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類内膜腫瘍・明細胞腫瘍

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類内膜腫瘍・明細胞腫瘍
1:│1事 11■
■1
│‐
類 内膜腫瘍・明細胞腫瘍
類内膜腫瘍・明細胞腫瘍
類内膜腫瘍 :子 富内膜由来の上皮性および間質性腫瘍の類似を示す腫瘍
明細胞腫瘍 :グ リコーゲンに富む淡明な緩胞質を示すか、またはわずかな
細胞質と大型核を有して鋲釘hobn昴 1状 の形態をとる腫瘍細胞
帝東大学医学部病理学講座
笹島ゆう子
によって構成される腫瘍 (内 膜A"a,Stdla反 応に類似)
共 通事 項
。 大部 分 は悪 性 (腺 癌 )で あ る
。 良性・境 界 悪 性 はまれ
。 良性・境 界 悪 性 腫書 の 多くは線 維線 種型
。 子 宮 内腹 症 との 合併 が 多い
類 内膜 線癌
:253銚
明細 胞 腺 経 :21-54%
継難
き
=
類 内膜腫瘍
・ 1良 性 :卵 巣 良性 上 皮性腫 瘍 の 1%以 下 、卵 巣上 皮性 腫 瘍 の 1%
・ a類 内膜鯨腫
。b類 内膜腺線 維腫
●2境 界 悪性 :卵 巣境界 悪性 腫 瘍 の 2‐ 3%、 卵 巣 上皮性腫 瘍 の 02%
。a類 内膜境界悪性腫編
・ b類 内膜境界悪性腺線維腫
●3悪 性 :卵 巣癌 の 1● 2096
・ a類 内膜腺痛
・ b類 内膜腺癌 線維腫
。c癌 肉lE
・ d腺 肉腫
・ e低 悪性度 類内膜間質 肉腫
・ f未 分化卵 巣肉腫
て類 内膜腫瘍 >
症例 1:類 内膜腺癌
●59歳
・ 腹部腫瘤にて来院
・ 画像にて、充実嚢胞状卵
巣腫瘤指摘
・ 肉眼像
・ 壊死・出血を伴う充実嚢
胞性腫瘍
漿液性腺癌 と類内膜腺癌 の鑑別
類内膜腺癌
1
漿液性腺癌
乳
位
築1 践
組
織
構
壁
繁
横
樹
貧
F I 思
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駿
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::ス 百
晟
島
「
『
1
細胞像
高 円柱 状 細 胞 、
1
核 の偽 重層 化 、
1
類内膜腺癌
核異 型 は強 くない
立 方 状細 胞 、
1
INノ C比 大 、丸い大型核 、核
小 体 明瞭
:
aptal surfaceが 平坦
扇平 上皮 へ の分化
_..=‐
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‐
>
_二
1内 膜腫瘍
症例 2:類 内膜境界悪性腫瘍
│二
症例 2:類 内膜境界悪性腫瘍
●60歳 代 女性
0511疾 患にて経過観察 中、腹部超
音 波検査にて卵巣腫瘍指摘
・ 表面 平滑な充実性腫瘍
・ 割 面では黄 白色 の充 実
性 多結 節構造を示 し
一 部 に嚢胞状構 造
・ 出血・壊死なし
,
メ﹂
・ 画像所見
●8cm大 の腫瘤性病変。大部分は
充実成分であるが,辺 縁および
内部に一部嚢胞構造を伴う
。出血・壊死なし
。線維成分を含む卵巣境界悪性
腫瘍あるいは卵巣癌を疑う
2
明細胞腫瘍
・
1良 性 :極 め て稀 (excep● onal)
・ a明 細胞腺腫
。b明 細胞腺線維腫
02境 界悪性 :境 界悪性腫瘍の1%以 下
・ a明 細胞境界悪性腫痛
・ b明 細胞境界悪性腺線維腫
03悪 性 :日 本では卵巣癌の20%程 度 、欧米では稀 (腺 癌 の6%)
・ 3明 細 胞線 籍
・ b明 細 胞 腺 癌 線維 睡
―
―
―
一
イ
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明細胞腺癌 の 組織学 的 多彩性
・ 組 織 構 築 の パ ター ン
・ Pa p‖ ary patern
o So d pattern
細 胞 の タイブ
・
Clear ce‖
・ Hobnal ce‖
。Ct・ 6oidol ce‖
・
Flat ce l
・ OxvphH c cc l
o Signet ring ce‖
Clear or Hobna‖
・ 間 質 にも注 目
●HVa in12ed COre
Stroma___
│・ 1
FI :111=
・ Hya ine bodies
│ ・ MuC° d
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Ret・ cu!ar patern
明細胞腺癌 :症 例 1
●38歳
OCOP
・ 3cnn大 の卵巣嚢腫にて経過
観察され ていたが、検診に
て増大を指摘され来院 。
明細胞腺癌
・ 内容液 は血性
・ 内面に8mm大 までの
小隆起 を散在性 に複
数認める。
4
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___才
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明細胞腺癌 :症 例 2
●50代
40歳 時 、46歳 時に内膜li性 業胞 にて手 itrに 羊細 不 明 )
【既往歴 】
●2年 前 に超 音 波 にて5cm大 の卵 巣睡蕩 指摘 、良性 と言わ れ ていた
・ 定期健 診 にて腫 蕩 の 1曽 大を指摘 され 来院 .
