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生産能力の向上が実証されたオウキー・ノース社

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生産能力の向上が実証されたオウキー・ノース社
ASIA PACIFIC
We’re there when you need us
必要な時にお役に立ちます。
page 7
OCTOBER 1999
カリフォルニア州で
Automation Fair
'99 開催
オーストラリアの
炭坑における
アプリケーション事例
インド クロンプトン・
グリーヴス社の
DeviceNet導入事例
新製品情報
MicroLogix1500
小型PLC
高速フォルト
電流制限付き
140Mサーキットブレーカ
今
回、弊社のお客様やオートメー
Global News . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
ションのトレンドにご興味のあ
ロックウェル・オートメーションのグローバルな活動
る皆様に向け、この季刊誌を創
刊させていただく運びとなりました。産業
界を次世紀へと導くオートメーション技術
Regional News. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
の情報源としてお役立ていただければ幸い
Asis Pacific地域のニュース
です。
グレッグ・ガイガー
Automation Today Asia-Pacific は、これ
Country News . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
までアジア・パシフィックという広い地域
システム・コントロール・フェア出展
で、各国が独自で製作していた発行物の集大成です。様々な経験
や実績を分かち合ったり、プラントフロアからトップフロアまで、
あらゆるステージでビジネスをサポートする優れた新製品をご紹
介してまいります。ビジネス・ツールの一つとして是非ご愛読く
Feature Story – North America . . . . . . . . . . . . . . 7
シェブロン社の石油精製施設、災害からの復興
ださい。
Automation Today Asia-Pacific は、皆様とロックウェル・オート
メーションをつなぐコミュニケーション・ツールです。弊社やそのパ
Application Story – Australia . . . . . . . . . . . . . . 10
生産能力の向上が実証されたオウキー・ノース社
ートナーが提供する最新のアプリケーション事例、製品情報や技
術トレンド、各国の活動や特集記事を掲載致します。
Technical Watch . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12
Automation Today Asia-Pacific は、将来的な変化にも柔軟に対
高短絡電流の制御
応するサービスやサポートシステムの情報をご紹介します。柔軟
さ、俊敏さにより、高い競争力を生み出すロックウェル・オート
Application Story – India. . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
メーションの戦略、「Complete Automation」をご提案してまい
インドに涼風を送るDeviceNet
ります。工場でお使いの小さな機器から、多数の製品やネットワ
ーク、ソフトウエアを含んだビジネスシステムまで、個々のニーズ
の一つ一つに的確に照準をあわせたこの戦略は、競争が激化する
Product Focus. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
今日の製造業において、ニーズに対する最適なオートメーションを
ロックウェル・オートメーション新製品情報
お届けし、他との大きな差別化を実現します。
ロックウェル・オートメーションは、地理的にどんな隔たりがあろ
うとも、必要な場所へ、最適な自動化ソリューションをお届けし
ます。自動化ニーズがあれば、いつでもご連絡ください。それで
は、Automation Today Asia-Pacificの第1号をお楽しみくだ
さい。皆様からのご意見をお待ちしております。
グレッグ・ガイガー
ロックウェル・オートメーション アジア・パシフィック地域担当プレジデント
Automation Today is published by
ROCKWELL AUTOMATION ASIA PACIFIC LTD
27/F Citicorp Centre, 18 Whitfield Road, Causeway Bay, Hong Kong • Tel: (852) 2887 4788 • Fax: (852) 2508 1846
EDITORIAL
Ross Vaughan • Colin Tilley • Debashish Ghosh
Cover Story: Putman Publishing Company, USA
ADMINISTRATION
Gail Anderson – [email protected]
ASIA PACIFIC EDITORIAL SERVICES, DESIGN & PRODUCTION
Relate Technical Communications, Melbourne
Collis Design, Melbourne
ロックウェル・インターナショナル・ジャパン株式会社
〒104-0033 東京都中央区新川1-3-17
TEL:03-3206-2786
Automation Todayに関するお問い合わせ先
大川りつこ E-Mail:rokawa@jpn.ra.rockwell.com
©1999 Rockwell International Corporation. All rights reserved. The contents of this publication may not be reproduced in whole or part without the consent of the copyright owner.
2 • October 1999
Global News
Global News
ワールドクラスの製品とコンプリート・オートメーション・ソリューションが展示される
オートメーションフェア'99
ートメーションフェア'99は、12
オ
月8∼9日にカリフォルニア州の
ロングビーチ・コンベンション&
エンタテイメント・センターで開催されま
す。この国際的なフェアは、世界各国の産
業オートメーションニーズに焦点を当てて、
ロックウェル・オートメーション、エンコ
ンパスプログラムパートナー、および認定
システムインテグレータがコンプリート・オ
ートメーション・ソリューションおよびロー
カルサービス/サポートを世界各国でどのよ
うに提供しているかを示します。
「お客さまは、我々がワールドクラスの製
品と統合化プラットフォームだけではなく、
優れた付加価値サービスとサポートを世界
各国で提供することを求めています」とロ
ックウェル・オートメーションのキース・
ノスブッシュ社長は述べています。
「オートメーションフェアでは、参加者
の方々に最新のオートメーション技術と
参加者が技術者の指導の下で最新のオートメーションシステムを実際に操作できるハンズオンラボ
コンプリートソリューションを、目で見て
実際に触れていただきます。これだけの相
互動作性は他のどこでも見ることができ
行われます。業界専門家による技術セッシ
さまざまなトピックを取り上げるハンズオ
ません」
ョンは、業界、製品、およびソリューショ
ンラボでは、ソリューションを示します。
オートメーションフェアでは、業界有数
のハードウェア、ソフトウェア、およびシス
テムインテグレーション企業による展示が
ンの概要を示すことにより、参加者の特定
のソリューションニーズに対応します。
特定のソリューションニーズに関連する
詳細は、下記ホームページをご覧下さい。
www.ab.com/automationfair99
韓国サムソン社との提携により米国海軍にクレーンを供給
国海軍の港湾施設プロジェクト
「この契約は、新規顧客獲得であると共
において、ロックウェル・オート
に、当社がクレーン製造企業へのドライブ
メーションは、韓国を本拠地とす
システム主要供給企業になるという、従来
米
るサムソン・ヘビー・インダストリー(SHI)
社のパートナーです。北米の米国海軍造船
からのビジネス戦略を実現するものです」
(キース社長)
ーマン・マシン・インターフェイス・ターミナ
ル、およびFlex I/Oが含まれます。
SHI社によると、今回のクレーンプロジ
ェクトは、米国海軍が韓国企業との間で初
めて行った大規模施設の契約です。供給さ
所で使用するためにSHI社が製造する最大
SHI社のクレーンプロジェクトに提供さ
れる21台のクレーンの荷重能力は、1台が
21台の門形クレーンの制御およびドライブ
れるシステムおよびサービスには、リライア
153トン、残り20台が61トンです。SHI
システムに対して、各種機器、エンジニア
ンス・エレクトリックのAutoMaxマスタ・
社は、最新の在庫管理および製造技術を有
リング、およびサポートを提供します。
ドライブ・コントローラおよびSD3000デ
するKoje Islandの生産能力によって、今
ロックウェル社とSHI社との間の契約で
ジタルDCドライブ、リライアンス DCモー
回の受注を獲得しました。米国海軍の調査
は、SHI社が大型クレーンを6年間にわた
タ、リライアンス Sigma HMIステーショ
チームは契約締結に先立ち、SHI社の造船
り製造することを定めています。
ン、アラン・ブラドリーのPanelViewヒュ
所を訪問しました。
Country News
A P A N
システム・コントロール・フェア ’
99
今
た付加価値と実績、グローバル展開/充実
年もロックウェルは、システム・
供する「View」製品の開発に力を注いでい
コントロール・フェアに出展しま
ます。システム・コントロール・フェアで
した現地サポートを実現し、各企業の皆様
す。今回の展示会では、「コンプ
は、現在までに開発されたこれらの製品や
独自のビジネスプランに沿った、総合的な
システム・ソリューションをご提供していま
