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資料 3 - 熱海市

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資料 3 - 熱海市
資料 2
熱海市観光戦略会議(第 3 回) 資料
熱海市観光基本計画(案)
Ⅱ 熱海の魅力づくり(観光資源の開発)
平成 19 年 7 月 18 日
熱 海 市 観 光 戦 略 室
ATAMI City Tourism Strategy Office
目次
目
次
Ⅱ 熱海の魅力づくり (観光資源の開発)
1 まちづくりによる観光資源の創出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
<資料> ■ 景観まちづくり
■ ハートビル法
■ まちづくり交付金事業
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
■ 海岸環境整備事業
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
■ 中心市街地活性化法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
2 温泉を核にしたまちづくり
18
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
25
<資料> ■ 熱海の温泉
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 熱海温泉の歴史
■ 熱海七湯
26
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
44
■ 温泉に関する施設・名所
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
48
■ NPO エイミックの取り組み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
50
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
3 歴史・文化を活かした観光
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
55
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
57
<資料> ■ 熱海の文化財
■ 熱海の文化施設
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
63
■ 熱海の文化資源・歴史資源
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ アートガーデンフェスティバルの取り組み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
4 スポーツによる観光振興
68
71
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
72
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
76
<資料> ■ スポーツ施設
■ スポーツイベント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
77
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
78
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
79
ATAMI City Tourism Strategy Office
5 イベントの創出と展開
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<資料> ■ イベント一覧
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■ 春季・秋季誘客キャンペーン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
6 新たなリゾート型観光の創出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
95
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
7 環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
96
100
101
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
102
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
105
<資料> ■ 富士箱根伊豆国立公園の概要
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
106
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
107
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
111
<資料> ■ 各地区エリアガイド
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
9 広域観光の推進
89
92
■ カジノ誘致への取り組み
8 各エリアの魅力づくり
81
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<資料> ■ 「花の都 熱海」実施計画
■ ライトアップ事業
80
112
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
114
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
115
<資料> ■ 富士箱根伊豆国際観光テーマ地区構成市町村
<参考> ■ 他地域の事例「地域いきいき観光まちづくり」より
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
116
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
117
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
基本戦略
◆ 基本戦略
熱海観光プロモーションの推進
戦略的観光プロモーションの展開
(熱海の情報発信)
シティセールスの積極的な展開
市民・来訪者による交流と発信
熱海の魅力づくり
まちづくりによる観光資源創出
(観光資源の開発)
温泉を核にしたまちづくり
熱 海 市 観 光 基 本 計 画
歴史・文化を活かした観光
スポーツによる観光振興
イベントの創出と展開
新たなリゾート型観光の創出
環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
各エリアの魅力づくり
広域観光の推進
快適な滞在環境の整備
交通アクセスの整備
(受入体制の整備)
温かく迎える仕組みづくり
観光案内の充実とボランティアとの協働
滞在環境の整備
コンベンション・シティ構想の推進
観光地の安全対策
観光産業の育成・高度化
インバウンドの推進
外国人観光客誘致の推進
(国際観光地への整備)
外国人観光客受入体制の整備
1
ATAMI City Tourism Strategy Office
Ⅱ 熱海の魅力づくり (観光資源の開発)
1 まちづくりによる観光資源の創出
観光とまちづくりは不可分のものであることから、市民だけでなく観光交流客の視点に立った景観形成や都
市整備を進め、何度でも訪れたくなるような魅力あるまちづくりを目指します。
(1) 都市デザイン、景観形成の推進
熱海らしい個性と魅力あふれる都市空間を形成するため、建築・都市公園・街並みなどのデザイン誘導や、
歩行空間・オープンスペースの確保等と調和の取れた美しい景観の保全・創造を総合的に推進し、市民・観光
交流客の交流の場や都市観光の資源としての魅力向上を図ります。
さらに、まちづくり条例を活用した住民によるまちづくりを積極的に支援し、市民・事業者・市の三者の協働に
よる魅力あるまちづくりを推進します。
(2) 誰にもやさしい観光地づくりの推進
高齢者や障害者、外国人など誰もが利用しやすい観光地づくりに向けた検討を行うとともに、公共的施設や
公共交通機関、道路整備などにおいてバリアフリー化に向けた整備や外国人観光客の受入環境の整備の促
進に努めていきます。
市民が住みやすいと思う町は、訪れる人もいい町と感じることから、これら整備にあたっては、住民の視点に立
ったまちづくりは観光交流客の視点に立ったまちづくりと考え推進していきます。
(3) 歩いて楽しいまちづくり
歩道整備、無電線化などによる景観整備をすすめ良好な街並み整備を行うとともに、「温泉」、「歴史」、
「文化」など各地域の個性を活かしたゾーンニングにより、点在する観光拠点を街並み整備で「面」として広げ、
観光交流客が歩いて楽しめるまちを形成します。
また、坂のある街の地形を最大限観光に結びつけるため、趣のある坂道や路地の石畳化やガス灯、ベンチ等
の設置など地域の文化等の特色を活かした魅力ある空間を創造します。
(4) 公園の整備と魅力向上
市街地に隣接した憩いと安らぎの場として、林ヶ丘公園の早期開園を目指した整備と、姫の沢公園など都
市公園の魅力アップに努めます。また、熱海梅園については、整備・充実をはかるとともに、その魅力向上のため
の維持管理など運営方法について検討していきます。
さらに、渚小公園や街中の空き地・遊休地を活用したポケットパークの整備など、市民や観光交流客へ憩い
の場を提供していきます。また、公園の新設・改修にあたっては、市民の意見を反映し、「みんなで管理し、みん
なで利用できる公園」を目指した取り組みを推進します。
2
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
(5) ウォーターフロントの整備
海岸線の整備と保全について、長期的な視点に立った総合的計画の策定を検討するとともに、現在進めら
れているコースタルリゾート計画を推進し多様な海洋性レジャーに対応した質の高い開発、整備を進めます。
さらに、親水公園などでのイベントの実施や魅力的なカフェやレストランなどの誘致などにより、賑わいのあるウ
ォーターフロントを整備していきます。
また、スパマリーナの利用拡大のためのバックヤード(更衣室・シャワー施設など)などの整備を支援し、マリンリ
ゾートの拠点づくりを推進します。
(6) 商店街等を活かした街角の賑わいと魅力の創出
熱海駅前や、中心市街地における個性的な商店街の整備と、その周辺の「街角」を舞台とするエンターテイ
メントや各種イベントによる賑わいの創出の支援など、街角の賑わいづくりを進めます。
また、空き店舗や休日・夜間のシャッターを活用した賑わいづくりについて検討していきます。
3
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 資料 >
■ 景観まちづくり
熱海市は、平成 4 年に制定した「熱海市都市景観条例」により、熱海らしい景観形成に取り組む仕組みを
構築し、全市を対象とした建築物や工作物の景観誘導に取り組んできました。
平成16年に景観法が制定されたことを契機としてこれまでの景観行政の取組みを継承し、さらにその取組み
姿勢を明確にするとともに、全市の景観の方向性を示すマスタープランとしての役割と個別建築物等に対する景
観形成に関する誘導内容を明確化するため、景観法に基づく景観計画を策定しました。加えて、今回の景観
計画の策定とあわせ、景観の視点から、建築物の高さ、にぎわい創出、先進地区の取組み、景観阻害要素の
改善等について、都市計画の手法等を用いて景観誘導を進めるための体系を整え、景観形成を進めます。
景 観 計 画
連 携
展 開
高度地区・風致地区
特別用途地区
景観地区
(熱海地区の一部・東海岸町地区)
(東海岸町地区)
4
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
景観計画
景観計画では、市内共通の方針や地域ごとの方針、建物の色や形、高さ等の守るべき事項を定めることに
より、まち全体の特徴に地域の個性を結びつけた良好な景観づくりを推進します。
①景観計画の区域・・・熱海市全域
②景観形成方針の構成
●景観形成の目標
海・山・島・温泉という豊かな自然のめぐみと
にぎわいある都市のまちなみが調和した熱海らしい景観づくり
●景観形成の基本方針
1
2
3
4
5
まちの基礎となる緑の景観を守り整える
海の魅力を活かす景観づくり
新たなにぎわいの景観づくり
湯のまち文化を守り、活かす
市民生活景観の創出
●景観形成方針の構成
熱海市の景観には様々な種類の景観があり、それらが複合して深みのある景観的魅力を出している。そのた
め、景観形成を進めるにあたって、景観を構成する要素の視点から取組みや配慮を行うことが必要となる。
熱海市景観計画では、景観形成の目標や基本方針を踏まえ、熱海の特徴的な美しい景観を守っていくとと
もに、各地域の個性を育てるための具体的な方針として、次の3つの分類により、景観形成の方針を示す。
5
ATAMI City Tourism Strategy Office
類 型 別 景 観
熱海市の市街地は、富士箱根伊豆連山の尾根や海によって区切られる5つの領域(泉、伊豆山、熱海、南
熱海、初島)によって構成されており、これらはその位置や地形によって景観の特性に違いがあり、それらが領域
の個性となっている。そのため、熱海市の景観を5つの景観領域とまちづくり基本計画の土地利用区分による市
街地の特性により、11に分類し、それぞれの特性に応じた景観形成を進めていく。
構 造 別 景 観
熱海市の景観構造を踏まえ、拠点的景観や軸的景観を強化し、その構造を守っていくこととする。構造別景
観には、熱海駅周辺地区や渚・和田浜地区などの「拠点的地区」、網代港「漁港及びその周辺」、泉地区の
果樹園などの「斜面農地及びその周辺」、線的景観は、市の活動軸である国道135号などの「幹線道路・鉄
道」、千歳川などの「河川」、「海辺・海岸線」が捉えられる。
眺 望 景 観
熱海市内の特徴的な眺望について、熱海港埋立地などの「市街地内の市民や観光客がよく訪れる場所か
らの眺望景観」、十国峠などの「自然を中心としたパノラマ景観」、国道135号などの「市内を移動する人から
の眺望景観」を3つに分類し、それぞれの眺望景観の保全・活用を図っていくこととする。
6
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
表
類型別景観
景観の類型
まちづくり基本計画の土地利用区分等
山地・丘陵地
泉地区
伊豆山地区
熱海地区
南熱海地区
「豊かな山地、丘陵地の保全と活用を図るゾーン」、「優良農
地の保全を図るゾーン」
住宅地
(泉地区)
泉地域の「定住化のための居住環境の確保を図るゾーン」
観光・商業地
(泉地区)
泉地域の「観光商業関連土地利用の維持と充実を図るゾー
ン」
住宅地
(伊豆山地区)
伊豆山地域の「定住化のための居住環境の確保を図るゾー
ン」
観光・商業地
(伊豆山地区)
伊豆山地域の「観光商業関連土地利用の維持と充実を図
るゾーン」
観光・商業地
(伊豆山神社地区)
伊豆山神社地域の「観光商業関連土地利用の維持と充実
を図るゾーン」
住宅地
(熱海地区)
熱海 1 地域、熱海 2 地域(初島を除く)の「定住化のための
居住環境の確保を図るゾーン」
観光・商業地
(熱海地区)
熱海 1 地域、熱海 2 地域(初島を除く)の「観光商業関連土
地利用の維持と充実を図るゾーン」
住宅地
(南熱海地区)
多賀地域、網代地域の「定住化のための居住環境の確保を
図るゾーン」
観光・商業地
(南熱海地区)
多賀地域の「観光商業関連土地利用の維持と充実を図る
ゾーン」
初島地区
表
初島全域
構造別景観
景観の構造
対象
熱海駅周辺地区
拠点的地区
渚・和田浜地区
起雲閣周辺地区
幹線道路・鉄道
国道 135 号、伊豆スカイライン、熱海ビーチライン、JR 東海道本線・東海道新
幹線、JR 伊東線
河川
千歳川、初川、糸川、和田川、宮川、大川、水神川
海辺・海岸線
海岸線全般
斜面農地及びその周辺
泉、南熱海地区の斜面地の果樹畑
漁港及びその周辺
網代港
7
ATAMI City Tourism Strategy Office
表
眺望別景観
眺望景観の種類
視点場
市街地の市民や観光客がよく訪れる場所
からの眺望景観
・
・
・
・
・
熱海港埋立地
熱海城前広場
MOA 美術館
熱海港防波堤
小山臨海公園
自然を中心としたパノラマ景観
・
・
・
・
・
・
・
・
・
岩戸山
十国峠
鷹ノ巣山
玄岳
朝日山
林道中野線
桜の名所散策路
網代測候所周辺
頼朝ライン
市内を移動する人からの眺望景観
・
・
・
・
国道 135 号
熱海ビーチライン
JR 東海道本線・東海道新幹線
JR 伊東線
8
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
9
ATAMI City Tourism Strategy Office
10
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
11
ATAMI City Tourism Strategy Office
■ ハートビル法
お年寄りや車いすを使用する方、目の不自由な方、耳の不自由な方などが利用しやすい建築物は、誰もが
利用しやすい建築物であるとし、銀行やコンビニエンスストアなど誰もが日常利用する建築物、老人ホームや身
体障害者福祉ホームなどお年寄りや体の不自由な方が主に利用する建築物、学校やマンションなどの多くの
方々利用する建築物は、いずれも社会全体の財産であるとし、皆が利用しやすい建築物にしていく。
○ハートビル法認定建築物○
○ 東京国際フォーラム
○ 羽田空港旅客ターミナルビル
○ セレスティンホテル
など
◇目的◇
本格的な高齢化社会が身近になってきた現在、高齢者などの自立と社会参加を促進するため、不特
定多数の者が利用する公共的な性格を持つ建物について、高齢者や障害者等が円滑に利用できるよう
措置を講ずることにより、良質な建築物のストックを高めること。
ハートビル法の仕組み
建築主の義務
利用円滑化基準
誰もが日常利用する建築物や老人
・車いす使用者と人がすれ違える廊下の幅確保
ホームなどと作ろうとする際には、ハー
基準に合うことが必
トビルにしなければならない。
要
・車いす使用者用トイレが1つはある
・目の不自由な方も利用しやすいエレベータがあ
る
建築主の努力義務
多くの方々が利用する建築物は、
ハートビルとする責務がある。
地方公共団体の条例
基準に合うことが求
条例による特定施設の基準の付加が可能
められる
利用円滑化誘導基準(望ましいレベル)
・車いす使用者同士がすれ違える廊下の幅確保
・車いす使用者用のトイレが必要な階にある
・共用の浴室等も車いす使用者が利用できる
計画の認定
利用円滑化誘導基準を満たす建築物の建築主は、所管行政庁の認定を受けることができ
る。その際、様々な支援措置を打てることができる。
◇認定のメリット◇
・表示制度
・容積率特例
・税制上特例措置
・低利融資
・補助制度
12
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
■ まちづくり交付金事業
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ATAMI City Tourism Strategy Office
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
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ATAMI City Tourism Strategy Office
■ 海岸環境整備事業
熱海港海岸環境整備事業(渚地区)
◇事業の目的◇
◆ 熱海港海岸は、海岸線を国道 135 号がはしり、その背後にホテル旅館が建ち並ぶ熱海の顔とも言える場
所。しかし、都市開発のための埋立によって砂浜は失われ、海岸線はコンクリートの防波堤と消波ブロック
に姿を変えた結果、魅力的な景観を失ってしまった。
そのような中、砂浜の回復、自然環境の保
持、海岸利用の向上をはかり、昭和 56 年度より人工海浜の造成に着手。平成2年度に「熱海サンビー
チ」がオープンし、現在は市民と海のふれあいの場を提供するのみならず、熱海市の観光の活性化の一助
となっている。そこで、渚地区では、平成3年度から海岸環境整備事業によりコースタルリゾート計画に沿
った海岸整備が進められている。
◆ この海岸整備は、単に高波や津波進入防止を目的に構造物をつくるのではなく、景観を重視したデザイ
ンを取り入れた計画で進めている。
◇事業の内容◇
◆ デザインコンセプト:地中海風が香る賑わいのあるウォーターフロントとして計画
◆ 渚地区全体を 4 工区に分け、各工区にイメージをもうけて整備
事業年度
イメージ
第 1 工区
第 2 工区
第 3 工区
第 4 工区
平成 3~9 年度
平成 9~11 年度
平成 12 年度~
整備予定
南欧・
北イタリア・サンレモ・リヴィ
コートダジュール
エラ海岸
南イタリア・ナポリ
ギリシャ・エーゲ海
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
熱海港海岸環境整備事業(多賀地区)
◇事業の目的◇
◆ 当海岸は、国道 135 号沿いにあり、昔から海水浴場として利用されてきた。昭和 62~63 年度にコースタ
ルリゾート調査により面的防護整備を兼ねた人口海浜の整備が計画され、平成 4 年には突堤に着手、
整備にはずみがついたところ。
◆ 当地区の整備は、埋立による海浜緑地の整備も計画されている。将来の夏季交通渋滞対策としての国
道改良計画合わせ、良好な海岸環境を創造し、海洋レクリエーション基地として地元の活性化をもたら
すものと期待されている。
17
ATAMI City Tourism Strategy Office
■ 中心市街地活性化法
【法律制定の趣旨】
中心市街地は、街の活力や個性を代表する「顔」とも言うべき場所だが、近年多くの都市でモータリゼーション
進展への対応の遅れ、商業を取り巻く環境の変化、中心部の人口減少と高齢化などを背景に、中心市街
地の衰退・空洞化という問題が深刻化。中心市街地は、地域経済の発展や豊かな生活の実現に大切な役
割を果たす場所。中心市街地をこれからの時代のニーズに対応した地域コミュニティの中心として、人が住み、
育ち、学び、働き、交流する場として再生することが強く求められている。中心市街地活性化法は、地域の創
意工夫を活かしつつ、「市街地の整備改善」「商業等の活性化」を柱とする総合的・一体的な対策を、関係
府省庁、地方公共団体、民間事業者が連携して推進することで、地域の振興と秩序ある整備を図り、我が
国の国民生活の向上と国民経済の発展を図ることを目的としている。
【法律の概要】
○市町村の役割重視:地域の特色や、地域の住民、商業者などの意向を十分に反映するため、地域にとっ
て身近な市町村の役割を重視。
○市街地の整備改善と商業等の活性化を一体的推進:市街地の整備改善に関する事業と商業等の活
性化に関する事業を車の両輪とし、民間活力の活用を図りながら、ハード・ソフトにわたる各種施策を総合的
かつ一体的に推進。
【法律の基本的しくみ】
○国の基本方針作成:市町村の基本計画の指針等となる基本方針を作成・公表。
○市町村による基本計画作成:国の基本方針をふまえ、一定の条件を満たす区域を「中心市街地」と定め、
中心市街地活性化のための方針や目標、実施事業に関する基本的な事項等を内容とする「基本計画」
を作成。
○基本計画に沿って、市町村や民間事業者が一体的に事業を推進
○事業実施にあたり総体的に優れた事業に対し、国は集中的な支援を実施
◆中心市街地に期待される役割◆
国 <基本方針>
○商業など様々な都市機能が集積しているた
め、住民や事業者にまとまってサービスを提供で
