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京都市における 無電柱化計画の概要

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京都市における 無電柱化計画の概要
京都市における無電柱化等の
道路環境整備について
~京都の創生・成長に不可欠な
安全で魅力ある都市空間の創出~
平成27年11月12日
京都市建設局道路建設部道路環境整備課1
本日の内容
○道路環境整備とは
○道路環境整備に係る京都市の関連計画
(景観行政,歩くまち)
○道路環境整備の取組事例
(自転車走行環境整備,バリアフリー整備,四条通歩道拡幅)
○無電柱化事業の取組
道路環境整備とは
【道路環境整備課ホームページ掲載】
○交通事故の防止を図り,歩行者の安全確保のための歩道及び自転
車道の拡幅,新設等の交通安全施設の整備を行う,交通安全のため
のみちづくり
○だれもが歩きたくなるような安全・快適な歩行空間の確保,歩く
まちの魅力を高めるための道路のバリアフリー化,無電柱化の整備
を推進することによる,歩いて楽しいみちづくり
歩道や自転車走行環境や無電柱化等の整備を行うことに
より歩行者の快適な空間づくりを行う。




自転車走行環境整備
道路のバリアフリー整備
四条通歩道拡幅整備
無電柱化
など
道路環境整備に係る京都市の関連計画
歴史都市・京都創生策Ⅱ
はばたけ未来へ!京プラン(京都市基本計画)[平成23年度~32年度]
京都市MICE戦略2020 [平成26年度~32年度]
京都市都市計画マスタープラン [平成37年度まで]
京都市景観計画 [平成23年度~]
京都市歴史的風致維持向上計画 [平成21年度~30年度]
「歩くまち・京都」総合交通戦略 [平成22年度~]
京都・新自転車計画 [平成27年度~31年度]
京都市水共生プラン [年度毎]
京都市緑の基本計画 [平成22年度~37年度]
他
自転車走行環境整備
自転車走行環境整備の基本方針
1
2
ひとの集う場所を中心とした面的なネットワーク整備を図る。
自転車事故の発生箇所など対策が必要な箇所について,部分的
整備(スポット対策)を図る。
幹線道路だけでなく,細街路も含めた面的な走行環境の整備を図る。
重点地区
都心部地区,西院地区,らくなん進
都地区
京都・新自転車計画(平成27年3月策定)より
基本的な整備形態
○車道混在
○自転車通行位置の明示
○自転車専用通行帯
○自転車道
7
自転車道(竹田街道:阪神高速8号京都線鴨川西出入口)
☆縁石線・柵等の工作物により物理的に分離された自転車専用の走行空間を設
け,自転車交通と自動車交通,歩行者通行との分離を図る。
自転車専用通行帯(新町通:府庁東側)
☆公安委員会が自転車専用通行帯の交通規制を実施し道路標示及び道路標識を
設置することにより,自転車走行空間の明確化を図る。
車道混在(歩道のある道路)(烏丸通)
☆路肩や停車帯内のカラー化や車道左側部の車線内に帯状の路面
表示及びピクトグラムを設置
(烏丸通)
車道混在(歩道のない道路)(六角通)
☆車線内に帯状の路面表示の設置やピクトグラムを設置
自転車通行位置の明示
☆自転車交通と歩行者通行の分離を図るために,道路標示及び舗装の色,材質の
違い等により自転車の通行位置の明示を行う。
(北大路通)
(油小路通)
自転車通行位置の明示(御池通)
整備前
整備後
今後の整備形態の考え方〈京都市〉
国の定めるガイドラインを踏まえつつ,京都の道路事情(道路が狭い,細
街路が多い)を勘案した,ピクトグラムのデザイン,色,大きさ,配置間
隔等の考え方を盛り込んだ「京都市自転車走行環境整備ガイドライン」を
平成27年度中に策定していく予定
①幹線道路
車道の左側に自転車が走行する位置を明示した
「自転車走行推奨帯」を中心とした整備の推進
②細街路
左側通行の徹底を誘導するため,
「ピクトグラム」等を中心とした整備の推進
バリアフリー整備
バリアフリー事業の目的
「誰もが歩きやすい道づくり」
高齢者や障害のある方など,誰もが安全で快適
に安心して移動できるよう,歩道の段差や勾配の
改善などを行う事業。
高齢者,障害者等の自立と社会参加の促進を図る。
16
バリアフリー事業のイメージ
主要駅
高齢者,障害者の方等
が日常生活,社会生活
において利用する施設
を結ぶ経路をバリアフ
リー化する。
17
バリアフリー制度の流れ
平成6年「ハートビル法」
高齢者,身体障害者等が円滑
に利用できる特定建築物の建築
の促進に関する法律
平成12年「交通バリアフリー法」
高齢者,身体障害者等の公共交通機関を