リート・オートメーション」という産業界に
技術の一部を、実際にネットワークを介し
おける自動化ソリューションの新しい概念
てご覧いただきます。また、日本語版
す。会場では、これらの実績や世界中のあ
をご提案いたします。この「コンプリート・
R S V i ew 3 2や各種I /Oなどの新製品も展
らゆる地域に提供される、グローバルなテ
オートメーション」は、
示されます。
クニカル・サービスなどの能力を、パネルや
1. 統合化されたプラットフォーム
(Integrated Platforms)
2. 世界基準の製品
(World Class Products)
3. 優れた付加価値と実績
(Superior Value-added Service / Expertise)
4. グローバル展開/充実した現地サポート
(Global Supply / Local Capabiliies )
ロックウェルは、米ウィスコンシン州ミ
ルウォーキーに本拠をおく、年商70億ドル
プレゼンテーションを通してご覧いただき
ます。
の制御と通信のグローバル企業です。この
是非、ご来場いただき、ロックウェル・オ
中で、オートメーションは売り上げの約7
ートメーションの姿勢をご覧いただきたく
割を構成し、そのうち約三分の一は、米国
存じます。変化の激しい昨今において、多
外のビジネスによるものです。とりわけこ
様化するユーザーニーズへの迅速かつ柔軟
の数年は、アジア・パシフィック地域におい
に対応し得る生産体制の構築の一助となれ
て、著しい成長を遂げています。また、ア
ば幸いです。
という4つの要素を軸とし、単に各製造
レン・ブラドリーを起源とするロックウェ
現場だけでなく、企業全体を一気通貫でグ
ル・オートメーションは、約100年の産業
ローバルにとらえた、総合的なサービスや
用オートメーションの歴史をもち、これま
ソリューションのご提供を行うものです。
でに自動車、鉄鋼、食品などの多様な生産
テクニカルな面においては、高い信頼性
現場から、鉱石の発掘現場、電力の送電/
のある世界基準の製品を提供し、統合化さ
配電、空港施設、各種アミューズメントパ
れたプラットフォーム上でシステムソリュー
ークや劇場の舞台装置など、ありとあらゆ
ションを具現化することをめざしています。
る産業分野でのアプリケーション実績を持
具体的なコンセプトとしては、リアルタイ
っています。また、現在では、 80ヶ国以
ム制御を実行するエンジン「Logix」製品、
上に進出し、ロックウェル・オートメーショ
開催要綱は下記の通りです。
会期/1999年10月26日(火)∼
29日(金) 4日間
会場/東京ビッグサイト
(有明:東京国際展示場)
主催/(社)日本電機工業会、
(社)日本電機制御機器工業会
小間番号/2-8 (西2ホール)
すぐれたネットワークサービスにより、制
ンとして世界に26,000名以上の従業員を
また、システム・コントロール・フェアに先
御、コンフィギュレーション、データ収集
擁しています。これらの、実績、グローバ
立つ10月19日(火)∼22日(金)に、同じく
を最大化する「NetLinxTM」テクノロジー、
ルなセールス網、サポート網により、「コン
東京ビッグサイトで開催されるINTERMAC
共通グラフィックを使用した環境開発を提
プリート・オートメーション」に掲げる優れ
'99にも出展を予定しています。
October 1999 • 5
Country News
J A P A N
OpenAutomation
ロ
ックウェル・オートメーションで
●パソコンベースのオープンコントロー
ロックウェル・オートメーションのハー
は、「コンプリート・オートメーシ
ラ。パソコンの持つ柔軟性と、PLCの
ドウエアとソフトウエアにより、
ョン」のコンセプトをハードウエ
持つ耐久性を兼ね備えています。
OpenAutomationシステムが簡単に
ア、ソフトウエアおよび技術面から実現し
た「OpenAutomation」を提唱しています。
●過酷な現場の環境にも対応する耐久性
に優れた産業用コンピュータ。
®
構築できます。
●Encompass(エンコンパス)と呼ばれ
「OpenAutomation」は、幅広いハードウ
●Windows NT 基盤のソフト P L C、
るプログラムにより、品質とシステムと
エア、ソフトウエア、技術をご提供し、そ
SoftLogix 5。すでに産業界で実績の
の互換性が認定された他社製品の
れぞれの企業の方針に則した生産システム
あるアレン・ブラドリーのPLC-5の性
の実現を可能にします。
能をソフトPLCで実現しています。
ロックウェル・オートメーションは、その
●ロックウェル・ソフトウエアが提供する
1世紀におよぶ産業用オートメーションの
産業用ソフトウエアによるソリューショ
歴史から、制御、通信、産業用ソフトウエ
ン「Soft Automation」。生産現場で、
数々。
●グローバルで高い実績を誇るロックウェ
ル・オートメーションならではのサービ
スとサポート体制。
ア技術においても高い実績と経験を蓄積し
個々のユーザーの目的に合わせた制御
10月に開催されるシステム・コントロー
ています。これらを結集し、パソコンベー
機能の向上、制御のビジュアル化だけ
ル・フェアにおいても、「コンプリート・オ
スのコントローラ、産業用コンピュータ、
でなく、企業全体でのデータ共有をも
ート メー シ ョン 」の 一環 と して
ソフトPLCソリューション、高性能I/O、
PLC、オープンなネットワークなど、オー
プンなソリューションを実現する信頼性の
高い製品を揃えています。また、その広範
かつ多様な品揃えにおいても、他を大きく
リードしています。
以下は、「OpenAutomation」を実現す
る主な製品です。
6• October 1999
実現します。
●あらゆるニーズに対応するオープンなア
ーキテクチャのネットワーク。
●高い実績を持つI/O。オープンなソリュー
ションをシームレスに統合します。
●すでにそのパフォーマンスが実証されて
いるバンドル・ソリューション。
OpenAutomationを取り上げています。
是非、ご来場ください。弊社営業より詳細
をご説明させて頂きます。また、ホームペ
ージwww.OpenAutomation.comもご参
照ください。
●韓国
Regional News
●中国
Rockwell Automation Chinaは、9月に石油、ガス、金属、および消費者産業向けに
'Automation on the Move'という展示会を開催し、成功を収めました。また、同社は8
月 1 1∼ 1 4日 に 北 京 で 開 催 さ れ た '1999 International
Technology Exchange & Equipment Exhibition on Coal &
Mining'に参加すると共に、中国の中央政府の監督下で最も新し
い地方自治体である重慶に新しい
営業所を設立しました。
テクノロジー企業サムソン社との関係は、
新しい戦略的同盟関係の形成により非常に
強化されました。この同盟関係により、ロ
ックウェル・オートメーションの幅広い製
品をサムソン・エレクトロニクスのブラン
ド名で再販用にライセンスすることができ
ます。この中には、ロックウェル・ソフト
ウェアのRSView32, アラン・ブラドリー
のControlLogixおよびDeviceNetなどの
工場生産性向上製品およびオープンテクノ
ロジ製品が含まれます。
●日本
本年1 0月2 6∼2 9日に、オ
ートメーション業界における
日本最大の展示会であるシス
テム・コントロール・フェアが開
催されます 。隔年開催で、
1997年の東京での展示会には、
116,000人以上の参加者がありまし
た。1999年のシステム・コントロール・フ
ェアで、ロックウェル・オートメーションは
産業オートメーションに対する同社の画期
的で強力なアプローチである ' C o m p l e t e
Automation'を展示します。
●東南アジア、シンガポール
1 9 9 9年のRockwell Automation South-East
Asiaの大きな発展を21世紀まで続けようとしていま
す。South-East Asia地域のセールスディレクター
に就任してわずか12ヵ月のY. S. Lohは、この地域
の顧客にとって、最も高度なテクノロジを
実現できるパートナーになることを
目指しています。この試みを
Y. S. Lohと共に進め
るのは、同地域のセー
ルスマネージャに 新
たに任命されたTex
Tanです。
●インド
Rockwell Automation India
は、食品およびタバコ製品のコ
ングロマリットであるITC Ltd.より
6000万ルピー(150万U.S.ドル)という
巨額の受注を獲得しました。インドの
British American Tobaccoのパートナ
ーであるITCは、食品加工およびタバコ製
品などの幅広い製造事業を行っています。
今回の発注は、ITCのChiralaタバコ加工プ
ラントのオートメーション機器に対するもの
であり、また、Rockwell Automation
Indiaを、同社のオートメーション指定ベン
ダとしています。
●オーストラリア
1 0 月 1 9∼ 2 2日 に 、
1 8 , 0 0 0人以上の鉱業関
係者が、オーストラリアの
国際鉱業展 ( A I M E X ' 9 9 )
のために、シドニーオリン
ピ ッ ク の 会 場 と な る
Homebush Bayに集まります。
Rockwell
Automation Australiaは、国
●台湾
内各地で成功を収めた'Automation on
Rockwell Automation Taiwanでは、
the Move'セ ミ ナ ー に 引 き 続 き 、
'Complete Automation on the Move'
AIMEX'99においてHall 3の54平方メー
というセミナーを数回にわたり行っていきま
トルのブースで展示を行います。4年ごとに
す。このセミナーでは、数種類のモータ制
開催される AIMEXは、鉱業関係の世界最
御アプリケーションセミナーと平行して、半
大のイベントの1つとして国際的に知られて
導体、金属鉄鋼、石油産業にもフォーカス
います。
したセミナーも開設します。時間、場所な
ど の 詳 細 に 関 して は 、 R o c k w e l l
Automation Taiwanのホームページをご
覧ください。