きる。
都 道 府 県
○店舗、病院などの施設が身近にあることか
ら、高齢者なども暮らしやすい生活環境を提供
助言
できる。
○効率的な経済活動や新たな事業・文化の
助言
市町村 <基本計画>
誕生が期待できる。
○既存の公共公益施設などを活用すること
で、効率的で環境にもやさしいまちづくりができ
タウンマネージメント(TMO)機関
る。
地元商業者等のコンセンサスに基づく基本構想の作成
18
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
◇ タウンマネージメント(TMO)◇
◆近江八幡市のTMO
【TMOの役割、機能】
中心市街地全体をマネージメントするコーディネーター的組織と役割を担う。企画調整機能を中心に近
江八幡市中心市街地活性化のため、まちづくりのプロデューサーとしてタウンマネージメント活動を行う。
【TMO事業】
商店街事業に加え、市民の日々の暮らしを通じた市民活動。ソフト事業とハード事業を整備されてこそ
TMO事業の効果が期待できる。また、区域を3つのゾーンに分けて、それぞれの整備目標をたてて事業
推進を図る。
<事業展開の手順>
◇第1ステップ◇
活性化への基盤づくり
(TMO設立、商店街のやる気づくり、市民まちづくり組織づくり)
◇第2ステップ◇
ソフト事業の展開→人が集まる魅力づくり
(商店街活動のイベント、まちの情報収集と発信推進、市民活動収集)
◇第3ステップ◇
市民活動、商業活動の活性化に基づく拠点整備
(生活密着型商業拠点整備、空き店舗・空家再生活動、市民活動・拠点整備)
◆下田市のTMO
【TMOの役割、目的】
下田を愛する人たちが集い、新しい時代の持続可能な自然と歴史と交流が新たな文化を育むまちを
作り上げる活動を行う。下田市におけるTMOは、中心市街地を活性化するため、人・資源・資金・情
報を活用し、「市民、企業(事業者)」と、「まち全体」の新しい活動創出と可能性の向上を図ることが目
的。
【TMOの目標、事業】
1. 下田市固有の自然・文化・歴史に根ざした魅力的で個性的なまち環境を確立
2. 競争力の高い下田のビジネス環境を創造
3. 将来に渡る持続可能な下田の地域経済基盤を確立
4. 下田における官と民の事業パートナーシップを確立
◇まち施設事業部
新集客施設整備事業、阿波屋いっぷく堂事業、エコステーション事業など
◇マリン・ビジネス事業部
開国まち歩きテーマパークづくり事業、総合イベント開催プロモーター事業、下田地域・観光コーディネー
ティング事業
◇まちづくり広報事業部
街並みづくり事業、下田情報発信事業、環境再生エネルギー研究事業など
19
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり」(平成 18 年 8 月 国土交通省)より
■ まちなみづくり
◇ 村上 町屋の再生
アーケードやアルミサッシ等により近代化された町屋の外観を、昔ながらの格子や板戸に戻すため、市民の寄付等によ
る基金(10 年計画で 1 億円)を創設(「町屋再生プロジェクト」。平成 16 年~)。平成 18 年現在、この基金を活用
した 3 軒の町屋が再生を果たしており、地域に存在する町屋に「町屋再生デザイン」を提示し、更なる景観再生を推
進。
◇ 村上 黒塀プロジェクト
歴史的景観の再生を図るため、市民のボランティア活動や市民からの寄付金等の協
力を得て、ブロック積みの塀の上に、黒い板を張り付けて、かつての黒塀に戻そうという
取り組み。平成 18 年現在、約 270 メートルの黒塀が完成。
◇ 熊川宿 鯖街道熊川宿デザインガイド
平成 10 年、民家の修理・修景に携わる技術者で結成された「熊川宿町並み保存
伝統技術研究会」は、伝統工法の調査により、修理の指針となる「鯖街道熊川宿
デザインガイド」を作成し、住民に配布。平成 14 年に
は、景観にマッチした外灯を考案、設置をはじめた。
◇ 小布施 まちなみの修景
「北斎館」、「高井鴻山記念館」の建設を機に、町と地権者が協働し、施設周辺の
修景事業(1980~87)を実施。町の支援の下、住民主体で歴史建築物と調和す
る美しい町並みの形成に取り組む。老舗栗菓子店前の栗間伐材を敷き詰めた遊
歩道「栗の小径」には、多数の観光客が訪れる。
◇ 飛騨古川 町並み景観デザイン賞
昭和 60 年、古川町観光協会は独自に町並みや自然に調和した景観にふさわしい建物などを表彰する「町並み景
観デザイン賞」を創設。一般市民が自力で昔風の住宅、店舗を再現し、これまで 154 軒が受賞。古川らしい町並み
景観が維持形成され、平成 14 年には、NHK テレビ小説「さくら」の舞台に選定された。
◇ 伊勢・二見 内宮おはらい町
「次の御遷宮までに、なんとかせないかん」を合言葉に、昭和 50 年代、かつての賑わいを取り戻すため地元住民が動
き出し、住民・企業・行政が協働し住民主導型のまちづくりをスタート。10 年の歳月をかけ『この町はあくまでも生活の
場であり、町を保存するだけでなく、再生しようという地元の考えを尊重』した条例を制定。伊勢らしい古い町並の新た
な創出と再生に重点を置く一方、今の暮らしにも不便をかけない、生活の匂いのするまちづくりを行っている。
20
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
◇ 伊勢・二見 おかげ横丁
衰退した町の活性化のため、地元企業が昭和 50 年代から構想を練り、平成 5 年の
御遷宮にあわせることを目標に多額の費用を投じ、7 年がかりでおかげ横丁を誕生さ
せた。庶民的、開放的な空間で、旅の楽しみを付加し休憩場所としての役割も果た
している。全国から人々が集まり、伊勢の物産を味わっている。
◇ 長浜 黒壁スクエア
黒壁はリピーターづくりのために、一度にすべてを整備せず、何度かに分け、常に「変
化」を作り出してきた。特に、北国街道沿いには江戸末期から明治初期の長浜らし
い町家を利用して、直営店、共同経営店、テナント店といった多様な店舗展開によ
って、10 年余りかけて 30 店舗余のガラスの総合文化産業ゾーン「黒壁スクエア」を形
成。現在では年間約 200 万人の観光客を誘致している。
◇ 出石 出石の城下町整備
出石城下町地区の通路・水路・小公園・集会所の整備、電線の地中化や道路の
美装化を行うとともに、「出石城下町を活かす会」の協力のもと、歴史ある住み良い
町への取り組みが行われた。今後は「永楽館」復元や出石城跡を整備。
◇ 倉吉 白壁土蔵を有効活用する「赤瓦」
平成 10 年 4 月、地域資源の「白壁土蔵」を有効に活用・整備し、地域への集客を
進め活性化を図ることを目的とした店舗「赤瓦 1 号館」がオープンした。ただ観るだけ
の場所に「食べる・買う・休む・体験する」等の機能を加え、滞留型の観光スポットに
再生した。
◇ 石見銀山 歴史を活かした町並みの保存
昭和 62 年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された石見銀山・大森の町並み。平成元年の「手づくり郷土
賞」受賞により、多くの住民が歴史ある町並みが地域にとって欠くことのできない財産であると認識。以来、官民協働
による町並み保存の取組みが 20 年近く継続される。住民民主体の約 40 の活動団体は、空き家の再利用や世界遺
産登録など、のテーマで町並み保存・活用の取り組みを行う。
◇ 西条 酒蔵通り~景観保全の取り組み~
JR 西条駅前では旧山陽道沿いに 8 社の日本酒の蔵元が集中。白壁となまこ壁、
15 本の赤レンガの煙突が立ち並び、仕込み時期には、ほのかに酒の香りが漂う。地
元住民、商業者、酒造組合で組織した「酒蔵地区まちづ
くり協議会」において、観光を意識したまちづくりを話し合い、道路の美装化などを実
施。
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ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 下関 城下町長府の景観保全と活用
土塀や町屋など城下町の佇まいが残る長府。住民らが街づくり協定を締結し、観光
地としての魅力と、住民のやすらぎを両立する町並み保全を推進する。長府まちづく
り協議会は、「長府時代祭り」を行うなど、歴史的町並みを活かしたまちづくりを進め
てきた。しものせき観光キャンペーンでは、住民の参加・協力を得て「城下町長府クイ
ズラリー」を行う。
◇ 松山 『坂の上の雲』フィールドミュージアム
「『坂の上の雲』を軸とした 21 世紀のまちづくり基本計画」を受け、フィールドミュージア
ムの“センターゾーン”にあるロープウェイ商店街では、景観整備のため電線の地中
化、車道の 1 車線化にあわせての歩道拡張、店舗の色調や看板の統一化などに取
り組んだ。併せて、ロープウェイ駅も周囲の環境に調和した駅舎に改築。
◇ 内子 町並み保存活動
当初は「非常識」と考えられていたが、保存会の活動「町並みが財産」への理解で、
現在、町並保存会には地区の殆どの世帯が加入し、町並瓦版の発行、修理修景
の際の審議会等、自主的な保存会運営を実施。また、町並保存センターを設置し
町と保存会が一体となった活動を展開。重要無形民俗文化の木蝋生産用品を保
存するとともに、地元中学生を対象に蝋搾り体験による伝統産業の伝承を実施。
◇ 別府温泉 鉄輪温泉地区まるごと再生
別府八湯の歴史的湯治場情緒を有する鉄輪温泉地区内のメインストリートや路地
を石畳に整備し、魅力ある道路景を図る。また、別府温泉を代表する「むし湯」の建
替えを行い、賑わいを再生。さらに、情報板・街路灯の整備、人々のふれあいができ
る空間としてポケットパークを新設する等の整備が継続して行われている。
◇ 豊後高田 昭和の町整備
「昭和 30 年代」をテーマに商店街の店舗整備に取り組み、アルミの建具を木製に復元したり、木製やブリキ製の「昭
和の看板」に改修するなど、建物を建築当時の趣に再現(建築再生)。外観だけでなく、お店に代々伝わる珍しい道
具の展示(歴史再生=一店一宝)や自慢の商品の販売(商品再生=一店一品)とともに、お客様と店主が会話を
する商い(商人再生)を展開し、活気ある昭和の商店街を再生。
◇ 飫肥 飫肥地区の街づくり(飫肥楽市楽座)
地元住民で組織されている飫肥楽市楽座は、「自分達が楽しくなければ、来た人も楽しくない」をモットーに、訪れる
人を楽しませるため、飫肥城周辺での人力車の無料乗車体験、飫肥城大手門での野外コンサート、また、飫肥地
区においての花火大会などを実施してきており、飫肥地区の魅力を発信できるようなイベントを開催。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
■ まち歩き施策
◇ 帯広・音更・池田 帯広まちなか歩行者天国
中心街に再び賑わいを取り戻そうと、実行委員会が官民挙げて取り組みを実施。路
上で市民手づくりのオープンカフェや農業者による有機野菜の販売、YOSAKOI ソーラ
ン等、多彩なイベントを開催。また来場者誘導策と観光資源としての有効性の検証
のため、会場周辺でばん馬の馬車を運行する社会実験を実施。
◇ 山代温泉 道番屋
山代温泉地内の商店 25 店舗では、軒下に木製のサインを掲げ、道案内をはじめ、
山代の様々な情報を提供する「道番屋」サービスを展開。観光客に対して、九谷焼
をテーマとした散策モデルコースを案内する等のサービス充実により、個人観光客の
町中周遊を支援。
◇ 高野山 高野山の散策ルート整備
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして登録された高野山には、高野
山町石道・高野三山・女人道など、古くから多くの巡礼者が歩いた道がある。地元
観光協会は、案内標識を設置する等、散策コースとして整備。
◇ 尾道 坂道をそぞろ歩き「足形みち」
地元のまちづくり団体「尾道 10 万人委員会」を中心に、そのメンバーの陶芸家が尾
道を訪れた著名人等の足形を備前焼で製作し市内各所に設置。観光客の回遊
性を高める新たな観光資源として活用。
◇ 知覧 武家屋敷群を活かした町並み整備
武家屋敷通りで景観の障害となっていた電柱を移転、土色の舗装など町並みを活
かした街路整備を実施。幹線道路でも清流溝や石灯籠の設置等、知覧町独自の
町並みを整備。また、町が窓口となり、町を訪れる人へボランティア(現在 6 名登録)
による観光ガイドを提供。
■ 商店街振興
◇ 帯広・音更・池田 北の屋台
北の起業広場協同組合が興した『北の屋台』は、季節毎に地場産の旬な食材を用
い、各店で独自料理の提供や生産者、農協との共同イベント開催など地産地消を
発信し、観光客と地元客とのふれあいの場を創出。
主なイベントとして農家が直接野菜を売る「夕やけ市」や「十勝産海産物フェア」が人
気。人口 17 万人の帯広市にわずか 18 店舗の屋台で、年間 18 万人が来客。
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ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 八戸 八戸屋台村「みろく横丁」
いろんな人が自然に集まり、何か楽しいこと、面白いことを始めたい。そんな情熱がカ
タチになったのが八戸屋台村「みろく横丁」。自然の恵みにあまり手をかけず、懐かしく
もてなしの気持ちがいっぱいの料理を提供し、賑わいを創出。横丁中央には観光案
内所「屋台村役場」が設置され、飲食店情報を掲示するだけでなく、市内周辺観
光地等の情報も提供。また、全てをリサイクルしゴミを出さない工夫をしている他、横
丁全域をバリアフリー化するなど環境・福祉面でも社会的ニーズに対応。平成 16 年
には、みろく横丁の提案で「全国屋台村連絡協議会」を設立。他県より「みろく横
丁」を視察したいという申し込みも多数あり、地域づくりに大きく貢献する手段として
全国より注目。
◇ 長井 もとまち青空フェスティバル
まちなかに市民を呼び戻そうと地元商店街・商工会議所主催で毎年 9 月下旬~10 月初旬の日曜日に開催。幼稚
園から大人までの音楽(吹奏楽)を中心とした商店街活性化イベント。会場はフットパスの一部で参加者は地域の魅
力を再確認。
◇ 会津若松・喜多方 商店街活性化
七日町通りまちなみ協議会は「大正浪漫調のまちづくり」による観光客誘致を実施。
歴史的な建造物を保存した特色ある商店街を目指し、商店主に改修を説得。建
物所有者にはテナント入居者の確保、テナント入居者には希望する外観の建物を
提供。また、商店街の婦人による「アネッサクラブ」は、「4 つ(茶、荷物、いす、トイレ)
のどうぞ運動」等のユニークな活動により、街おこしを牽引
◇ 佐世保 商店街賑わいイベントの開催
およそ 1km のアーケード街「さるくシティ 403」では、商店街自らが主体となって実施し
ている多彩なイベントが人気を呼んでおり、交流人口の増加にも大きく貢献してい
る。特に、アーケードを全面的にパーティー会場に仕立てて行うきらきらフェスティバル
は圧巻で、アーケードに詰めかけた 5,000 人の人々が一斉に乾杯する。
◇ 阿蘇 湧き水と森の商店街づくり(一の宮門前町商店街の取り組み)
循環バスの実証実験を契機として、商店街の二代目を中心に、商店街で
時間を過ごしてもらうまちづくりが始まる。統一看板の設置や緑陰の増設、
食の開発が行われた結果、観光客が増加。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
2 温泉を核にしたまちづくり
温泉は、熱海観光の最大の資源であることを再認識し、その資源の保全につとめるとともに、温泉を活用し
た様々な取り組みを行い、集客を図ります。
(1) 湯けむりの演出
温泉情緒が感じられる街には、湯けむりが欠かせないことから「見せる温泉」を演出して、観光交流客の散策
を促します。
また、間歇泉はその歴史や特異性からシンボル的な存在となりうることから、歴史的な背景のある大湯間歇
泉の整備とともに、海岸部などへ人工的な間歇泉を整備するなど、熱海温泉のシンボルとなるような新たな観
光施設を創出していきます。
(2) 外湯施設の整備
熱海の温泉に気軽にふれてもらうため、熱海七湯周辺への足湯や手湯施設を整備するとともに外湯施設の
充実を進めます。外湯めぐりに協力できる地域の共同浴場に対しては、その整備、維持、管理に対する助成等
を検討していきます。さらに、ホテル・旅館の日帰り温泉利用を含め、入浴手形などの導入を検討し、外湯めぐ
りを推進していきます。
また、マリンスパあたみの魅力向上に努めるとともに、郊外の幹線道路沿いに休憩施設と併設した大型の日
帰り温泉施設の整備を検討していきます。
(3) 温泉と健康の連携
「熱海に来たら元気になる」というような、温泉、食事、運動、医療をセットにした新たな湯治スタイルの提案・
企画を支援していきます。
また、入浴法を処方するような専門家(温泉ソムリエなど)の養成や、スポーツ選手のリハビリやオーバーホール
を受け入れるクアハウスの設置などを検討していきます。
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ATAMI City Tourism Strategy Office
< 資料 >
■ 熱海の温泉
26
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
<NPO エイミック HP から>
熱海の温泉
…熱海温泉の由来やその歴史、温泉の分析や効能まで、熱海温泉を知る上で役立つ情報が満載です。
熱海温泉、その歴史……熱海温泉の特色と由来
熱海温泉は由来記によると、西暦749年、今からおよそ1250年前に箱根権現の万巻上人が、海中に湧く温泉
を熱海の中腹に導き漁民および魚介類を救おうと志し、祭壇を設け、薬師如来に祈祷し、現在ある間歇泉の地
に泉脈を移し、守護神の社、湯前神社をつくり一般の人々が温泉の恩恵に浴することが出来るようにしたことが熱
海温泉の由来と記されています。
最近は、掘けずる技術が進み、各地で温泉の湧出が見られておりますが、それ等の多くは何百年、何千年の年月
によって出来た温泉ダマリであることが多く、30年・50年と揚湯を続けた場合、枯渇してしまうのではないかと考えら
れますが、熱海の温泉は千年余の期間、安定した温泉を供給する泉脈をもっているという点で誠に貴重な温泉と
いえます。
温泉とは?……温泉ゼミナール
温泉とはどのようなものであるかに付いて、我が国では昭和23年に温泉法が制定され、その中で次の条件を満た
すものであるということが規定されています。
1.地中から湧出すること
2.温水、鉱水および水蒸気その他のガス状のもの(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)
3.地中から湧出したときの温度が摂氏25度以上のもの、または次に上げる物質を規定値以上含むこと
・溶存物質(ガス性のものを除く)・遊離炭素・リチウムイオン
・ストロンチウムイオン・バリウムイオン・フェロまたはフェリイオン
・第一マンガンイオン・水素イオン・臭素イオン
・よう素イオン・ふっ素イオン・ヒドロひ酸イオン・メタ亜ひ酸・総硫黄
・メタほう酸・メタけい酸・重炭酸ソウダ・ラドン・ラジウム塩
したがって ①摂氏25度以上の温度があれば無条件で温泉 ②摂氏25度未満でも規定量の物質を含んでいれ
ば温泉ということになります。
全国の温泉を比較……<都道府県別>温泉統計ベスト10
「熱海温泉は全国有数の高温源泉数・源泉総数を誇ります」
*環境庁自然保護局施設整備課資料(平成10年3月末)による。
源泉総数
順位
都道府県
1
大分
2
3
4
高温源泉数(42℃以上)
源泉数
順位
都道府県
3,597
1
大分
3,597
鹿児島
1,792
2
鹿児島
1,792
北海道
1,172
3
北海道
1,172
静岡
853
4
静岡
853
5
青森
699
5
青森
699
6
熊本
694
6
熊本
694
7
長野
425
7
長野
425
8
神奈川
330
8
神奈川
330
9
宮城
298
9
宮城
298
10
秋田
273
10
秋田
273
27
源泉数
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇温泉地別ベスト10
都道府県庁の温泉担当課の資料(平成8年3月末)
自然保護局施設整備課の協力を得て作成。
源泉総数
順位
都道府県
1
別府温泉郷(大分)
2
3
高温源泉数(42℃以上)
源泉数
順位
都道府県
源泉数
2,848
1
別府温泉郷(大分)
湯布院(大分)
804
2
湯布院(大分)
766
伊東(静岡)
529
3
指宿(鹿児島)
396
4
指宿(鹿児島)
463
4
熱海・伊豆山(静岡)
262
5
熱海・伊豆山(静岡)
435
5
箱根温泉郷(神奈川)
246
6
鳴子温泉郷(宮城)
379
6
鳴子温泉郷(宮城)
195
7
箱根温泉郷(神奈川)
336
7
伊東(静岡)
187
8
霧島温泉郷(鹿児島)
276
8
姫城(鹿児島)
163
9
湯田中渋温泉郷(長野)
176
9
鹿児島(鹿児島)
138
10
姫城(鹿児島)
175
10
霧島温泉郷(鹿児島)
136
2,132
◇温泉の作用と効果
化学的作用・効果―温泉に含まれている化学成分が入浴や飲泉によって体内に吸収されることで、身体に様々
な薬理的効果を生みます。これらが総合的に働いて、健康のためによい結果をもたらします。
物理的作用・効果
温熱作用…新陳代謝の促進や、自律神経の調整に効果があります。
水圧効果…圧力により、運動効果やマッサージ効果があります。
浮力効果…身体が自由になることでリラックスでき、リハビリなどに効果があります。
転地効果…温泉地へ移動することによって生活環境が変わり、ストレス解消と精神疲労に効果があって、良好な
気候条件が健康の回復に役立ちます。
温泉分布図の概要
塩化物泉は海岸部に、硫酸泉は内陸部に分布しており特に伊豆山温泉郷には強塩泉の源泉がみられます。
もっと知りたい!温泉の事……熱海温泉の分析と効能
単純温泉の適応症
○浴用…神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔
疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
○飲用…温泉により異なります。
塩化物泉の適応症(塩類泉)
○浴用…単純温泉の適応症に加えて、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病
○飲用…慢性消化器病、慢性便秘
硫酸塩泉の適応症(塩類泉)
○浴用…単純温泉の適応症に加えて動脈硬化、きりきず、やけど、慢性皮膚病
○飲用…慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
泉質別分析件数割合
塩化物泉(56.2%)硫酸塩泉(34.3%)
単純温泉(8.2%)アルカリ性単純温泉(1.3%)
熱海温泉の泉質
熱海温泉の統計
塩化物泉
56.2%
源泉総数
硫酸塩泉
34.3%
総ゆう出量(L/分)
547
20,000
硫酸塩泉
8.2%
平均温度
65℃
アルカリ性単純温泉
1.3%
最高温度
95℃
温泉の分析と効能
温泉を公共の浴用または、飲用の供する場合、総理府令の定めるところにより、都道府県の知事に申請して、そ
の許可を受けなければなりません。また、施設ないの見やすい場所に温泉の成分、禁忌症及び、入浴または、飲
用上の注意を掲示しなければなりません。
熱海七湯
熱海温泉が発見された当時は、市の中心部では、自噴した温泉が地上を一面に走って海に向かっていたといわれ
ています。その後幾多の地震や津波の影響を受けて、いつのまにか特定の場所にのみ湧出するようになりました。こ
の初期のものを「熱海七湯」といって源地は今も存在しています。
大湯 古来からの間歇泉で世界でも有名な自噴線でありました。「大湯」の噴出は昼夜6回で、湯と蒸気を交互に
激しい勢いで噴出し、地面が揺れるようであったといいます。
河原湯 寛文6年、小田原城主稲葉美濃守が、村民のために浴室を設けてその屋根を瓦葺としたため、その名が
生じたといわれています。
小沢の湯 沢口弥左衛門、藤井文次郎、米倉三左衛門の庭の湯を「平左衛門の湯」と称していました。また、土
地の人は小沢にあったので「小沢の湯」とも称しました。
佐治郎の湯 仲町(銀座)にあり、もとの「新かどの湯」がそれである。
風呂の湯 今の福島屋旅館の湯がそれである。
野中の湯 この辺一帯は、泥の中に湯がブクブク噴いて、杖で突くと湧き出したといわれています。また、このあたりの
土は丹(赤色の土)のようで、壁を塗る材料にしました。