O MRに て 15x12x10cm大 の 多房 l■ 彙胞 性腫 蕩 .
明細胞腺癌 症例 2
:
。12x10x65cm大
0漿 液性 内容液
0嚢 胞 と考 えられた部 分
の 多くは強 い浮 1重 によ
り膨 化 した間質
→ 浮腫 の 強 い 充実性
成分を有する単房性嚢
胞性 腫瘍
― _二
症 薇声
―
計 ・ =‐
明細胞腺癌
060代
:
・ 腹音F膨 満
0子 宮後面との
癒着強く、腫瘍
の一部のみが
迅速診断に提
出された
夕13
灘ず
:●
明細胞腺癌 :症 例 3
.:が
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鷲,
一
・ 子富後面に癒着する
17x15crn大 の嚢胞充実性
腫瘍。
・ 充実部は黄白色調で、壊死
を伴う。
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11蝙
〓
﹂
・
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一
一
一
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ノイ
第 57回 日本病理学会秋 期総会
サテ ライ トセ ミナ ー 婦人科領域 の病理診 断セ ミナ ー
性索間質性腫瘍 の組織診 断
岡山大学病院
1
病理診 断科
柳井 広之
は じめ に
性 索間質性 腫瘍 は、性索 (顆 粒膜細胞 、セル トリ細胞 )、 間質細胞 (奏 膜細胞 、
ライデ ッ ヒ細胞 、線維芽細胞 )が 種 々 の害1合 で混 在 して増 生す る腫 瘍 であ る。
腫瘍 の構成細胞 、組織構築 は多彩 で 、 ときに分類 の 困難 な腫 瘍 もみ られ る。
このセ ミナ ー で は 、最初 に,F巣 の性 索、間質 の組織像 と発生 、役 に立 つ免疫
染色 マー カ ー につい て述 べ た後 、2例 の症例 を呈示す る。
2
性 索の発 生
性索 は 、胎 生期 に生殖隆起 の表面 を覆 う coelomic epitheliumが 内向性 に増殖 し
て胚細胞 を取 り囲む構造 として発生 す る原始 (一 次 )性 索 として形成 され る。
男性 では Y染 色体上 の scx dctcrmining rc」 On ttY(SRY)遺 伝子 の働 きで、原始
性 索 か ら精細 管 (Sendi細 胞 )が 形成 され 、男性 型 の性腺 、す なわち精 巣 の形
態 が形成 され る。
一 方 、SRYの 作用 を受 けない女性 の性腺 では原始 (一 次 )性 索 を構成す る細
胞 は退 縮 し、性 索構成細胞 はJF細 胞 を取 り囲むわず か な細胞 のみ にな るが、卵
胞 を形成す るよ うにな る と、 これ ら細胞 は増 生 して顆粒膜細胞 とな る。
近年 のマ ウスの実験 による と、卵巣 で FOXL2(folk head box L2)遺 伝子 の発現
を止 める と
SOX9の 発現 が誘導 されて 、顆粒膜細胞 がセル トリ細胞 様 に、奏膜
細胞 が ライデ ッ ヒ細胞様 に変化す る こ とが 明 らか にな った
1。
この こ とは 、一た
びJF巣 が形 成 され た後 で もある条件 下ではセル トリ細胞 、 ライデ ッ ヒ細胞 が現
れ る可能性 を示 してお り、女性 の性 腺で あ るプロ巣 で 、男性性腺 の構 造 であるセ
ル トリ細胞 、 ライデ ッ ヒ細胞 よ りな る腫 瘍 が形成 され るメカ ニ ズム を説 明 し う
るか も しれ ない。
t
Uhlenhaut NH, Jakob S,Anlag K, et al. Somatic sex reprogramming of adult ovaries
to testes by FOXL2 ablation. Cell. 2009;139(6): lL3O-42.
3
性 索 間 質 性 腫 瘍 の 診 断 に 役 立 つ 免 疫 染色
陽性 となるマーカー
subunit)
hHbin― α (下 垂体か らの FSH分 泌を抑制する inhiЫ nの α…
CD56
calretinin
NIIIC-2(CD99)
α―
smooth musclc actin
陰性 となるマー カー
EMA(上 皮性腫瘍 の多 くが 陽性 であるのに対 し、性 索細胞腫瘍 は陰性
4
)
症例検討
Case l.
