Comments
Description
Transcript
審議等の要旨 (第14期諮問第2号 屋外広告物許可基準の改正
審議等の要旨 (第14期諮問第2号 屋外広告物許可基準の改正について(継続審議)) 1 広告塔について 会 長:前回の審議会と今回は内容が変わっていませんが、何かご質問、ご意見はありま すか。 委 員:例えば2面の広告塔で、10㎡以下で設置されている方はこれまでは申請が要り ませんでした。この規制は10㎡を超えるものを対象にしているということですか。 事務局:敷地内の広告物面積の合計が10㎡以下の場合は、許可申請が不要です。広告物 面積の合計が10㎡を超える広告物の場合に申請が必要となります。通常の建植広 告物の広告板や広告塔は、敷地内に10㎡以上あるものが大半です。このように広 告物が申請される中で、資料2、3ページの課題にある事例は、正面の表示面積が 24.6㎡、側面が0.5㎡であり、10㎡を超えるものとなります。こういった ものの中で、広告板であるにも関わらず、側面に少し文字を書いただけで広告塔と して申請するものが見受けられたため、今回規制すべきだと考えています。姫路市 は数年前に同様の規制内容で条例を改正しており、本市においても対処できると考 えています。 会 長:具体的な面積事例等検証してきた結果として提出されたものです。 委 員:現に設置されている広告物の実態把握は可能ですか。 事務局:例えば、後ほど出てくるような置看板については、小規模な飲食店が設置したと しても10㎡を超えないため申請不要であり、実態把握が困難です。しかし、今回 のような事例の建植広告物については10㎡を超えてくるため、実態把握は可能だ と考えています。こういったものを規制したいと考えています。 会 長:この件について、異議はありますか。 (全員、異議なし) 会 長:この案件については了解されました。 2 置看板について 委 員:改正案④で既存不適格について10年間の経過措置を設けることになっています が、その10年間は何か基準があるのですか。不適格のものに10年間の経過措置 はちょっと長いと思います。 事務局:現行の条例に、屋外広告物が設置されている地域の用途地域が変わった場合は、 5年間の経過措置があります。今回、他都市よりも厳しい基準となるため、それで は厳しすぎるのではないのかということで、看板の耐用年数として、所得税法の減 価償却期間の10年で定めています。 委 員:資料2で、市の原案は2.5mまで設置可能ということだったのですか。 事務局:前回審議会では高さ2.5m以下で提案しましたが、それでは高すぎるという意 見がありました。 委 員:前回審議会意見③にもあるように、2.5mもある広告物には、普通アンカーが あるべきだと思います。それがアンカーを打つことで建植広告物となり、審議して いる置看板ではなくなってしまうということですが、2.5mもあればアンカーは 必要だと思います。①の意見の中で倒れた事例はないということですが、その辺の 説明をお願いします。 事務局:置看板は可動なので、安全上の処置として、台風や強風の時は建物の中にしまっ たり、建物の壁際に沿わすといった対応策をとっています。2.5mを超えてアン カーを打っているものは、建植広告物は敷地内に2基以下という基準があるため、 既に建植広告物が2基あるにもかかわらず、とりあえず置看板として申請しておき、 後でアンカーを打って建植広告物としているもので、本来は違反です。そもそも建 植広告物にしたくて巨大なものを作っていると考えられます。 委 員:アンカーを打つことで、それが何か資産や税金の対象となることはありますか。 事務局:税金的にはありませんが、建植広告物の基数違反になることがあります。 委 員:商業系地域以外は1.5mという規制ですが、市の原案としては2.5mであっ たものを、他市の基準も色々参考にして、1.5mと決めた根拠はどういうところ にありますか。 事務局:京都市等に問い合わせましたが、基準決定の明確な根拠はわかりませんでした。 何かから数値を引用したのではなく、実態を調査した中で、線引きされたようです。 1.5mだから安全だということではなく、京都市や金沢市は観光都市ですので、 景観にかなり力を入れていることから、この数字が採用されていると考えられます。 