(www.rockwellautomation.com.tw)
●ニュージーランド
本年9月にクライストチャーチで開催された
ニュージーランド初の 'Complete
Automation on the Move'ロードショー
は、成功を収めました。国内7都市で開催
されたこのイベントは、展示、ワークショッ
プおよびプレゼンテーションから構成されて
おり、ロックウェル・オートメーションと同
社の製品およびテクノロジを参加者に示し
ました。同社は、新たなテーマを掲げて
2000年にもこのイベントを行う予定です。
There
Feature Story
You
Need Them
When
必要な時にお役に立ちます。
ロックウェル・
オートメーションは
シェブロン社の精油所を
予定より3週間も早く
災害から復旧させた上、
低コストのモータ管理
システムを実現しました。
国湾岸地域の石油精製施設を
リケーンが襲った後、 900台
上の損傷したモータが再調整さ
、再設置されました。
A-B Journal staff
ハ
リケーンジョージがミシシッピ州パスカグー
ラにあるシェブロン社の石油精製施設を破
心地である、米国の湾岸地域にあります。
1998年9月27日、ハリケーンジョージは、時速
壊し、同社は素早い支援が必要でした。ロ
210kmの風と約43cmの雨と共にパスカグーラを襲
ックウェル・オートメーションの営業所とは、すぐに
いました。17時間にわたって嵐が吹き荒れ、高さ
連絡がとれました。石油採鉱ソリューションセンター
3.6mの大波によって精油施設の堤防が決壊し、精油
は、48時間以内に専門家チームを編成し、短期間で
施設は高さ1.5mの海水で水浸しになりました。浸水
モータと制御機器の損害を調査し、回復プランを作
の高さは建物によって異なり、8cmから163cmに
成し、復旧作業をコーディネートし、新しい機器を建
及びました。
造、運搬、設置しました。
また、ロックウェル・オートメーションは、運転コ
ハリケーンは4つの主要施設を破壊し、管理、操
業、そして保守施設が重大な被害を受けました。モ
ストを削減し、シェブロン社が将来に備えるためのモ
ータと関連制御機器を含むあらゆるレベルの機械と電
ータ管理プログラムを作成しました。シェブロン社に
気機器が浸水しました。シェブロン社は、誠に不運で
モータと制御機器を供給する唯一の企業であるロック
した。ハリケーン、洪水、その他の自然災害は、世界
ウェル・オートメーションは、シェブロン社のスタッ
中を襲います。
フと一体となって熱心に働き、当初の予定よりも3週
間早く精製施設を復旧させました。
世界最大の石油精製施設の1つであるシェブロン・
プロダクト・パスカグーラ精油施設は、1日に
電動機:オペレーションの基盤
精油施設では、プラントプロセス間を原油が流れ、
特別な製品のために周辺プロセスがあります。電動機
295,000バレルの原油を処理します。この施設は、
は、ポンプ、コンプレッサ、ファンなどのシステムの
多くの海底採油施設と精製施設のある石油事業の中
90%以上を駆動するため、オペレーションの基盤と
October 1999 • 7
ル・オートメーションはリライアンスのイン
や、旧型製品でした。
ダクションモータをシェブロン社の施設向け
そのため、モータを1台ずつ手作業で調べ
に供給し、シェブロン社はモータの設計に
て、どの製品と交換すべきかを決定しなけ
資金を提供しています。この提携のきっか
ればなりませんでした。また、アダプタベー
けとなったのは、シェブロン社が電気機器
スや機能変更の有無を確認することも必要
について同社独自の標準化を進める中で、 でした。復旧チームは、1日に100台以上
モータの信頼性を調査したことです。同社
の標準化において、長期的な信頼性と低コ
ロックウェル・オートメーションは、初期
ストにより、リライアンスのモータが選ばれ
復旧作業時に、450kWまでのリライアン
たのです。
「弊社のモータ仕様に対して、リライアン
らゆる機械と電気機器が浸水しました。泥や瓦礫で埋
った建物(上)や、完全に倒壊した建物(右)もあります。
なります。
のモータを検査することもありました。
ス小容量ACモータ約1,400台を新たに供
給すると共に、長期的な復旧作業では最大
ス以上に適合する製品はありません。リラ
3,500馬力(2,625kW)のモータをシェ
イアンスは長年にわたり弊社のモータ仕様
ブロン社に供給しました。ジョージア州のア
開発に協力しています。
」とシェブロン社パ
シンズとボガード、そしてカリフォルニア北
スカグーラ精油施設の信頼性チームとシェ
部のキングス・マウンテンにあるロックウェ
ブロン/ロックウェル・オートメーション提
ル・オートメーションのモータプラント、な
携チームの責任者を兼任するオーブリィ・
らびに数ヶ所の物流センターと配送業者は、
ハモンズ氏は語っています。
要求されたスケジュールに合わせて特別仕
「リライアンスには、優れた製品だけでな
メイン・プロセス・オペレーションのモータ
く、強力なエンジニアリング能力とサポート
が作動しないと、精油施設の操業が停止し
能力があります。リライアンスは他社とは違
ます。原油を貯蔵または運搬する能力は、 い、ほとんど例外なく弊社の仕様とガイド
サイドプロセスが精油施設全体に及ぼす影 ラインに従っているため、モータの信頼性は
響を小さくします。それでも、連続的な操
群を抜いています。」
業を行うには、設置されたモータの半分以
上が完全に作動する必要があります。操業
の停止は、製品が製造されずにコストだけ
が発生することを意味します。
復旧作業の開始
リライアンスのモータを長年にわたり使用
していたシェブロン社は、ロックウェル・オ
ハリケーンから1週間以内に、シェブロン
ートメーションに対してパスカグーラ精油施
社の全社員が仕事に復帰しました。操業ユ
設の復旧作業への迅速なサポートを依頼し
ニットや中央制御機器に流れ着いたワニや
ました。ロックウェル・オートメーションの
ハリケーンジョージの時速 2 1 0 k mの風と約
43cmの雨は、シェブロン社の精油施設の設備を
破壊しました。
ヘビの中で行った初期損害調査によると、 石油・採鉱グループの初期対応チームは、
精油施設内の 3 , 6 0 0 台のモータのうち 一両日中にパスカグーラ精油施設に到着し 様と標準仕様の各種モータを6週間以内に
2,000台が損傷していました。この日、シ
ェブロン社はロックウェル・オートメーショ
ンに対して、損害状況の詳しい調査と、モ
ハリケーンは
4つの主要施設を破壊し、
管理、操業、
そして保守施設が
重大な被害を受けました。
ました。
供給しました。
対応チームは、リライアンス・モータ・サ
復旧チームは、75kW以上のモータにつ
ービス・センターと、グローバル・テクニカ
いては、損傷状態を調べ、コストとサイク
ル・サービス(GTS)の31名から編成され
ルタイムを立ち上げ要件と比較検討した上
ていました。同チームは、精油施設のモー
で、モータを修理すべきか交換すべきかを決
タと関連制御機器を検査、回復するための
定しました。GTSモータ・サービス・センタ
技術力を備えていました。彼等は、シェブ
ーのHub & Spoke プログラムのエンジニア
ロン社のスタッフと一体となり、精油施設
も、復旧作業を支援しました。このプログ
が復旧するまで休日返上で1日16時間も働
ラムは、複数のサービスショップ(Spoke)
き続けました。
の作業を調整して、すべての修理依頼を1
パスカグーラ施設を詳しく調査した結果、 つのソース(Hub)から出すことにより、事務
設置されたモータベースのうち2,400ユニ
作業を最小化するものです。
ータの復旧と修理についての支援を依頼し
ットが損傷していることが判明しました。ロ
これは、シェブロン社に対するロックウェ
ました。シェブロン社は、90日以内に操業
ックウェル・オートメーションとシェブロン
ル・オートメーションの窓口が1つであり、
を完全に再開したいと考えていました。
社は、定格75kW以下の浸水したモータを
ロックウェル・オートメーションが18ヶ所
シェブロン社は、 1970年代後半以来、 すべて交換することを決定しました。施設
ロックウェル・オートメーションのリライア 内にはモータに関する完全かつ正確なドキ
のサービスショップを調整することを意味し
ン ス 製 品 と 密 接 な 関 係 が あ り ま し た 。 ュメントは存在せず、損傷したモータの多
1 9 9 6年には提携が結ばれ、ロックウェ くは、特別仕様品や、機能変更された製品
社によるサービスショップも含まれ、900
8• October 1999
ています。サービスショップには、8つの他
台以上の損傷したモータを修理しました。
GTS
(グローバル・テクニカル・サービス)
:世界中で利用できる技術サポート
ロックウェル・オートメーションのGTSは、
世界中のあらゆる場所で技術サポートを提供
します。世界各国のエンジニアと技術スタッフ
が、現場を訪問したり、GTSのヘルプデスク
によって、エンジニアードソリューションを提
供し、お客様をサポートします。必要とされる
場所に迅速に出向き、多くのGTSエンジニア
が迅速なサポートを提供します。エンジニアた
ちは、様々な困難を克服して、作業を遂行し
ます。ここに、いくつかの例を示します。
ロックウェル・オートメーションの対応チームは、シェブロン社のスタッフと一体となり、精油施設が復
旧するまで休日返上で、1日16時間も働き続けました。
●GTSエンジニアのカルロス・シリ氏は、人里離
れたペルー南部の鉱山で様々な問題を解決したた
ロックウェル・オート
メーションは、修理し
たモータを検査して、
シェブロン社の仕様に
適合していることと、
ドキュメンテーション、
を指定された1週間以
モータを1台ずつ
手作業で調べて、
どの製品と交換すべきかを
決定しました。
操作、そしてラベル付
けが正しいことを確認
しました。
完全かつ正確なモータデータベース
ハリケーンは、8台のモータ・コントロー
内に納品しました。
精油施設の浸水レ
ベルよりも高い場所に
設置されていたドライ
め、鉱山経営者は当初の予定を超えて3ヶ月にわ
たり彼をこの地に留めました。シリ氏は、15名
の鉱山スタッフが見守るなかで、たびたび発生す
るコンベアの故障を解決し、プログラマブル・ロ
ジック・コントローラをデバッグしました。仕事は
簡単です、と彼は言いますが、作業環境は過酷
ブ、プログラマブルコ
です。
「1日に10時間も雨が降りました。山間を
ントローラ、その他の
流れる川では洪水が発生し、飲み水や入浴用の