利用した移動の円滑化の促進に関する法律
平成18年「バリアフリー新法」
高齢者,障害者等の移動等の円滑化の
促進に関する法律
18
京都市のバリアフリーへの取組
平成14年10月 「京都市交通バリアフリー全体構想」
・重点整備地区(14地区)の選定
↓
移動等円滑化基本構想(重点整備地区ごとに策定)
↓
道路特定事業計画(各重点整備地区ごとに策定)
↓
平成15年度から順次整備着手
平成24年3月
「「歩くまち・京都」交通バリアフリー全体構想」
・新重点整備地区(10地区)の選定
※道路に関する「道路特定事業」の他に,鉄道事業者等が駅施設等のバリアフ
リーを行う「公共交通特定事業」や,公安委員会が信号機の改良等を行う
「交通安全特定事業」がある。
19
○バリアフリー事業の主な整備手法
1cmを標準(国は2cm)
1%を標準(やむを得ない場合は2%)
20
○バリアフリー事業の主な整備手法
15cm段差を標準(やむを得ない場合は1cm)
有効幅員2m(又は3.5m)以上
21
整備事例(桂地区)
横断歩道接続部の段差・勾配の改良
点字ブロックの改良,グレーチングの改良等
整備前
整備後
22
整備事例(京阪五条・七条地区)
歩道の横断勾配の改良
整備前
整備後
23
整備事例(稲荷地区)
歩道の横断勾配,グレーチングの改良
整備前
整備後
24
整備事例(稲荷地区)
歩道のない道路の改良(歩行空間の明確化)
整備前
整備後
25
整備事例(稲荷地区)
歩道のない道路の改良
(歩行空間の明確化+交差点の明確化)
整備前
整備後
26
整備事例(河原町地区)
歩道の新設,点字ブロックの改良
整備前
整備後
27
整備事例(伏見地区)
歩道の新設
整備前
整備後
28
整備事例(桂地区)
歩道の拡幅
整備前
整備後
29
整備事例(京阪藤森地区)
歩道の拡幅
整備前
整備後
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バリアフリー事業の主な課題
①バリアフリー整備の制限
・道路の縦断勾配や,道路に面する建物の高さをかえることは出来な
いため,バリアフリー化を行うことが難しい箇所がある。
②点字ブロック
・点字ブロックは必要だが,車いす利用者や高齢者にはバリアになる場
合がある。
③バリアフリー整備後の利用実態
・歩道が通りやすくなると自転車がスピードを出し,歩行者とぶつか
る危険性が増える。
・点字ブロックのうえに駐輪したり,障害者用駐車スペースに障害のない人
が駐車してしまう場合がある。
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四条通歩道拡幅整備
整備概要
都市計画決定(平成24年1月27日)の主な内容
○区域:四条烏丸~四条川端 約1,120m
○車線の数:2車線 (片側1車線)
※現在の4車線(片側2車線)から車線を減少させ歩道を拡幅
○道路幅員:22m
※現状の道路幅員から変更せず,歩道と車道の配分を変更
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「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●「歩くまち・京都」について
美しい自然景観,社寺,京町家などの歴史的建物
伝統や文化,風情溢れるまちなみが息づく京都
クルマ中心の暮らし
まちの魅力が損なわれる
行きかう人々こそが,まちの賑わいと活力の根源
人が主役の魅力あるまちづくり
■「歩くまち・京都」憲章の策定(平成22年1月)
■「歩くまち・京都」総合交通戦略の策定(平成22年1月)
88のプロジェクトを推進
34
四条通の整備をシンボルプロジェクトに
「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●四条通の特徴
市内最大の商業・業務地
公共交通が集約
京都御所
多くのバス路線が集中
平安神宮
二条城
阪急電鉄
歴史的都心地区
八坂神社
清水寺
市営地下鉄
京都駅
35
【四条通の位置】
京阪電気鉄道
※歴史的都心地区:
商業・業務の中心地でありながら京町家な
ど歴史的なまちなみが残っている地域
「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●四条通の特徴
交通について
□駐停車車両があり,
大多数の車両が中央車線を走行
自動車と歩行者
□駐停車車両が原因で
バスが正着できていない
□車 道: 幅員15mの車道に約 2,200
人/時が自動車を利用(通行)
□歩 道: 幅員7m(片側3.5m)の歩道