40代 、3経 妊 2経 産。月経 は不順 であ り、2年 前 よ り無月経 であつた。 3ヶ 月
前 に下腹部膨 隆感 があ り、近医を受診 した ところ右卵巣腫 瘍 を指摘 され たため、
子宮全摘術 お よび両側付 属器切 除術 を施行 され た。
腫瘍 は最 大径約 10 cmで 、割面 では充実性部分 と嚢 胞性部分 が混在 して見 ら
れた。充実性部分 は黄 色調 であった。
組織学的 には N/Cの 高 い細胞 がび まん性 に増 生 し、 そ の 中 に好酸性硝子様物
質 を取 り囲む ロゼ ッ ト様配列 が見 られ 、顆粒膜細 胞腫 の Ca11-Exner bodyと 同様
の もの と考 え られ た。 また 、 この部分 では腫 瘍細胞 に核 溝 が み られ 、 コー ヒー
豆様 の像 を呈 していた。
上記 の成分 とは別 に円柱状糸田胞 が solid_tubulesあ るい は hollow tubulesを 形成
して増 生す る部 分 が 見 られ 、 この像 はセル トリ細胞腫 に類 似 してい る もの と考
え られ た。
間質 には好酸性細胞質 を持 つ 立方 状細胞 が集 族 して 見 られ た。 これ らの細胞
は inhЫ n― α陽性 で あ り、奏膜細胞 の性格 を持 つ機能性 間質細胞 と考 え られ た。
以 上 の所見 か ら、本腫 瘍 は顆粒膜細胞腫 、セル トリ細胞腫 の成分 な どが混在
す る腫 瘍 であ り、GynandroЫ astomaと 診 断 した。
GynandЮ blastomaは 明瞭 な顆粒膜細胞腫 とセル トリ細胞腫 が混在 し、それぞれ
の成分 が 10%を 超 える稀 な腫瘍 である。顆粒膜細胞 腫成分 としては成人型 の、
微 小濾胞状 パ ター ン を呈す る こ とが 多 く、セル トリ細胞腫成 分 としては高 ∼ 中
分化型 の像 を見 る こ とが 多 い。本症例 では 、上 記 の性 索成分 の他 に間質 にも好
酸性細胞 がみ られ た。 これ らの細胞 には ライデ ッ ヒ細胞腫 に特 徴 的 な ライ ンケ
の結晶は見 られず 、奏膜細胞成分 と考 えた。
ふ
濤
ゝ
ヽ
`
ゝ`
ギナ ン ドロブラス トーマ 左上 :割 面、右上 :顆 粒膜細胞腫様成分、左 下 :セ ル トリ細
胞腫様成分、右下 :夫 膜細胞成分
本症 例 で はそれ ぞれ の腫 瘍成 分 に特 徴 的 な像 がみ られ る。
C」 1-Exncr bodyは 成 人型顆粒 膜 細胞腫 の 代表 的 な所 見 で あ り、
微 小濾 胞 パ ター
ン を特 徴 づ け る もので あ るが、実 際 には症 例 の 30%程 度 にみ られ るにす ぎな い
と言 われ て い る。 好 酸性 硝子様 物 質 を腫 瘍細 胞 が 放 射 状 に取 り囲む のが 典型 像
で あ る。 硝子様 物 質 は基底膜物 質 で あ り、本症 例 で も Type Ⅳ cdlagcnの 存在 が
確認 され る。
本症 例 のセル トリ細 胞 成 分 の 多 くは
2列 の 円柱 状 の 増 生 と して み られ る。 管
腔 は多 くの部位 で は塞 が って お り、sdid tubulesと して観 察 され る。 また 、部位
に よ つ て は輪状糸田管状 にみ られ る ところ もあ る。
Gynandroblastomaは 幅 広 い 年齢 層 にみ られ るが平均年齢 は 30歳 前 後 で あ る。
報 告例 の ほ とん どが Stagc Iで あ り、悪性 の経過 を とつ た症 例 の報 告 は な い 。
鑑 別 疾 患 と して は顆粒 膜 細 胞腫 、 セル トリ細胞 腫 が 挙 げ られ るが 、それ ぞれ
の 成 分 が どの程 度 の割 合 で含 まれ るか で 診 断 が決 ま る。 また 、卵 巣類 内膜性 腺
癌 の 中 に は性 索細胞腫 瘍 に類似 す る組 織 亜型 が あ り、 鑑別 の対 象 とな る。
Case 2.