自動制御機器は、ハ
水が泥水で使用できなくなり、バクテリアが繁殖
リケーンの被害を受けませんでした。これら
しました。私は水に当たって入院しました。外出
の制御機器は、GTSから派遣されたエンジ
とは、泥土や岩の落下に絶え間なく脅えながら、
ニアによって、新規設置または修理された
雲間をくぐりぬけて曲りくねった山道を車で走る
モータと接続されました。
ことを意味します。
」
●ドイツとスペインで製造ラインのスタートアップ
ル・センタ(MCC)を破壊しました。ロッ
シェブロン社は、復旧後にモータを管理
クウェル・オートメーションは、ウィスコン
し、ライフサイクルコストを削減するため
作業を同時に行っていた大手自動車メーカーで、
シン州のリッチランド・センターにある製造
に、ロックウェル・オートメーションのモー
トラブルが発生しました。製造ラインの開始日は
プラントの生産能力を上げて、8台のアレ
タ管理プログラムを導入しました。復旧に
遅らせることができないため、日中にスタートア
ン・ブラドリーBulletin 2100 Centerline
際して、プロジェクトの作業内容はすべて
M C Cの納期を短縮しました。ロックウェ
文書化され、進捗状況は毎日報告されまし
ル・オートメーションPackaged Control
た。このことは、シェブロン社が今後の計
Products部門も、45のMCCセクション
画を作成する上で役立つと共に、精油施設
米国から派遣されたGTSのエンジニアたちは、夜
内のコミュニケーションを向上させる結果
間に膨大な数の機器を検査すると共に、日中は
となりました。
通常のスタートアップ作業を支援しました。ドイ
現在、パスカグーラには完全かつ正確な
モータデータベースが装備されています。精
ップ作業を続けながら、夜間にトラブルシューテ
ィングを行わなければなりませんでした。GTSは
2つのサイトに20名のエンジニアを派遣しました
(15名はドイツ、5名はスペイン)。欧州4ヶ国と
ツでは1日24時間の作業の開始から6週間後に、
スペインでは4週間後に、製造ラインのトラブル
油施設のスタッフは、新規設置または修理
が解決し、予定を上回る約 20∼25%の製造ラ
されたモータに関する情報や、ハリケーンに
インが休みなく稼動しています。
関する修理情報を即座に取り出すことがで
きます。
ロックウェル・オートメーションの対応チ
ームは、3ヶ月にわたり作業を続け、精油施
設を予定より3週間早く復旧することができ
ました。シェブロン社は、迅速な復旧作業
によって数百万ドル相当の製造が増加され
ロックウェル・オートメーションの対応チームは、
48時間以内に現地に到着し、精油施設のモータ ただけでなく、精油施設の操業が改善され、
と制御機器を調査、復旧しました。
今後の対策を立てることができました。
●アジアパシフィックGTSは、世界最大の金鉱で
世界第3位の銅埋蔵地であるインドネシア山岳地
帯の海抜2,100mで、制御機器の設置、スター
トアップ、そしてサポートサービスを行いました。
この大規模施設は僻地にあるため、GTSは現地
従業員向けに幅広いテクニカル・トレーニング・プ
ログラムを作成しました。現在、ほとんどの問題
は顧客側の現地技術者が解決しますが、GTSも
緊急事態に備えて常駐しています。
October 1999 • 9
Application Story
生産能力の向上が実証されたオウキー・ノース社
ロックウェル・オートメーションの総合的なソリューションが、
オーストラリアの最新地下採炭事業において強力な石炭輸送システムをサポートしています。
ーストラリアのボウェン・ベイス
オ
ン地方で最新式の長壁採炭を行
うオウキー・ノース社は、本年7
月に重大な節目を迎えました。3年にわた
る開発期間を経て、同社初の長壁ブロック
が完成したのです。
鉱業企業であるMIMオーストラリアの石
炭部門であるオウキー・ノース社は、最初
の5ヶ月間だけで既に180万トンを産出し
ています。本年6月には月間57万トンを記
録した初期産出高は、操業を開始したばか
りの長壁の能力を実証しています。
採掘担当マネージャのケン・マクラレン
氏は、最初の長壁ブロックの成功、特に6
月に57万トンを生産したことを「この数字
は、わずか5ヶ月の操業としては画期的で
す」と大変に喜んでいます。
長壁の外側に綿密に計画された強固な基
盤システムを築くという考え方が、オウキ
ー・ノース社の成功の基礎となっています。
石炭を採掘するのは長壁ですが、長壁がど
れほど頑丈でも、他の部分が壊れてしまっ
ては、何にもなりません。この考え方は、
セカンダリゲートロードの天盤のサポート、
高品質のロード開発、リブメッシング、高
性能の輸送システム、自動化制御システム
など、いずれも採炭施設全体に幅広く普及
しています。
強力な輸送システム
基盤システムの要となるのは、強力な輸
送システムで、全長約5.5kmのコンベヤが、
1時間に最大6,500トンの石炭を地中から
ストックパイルまで運搬します。輸送システ
ムは、4,500tph、幅1.6mのメインゲー
トコンベヤ2機(長壁ごとに1機ずつ設置)
と、メインゲートからストックパイルまでの
3.8kmを結ぶ6,500tph、幅2mの幹線/
斜道コンベヤシステムから構成されます。
メインゲートから斜道コンベヤに至る輸
送システム全体は、ダッヂのC o n t r o l l e d
Start Transmissions (CST)とアレン・
ブラドリーのPLC制御技術を組み合せたロ
ックウェル・オートメーションの総合的なソ
リューションによって制御されています。
埋蔵炭の採掘
長壁採炭は、地下採炭業界で定評のある採掘方法です。回転式せん断機、コン
ベヤ、そして油圧式天盤サポートから構成される大型アセンブリである長壁採
炭装置によって、埋蔵炭の「かたまり」が体系的かつ安全に採掘されます。
地表と鉱床を結ぶメインシャフトは、長壁ブロック毎に設置されたメイン・アク
セス・シャフト(メインゲート)に垂直に作られた各トンネルのネットワークに通じ
ます。各メインゲートの終端に設置された長壁採炭装置は、石炭の表面を採掘
して、石炭の破片をコンベヤのベルトに落下させます。石炭を地表に運搬する
輸送コンベヤシステムにより、天盤を収縮させることもできます。
1,100kWの斜道/幹線コンベヤユニット
SLC 5/05小型コントローラは輸送システ
は、オーストラリア最大のCSTです(斜道
ムに使用され、PLC-5は長壁に高度な機能
コンベヤに3台、幹線コンベヤに2台)。ま
とデータ処理を提供します。
た、2機のメインゲートコンベヤには、オー
オウキー・ノース社は、Ethernetを主要
ストラリア初のライトアングルCSTが装備
ネットワークメディアとして使用すると共
されています(いずれも定格1kV、320kW)
。 に、長壁の「コールフェイス」には、光フ
輸送システムの供給企業であるコンチネ ァイバ上のEthernetをバックアップとした
ンタル・コンベイヤのエンジニアリングディ
アレン・ブラドリーのDH+ピア・ツー・ピア
レクターであるジョン・クラック氏は、CST
通信を採用しました。「長壁のPLC間では
が高性能を提供していると考えています。 多くの情報をやり取りします。PLC間の情
「CSTは、コンベヤを起動するために設計さ 報のやり取りには、EthernetよりもDH+
れています。コンベヤの制御をギアボックス
輸送システムに設置されたSLC 500コントロー
ラを検査しています。このシステムには、3,000
点のI/Oをサポートする小型コントローラがネット
ワーク接続されています。
が優れています。Ethernetでは遅延が発生
の低速側で行うと、負荷の小さな変化に対
することがあり、長壁側ではこれに対処で
して非常に正確な制御ができます。」
きません」とオウキー・ノース社の電気エン
ジニアヘザー・クラッブ氏は説明します。
豊富な情報をやり取りできる
制御システム
予想を上回る能力
この地下輸送システムは、3 , 0 0 0点の
オウキー・ノース社の2番目の長壁ブロッ
オウキー・ノース社が世界中のコンベヤ
PLC I/Oと4,500のSCADAタグによって
クは8月初旬に操業開始しました。操業開
制御技術を調査した上で選定したダッヂ
地下と地上を結ぶ、幅広い情報/制御シス
始後5ヶ月で180万トンを産出し、月間産
CSTシステムは、コンベヤの完全なソフト
テムによってサポートされています。このシ
出高が既に60万トンに達したこの採掘施設
スタートとトルク/速度制御を提供します。 ス テ ム で は 、 ア レ ン ・ ブ ラ ド リ ー の
の能力は、当初の予想を上回って、2000
C S Tは、電子油圧制御を採用しているた
Ethernet対応コントローラ(SLC 5/05
め、モータを負荷なしで最大速度にするこ
とPLC-5/40E)のネットワークを基盤と
輸送コンベヤと制御自動化システムは、収
とができます。CSTは、ウェット・クラッ
して、全長5kmのEthernet光ファイバケ
益性向上に不可欠の要因です。「この輸送
チ・ ブレーキ/トルク・アプリケーション・シ
ーブルにより地上と長壁を接続して、毎秒 システムは、我々が必要とする能力と信頼
100Mバイトの速度でデータを転送します。 性を備えています。どれだけ速く採掘でき
アレン・ブラドリーのコントローラ技術は、 るかが、採掘施設の条件なのです。
」とマク
ステムを搭載しているため、リアクション・
ディスク・システムの油圧変化だけでトルク
年3月には450万トンに達する勢いです。
を 出 力 シ ャ フ ト に 送 れ ま す 。 1 1 k V 、 その機能とコストにより選定されました。 ラレン氏は締め括ります。
October 1999 • 11
Application Story
インドに涼風を送るDeviceNet
クロンプトン・グリーヴス社のボンベイ冷却ファンプラントでは、DeviceNetの導入により、配
線効率の向上、接続の省スペース化、フォルト診断の高速化、そして製造ライン移行期間の短縮
化を実現しました。
井のファンからの涼風に当たりな
する、操業50年の古いプラントです。クロ
がら冷たい飲み物で喉を潤したく
ンプトン・グリーヴス社は、天井用ファン
天
なるような暑い日に、その涼風が
コンポーネントのサブアセンブリを自動化す
運ばれる仕組みや、市場要求への対応や他
るだけでは不充分であることに気づきまし
社との競争に頭を悩ませる電気メーカーの
た。同社がこれまでに築いた名声を保つに
ことを考えたことがありますか?