委 員:審議会意見で倒れた事例がないということでしたが、私は看板屋をやっており、 たまたま、この前の台風で2.5mの看板が倒れ、昨日引き取ってきました。アン カーではなくてもチェーン等で補助的な安全上の処理をすることは、やはり必要で はないでしょうか。 事務局:直接足元にアンカーを打つのではなく、チェーン等で繋いで倒れないようにする のは良いと思います。 委 員:チェーンの処置は良くアンカーはダメという理由がよく分かりません。また、高 さが1.5mというのは個人的には、厳しいと感じます。 会 長:審議会では、最近は異常気象で突風等により、広告物が飛んだり倒れたりしたら どうするのかといった議論をしてきました。アンカーを打つと建植広告物とみなす ということであり、建植広告物としてきっちりとして欲しい。置看板については、 2.5mでは人の高さよりも高いため、それが倒れてきたら危ないということで、 1.5mとなっています。例えば、竜巻が尼崎市で起こらない保証はどこにもなく、 竜巻が起こったら店に入れている暇はありません。飛んで誰かに当たり怪我をする ことがあると、市が広告物条例を変えたのに何故そのようなことが起こるのだと非 難されます。こういった中で、色々と知恵を出してきた経緯があります。ただ、そ の中で私自身が気になるのは、商業系地域を除くということは、商業系地域では高 さがいくら高くても良いのかということになります。今まで倒れた事例がなかった 1 から、とりあえず商業系地域は今後の課題にしましょうというという考え方でいい のかご議論をいただければと思います。 また、先程ご提案いただいたチェーン等で足元を固定することは、随時切り離し て動かすことができることから良いかと思います。今後の具体的な指導の中でどう するかということはまた議論していけばと思います。今回は規制の方で、これで問 題があるのかないのか、なければこれでよいということで次に進みたいと思います。 商業活動も重視しなければならないと思いますが、安全、安心というものも重視 してほしいと思います。あらゆる行政の基本は安全、安心という問題をクリアしな ければならず、事業者任せにして、市は関知しないということで今回の広告物条例 の改正を進めてよいのかと思います。 これは私、会長としての思いですが、商業系地域は、まだ時期尚早ということで あれば、これで進みたいと思います。 委 員:資料3の置看板の高さの他都市との上限値の比較ですが、京都市や金沢市のよう に景観を非常に大事にしている都市と尼崎市は同列になろうとしています。しかし、 1.5mは商売することを考えた時、支障がでる、もうちょっとアピールしたい、 もっと消費者に目立ちたいという商売人の思いと合わなくなるかもしれません。1. 5mという京都市や金沢市の古都と同じようなレベルが本当に尼崎市と合ってい るのでしょうか。他都市と比較して無難な2.0m位でもよいのかなと思います。 1.5mでは低い感じがします。アイレベルという基準が出ましたが、他都市との 比較で見ますと、そこまで厳しくなくても良いのではと思います。 委 員:今、審議のテーマとなっているのが、安全性と景観の切口だと思いますが、安全 性は会長が言われた通りに考え明確にすべきだと思っています。 景観は、尼崎市の都市計画を見てみますと、市の方向性として、住居と商業と工 業とあると思いますが、バランスよく目指すべきであると理解しています。そうい った意味でも、安全性を確保しながら、尼崎のものづくり、工業、商業を考え、盛 んにしていきたいと思うのであれば、景観を非常に重要視している金沢市や京都市 と同じ景観のレベルでいいのか疑問を感じます。 会 長:私は、随分前に、尼崎市の都市美アドバイザーと都市美審議会委員となりました が、あれから尼崎はずいぶん変容してきたと思います。江戸時代までは城下町であ り、それが工業都市と呼ばれ、現状は住宅都市へと変貌しつつあるように思います。 そういった変容を考えますと、住居地域等の景観を重視していくのが、尼崎市にと って得策ではないかと思います。また一方で、工業都市であった時には、商業活動 も非常に盛んになされていたこともあり、その2つの側面を景観として抱えている ように思います。その中で、少し苦しい判断として、商業系地域を除き、とりあえ ず、住居を中心とした地域できちっとした制度を作ろうとしています。