清左衛門の湯 昔、農民の清左衛門という者が馬を走らせて、この湯壷に落ちて焼け死んだので、その名が付いたと
いいます。
熱海の四大温泉
熱海温泉…国際観光温泉文化都市。海の青、山の緑と豊富な温泉に恵まれた、近代的な温泉都市として、多く
の観光客で賑わっています。
伊豆山温泉…古来より数々の名答で知られる伊豆ですが、共に熱海にある「大湯」と伊豆山の「走り湯」が双璧とさ
れています。昔は海岸の洞窟より、温泉が川の如く湧き走り出していたといわれています。
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ATAMI City Tourism Strategy Office
伊豆湯河原温泉…箱根外輪山から流れ出した藤木川(下流千歳川)沿いに発達し、山裾深く入った山峡にも、落
ち着いた旅館が立ち並んでいます。
南熱海温泉…江戸時代、港として栄えた網代を中心に、波静かで遠浅の海が続く海岸沿いの温泉郷です。
湯前神社
歴史は古く、今からおよそ千二百余年の昔。天平勝宝元年(七四九年)に創建されたといいます。当時、熱海の
海中に湧いていた熱湯を高僧万巻上人が山腹に移したので、その近くに祠をまつったのが始まりです。
現在は、熱海温泉の守り神として少彦名命をおまつりしています。特に、健康長寿・病気平癒に霊験のあらたかで
あるといわれて、多くの方に親しまれ参拝者も後をたちません。
*例年10月9日・10日、秋季例大祭では、「献湯式湯汲道中パレード」等盛大に催されます。また、2月9日・
10日春季例大祭では「献湯式」等がおこなわれます。
熱海温泉と熱海温泉組合
熱海温泉は、熱海市街地を中心に、泉・伊豆山・南熱海(多賀・網代)地区の総称です。また、熱海温泉組合
は、大正14年11月23日、静岡県知事より設立認可を受け、以後 70有余年の事業実績と260余名の組合
員を持って構成し、温泉資源の保護・育成の努めており、主要な事業は次の通りであります。
(平成10年度末現在)
1)温泉保護並びに合理的利用の指導
2)温泉に関する講演会並びに講習会の開催
3)行政庁の行う調査研究並びに指導に関する協力
4)温泉諸申請の行政庁への提出及び意見の上申
5)行政庁及び関係団体への健議折衝連絡
6)静岡県温泉協会の事業に対する協力
7)温泉台帳の整備管理及び温泉に関する必要資料の作成保存
8)組合の発展向上に必要な事業及び組合員並びに温泉関係者の表彰等
9)温泉組合会報の発行及び温泉調査実態一覧表の作成
10)湯前神社振興事業及び熱海温泉祭「湯汲道中」その他実施
温泉の健康診断(トリチウム調査)
現在利用されているほとんどの温泉は、雨や雪が地中に浸透して年月を経る中で熱や成分を得たものであることが
解明されています。そこで、熱海市内の温泉水、河川水、湧水等に含まれる「トリチウム」の濃度を測定し、解析す
ることにより、現在湧出している温泉が、いつ降った雨や雪であるか調査をしました。(平成9年3月)その結果、20
年~30 年前の降水が、現在温泉として湧出していることがわかりました。このような事から、温泉資源の保護・育成
のため、自然環境を保護し、地中への水の供給対策等十分配慮する必要があります。
30
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
■ 熱海温泉の歴史
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◇ 古代の熱海温泉
伊豆最古の記録である「伊豆国風土記」によれば「天孫降臨に先立って大己貴命
は、秋津の国の民が若死にするのを憫んで少彦名命に製薬温泉之術を与えて伊豆
国の神の湯に遺わされた。この湯は普通の湯ではなくて一昼夜に二度烈しく沸騰して
噴出する。これを桶に入れて身を浸すと諸病が悉く治った」とある。
24代仁賢天皇の4年(491)、蚊島穂台君の屍を伊豆国熱海の海底に沈めたと
ころ、海底から忽然と温泉が湧き海水が熱湯となり魚類が焼け死に悪臭が満ちて漁
をする者もいなくなってしまった。このように海が熱く沸きかえったのであつみが崎と呼ぶようになった。これが熱海の名の
語源と云われている。
その後47代淳仁天皇の御代(758~764)箱根金剛王院の万巻上人が霊湯の海中に流散するのを惜しみ、
泉脈を山腹に移しその傍に少彦名命を祀り、薬師如来を本地として湯前権現と称したその温泉が大湯である。
◇ 平安時代から戦国時代までの熱海
59代宇多天皇の御代(888~897)紀長谷雄は伊豆国の守護となって熱海に来る。温泉の源を探ろうとして岩
を穿ち掘ったと伝えられている。これが日本における温泉探査・開発の始まりかもしれない。
源頼朝は伊豆に流された時から伊豆山神社別当般若院の僧覚淵に師事したため、伊豆山神社への尊敬が深く
鎌倉時代になって伊豆山神社は大いに栄えた。天正十八年(1590)秀吉が小田原征伐で北条氏を討った結果、
伊豆一円は徳川氏の所領となり熱海は三島代官所の支配下に入った。慶長二年(1597)三月、徳川家康が熱
海に来て三月十七日から二十一日まで御殿地に入湯したとの記録が本陣今井半太夫方の宿帳に見られるが、残
念ながら正式な記録が無く立証されていない。
大湯のゆけむり
天保 3 年(1832 年)「熱海温泉図集」より
<豆知識> 家康に愛された熱海温泉
記録によれば、徳川家康は慶長2年(1597 年)と同9年
(1604 年)の2回熱海温泉に入浴に訪れています。以後、
熱海大湯の湯を江戸城まで送るようになりました。(御汲
湯)
寛永 3 年(1626 年)3代将軍家光は、この地に御殿を建
てましたが、残念ながら生涯来熱することはありませんでし
た。
図譜の絵の中で石碑に南無阿弥陀仏と書かれています
が、徳川将軍家と縁の浄土宗であることで、この地が深く徳
川家の支配下にあった事(幕府直轄領だった事)が分かりま
す。
◇ 徳川時代の熱海
徳川時代になって、それまで伊豆山神社を中心としていた熱海も漸く大湯を中心とした温泉湯治場として発展す
るようになった。
慶長 9 年(1604)年 3 月、将軍徳川家康は義直、頼宣の二人の子供を連れて 7 日間熱海に逗留した。同年 9
月家康は京都で病気療養中の吉川広家(周防・現在山口県)の見舞として熱海のお湯を運ばせた。これがお湯汲
みの原点である。
江戸時代には徳川御三家を筆頭に熱海温泉は多くの大名を迎えた。小倉城主細川忠利(1629 年来熱)、鹿児
島城主島津光久(1642)、奥州城主伊達忠宗(1654)、盛岡城主南部重直(1658)、金沢城主前田綱紀(1659)な
ど名立たる大名を始め多くの大名が熱海を訪れている。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
熱海の町の様子
天保 3 年(1832 年)「熱海温泉図集」より
<豆知識> 療養から観光へ
古くから湯治場として栄えた日本の各地温泉場ですが、
江戸中期以降は江戸の町人が多数連れだって温泉地を訪
れるようになりました。特に伊勢講、富士講などの行き帰りに
温泉地に立ち寄りました。広域観光ルートの確立です。
図譜左端のご夫婦の背中にある札には「大神宮」と書か
れています。伊勢参りの途中に寄った事が分かります。部屋
の中にいる「あんま」が片目を開いているのも面白いですね。
この時代、熱海には存在しないはずの芸者らしき女性も
描かれています。作者のサービスで江戸の遊女を書き入れた
ようです。
元和2年(1616)林道春は丙辰紀行の中で熱海大湯について次のように記している。「人のよろづの病あるもの
浴すれば、ただ験あり。先年余も人にさそわれて湯に入侍りし。その湧所を見るに潮の進退によりて岩の間より烟むり
あがりて、人の近づくべくもあらぬほどあつき熱湯わき出て流れはしるを、筧をかけて家々にとり槽に堪えて人々に入せ
けり。」
三代将軍家光は寛永三年(1626)佐久間氏に命じて熱海に御殿を造ったが、故あって一度も来られず御殿は
取りこわしになった。そのかわりに愛妾品川御前が逗留している。その後 4 代将軍家綱の時代に熱海温泉を江戸城
に献上することになり、将軍家御用の御湯汲みが始まった。以来毎年数回期を定めて大湯の湯を江戸城本丸、西
丸へと送ることになった。7 代将軍吉宗の時代が最も御湯汲みがさかんで享保 11 年から 19 年までに 3643 樽が送ら
れた。江戸の 13 軒の風呂屋も熱海から温泉を取り寄せ、「熱海の湯」と書いて営業成績を上げたと言われている。
天保年代(1830―1843)には熱海の戸数は263軒に達し宇田川榕庵が始めて温泉の分析を行い熱海試説
(1828)として発表した。
◇ 明治以降の熱海市
明治維新となって従来の特権階級的な湯戸に対して新興旅館勢力が勃興し、自由競争の時代になって行った。
明治初年には維新の元勲達がしばしば熱海で国事を談じ、閣僚会議も度々熱海で開かれたという。当時小田原-
熱海間は山駕籠に乗らなければならなかったが、明治14年には県道が開通し、人力車に変わり明治28年には人
車鉄道が開通した。
温泉に関しては特筆すべき事は明治 7 年、中島桑太により記された「熱海温泉考」の存在だろう。これは日本人が
始めて温泉分析を行った貴重な文献である。熱海温泉が温泉地としてのきらびやかな歴史を持っている証左である。
明治18年頃には温泉の科学的効能についての研究が時の内務省衛生局長・長与専斎等によって行われ、大
湯の所に噏気館が建設された。ここには浴医局、温泉取締所、大湯運動場があり、入湯療養の患者を診察治療す
ると共に、吸入療法や浴法の指導が行われた。これはヨーロッパの温泉場を真似たもので、当時としては時代の尖端
を行く近代的施設で、あって、日本に於ける初めての本格的温泉療養施設である。しかし惜しくも大正9年に焼失し
た。
33
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明治時代の大湯
<豆知識> 日本で始めての温泉療養センター「噏汽館」
は熱海にあった!
明治 16 年、右大臣岩倉具視が病気で静養することなり
熱海に来ました。大湯から涌き出る温泉をみて驚きました。
これは無駄に出来ないと、病気療養への利用を考えまし
た。そして衛生局技官・後藤新平、衛生局長・長与専斎、
宮内庁御用掛・肥田濱五郎らの活躍で日本始めての温泉
医療療養センター「噏汽館」を作りました。
「噏汽館」は明治 17 年に完成し、18 年から業務を開始し
ています。館内にはドイツ製の気圧吸入器が設置され、当
時としては最新式の医療施設になりました。
明治 24 年熱海温泉業者一同に払い下げられ、その後は
温泉組合で経営しておりましたが、昭和 9 年に焼失しまし
た。
明治40年には人車鉄道が軽便鉄道に代わり、大正14年には国鉄が熱海まで開通し来遊客は一挙に急増し
た。昭和9年丹那トンネルが開通し関西方面からも遊覧客が来るようになり、熱海は名実ともに日本を代表する観
光地となった。
昭和12年には市制がしかれ、15年には海岸の埋立てが完成し今日見る市街の形がほぼ整った。泉源の開発も
次第に行われ、大正15年には48であった温泉源地が、昭和5年には87、昭和15年には198に増加した。
熱海全景 大正中期
大湯の大風呂(古屋旅館所有) 戦前
<豆知識>
図譜より少し前、明治 10 年の頃の熱海は、戸数
345、人口 1903 人(男性 981、女性 922)で商業 2.5
割、温泉宿 2 割、漁業 2 割、残りは農業で生計を立て
ていましたが、この頃から温泉客は増加の一途をたどり
ます。
昭和 9 年焼失後、改築された大湯の大風呂です。
昔からの熱海の住民にとっては懐かしい場所で、熱海
町民に心から親しまれていた大風呂です。
やがて支那事変が第2次世界大戦へ拡大してゆくと、熱海の温泉観光都市の面目は全く失われたが空襲だけは
免れることが出来た。昭和25年4月13日に発生した火災は市の中心部をほとんど焼きつくす大火災となった。しかし
これを契機として近代的な街造りが行われ、文字通りの国際観光温泉文化都市の建設が進められた。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
熱海全景
大正初期
初代お宮の松
野中山(現咲見町)よりみた風景です。上の図譜は
逆に野中山を写した写真です。
玉の井旅館から見た熱海
昭和初期
昭和初期
<豆知識>
熱海温泉を有名にしたのが、尾崎紅葉の小説「金
色夜叉」です。明治 30 年から 36 年まで読売新聞に掲
載されました。
古くからあった銘木「羽衣の松」は大正 8 年 8 月、尾
崎紅葉の記念碑建設と共に「お宮の松」と呼ばれるよう
になり、熱海の新名所になりました。なおこの初代「お宮
の松」は昭和 41 年、樹齢 300 年を越え、立ち枯れとな
り新しい松になっています。
<豆知識>
玉の井旅館は海岸通りに面した旅館で現在も盛業
中です。その客室から見た熱海ですが、驚くほど豊かに
湯けむりが上がっています。今でも熱海温泉は湯量の
豊かな温泉場です。
古屋旅館
昭和初期
<豆知識>
木造三階建ての旅館です。のんびりした雰囲気が当
時を忍ばせ、なんとも言えません。
新築前の古屋旅館では明治 14 年、伊藤博文、井
上馨、大隈重信、山県有朋、黒田清隆、五代友厚が
集まり北海道開拓に関する会談をしています。(熱海
古屋会談)
また「明治 14 年の政変」の際には市内冨士屋旅館に
て伊藤博文、大隈重信、黒田清隆の 3 人がしばしば
会談しており、これが世に言う「熱海冨士屋会談」で
す。
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熱海海岸
大正初期
昭和 30 年代
左右の図譜は、ほぼ同じ場所から撮影された熱海海岸です。右の昭和 30 年代の海岸はビーチラインがまだ無
く、海岸線もすっきりしています。
<豆知識>
丹那トンネル開通後、熱海温泉は飛躍的な発展を遂げます。そのため、温泉や土地などの乱開発が進み、以
前は豊富だった湯けむりは無くなり、近代的ビルが並ぶ温泉情緒に欠ける町になっていきました。
昭和30年頃から観光旅行は国民大衆のものとなり、各種団体等の旅行の増加が顕著となり、いわゆる「観光ブ
ーム」の到来を招いたのである。このような客層の厚さに対応しつつ各旅館は娯楽施設・遊園施設・売店部を設ける
など館内の充実を図り、多角経営の方向へ進んでいった。昭和39年 10 月1日に東海道新幹線が開通することによ
り、関西方面からの観光客も一挙に増大した。しかしこのように飛躍的な発展を手に入れた熱海は、同時に温泉の
持つ良さや自然の保護を忘れて、請われるままに大衆の要求に答える形で町造りを進め、環境を破壊してしまった事
は忘れてはならない。
交通便利な環境に恵まれた温泉地熱海が、マンション建設ブームに巻き込まれ、バブル景気に湧いた時代もやが
てバブル崩壊という経験したことのない大不況の時代となり、観光地の灯も一つ消え又一つ消えるという状況から、な
かなか脱皮出来ない時代を過ごしている。しかし今、次世代を担う地元若者を中心に、熱海の原点に戻り、温泉文
化を大切にした街造りを模索する機運が高まっている。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
噏汽館 <熱海風土記 著者 山田兼次 昭和 53 年 9 月発行 伊豆新聞社>
「熱海名主代々手控・抜書」(熱海市立図書館蔵)のなかに、左の文書がある。
噏汽館舗地献納之事
静岡県伊豆国賀茂郡熱海村
持主 今井半太夫
賀茂郡熱海村字本町四百四十五番乙号之内
一 宅地
四畝廿七歩
伊豆国賀茂郡熱海村温泉宅地夥ナリト雖トモ
前書私所有地之儀ハ祖先伝来ノ地ニシテ子孫代々居住罷
在加フルニ源泉之地タルヲ以テ従来元湯ト称シ来リ候
ニ今回宮内省ニ於テ厚キ恩召之程モ被為在
ヲ御建設ノ上
温泉改良ノ御趣意ニヨリ
上ナキ儀ニ御座候
普天下公衆ノ患者ヲシテ疾病ヲ癒サシメシンカ為メ
右地所御入用之趣仄カニ拝承仕
就テハ祖先以来大御代ノ御恩沢ニ浴シ
国恩ニ報シ奉ランカ為メ
仰付置候様仕度
乍恐最上無比之位置タルハ今更喋々ヲ俟タス候然ル
依之
前書宅地四畝廿七歩献納仕度
縮図相添出願仕候
蒸気浴室
少々ノ私共ニ至ルマデ感佩此
無事ニ棲息セシ冥加トシテ万分ノ一タリトモ御
最モ該献納地ニアル温泉ノ義ハ従前ノ通引用被
御聞届被成下候得ハ
家之面目不過之
難有仕合奉存
候 何卒此段御執奏被成下度 謹テ奉懇願候也
明治十六年八月
右
今井半太夫 ㊞
右同人男
今井俊太郎 ㊞
静岡県令大迫貞清殿
噏汽館は、明治十八年(一八八五)三月、開館した。掛りの役員は、取締役今井半太夫、会計掛石渡喜右衛
門、監督日吉六右衛門だった。そして<同館は温泉宿惣体の取締所として、温泉宿を上中下の三等にわかち、等
級に割付、浴客より湯代を請求し、之を噏汽館取締所へ納入する事と改正>した。
坪内逍遥が、明治十九年の暮れ、夫人同伴で熱海に来た時の文章がある。<噏汽館は大湯の傍らにあり。病
客をして蒸気を吸はしめ、諸々の病を治療する所なり。委細は大内青翁の「熱海案内」にあり。構造の宜しきを得た
るは今更いう迄もなし。玉突場、游泳の稽古場等同じ棟続きの所にあり、身の丈を計る器械もあり、其外、力量を
検すべき器あり、肺の勢力を検すべきもあり、注意到れるとたたへつべし>(「旅ごろも」)
石渡要吾(相模屋主人)は、こう語っている。
<噏汽館内部の蒸気吸入法などについて親しく世話をされた最初の医師は、中浜東一郎博士で、一般の者がこ
の噏汽館へ入浴するには、面倒な手続きがあって容易でなかったものです。吸入装置の機械などは皆ドイツから取り
寄せ、それは鋼鉄製の鳥かごのようなものがあり、床下、天上はスチームがこもって、妙なパイプのようなものへ口をつけ
て湯気を吸い込むのでした>(「熱海を語る」)
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大内青巒「熱海獨案内」 <明治 18 年 9 月発行 鴻盟社 (京橋区南鍋町)>
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
豆州歴史通信 <平成 14 年 11 月 1 日発行 豆州研究社歴史通信部>
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温泉を核にしたまちづくり
秋本平十郎・内田勇次「大湯 熱海温泉の歴史」 <昭和 37 年 7 発行 株式会社講談社>
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温泉を核にしたまちづくり
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■ 熱海七湯
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■ 温泉に関する施設・名所
◇ 家康の湯
利用時間
午前9時から午後4時まで
る場合があります。
※悪天候等利用中止にな
大きさ
横 1.7 m 、縦 5.3 m 、深さ 23 cm (9.0 平方メートル)
温 度
約 41℃
泉 質
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性・弱ア
ルカリ性・高温泉)
効 能
きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、動脈硬化症、神経痛、筋肉痛、関節
痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔病、冷え性、病後回復
期、疲労回復、健康増進。
(平成 15 年 9 月 17 日・財団法人静岡県生活科学センター分析済)
間歇泉
4 分ごと約 1 分吹き上げる。
ベンチ部分
天然木使用。大人が 12 人位は楽に座れる。上部に屋根があるので、少々の雨は防げます。ベンチ部
分以外でも十分足湯の利用は可能。
特 徴
間歇泉及び足湯には 100%本物の温泉を供給。
午後 4 時以降に足湯部分のお湯を全て抜き、毎翌朝掃除するので清潔。新湯を再び張り、利用
する“かけ流し”足湯です。
足湯部分の床には足裏刺激が楽しめる小石を貼り付けてあり、歩行浴も楽しめます。
※源泉温度は 68.9 ℃
※足湯利用時間の目安になります。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
◇ 駅前間歇泉
駅前間歇泉は、熱海温泉の玄関口である熱海駅前に名所となるようなモニュメ
ントをということで、昭和51年1月に大湯間歇泉を模して造られました。
富士溶岩を組み重ねた岩山の大きさは、高さ5m、幅6m で、中が空洞になって
いて、この中で噴泉が揚がっています。
間歇泉は、3分毎に1分間鳴動音と共に噴出するもので、噴出したお湯が前の
池に流れ落ちる感じになっており、この池をローマの「トレビの泉」のようにコインを投
げ入れる観光客がいます。
◇ 走り湯
伊豆山は走り湯に源を発します。相模の海に臨む走り湯は日本三代古泉の一
つ。走るがごとくお湯が湧き出し海へ注いでいたため、走り湯と呼ばれるようになった
と伝えられます。「伊豆の国山の南に出づる湯の早きは神のしるしなりけり」と源実
朝が詠んだように明治以前は伊豆山神社の神湯として信仰されていました。奥行
5mの洞窟から今も70度の湯が一日7千トンも湧き出ており、源泉は神秘的な
光景が広がります。
◇ 湯前神社
社伝によれば、天平勝宝元年(749)祭神・少彦名神が、小童に神託し、当
地の温泉の効能を示したといい、里人が祠を建てて、これを祀ったのが当社の創
祀。当初は、大己貴命と少彦名神の二柱を祀っていたという。
当社の鳥居前20mほどの所に、熱海温泉の最初の元湯があり、関東大震災
以前は、猛烈な勢いで噴出していた間欠泉だったという。その元湯の前に祀られた
神社であるところから、湯前神社の名が付けられたという。
◇ マリンスパあたみ
プールでもお風呂でもない、誰もが気軽に熱海の温泉を満喫できる「マリンスパ
あたみ」。高低差約8mのウォータースライダーや流れるプール等温泉プール(水着
着用)でアクティブに体を動かすもよし、16種類の多彩な健康温浴室やサウナ、
入浴施設でじっくりと体を癒すもよし。家族やカップルで一日楽しめます。
◇ 湯まつり・湯汲み道中
江戸時代に熱海温泉の豊富な湯は、四代将軍家綱公の時、真新しい檜の湯
樽に汲み、「御本丸御用」の朱の日の丸旗を立て担ぎ、昼夜兼行で走り 15 時間
かけ江戸城まで運びました。その風景から「熱海よいとこ日の丸たてて御本丸へとお
湯が行く」という唄が生まれ、江戸城の将軍家に献上したとの故事に基づいて行わ
れています。
熱海駅前の間欠泉苑地で湯汲み神事を行い、「熱海ばやし」を先導に熱海芸
者衆や有志が扮した巫女が湯おけを持ち、献湯御輿は若衆たちが担ぎ、これを
守護する裃姿の道中奉行などが市中心街をパレ-ドし湯前神社まで行列しま
す。 毎年 10 月上旬開催
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■ NPO エイミックの取り組み
NPO 法人 健康と温泉フォーラム
- 日本の温泉地再生への提言[33] ―
健康に対する温泉利用の基本的な考え方
内田 實 (熱海) NPO エイミック 理事長
温泉で健康になれるのか、あるいは温泉の泉質により効能効果にどのような違いがあるのであろうか。まだ科学的に充
分証明され尽くしていない現状で、温泉そのものの健康への評価を過大に謳うことはできない。むしろ現段階では温
泉利用は人々に健康に興味をわかせることが出来る大きな引き金になると考えている。温泉利用を通して健康に強く
興味を持ち、食事、運動、呼吸法、入浴といった日常生活のあり方を考え直す時間を持つことが重要である。温泉
利用によって楽しく、精神的安らぎの雰囲気の中で健康法を見につけることが出来ればよいと考える。また温泉利用
施設周囲の環境は温泉と健康を考えるときに重要な問題である。温泉利用の方法については様々な事例があり、
各地区で自分の地方にあった方法を見つけて実践していくことが大切である。
熱海温泉再生に向けて
~NPO エイミックの取り組み~
我々は平成 11 年 5 月に「医療から熱海の活性化を」、「熱海市の医療のネット化」などを目的に熱海メディカルインタ
ーネットクラブを立ち上げた。そして平成 13 年 8 月に特定非営利活動法人エイミックとなり、現在は温泉、健康、街づ
くり等をテーマに活動している。その中で力を注いでいるのが「温泉と街づくり」の問題である。
熱海温泉の原点
慶長 9 年(1604 年)3 月、将軍徳川家康は義直、頼宣の二人の子供を連れて 7 日間熱海に逗留した。以来熱海
温泉は多くの戦国大名の訪れる温泉地となり湯治場として栄えた。明治以降の熱海の温泉地としての繁栄を物語る