は、自動化技術を正しく選択することがき
クロンプトン・グリーヴス社は、そのよう
わめて重大です。
な問題を抱えたインドの大手電気エンジニ
アリング企業です。同社は、プラントのト
製造設備が抱える問題
ラブルシューティング、製造プロセスの再構
半世紀以上にわたり、何人ものプラント
成、プラントの配線構造の合理化など、製
エンジニアが様々な技術を駆使してプラン
造プロセスの改善について様々な問題に直
トを拡張した結果、ボンベイプラントでは
面しています。同社は、現代のあらゆる製
様々な問題が生じていました。
密閉型T型タップとドロップラインにより、1本の
トランクラインがDeviceNetノードを接続します。
造企業と同様に、製造ラインの診断機能を
改善し、新しい技術を簡単に導入すること
いていません。スペースの問題は、新しい
を常に必要としてきました。
機器を設置する際に、特に大変です」と設
計責任者ジョーンズ
・ウラガジ氏は語ります。
様々な事業に取り組んでいる重要な製造
部門の1つに、ファンのエンジニアリング部
第2の問題は、製造ラインの移行時にセ
門があります。天井用、卓上用、壁掛け
ンサ設定の再構成をほとんど手作業で行う
式、排気用などの各種ファンを製造してお
ため、効率が悪く、時間がかかることでし
り、いずれの製品も市場で大きなシェアを
た。現在、20種類のシェードでファンを製
占めています。ボンベイ東部のカンジャ地
造していますが、この数字を2倍にすること
区にあるファン製造施設は、1日8∼16時
を計画しており、ラインの再構成を大幅に
間稼動して1時間に550台のファンを製造
クロンプトン・グリーヴス社の設計責任者ジョー
ンズ・ウラガジ氏(右端)が、同社のボンベイプラ
ントで梱包プロセスを検査しています。
高速化する必要がありました。第3の問題
は、応答のないセンサや故障したインジケー
タの特定など、製造ラインのトラブルシュー
ティングに非常に時間がかかるため、フォル
クロンプトン・グリーヴス社:
1世紀にわたる成功
プラントフロアでは、センサ、モータ、ス
ト診断が円滑に進まないことでした。
タート、ローカル制御ステーションなどのプ
「我々は、プロジェクトをより迅速に設置
ロセス制御デバイスが旧式のマルチコア制
して立ち上げる方法を必要としていました。
クロンプトン・グリーヴス社は、インド
御接続を介して接続され、電源ケーブルは
保守コストは売上高に深刻な影響を与え、
の電力事業において1世紀にわたり中核的
各デバイスに個別に接続されていました。多
トラブルの迅速な特定が困難でした。この
な役割を果たしています。社名の一部であ
る'Crompton'は、1895年にインドで初
めて電気法を立案したColonel R.E.B.
Cromptonに由来します。同社の発電機
は、1899年に同国初の電力をカルカッタ
くの手作業とケーブルを必要とするこの接
ような問題により、無駄な時間とコストが
続システムと、プラントの限られた製造スペ
かかっていました。」(ウラガジ氏)
ースにより、デバイス間の配線は複雑に入
り組んでいました。
DeviceNetの導入
プラントフロアの配線が複雑であること
1999年の初めに、デバイスレベルのオ
から、次の3つの問題を抱えていました。第
ープンフィールドバスであるDeviceNetが
電力の管理応用事業から電気製品の製造
1の問題は、各デバイスまたはコンポーネン
ボンベイプラントに導入されました。製造プ
までを幅広く行うインド最大の民間企業の
トをI/Oモジュールまたはブロックにハード
ロセスにDeviceNetを組み込んだことによ
1つです。同社の年間売上高は約169億
配線しなければならないため、ボンベイプラ
り、プラントフロアの配線数が大幅に減少
ルピー(4億2,200万USドル)、輸出高
ントの貴重なスペースが配線システムに占
しました。DeviceNetにより、センサ、押
は27億ルピー(6,700万USドル)に達
められてしまうことでした。「ボンベイプラ
しボタン、モータスタータ、簡易オペレータ
しています。
ントでは1平方メートルのスペースを確保す
インターフェイス、ドライブなどの高性能デ
るのも大変であることに、多くの人は気づ
バイスと、プログラマブルコントローラとの
で生成しました。
現在、クロンプトン・グリーヴス社は、
14• October 1999
e v i c e N e tシス
ム(写真右)は、
存の配線システ
(写真左)と比較し、ギアトレイ部が約10%カットさ
省スペース化を実現しています。
ています。例えば、空気圧マニホールドに
はたった1本のケーブルが使用されていま
す。」とウラガジ氏は語ります。
ケーブル数が減少したため、配線レイア
ウトを簡単に変更できるようになり、クロン
間が1本のケーブルで接続されました。
ロックウェル・オートメーションは、必要
効率と生産性の向上
「確かに、DeviceNetのコストは従来の
システムと比べて高くなりますが、将来的
に有利であると固く信じています。長期的
に見ると、導入時のコストを差し引いても、
プトン・グリーヴス社の製造プロセスの柔
プラントの効率と生産性が以前より上回り
軟性は大幅に向上しました。
「以前は、新し
ます。間接費、製造時間、レイアウトの柔
特殊機器を開発しているのMEL部門に供給
いハードウェアを導入するたびに既存の機 軟性などについて導入前と導入後を比較す
器を再配線しなければなりませんでしたが、 ることにより、DeviceNet導入によるパフ
DeviceNetの導入で、ケーブルの再配線に ォーマンスの向上を判断できます」
しました。この製品パッケージは、組み立
よるトラブルを回避できます」
なソフトウェア、デバイス、そしてケーブル
が含まれる製品パッケージを、プラント内で
「現在、我々は非常に高い製造レベルで操
DeviceNetにより、製造ラインの移行期
業しています。また、人員が節減され、プ
るため、2ヶ月以内にプロトタイプをプラン
間も短縮されます。ウラガジは、ファンのカ
ラントフロア間の情報の流れが改善される
トに組み込む準備が完了しました。
ラー オ プ シ ョ ン を 2 倍 に す る 際 に 、
など、さまざまな導入効果があります。21
てと既存システムへの組み込みが容易であ
DeviceNetの導入は簡単な作業でした。 DeviceNetのオンラインデバイス構成機能
1本のDeviceNetトランクケーブルをプラ
が大いに役立つと考えています。
世紀には、光ファイバが導入され、より高
度な製品へのニーズが高まることにより、電
ント全体に設置して、T型タップとドロップ
「自動制御アセンブリセル当たり最低4台
気機器の使用が急激に増加すると思われま
ラインを介してDeviceNetの「ノード」を
のカラーセンサがあります。従来の方法で
す。このような高性能ネットワークが、製
トランクラインに接続するだけなのです。
は、すべてのセンサの設定を再構成するの
造プラントで通用する唯一の手段です」
このシリアルネットワークは、製造エリア
に約15分かかります。DeviceNetを使用
数ヶ月先には、DeviceNetがクロンプト
の多数のフィールドデバイス間を1本の
すると、すべての設定を1秒で再構成できる
ン・グリーヴス社のボンベイファン製造プラ
DeviceNetケーブルで接続するため、プラ
ント内の配線の複雑さが大幅に改善されま
だけでなく、手作業のミスも回避できます。 ント全体で稼動し、同社のエンジニアとイ
これにより、製造時間が1日当たり30分短 ンド各地に涼風を送ることでしょう。
した。このネットワークでは、DeviceNet
縮されます。これは、製造台数が1 5 0∼
ケーブルに電源コアが組み込まれているため
270台増加することを意味します」
に、デバイスごとに24V電源を供給する必
要がなく、電源配線が簡略化されます。
DeviceNetの接続が完了すると、プラ
ントマネージャたちは、フィールドデバイス
を1台ずつ再構成する代わりに、PCからシ
導入の効果
ステムを再構成できます。世界中どこにい
DeviceNetネットワークの導入により、 ても、プラントのイントラネットを介してプ
ボンベイプラントの制御システムの物理的
ラントを再構成できるのです。
なレイアウトが合理化され、機器の保守と
製造プロセスの監視が効率化されました。
「DeviceNetがもたらした変化は劇的な
ものです。従来のシステムでは100∼500
本のケーブルがあり、制御パネルと機器の
間をケーブルで接続しなければなりませんで
した。現在は、DeviceNetの導入により、
1本のケーブルが機器と制御パネルを接続し
ジャンクションボック
スを使った複雑な配
線(写真左)をシン
プルで、メンテナンス
容易なDeviceNetシ
ステム(写真右)に
置き換えました。
October 1999 • 15
Technology Watch
高短絡電流の制御
現代の産業用電力システムは、ピーク負荷を保ちながら、フォルトにより発生する短絡電流に迅速
な対応をする必要があります。フォルト電流制限機能付きサーキットブレーカは、強力なソリュー
ションを提供します。
電流制限機能付きサーキットブレー
カとは?
