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第1回技術検討小委員会議事録

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第1回技術検討小委員会議事録
森吉山麓高原自然再生協議会議事録第1回技術検討小委員会
日
場
時 平成17年12月9日(金)
14:00~16:30
所 秋田総合庁舎5F
生活環境文化部会議室
出席者
蒔田、越前谷、福森、佐藤(委員) 小松保護官(環境省) 和田主任研究員(森林技
術センター) 菊地、長谷部(自然保護課) 高橋、阿部(エヌエス環境)
司会
(挨拶)
(委員長、副委員長の選出)
佐藤委員
事業の内容から言って、委員長に蒔田先生、副委員長に越前谷さんをお願いし
たいと思います。
蒔田委員
今年 1 回目も2回目も出ていないので、よく分からないので、引き受けてよい
のか分からないんですけれど。人数も多くない委員会なので、ざっくばらんに
やらせて頂けるのであれば、引き受けたいと思います。
司会
宜しくお願いします。議事の進め方について、事務局から説明します。
事務局
(資料、概要について説明)
蒔田委員長
議事進行どのようにして行きましょう。
事務局
(全体構想素案の)3の課題、基礎理念、目標についてどのような問題点があ
るのか、やろうとした場合にどのようなことができるのかということを出して
頂いて、これは全体構想レベルの話、これは実施計画レベルの話という風に分
けて、集約させていった方がよいと思います。初めはネタ出しというか。素案
は事務局で作りましたが、細部について技術的な担保が取れていない記述です
し、ここをこうしたら良いとか意見をもらえたらと思います。
越前谷委員
協議会は色々な人が入っているので、思いも違って中々話がまとまらなかった
訳ですよ。止むを得ないと思います。出来るだけ自由に意見を出させながらや
ってきたと。技術検討を行う小委員会ではそれでは拙いので、ここでは論点を
明確にしながら、一つずつ片付けていく。論点を明らかにした上で、誰が答え
を持っているのか、場合によっては専門家に聞かなきゃ分からないかもしれな
い。先ずは論点を明確にして、技術検討委員会では何をやるか、何を明らかに
してそれを協議会に報告する義務がある訳でしょ。それをはっきりしなければ、
限られた時間で集まっても上手く進まないと思います。人数が多くないので、
意見は大きく開くことは無いと思います。そうゆうことで、片付けるものはど
んどん片付けいく。事務局で一生懸命書かれているのは分かるんですけども、
やっぱり目を通してもらわなければならないと思います。これから掘り下げて
いくと、そうゆうことが出てくると思います。ある程度事務局の方で全部書け
るかということもあります。シナリオは書けるかもしれないけど、書き込んで
いかなければならないでしょ。事務局担当 1 人でやるのか、分担するのか、原
案作りを。その辺をはっきりさせないと、会議をやっても進んでいかないです
よ。2つだけはっきりさせてもらいたいのは、論点をはっきりさせるのと、委
員会が何を協議会に報告するか、そうすると協議会がここに期待するかもはっ
きりすると思います。その上でできればそれぞれの専門の人に目を通してもら
うか、担ってもらって役割分担しないと難しいんじゃないかなと思います。
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蒔田委員長
仰るとおりだと思います。前回の協議会の議事録を読ませて頂いて、すごい大
変な部分が小委員会に回されているような気がしたんですけれども。日程的な
面として、小委員会で検討して協議会まであげるのにどれくらいのスケジュー
ルを考えているのでしょうか。
事務局
全体のスケジュールからいくと、協議会は年度内5回でもう2回終わっていま
す。3回目は一応12月中に何とかやりたいなと思っています。4回目を1月
中、5回目を2月から3月に行うと考えると、3回目は12月中にやりたいと
思います。
蒔田委員長
委員会から協議会に報告するのはどの段階で、3 回目で何かを報告しなければ
ならない?