10代 、女児。 不 正 性 器 出血 が lヶ 月 続 い た た め近 医受診。 右 JF巣 腫 瘍 を指 摘
され た。右 卵巣 は 9× 6× 5 crnで あ り、内部 は mixed patternで あ っ た 。入院 時
の検 査 で は CEA、 CA125、 CA19-9、 AP、 estradiolは 正 常範 囲 内で あ っ た。
右 付 属器 摘 出術 お よび左 卵 巣楔 状 切 除術 が 行 われ た 。 摘 出 され た 右 卵 巣 の 表
面 には地 図状 出 血斑 が あ り、害1面 で は 出 血 調 の 部 分 と光 沢 を有 す る黄 白色 の 結
節 が混在 す る sdidな 部分 と、最 大径 4.5 cmの cystを み とめた。
組 織 学 的 には浮腫 状 の 組 織 の 中 に細胞 密 度 の 高 い 部 分 が 分葉 状 に 見 られ た 。
細胞 密 度 の 高 い 部 分 で は空胞 状 の胞 体 とそ の 辺 縁 に押 しや られ た 核 を有 す る円
形 細胞 を主体 とす る腫 瘍 細 胞 が 増 生 してお り、 円形 細 胞 間 には 多数 の 毛細血 管
もみ られ た。 鍍銀 法 で は個 々 の 細胞 の周 囲 を reiculin ibcrが 取 り囲ん で い た。
smooth musde ac」 nと inhibin― αが
免 疫 染色 で 、 円形 細胞 は 宙mendn陽 性 、 α―
一 部 の細 胞 に 陽性 とな っ た。
以 上 の所 見 か ら、本腫 瘍 を sdeЮ Jng stromaltumor(SST)と 診 断 した。
轟募二1:11鷲:1'4蓬 :甲 ・tご 撃
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滋:::I驚l壼幾、
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硬 化性間質腫瘍
左 上 :マ ク ロ所 見 G害 1面 の一 部 に嚢胞 を見 る。右上 :細 胞密 度 の高 い
部分 が 分葉状 にみ られ る。左 下 :細 胞密度 の 高 い部分 では血 管 の増 生が 目立 ち、staghorn
pattcmの 血 管 もみ られ る。右 下 :空 胞 を持 つ 腫瘍細胞 がみ られ る。
SSTは 若年女性 に好発す る良性 の 間質細胞腫瘍 であ り、そ の他 の 間質細胞腫
瘍 であ る線維腫や奏膜細胞腫 が 中年以降 に好発す るの と対照的で ある。 ホル モ
ン産生 による症状 を見 る ことはまれ で ある
2。
組織学的 に円形細胞 が密 に増 生す る領域 では staghorn pattemを 示す血 管 の増
重瘍細胞 が VEGFを 産生 してい るためである とい う
生が特徴 的 であ り、これ は月
3。
SSTと 鑑別 を要す る腫瘍 としては 、印環細胞癌 の転移 が挙 げ られ る。 印環細
胞癌 では細胞 質 の空胞状 にみ える部分 は粘液 であ り、PASや alcian Ыuc染 色で陽
性 とな るの に対 し、SSTの 空胞 が脂肪滴 を含 んでい る こ とで鑑別 され る。また、
cytokeratinの 発現 も SSTで はみ られ な い。
印環細 胞 の形態 を示す細胞 のび まん性 増殖 を示す腫瘍 として jgnct五 ng ccll
stromJ tumorが ある。 この腫瘍 で増殖す る細胞 の空胞 は粘液 も脂肪 も含 まない。
また、SSTの よ うな分葉状構造や特徴的 な血管 を持 たない点で鑑別 され る。
2 Chalvardjian
A, Scully RE.
Sclerosing stromal tumors
3r(3):664-70.
3 Kawauchi S, et al. Sclerosing stromal tumor
of the ovary. Cancer. 1973
of the ovary: a clinicopathologic,
immunohistochemical, ultrastructural, and cytogenetic analysis with special reference to
its vasculature.Am J Surg Pathol. 1998 ;22(l):83-92.
胚細胞腫瘍 の組織診 断
国 立病院機構
病理診断科
名 古屋 医療 セ ンター
ある卵黄嚢 、
絨 毛 に分化す る と、それぞれ yolk sac
tumoち choriocarcinomaと な り、胚 内 の各種組織
に分化す る と teratomaと な る。精巣 の場合 と比
較す る と、卵巣 にお い ては embryonal carcinOma
森谷鈴子
は稀 で 、純粋 な形 でみ られ るこ とはほ とん どな く、
重瘍取扱
重瘍 germ cell tumorsは 卵巣月
胚細胞月
い規約 では以 下の 7つ の組織型 に分類 され る。
A.デ ィスジ ャー ミノーマ dysgerminoma
B.卵 黄嚢腫瘍 y01k Sac tumor
C. 月
台芽性癌 embryonal carcinoma
D.多 胎芽月重polyembyrOma
E.非 妊娠性絨 毛癌 nOn‐ gestational
多 くは mixed germ cell tumorの 一成分 として
み られ る。
胚 細 胞 腫 瘍 の 中 で も 頻 度 の 高 い mature
teratomaや 組 織 像 が 非 常 に 特 徴 的 で あ る
dysgerminoma,choriocarcinomaに つ い て は病
理診 断 に苦慮す るこ とは少 な い と思われ る。一 方 、