設計とオペレーション
触部分が減少しその結果として電流密度
短絡電流は、アーク電圧ができるだけ短
が急激に減少します。その結果、接点の抵
配電システムのサイズと電力が増加する
時間に十分に高いレベルに達する場合にの
抗が接点の開放点まで増加して、金属が
につれて、正常な状態で使用できる電力が
み、サーキットブレーカによる制限効果があ
急激に気化することにより、アークが点孤
増加するだけでなく、フォルト発生時の短
ります。
されます。
絡レベルも上昇します。そのため、電気設
アーク電圧は接点が開放する瞬間まで上
主な目的は、アーク電圧をできるだけ迅速
備に対する過負荷防止装置の設置、高短絡
昇を開始しないため、短絡電流はサーキッ
に上昇させ、それにより電力を変換すること
電流の安全な制御、そしてフォルト発生時
トブレーカが反応するまで増加します(図1
です。これは、以下によって行われます。
に影響を受ける電力システムの機器間の絶
を参照)
。サーキットブレーカの短絡トリッ
●アークの拡張
縁がこれまで以上に重要となります。
プメカニズムでは、できるだけ短い遅延時間
●アークの冷却
で接点をトリップして、アークを点孤して、
●アークの分割
短絡状態では、短絡電流が高いレベルに
達する前に抑制されると、断路部とその他
の機器にかかる損焼が大幅に減少します。
International Electrotechnical Commission
の規格であるIEC 60439『低電圧の断路
迅速に回復する必要があります。
優れた設計のサーキットブレーカは、短
アークチャンバで高いアーク電圧を生成
するために必要なプロセスは、さまざまな段
絡電流によって発生する電磁力を利用して、 階から構成されます。これらを以下に示し
接点の開放を支援します。通常は、フォル ます(図2を参照)。
機器と制御機器部の規格』では、電流を
ト電流を通すコイルがサーキットブレーカの
●接点の開放とアークの点孤
15kA未満にするために、短絡電流耐量の
設計時に考慮されており、強力な磁界が生
●アークの移動と拡張
検証を考慮せずに規定しています。ピーク
成されます。磁界の影響下では、ハンマー
●アークの分割
短絡電流は、フォルト電流を発生するシス
アマチャが磁界で加速され、接点をノック
テム電圧に対しアーク電圧を急速に発生す
し、アークが開始します。
アークルートは瞬間的に静止します。この
ることにより抑制することができます。電流
段階では、アーク電圧の増加は接点の開放
制限サーキットブレーカは、このような原理
アークの制御
に伴うアークの延長によってのみ引き起こ
に基づいて動作します。
接点の開放が開始されると、接点の接
アークの点孤後すぐに、接点の表面上の
されます。この段階におけるアーク電圧の大
幅な増加は、高速の動作速度によって達成
されます。これは、軽量の可動部品による
図1:電流制限サーキットブレーカの性能
高度なメカニズムによって可能になります。
第2段階では、記述されているように、
短絡電流の電磁力が接点の動作を加速させ
るために使用されます。
アーク電圧をさらに増加させるには、ア
ークを接点からアークスプリッタに向けて引
き離す必要があります。これを行うには、
アークプラズマを接点からアーク・スプリッ
タ・プレートに向けて引き離す磁界を生成す
るように、接点領域の電流範囲を調整しま
UN −システム電圧
tO −反応時間
UB −アーク電圧
tY −固定時間
IP −固有短絡電流
tA −上昇時間
IK −制限された短絡電流
tK −短絡期間
ID −離脱電流
12• October 1999
Technology Watch
す(図2を参照)。
アークチャンバ内を進むにつれて、アーク
ク電圧が増加します。マイナス
面としては、衝撃波によりサー
はさらに拡張して、スプリッタプレートのス
キットブレーカは相当の機械的
タックに入ります。スプリッタプレートはア
応力を受けます。
ークをいくつかに分割し、これにより合計ア
ーク電圧が大幅に増加します。
チャンバ内の圧力波は、アーク
の動作、すなわちサーキットブレ
ーカの遮断特性に直接影響を与え
アークチャンバの温度、圧力、流れ
ます。通常、圧力波は動作している
上述したプロセスにより、アークチャンバ
アークの前に発生し、アークに抵抗
内の温度と圧力は非常に高くなります。通
し、動作速度を低下させます。これ
常、温度は数千度ケルビン(コア内は
により、スプリッタプレートのスタッ
10,000∼20,000K)に達します。
クへのアークの移動が遅延または防止
アークの点孤時に発生する金属ブリッジ
されます。そのため、アークチャンバに
の急激な気化により、チャンバ内に衝撃波
は圧力を開放する通気口(図2を参照)
が生成されます。衝撃波は、壁から何度か
があり、圧力波を制御します。
反射してアークチャンバ全体に広がります。
アークチェンバ内の圧力と温度の急激な
チャンバ内のアークの移動により、他の
上昇、電動プラズマ上の電磁力、そしてア
圧力波が発生します。圧力波の振幅は、主
ークの高速動作は、アークチャンバ内のプ
にフォルト電流レベルによって決定します。 ラズマの流れに大きな影響を与えます。ま
圧力の範囲は、小型サーキットブレーカで
た、最終的な「フロープロファイル」もサ
は数百kPa、大型サーキットブレーカでは
ーキットブレーカの遮断動作を決定する主
数千kPaとなります。
な要因の1つとなります。
衝撃波は、サーキットブレーカに多大な
影響を与えます。プラス面としては、アー
クプラズマの特性として、高圧によりアー
電流制限によるコスト削減
このような複雑なプロセスを理解して制
御することが、サー
キットブレーカの性
2:アークチャンバ内のアークの動き
能を有効活用するた
短絡時間が非常に短いため、
1 4 0 M サーキットブレーカは
MCSに最適です。
めの基礎となりま
す。長年にわたるコ
ンピュータ技術に関
する研究開発と実用
化により、サーキッ
トブレーカの性能、
すなわち、チャンバ
に属する140Mシリーズは、従来のKTA3-
構造、磁界、圧力と
25の性能がさらに改良されています。
温度の分布、アーク
140Mシリーズでは、短絡電流をシステ
の動き、そしてアー
ム固有のフォルト電流を大幅に下回る値に
クチャンバ内のプラ
制限することで、サーキットブレーカ本体
ズマの流れの複雑な
と、内部付属主要装置の温度と動的応力を
相関関係の正確なモ
大幅に低下させます。
デル化が可能になり
ました。
これらの研究成果
フォルト電流制限機能がない場合は、一
般に機器の大型化によって信頼性を保持し
ます。例えば、タイプ2の保護構造に適合
は、ロックウェル・
する為には、モータスタータ、コンタクタの
オートメーションの
サイズを大型化します。多くの場合、フォ
1 4 0 Mサーキット・
ルト電流制限機能があると、機器の大型化
ブレーカ・シリーズで
が不要になります。したがって、短絡電流
充分に発揮されてい
を制限することにより、特に高フォルト電
ます。モジュラ・コン
流レベルでは、より小型で低コストな分
トロール・システム
電/モータ保護構成を実現するための鍵と
(M C S)ファミリー
なります。
October 1999 • 13
Product Focus
取り付けが簡単な新型ロータリエンコーダ
8
4 2 Aアブソリュート・マルチター
のデータをシリアルデータに変換すること
ン・ロータリ・エンコーダと、
ができます。これにより、ケーブル数が24
844A/ 844Bインクリメンタル・
本から4本に減少し、配線コストが大幅に
ロータリ・エンコーダなどのアレン・ブラド
減少します。
リー新型ロータリエンコーダ製品は、取り
844インクリメンタル・ロータリ・エンコ
付けが簡素化されるとともに配線コストも
ーダ・ファミリーには、拡張性の高い取付け
節減できます。
アセンブリが組込まれているため、取り付け
842Aロータリエンコーダは、印刷や金
ブラケットやカプラが不要です。この最新式
844ラインはシャフトサイズが豊富に揃
っているため、844Aでは回転当たり最大
属加工など、高分解能と複数回転を必要
取付けアセンブリにより、844Aと844B
とするアプリケーション用に設計されてい
を限られたスペースに簡単に取付けること
2,500パルス、844Bでは回転当たり最大
ます。同期式シリアルインターフェイス
ができます。取り付けスペースに制限のある
10,000パルスまでの幅広い分解能が提供
( S S I )が搭載されているため、複数ライン
アプリケーションに最適です。
されます。
ControlNetとFoundation Fieldbusの接続デバイス
こ
のアレン・ブラドリーの H1
ュータとの間に複数のFieldbus H1配線が
この新しい接続デバイスは、I/O、データ
F i e l d b u s 上の デ バ イ ス と
必要な、従来のFieldbus H1システムと比
収集、そして構成データのブリッジとして機
ControlNet上のデバイスの間で、 べて、柔軟性とコスト効果の高いソリュー
能すると共に、Fieldbusフォーマットから
ションとなります。また、プロセッサのホッ
ControlNetフォーマットへの変数の変換
データを簡単に転送できます。また、
ControlNetネットワーク上のPCからすべ
などを行います。また、Fieldbusのステー
てのFieldbusデバイスを構成できます。
タス情報も転送します。変換された
ControlNetは、高性能な冗長メディア
FieldbusのデータをControlNet上のコン
制御を提供するために設計され、
トローラやHMIなどのデバイスに送信する
