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気団の地図
西大和山の会 教育座学第4回(2016/07/08 教育座学第4回(2016/07/08) 2016/07/08)「天候判断」資料 A. 高気圧と低気圧 図1:日本の気候に影響を与える気団 ◆高気圧: ①温暖型高気圧 ②寒冷型高気圧 ③移動性高気圧 ◆低気圧: ①温帯低気圧: ①温帯低気圧:緯度 30°~60°付近 の温帯地方の前線上で発生する低気 圧。 ・北の寒気と南の暖気がぶつかる前線上 で発生する。 ・西から東へ移動する。 ・低気圧の中心から南西にのびる寒冷前線 と、南東にのびる温暖前線がある。 ②熱帯低気圧: ②熱帯低気圧:緯度 5°~20°付近の 熱帯地方の太平洋上で発生する低気圧。 ・等圧線はほぼ円形で、中心になるほど密である。 ・前線をともなわない。 ・中心部は激しい上昇気流が生じている。 ・移動の方向は時期によって決まっている。 ・発達すると台風になる。 ③寒冷渦( ③寒冷渦(寒冷 渦(寒冷低気圧・ 寒冷低気圧・切断 低気圧・切断低気圧) 切断低気圧):上空に寒気を伴った低気圧。高層天気図では顕著 に表されているが、地上天気図においては明瞭ではなく、前線を伴わない小低気圧として描かれる。 寒冷渦では、上空に寒気が入り込むため、大気が不安定になる。この際に、下層が日射によって強く加熱さ れたり、下層に湿潤な大気の流入があると一層大気は不安定化する。大気が不安定化すると、対流活動が活 発になり、積乱雲などの対流雲が発達する。よって、寒冷渦の周辺では、積乱雲等による気象現象である、 降電、短時間強雨、落雷、突風などの激しい現象が起こる可能性が高くなる。寒冷渦は動きが遅く日本を通 過するのに 2~3 日ほどかかる。 図2:高気圧と低気圧のしくみと風の流れ 1 B. 前線と 前線と気象現象 気象現象 前線は気団と気団の境目に発生し、その境目では気温の差が大き く、風も急に変わる場合が多くあります。前線は互いにぶつかり 合う気団の勢力によって4種類に分類されます。暖気団の勢力が 強く寒気団側に移動する温暖前線 温暖前線、 温暖前線 寒気団の勢力が強く暖気団側 に移動する寒冷前線 寒冷前線、 閉塞前線、 寒冷前線 温帯低気圧の発達に伴ってできる閉塞前線 閉塞前線 寒気団と暖気団の勢力が同じくらいの停滞前線 停滞前線です。 停滞前線 2 図 7:温帯低気圧と天気分布(猪熊隆之『山岳気象大全』) 3 C. 天気図 天気図に親しむために 地図が読めるためには、地図の表記と実際の地形を見比べながら経験を積んでゆく必要があるよう に、天気図が読めるようになるための第一歩は、天気図の表記と実際の気象現象を照合する体験が 不可欠である。難しい理論を覚える前に、目の前の気象現象をよく観察して、それを気象庁などの 天気図と見比べることからはじめよう。 A~F の各天気図は、それぞれの季節に典型的な気象現象がみられた日のものです。以下の①から ⑦のどの日に当たるかを考えてください。 ①2009/12/18:全国的に厳しい冬型となり、富士山登山中の片山右京氏のパーティーが遭難、同行 メンバー2 名が死亡しました。 ②2011/09/02:紀伊半島一帯に猛烈な雨が降りました(紀伊半島大水害)。 ③2014/02/14:近畿地方から東海にかけて太平 洋側の広い地域で大雪となりました。奈良市でも 10cm 以上の積雪を記録しました。 ④2015/07/05:太平洋側を中心に冷たい雨とな りました。西大和ではこの日予定されていた例会 山行(迷岳)は中止となりました。 ⑤2015/08/01:全国的に猛暑となりました。西 大和では表銀座の山行で槍に向かっていました ⑥2015/09/22:シルバーウィークまっただ中、 安定した秋晴れが続いていました。西大和の S 氏がこの日南岳から奥穂への行程をこなしてい ました。 ⑦2016/02/14:例年よりも早く西日本から東日 本一帯で春一番が吹きました。当日は例会山行で 京都トレイルの2回目でした。 4 5 附録 週間アンサンブル天気予報図 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fefe19&cat=e3 6