エピソードは枚挙にいとまがない。時の要人、軍人、文化人などに愛された熱海はその後 100 年余、経済成長にとも
ない目覚しい発展を遂げた。我国で温泉分析が初めて行われた温泉場が熱海であること(明治 7 年)や、初めての本
格的温泉療養センター「噏汽館」が熱海に建設されたこと(明治 18 年)も、温泉地としての熱海温泉の歴史に華を
添えている。しかし、残念ながら温泉専門家の間では、我国で温泉を大切にしない代表的な温泉地として熱海を上
げる人が多い。熱海はすっかり温泉を忘れたように見えるが、今、市民や観光関連団体の中に原点に戻り、温泉で
町の活性化を図ろうとする機運が芽生えてきている。熱海本来の魅力は温泉と自然である。
住民の健康を目指す
我々が住んでいる静岡県熱海市は温泉を利用した観光地であり、豊かな自然の中で、山海の自然食、温泉浴、海
水浴、森林浴などを実践して健康的に過ごせる要素を持ち、まさに「温泉保養地」として誇れる地域性を有してい
る。しかし平成 12 年厚生省統計局の市町村別生命表の概要によれば、熱海市民の平均寿命は男性 75.9 歳、女
性 83.3 歳で共に県下最下位となっている。平成 6 年の静岡県の患者調査においても人口 10 万人に対する患者数
(受療率)は循環器系疾患の県平均の 1.7 倍を始め、消化器系、呼吸器系、糖尿病なども高く、悪性新生物、生
活習慣病の死亡率も高いという結果が出ている。
当地域は季節を通して多数の人が健康や休養、保養に訪れる。我々は健康の秘訣を来訪者から問われた時に自
信を持って「温泉と自然が豊かな土地柄だから」と言えなければならない。開発されたとはいえ温泉があり、美しい自然
が残っている熱海温泉は、住人も健康的に暮らし、長生きであってほしいと願っているし、そうでなくてはならないと考え
る。我々は熱海を含め伊豆地区が健康的であること自ら証明して見せる必要がある。地域住民において、成人病や
癌で亡くなる方の比率が少ない、医療費が県下で一番低い、要介護の方が少ない、などの事実が内外に向かって
示せたときに胸を張って来訪者を受け入れることができる。すなわち自慢できる故郷造りと住民の健康こそが熱海の活
性化の第一条件と考える。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
温泉を利用した地域住民に対する健康増進施策や取り組みは全国で実践されている。平成 13 年 3 月国民健
康保険中央会が行った「医療・介護保険制度下における温泉の役割や活用方策に関する調査研究」の報告、ある
いは平成 15 年 3 月宮城県保健福祉部薬務課で作成した「温泉の保険的利用の手引き(事例中心)」などに様々
な温泉の利用方法を見ることが出来る。温泉利用により医療費が削減できたという報告に対する評価はここでは行
わない。我々にとって注目すべき事実は、いくつかの事例で純粋に地域住民を対象に始めた健康に対する温泉活用
法が評判を呼び、この施設を訪れる観光客が現れるほどにまで成功を収めていることである。
今後の方向
我国には医療と温泉を結びつけた温泉療法があるが、これをもう少し大きな視野で捕らえると西洋医学以外の医学
や伝統医学を示す代替・相補医療という分野がある。そして「西洋医学」と「代替・相補医療」の良い点を取り入れ、
双方を隔たりなく実践するのが「統合医療」である。例として挙げれば、中国医学(鍼灸・漢方・気功など)、音楽療
法などと西洋医学の融合が「統合医療」である。統合医療は将来の医療の進むべき道を示唆しており、近年のアメリ
カ等では多額の予算を代替相補医療の研究に費やしている。
筆者は熱海を中心に伊豆地区全体を日本における統合医療の拠点と位置付けて、健康産業を発展させたら良いと
考えている。この地域には多くの温泉があり、既に複数の温泉病院が医療に温泉療法を取り入れている。地形的に
は山も海もあり、山型から海型まで様々な統合医療を行う条件が揃っている。東京に近いことも好条件になる。現在
約 444 万人訪れる外国人訪問者の 60%程度が東京に立ち寄ると言われているが静岡県への立ち寄りは約 4%に
過ぎない。多くの休養、保養そして治療目的で訪れる訪問客が日本人・外国人の健康産業関係者で賑わう伊豆を
目指し、温泉療法を中心にした健康産業を地域活性化のために積極的に取り入れたら良いと考えている。医師会
などとも話し合いながらそのための体制作りを早急に進めなければならない。この考えは静岡県で進行中の新静岡空
港建設や富士山麓先端健康産業集積構想にも合致し、また国レベルでの外国人観光客の受け入れにも役立つだ
ろう。
NPO エイミックの取り組み
上記を踏まえ NPO エイミックでは 5 つの核をもって街づくりを実践している。低予算の中で我々の活動には制限がある
が志は大きく持っている。
1. 熱海温泉における温泉療法の実践や病気の人の熱海来訪(旅行)の相談受付として相談窓口を開き、相談
者の希望に答えるべく旅行時の諸問題に対応している。
2. 熱海温泉の「温泉」を見直す作業として、温泉調査を行った。結果は既にデータベース化して NPO エイミックのホ
ームページ上に公開している。
3. 街づくりは人づくりという考えのもと、子供たちの熱海温泉の「温泉」の事をより深く知らしめるために、湯全神社秋
季例大祭に行われる湯まつりに合わせて、熱海温泉や入浴に関する絵画コンクールを始めた。年々応募数が増
加することを期待している。
4. 代替相補医療の良さを知る機会として、湯まつり開催時に無料リフレクソロジー体験コーナーを設置している。ま
た「熱海癒しの宿泊プラン」という担病者を対象にした宿泊プランを作成し、代替医療を無料で受けられる宿泊
パックを実施している。今後は別の形のプランも検討中である。
5. 詳細は省くが温泉を中心にした街づくりに関連して、熱海市に様々な提言を行っている。行政と話し合い、市民
対象の温泉を利用した健康づくりを提案しているが実現していない。
結語
現在までに歓楽中心であった熱海が大きく変貌したという事実は無い。しかしこの何年かの私たちの活動を通して、
徐々にではあるが市民の間に温泉を中心にした街づくりに関しての関心度、注目度が上がっている。
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◇ 温シェルジェ
熱海「温シェルジェ」
○ 創設の目的
温泉と観光のエキスパートを多数誕生させること。熱海独自の温泉入浴指導員を育成し、健 康と温泉に
よる新しい熱海温泉郷の魅力創造につなげる。
○ 創設年月日
平成 17 年 9 月 22 日
○ 名称のいわれ
10 数候補の中から選定。コンシェルジェを文字って、温泉について
広く御案内する人という意 味づけで「温シェルジェ」と命名。
○ 認定機関
特定非営利活動法人エイミック。
○ 認定対象者
静岡県「温泉マイスター養成講座(入門講座)」受講修了者、及び普通救命講習(AED)修了者であり、
NPO エイミックが主催する熱海「温シェルジェ」養成講習会を受講することが条件。
○ 講習会内容
「温泉と観光」、「熱海温泉郷のお土産」、「熱海温泉郷の観光名所」、「熱海温泉郷の特長」、「温泉地に
ふさわしい接客マナー」、「熱海流入浴養生法」の 6 講座 5 時間
○ 認定者数
平成 18 年 3 月 3 日現在、61 人を認定。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
◇ 熱海養生法 湯治プラン(例)
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
温泉を核にしたまちづくり
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ 温泉とまちあるき
◇ 鳴子温泉郷 まち歩きの魅力を高める
温泉郷五つの地区と多様な泉種を楽しめる「湯めぐりチケット」は、商店街での割引や特典が付加されている。宮
城大学や鉄道会社等との連携により、活性化事業として始められた取り組みが、まちを象徴するフレーズ「街を歩けば
下駄も鳴子」として定着。日帰り客等の誘致に繋がった。
◇ 小野川温泉 夢ぐりプラン(湯めぐりプラン)
小野川の温泉旅館と共同浴場のうち 3 カ所が利用できる手形。手
形は地元特産の独楽で、使用後、独楽の色付け体験が無料。
◇ 有馬温泉 温泉地づくり
そぞろ歩きのできる環境づくりのため、世界でも珍しい多泉質温泉の外湯めぐりとして、「太閤の湯」、「銀の湯」と
「金の湯」を別々の場所に整備し、「金の湯」の横に足湯もリニューアル。また、有馬温泉内に多言語表記(英語・中
国語・韓国語)の観光案内サインを設置し、外国人観光客を含む全ての観光客に配慮した情報提供を行っている。
◇ 黒川温泉 様々なお風呂を満喫できる「入湯手形」
黒川温泉では、旅館一つ一つが旅館のお部屋を意味し、通りの一本一本が各々の
お部屋を結ぶ廊下と考える「黒川温泉一(いち)旅館」の理念のもと、24 軒の旅館の
露天風呂に入湯できる『入湯手形』を発行しており、今年で 20 周年を迎えた。この
手形づくりは地域の老人会に依頼する等、地域との密接な関係構築にも貢献して
いる。
◇ 別府温泉 別府ハットウオンパク
別府八湯温泉泊覧会(=オンパク)は、別府八湯地域において温泉を核としたウェ
ルネス産業を起こす事を目的として、地域の資源(温泉、自然環境、町並み、人材
など)を活かした多彩なプログラムを提供する取り組み。これにより、地域にとっては各
種のサービス産業が成長し、旅行者にとっては各種の体験や交流ができる機会が得
られることにより、別府八湯のリピーターや長期滞在化が進んでいる。平成 16 年に
は、NPO 法人ハットウ・オンパクが誕生し、オンパクの事業化に着手。別府路地裏探
検隊
■ 温泉と健康
◇ 鳴子温泉郷 温泉療法で健康づくり
温泉の泉質が他種類にわたる特色を生かし、温泉療法プランとして旅館が企画・実施。温泉療養と鳴子温泉分
院の診療やリハビリテーションの指導を受ける体制を整備。他にも予防医学としてのドック受検に応じる介護ヘルパー
への取り次ぎ等、温泉と医療の連携を図る。
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◇ 湯原温泉郷 温泉指南役・養成事業
陳腐化していた温泉郷、宿泊客も減少。そんななか、温泉の魅力アップ、リピーター客確保のため、温泉の正しい
知識を習得し、お客様に健康的で安全な入浴法を伝える技術を身につけた人材を養成。平成 15 年から始まり、現
在 65 名の指南役が町で活躍。宿泊施設や飲食店の従業員、マッサージ師も参加。
◇ 湯原温泉郷 ホットドックプラン・医療と観光
市営の湯原温泉病院と湯原町旅館協同組合が連携し、人間ドックを組み込んだホテル旅館の宿泊プランを設定。
さらに病院との連携を深めたリハビリプランも開発。
◇ 直入 炭酸泉と健康フォーラム
ドイツ国バートクロツィンゲン市とのローカル国際交流 15 周年記念事業として平成 16
年に実施。貴重な炭酸泉の効能を療養的見地から検証し、温泉療養都市、長湯
温泉の魅力を内外にアピール。
■ 温泉施設の整備
◇ 銀山温泉 温泉街の景観に配慮した環境整備
狭隘な散策路と放置車両により景観が損なわれていたかつての銀山温泉。産・官・学が一体となり、大正ロマン漂う
温泉街を積極的に保全するため検討を重ねた。その結果、尾花沢市が電線の地中化やガス灯の設置、足湯広場
「和楽足湯(わらしゆ)」等の整備を実施し、景観に配慮した環境整備が図られた。
◇ 直入 温泉療養文化館「御前湯」
江戸時代から伝わる名門の湯長湯温泉のシンボル施設として平成 10 年にオープ
ン。当初の予想をはるかに上回る年間 13 万人が訪れる。バートクロツィンゲン市の温
泉館「ビタ・クラシカ」とは国際姉妹施設として提携。
◇ 直入 飲泉場「COLONADA」
ヨーロッパが 600 年以上をかけて育んできた温泉を飲む文化は長湯でも存在した。飲
泉文化の再生をめざして最初に整備された飲泉場がこの「COLONADA」。
56
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
3 歴史・文化を活かした観光
熱海の歴史や、様々な文化にふれることができる熱海の魅力をさらに充実させ集客を図ります。
(1) 歴史と文化の魅力の再評価による集客促進
歴史的・文化的に価値のある有形、無形の資源を保護するとともに、これまで観光資源として認識されてい
ない資源の潜在価値を発掘することで、歴史的な史実や文学者・著名人のゆかりの場所・施設などを巡る周
遊ルート・ツアーの商品化など、新たな歴史と文化の観光メニュー等の開発と PR を推進します。
(2) 文化芸術による市内活性化
歴史的建造物や空きオフィス、空き店舗などを転換し、アトリエやスタジオなどの制作空間を創出します。ま
た、文化産業を担うアーティストやクリエーターを集め、熱海から新しい文化を創造し、国内外に向けて発信しま
す。
(3) 文化施設による集客と利用促進
起雲閣、澤田政廣記念美術館などの文化施設での公演や展示等の情報を、市民・来訪者が容易に入手
でき、気軽に楽しめるようプロモーションするとともに、市内観光施設・文化施設の共通入場券の設定やホテル・
旅館とのタイアップ、旅行商品等に組み込むことを検討し、熱海の文化的な魅力を発信し集客を図ります。
(4) 地域伝統芸能を活用した観光の振興
地域伝統文化・伝統芸能を保存・伝承していくとともに、観光交流客に対し情報提供、交流の場をつくるこ
とにより地域の歴史・文化を紹介し、観光振興に結び付けていきます。
57
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 資料 >
■ 熱海の文化財
平成 18 年 4 月 1 日現在
種類
総数
有形文化財
土木
建造
交通
物
彫刻
絵画
民俗文化財
工芸
書跡
考古
品
有形
記念物
無形
史跡
名勝
資料
天延
記念
物
総数
110
1
4
15
38
17
12
3
文化財保護法
76
1
2
6
37
16
11
2
県文化財保持
9
2
1
1
1
1
8
3
9
1
1
2
後条例
市文化財保護
25
2
7
7
3
条例
(資料) 教育委員会生涯学習課
◇ 国指定文化財
種別
名称
員数
所在地
所有者・管理団体
1
国宝 絵画
紙本金地著色紅白梅図 尾形光琳筆
1双
桃山町26-2
世界救世教
2
重文 絵画
絹本墨画山水図 (伝馬遠筆)
1幅
桃山町26-2
世界救世教
3
重文 絵画
絹本淡彩高士観月図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
4
重文 絵画
紙本著色三十六歌仙切 (兼盛)佐竹家伝来
1幅
桃山町26-2
世界救世教
5
重文 絵画
絹本著色阿弥陀三尊像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
6
重文 絵画
紙本著色岩佐勝以像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
7
重文 絵画
絹本著色八字文殊菩薩及八大童子像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
8
重文 絵画
紙本淡彩四季山水図 海北有松筆
1双
桃山町26-2
世界救世教
9
重文 絵画
絹本著色愛染明王像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
10
重文 絵画
紙本墨画山水図 海北有松筆
1双
桃山町26-2
世界救世教
11
重文 絵画
絹本著色吉祥天曼荼羅図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
12
重文 絵画
紙本墨画諸尊図像
2巻
桃山町26-2
世界救世教
13
重文 絵画
紙本墨画伝法正宗定祖図
1巻
桃山町26-2
世界救世教
14
重文 絵画
紙本墨画九曜星図像
1巻
桃山町26-2
世界救世教
15
重文 絵画
紙本著色仁王経法図像
1巻
桃山町26-2
世界救世教
16
重文 絵画
紙本墨画太元明王図像
1巻
桃山町26-2
世界救世教
17
重文 絵画
紙本著色樹下美人図 (伝トルファン出土)
1面
桃山町26-2
世界救世教
18
重文 絵画
紙本著色洋人奏楽図
1双
桃山町26-2
世界救世教
19
重文 絵画
紙本著色湯女図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
20
重文 絵画
絹本著色釈迦八相図
4幅
桃山町26-2
世界救世教
21
重文 絵画
紙本著色絵因果経断簡 巻第四上(84行)
1巻
桃山町26-2
世界救世教
22
重文 絵画
紙本著色童子曼荼羅図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
23
重文 絵画
紙本白描曼荼羅集
3冊
桃山町26-2
世界救世教
24
重文 絵画
紙本白描星曼荼羅図残闕
1冊
桃山町26-2
世界救世教
58
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
6
歴史・文化を活かした観光
種別
25
重文 絵画
名称
員数
紙本墨画人麿貫之図 岩佐勝以筆
所在地
所有者・管理団体
2幅
桃山町26-2
世界救世教
26
重文 絵画
紙本著色花見鷹狩図 六曲屏風
1双
桃山町26-2
世界救世教
27
重文 絵画
絹本著色風俗十二月図 勝川春章筆
10幅
桃山町26-2
世界救世教
28
重文 絵画
紙本著色雪月花図 勝川春章筆
3幅
桃山町26-2
世界救世教
29
重文 絵画
紙本著色源重之像 (上畳本三十六歌仙切)
1幅
桃山町26-2
世界救世教
30
重文 絵画
絹本著色寒江独釣図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
31
重文 絵画
紙本墨画淡彩白衣観音図 明兆筆
1幅
桃山町26-2
世界救世教
32
重文 彫刻
木造伊豆山権現立像
1躯
伊豆山371-1
般若院
33
重文 彫刻
木造阿弥陀如来及両脇侍坐像
3躯
桃山町26-2
世界救世教
34
重文 彫刻
木造聖観音立像
1躯
桃山町26-2
世界救世教
35
重文 彫刻
木造多聞天眷属立像
1躯
桃山町26-2
世界救世教
36
重文 彫刻
銅造観音菩薩立像
1躯
桃山町26-2
世界救世教
37
重文 彫刻
木造男神立像
1躯
伊豆山708-1
伊豆山神社
38
国宝 工芸品
色絵藤花文茶壷 仁清作
1口
桃山町26-2
世界救世教
39
重文 工芸品
黒漆螺鈿礼盤
1基
桃山町26-2
世界救世教
40
重文 工芸品
鍍金錫杖 木瓜形四鐶付
1枝
桃山町26-2
世界救世教
41
重文 工芸品
黒釉金彩瑞花文碗
1口
桃山町26-2
世界救世教
42
重文 工芸品
白銅水瓶
1口
桃山町26-2
世界救世教
43
重文 工芸品
彩絵曲物笥
1合
桃山町26-2
世界救世教
44
重文 工芸品
雑伎彩絵唐櫃 蓋欠
1合
桃山町26-2
世界救世教
45
重文 工芸品
樵夫蒔絵硯箱
1合
桃山町26-2
世界救世教
46
重文 工芸品
散蓮華蒔絵経箱
1合
桃山町26-2
世界救世教
47
重文 工芸品
山水蒔絵手箱
1合
桃山町26-2
世界救世教
48
重文 工芸品
剣 無銘
1口
伊豆山708-1
伊豆山神社
49
重文 工芸品
十字卍字唐草螺鈿箱
1合
桃山町26-2
世界救世教
50
重文 工芸品
鍋島色絵桃文大皿
1枚
桃山町26-2
世界救世教
51
重文 工芸品
伊万里染付花卉文徳利
1口
桃山町26-2
世界救世教
52
国宝 書跡
手鑑「翰墨城」 (311葉)
1帖
桃山町26-2
世界救世教
53
重文 書跡
紺紙金泥般若心経 後奈良天皇宸翰(伊豆国)
1巻
伊豆山708-1
伊豆山神社
54
重文 書跡
紙本墨書梵埼楚石墨跡 (至正十三年冬)
1幅
桃山町26-2
世界救世教
55
重文 書跡
紙本墨書藤原俊成仮名消息 紙背ニ願文アリ
1幅
桃山町26-2
世界救世教
56
重文 書跡
紙本墨書金光明最勝王経注釈 (飯室切)
1巻
桃山町26-2
世界救世教
57
重文 書跡
紙本墨書方広寺大仏鐘銘 清韓筆
1幅
桃山町26-2
世界救世教
58
重文 書跡
法華経授記品 巻第六 (装飾経)
1巻
桃山町26-2
世界救世教
59
重文 書跡
仏鑑禅師墨蹟 帰雲二大字
1幅
桃山町26-2
世界救世教
60
重文 書跡
古林清茂墨蹟 送別偈 至治元年三月廿日
1巻
桃山町26-2
世界救世教
附沢庵宗彭筆添状
61
重文 書跡
継色紙 (わたつみの)
1幅
桃山町26-2
世界救世教
62
重文 書跡
兀庵普寧墨蹟 尺牘 咸淳壬申春
1幅
桃山町26-2
世界救世教
63
重文 考古
埴輪男子立像
1躯
桃山町26-2
世界救世教
64
重文 考古
三角縁神獣鏡
3面
桃山町26-2
世界救世教
65
天然記念物
阿豆佐和気神社の大クス(来宮神社の大クス)
1本
西山町43-1
来宮神社
59
ATAMI City Tourism Strategy Office
種別
名称
員数
所在地
所有者・管理団体
66
重文 工芸品
色絵金銀菱文茶碗 仁清
1組
桃山町26-2
世界救世教
67
重文 絵画
紙本著色山中常磐絵
12巻
桃山町26-2
世界救世教
68
重文 絵画
紙本著色浄瑠璃絵
12巻
桃山町26-2
世界救世教
69
重文 絵画
絹本著色不動明王二童子像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
70
重文 工芸品
刺繍種子阿弥陀三尊図
1幅
桃山町26-2
世界救世教
71
重文 絵画
絹本著色二美人図 葛飾北斎筆
1幅
桃山町26-2
世界救世教
72
重文 絵画
紙本墨画布袋図 黙庵筆
1幅
桃山町26-2
世界救世教
73
重文 絵画
木造阿弥陀如来立像
1幅
桃山町26-2
世界救世教
74
建造物
旧日向家熱海別邸地下室
1棟
春日町8-37
熱海市
◇ 県指定文化財
種別
名称
員数
所在地
所有者・管理団体
1
絵画
紙本水墨山水図 狩野之信筆
1幅
下多賀576
西島健介
2
彫刻
銅造走湯権現立像
1躯
伊豆山708-1
伊豆山神社
3
彫刻
木造宝冠阿弥陀如来像及び脇侍像
3躯
伊豆山579ー37
伊豆山浜生活協同組合
4
工芸品
梵鐘 (嘉吉三年銘)
1口
泉136
保善院
5
書跡
紺紙金銀字交書仏説無所き望経
1巻
伊豆山708-1
伊豆山神社
6
考古
伊豆山経塚遺物
1括
伊豆山708-1
伊豆山神社
7
無形民俗
来宮神社鹿島踊
西山町43-1
来宮神社鹿島踊保存会
8
天然記念物
熱海の大モガシ
1本
和田浜南町1368
ライズステージ
9
天然記念物
熱海のナツメヤシ
1本
銀座町1-16
ニューフジヤホテル
◇ 市指定文化財
員数
所在地
1
建造物
種別
起雲閣(旧内田信也及び根津嘉一郎別邸)
名称
4棟1門
昭和町4-2
熱海市
所有者・管理団体
2
建造物
湯前神社石鳥居
1基
上宿町4-8
湯前神社
3
建造物
湯前神社石燈籠
2基
上宿町4-8
湯前神社
4
彫刻
木造狛犬
2躯
伊豆山708-1
伊豆山神社
5
彫刻
木造男神・女神像
2躯
伊豆山708-1
伊豆山神社
6
彫刻
木造地蔵菩薩像
1躯
伊豆山土沢951
土沢隆雄
7
彫刻
銅造延命地蔵菩薩像及脇童子像
3躯
伊豆山日金1151
般若院
8
彫刻
銅造延命地蔵菩薩像
1躯
泉136
保善院
9
彫刻
石造三十三所供養観音像
1括
網代542長谷寺
善修院
10
彫刻
木造役行者倚像
1躯
伊豆山708-1
伊豆山神社
11
歴史資料
有馬玄蕃石場の標識石
1基
下多賀1494-1
下多賀神社
12
民俗文化財
初木神社鹿島踊
初島5
初木神社鹿島踊保存会
13
民俗文化財
阿治古神社鹿島踊
網代181
阿治古神社鹿島踊保存会
14
民俗文化財
多賀神社鹿島踊
上多賀741-1
多賀神社鹿島踊保存会
15
民俗文化財
下多賀神社鹿島踊
下多賀1366
下多賀神社鹿島踊保存会
16
民俗文化財
今宮神社獅子神楽
桜町3-29
今宮神社獅子神楽保存会
17
民俗文化財
和田木神社獅子神楽
和田木61
和田木青年会
60
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
種別
名称
員数
所在地
所有者・管理団体
18
民俗文化財
下多賀神社水浴せ式
下多賀1366
19
史跡
大湯間歇泉跡
上宿町440-3,7
熱海市
20
史跡
走湯温泉跡
伊豆山604-5
伊豆山走湯温泉組合
21
史跡
日金の伝三仙人塚
日金山1151
般若院
22
天然記念物
今宮神社社叢
桜町3-29
今宮神社
23
天然記念物
伊豆山のバクチノキ