ControlNet Internationalが提供する、
と共に、ControlNetのデータをFieldbus
転送速度5Mbpsのオープンな、標準制御
デバイスに送信します。さらに、強力な構
レベルネットワークです。これを使用して
成ツール(1788-FFCT)も装備されていて、
H1 Fieldbusシステムのバックボーンを形
ControlNetネットワークを介して、優れた
成すると、すべてのコントローラ、ヒューマ
柔軟性をもつFieldbusのあらゆる構成機能
ン・マシン・インターフェイス(HMI)、そして
を、各Fieldbusに直接接続されたコンフィ
オペレーティングデバイスで、Fieldbusデ
トバックアップ機能、Flex Exモジュラー
ギュレータに提供します。構成ツールでは、
ータを同時に使用することができます。
I/Oシステムによる本質安全対応、低価格
ファンクションブロックの詳細、スケジュー
ControlNetをバックボーンに使用した
Fieldbusシステムは、中央のホストコンピ
のRG-6同軸光ファイバケーブルを含む各種
リング、そしてノード・タイミング・スケジュ
メディアオプションなどを利用できます。
ールの微調整を構成できます。
CompactBlock I/Oはアプリケーションの柔軟性を提供します。
簡
単な取り付けと優れた拡張性を実
1つのパッケージにまとめたものです。
CompactBlock I/Oのノードは、業界
現した、柔軟性の高い小型パッケ
CompactBlock I/Oシステムは、16点の
標準のDeviceNet通信ネットワークを介し
ージI/Oがアランブラドリーの新し
I/O、終端抵抗、そして通信アダプタから構
て接続できるだけでなく、ポーリング、サイ
成されるベースモジュールと、追加の16点
クリック、またはチェンジ・オブ・ステートに
Block I/O製品は、通信ネットワークイン
I/Oと終端抵抗から構成される拡張モジュー
よるオペレーションも可能です。モジュール
ターフェイス、I/Oモジュール、そして電源を
ルを提供することで、このコンセプトをさら
に入力フィルタ時間の設定もできます。
いCompactBlock I/Oです。
に一歩進めています。これにより、ノード当
ベースモジュールと拡張モジュールは、リ
たり合計32点までI/O点数を拡張できます。 ボンケーブルを使用して、各モジュールの背
ベースモジュールは、150mm×48mm×
面間または側面間で接続します。転送速度
38mmというコンパクトなサイズで最大の
の自動検出機能、読み取りやすいロータリ
I/O点数を提供するため、限られたスペース
スイッチ、そしてフラッシュ・ファームウェ
や狭いキャビネットに簡単に取り付け可能で
ア・アップグレードにより、簡単に取付ける
す。また、ベースモジュールと拡張モジュー
ことができます。また、出力については、短
ルを組み合せることで、アプリケーションに
絡と過電流に対する保護機能が装備されて
適したソリューションを幅広く選択できます。 います。
16• October 1999
Product Focus
RSNetWorx for DeviceNetとRSNetWorx for ControlNet
ロ
ックウェル・ソフトウェアのネッ
単に共有できます。また、電子データシー
トワーク構成管理パッケージ
ト(EDS)の動的取り込み(オンデマンドEDS
RSNetWorxでは、新しいネット
機能)により、アレン・ブラドリーの
ワーク管理機能が大きな役割を果たしてい
DeviceNetManagerプログラムの各種サ
ます。 D e v i c e N e t ネ ッ ト ワ ー ク や
ービスをRSNetWorxで使用することがで
ControlNetネットワークのオープンネット
きます。
ワーク機能を利用して、各種ソフトウェア
新バージョンのRSNetWorxは、設備内
プラットフォームを提供します。新バージョ
の、任意のDeviceNet/ControlNetネット
ンのRSNetWorxでは、ネットワークの設
ワークの状態を、指定された方法で即座に
計と構成をすることができます。これらの製
表示するため、ユーザは、ネットワーク・ス
品は、Microsoft Windows 95/98と
テータス・レポートや診断機能に迅速かつ簡
NTプラットフォームをサポートしているた
ス入力などの高度なネットワーク機能を簡
単にアクセスできます。また、ドラッグ・ア
め、ポイント・アンド・クリックなどの便利な
単に構成できます。RSNetWorxは、最新
ンド・ドロップ編集により、設備内の複数の
Windowsベースの機能を使用できます。
プラットフォームであるControlLogixやサ
ネットワークを簡単に作成、管理できます。
これにより、任意のネットワークまたはネ
ード・パーティ・デバイスを含む、ロックウェ
ControlNetバージョンでは、スケジュー
ットワークコンポーネント上の情報を1つの
ル・オートメーションのあらゆるデバイスを
ル作成機能やピア・ツー・ピア・インターフェ
インターフェイスで構成、収集することがで
サポートしています。このソフトウェアで
イスを提供すると共に、ネットワーク帯域
きるため、ネットワーク上のデバイスを簡単
は、ロックウェル・ソフトウェアのRSLinx
の使用状況やデバイス通信速度のモニタ機
に管理できます。また、単一ネットワーク
通信ドライバを使用しているため、システム
能、障害発生時の警告機能により、構成エ
上での複数プロセッサの使用や共有デバイ
上のアプリケーション間でハードウェアを簡
ラーやデバイスエラーの削減を実現します。
MicroLogix1500は、小型プログラマブルコントローラの能力を広げます。
C
ompact I/Oを使用する、新しい
Compact I/Oの高密度ディスクリート
れています。また、最大20kHzで動作する
小型プログラマブルコントローラ
I/Oモジュールは、モジュール当たり最大
2つの独立した高速パルス出力、または2つ
MicroLogix1500は、アレン・ブ
ラドリーの小型コントローラファミリーの最
16点のI/O点数をサポートし、 DC24V、 の独立した高速パルス幅変調出力も組み込
AC120/240V、アナログI/O、入出力混
まれています。新しいコントローラには、
新機種です。MicroLogix 1500は、I/O
成「コンボ」など、豊富なI/Oオプションを
32ビットの符号付き整数演算機能、約7K
の拡張が可能な高性能の小型プログラマブ
提供します。
の構成可能なメモリ、そして組み込みPID
ルコントローラで、アプリケーションに最適
M i c r o L o g i x 1 5 0 0の通信機能には、 機能も装備されています。
なI/O点数、I/Oタイプを提供すると共に、 DF1全二重と半二重プロトコルをサポート
MicroLogixファミリーコントローラは、
制御システムの将来の拡張にも対応します。
する内蔵RS-232Cポートがあり、プログ
ロックウェル・オートメーションのSLCフ
MicroLogix1500は、小型プログラマ
ラミングとオペレータインターフェイスの直
ァミリーコントローラで使用するWindows
ブルコントローラとハイエンド・プログラマ
接接続、ならびにダイヤルイン・リモート・プ
ベースのソフトウェアパッケージRSLogix
ブル・コントローラ・ソリューション間のリン
ログラミングが提供されます。
500プログラミングソフトウェアと互換性
クへのニーズに対応しており、I/O点数32
このコントローラは、MicroLogix1000
があるため、共通のルック・アンド・フィール
∼150点のアプリケーションに対する最適
シリーズで使用している既存のインターフェ
が保証されます。新しい「ファンクションフ
のブリッジとなります。その重要な機能の1
イス技術により、 DH-485やDeviceNet
ァイル」機能により、ユーザインターフェイ
つに、モジュラー型の新しい I / Oである、 通信ネットワークに接続もできます。接続す
スが強化、簡略化されると共に、処理能力
が向上します。
'Compact I/O'があります。従来のシャー
ることで、スレーブI/O、ピア・ツー・ピア通
シ型のI/Oと異なり、Compact I/Oモジュ
信、チェンジ・オブ・ステート、そしてプログ
ールは完全にラックが不要で、シンプルな溝
ラムのアップロード/ダウンロード機能など、
形設計によるスライド式取付けが可能です。 さまざまな先進システム機能を使用
118mm×35mm×87mmのスライド式
できます。また、コントローラは、
小型モジュールで、アプリケーションニーズ
スライド式のプロセッサユニットを
に最適のI/O点数を提供できます。
使用しているため、アプリケーショ
この技術により、MicroLogix1500ベ
ンに最適なプロセッサとベースユニ
ースユニットのエンベディッドI/Oを100点
ットの組み合わせを選択できます。
以上のI/Oに拡張できます。プラットフォー
ユニットのプロセッサには、最大
ムの前面でモジュールの取り出しと取り付
2 0 k H zで動作し、拡張範囲用に
けができるため、システムアセンブリとモジ
32ビット整数を使用する、2つの
ュールを迅速かつ簡単に交換できます。
独立した高速カウンタが組み込ま
October 1999 • 17
Product Focus
アレン・ブラドリーがフラット・パネル・モニタの製品ラインを拡張
R
A C 6 1 8 5ラインの産業用フラッ
ト・パネル・モニタに、18.1インチ
のディスプレイが加わりました。こ
れは、1998年の終わりに発売された10.4