その考え方 としては、尼崎市も金沢市と変わらないまちであると考えていくことが、これから の都市美が発展していく方向ではないかと思います。しかし、尼崎市は、まだそこ まで熟していないという意見もあるかもしれません。ただ私は、委員を20年以上 2 してきた中で、尼崎市は本当に大きく変貌しており、その変貌ぶりから将来を見る と、おそらくまちの風景はどんどん住宅地としての特徴が出てくるのではないかと 思います。そういった意味からすると、置看板の高さの基準を1.5mとし金沢市 に負けない条例を作ることは、市にとって非常に励みとなり、方向性もはっきり出 てくるのでないかと思います。 委 員:前回にも申しあげましたが、高さを決めるにあたってその数字に何か根拠が欲し いと思います。個人的には1.5mと2.0mで景観がどのように変わるのか実感 できていないため、その高さに根拠が欲しいと意見しました。市の回答は、低けれ ば低いほど安全だということであり、1.5mでも安全性の保証がなく、景観を重 視している京都市や金沢市でも、高さの基準に対する明確な根拠が聴き取れなかっ たということで、 1.5m位でも良いのかと思いましたが、既存不適格となるも のが多数ある中で、規制を行う意義に疑問を感じ、逆に、なぜ1mにできないのか とも感じます。 委 員:景観面からの根拠として明らかなものはないかもしれませんが、私は目線を超え ると、大きさ、幅にもよりますが、圧迫感というものが増してくると思います。そ ういった意味では数字は決めにくいものではありますが、ある程度で線引きをし、 決めてしまうことも非常に意味のあることだと考えます。市でこういった数字を出 したということは勇気がいることであり、その心意気を買い、このような規制を行 っていくこともよいことではないかと思います。また、全市域で1.5mとするの ではなく、住環境を保全するという意味で住宅地について規制し、商業系地域につ いては1.5mの基準を外すことは、全国的な規制の分布からみても非常にバラン スがとれているように思います。 会 長:1.5mに根拠はあると思います。他都市の中で1番低いものを選んでいるとい うことと、子どもの背の高さを超えない高さでもあると思います。2.0mだと明 らかに人の背の高さを超えるものとなります。 例えば、1.75mも考えられますが、50センチ刻みで考えた時に、1.0mは 広告効果が少ないことで業者の方も困るであろうし、1.5mであれば、広告効果 もそれほど少なくならないで、人の高さ以下で安全ですと考えても良いのでないか と思います。子どもの身長を考えると、小学校の高学年位になると1.5mくらい であり、根拠がだんだん出てくる気がします。 かなり議論を重ねてきましたが、この原案で行き、今後進めていく中で、訂正す る必要が出てくれば最後にそのお話をお聞きすることとし、訂正する必要が出てこ なければ認めることでいかがですか。 委 員:商業系地域以外で、高さの傾向として、1.5mのものが多いのか2.0mのも のが多いのかを把握できているのでしょうか。 高さを1.5mと決めた時、現在不適格となる置看板を是正指導する取組を進め ていくわけですが、かなり膨大な労力が必要となります。不適格となる広告物の把 握はできるものなのでしょうか。 3 事務局:敷地内の広告物面積の合計が10㎡以下の範囲内で置看板を設置される場合は申 請が不要です。そういったものの把握は困難です。また、国道2号沿道は商業系地 域がほとんどですが、そのうち2.5kmの区間を調査した結果、13 個のうち7 個が1.5mを超えており、53%の割合で不適格となります。さらに、許可申請 が出てきたものでも、65個中15個が不適格となります。 会 長:商業系地域で、いくらでも高いものが設置できるのはやはり気になります。例え ば高さが5.0mのものを設置されるかといえば、それは社会的責任として、非常 識にそこまで大きなものを作ることはないのではないかと思います。2.0m位に しておく考え方はあると思います。また、建植広告物であれば一度設置すればなか なか変更できませんが、置看板は割と簡単に変えられることから、色々なアピール ができる良さがあると思います。