yolk sac tumorは 組織像 が 多彩 で複雑 で あ るた
め、
embryomalcarcinomaや dysgerminoma等 、
chorlocarclnoma
F.奇 形腫 teratoma
G.混 合型胚細胞腫瘍 mixed
他 の タイ プ の 胚 細胞 腫 瘍 と鑑 別 を要 す るパ ター
germ celltumor
ンが 混在す る。 このため、yolk sac tumorの 診断
にあた つては純粋 な yolk sac tumorか 他 の成分
これ らの 中で 日常経験 され るの は teratomaの
を含 んだ mixed germ cen tumorか の鑑別 に苦慮
中 の mature teratomaが ほ とん どであ り、そ の
す るこ とがある。また胚細胞系ではない腫瘍 との
他 の組織型 は稀で ある。そ の組織発生 につい て は、
鑑 別 を要 す る パ タ ー ン ま で 存 在 す る 。 更 に 、
図 1に 示す よ うな経路 が考 え られ てい る 1ヽ
polyembryomaに あた つては、多 くの教科書 にお
いて 「これ までに
20例 しか報告 され てい ない 」
とい っ た記載 があるよ うに、非常 に稀 であるため
に鑑別 にす ら挙が りに くく、鑑別 に挙が つ た場合
に も診断 に苦慮す るこ とが予想 され る。 この よ う
な事 を念頭 にお くと、胚細胞月
重瘍 の病理診 断 につ
い て理 解す るためにはまず yolk sac tumorの 特
徴 を押 さえ る こ と と、 非 常 に まれ な
polyembryomaと は どんな腫 瘍 なのか を一 度見て
お くこ とが一 番効率的 ではないか と考 え られ 、本
セ ミナ ー では特 に この 2つ の組織型 につい て供覧
す るこ とに した。
(図 1)
1. Yolk sac tumor
発 生第
4週 の初 め頃 に
原始胚細 胞 は卵黄嚢 の
Yolk sac tumOrは 悪 性 胚 細 胞 腫 瘍 の 中で は
壁 に出現す る。原始胚細胞 は大型 、球形 の細胞 で 、
dysgerminomaに 次 いで多 い組織型 で ある。小児
5週 目には将来卵巣 あるい は精巣 とな る生殖原基
か ら若年成人 に発生 し、 ほ とん どが
30才 未満 で
こ う して卵巣 に入 つた原
ある。発見動機 となる臨床所 見 として 、腹痛 、腹
dySgerminomaと 考
え られ てい る。 一 方 、embryonal carcinomaは
部腫 大 、腹 部 な い しは骨盤 の 腫 瘤 が 多 い 。 血 中
AFP値 が上昇す るこ とが特徴 で、本腫瘍 の診 断及
totipotential cellsに 由来す る と考 え られ てお り、
び 術 後 の 経過観 察 にお け る再発 の チ ェ ックに有
最 も分化 の低 い腫瘍 である。 これ が胚外 の構造 で
重瘍 は通常片側性 である。約 60∼ 70%
用で ある。月
に 向 かつて遊走 す る
'。
始胚細胞 に由来す る腫瘍 が
は stage I Or IIで 、
残 り 20∼ 300/0は stage III or IV
よ うに胚細 胞 由来で あ る こ とを初 めて提 唱 した。
で ある。基本的 には aggressiveな 腫瘍で あ り、
そ して 、 絨 毛 の 支 持 組 織 を形 成 す る
化学療法 が発達 していなか った 時代 では、比較 的
extraembryonic mesoderm(胚 外 中胚葉 )に 由来
stageが 低 い症例 であつて も手術後腹腔内再発 を
す る extraembryonic mesOblastomaで ある とし
しば しば来た し、 ほ とん どが死亡 していた。 しか
た。 いわ ゆる糸球体様構造や網 目状 の血 管様構造
し化学療法 の発達 によ り、stage l or Ⅱ 症例 の予
は、 ラ ッ トの胎盤 にお ける endOdermal sinusお
後 は著 しく改善 した。本腫瘍 は妊娠可能 な若年者
よび labyrinthに 類似 してい る とし、endodermal
に好発す るが、現在 では片側付属器切 除 と術後 の
sinus tumor(内 胚葉洞腫瘍)と い う名称 が誕 生す
化 学り寮 法 GEP
るに至 つた。
cisplatin×
療 法 :bleOmycin, etoposide,
3コ ース)に よつて完治 し、妊娠・ 出産
まで可能 とな ってい る 9。
肉眼的 に 、
多 くは 10cmを 超 える大 きな腫瘤 で 、
Yolk sac tumorの 組織像 は多彩 な組織 パ ター
ンの組 み合 わせ か らな る。教科書や文献 に よつて
様 々 な分類 が記載 され てい るが 、 ここでは覚 えや
割 面 は灰色∼黄色調 を呈す る。主 に充実性 である
す い と思 われ る比較 的簡 単 な分類 法 を用 い て 紹
が 、種 々の程 度 に嚢胞状 の成 分 を含む。嚢胞腔 に
介す る。
は しば しばゼ リー 状 の液体 を含む。通常出血や 壊
死 を伴 う。
Yolk sac tumorを 理解す る上で、そ の歴史 につ
4つ の基本 パ ター ン
①
Endodermalsinus
いて知 ってお くと、そ の組織像 が頭 に入 りやす い
② Polyvesicular vitelline
と思 われ る ので 、 こ こで 紹 介 す る 。。 Yolk sac
③ Reticular/microcystic
tumorは 1939年 、Schillerに よつて初 めて記載
④ Solid
され た腫 瘍 で ある。腫瘍 中 に腎臓 の幼弱な糸球体
そ の他 のパ ター ン