インチ、 1 5 インチ、 2 0 . 1インチの
RAC6185モニタを補完するものです。
RAC6185ラインは、薄型で軽量の小型
パネルを必要とする状況に対応するよう設
計されています。スリムなデザインの
RAC6185モニタは、奥行き11.5cmの
スペースに取り付けることができます。
RAC6185の新型18.1インチモニタには、
アクティブマトリックス薄膜トランジスタ
(TFT)技術と、170度の幅広いビューアン
グルが使用されています。また、1,280×
1 , 0 2 4の画面解像度により、 2 0インチ
レータの好みに対応するオプションを幅広
DC18∼32Vの入力電源、そしてIP56ス
CRTディスプレイに匹敵する鮮明な画像と
く提供します。また、この新型モニタは、 テンレススチール製ベゼルなどのオプション
ビューアングルを実現します。
画面表示を最適化するために幅広い輝度調
を使用できます。すべてのAllen-Bradley
整機能を装備しています。高度な画面輝度
RAC6185モニタは、衝撃、振動、塵芥、
既存のAllen-Bradley RAC6185ライ
ンに18.1インチモニタを加えることにより、 を誇る新型18.1インチモニタは、20イン
高圧放水、そして高温に耐えるように、各
エンドユーザとOEMはアプリケーションニ
チCRTモニタを約35∼50%上回る輝度を
種規格に適合しています。さらに、これら
ーズに合った製品を自由に選択することが
提供します。
のモニタは、CE、UL、C-UL、そしてFCC
できます。豊富なディスプレイサイズに加え
新型モニタでは、静電/抵抗膜方式タッ
て、さまざまなアプリケーション要件やオペ
チスクリーン、 A C 8 5 ∼2 6 4 Vまたは
Class Aの認定を受けているため、世界各
国で使用することができます。
高速フォルト電流制限機能付き140Mサーキットブレーカ
1
999年12月に発売される140M
き出すように開発されたシステムで、そのコ
フ、オン、またはトリップ発生)をわかりや
フォルト電流制限機能付きサーキ
ストパフォーマンス、小型化、モジュール性
すく示します。この機能とトリップインジケ
ットブレーカにより、モジュラ・コ
で分電/モータ保護に新しい基準をもたら
ータのローカルな手動リセット機能により、
ントロール・システム(MCS)の機能が拡張さ
れます。MCSは、機器性能を最大限に引
します。
140Mサーキットブレーカの高度な品質
切り換えミスが最小化されます。サーキッ
トブレーカの大型回転スイッチ部は、遠く
は、最新材料技術を駆使した開発、設計、 からでも見えるように、オン・オフ状態をは
応用の結果です。フォルト電流の効果的な
っきりと表示します。また、各種オプショ
制限と非常に短い遮断時間により、優れた
ン・トリップ・インジケータにより、プラント
短絡遮断機能を持つサーキットブレーカが
の監視と不良箇所の特定を簡単に行えます。
実現しました。
新型サーキットブレーカとMCSシリーズ
のコンタクタを機械的そして電気的に正し
体の取り付けスペースを増やす必要はあり
く組み合わせることにより、'タイプ2'の短
ません。
絡保護機能回路が構築できます。その結果、
機器の選択やシステムのエンジニアリングの
このサーキットブレーカには以下の種類
があり、モータ始動と変圧器の保護アプリ
時間を節減できるだけでなく、より高い信
ケーション用に、最大定格25Aまたは45A
頼性を得ることができます。
で提供されます。
140Mファミリーのサーキットブレーカ
●140M-C…25A ハイブレーク
は、補助スイッチや電圧/過電圧リリース用
●140M-D…25A ハイブレークプラス
トリップインジケータなど、豊富なアクセサ
●140M-F…45A ハイブレークプラス
リを使用できます。140Mののアクセサリ
また、動作特性をモータ保護(高精度過負
はすべて、140Mシリーズの本体に工具な
荷保護)、スタータ保護(短絡保護のみ)、ト
しで取り付けることができます。
サーキットブレーカスイッチは、状態(オ
18• October 1999
これらの画期的なトリップインジケータは、
デバイスの前面に取り付けられるため、全
ランス保護(高突入電流アプリケーション用)
の3種類から選定できます。
Product Focus
人間工学に基づくZero-Force押しボタンスイッチ
電
場合、押しボタンはこの状況を認識して、
界効果感知技術を初めて採用し
た操作スイッチが、アレン・ブラ
安全に対応します。アレン・ブラドリーの
ドリーのZero-Force押しボタン
Bulletin 700Zセーフティーリレーと共に
スイッチです。ボタン表面が人間の手に合
使用することにより、人間工学に基づく両
うように設計されているため、反復的な操
手での安全な制御操作が実現します。入力
作や1本指でのボタン操作が楽になります。
機器またはリレー接点でフォルトが発生す
このような人間工学に基づく設計は、繰り
ると、電源が安全に切断されます。汎用と
返し操作によって発生する腱鞘炎などの障
重工業用があり、重工業用押しボタンは、
多くの国際規格の要件に従って、両手によ
害を防止します。
る制御システムに適応するよう設計されて
従来の押しボタンと異なり、オペレータ
います。
の圧力ではなく接触を感知します。2つの
独立したセンサが取り付けられた独自の電
を大幅に減少します。
Zero-Force押しボタンスイッチは密閉さ
れており、汎用でも業界初の8,200kPa耐
界効果感知技術により、人間の接触を電気
この押しボタンスイッチには、自己診断
出力に変換して、動作します。操作が検出
回路とフォルトインジケータが装備されてい
水定格になっております。世界各国の幅広
されるには、2つのセンサが0.2秒間アクテ
ます。フォルトが発生すると、マイクロプロ
い要求に対応するように設計された ZeroForce汎用押しボタンスイッチには、
ィブな状態を持続しなければならないので、 セッサは押しボタン操作をシャットダウンす
人間による接触と、人間以外の物体による るため、作業者と機械の両方が保護されま
30.5mmと22.5mmの取付けオプション
接触とを簡単に識別できます。また、誤っ
す。また、作業者が手を離した後に何らか
があります。
てボタンに接触して操作が検出されること
の物体が押しボタンに接触したままである
高速アプリケーション用のカウンタモジュール
リケーションを対象としています。
LEX I/O製品ラインにアレン・ブラ
の二重化が可能になり、装置のダウンタイ
ドリーは4種類の新型カウンタモジ
ムが最小化されます。取り付けと保守が簡
●高速装置/プロセスのモーション・コント
ュールを追加しました。梱包やマテ
単で、信頼性が高いカウンタモジュールの
ロール・アプリケーション (1794-
リアルハンドリングなどの高速アプリケーシ
要求が多くなっております。今回の製品ラ
ョンに最適です。
インの拡張で、より多くの業界で、ロック
F
分散制御アプリケーション用に開発され
ウェル・オートメーションのコンプリートオ
た新しいカウンタは、各種機器周辺に直接
ートメーションという市場アプローチの一環
取付けることができるため、取り付けとトラ
として、FLEX I/Oファミリーの優れた信頼
ブルシューティングが簡略化されます。カウ
性と性能の製品が使用できます。
ンタに外部電源を供給する事により、電源
新しいカウンタモジュールは、以下のアプ
VHSC)
●インクリメンタル・エンコーダ・アプリケ
ーション(1794-ID2)
●フローモニタと巻き取りアプリケーショ
ン(1794-IP4)
●モータとタービンの速度制御/監視アプ
リケーション(1794-IJ2)
機能が広がるSLC 500ファミリー
/O点数20∼4,000点の幅広いアプリ
DC24Vで6つの入力チャネル、
ケーションに対応する強力なプラットフ
AC/DC5∼250Vで6つのリレー接点
I
ォームであるSLC 500ファミリーに、5
つのI/Oモジュールと1つの高速カウンタが
追加され、SLC 500システムのアプリケー
ション能力がさらに広がりました。
以下は、5つの新しいI/Oです。
●DC24V高密度出力モジュール
出力チャネルを提供
●2つのエンハンスト32点出力モジュー
ル(1746-OB32とOV32)
電流容量の増加により、1点当たり最大
0.5Aを要するアプリケーションに対応
さらに、1746-HCSE2マルチチャネル、
出力の電子保護機能付き( 1746-
高速カウンタモジュールも追加されます。こ
OB32E)
のカウンタは、最大1MHzの周波数応答機
●6チャネル D C 2 4 V出力モジュール
能、100μ秒のスループット、そして24
(1746-OB6EI)
ビットのカウンタ機能を装備しており、位
力信号にインターフェイスできます。このカ
チャネル間の絶縁、電子保護機能、1
置決め、梱包、マテリアルハンドリングな
ウンタは、環状または線形カウント、レー
点当たり2Aの電流定格を提供
どの過酷なアプリケーションに最適です。
●入出力組合せモジュール (1746IO12DC)
新型カウンタは、2つの差動入力エンコ
ーダ信号または最大4つのシングルエンド入
ト計算、カウント範囲毎の出力制御、レー
ト範囲ごとの出力制御、そしてパルスゲー
トについて構成できます。
October 1999 • 19
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AD BSC0956NZL
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