したがって、商業活動にとって置看板のアピール が必要なことは理解できるため、広告業に携わっている方の良識を持って置看板を 設置していただき、今回の規制から商業系地域を外しますが、商業系地域において も、安全、安心を大切に設置していかなければならないことは、市から周知してい ただきたいと思います。 いろいろな意見がありますが、実態調査も行い検討してきた改正案ですので、こ のまま通す事で良いと思いますが、いかがでしょうか。 (全員、異議なし) 会 長:この案件については了解されました。 3 自光式広告物等について 会 長:LEDが出てきて非常にまぶしかったり広告面も非常に大きくなってきたことが あり、それを検討した結果がこのような提案となります。 表面が光る広告物は建築物の屋上にあったり、壁面にあったり、建植であったり など様々な形態があり、それをどう規制していくのか、どのような範囲内におさめ させるのかという中での面積や高さなどをまとめた改正案です。 委 員:商業系地域を除外しているのは、点滅灯、回転灯の理解でよいでしょか。 事務局:そのとおりです。 委 員:大前提として、対象地域は幹線道路沿等でよいでしょうか。 事務局:そのとおりです。都市美形成計画で重点的に景観指導すべきとされている幹線道 路沿道等、人通りの多いところです。 また、商業系地域を除いているのは、点滅灯、回転灯のみであり、自光率は商業 系地域も制限をかけています。 自光率は、広告物の光っている面積を制限していきますという趣旨です。 会 長:参考までにその幹線道路沿いで商業系地域はどのくらいの割合になりますか。割 合は高いのですか。 事務局:国道2号沿いは、近隣商業系地域と商業系地域が大半となります。 会 長:阪神電気鉄道沿いや国道43号はどうですか。 4 事務局:阪神電気鉄道は高架であるため、幹線道路等からは外れます。国道43号沿道は、 工業専用地域と準住居地域などが大半であり、商業系地域はありません。 委 員:近隣商業地域も商業系地域となるのでしょうか。 事務局:商業系地域となります。 会 長:南北に通る幹線道路等に商業系地域はどのくらいありますか。 事務局:南北に通る幹線道路等は、JR尼崎駅周辺地域やつかしん周辺の再開発地域など に商業系地域はあります。 したがって、点滅、回転灯を除外する商業系地域はそれほど多くはありません。 会 長:住居系地域の幹線道路等で点滅、回転して光っているのはあまり良くないと思い ます。そういった地域にそんな宣伝効果が必要かどうかを含めてご議論いただけれ ばと思います。 委 員:資料2の4ページですが、既存不適格広告物の経過措置について③のところでは 10年間の経過措置を新たに設けると書いていますが、④では、既存不適格広告物 の改修指導については、屋外広告物の許可期間は2年となっているため、更新通知 の経過に合わせて改修を促しますとなっています。この2年間と10年間というの はどう違うのでしょうか。 事務局:許可申請されているものは、2年ごとに更新する必要があります。それを促すた めに更新手続きの通知を各広告主に送っています。これにあわせて、更新申請の2 年ごとにお知らせし、10年以内に新しい基準に是正するよう促していきます。 会 長:2年ごとの更新で10年ならば、4回指導して5回目は違反となるのでしょうか。 委 員:2年ごとに注意し、4回注意を促すということです。 委 員:守らないときの罰則はあるのでしょうか。 事務局:罰則規定はあります。内容によって違い、改修、移転、除却、その他必要な処置 の命令に従わない者は50万円以下の罰金、禁止地域、禁止物件又は許可地域の規 制に違反したものは30万円以下の罰金といったものです。 会 長:黄色い看板を使っているスーパーですが、あのような過剰な広告物が出てくると、 他のところにも影響を及ぼし、競争しようという会社が出てきても不思議ではない ため、こういったものについては少し遠慮をいただきたいという市の姿勢を示すこ とには意義があると思います。既存不適格に対する10年間の経過措置は、長いか もしれませんが、指導が4回、最後の5回目が違反指導となると、さすがに少しは 考えてもらえるのではないかと思います。直ちに違法広告物を撤去していくもので もありません。 正常な広告活動を阻害しないのかというところは配慮しないといけないと思い ますが、ずいぶん事例等を調べていただいた結果として、さすがにこれはまずいと いうものの中に規制はおさめているように思います。