に約7,000人/時の歩行者が通行
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車道と歩道が
アンバランスな状況
「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●整備目的
■車線を減らし歩道を拡げるこ
とで,
・歩行空間の確保
・バス待ち環境の改善
人口100万人都市のメインストリートの車
線を減らし,人と公共交通優先の道路に
するのは,全国初の取組
■公共交通の利便性向上のために,
・歩道から張り出した形のバス停を整備
・16箇所あったバス停を4箇所に集約
地元(6学区),商店街,物流や
タクシー事業者などの関係者と8
年かけた意見交換を踏まえ,計
画案を策定
歩行者の快適性と公共交通の利便性を高め,
都心の商業施設等へ行きやすくし,まちの賑わいの創出を図る
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「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●整備内容
□歩道の拡幅 ・歩道を最大2倍に拡幅
・4車線から2車線に変更
整備イメージ
□沿道アクセススペース(停車スペース)
の設置
・人の乗降,5分以内の荷物の積卸のため
に利用できる沿道アクセススペースを15箇所
(32台分)設置
※タクシーの乗降についても可能
※歩道幅員は、バス停部や交差点付近など、必要に応じて増減します。
□バス停の集約とテラス型バス停の設置
38
・現在,16箇所あるバス停を東行き西行き合わせて4箇所
(髙島屋前・大丸前)に集約
・歩道から張り出したバス停(テラス型バス停)を設置
「歩くまち・京都」を支える歩行空間の充実
●現在の四条通
現在
整備前
【拡幅された歩道】
【歩行者とバス利用者が交錯している様子】
【広くなったバス停付近】
39
無電柱化事業の取組
無電柱化事業の目的
安全で快適な歩行空間の確保
歴史的町並みの保全・再生
緊急輸送道路等の確保
情報通信ネットワークの信頼性の向上
災害時の電柱倒壊状況(国土交通省データより)
42
42
無電柱化とは
「通りから電柱をなくす」
整備手法:電線類を地中化(地下に埋設)する。(電線共同溝方式等)
裏通りに電柱を移設する。(裏配線方式)
家の軒下に電線類を配線する。(軒下配線方式)
など
主な整備手法
「地中化方式(電線共同溝方式等)」のイメージ
地上機器
90cm
50cm
120cm
電線共同溝工事の流れ
① 電線共同溝の支障となるガス管や水道管などの移設
電線共同溝工事の流れ
② 電線共同溝の設置
電線共同溝工事の流れ
③ 民地への引込管の設置
電線共同溝工事の流れ
④ 歩道の舗装
電線共同溝工事の流れ
⑤ 電線類の入線と電柱の撤去
「軒下配線方式」のイメージ
「裏配線方式」のイメージ
費用負担区分の概念
道路
民地
受電板
電線共同溝
道路管理者及び電線管理者
原則として電線管理者
無電柱化整備の経過(日本における過去の計画と整備量)
第1回無電柱化低コスト手法技術検討委員会資料より
54
無電柱整備手法の変遷
第1回無電柱化低コスト手法技術検討委員会資料より
55
無電柱化の現状(諸外国と比較した整備状況)
ロンドン・パリ
100%
香港
100%
95%
台北
93%
シンガポール
46%
ソウル
35%
ジャカルタ
7%
東京23区
5%
大阪市
2%
京都市
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
日本は国土交通省調べによる平成25年度末の状況(道路延長ベース)
ロンドン・パリ100%に比して,京都市は2%,アジアの主要都市よりも遅れている。
56
無電柱化の現状(政令指定都市における整備状況)
第1回無電柱化低コスト手法技術検討委員会資料より
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京都市の無電柱化整備方針
「歴史都市・京都創生策Ⅱ」の策定(平成18年11月)
(1)幹線系
緊急輸送道路,避難路等のネットワーク化が図れる路線
(2)景観系
伝統的建造物群保存地区,世界文化遺産周辺地区など,
観光に資する路線
昭和61年度から6期にわたる計画に基づき,無電柱化を推進
京都市の無電柱化の重点整備対象地域
平成26年度末まで, 約61km の無電柱化を実施
市内中心部の幹線道路 御池通など(約51km)
景観形成地区内道路
ねねの道など(約10km)