に よ く似 た 構 造 が 見 られ る こ と に 注 目 し 、
① Glandular(NOS,intestinal,endometriloiめ
mesoneph五 c originの 腫瘍 と考 え られ 、 当初 は
② Hepatoid
mesonephromaと 呼ばれ た。 そ の後 、 1940年 に
報告 してい るが、plastic reconstructionも 用 いた
4つ の基本 パ ター ン めとそ の他 のパ ター ン
に分 けて考 える とわか りやす い。 4つ の基本 パ タ
彼 らの検討 で は mesonephric remnantに 由来す
ー ン はラ ッ ト・ マ ウスの胎盤 、卵黄嚢 、胚外 中胚
る と い う証 拠 は 得 ら れ な か つ た 。 彼 ら は
葉 へ の類似性 を示す。 一方 、腸型 をは じめ とす る
angioendotheliomatous originで あ る と考 え 、
腺管構造 や肝臓様組織 は、原始腸管及 びそれ か ら
papi1loendothelioma ovarii と呼んだ。 これ に対
派 生す る肝 組 織 が も とも と卵 黄 嚢 の 背側 か ら分
して 1942年 、Schillerら は、 も し Kazancigilら
化す る ことを考慮す る と、発 生過程 を模倣 して い
が言 うよ うに血 管 に出来す る腫瘍 であれ ば、生殖
る と言 える。 これ らのパ ター ンは 、歴 史的 には基
器 だ けではな く、他 の臓器 にお いて も同様 の腫瘍
本 の 4パ ター ンよ りも後 に認識 され 、記載 され た
が発 生す るはずで あるが、糸球体様構造 を伴 うよ
新 しい パ ター ンで ある。
Kazancigiら は このカテ ゴ リー に入 る腫瘍 を 3例
まず
うな腫瘍 が他 の臓器 に見 られ ない ことか ら、血管
上述 の歴 史的経緯 を見て もわ か るよ うに、yolk
由 来 の 腫 瘍 は 考 え に くい と した 。 や は り
sac tumorに 最 も特 徴 的 な組 織 パ タ ー ン は 、
mesonephric tissueが 生殖 原 基 に迷 い込 んだ も
endodermal sinus patternで ある。参考 までにマ
ので あろ うと考 えた。後 に Teilumは この どち ら
ウスの胎盤組織 の写真 を提示す る(図
の説 も否 定 し、Schillerに よつて mesonephroma
し、Kazancigilら に papi1loendothelioma
と円ηずオ
と呼ばれ た腫 瘍 は、今 日広 く受 け入れ られ て い る
2)。
Endodermal sinus patternは 、他 の胚細胞月
重瘍
には見 られ な いパ ター ンで あ り、yolk sac tumor
と診 断す る根拠 とな り得 る。
Polyvesicular vitelline patteFn
は、結合組織
の 中に多数 の嚢胞 が認 め られ るもので 、嚢胞 は扁
平 な い しは立方 状 の上皮 で裏打 ち され る(図
4)。
嚢胞 は時 に くびれ を有 し、くびれ をは さんで一 方
は扁平 な上皮 、一 方は立 方形 ∼ 円柱状 の上 皮 に裏
打 ち され る こ とがあるが 、 この よ うな像 は 、一 次
卵黄嚢
primaFy yOlk sacか ら 二 次 卵 黄 嚢
secondatt yolk sacへ の移行 段 階 を模 倣 してい
る と考 え られ てい る。稀 に腫 瘍 全体が このパ ター
こ の パ タ ー ン に 入 る も の と して 、 有 名 な
Schiller―
Duval bodyが ある。単一 の血 管 を含 む疎
ン の み か ら な る 場 合 が あ り 、 Polyvesicular
vitelline
tumor
と か
yolk
sac
tumoL
な結合組 織 の 表 面 に一 層 の立 方形 な い しは低 円
polbrvesicular宙 telline variantと 呼ばれ る 。。 こ
柱状 の上 皮細胞 が被覆 し、そ の外側 には三 日月状
の タイ プ は胚 細胞腫 瘍 に対 す る化 学療 法 が まだ
の腔 が取 り囲み 、 さらにそ の腔 の周 りには一層 の
十分確 立 され て い なか った 時代 に 報告 され て い
扁 平 な上皮 が被覆す る とい う構造 である(図
るが、純粋 に polyvesicular vitelline pattern(Dみ
3)。
か らなる yolk sac tumorは 、他 のパ ター ン と混在
す る症 例 と比 べ て予 後 が 良好 で あ つた と記載 さ
れ て い る。
(図
3)Endodermal sinus patteFn
この様 な きれ い な
Schiller‐
Duval bcdy lま yolk
sac tumor全 体 の 20%程 度 に しかみ られ な い。 し
(図
4)Polwesicular宙 telline pattern
か しこれ に類す る構造、す なわち単一 の血 管 を含
む 疎 な結 合組 織 を一 層 の上 皮 細胞 が 取 り囲 む構
Reticular/micrOcystic pattern(図
5)は 最 もよ
と か festoon
くみ られ るパ ター ンで 、98%の 症例で見 られ る と
pattern(“ festoon"と は"花 網 "の こ と)呼 ばれ 、血 管
の報告 が ある。小 さな嚢胞や腔 が連 な って網 目の
の 周 りに狭 い 結合組 織 を介 して上 皮 細胞 が 放 射
よ うに見 えるもので 、間質 は浮腫性 、粘液腫状 を