黄色い看板を使っているスー パーも規制の範囲内で計画したらどうなるかというケーススタディを説明しても らいましたが、それほど広告効果が落ちていないのではないかと考えます。ケース スタディを見て、この店舗の自光式広告物は、夜間を意図した看板なのでしょうか。 5 事務局:そう考えます。 会 長:昼間は光っていないのでしょうか。スーパーは普通昼間に買い物に行きますが、 この店舗は、24時間光っているのでしょうか。 事務局:24時間営業です。 委 員:昼間と夜間の両方光っているのではないでしょうか。 会 長:昼間は光っていてもほとんど意識していないのだと思います。 事務局:昼間は可変表示式広告物のみが光っています。以前に苦情があり、それ以降は屋 上部分を22時から消灯しています。 会 長:私の家は、昔、淡路島の江崎灯台の近くにあり、家の中が、その灯台の光で、パ ッと明るくなっていたことがあります。それは寝ていれば気になりませんが、起き て気になるときは気になりました。あまり近隣に迷惑をかけることがあれば、制度 がなくても対応はしてくれると思いますが、行政としてはそういったことに対応す る制度もあった方がよいと思います。 委 員:経過措置についてですが、他都市でこういった条例を改正する時は、ばらつきが あるものなのでしょうか。本市は減価償却資産に合わせて10年の経過措置を置い ていますが、他都市の考え方について事例があれば教えていただきたい。 事務局:京都市が点滅、回転を全面禁止にしたとき、7年間の経過措置を設けています。 委 員:他の都市でも10年間が一般的なのでしょうか。経過措置は一定期間必要だと思 いますが、10年間というのはどうなのでしょうか。 事務局:兵庫県下では、一般的に、用途地域の変更に伴い規制が変わった場合、5年間の 経過措置を置いています。昼間の規制をしているわけではなく、光っているものを 減らす規制ですので、消灯すればすぐに自光率は是正できます。一方、動画広告は 非常に高価であるため、これの一面の過半を改修、増設、移設する場合に是正して 下さいという経過措置としています。 委 員:あのスーパーの広告物は特に光っていると思います。 会 長:特殊なものが増えていくのは困ることを、この規制は表しています。 事務局:通常、許可は国とか県が行うことが多いですが、屋外広告物は、各市で審査し許 可を出しています。都道府県にまたがる場合もあるので、広域的に取り組むべきで すが、屋外広告物は各市で行われていますので、ネットワークのとり方が難しい。 まだこれから成熟していくものだと考えます。 会 長:広域的な話もありますが、尼崎市としての1つのスタンスができたらよいと思い ます。 委 員:資料2のP16の改正案の部分ですが、①のウの部分で「安全のため必要な場合 を除く」は、前の文章と合わせて「安全のため設置する場合を除く」に変えたほう がよいと思います。また、③のイの部分ですが、「若しくは」を「又は」に変えた ほうがよいと思います。 事務局:了解しました。 会 長:資料2のP11ですが、安全のために必要な点滅・回転灯は病院以外に何がある 6 のでしょうか。 事務局:事例写真で挙げているような駐車場の入出庫があります。病院の緊急表示灯を例 示し、等安全のために必要なものとして、駐車場の入出庫と連動して注意喚起を促 す回転灯を示しています。 会 長:緊急入り口表示灯等の「等」に広がりをもたせているのでしょうか。 事務局:そのとおりです。 今後、全般的に法制部局の審査が入っていくため、適切な文言等は法制部局と協 議して規則改正していきたいと考えています。 会 長:では先程のご意見を踏まえた上で軽微な修正を行うことで、この案件について承 認されたとしてよろしいでしょうか。 (全員、異議なし) 会 長:この案件については了解されました。 4 屋上板状広告物等について 会 長:黒い文字は出来ないということですか。 事務局:黒い文字ではなく、黒い地色のものは設置できないことになります。 委 員:山手幹線沿いに黒い看板があるが、それは対象となるのでしょうか。 事務局:地色は、黒いものでしょうか。 委 員:会社名(文字)が黒色です。 マンセル値の色彩基準を明るくした方がよいとのことですが、JR沿いの工場の 研究施設の企業のモスグリーンは広告でもないし、企業のアピールでもあり、決し てそれほど、きつい色でもありません。