としての大学院共通教育を展開す
ることで,以下にあげる効果が期待できる
ることで,以下にあげる効果が期待できる。
O
には上述した目的に従って, r
専門性Jに加えて「人間性Jr
社会性Jr
国際性」など,社会
第一には上述した目的に従って,「専門性」に加えて「人問性」「社会性」「国際性」など,社会
人として必要な基礎カを身に付けた院生を社会に輩出できる
人として必要な基礎力を身に付けた院生を社会に輩出できる。
O
第二に,大学院共通教育科目は,九州大学が基幹総合大学としてもっている利点を最大限に活用
第二に,大学院共通教育科目は,九州大学が基幹総合大学としてもっている利点を最大限に活用
現在,本学では学府ごとに教育が展開され,さらにキャンパスも分散
する教育プログラムである
する教育プmグラムである。現在,本学では学府ごとに教育が展開され,さらにキャンパスも分散
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しているため,院生や教員が自分の所属する学府・研究院以外の教育研究資源にアクセスすること
しているため,院生や教員が自分の所属する学府・研究院以外の教育研究資源にアクセスすること
は困難である
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しかし 全学一体となった教青を特長とする大学毘共通教育は 専門分野を異にす
は困難である。しかし,全学一体となった教育を特長とする大学院共通教育は,専門分野を異にす
る教員や院生が教え学ぶ共通の場を設定することで,本学の豊富で多様な教育研究資源、を結合し,
る教員や院生が教え学ぶ共通の場を設定することで,本学の豊富で多様な教育研究資源を結合し,
それへのアクセスが容易となる
それへのアクセスが容易となる。O
これに関連した第三の効果として 本学における分野横断型の学際研究がこれまで以上に促進さ
これに関連した第三の効果として,本学における分野横断型の学際研究がこれまで以上に促進さ
れることが期待できる
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れることが期待できる。大学院共通教育科目という場を通した異分野交流は,院生と教員の双方に,
自らの研究の意義を問い直し
新しい分野の研究に踏み出す契機を与えうる
自らの研究の意義を問い直し,新しい分野の研究に踏み出す契機を与えうる。
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以上の効果を総合すると,本大学院共通教育科目の効果により,従来の「教養としての知識から,
以上の効果を総合すると,本大学院共通教育科目の効果により,従来の「教養としての知識から,
課題形成・問題解決のための智慧への転換
j の教育が可能になる O
課題形成・問題解決のための智慧への転換」の教育が可能になる。
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. 今後の課題
5.今後の課題
(
1) 国内外の大学院と連携・調査
(1)国内外の大学院と連携・調査
世界の大学院の始まりは 1
9世紀後期にジョンズ・ホブキンス大学が大学院を併設して設立し
世界の大学院の始まりは,19世紀後期にジョンズ・ホプキンス大学が大学院を併設して設立した
O この設立由来から,大学院は専門研究者の育成教育の色彩が強い。その後,かの哲学
ことに遡る
ことに遡る。この設立由来から,大学院は専門研究者の育成教育の色彩が強い。その後,かの哲学
者・ウィワアム・ジ、ェームスが轄査に入った博士号を批判してお与
また後の米冨大統領・ウド
者・ウィリアム・ジェームズが,蛸壺に入った博士号を批判しており,また後の米国大統領・ウド
ロー・ウィルソンもジョンズ・ホプキンス大学院に入学したものの
研究の細分化・専門化に対し
ロー・ウィルソンもジョンズ・ホプキンス大学院に入学したものの,研究の細分化・専門化に対し
て疑問をもち,
Dr.をここでは取らなかったということである C このように専門研究至上主義は,
て疑問をもち,Dr.をここでは取らなかったということである。このように専門研究至上主義は,
良識ある人々からは批判されてきたが,その後の潮流を変えるほどの力はなかった。
良識ある人々からは批判されてきたが,その後の潮流を変えるほどの力はなかった。
翻って,これまでの呂本では,外国の制度を導入して,換骨奪胎して手直しのやりくりをしてき
翻って,これまでの日本では,外国の制度を導入して,換骨奪胎して手直しのやりくりをしてき
たが,いろいろな分野で世界に貢献できるような人材を育てるには,やはり確固たる文化的・歴史
たが,いろいろな分野で世界に貢献できるような人材を育てるには,やはり確固たる文化的・歴史
的な素養の基に専門性をもった「広域専門職業人
Jの養成が必要ではないか 世界でやっていなく
的な素養の基に専門性をもった「広域専門職業人」の養成が必要ではないか,世界でやっていなく
とも日本独自でもやるべきではないか
という考えも成立する O
とも日本独自でもやるべきではないか,という考えも成立する。
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一 75 一
この考えが果たして正しいのか否かを,平成 1
8年度の国内調査に引き続いて,欧米,まずは平成
この考えが果たして正しいのか否かを,平成18年度の国内調査に引き続いて,欧米,まずは平成
1