1本
伊豆山579-1
湯原二郎
24
天然記念物
湯前神社のクスノキ
1本
上宿町513
湯前神社
25
天然記念物
和田木のフジ
1本
下多賀162-2
川口公男
26
天然記念物
下多賀神社社叢
下多賀1366
下多賀神社
27
天然記念物
土沢のオオムラサキ
伊豆山土沢951
土沢隆雄
1本
下多賀神社水浴せ式保存会
◇ 登録文化財
種別
名称
員数
所在地
所有者・管理団体
1
土木・交通
観魚洞隧道
1基
熱海1993-2
熱海市
2
建築物・住宅
平井家住宅主屋
一棟
網代106
平井賀子
3
建築物・住宅
平井家住宅脇門
一棟
網代106
平井賀子
◇ [国指定 天然記念物] 阿豆佐和神社の大クス(来宮神社)
昔は一本の幹をなしていたが、明治維新の頃に木材利用のため基部に近い中央
の一部を切り取り、ニ幹に分離したものだという。
ニ幹の根元総周囲は約 15.65 メートルある。北幹の根元周囲約 14.7 メートル目
通り幹周囲約 15.65 メートル、南幹の根元周囲約 10.85 メートル、目通り幹周囲約
8.25 メートルである。
昭和 46 年 8 月 31 日台風 23 号来襲の際、南幹が倒壊した。
◇ [国指定 建造物] 旧日向家熱海別邸地下室
「旧日向別邸」は、温泉保養地として栄えた熱海の歴史を今に残す、貴重な建
築物です。
昭和9年に建てられたこの別邸は、貿易などで財を成した「日向利兵衛」が建てた
別邸でしたが、日向氏の死後長い期間、民間企業の保養所として利用されていまし
た。
地上2階地下1階、雄大な相模湾を望む傾斜地に建つこの別邸の1番の見所
は、世界的に有名な建築家ブルーノ・タウトによる地下部分の内装の素晴らしさで
す。
桂離宮や伊勢神宮の美しさに心を打たれたブルーノ・タウトが、日本の伝統的な
建物や風土を意識して設計したもので、竹や桐を豊富に使用し、和と洋の融合が図
られた見事な造りとなっています。彼がてがけた日本の住宅としては、唯一現存するも
のです。
61
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ [県指定 無形民俗] 来宮神社鹿島踊
鹿島踊は、もと常陸国鹿島神社に起こったもので「みろくおどり」といわれ、その地
方の氏子達が神に奉仕する楽しい集いとして行われたものである。
「みろく」とは仏教語で、未来に出現する仏の意で、念仏踊の系統に属する。この
踊りが奈良・平安時代から今日まで伝承されていることは、郷土舞踊として誇るべき
ことである。
この踊りの歌曲は常陸国鹿島地方から相模・伊豆へと海路舟によって伝わってき
たものと考えられる。
◇ [県指定 天然記念物] 熱海の大モガシ
根廻り 4.5 メートル、樹高 25 メートル、枝張り東西 20 メートル、南北 23 メートル。
とくに根張りが拡張して枝根を現す。
日本の西南部に生ずる高木で、分布上北限に近く、この地方では有数の巨木で
ある。
◇ [県指定 天然記念物] 熱海のナツメヤシ
樹高 15 メートル、根廻り 1.8 メートル、メスの木。
原産地はイラン、イラク、北アフリカの乾燥地帯で、日本では生育しにくいが、熱海
の温暖な気候によって、野外に百余年育ち続けている。
フェニックスの仲間では、唯一の食用種で、実は甘味が強い。
1971 年、イランからオスの木の花粉をとりよせ、人工授粉に成功して結実をした。
62
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
■ 熱海の文化施設
◇ 起雲閣
63
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 旧日向別邸(ブルーノ・タウト熱海の家)
64
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
◇ 池田満寿夫・佐藤陽子 創作の家
65
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 澤田政廣記念美術館
66
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
◇ 杉本苑子旧居「彩苑」
彩苑は、「孤愁の岸」(直木賞)・「滝沢馬琴」(吉川英治文学賞)等の作品で知
られる歴史作家杉本苑子氏によって昭和52年に建てられました。当初、別荘として
利用していましたが、昭和55年からはこの家に居住し、平成7年に市内に新居を建
てるまでの約15年間をこの建物のなかで執筆されました。
館内は杉本氏の作品をはじめ、熱海市にゆかりのある文化陣の作品や日用品等
を展示しています。
杉本氏は、平成9年に2人目の熱海市名誉市民として顕彰され、平成14年に
文化勲章を受章されました。
◇ 中山晋平記念館
中山晋平記念館は大正初期から大衆音楽の普及に大きな足跡を残した著名な
作曲家「中山晋平」の別荘を西山町より梅園内に移築し、一般公開しています。
中山晋平は昭和19年、第二次世界大戦がはげしくなったのを契機に東京都中
野区より熱海市に移住し、昭和27年に亡くなるまで居住していました。
館内には、作曲に使用したピアノや、直筆の譜面、当時のレコードなど貴重な物
が展示されています。
◇ 坪内逍遥旧居「双柿舎」
シェイクスピアの翻訳家としても有名な明治の文豪「坪内逍遙」が、大正9年から
昭和10年に亡くなるまでの15年間を過ごした住居です。
庭にある2本の柿の古木から双柿舎の名がつけられました。門の扁額は会津八一
の筆によるものです。また、毎年2月28日の命日には逍遙を偲ぶ記念祭が行われま
す。
◇ 佐佐木信綱旧居「凌寒荘」
国文学者としてまた歌人として知られた佐佐木信綱。熱海の風光を愛し、来宮
神社を少し上がったところに居を構え、生涯を終える20年間を過ごしました。
「凌寒荘」は友人徳富蘇峰の命名によるものです。竹柏会の建てた信綱の歌碑
があります。
67
ATAMI City Tourism Strategy Office
■ 熱海の文化資源・歴史資源
◇ MOA 美術館
熱海駅の背後の山の手、桃山台の丘陵地7万平方mを占める、瑞雲郷の中に
建てられたMOA美術館。
まわりの風景を損なわないよう、入口から本館への連絡は、地下エスカレーターで
通じるよう配慮されています。
MOA美術館には、国宝として尾形光琳筆『紅白梅図屏風』、野々村仁清作
『色絵藤花文茶壷』、手鑑『翰墨城』の3点をはじめ、日本・中国を中心に絵画、書
跡、彫刻、工芸等の名品が3千余点収蔵されています。
◇ 熱海城
熱海城は海抜160m、名勝錦ヶ浦を脚下に控えた天与の要害地にあり築城に
は最適の地とされ、戦国時代の昔、小田原北条氏の名将たちも築城を希望しなが
ら果たし得なかったと伝えられています。天守閣は桃山時代の様式にのっとり、外装
五層、内部9階の高層建築で昭和34年に築城されました。
内部は、天守閣展望台をはじめ、甲冑武具・刀剣などを展示する「武家文化資
料館」や日本のお城に関する様々な展示をする「日本城郭資料館」など、各階ごと
に色々と楽しめる展示物がたくさんあります。また、3月~4月にかけては200本余り
の桜が咲き乱れ「桜の名所」として大変華やかです。
◇ 戸田幸四郎絵本美術館
海と緑に囲まれた素晴らしい景色の中に、”自然との共生”をテーマにした戸田幸
四郎絵本美術館があります。館内には戸田氏がこれまで手掛けてきた太宰治の「走
れメロス」や「あいうえおえほん」など、数々の見応えあるロングセラー作品の原画が展
示されています。
また、ゆったりとした建物に、一日のんびり絵本を見ながら過ごせるガーデンや自然
派レストランなど、落ち着いた雰囲気の中で時間を忘れくつろいで頂けます。
◇ 来宮神社
願うと福が「来る」と信じられている来宮神社。家内・交通安全・商売繁盛をはじ
め、年・星の厄除けなど。境内にそびえ立つ樹齢二千年の大楠の生命力に肖り、長
寿・病気平癒・健康祈願のお参りをする参拝者が後を絶ちません。
また大楠は通称「成就の楠」とも言われ、願い事を一つだけ願い、幹を一周すると
願いが叶うと言い伝えられ、「縁結びの木」としても有名です。また古くから「断ちもの」
の信仰を集めており、要望の方は禁酒・禁煙・禁賭事など神前で誓うことが出来ま
す。(誓う間は一ヶ月から)
68
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
◇ 熱海芸妓見番
芸妓衆が厳しいお稽古をする場所「芸妓見番」。毎週土日は、ここを会場に「湯
めまちをどり華の舞」を開演しています。普段はなかなか見ることのできないプロの踊
りをご堪能下さい。着物の着こなし、振る舞い、ため息ものの美しさです。 平日は
練習も見られます。(要問合せ)
※毎年 4/28・29 には「熱海をどり」を開催します。
69
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 伊豆山神社
かつては修験道の霊場として栄え、さらに頼朝と政子のロマンスでも有名です。流
人・頼朝は伊豆山権現の住僧覚渕に学び、やがて北条政子と劇的な出会いを果た
します。治承2年の夏、北条政子は親の定めた山木兼隆との縁談を嫌い、婚礼の
夜、宴席を抜け出し約七里の道のりを超え、かねて想いを寄せていた伊豆山の頼朝
の元へ。頼朝は政子を逢初橋の上で出迎えたと言います。頼朝が鎌倉幕府を開い
た後にも、伊豆山神社は源頼朝と政子に崇拝されました。僧兵3800人を有し、絶
大な勢力を誇りました。江戸時代には伊豆大権現と呼ばれ、徳川家康も参拝に訪
れています。
◇ 般若院
真言宗の古刹、般若院。平安時代、日金山の霊峰を背景に山伏、修験道の霊
験場として発展した伊豆山権現には天台・真言の二宗が進出し、神宮寺として存
在していたことは「吾妻鏡」「太平記」などによって知ることができます。般若院は伊豆
山権現の別当、今で言う市長としてその地位を誇っていたと言います。その般若院に
は、高さ53cm 程の木彫りの伊豆山権現像があります。残念ながら、今では拝観で
きませんが、鎌倉時代に発達した肖像彫刻をもっともよく表した代表的な彫刻とし
て、国の重要文化財になっています。笑った豊満な顔、その目元から口元へかけても
柔和さが漂う。体全体がまるまるとした円満さをたたえています。
◇ 伊豆山郷土資料館
熱海市立伊豆山郷土資料館は、伊豆山神社の宝物を中心に伊豆山地区に伝
わる、郷土資料を展示しています。
特に、県指定文化財の走湯権現立像や宝冠阿弥陀如来像など、 往時の信仰
を考えるうえで貴重な資料を展示しています。
また、「頭髪曼荼羅」(複製展示)は、源頼朝の夫人北条政子が、正治2年1月
13日頼朝の一周忌の日に、自らの髪の毛を除髪してこれを刺繍し、伊豆山権現の
法華堂の本尊として阿字一幅を奉納したと鎌倉幕府の記録著「吾妻鏡」に記録さ
れている蔓荼羅です。
◇ 長谷観音
この長谷観音は大和と鎌倉の長谷観音と同じ木から行基が 3 体作ったといわれて
おり、故に一木三体観音と伝えられています。始めは海岸の屏風岩の洞窟に安置さ
れていましたが、善修院の開祖が現在の所にお堂をたて安置しました。
◇ 福泉寺
肩から上だけの珍しい陶製の釈迦像は、名古屋城主徳川光友公が亡き母を弔う
ために造ったと言われるもの。もとは名古屋城内に安置されていましたが、戦後、福
泉寺に奉納されました。(
70
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
■ アートガーデンフェスティバルの取り組み
71
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ 文化施設の整備
◇ 三国湊 観光拠点「三國湊座」
港町として栄えた三国湊は豊富な地域資源がありながら個別に事業展開し、全国的
には印象、魅力が希薄だった。そこで、地域ブランドの創造を目指し活動を続けてきた
地元有志らが「三国湊魅力づくりプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、まず名勝「東
尋坊」の知名度を活かし、「歴史・文化」「自然」「味覚」の地域資源を組み合わせた
町中散策ツアーやクルージングツアーを実施。さらに、全ての観光資源を一体化して PR
するため、市民団体が木材倉庫を改装し、賑わいを創出し観光拠点となる「三國湊
座」をオープンさせた。訪れる観光客への各ツアーの受付、甘味処や名産・物産販売の
ほか、芝居など文化イベント等も発信。プロジェクト委員会の地道な活動が功を奏し、
三国湊の新たな観光拠点が町全体に賑わいを与え始めた。
◇ 富士河口湖 西湖いやしの里「根場」
エリア内の新たな交流拠点を創出するため、昭和 41 年に台風の影響による山腹の大
崩壊で被災し消失した根場地区の“茅葺き民家群”を再現するべく、町が平成 15 年
から着手。平成 18 年に第 1 期オープン。個々の建物では、地域文化や伝統工芸の体
験、地場産品の買い物、食事などが可能。
◇ 足助 三州足助屋敷
失われつつあった山里の自給自足の生活文化とづくりの技を保存継承しようと、「生き
た」民俗資料館を町が建設。手仕事を実演するお年寄りの姿や、高齢者の知恵と技
術を受け継ぐ若者の姿をることができ、当初の予想を超える入館者で入込客の通年
化に寄与。
◇ 長浜 旧家の修復
18 世紀はじめの町家を修復し、広域観光の情報発信基地、長浜の町家観光拠点、観光客の休憩場所、観光客
が気軽に立ち寄れる案内所として整備・活用。
◇ 呉 呉市海事歴史科学館「大和ミュージアム」
平成 17 年 4 月オープン。日本の近代化の歴史そのものといえる「呉の歴史」と造船、
製鋼をはじめとした各種の「科学技術」を先人の努力や当時の生活・文化に触れなが
ら紹介。館内では市民ボランティアスタッフがガイドを務め、地域全体で館の運営を支え
る。平和や科学の学習素材として、近隣の体験学習施設等と連携し、教育旅行の誘
致にも取り組む。
72
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
◇ 萩・津和野 萩まちじゅう博物館
「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」萩。城下町をしのばせる城跡や武家屋敷、
町家などが点在し、まち全体がまるで「屋根のない博物館」のようである。まちじゅうを博
物館としてとらえ、この都市遺産を大切に保全・活用し、訪れる人への心からのおもて
なしを推進する「萩まちじゅう博物館条例」が制定され、それを実践する「NPO 萩まちじ
ゅう博物館」が発足。この NPO は、文化遺産の調査を行う「都市遺産部会」、文化財
にまつわる歴史を調べる「サテライト部会」、ガイドの向上などを進める「外国語ガイド部
会」「まち博ガイド部会」などが萩博物館を核として活動を展開。正月飾りづくりや昔の
遊び体験イベントなどを行う。観光客や市民から寄せられた信託金で、文化財等の保
全を行う「ワンコイントラスト運動」では、鉄道の父として知られる「井上勝旧宅門」を完
成させた。
◇ 山口 「アートふる山口」~街がまるごと美術館に!~
室町時代、西の京と謳われた山口。その大内文化を代表する瑠璃光寺や雪舟庭に始まり明治維新に至るまでの歴
史を物語る宝物(歴史遺産)を山口は多く抱える。しかし、大切な歴史が失われつつあると危機感を持った青年会議
所が中心となり、地域に残るお宝、各家に残るお宝を市民、特に若者が再発見、再認識することを目的としたイベン
ト「アートふる山口」を開始。お宝を繋ぎ情報発信することから始まったこのイベントも、今では市民が主体となった地
域を代表するイベントとして定着。平成 18 年には国民文化祭「街なか生活文化祭」のメイン舞台に至るまでに。平
成 17 年からは、いつでも展示が楽しめる「いつでもアートふる山口」を開始。企画展示を季節ごとに行うなど、年中楽
しめる取り組みへと発展。
◇ 内子 内子座イベント
大正 5 年 2 月(1916)大正天皇即位を祝い創建された内子座は、老朽化により取り
壊される予定であったが、町並み保存活動とともに保存気運が高まり、昭和 60 年に大
正期そのままの姿で復元。現在では年間 7 万人が見学し、実行委員会開催の文楽・
歌舞伎や、劇団やアーティストによる劇場使用で年間 80 日、16,000 人余が活用。
◇ 門司港 歴史的建造物の活用
門司港では、多数存在する海運会社のビルや料亭を、居酒屋やカフェ、旅館等に改築し、再活用。建物の周囲を
取り巻く煉瓦造りの防火壁・うだつが印象的。室内の大黒柱や梁が全て無節の一級品である大正 10 年建築の旧
岩田酒店も、現在はイベントホールとして保存・活用。
◇ 長崎 出島
鎖国時代は西洋に開かれた唯一の窓口として、日本の近代化に大きな役割を果たした「出島」。その歴史的価値を
残そうと、出島復元事業が進行している。10 棟の建物が完成し、19 世紀初頭の町並みが姿を現した。
73
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 竹富島 旧与那国家の改修
竹富町の指定文化財である旧与那国家住宅の改修に合わせて、同住宅周囲の石
垣や豚小屋付便所の修復を島民総動員で行った。これにより島民の自分たちの文化
財の保存、維持管理への意識の向上が図られた。この施設を活用した島の古老によ
る生活体験プログラムを行っていくことで、若い世代の島民への文化の継承を図る。ま
た、観光客にもこのプログラムに参加してもらうことで、竹富島の文化とその保存の大切
さを理解してもらうことを目指している。
■ 文化芸術活動
◇ 函館 市民創作「函館野外館」
五稜郭商店街の活性化策として、フィリップ・グロード神父の提唱で始められた市民創
作野外劇。特別史跡五稜郭を舞台に、函館の史実を題材として毎年 1 万人以上の
市民が参加。近年、旅行会社がツアー商品を組み観光資源として定着。商店街のみ
ならず、函館の重要な観光イベントに発展。
◇ 草津温泉 草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル
音楽家や町民をはじめとする聴衆からの熱心な支持により新たに定着した文化事業。
世界的な音楽家を講師に招いての音楽アカデミーは、世界一級のザルツブルグやアス
ペンにも劣らないとの評価。
◇ 別府温泉 音泉タウン実行委員会
実行委員会は、音楽活動を通じて別府市の目指すONSENツーリズムの「音楽のあ
ふれるまちづくり」に寄与することを目的とし、市民、音楽関係者、学生などで構成。別
府駅周辺での音楽イベントを支援。
◇ 国際通り周辺 文化交流の拠点づくり
沖縄観光コンベンションビューローは、沖縄の伝統・文化・芸能を活用した地元の子供
達と家族旅行等で沖縄を訪れた子供達との交流プログラムを開発、実施。この活動が
きっかけとなり、個人レベルで県民と県外者との交流が広がることによって、沖縄への来
訪者が益々増加することを期待している。
■ 伝統芸能
◇ 熊川宿 てっせん踊りの復活と伝統芸能の継承
平成 10 年、京都「一乗寺郷土芸能保存会」との交流をきっかけとして、熊川宿の伝
統芸能であった「てっせん踊り」を 80 年ぶりに復活させた。これを契機に住民主体による
「熊川宿伝統芸能保存会」が発足し、熊川宿の伝統芸能を保存・継承するとともに、
宿場町の賑わいを創出。
74
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
歴史・文化を活かした観光
◇ 飛騨古川 祭文化と伝統の承継
屋台を中心にした台組により、約 5 万人の入り込み客のある勇壮かつ盛大な飛騨古
川祭の文化と伝統を維持。祭に必要な屋台や提灯をはじめ、観光協会が企画した
「三寺まいり」に欠かせない和ろうそく等、市民の手により飛騨の匠の技を今に承継。
◇ 平田 一式飾り~伝統芸能の保全と活用~
日常生活用品で歌舞伎や動物などの見立て細工を作る、一飾り。この平田独特の民
俗芸能は、地域の有志により伝統継承の取り組みが図られ、本木佐家の旧宅(本陣
宿)を移築した平田本陣記念館などで、観光資源として活用されている。
◇ 日田 「おひなまつり」発祥の地
旧家の雛道具を公開した「天領日田・おひなまつり」は、一戸の旧家から始まった。現
在では、十数か所の旧家が 2 月から 3 月に一般公開、伝統的建造物群と一体化した
観光資源に。
◇ 飫肥 泰平踊(郷土舞踊)の披露
泰平踊は、飫肥に元禄の初めより伝わる郷土舞踊で、本町組(亀組)、今町組(鶴組)の 2 つの保存会により保存・
伝承。観光客や地域住民の声に応え、ボランティアで泰平踊を披露。
◇ 竹富島 伝統文化の継承
先祖から脈々と伝わる、竹富島独自の三味線や方言等の文化を来訪者との交流の
ひとつの材料とすることで、島の活性化につながると考えている。このため、各種講座等
を設け、主に島の子供達への伝統文化の継承に努めている。
75
ATAMI City Tourism Strategy Office
4 スポーツによる観光振興
熱海の海・山のフィールドを最大限活用したスポーツを振興し、その取り組みにより集客を図ります。
(1) スポーツをテーマにした観光拠点の整備
小山臨海公園の総合運動公園化、市民グラウンドや姫の沢公園スポーツ広場の拡張や充実、合宿などに
対応できる宿泊施設の整備により、スポーツによる集客を図ります。また、南熱海地区を中心にマリンスポーツや
スカイダイビング・パラグライダーなど空をフィールドにしたスポーツの拠点づくりを目指します。
さらに、サンビーチや新長浜海水浴場では禁煙ビーチ化を前面に PR するとともに、ビーチバレー・バスケットコー
ト、スケートボードなどの常設コートを整備し、通年楽しめるビーチとして整備します。
(2) まちをフィールドにしたスポーツの振興
魅力的なまちづくりの整備とあわせてまち全体をフィールドとして、誰でも気軽に楽しめ、まちの魅力を体感でき
るウォーキングやハイキングなど競技場のいらないスポーツを推進します。
76
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
スポーツによる観光振興
< 資料 >
■ スポーツ施設
●5
★3
パラグライダー
●3
★2
■姫の沢公園スポーツ広場
◆2
◆1
★1
■2
スキューバダイビング
★4
●2
■市民グラウンド
スキューバダイビング
パラグライダー
ウィンドサーフィン
●1 ■1■マリンホール
★5
●4
◆4
◆3
[テニス]
[ゴルフ]
[マリーナ]
[ハイキングコース]
●1 小山臨海公園テニスコート
◆1 熱海 GC
■1 熱海マリーナ
★1 西山石仏の道
●2 自然郷テニスコート
◆2 西熱海ゴルフ場
■2 スパマリーナ
★2 岩戸山~伊豆山神社
●3 フェニックステニスコート
◆3 大熱海国際 GC
★3 日金山~伊豆湯河原
●4 藤哲干物テニスコート
◆4 伊豆大仁 CC
★4 玄岳
●5 紀州鉄道
★5 朝日山
●6 湯河原ラケットクラブ(会員制)
77
ATAMI City Tourism Strategy Office
■ スポーツイベント
◇ 湯らっくすマラソン大会
毎年、日本全国から約 3,000 人が参加するこの人気のマラソン大会は、高低差ゼ
ロメートルの道路「熱海ビーチライン」で繰り広げられます。
コースは 2km・5km・12km で、男女別、年齢別に合わせて 17 部門あり、制限時間
は 5km→40 分、12km→90 分、2km・ファミリーの部→20 分で、各部門(ファミリーの
部を除く)1~6 位までを表彰、その他、特別賞、参加者全員に参加賞(Tシャツ)、
完走者全員(制限時間内)に完走証を交付します
◇ 初島・熱海間団体競泳大会
海国日本のシンボルとして伝統に輝く本大会は、栄えある文部科学大臣杯を受
賞しています。
1 チーム泳者 3 人、指揮者 1 人による団体競泳で、8/4 正午に初島港を一斉に
スタートし、ゴールの熱海サンビーチを目指します。各チームとも泳者は 10m 以内を集
団で泳ぎ、制限時間は 4 時間です。泳者 3 人のうち 1 人でも落後者を出すか、制
限時間内にゴールできなかったチームは失格となります。(出場チームには 1 艇ずつ審
判船がつきます)
◇ 熱海ビーチバレー選手権大会
アタミサンビーチを会場に、高校生以上のオープン参加のビーチバレーボール大会
を毎年 8 月に開催。
◇ ゴルフカーニバルアタミ
4 月~7 月間の平日、熱海温泉の旅館組合・寮保養所協会加盟の宿泊施設に
ご宿泊の方を対象にで「西熱海ゴルフ場」を会場に、キャディー付き・乗用ゴルフカー
利用の快適ゴルフプレーがお楽しみ頂けます。
参加者全員にロゴマーク入りゴルフボール(2 個)プレゼント!さらに曜日によって特
典が追加されます。もちろん!「北海道ゴルフツアーペアご招待」・ゴルフセット等の豪
華賞品を多数ご用意しています!