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無電柱化の課題①
整備費用が多額
電線類地中化には,1km当たり約7億円必要
道路管理者
約5億円/km
(うち,1/2国庫補助金)
(内容)
○電線共同溝本体
○事前移設補償 等
電線管理者
約2億円/km
(内容)
○地上機器
○電線
○引込設備 等
無電柱化の課題②
地上機器等の設置場所の確保
・地上機器の設置には,電柱より大きなスペース
(長さ120㎝×幅50cm×高さ90cm)を要するため,
一定の歩道幅員が必要となる。
・これまで電柱に共架されていた道路標識や照明灯等を
独立して立てる必要がある。
設置場所を確保することが困難
(総論賛成・各論反対)
無電柱化の課題②
電柱に設置されていた変圧器等を地上に設置する必要がある。
幅:120㎝×奥行50㎝×高さ90㎝
地下:コンクリート桝
幅220㎝×奥行120㎝×深さ150㎝
無電柱化の課題②
ソフト地中化(無電柱化の手法)
地上機器を設置するスペースがない場合などに,
柱上型機器と道路照明の支持柱を供用した「共用
照明柱」の設置により無電柱化を行ったもの。
※柱状型機器
通常の機器と比較して,小型化するなどして景観に配慮し
た機器。
右.長辻通の事例
無電柱化の課題③
脇道等への影響
・電線共同溝の整備に伴い,整備区間内の電柱は無くなる
が,脇道など,整備区間外の場所で電柱・支線が増える。
・整備区間に隣接する電柱には,地下に埋めた電線類を上空
に上げるための管が必要となる。
無電柱化事業実施区間
無電柱化区間外に,電柱・支線が増える!
末端柱の処理事例(支線の状況)
無電柱化の課題④
民地への影響
民地内への引込み配線工事が必要となる。
無電柱化の課題⑤
電柱の撤去時期
京都市が電線共同溝工事を完成させた後,公安委員会(警察)
による信号機の移設や,電線管理者による電線の入線,電柱
の撤去工事が必要となるため,無電柱化の実現には一定の期
間を要する。
その間,電柱と地上機器が両方ある状態となる。
課題の解決策について(低コスト手法の導入)
第1回無電柱化低コスト手法技術検討委員会資料より
(事務局:国土交通省国土技術政策総合研究所)
69
第1回無電柱化低コスト手法技術検討委員会資料より
※これまでの試験結果を踏まえ,低コスト手法の導入向けて検討を実施中
70
景観に配慮した整備事例(舗装)
石畳風アスファルト舗装(松原通,上七軒通他)
表 層 :開粒度アスコン(13)石灰石20%混入
表面加工:セメントミルク(超速硬タイプ)浸透
:ショットブラスト
:デザインカッター(乾式カッター) 600mm×900mm
:目地幅:6mm(カッター刃2枚),目地深さ:6mm~10mm
基 層 :一般的な舗装復旧と同じ(再生粗粒度アスコン(20)等)
As乳剤 :一般的な舗装復旧と同じ(プライムコート(PK-3),タックコート(PK-4))
【施工手順】
1 基層までは通常の復旧と同様に施工
2 表層(開粒度アスコン(石灰石20%混入))を施工
3 表層にセメントミルク(超速硬)を浸透させて養生(1週間以上)
4 ショットブラストを施工(周辺の状況を見ながら2回~3回程度かける)
5 デザインカッターを施工(T字になる箇所の目地に隙間が生じないよう注意)
71
景観に配慮した整備事例(清水坂(松原通)の事例)
72
整備事例
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(一年坂)
整備後(一年坂)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(二年坂)
整備後(二年坂)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(産寧坂)
整備後(産寧坂)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(八坂通)
整備後(八坂通)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(上賀茂山端線)
整備後(上賀茂山端線)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(松原通)
整備後(松原通)
地中化方式(電線共同溝方式)
整備前(上七軒通)
整備後(上七軒通)
地中化方式(電線共同溝方式)
花見小路
電線共同溝方式
~柱状機器~
軒下配線方式
八坂通
軒下配線方式
八坂通
裏配線方式
愛宕街道
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