逆にJR沿いの工場の研究施設として良い 色を使われていると私には感じます。なんでも規制するというのはどうかと思うの ですが、京都市や奈良市以外でこういった色彩の規制を厳しくしているところはあ るのでしょうか。 事務局:広告物に対し厳しい色彩の規制をしているところは見当たりません。建物並の規 制をしているところはないと思います。 今回の規制は、景観法に基づく建築物の景観形成基準から考えており、建築物は、 18mを超える部分については、5%以内しか暗い色や鮮やかな色は使用できない 基準があり、建築物であれば使用できず、広告物の地色なら使用できることになり ます。また、写真にあるような衣料量販店の屋上板状広告物等の事例とを合わせて 考え、18mを超える部分だけは、京都市や奈良市のような規制をかけようとする ものです。京都市や奈良市は、全面にこのような規制をかけています。本市は、1 8mを超える部分だけを対象とし、対象地域も商業系地域を除いて、大型店舗の立 地する幹線道路だけを対象とした柔らかなものを提案しています。 会 長:JR沿いの工場の研究施設が不適格というのは、確かに違和感があるとは思いま すが、実はデザイン的にセンスが良ければこんな議論をする必要はないと思います。 景観の考え方の基本は、その最悪のものをなんとかしたいことであり、最低基準を 7 設けることで成り立っています。京都市でも同じです。デザインをうまくできる人 もいますが、デザインを無視する人のために、基準が必要です。デザイン力があり 自由にやりたい人についても規制がかかってしまうことになりますが、それほど大 きな足かせとはならないと思います。 尼崎は東西交通が非常に盛んな地域であるため、幹線道路沿いに大きな看板が多 くあり、大都市近郊としては、異例なほど看板が多い地域ではないかと思います。 そういったことから、この審議会の中でもずいぶん前から議論してきた中で、景観 法で建築物全体の規制ができたので、看板についても少し色彩を規制していこうと 考えており、最悪のものをなくすにはどうすればよいのかを考えた中で、このよう な規制ができたと私は理解しています。 なぜ、この看板を規制するのかという見方ではなく、尼崎市全体としての景観向 上に意図があることをご理解いただきたいと考えます。 JR沿いの工場の研究施設は、どのような指導をしていくことになるのでしょう か。 事務局:建築物の規制として18mを超える部分に外壁色には明るい色しか使用できない ため、今回広告物についても整合性を保つために規制することを説明し指導します。 すぐに直して下さいという訳ではなく、10年間又は次回の塗り替えまでにこの色 を反転していただくよう促していくことになると思います。委員が言われましたよ うに、デザインが良いものは変わった色を使っても良いのではないかという面もあ りますが、行政がデザインの優と劣を判断することはできないと考えます。 JR沿いの工場の研究施設は、エメラルドグリーンを使われていますが、以前こ の近くにあった電気店も外壁色をこのような色を使われていましたが、それほど良 いものではなかったと思います。その使い方、色々なセンスの複合で良い悪いが決 まると思います。将来は、デザイン性も考え、良いものを審査会で救っていくこと も考えないといけない時代が来るかもしれないと思います。しかし、現時点では困 難です。 会 長:ドイツのように厳しく審査する人がおり、私の眼の黒いうちは絶対にこんなもの は許さないという人がいるような制度であればよいのですが、日本の制度で、そう いったものは難しいと私も思います。だから、最低基準を決めることになると思い ます。 委 員:JR沿いの工場の研究施設が、それほど、目立つものであるとは思いませんでし た。また、下坂部の山手幹線沿いにある店舗も、企業のイメージのカラーなので気 の毒だなと感じます。建築物の基準に合わせることは良いことだと思いますが、一 番規制をかけたい衣料量販店の看板が、白地になってもすごい威圧感があると思い ます。この規制の根本は、あのような形の建築物が、道路のすぐ際に建つというと ころではないのでしょうか。色は違うが同じようなものが建ってくると、やはりそ れに対する不満が出るのではないかと思います。 