また今回も「芸者さん・コンパニオンさんと一緒にゴルフプレープラン」を実施、その
他、レディースデー・シニアデー・日帰り参加デーもあります。
78
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
スポーツによる観光振興
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ スポーツイベント
◇ 隠岐 とって隠岐ツーデーウォーク
平成 15 年に隠岐島前地域で新内航船が就航したことを記念し、隠岐の魅力発
信、交流人口の拡大を推進することを目的とした「とって隠岐ツーデーウォーク」を開
催。地域住民がボランティアスタッフとして運営協力する等、地域挙げてのイベントとし
て定着。平成 17 年からは、島後地域のコースをオプション企画として加え、隠岐の島
全域が連携した取り組みに。
◇ 四万十川 四万十川水泳マラソン・カヌーマラソン
「四万十川の鮎と一緒に泳いでみませんか」をキャッチフレーズに「四万十川」を泳ぎ
下る水泳マラソン(主催:四万十市体協)等の各種イベントは、自然保護の啓蒙と、
健康な人づくり、地域の活性化と交流促進を目的に開催。先見的な「健康と観光」
を両立させる取り組みで「四万十川ファン」は増大。
■ スポーツによる交流
◇ 草津温泉 盛んなスポーツ交流
スキー、ツール・ド・草津、サッカーフェスティバルなどスポーツを通した交流が年間を通
して盛んであり、中でも全国の少年・少女等、約 100 チームが参加するサッカーフェス
ティバルは 15 回を数える等、活発な地域交流を実施。
◇ 綾 スポーツ合宿交流の里づくり
地域の活性化と青少年の健全育成のため「スポーツランド綾」を掲げ、積極的にスポ
ーツ合宿を受入。平成 17 年 4 月には、綾産材の杉を利用した多目的屋内施設
「綾てるはドーム」( アリーナ面積 4,800 ㎡ )を建設。合宿チームは、サッカーJリーグ
3 チームを始め、野球、バレーボール、ハンドボールなど年間 200 団体を超え、見学
者も増加し、商店街活性化にも寄与。
79
ATAMI City Tourism Strategy Office
5 イベントの創出と展開
観光イベントの魅力アップや民間が行うイベントや様々な取り組みを支援することにより、新たな賑わいを創
出し、四季を通じて集客を図ります。
(1) 熱海らしい、オリジナリティあふれるイベントの開催促進
観光イベントを集客力向上と魅力アップの視点で再活性化を図るため、イベントの集客力・内容を分析し、
効果的なイベントは重点的に実施し、効果の少ないイベントについては廃止も含めた見直しを検討するなど、よ
り計画的かつ効果的な展開に努めるとともに、市民が主体となったイベントや民間企業などが主体のイベントへ
の開催支援等を充実させることで、熱海でイベントが開催しやすい環境づくりを関係機関と連携して進めます。
また、比較的集客力の弱い 4~6 月の春季、9~11 月の秋季をターゲットとした新たなイベントの創出を図り、
四季を通じて市民や観光交流客で賑わっている熱海を演出します。
(2) グリーンツーリズム、ブルーツーリズムの推進
姫の沢公園周辺の森林を活用した体験メニューやネイチャーガイド導入などについて検討するとともに、広葉
樹の植林を推進します。また、みかん狩り等収穫を楽しむ観光農園やオーナー制度の導入など体験型農業へ
の取り組みを支援します。
さらに、ヨット・スキューバダイビング・ウインドサーフィンなどのマリンスポーツの振興や、磯遊び・海釣り体験など
の豊かな海岸線を活用したブルーツーリズムの取り組みを支援します。
(3) 市民によるイベントサポートシステムの確立
イベントの開催には、多くの人材が必要となることから、イベントサポーター登録制度など、市民のイベント運営
への積極的な参画を促す仕組みを検討します。
また、サポートシステムを成功させるためには、協力者に熱海が目指す共通イメージ・将来像を共有してもらう
ことが不可欠であることから、人材養成への取り組みにも力を入れます。
80
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
< 資料 >
■ イベント一覧 (平成 19 年分)
日 程
行 事 名
場 所
備 考
回数
年間(毎週土・日)
湯めまちをどり「華の舞」
芸妓見番
1/14~3/11
熱海梅園梅まつり
熱海梅園
63
1/17
尾崎紅葉祭
お宮の松
65
1/27
市民駅伝
市内
3
2/1~3/31
熱海桜ライトアップ
サンレモ公園
2/9~10
湯前神社春季例大祭
湯前神社
2/28
坪内逍遥忌記念祭
起雲閣
3/3~4
多賀わかめまつり
長浜付近
3/11
湯らっくすマラソン
熱海ビーチライン
3/17~7/13
アタミアートガーデンフェスティバル
熱海市内
3/24~4/上旬
桜並木ライトアップ
千歳川 東海道新幹
線ガード下付近
4/1
丹那神社例大祭
丹那神社
4/2~7/31
ゴルフカーニバルアタミ
西熱海ゴルフ場
29
4/5
丹那トンネル感謝祭
丹那トンネル熱海口
上
30
4/14~4/16
伊豆山神社例大祭
伊豆山神社
4/20
撥扇塚供養祭
大乗寺
16
4/21
伊豆半島花&てくもぐウォーク
市内
7
4/22
春季熱海海上花火大会
熱海湾
4
4/29
あじろ浜市そらこい祭り
網代港
5
4/28~29
熱海をどり
芸妓見番
18
5/1~5
初島ところてん祭り
初島
32
5/5
伊豆湯河原温泉鯉のぼりまつり
泉公園
5/3・4
ふれあい産業祭り
親水公園
5/14
走り湯神社例大祭
走り湯神社
5/20
春季熱海海上花火大会
熱海湾
5/26
湯かけまつり
泉公園
5/下旬
盆栽展
観光会館展示室
熱海盆栽連合会
5/31~6/5
さつき展
起雲閣 (通常は渚
小公園)
日本皐月協会
6/1~17
ほたる観賞の夕べ
熱海梅園
6/24
海水浴場開き
市内海水浴場
7/1
第42回宮川マス釣り大会
宮川
7/7・8
津島神社例大祭
津島神社
7/14~16
来宮神社例大祭
来宮神社
7/15~16
熱海こがし祭り山車コンクール
R135
7/17・18
初木神社例大祭
初木神社
7/19~21
阿治古神社例大祭
阿治古神社
81
35
23
51
5
4
35
14
8:00~11:00
39
ATAMI City Tourism Strategy Office
日 程
行 事 名
場 所
備 考
回数
7・8月の花火大会
開催日
熱海で遊ぼ!ゆかたで遊ぼ!
親水公園
7/21
網代ベイフェスティバル
網代港
7/21・22
アタミアロハフェスティバル2007
渚親水公園
7/22
マリンフェスタ・アタミ2007
渚親水公園・熱海港
7/28・29
多賀神社例大祭
多賀神社
7/25
熱海海上花火大会
熱海湾
23
7/28
熱海海上花火大会
熱海湾
26
7/28
伊豆湯河原温泉夏まつり
泉公園
8/1
網代海上花火大会
網代湾
20:30~
8/1~4
ビールフェスティバル
渚親水公園イベント
広場
静岡県飲食業生
活衛生同業組合
熱海支部
8/3
伊豆山温泉納涼海上花火大会
伊豆山港
20:20~
8/4
初島~熱海間遠泳大会
相模湾
8/5
熱海海上花火大会
熱海湾
8/6・7
初川納涼市
初川遊歩道
8/8
熱海海上花火大会
熱海湾
8/11
初島海上花火大会
8/13~15
7
旅組
7
上多賀町内会長
60
18:00~21:00
21
初島
20:00~
10
網代温泉ふるさと祭り・盆踊り大
会
大縄公園
19:00~21:00
8/15
大浜施餓鬼供養祭・灯篭流し
観光会館
8/16
百八体流灯祭
多賀湾
8/16
伊豆多賀花火大会
多賀湾
19:50~
8/16
網代海上花火大会
網代湾
20:30~
8/19
熱海海上花火大会
熱海湾
8/20~21
伊豆山温泉さざえ祭り&ミニ花火
大会
伊豆山海岸
8/22
熱海海上花火大会
熱海湾
8/26
熱海海上花火大会
熱海湾
8/31
フローティングキャンドル送り火供養
祭
伊豆山地区
9/7~10/21の金土
日
熱海湾ファンタスティッククルーズ
熱海湾
9/15・16
熱海パフォーマンスフェスティバル
糸川沿い
19
9/16・17
国際交流フェスタ
渚親水公園イベント
広場
5
9/17
秋季熱海海上花火大会
熱海湾
7
9/25
仲秋の名月 伊豆山歌会
伊豆山神社・起雲閣
10/1~12/20
森村誠一の謎に挑む「アタミステリ
ー紀行」
市内名所
82
18:00~22:00
全 21 回 受 付 :
16:30 乗 船 40
出航17:00~40
8
5
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
日 程
行 事 名
場 所
備 考
回数
10/6・7(どちらか)
湯まつり (湯汲み道中)
熱海駅間歇泉~湯
前神社
10月第1土日
10/6・7(どちらか)
湯まつり (献湯祭)
湯前神社
10月第1土日
10月上旬
ムーンライトイルミネーション
ムーンテラス
10/13
みんなの消費生活展
庁舎前駐車場・観光
会館
10/13~15
下多賀神社例大祭
下多賀神社
10月下旬
今宮神社例大祭
今宮神社
10/20・21
和田木神社例大祭
和田木神社
10/21
秋季熱海海上花火大会
熱海湾
10/22~11/26の毎
週月曜
湯めまちをどり「華の舞」秋季特別
公演
芸妓見番
11/上旬
釜成屋平七供養祭
ムーンテラス
11/下~12/中
熱海梅園もみじライトアップ
熱海梅園
11/18
秋季熱海海上花火大会
熱海湾
7
12/2
忘年熱海海上花火大会
熱海湾
19
12/9
忘年熱海海上花火大会
熱海湾
19
12/8
網代ひもの祭り
網代駅前
12/23
忘年熱海海上花火大会
熱海湾
◇ 熱海海上花火大会
83
7
全6回 宿泊者:
¥ 500 そ の 他 :
\700
19
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◇ 熱海梅園梅まつり
84
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
◇ 熱海こがし祭り
85
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 湯めまちをどり「華の舞」
初めて訪れるのにどこか懐かしい...。 湯めまち熱海に溶け込むようにたつ熱海
見番(歌舞練場)。ぶらり立ち寄ると遠い昔の人々の華やいだ声が聞こえてきそう。
「湯めまちをどり華の舞」は、熱海芸妓連歌舞練場「芸妓見番」を開放し、皆さん
に芸妓連の踊りを観賞頂こうというもので、普段はなかなか見ることのできないプロの
踊りをご堪能頂けます。地方(三味線等の演奏)・立方(踊り)の息の合った公演をど
うぞご覧下さい。
◇ ところてんまつり
静岡県唯一の有人離島、初島。毎年ゴールデンウイークに開催されるところ天ま
つり。地元特産の天草で作るところ天の実演販売、サザエのつぼ焼き、岩ノリなど海
産物の即売会などが開かれます。期間中毎年約1万人が訪れる。
海岸に軒を連ねる食堂街では、海鮮料理が人気。ダイビングセンターもあり、1年
中ダイバーが訪れる。
◇ ホタル観賞の夕べ
新緑が美しい熱海梅園内の初川清流にて 6 月上旬~中旬に「ほたる観賞の夕
べ」を開催します。静かな熱海梅園内の初川清流に蛍が乱舞する様はまるで幻想
の世界にいるようです。
期間中、梅園内にて福原徹さんによる「笛の演奏会」を、親水公園ムーンテラスに
て花柳秀太良さんによる「幻想の世界」(日本舞踊)を行います。
◇ 熱海アロハフェスティバル
各地からフラダンスグループが集まり、青い海と空をバックに、素敵な衣装と優雅な
ダンスを披露下さいます。また、今回も豪華ゲスト多数!「LauLa」「エ・コモ・マイ&笛
吹奈保子」「太田紀美子とザ・バーズ」「ナ・フラ・オ・ケ・カイ・マル」「チェリー」「レイ・プ
プ」によるショーも開催、本場ハワイのムード満点です!
夏のひと時、熱海でアロハの音楽とダンスをお楽しみ下さい。
◇ マリン・フェスタアタミ
熱海港・スパマリーナ・サンデッキにて「マリンフェスタ・アタミ 2007」を開催します!
熱海港七半岸壁では、海上保安庁巡視艇「するが」の一般公開および体験航
海による船上海洋教室を、親水公園スパマリーナでは、ヨット・モーターボート試乗
会・海上保安庁制服記念撮影、サンデッキでは、開会式・ミス熱海一日船長任命
式なども行います。
86
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
◇ ビール・フェスティバル
親水公園イベント広場にて「ビールフェスティバル」を開催します!ビールやおつまみ
など、各種模擬店が建ち並び、毎年大人気のビアガーデン!
夕方から多数のお客様が来場し、ビールと美味しいおつまみで、夏の夜をお楽しみ
頂いています。ステージでは歌謡ショーやバンド演奏、舞踊披露など、多彩な催しが
予定されています。ぜひ皆さん、海辺の公園でビールをお楽しみ下さい!
◇ 初川納涼市
会場である初川沿いには様々な露店がズラリと並び、熱海芸妓連が会場パレード
および芸妓見番内で披露する「納涼ゆかた踊り」など会場は大いに盛りあがります!
芸妓連の踊りの他、おもちゃや美味しい飲食の出店など、大人も子供も楽しめる
ものばかり。そして子供達に大人気の「お楽しみ!ヒーローショー」も行う予定です。
◇ 伊豆湯河原夏まつり サンバカーニバル
熱海市の東部「伊豆湯河原温泉」では、7/29(土)に伊豆湯河原温泉夏まつり
が開催されます。 19 時からのサンバパレードでは、浅草サンバカーニバルでも活躍の
サンバチーム“ALEGRIA”の皆さんが華麗なダンスを披露! グループ総勢 100 人で
華やかに温泉街をパレードします。
またパレードの終了地点「泉公園」では、毎年恒例の「伊豆湯河原温泉納涼花
火大会」が開催されます。
間近でみる勇壮な遠州手筒花火と打ち上げ花火は迫力満点です!