状 に 取 り囲 む パ タ ー ン は
呈 す る 。 こ の パ タ ー ン は 、 extraembwonic
造 は 、pseudopapillary pattern
perivascular
formationと も呼ばれ 、 この よ うな もの も含 める
と、 全 体 の
54%に 存 在 す る との 報 告 が あ る。
mesodermを 模倣 してい る。
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通
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(図
6)Solid pattern
Glandular patternは 、扁平 な上皮 か ら立方上
皮 、高 円柱 上皮 に裏打 ち され るもの まであ り、上
導 毅■ キ
皮 の所 見は多彩 である。 と りたてて特徴 の無 い原
始 的 な上皮 か らな る腺構 造 か ら特 定 の 方 向 に 分
化 した腺構造 まで見 られ る。後者 には腸 管類似 の
II:露
腺構 造 (intestinal ttte)つ と類 内膜腺癌 の腫瘍細
輩
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曇
馨
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胞 に 類 似 した 高 円 柱 上 皮 か らな る腺 構 造
(図 5)Reticular/microcystic pattern
造 が腫 瘍 の か な りの 領 域 あ る い は ほぼ全 体 を 占
(endometrioid type)Dが ある。稀 に これ らの腺構
めることが あ り、 この よ うな場合 には上皮 系腫瘍
Solid pattern(図
6)は 文字通 り月
重瘍性 上皮 が
や転移性腫瘍 との鑑別 が 問題 とな る。発 生 年齢 は、
充実性 の塊 をな して増殖す る もので ある。比 較的
通常 の yolk sac tumorと 同 じく若年 で 、血 中 AFP
よ くみ られ るパ ター ンで 、90%近 くの症例 で認 め
値 が 上 昇 す る な ど、 臨床 像 は通 常 の yolk sac
られ る。 こ の パ タ ー ン を 呈 す る部 分 は
とな る。
tumorと 同様 である。まず は この よ うな腺 管状 パ
ター ンが yolk sac tumorで も出現す る とい う事
充実部分 に
を頭 に 置 き、切 り出 しを追加 す るな ど して 他 の
比 べ て核所 見が単調 で 、間質 に小 リンパ 球 の浸潤
yolk sac tumorの パ ター ンが どこかに無 いか よ く
を伴 う。 これ に対 して yolk sac tumorで は、好酸
′
性看
肖子球 eOsinophilic hyaline globuleや 基底膜
探 し、真 の上 皮系腫瘍 と鑑別 す る必要 がある。腺
様物質 を伴 うこ とがあ り、 か つ微小嚢胞等 、他 の
carcinOmaと の鑑 別 も問題 とな る こ とが あ る。
yolk sac tumorの パ ター ンが混在 してい る。 ちな
Embryonalcarcinomaで は、よ り細胞異型 が強 い
み に間質 の基底膜様物 質 の存在 は 、parietal yolk
傾 向 があ り、上皮系で あるに も関わ らず
sac differentiationと 呼ばれ 、yolk sac tum釧 に
陽性 にな る。 尚、yOlk sac tumorに 比 較的特徴的
特徴 的な所 見であ る。 92%の 症例 で見 られ る との
な好酸性硝子 球 は 、embryonal carcinomaで も
報告 がある い。Dysgerminomaと yolk sac tumor
32%で 見 られ る との報告 が あ り、注意 が必 要 であ
の鑑別 には免疫染色 も有用 で 、yolk sac tumorで
る。
dysgerminOmaと の 鑑 別 が 問 題
Dysgerminomaは yolk sac tumorの
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dysgerminOmaで は これ らは陰性 であ る。
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管 状 構 造 を形 成 す る とい う点 で 、 embryonal
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Hepatoid patternは 、好 酸性胞体 を持 つ 単調
歩 によつて予後 が改善 され て きて い る。
な上皮が充実性 に増殖 し、肝臓 に類似 した組織 の
ほ とん どは mixed germ cell tumOrの 主た る
内胚葉性 の立方形上
成分 として見 られ 、純粋 型 は極 めて稀 である。発
塊 を作 るもので ある(図
8)9。
15∼ 18日
目まで の 早 期 胚 の 構 造 に類 似 す る
皮成分 と連 続 していた り、疎 な結合組織 に取 り囲
生
まれ て見 られ た りす る。Hepatoid patternが 出現
“
embryoid body"が 無数 に存在す る こ とに よつて
す る胚 細 胞 腫 瘍 に は 、 yolk sac tumorの 他 に
特徴 づ け られ る。Embryoid bodyは 、浮腫性・ 線
immature teratomaと 後述す る poサ embwOma,
維性 の疎 な間質 に囲 まれ て存在す る(図