事務局:横須賀市では、そういったものを規制するために建築面積20㎡以下で高さが1 8 0mを超える屋上広告物は設置してはならないという規制を作りましたが、本市で はそれを上回るものが多くあり、いたちごっこになる恐れがあります。原案として は、効果的な解決案がないとしていましたが、今回は、犠牲となるものはあります が建築物との整合性から規制を考えたものです。これも商業系地域、その他地域、 工業地域は規制から除外しています。 委 員:先ほどの委員と同じような意見になろうかと思いますが、この色が、ロゴマーク のように、商標登録された色であれば、登記されている部分であるため色の制限は 難しい気がします。そのため、やはり面積的なところでもう少し検討した方がよく ないかと思います。色は、登記等とリンクしトラブルが発生しかねないのではない のかと思います。 会 長:有名な事例で、赤い地色のファーストフード店が、ロゴや色が絶対に決まってい ますと言っていましたが、京都市で、地色を白にしたら、案外趣味が良いとなり、 何の問題もなく受け入れられています。そういったデザイン力に、我々が心配する 必要はあまりなく、下坂部の山手幹線沿いにある店舗も、基調色をいくつかの例で 変えているものも他にあり、このデザインだけではないと思います。そのあたりに ついては、あまり心配されることはないと思います。 事務局:奈良市の赤い地色のファーストフード店の例ですが、赤の地色が茶色となってい るものがあります。大手の旅行代理店が、赤い地色に白い文字なのですが、白に赤 い文字とされているものもあります。下坂部の山手幹線沿いにある店舗についても、 白地にピンク色の文字の場合もあればその逆もあります。そういった使い分けを店 舗系は既にされています。しかし、工場などはそこまで考えられて作られていない 可能性はあると思います。 会 長:商業系の店舗は本当にたくましく、既に配慮はされているものはありますが、工 場はあまり考えられていないと思います。しかし、商業系同様に、指導すれば変え ることは可能であり、良い例を駆逐する意図はありませんが、デザインを変えられ て駆逐されるほど弱いものでもないと認識しています。ただ、目立つことのみを目 的とした確信犯にどう迫ることができるかということがこの規制の主旨ではない かと思います。そのあたりは理解していただき協力していただかないといけないと 思います。 委 員:西宮市や芦屋市、奈良市、京都市等は、元々優れた守るべき景観があり、規制を かけているのだと思うのですが、尼崎市の場合はそうではないと思います。 こうした色々な規制をかけていこうとする時、なんのためにするのか、その先に ある目標、尼崎のまちのイメージを打ち出し、一般の市民と一緒に作り出していく、 合意を形成していく働きかけや呼びかけといったものも合わせてやらないと、規制 ばかりするイメージを与えることになると思います。それは勿体ないことです。そ の辺りを両輪で、皆さんの納得を得られることを考えてはどうかと考えます。 会 長:尼崎の都市美形成計画のしおりの1ページに、「誇りと愛着と活力のある美しい まち」というのがあり、これがすべての方向付け、主旨になっていると思います。 9 都市美形成計画を策定した時、議論をしてきました。「この歴史あるまちを次世代 以降に伝えるため、人間性を尊重し水と緑に囲まれた町並みや、歴史と文化に彩ら れた生き生きとした街づくりに取り組まなければなりません」「都市にある自然と 人工物と人間の3つの要素の関わりから生み出される物を大事にしていきましょ う」ということで、尼崎は以前の尼崎ではありませんよという自負をもって皆さん 取り組んでいただきたいと思っています。 何でもありの活気のあった工業都市から、成熟した住宅都市へ脱皮しつつあるの ではないかなと私は思います。この都市美という一つの事象の中というよりは、尼 崎市という都市の大きな方向性をめぐっての議論かと思います。 委 員:尼崎というまちは、昔からこの阪神間における古い城下町という歴史的な部分も あり、大阪と神戸に挟まれた阪神の地域でありながら、大阪ではなく、神戸でもな い、芦屋や宝塚や西宮ということでもありません。北部には武庫之荘地域のような 高級住宅地もあり、阪神沿線の南には庶民的な地域もあります。