事務局
そうですね。きついのは非常に分かっているんですが。
蒔田委員長
もう一つ、論点の明確化ということで、会長とはどれくらいに打ち合わせを行
われているのですか。
事務局
細かいところは会長ともやられていません。
越前谷委員
論点整理からここでやらなきゃいけないということだと思いますよ。
蒔田委員長
二人だけで話しているので、協議会に出た印象とかを話して頂けたらと思いま
す。
佐藤委員
論点の整理と言うか、議事録全部読んでいませんが、前回の発言段々思い出し
てきて、出されている大きな物をどこかに追い込むような作業が一つ必要では
ないかなと思います。事務局からの提案の、ここの資料の課題の所に、5番の
自然再生の全体構想のコメントの所に、10年後、30年後、100年後の目
標というふうに書いていますが、どういった形で整備しながら、森吉山のある
べき姿はどうなのかということを一つシナリオ作って、さらに枝葉を付けてい
けば方向が見えてくるのかなと思います。目標設計を立てれば見えてくるのか
なと思います。
福森委員
私も同じように思います。クマゲラの取り扱いについてここでもクエスチョン
を付けていますが、全体会でも話しましたが、クマゲラのシンボルは良いんじ
ゃないか、クマゲラが棲める自然を作っていこうというのを目標として、この
事業を進めていけば良いんじゃないかと話したんですが、目標というか、何年
後というか、ブナが太くならなければクマゲラも棲めないでしょうから、そう
ゆうのを目指すという目標と。この間の会議の時の更新方法ですが、ブナを植
え込むのか、地掻きをするのか、特に一般の方が専門用語が分からないという
ことで、そうゆうことが分かるようなという話だったと記憶しているんですが、
技術というか、研究している内容を自分達分かっているならば、まとめてどう
いう方向が良いかここで結論出した方が良いんじゃないかと思います。
蒔田委員長
全体の構想的な所と、本来ここでやるべき技術的な所を両方やらなければなら
ないということですよね。
越前谷委員
私全部協議会に出てるんですが、そんなに全部背負うとは思ってなかったんで
すよ。今でも思ってないんですけれども。背負い切れないんですよはっきり言
って。ですから先程論点整理と言ったとおり、問題の取り扱う範囲を、今4人
な訳ですよね。顔ぶれから言えばそれなりの専門性を持った人が集まっていま
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すし、専門性に裏付けられたものがここの論点と思います。あまり幅を広げな
いで、例えば天然更新があそこでできるのかできないのかということを明快に
していくのが、目標と色々なものに反映されるわけですよ。私は足元を固めて
いった方が明快に問題を捉えることができるのではないかなと思います。おそ
らく技術的な結果を、我々で意見が一致して、こういう中身だよと協議会に報
告できるようになったら報告していくという形になるのではないかと思います。
シンボルとしてクマゲラが良いというのは、皆が思っていると思います。それ
は協議会なんですよ。皆がその気持ちになって、そうだと言わないと、小委員
会で決めるレベルのことではないと思います。そっちの問題は、そっちに委ね
るべきだと思います。
佐藤委員
技術的なことを委ねる小委員会としては、できれば天然下種更新というイメー
ジの話がありましたが、調査してみるとできる所とできない所があって、それ
をどう取り扱ってという技術的な話、あとは金と時間の問題が出てくる訳です。
逆に実施計画とか全体構想に跳ね返って行く訳です。現地については分かって
きたことが多々ありますよね。あとで森林技術センターのほうから話がありま
すが、今年のブナの豊凶を予測した中で、あまり種子の飛散距離が大きくない
というのがありますし、母樹の数が少ないというのも分かっていますし、そう
すれば下種更新が何処までしかできないか、どこまでするか決まってきますし、
これは技術的な話になりますし、あとは人工更新をどこにどうやるということ
も見えてくると思います。今度ゾーニングの方に話が行かないと、前に話が進
まないと思うので、そうゆう風に整理した方が良いのかなと思いました。
越前谷委員
エヌエスの中間報告という形で出ていますが、この辺を踏まえて、天然更新を