及び m破 ed germ celltumorが ある。胚細 胞腫瘍
よ うな組織 の特徴 を反 映 し、割 面 の 肉眼像 では無
の 中に見 られ る hepatic tissueに は形態学的 に 、
数 の小 さな顆粒状構造 が認 め られ る。通常
成 人 の正 常肝組織 に類似す るもの 、胎芽 ・胎児 の
を超 える片側性 の充実性腫瘍 で あ り、出血・ 壊 死
肝組織 に類似す るもの 、肝細胞癌 に類似す るもの 、
が多 い。
9)。
この
10cm
/olk sac tumor
■
よ く分 化 した 典 型 的 な embryoid bodyは 、
では肝細胞癌 に類似す るタイ プが 多 い。稀 に腫 瘍
amniotic cavity yolk sac,embttonic discか ら形
の ほぼ全体が hepatoid patternか らな る ことが
成 され、yolk sacの 周 囲 を原始的 な胚外 中胚葉 が
あ り、hepatoid yolk sac tumorと 呼ばれ るが、形
取 り囲む (図
態学 的 に肝細胞癌 の転移や卵巣原発 の hepatoid
の ばか りではな く、amniotic cavityと yolk sac
carcinomaと の鑑別 を要す る。患者 が若年者 の場
cavityの 大 き さが著 しく不釣 り合 い な ものや どち
合や 、周 囲組織 に yolk sac tumorを うかがわせ る
らか の cavityが 2個 以 上 見 られ るもの 、著 しく変
パ ター ンがあれ ば 、hepatoid patternを 示す yolk
形 した も の や discの 高 円柱 上 皮 が amniotic
sac tumorと の診断 の手 がか りとな る。
cavityの 多 くを裏打 ちす るもの 、blastocystに 類
の 3つ のタイプが認識 され る 10。
10)。
しか し、 この よ うな典型的な も
似 す る も の 、 等 が あ る 。 こ の よ う な less
well‐ formed embwoid body(図 11)力 `
種 々の程
度 に混在 してお り、 この よ うな構 造 も
bOdyと
emb70id
して認 識 す る こ とが で きれ ば
pOlyembryomaの 可能性 を疑 う手 がか りとな る。
Embryoid bodyの 間には様 々 な分化段 階 にあ る
teratomatousな 成分 が種 々の程度 に存在す るが、
連 続 切 片 を用 い た詳 細 な組織 学 的検討 に よ り、
embryoid bodyの amniotic cavityと 月
易型上皮 ・
”
扁 平 上皮及び、yolk sacと 月
干組織 との 間 に移行 。
,
”
.
‘
.∵
.´
ヽ
連続 が 見 られ るこ とが確認 され ている。 この よ う
な所 見は、成長期 の胎芽 の 前腸分化 に類 似 してい
る 1つ 。胚 外 中胚葉成分や y01k sac,腸 管や肝臓 の
2. Polyembryoma
非常 に稀 な胚細胞腫瘍 で 、報告例 が少 な い ため、
組織 な ど、yolk sac tumoFに 類似 した成分 が 出現
す る が 、 polyembryomaに お い て は amniotic
そ の 臨床 像 や 予後 に つ い て も他 の 組 織型 程 に は
Ca廿 し yOlk Sac,embryonal disc,胚 外 中胚葉組
十分 わか つて い な い。 これ まで の少 な い報告 か ら
織 が 、多 少歪 んではいて も全体 としてユニ ッ トを
は他 の胚 細胞 腫 瘍 と同様 に小 児 ∼ 若 年成 人 に発
形成 して一塊 になってい る点が yolk sac tumor
43才 である。 隣接組織・ 臓器
との鑑別 点 とな る。 また 、yolk sacや 肝組織 にお
に浸潤 し、腹膜 に転移 してい るこ とが多 く、基本
いて AFPが 陽性 とな るため 、血 中 AFP値 が上昇
重瘍 で あるが 、化学療法 の進
的 には aggress市 eな 月
す る例が ある 19。
生 し、最 高年齢 は
14
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参考文 献
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Pathology of the Female Genital Tl・ act(6th
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(図
10)Emb呼 oid
cavity、
body:上 の 腔 は amniotic
6)
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IIllllnunoperoxidase
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electron
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1889,
1982.
謝辞
本発表 に際 し、貴重な症例 のご貸与 とご助言 を賜
りま した下記 の先生方 に御礼を申 し上げます。
名古屋大学嬌 誉教授 :中 島伸夫先生、名古屋大学
医学部保健学科 :長 坂徹郎先生、名古屋第一赤十
字病院病理部 :伊 藤雅文先生、藤野雅彦先生、愛
知医科大学病院病理部 :横 井豊治先生、高橋恵美
子先生
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