会長は、住宅都市 と言われますが、一概に住宅都市に転換しつつあるだけではなく、南部は企業の産 業都市として、企業の立地を進めていかないといけないと思います。また、南部、 北部の住宅地域には、日本の昔ながらの農家もあります。農村、田圃もあり、日本 の様々な景観が集約された凝縮されたまちだと私は尼崎を考えています。 会 長:用途地域図を見ると、上方の緑色の部分が住宅地で、下方の水色部分が工業専用 地域です。その間が複合地帯ということでいくと、その複合地帯のところでは、商 業活動が活発に行われていて、工業地域は意外と小さいです。尼崎の中心あたりに、 森永や色々な工場もありましたが、徐々に変化しつつあることを踏まえ、南側の工 業専用地域というのは、やはり尼崎の活力として大切にしていかなければならない と私も思います。 委 員:今新たな総合計画がスタートしていますが、一概に尼崎の50平方km全部をあ てはめてのものではなく、それぞれの地域に沿った総合計画があっていいのだけれ ども、そのようになってはいないと思います。 委 員:規制が厳しいかどうかが審議のポイントだと思います。阪神間は、それぞれの都 市が先進的に景観の条例を作り競争してきました。今後、人口が減少していく中で、 どういう風に魅力をつくっていき、そこに人を呼び込むか、あるいは企業を呼び込 むかを考えていくと、地域の魅力をどういう形で作っていくかという事は重要です。 その一つとして景観はあると思います。住む場所としての魅力があれば、企業活動 にとっても良いイメージになります。どこにどう立地するのかにも繋がるので、こ れから単に何でも許されることが魅力とはならないと思います。一定の環境水準の 整ったまちの魅力によって、人がそこに集まってくるということが当然考えられる と思います。それによって地価が上がってくることもあるだろうし、民間の建築物 あるいは屋外広告物も良いものを作ってくださいといった形でやれば、これから将 来10年、20年先を見たとき、すばらしく変わっていくこともと考えられると思 います。尼崎市はこれまで、景観条例と言わずに都市美条例と言って、何十年も都 10 市美行政を行ってこられ伝統を持って進めていこうとされていますので、そういっ た意味では、高いハードルを持つことが、これからの都市環境に対する挑戦だと思 います。それくらいやっておかないと、人口は段々減っていき、衰退していく中で、 魅力の形成は難しいと思います。 会 長:広告に関する条例は、次世代への投資だという側面があると思います。例えると、 苦しいがダイエットをしていて、ダイエットはちょっと油断するとベルトが苦しく なってしまいます。しかし、スリムになるとすごく楽になります。ダイエットする とこんなに楽になるのだと実感します。そういったものと似ていると思います。私 は尼崎市の活力を信じていますので、今頑張れば十分シェイプアップできると思っ ています。 委 員:私も看板の規制をかけていくことは賛成ですが、特に先程のJR沿いの工場の研 究施設の事例を挙げると、はっきり言ってそれほど景観を阻害しているとは思えま せん。全体の規制の中でJR沿の工場の研究施設も変えていってくださいというこ とになるため、その基準もはっきりさせないといけないと思います。先程、事務局 が答えられたように、デザインの良し悪しは判断できないということが真実だとは 思いますので、反対はしませんが、デザイン的なものの研究や検証は難しいのでし ょうか。 事務局:デザイン的なものの研究や検証の前に、広告物法の規制の問題があり、法では表 示内容に踏みいってはいけないと定められており、表現の自由が守られています。 そういったところでデザイン性の良いものを評価して緩和するというのも手かも しれませんが、なかなか他都市も入っていけないところではあると思います。 会 長:研究しても結論が出てこない性格のものがあり、この屋外広告条例はそのような ものかと思います。とりあえずこれを定め施行し、規制していくことを大きな目標 として、一つ意義があるかと思うので、これを提案通り認め、進めていこうと思う のですが、よろしいでしょうか。 (全員、異議なし) 会 長:この案件については了解されました。これで審議案件4件について終わりました。 それぞれ改正案通りに進めることを認めることで決着しましたが、よろしいでしょ うか。 (全員、異議なし) 11