◇ 伊豆山さざえまつり
源頼朝は源氏再興を目指し幾多の戦いに出陣いたしましたが、地の言い伝えに
よれば出陣の際さざえを食したとのこと。天下をとった頼朝が食した「さざえ」、縁起の
いい食べものを多くの皆様に食して頂きたいとの念より生まれたのが「伊豆山さざえま
つり」です。まつり会場ではサザエをはじめとする新鮮な海の幸や、焼そば・手羽先・唐
揚げ・串焼きなど、美味しい出店がズラリと並びます!また、特設ステージでは笛伶
会による演奏、伊豆山勢輿会による御輿、歌謡ショー、チビッコスイカ割大会などが
予定されています。
87
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 熱海パフォーマンスフェスティバル
熱海の中心を流れる糸川周辺に 20 種にもおよぶ大道芸パフォーマーが集結。ピエ
ロ、ガマの油売り、バナナの叩き売り、火吹き男、ジャグラー、似顔絵描きなどのパフォ
ーマンスが繰り広げられます。
また、糸川ドラゴン橋では、ショーやライブなども行われ、会場周辺には 40 店舗の
露店が出店し、焼鳥やたこ焼、ビールなど、美味しいものがたくさん並びます。大人か
ら小さな子供まで家族みんなで楽しめるイベントです。
◇ 熱海国際交流フェスタ
「熱海国際交流フェスタ」は、熱海市にて開催された日韓首脳会議を記念して、
平成14年に熱海梅園内に造られた「韓国庭園」の開園1周年にあたる平成15年
度より、それまで熱海において開催されていた「オールコック・メモリアルフェス
ティバル」、「イタリア・サンレモ大収穫祭」に「韓国庭園開園一周年記念式典」を
加えた、新たな国際関係イベントとして出発しました。「オールコック・メモリアルフェステ
ィバル」の原点である『ホスピタリティー(もてなしの心)』の推進と、「ワールドフードバザ
ール」と銘打った『食』による街の活性化という開催趣旨を周到しつつ、熱海市と関係
の深いイギリス・イタリア・韓国をベースにした総合的な国際イベントです。海を背景に
したイベント広場では各国グルメが味わえる屋台が立ち並び、楽しいステージイベント
が毎日開催されます。
◇ 網代温泉ひものまつり
網代(あじろ)では、毎年 12 月上旬に網代ひものまつり」 が開催されます。網代
温泉を訪れたお客様に名物「ひもの」を存分に味わって頂く、毎年恒例の行事です。
会場となる網代駅前では、アジやイカなどの干物約 5,000 枚が炭火で焼かれ、味
噌汁と一緒に無料で振舞われます!また、当日は網代名産店組合加盟店にて、
干物が一割引で販売されます。
◇ わかめまつり
熱海市下多賀の国道 135 号沿いでは ワカメの天日干しが行われています! カ
ーテンやすだれのように海岸線に広がる光景は、早春の熱海の風物詩。あたりは磯の
香りに包まれています。ワカメは 1~2 メートルあり、水揚げしたばかりのワカメを丸一日
天日干しした後、水洗いし、その後さらに一日干して乾燥ワカメに仕上げられます。
味噌汁や三杯酢、ネギぬたなどに調理されるほか、軽く火であぶってご飯にかけて
味わうと格別です!
この美味しいワカメを存分に味わえる地元のお祭り 「わかめまつり」が毎年 3 月上
旬に開催、生ワカメ料理の試食会、ワカメ・メカブの即売、農産物・海産物など地場
産品の即売などが行われ、大好評の味噌汁無料サービスもあります!
88
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
■ 春季・秋季誘客キャンペーン (平成 18 年実施分)
熱海には、年間約 300 万人もの方々が宿泊観光客として訪れていただいています。しかし、当然のことな
がら年間に平均して訪れていただいているのではなく、ピークがあります。
宿泊者数推移(実績+予測)
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
実績値
7
10
4
20
05
.1
7
10
4
1
20 0
04
.1
7
4
1
20 0
03
.1
7
4
20
02
.1
7
10
4
20
01
.1
7
10
4
20
00
.1
0
予測値
熱海の場合のピークは上のグラフをみて一目のように、8 月の 1 ヶ月が大きなピークとなり、もうひとつの小さ
なピークが 1~3 月に認められます。これは、夏休み期間及び熱海梅園梅まつりの期間に一致しています。
つまり、春季(4~6 月)及び秋季(9~11 月)の宿泊客が少ないこととなります。
今後の観光行政・施策においては、この春季・秋季の底上げを目指します。春季・秋季の底上げをする
ことは、年間の宿泊客総数を上げ、各ホテル・旅館の稼働率を高めるだけでなく、従来宿泊客が少ないと
ころにあわせて設定している従業員を稼働率向上により雇用増にすることにつながります。
このことは、雇用増=人口増につながり、観光関連産業だけでなく熱海市全体の活力の増加につなが
ると考えるからです。
この春季・秋季の対策については、下記の 2 つの誘客キャンペーンを実施します
◆ 春季誘客キャンペーン 「アタミアートガーデンフェスティバル」
アート、文化、庭園、花を核として熱海にある恵まれた文化芸術、自然環境
を「アートガーデン」というテーマで新たな観光文化の創造を目指します。
MOA 美術館、ハーブ&ローズガーデン、起雲閣・創作の家など官民の観光
施設の共通入場券の発行や共通イベントの実施などを通じて春の熱海旅行
を提案します。
開催期間:平成 18 年 3 月 18 日~7 月 16 日
共 通 券:大人 1,900 円(前売 1,600 円)
89
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◆ 秋季誘客キャンペーン 「熱海ファンタスティックホリデー」
【企画 1】 “森村誠一ミステリーに挑戦する”アタミステリー紀行
熱海市で創作活動をしている作家森村誠一書下ろしによる短編小説「アタミス
テリー紀行」。第4弾の舞台は「起雲閣」。
参加者は冊子を手にまちを歩いて難問を解決。正解者から抽選により宿泊
券、特産品等をプレゼント。
開催期間:平成 18 年 9 月 1 日(金)~11 月 30 日(木)
参加方法:無料 小冊子はホテル・旅館あるいは HP から
【企画 2】 “起雲閣企画展” 森村誠一文学展
森村誠一氏が所有する直筆原稿、ノートブック、刊行本の展示、ビデオ上映。
森村誠一先生サイン会の開催。
開催期間:平成 18 年 9 月 1 日(金)~19 年 1 月 21 日(日)
入館料:500 円 (毎週水曜日は休館)
【企画 3】 “南欧風の都市景観を楽しむ”ファンタスティッククルーズ
熱海の都市景観と伊豆の山々を望む夕景を楽しむクルーズ船の運航。
開催期間:平成 18 年 9 月 8 日(金)~10 月 22 日(日)まで
の金・土・日曜日 全 21 回
乗船料:1 人 500 円 (市内への宿泊者限定)
【企画 4】 “艶やかな世界が目の前に”「華の舞」特別公演
熱海芸妓による踊りの披露。普段土・日曜日に開催している公演を、この期間
平日にも開催する。
開催期間:平成 18 年 11 月 3 日(金)~11 月 27 日(月)
毎週月・金曜日 全 8 回
観賞料:1 人 500 円(通常:1,300 円 市内への宿泊者限定)
【企画 5】 “家康の愛した温泉で体験する”熱海養生法ツアー
マリンスパあたみの温浴施設を使い、NPO エイミックのインストラクターによる温泉
療養法(熱海養生法)の体験。
開催期間:平成 18 年 9 月~11 月 日程未定
参加料:1 人 1,500 円(検討中:市内への宿泊者限定)
90
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
【企画 7】 熱海梅園もみじライトアップ
熱海梅園内にあるイロハモミジをはじめとしたカエデ類をライトアップ。「日本一遅
い紅葉」と「日本一早咲きの梅」が同時に楽しめるかも。
もみじライトアップに加え、熱海市街地の夜景とサンビーチのライトアップを貸しき
りタクシーで巡る「光きらめく熱海ナイト周遊プラン」も検討中。
開催期間:平成 18 年 11 月下旬~12 月中旬
その他秋季イベント
◆ 秋季熱海海上花火大会
[開催期日] 平成 18 年 9 月 18 日(月)、10 月 29 日(日)、11 月 23 日(木)
◆ 熱海国際交流フェスタ 2006
[開催期日] 平成 18 年 9 月 16 日(土)~18 日(月)
◆ 熱海パフォーマンスフェスティバル
[開催期日] 平成 18 年 9 月 16 日(土)~17 日(日)
◆ 湯汲み道中
[開催期日] 平成 18 年 10 月 7 日(土)
◆ 熱海芸妓「華の舞」
[開催期日] 毎週土・日曜日
91
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ 観光イベント
◇ 八戸 はちのへ海フェスタ
市民団体が中心となり、八戸の「海」の活用と PR、体験型観光の開発、海の文化の再確認、海に親しむまちづく
り、海を活かした観光交流の推進を目的とし、地域に根ざした郷土色豊かな幾つかの既存イベントを、一つの大きな
フェスティバルとして一体的に展開。観光客が複数のイベントをまとめて体験できるよう各イベントの開催日程を調整
し、イベント会場間の移動交通手段として、陸は循環バスで、海は船で行き来できるよう調整。観光客増に貢献。
◇ 足助 町並みを活かしたイベント
●中馬のおひなさん
この地に伝わる「土びな」や各家に眠っていたおひなさんを軒先に並べるイベントを、ま
ちおこしグループの AT21 倶楽部が企画。当初 3,000 人の来客が現在では 7 万人と
なり、町をあげてのイベントに成長。
●たんころりん
AT21 クラブの発案で、陶器の灯火器『たんころりん』に、和紙を貼った竹篭を被せ、
柔らかな光で美しい夏の夜を演出。現在では、その枠を超えた仲間の会「たんころり
んの会」が中心となり、イベントを盛り上げるためにたんころりんづくりの講習会等を実
施。
◇ 近江八幡 左義長まつり
織田信長が安土城下で盛大に繰り広げ、自ら異粧華美な姿で踊り出たと「信長公記」にも記された天下の奇祭。
13 基の左義長は、女装した若衆たちかけ声も勇ましく、町内を練り歩き、翌日の夜には次奉火される。左義長の「だ
し」と呼ばれる毎年の干支にちなんだ意匠を凝らし、経費を惜しまず時間をかけ、各町の人々が誇をかけて制作して
いる。
◇ 舞鶴 まいづる魚まつり
舞鶴の新鮮な海の幸が満喫できるイベントとして、市民参加のセリ市や海鮮バーべ
キュー、寿司即売などを開催。地域の大切な資源である「海」に携わる市民が、おも
てなしの気持ちをふるまう舞鶴ならではの祭り。
◇ 有馬温泉 イベントで観光地づくり
有馬温泉では、正月の恒例行事として、報恩と温泉の繁栄を祈念して行う「入初
式」がある。平成 18 年に実施された入初式では、多言語パンフレット等を用意し、外
国人観光客にも配慮。他にも、春の桜祭り、夏の有馬夏祭り・有馬七夕ひょうたん
まつり、秋の有馬大茶会等の四季折々のイベントを実施。
92
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
イベントの創出と展開
◇ 長崎 長崎ランタンフェスティバル
オブジェや飾り燈籠など 15,000 個のランタンが長崎の夜を鮮やかに演出。皇帝パレー
ド、媽祖行列、龍踊り、中国獅子舞など中国色豊かなイベントのほか、手作りランタ
ンコンテスト、中国ダンスフェスタ、会場周遊スタンプラリーなども実施している。イベン
ト運営、会場警備などの多くは延べ 5,000 人にも上るボランティアによる。
◇ 知覧 ねぷた祭 in 知覧
青森県から知覧へ青少年交流した高校生が「ねぷた祭り」の話をしたのがきっかけ
で、町、商工会主導で平成 8 年より実施。現在、青森県平川市(旧平賀町)の指
導のもと知覧町で作成した 5 基の「ねぷた」が運行。
■ グリーンツーリズム
◇ 遠野 活発なグリーンツーリズム活動
「西の安心院(大分)、東の遠野」といわれるほどグリーンツーリズム活動が活発。農
家グループによる炭焼きや郷土芸能のしし踊り体験、ふるさと村での体験メニューや
馬産地の伝統をくむ乗馬・厩務員体験、リンゴ収穫体験などを実施。道の駅「遠野
風の丘」ではグリーンツーリズム情報を提供。
◇ 隠岐 NPO 法人「海士人(あまじん)」による過疎の町おこし
海士町のおかれた状況に危機感を感じた若者(U ターン・I ターン)が集まり、少子高齢化が進む町の活性化を目的と
して平成 15 年に NPO 法人「海士人(あまじん)」を設立。豊かな自然環境を舞台としたシーカヤックガイド、障害者を
対象としたマリンスポーツ体験等を企画し、観光客へ島の魅力を伝えると共に環境保全の啓発を図る活動を展開。
このような島ならではの活動や島内での様々なイベントの開催により地域活力が向上し、町が進める定住促進・産業
振興策と一体となり、I ターン・U ターン者が移住してくるきっかけともなっている。
◇ 佐世保 漁業者・農業者との連携
エコツーリズムの推進のため、佐世保市、漁業者・農業者が定期的に研修を行う等
一体となって取り組んでいる。特に、農業者については、世知原茶を生かした観光振
興を実施。
◇ 知覧 緑の中で育む農業
「知覧茶」は全国茶品評会において、何度も最高賞を獲得して銘柄を確立。近年
では、体験型の観光農業も実施しており、お茶摘みや芋掘り等、旅行エージェントを
通じて、学校等に体験型観光農業の情報を発信。
93
ATAMI City Tourism Strategy Office
■ 体験型観光
◇ 鳴子温泉郷 体験型観光への取り組み
鳴子地区には日本こけし館があり、5,000 体ものこけしを展示。こけし工房では、こけ
しの絵付けも可能。また、鳴子ツーリズム研究会は湯治客による田植え(農業体験)
と湯治を組み合わせた「田植え湯治」を企画。田植えに留まらず、種まきから脱穀に
至る稲作の一連の農作業毎に開催。
◇ 館山・南房総 NPO 連携による体験観光の創出
まちづくり NPO(海辺の自然体験・歴史ガイド)や農漁業者等の連携により、地域資
源を活用した体験プログラム(ガイドビジネス)を創出。高齢者・Iターン者等の参画に
よる観光まちづくりと、年間 5,000 人に及ぶ教育旅行の誘致や、宿泊施設等との連
携による体験観光で集客を促進。
◇ 安塚 越後田舎体験事業
冬のスキー場だけでなく、四季に応じて自然とふれあう機会を都市生活者にも提供しようと、東頸城郡の町村が連携
して開始した、稲刈り・田舎料理、雪下ろし等の体験型事業。関係者の協力の下、同郡の連携地域の負担金や地
元の宿泊業者・体験施設からの会費等により事業を運営し、数多くの集客を実現。
◇ 日間賀島 体験型観光の確立
観光客のニーズの多様化、総合学習授業の受け入れなどを踏まえ、新しい観光を
目指し、「見る観光からする観光へ」の体験型観光を確立。漁師がインストラクターと
なる「底引き網」や「干物づくり」などの体験プログラムを確立。現在の体験者は年間
7,000 人。
94
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
新たなリゾート型観光の創出
6 新たなリゾート型観光の創出
熱海の観光資源である「温泉」、「景観」、「歴史・文化」に加え、「花」、「光」、「エンターテイメント」など新
たな魅力創出につとめ、集客をはかります。
(1) 花をいかした街づくりの推進
花いっぱい運動基本計画に基づき、花があふれる美しいまちづくりを推進するとともに、フラワーツーリズムを推
進します。さらに、メインガーデンの整備、エリアごとの統一テーマをもった花木の整備や街路樹の整備、バス停へ
のハンギングの整備などで花や木がサインと同じ役割を果たすような取り組みを検討します。
また、ヒマラヤ桜・熱海桜、ジャカランタなど植栽にかかる経緯・背景を上手に PR しながら他の町と差別化した
花の街づくりを目指します。
(2) 夜も楽しめる街の活性化
日本初となる熱海サンビーチの砂浜ライトアップをはじめ、起雲閣など個性的な景観を有する歴史的建造物
等へのライトアップによる景観演出や、民間施設の協力を含めて夜景スポットの整備を推進することにより、百万
ドルの夜景の復活を目指し、熱海の夜の魅力を演出します。
また、商店街や飲食店などと協力して夜の街の賑わいを創出する取り組みを進めていきます。
(3) 映像文化都市づくり
映画監督やプロデューサー、美術・芸術家の創作活動の場を提供することにより、将来的な熱海のイメージを
つくっていくとともに、フィルムコミッションの推進や映像コンテンツの整備を進め、映像文化都市を形成することで
熱海のイメージアップを図り、観光交流を推進します。
(4) 新しいエンターテイメント都市の創造
国際観光地にふさわしいカジノ施設の導入を目指し、カジノの合法化推進の取り組みと、カジノとあわせショッ
ピングモール・フードコート・エンターテイメント施設などのゲーミング産業の誘致にむけてのまちづくりを検討します。
なお、検討にあたっては市民や熱海を訪れる方々のコンセンサスを十分にはかりながら、他の観光資源とのバ
ランスに留意しながら進めていきます。
95
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 資料 >
■ 「花の都 熱海」実施計画
96
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
新たなリゾート型観光の創出
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ATAMI City Tourism Strategy Office
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
新たなリゾート型観光の創出
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ATAMI City Tourism Strategy Office
■ ライトアップ事業
夜の賑わいの創出を目的として、平成 13 年 3 月に策定した「熱海市夜間景観基本構想」に基づき、また、
光の回廊構想(サンビーチ ⇔ 親水公園 ⇔ 渚小公園 ⇔ 都松水口線 ⇔ 起雲閣 ⇔ 芸妓見番・清
水町商店街)に沿ったライトアップ事業を展開している。
◇ 熱海サンビーチライトアップ
◇ 貫一・お宮の像ライトアップ
◇ 起雲閣ライトアップ
100
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
新たなリゾート型観光の創出
■ カジノ誘致への取り組み
官民一体の組織である「熱海・カジノ誘致協議会」を中心に、カジノの合法化推進と熱海への誘致に向け
て取り組んでいます。平成 16 年には「熱海型カジノ構想」を発表し、カジノ誘致に向けて議論をスタートさせて
います。
¾
¾
¾
¾
¾
カジノ設置による観光交流客数(宿泊客)の増加
〃
(日帰り観光客)の増加
カジノ施設の建設費(12,100 ㎡規模を想定)
カジノ収益(施行者を熱海市とした場合の最終利益)
入場料収入
¾
¾
¾
¾
企業・産業に対する効果(生産誘発効果)
家計に対する効果(雇用効果等)
〃
(誘発雇用者数)
行政に対する効果(税収効果)
101
1,887,632 人(年間)
4,166,973 人(年間)
43 億 2,466 万円
90 億円
7 億円
854 億 2,600 万円
293 億 2,800 万円
7,697 人
11 億 100 万円
ATAMI City Tourism Strategy Office
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ 花によるまちづくり
◇ 小坂 アカシアまつり
明治百年通りのほか、町に群生するアカシアは約 300 万本といわれ、まさに緑の海に浮かぶ町。町中がアカシアの甘い
香りに包まれる毎年 6 月、町民手作りのアカシアまつりを開催。通りを歩行者天国として開放し、露店やイ
ベントも盛り沢山に。多くの観光客が来訪。
◇ 館山・南房総 フラワーツーリズムの高度化
南房総といえば早春の花のイメージが定着しているが、季節の偏りや集客数に比し
て地域への経済効果が必ずしも大きくないことから、花生産者や宿泊事業者等が連
携し、フラワーアレンジメントや花をテーマにした料理の開発等、新たな観光商品づく
りを推進。
◇ 富士河口湖 河口湖ハーブフェスティバル
「香りのある里づくり」のシンボル事業として平成 4 年より開催、国際的な誘致力のあ
るイベントへと発展。近年は外国語によるアナウンス、ハーブガーデンの改修等、外国
人旅行客対応にも力を入れている。
◇ 小布施 花のあるまちづくり
自治会による沿道ぞいの花飾りや花壇づくりに加えて、庭園施設「フローラルガーデン
おぶせ」の開設、住民の自発的な植栽と管理による道路角地等の空地を利用した
「ポケットパーク」、町に登録した一般家庭や商店、学校、寺院等の庭を一般公開
する「オープンガーデン」等、町と住民が連携して花のあるまちづくりを推進し、多くの
観光客を誘致。
◇ 浜名湖 フラワー&グリーンツーリズム
日本一のガーベラの生産地である浜名湖畔。花の街として最初の企画である生産
農家見学と花摘み体験は、1 万人を超えるお客様が来場。また、オープンガーデンを
めぐるツアーや植栽体験のできるツアーを実施するなど、注目スポットとしての期待が
高い。夏には親子向けの体験プログラムも展開中。
◇ 足助 カタクリの花
香嵐渓内で発見されたカタクリの花の群生を、昭和 61 年から観光協会が保護・育
成。昭和 63 年以降は周辺住民の協力を得、枯れ枝拾い等の地道な活動を継続
し、当初 1,500 ㎡だった群生地は現在 5,000 ㎡に拡大。
102
熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
新たなリゾート型観光の創出
■ 光によるまちづくり
◇ 函館 はこだてクリスマスファンタジー
低迷する函館の冬季観光を改善すべく、函館青年会議所が平成 10 年に始めたイルミネーションイベント。函館港
に浮かぶ巨大ツリーと雪と花火の競演が人気で、以来、毎年 12 月の観光客数は伸び、現在では市の月間観光入
込客数約 25 万人に貢献。
◇ 足助 香嵐渓ライトアップ
少しでも多くの観光客に香嵐渓を楽しんでもらうため、町が香嵐渓園地内にライトアップ施設を整備。シーズン中の日
没から午後 9 時まで点灯することにより、紅葉の新たな魅力を創出させ、観光客増に貢献。
◇ 長浜 ステンドグラスフェスタ
黒壁と提携している店舗からなる黒壁グループ協議会が、夜の賑わいをつくることで、観光客の滞留時間を延ばして
宿泊型観光に結び付けるとともに、地元の方にも黒壁を楽しんでもらおうと知恵を絞り、ガラスとあかりを組み合わせた
夜のイベント「ステンドグラス・フェスタ」を開催。また、地元住民で組織する北国街道まちづくり協議会と連携し、夜の
あかりとガラスを組み合わせたイベントを、季節ごとに実施。
◇ 倉敷 くらしき春宵あかり
平成 17 年度、倉敷観光コンベンションビューローが中心となり、和のあかりの
代表「ろうそく」を使い、様々な角度から倉敷エリアを紹介。癒しの空間を演出し、外
国人誘客促進のイベントとして実施。
◇ 倉敷 美観地区夜間景観照明