9年度に米国を手始めに 大学院教育の実態を調査してみる予定である O
19年度に米国を手始めに,大学院教育の実態を調査してみる予定である。
大学院共通教育科目の履修方法の改善
(2)大学院共通教育科目の履修方法の改善
九州大学の大学院教育をさらに畏関させるために;え学内の教脊資源と軒震を十分に活用しなけ
九州大学の大学院教育をさらに展開させるためには,学内の教育資源と制度を十分に活用しなけ
ればならない。このうち本稿で扱う専門教育と補完的な共通教育の実施にあたっては,時間的,か
ればならない。このうち本稿で扱う専門教育と補完的な共通教育の実施にあたっては,時間的,か
っ空間的な課題を解決しなければならない。
つ空間的な課題を解決しなければならない。
まず開講時間帯については,各学府は独自に専門教育のカリキュラムを作成しており,全学的に
まず開講時間帯については,各学府は独自に専門教育のカリキュラムを作成しており,全学的に
共通授業を行うための時間帯の設定が非常に困難であるという現状がある
そのため,今後,全学
共通授業を行うための時間帯の設定が非常に困難であるという現状がある。そのため,今後,全学
O
的に学府が必修科目を設けない時間帯(曜日・時限;毎週
l限程度)を統ーして設定するなど各学
的に学府が必修科目を設けない時間帯(曜日・時限;毎週1限程度)を統一して設定するなど各学
野との謂整が必要である
府との調整が必要である。O
また空間的な制約については,九大大学院は主に箱崎,伊都,潟出,大橋,筑紫,六本松(平成
また空間的な制約については,九大大学院は主に箱崎,伊都,馬出,大橋,筑紫,六本松(平成
2
1年 3月まで)の 6キャンパスに分散しており,教員や学生にとり移動のための時間的,経済的な
21年3月まで)の6キャンパスに分散しており,教員や学生にとり移動のための時間的,経済的な
はかなりある このため遠隔授業システムの導入,活用など課題は大きい。これに関しては,
負担はかなりある。このため遠隔授業システムの導入,活用など課題は大きい。これに関しては,
O
本号の別論考を参照されたい。
本号の別論考を参照されたい。
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題修の認定
(3)履修の認定
共通教育科目の開講については大学院通則で規定されている O また各学府で それぞれ共通科目
共通教育科目の開講については大学院通則で規定されている。また各学府で,それぞれ共通科目
を履修要件に入れるかどうか
また単位を認定するかどうかを個別に決定している。現時点では,
を履修要件に入れるかどうか,また単位を認定するかどうかを個別に決定している。現時点では,
すべての学府で単位として取り扱うことが認定されている
O 実際問題としては
アンケ…ト結果や
すべての学府で単位として取り扱うことが認定されている。実際問題としては,アンケート結果や
ヒヤリング調査の結果から,単位認定を受講条件とする大学院生は,アンケート回答者や受講生の
ヒヤリング調査の結果から,単位認定を受講条件とする大学院生は,アンケート回答者や受講生の
うちの
l割程震と抵く,大学院共通教育に参加する呂的は,信人の知の探求という要求によるとこ
うちの1割程度と低く,大学院共通教育に参加する目的は,個人の知の探求という要求によるとこ
ろが多いことが判明している
ろが多いことが判明している。
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今後,一定単位以上を修得した者には,その達成度を教務委員
議を経て認定し, 大学院共
今後,一定単位以上を修得した者には,その達成度を教務委員会の議を経て認定し,「大学院共
る案や,科目群を副専攻とし
通教育プログラム
Jの修了者として総長
から認定証を
通教育プログラム」の修了者として総長(学長)から認定証を授与する案や,科目群を副専攻とし
て認定する実施方法などを学内関係者と
としてキ食言す中である
て認定する実施方法などを学内関係者と協議事項として検討中である。
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文献:
文献:
1
)中央教育審議会:新時代の大学院教育一国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて… (
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).
1)中央教育審議i会:新時代の大学院教育一国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて一一(2005).
)岡本秀穂、,大野富生,千知岩正継,リズワン・アブリミティ:r
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2)岡本秀穗,大野富生,千知岩正継,リズワン・アブリミティ:radix,8−9,No.46(2007).
3
)九州大学高等教育開発推進センタ一大学院共通教育のホームページ:
3)九州大学高等教育開発推進センター大学院共通教育のホームページ:
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http://mail.rche.kyushu−u.ac.jp/Nin−kyotsu/index.html
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