倉敷川沿いエリアをメインに、夜間景観照明を実施。美しい町家や白壁の土蔵を心
に響くやさしいあかりで浮かび上がらせ、夜の演出を実施し、滞在型観光へつなげて
いる。
◇ 尾道 クレーンライトアップ事業
古くからの港町、長い間市民とともに歩んできた造船所が平成 15 年に操業を停止。
地元市民でなければ理解できない寂しさから、造船所への恩返しと尾道の風景に溶
け込んだ産業遺構として、尾道のシンボルであるクレーンに新たな命を吹き込み、観
光資源として利活用。尾道水道の借景として夜の尾道を演出。
◇ 脇町 うだつの町並み 脇町
江戸~明治時代の藍商人の屋敷が 400m にわたって立ち並び、国の重要伝統的
建造物群保存地区にも選定された町並み。平成 17 年度に、従来の赤茶色の町
並み通りを江戸時代の街道をイメージした黄土色にリニューアルし、夜間のライトアッ
プを実施。また、テレビドラマ「水戸黄門」や映画「虹をつかむ男」・「バルトの楽園」の
ロケも行われた。
103
ATAMI City Tourism Strategy Office
◇ 日田 千年あかり
地域で組織する実行委員会が主催、「天領まつり」の夜のイベントとして開始。2 万本もの竹灯籠で幻想的な空間を
演出。使用する竹は、地域住民や環境団体のボランティアが森林の健全育成のため伐採・利用したもの。地域の連
携・環境保全にも貢献。
◇ 飫肥 飫肥地区の街づくり(飫肥に灯りをともす会)
地元住民で組織されている飫肥に灯りをともす会は、観光客の目を楽しませる、環境保全を啓発することを目的に、
廃油キャンドルづくりの体験講習会及び廃油キャンドル灯明の実施、ひな人形・下げ門等の展示、鯉のぼりの掲揚、
蕎麦の種蒔・育成・収穫の体験等を実施し、街づくりの活性化を推進。
■ フィルムコミッション
◇ 長井 映画「スウィングガール」でロケ地に
2004 年 9 月公開映画「スウィングガールズ」のロケ地の一つになったため、市民有志
が応援隊を組織しファンを受入れ。商工会議所では写真やサインの展示コーナーを
設置。山形鉄道「フラワー長井線」では、映画イメージの車体デザインや、ガイドがロ
ケ地等を説明する“スウィングガールズ列車”を運行。地域一丸で盛り上げた。
◇ 呉 フィルムコミッションによる情報発信
映画・テレビ等の撮影を誘致し、映像を通じて地域イメージの発信、観光客誘致に
取り組む。映画「海猿」や「男たちの大和」のロケ地マップを作成し、全国へ情報発
信。
◇ 尾道 「フィルムコミッション」がロケを支援
造船所の空きドックを活用した「男たちの大和/YAMATO」ロケ受入れを追い風に、
18 年は 6 月末までに既に 25 件が映像化。ロケ地案内図を作成し、全国へ情報発
信。ロケ支援を通じて市民の「わがまち」意識の醸成を図ることを目的に事業展開。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
7 環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
海・山の豊かな自然環境を保全しながら、活用していくとともに、持続可能な観光地像を目指し、ゼロ・エ
ミッションの精神により市民や観光交流客にやさしい観光地づくりを推進します。
(1) 国立公園の保全と活用
富士箱根伊豆国立公園の良好な景観、自然環境を保全しながら、関係市町村と協力し長距離自然歩
道の整備やウォーキング・トレイルの整備など観光的活用について検討・整備を進めます。
(2) 森林等の観光への活用
姫の沢公園や鹿ヶ谷公園、子恋の森を中心に森林環境教育、健康づくり等の森林利用に対応した多様な
森林の整備を進め、子どもたちを対象に森林の有する公益的機能について学習させるとともに、自然探勝、ハ
イキングなどの森林レクリーエーション利用を促します。
(3) 海の環境保全と活用
海や港の良好な自然環境を活かし観光に利用するため、水質の保全に努めます。コースタルリゾート計画な
ど親水性に富む港湾施設を整備するとともに、フィッシャリーナの整備、マリーナの整備など海洋レジャーの拠点
づくりを進めます。また、サンビーチ・新長浜海水浴場を中心に、ビーチの通年利用・利用促進など港の資源を
活用した地域活性化に継続的に取り組んでいきます。
(4) 都市緑地の観光への活用
潤いのある良好な都市景観の形成や、災害時の防災拠点、避難地としての機能、スポーツ、文化活動、レ
クリーエーションの場を提供するなど多様な機能をもつ都市公園の整備においては、環境に配慮した都市緑化・
環境教育の場という視点からの検討を行います。
(5) 環境に配慮した観光地づくり
宿泊施設等から排出される廃油によるバイオディーゼル(BDF)の導入による温室効果ガスの排出抑制など
バイオマスへの取り組みや、ゼロ・エミッションへの取り組み、海・山の環境保全への取り組みなど、市民や観光交
流客にやさしい環境に配慮した観光地づくりを進めます。
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ATAMI City Tourism Strategy Office
< 資料 >
■ 富士箱根伊豆国立公園 公園概要(環境省自然環境局 HP より)
富士箱根伊豆国立公園は、昭和11年2月1日に富士箱根国立公園として指定されました。その後昭和30年
3月15日に伊豆地域が編入し、富士箱根伊豆国立公園と現在の名称に変更されました。さらに昭和39年7月7
日には、伊豆諸島が編入されました。
本公園は、富士山地域、箱根地域、伊豆半島地域、伊豆諸島地域の4つの地域から成り、神奈川県、静岡
県、東京都、山梨県の1都3県にまたがる広大な敷地を有しています。
・富士山地域
富士山地域は、一万年くらい前の火山活動で現在の均整のとれた姿の美しい
成層火山-富士山と、その噴火によって堰き止められた山中湖・河口湖・西湖・
精進湖・本栖湖の五湖、寄生火山の宝永山、大室山、及びその周辺地域を公
園区域としています。周辺には溶岩流が残した風穴、氷穴、溶岩樹型や丸尾地
形と 30k㎡にも及ぶ針広混合の自然林、青木ヶ原の樹海や亜熱帯針葉樹林帯
のコメツガ、シラビソ林、森林限界の矮生のカラマツ、御中道付近の高山植物帯
等の特徴があります。
・箱根地域
箱根地域は、典型的な複式(三重)火山で、複雑な地形を呈し、約 40~5
万年前の火山活動でできた金時山、明神ヶ岳や浅間山などの新・旧二つの外
輪山、約 3 万年前にできた神山、駒ヶ岳などの中央火口丘やカルデラ火口原の
仙石原、4 千年前の爆発で堰き止められた芦ノ湖、今も噴気の見られる大涌
谷、各地に湧出する温泉等、火山の生きた模型とも言われています。植生は神
山付近のブナ、ヒメシャラ、ヤマボウシ等の自然林、ハコネの名を冠したハコネコメ
ツツジ、ハコネギク等があります。
・伊豆半島地域
伊豆半島地域は、万二郎岳、万三郎岳等東西に並ぶ天城火山、各方向に
流出した溶岩でつくられた先原等の溶岩台地や多くの寄生火山、盾状火山の達
磨山等の火山が連なる山稜部と、城ヶ崎、石廊崎、波勝崎、堂ヶ島、大瀬崎
等の海食崖、海食洞、砂嘴、湾入等の海岸部からなっています。植生では、天
城山のブナ等の自然林、函南山の暖帯林、大瀬崎のビャクシン群落等が貴重で
す。
・伊豆諸島地域
伊豆諸島地域の島々は、第4紀(約200万年前)以降の火山活動で
2,000m 前後の深海から噴火し、海面上 700~800m の高さに山容を現す海底
火山です。昨年から三宅島噴火により、火山ガス等の災害が続いているように、
三宅島及び大島は噴火活動が著しく、新旧の溶岩流、砂漠、爆裂火口湖等の
火山地形が見られます。また新島、式根島、神津島は流紋岩系で変化に富
み、御蔵島、利島は成層火山で海食崖が見られ、八丈島は二頭火山でその対
比に特色が見られます。植生は暖温帯に属しますが、カシ類は見られず、暖地性
の種も少なく、固有種が多いことが特徴です。鳥類については 270 種を数え、三
宅島ではイイジマムシクイ、カラスバト、アカコッコ等、御蔵島ではオオミズナギドリ等
の繁殖が見られます。
熱海市では、伊豆スカイラインから十国峠周辺が第 2 種特別地域及び第 3 種特別地域に指定されていま
す。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり 100」(平成 18 年 8 月国土交通省)より
■ エコツーリズム
◇ 三国湊 三国体験エコツアー
三国の自然・文化を体験してもらう「エコツアー」を市民団体が企画。磯の自然観
察、農産物の収穫、工芸品や特産品の製作、郷土芸能体験など、地元農家・職
人等の協力により、多くの手作り観光ツアーを実現。リアルに三国の魅力に触れるこ
とが出来、参加者の評価は高い。
◇ 富士河口湖 エコツーリズムの推進
青木ヶ原樹海等の自然や文化の保全と活用を図るため、町公認ネイチャーガイドの
養成やネイチャーガイドツアーを実施。外国人対応のためのセルフガイドシートの作成
も実施中。
◇ 飯田 桜守の旅(エコツアー)
南信州エリアには樹齢三百年を超える老桜・名桜が点在。これらをネットワーク化し案内人付きで桜巡りを実施。約
一ヶ月は見頃の桜を観賞でき、ライトアップによる夜桜ツアーもある。従来の群桜型花見から、地域にある一本桜の
名桜に視点を変え、内外に好評。年々ツアー客が増加している。
◇ 鳥羽 自然体験エコツアー
旅館の女将が代表の「海島遊民くらぶ」は、無人島体験ツアーやつり体験などの自
然体験エコツアーを企画し、多数の修学旅行生や一般客を受け入れている。鳥羽
の自然の美しさや地域特性をリアルに感じられると、リピーターが増加。
◇ 美山 芦生原生林ハイキング
芦生原生林は、2,000 ヘクタールもある広大な森であり、本物の自然を体験すること
ができる。動物や植物、美山町の歴史などを解説するガイド同行のウォーキングプロ
グラムを提供。
◇ 美山 体験型観光の取り組み
美山の山野では、季節ごとに様々な山菜や薬草が採れる。美山では、自然に親し
み、自然や田舎町との付き合い方を理解してもらうための催しとして、野草教室・薬
草教室を開催。
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◇ 平田 自然環境を活かした観光地域づくり
斐伊川河口一帯は、マガン、コハクチョウの集団越冬地であり、野鳥の宝庫である。
自然環境の保全を進めるホシザキグリーン財団は、当地に国が整備する多自然型
護岸と一体となった自然体験型観光施設「宍道湖グリーンパーク」を整備。平成 15
年からは、汽水をメインテーマにした体験学習型水族館等と一体となったネイチャーラ
ンドとして、カヌー体験、探鳥会、水生生物調査など、多様なエコツーリズムが図られ
ている。
◇ 山口 一の坂川環境整備を活かした取り組み
ゲンジボタルの生息地として知られた「一の坂川」。昭和 46 年の台風による大水害を
きっかけに、ホタル護岸の整備が進められた。昭和 52 年から「ほたる祭り」が始まり、
一帯の照明を落として行われる「ほたる観賞の夕べ」には、ホタルが飛び交う幻想的
な風景をみようと、多くの人でにぎわう。ホタルの生息環境を取り戻した一の坂川は、
桜並木と併せて地域のかけがえのない財産となり、昭和 62 年には手づくり郷土賞を
受賞した。これをはげみに、環境保全意識が高まり、地域住民による清掃やホタルの
放流など環境を守る活動が定着。平成 17 年には、手づくり郷土賞の大賞部門を受
賞。春の「桜」、初夏の「ホタル」、秋には「アートふる山口」と四季を通して楽しめる観
光地となった。
◇ 小豆島 エコツアー
個人でゆっくり旅を楽しむ観光客に、地域のインタープリターが小豆島の自然や文
化、歴史を紹介するエコツアーを実施。リピーターの増加に貢献。
◇ 四万十川 四万十川水際探偵団・水中探偵団
「水際探偵団」は、清掃活動等を中心とする自然保護活動、「水中探偵団」は子
供達への四万十川や流域の自然や暮らしを知るきっかけの場。ともに四万十川流域
住民ネットワークが主催。地域の誇りである「四万十川」への意識向上と広域交流に
寄与。
◇ 佐世保 エコツーリズムの推進
佐世保市が主体となって、九十九島の自然をありのままに楽しむカヤックツアーの開
発等エコツーリズムの推進に取り組んでいる。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
環境に配慮した持続可能なリゾートづくり
◇ 阿蘇 阿蘇の魅力を体感できるエコツアー
阿蘇自然案内人とめぐるエコツーリズムに取り組んでいる。阿蘇の大草原を
歩いたり、渓流を登ったりするツアーで、今までの阿蘇とは違う一面を見せることによ
り、新たな魅力を創出。
◇ 日田 「水郷日田(すいきょうひた)」の川づくり
「水郷日田」のシンボルは、筑後川(三隈川)。川開き観光祭やリバーフェスタなど多
くのイベントを開催。市民が積極的に川づくりに参加し、特に市民団体の手づくりによ
る「台霧の瀬」は、「川の楽校」など子供たちの歓声が響く新たな場所。
◇ 安心院 リバーサイドウォークの実施
川歩きを通じて農村の景観、水、自然、環境の大切さをみんなで考え行動する活
動をしている。当初 50 名程度の参加が今では毎年約 80 名が参加。
◇ 竹富島 竹富島型エコツアーの実施
島のおじいおばあと触れあい、時には歌や踊りが飛び出すなど、ユーモアあふれる貴
重な話を聞くことができるツアー「素足で感じる竹富島」を実施。この交流を通して
様々な歴史や文化の体験が可能。
■ バイオマス
◇ 湯原温泉郷 EDF:エコディーゼル燃料事業
「ゼロエミッションの温泉が自慢の湯街だからこそ環境に配慮した事業を」との思いで、旅館が捨てる天ぷら油での送迎
車の走行を決意。現在、市民運動に発展し、月産約 4,000 リットルの EDF を生産。送迎のみならず、エコ観光に取り
組み、市の産業観光にも参画。(EDF は、Eco DieselFuel の略)
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■ 環境保全・教育
◇ 水俣 環境学習・自然体験学習の拠点作り
不知火海沿岸の人材や地域資源を活かした広域的な自然体験学習プランや観光
ルートの開発による集客プランを策定した。これにより、行政区を超えた女性達のネッ
トワークが生まれ、自主的な交流やイベントが続いている。
◇ 黒川温泉 自然を守る努力
春と秋に植樹活動を実施し、「心が癒される豊かな自然」を守るよう努力しており、
特に秋の植樹には、一般客も招待している。また、自然に優しい「よもぎ石鹸」を利
用し、日頃から周辺環境の保全に配慮した取り組みを進
めている。
◇ 綾 綾の照葉樹林プロジェクト
平成 17 年 5 月、九州森林管理局、綾町、宮崎県、自然保護協会、関連 NPO
等による九州初の「綾川流域照葉樹林帯保護・復元プロジェクト」が発足。照葉樹
林及び隣接する森林 1 万 ha を舞台に、保護林の新設や人工林から照葉樹林への
復元を住民参加型で実践。森林ガイドボランティアによる森林環境教育なども開
催。
◇ 屋久島 環境保全
屋久島山岳地域利用における課題の一つである登山者のし尿問題について屋久
島観光協会が中心となり事務局を立ち上げ積極的に検討を行っており、平成 18 年
5 月 30 日には屋久島山岳トイレにおいて「人力によるし尿の試験搬出」を実施した。
◇ 屋久島 ボランティア清掃
屋久島観光協会が中心となり、屋久島の山岳部や海岸部の清掃などの環境保全
に取り組んでいる。毎年のイベント行事になっている「屋久島海
祭り」では 500 人近くの清掃ボランティアの参加があった。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
広域観光の推進
8 各エリアの魅力づくり
市内全域の観光資源の発掘、新たな観光資源の開発等により、観光資源とエリアの拡大を図り、熱海の
集客力を高めます。
(1) 泉・伊豆山エリアの魅力向上
伊豆湯河原温泉郷は、山あいの落ち着いた趣をもった温泉地としてのまちづくりを推進するとともに、さがみの
小京都といわれる湯河原温泉と連携したまちづくり、イベント展開を行います。
伊豆山温泉郷は、伊豆山神社や走り湯など歴史に彩られたみどり豊かな保養地としてのまちづくりを行い、さ
らに歴史的な資源や文化的な資源を発掘、PR することで誘客を図ります。
また、このエリアの自然環境や点在する文化施設を有機的に結びつけるためのウォーキング・ハイキングコース
の整備を進めます。
(2) 熱海エリアの魅力向上
最大の資源である温泉を活かしながら、海洋性リゾート地や保養地として、また、眺望等を守り暮らしやすい
まちとしての整備を進めます。特に、熱海駅周辺、東海岸町地区周辺、渚地区周辺、市役所周辺については
観光の拠点にふさわしい都市機能の整備と景観の創造を行います。
(3) 初島の魅力向上
観光により初島の活性化を図るため、観光施設の整備やイベントの展開、誘客宣伝を統一的・効果的に進
めます。離島の特性を生かした海洋性リゾートして整備するとともに、教育旅行のメッカづくりを目指した人材育
成・ソフト開発を行います。
(4) 南熱海エリアの魅力向上
南熱海エリアでは、コースタルリゾート計画の進行による新長浜海水浴場とその背後地の整備を進めます。ま
た、さくらの散策路の整備等による花の街づくりの一翼をなすエリア整備を進めます。さらに、新長浜海水浴場の
通年利用の促進と、小山臨海公園の総合公園化によるスポーツの拠点としての整備を進めます。
網代地区では、フィッシャーマンズワーフ構想、磯遊び・釣りなどの体験型漁業の推進によるまちづくりを進めま
す。
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< 資料 >
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
広域観光の推進
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< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり」(平成 18 年 8 月 国土交通省)より
◇ 函館 水産業と観光を結ぶ朝市の取り組み
函館の豊富な海産物を市民に提供してきた函館朝市。その朝市に、市民のみならず観光客も呼び込もうと、函館
朝市協同組合連合会が、観光客を意識した取り組みを展開。釣ったイカをその場で食する「活いか釣堀」を設置した
り、湯の川温泉街との間に無料シャトルバスを運行するなどして、現在は年間約 200 万人が訪れる観光スポットとして
定着。
◇ 鳥羽 離島観光の取り組み
答志島など鳥羽湾の離島の魅力を観光客に知ってもらうため、島民で結成された
「島の旅社」では、自然や歴史文化を守りながら、島の資源を活用した体験ツアーな
どを実施。離島というハンディをプラスイメージに変えるとともに、新たな観光ニーズを
創出して島を活性化。
◇ 舞鶴 港町を活かした漁業体験
平成 12 年、漁村・漁業体験を支援する体験漁業管理施設「しおのめ」を整備。新鮮な魚介類を素材とした包丁教
室や干物づくり体験等を実施。都市と漁村の交流メニューを新たに創出し、人と人との交流によって地域の活性化が
図られている。
◇ 境港 フィッシャーマンズワーフの展開
境港市には年間 70 万人が訪れる「境港水産物直売センター」があるほか、平成 4
年竹内団地に水産物直売施設「大漁市場なかうら」、さらに平成 11 年には夢みな
と公園内に「境港さかなセンター」がオープン。官民ともに頑張り、地元に活力。
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熱海市観光戦略会議 第 3 回(7/18) 資料
広域観光の推進
9 広域観光の推進
観光交流客の多様なニーズやインバウンドの推進により、観光地に求められる機能が多様化しています。
広域的な取り組みによりこれらの機能を補完しながら魅力あるエリアづくりを推進します。
(1) 箱根との広域観光エリアの構築
熱海・箱根のそれぞれの観光地の特徴を活かしつつ、国内観光客をもとよりインバウンド客の旅行目的地とし
て熱海・箱根が選ばれるような、連携した PR 活動、観光資源の開発を進めます。
(2) 富士箱根伊豆エリアの広域観光の推進
伊豆東海岸国際モデル地区整備促進協議会、伊豆観光推進協議会、富士箱根伊豆国際観光テーマ地
区協議会や富士箱根伊豆市町村圏ネットワーク会議など広域的な枠組みの組織と連携しながら、広域観光
を推進していきます。
(3) 広域での着地型商品の造成
旅行のニーズが見る観光から体験する観光へとシフトしているといわれています。各地域の観光資源の見直し、
磨き上げとあわせて、各地の観光資源との組み合わせや交通システムの構築をはかり、広域での着地型商品の
造成に取り組みます。
(4) 地産地消の促進による広域連携
訪れた人が訪れた場所でのみ本当の地元の農産物、海産物が食べられる「地産池消」を、熱海だけでなく、
伊豆箱根エリアの広域で取り組みます。宿泊施設・飲食施設と地元農業者・漁業者の連携をつくり、観光交
流客に「熱海ごはん」・「伊豆箱根ごはん」といった魅力ある「食」の提案をします。
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< 資料 >
■ 富士箱根伊豆国際観光テーマ地区 構成市町村
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広域観光の推進
< 参考 > 他地域の事例 「地域いきいき観光まちづくり」(平成 18 年 8 月 国土交通省)より
◇ 富良野・美瑛 古都・京都とのタイアップによる観光振興
京都・北海道国際観光客誘致推進協議会が主体となり、豪州人観光客の増加している古都・京都とスキー旅行
客で賑わう北海道(旭川・富良野)とを結びつけ、一回で二度おいしい旅行機会の創出と魅力の向上を図り、さらなる
旅行客の誘致を進める。
◇ 佐原 広域的観光連携事業(水郷三都)
観光交流空間づくりモデル事業の一環として、佐原・潮来・鹿嶋の水郷三都地域の連携により観光客誘客のための
共同プロモーションを実施。また、PR のため海外マスメディア関係者の招聘ツアーも実施。
◇ 萩・津和野 広域連携による観光地域づくり
萩市、益田市、津和野町は、官民協働による「萩・益田・津和野圏域広域連携観光交流推進協議会」を組織。
広域案内看板や連携した PR 活動など、広域連携による観光振興を図る。域内の美術館が連携する「美術館回
廊」では、統一ポスター作成や割引制度の創設を行う。
◇ 下関 海峡を活かした広域観光の推進
関門海峡を一つの観光資源として取り組む、関門海峡観光推進協議会を設立。水族館やカモンワーフなどのウォー
ターフロント整備とあわせ、市民の台所「唐戸市場」の全面改修を実施。改修を契機に観光資源としても注目され、
セリや魚食実習などの体験ツールが人気を呼んでいる。平成 15 年には、当地域の地域資源を活用した新たな滞在
型観光を目指す「下関海峡パノラマ構想」を官民協働で立案。みもすそ川公園でのオープンカフェやロープウェイ再開
等の社会実験を行い、市民と観光客がともに楽しめるまちづくりを推進する。北九州市門司とタイアップして行う関門
海峡花火大会は、北九州側を含め毎年 100 万人以上の人でにぎわう。
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Fly UP