何処まで期待できるのか。できない所は植えなければならないという話になる
と思います。そういうことを最初に議題にした方が良くはないですか。その辺
は大体データそろってきてるんですよ、先生。
和田主任研究員
エリア内の土壌調査、植生調査してますし、母樹の有る無し、実の付く付かな
いとか、データとしては揃ってきてます。あと色分けは比較的簡単にできると
思います。ここは天然更新できるでしょう、土壌は良いけれども母樹が無い所
は植え込みできるでしょう、或いはどっちも無理でしょうという所。色分けは
できると思います。後は目的に応じてどういじっていくかで。
事務局
これをやっていくときに2つ方法があると思うのですが、全体構想をある程度
作っておいて、ここをこうやりたいけど今持っている技術がこうだから、どう
やっていきましょうかという上から作っていくやり方。もう一つは今の技術と
してこうゆうことができるから、安全パイとして全体構想に書き込めるのはこ
ういうことだろう、という風に作るのがあると思います。今委員がおっしゃっ
たことはむしろ後者で、何をできるのかということをしっかりやって、そこか
ら枝葉を付けていくという風に理解して宜しいでしょうか。
蒔田委員長
ここの技術検討小委員会という本来の業務がそこなんですよね。といる場所で、
技術的、専門的な背景で分かるところ確実にやって、こうしたら良いですよ、
こうゆうことができますよという案を出す。それをどう使うかってことをやっ
てもらうのが、名前から言うとこれだと思うんですよね。ただ前回の議事録を
読んでみると、どうもそれだけじゃなくて、これの素案作りまでこちらに回さ
れているような気がしてならないんですけど。
事務局
むしろこちらの考えでは、素案まで書いて欲しいというのではなくて、書いて
あることが正しいのかどうか、そこらあたりを見て欲しいというのがあります。
越前谷委員
自然相手の仕事は頭でみんな、私も技術屋ですから分かるんですけれども、技
3
術屋の思いというのもあるし経験から何から、構想的なものも作るんですけれ
ども、その通り行かないんですよ。現地を見て全体構想見直さなきゃいけない
側面もあるんですよ。全体構想作ったら何十年も大事にする性格のものじゃな
いと思います。モニタリングが何のためにあるかというと、フィードバックし
ておかしいものは直せば良いわけですよ。そのように考えないと、自然の再生
は上手く行かないと思います。
事務局
事務局としても全体構想も実施計画もガチガチのものとは考えていません。今
のやっている知識技術で多分いけるだろうというところで最初に作るとしても、
その通りになるとは限らないので。
越前谷委員
多分5、6年くらいで小さな壁にぶつかりますよ。それが学習であるし、良い
ことなんですよ。委員長が言ったようにあんまり背負ってしまっては協議会に
失礼でしょ。下手すると協議会のメンバーから、技術検討委員会にそんなこと
委ねた筋合いは無いよと言われたらこっちが浮き上がっちゃうじゃないですか。
言葉に捕らわれる訳じゃないけれども、ある程度範囲を狭めて専門性を持った
ものに対して、協議会に対してこういう方向が一番ベターですよと話をしてい
くのが良いんじゃないですか。集まっている人が全部専門家とは限らない訳で
しょ。協議会も議事録見ても植え方にしても三者三様で、3つの方法でやれば
いいじゃないかという話になっている訳でしょ。そこでそうゆう話を幾らやっ
ても駄目なんだから、技術検討小委員会をおいて揉んで貰って、それから協議
会でやろうということだったと思います。だから構想の方はできるだけ協議会
に委ねたほうが、集まった人が協議会のメンバーとして集まった意義があるん
じゃないかと思います。
事務局
あんまり大風呂敷広げても仕方がないよと。
越前谷委員
時間が無いよ。担当者も毎日こればかりやっている訳にもいかないでしょ。
事務局
その通りです。
越前谷委員
これ私がやってもちょっと時間掛かるもの。ピシッとしたもの書こうとすると。
委員長
そうですよね。
越前谷委員
押し切ったわけじゃないけど。
事務局
こちらも何処までお願いするか曖昧な所があったもので。
蒔田委員長
議論していく中で、何回かやらなければならないけれど、次はこれやるから考
えてきましょうとしてから集まらないと、今日みたいに来て、さあ、と言われ
ると。毎回宿題を出して、そのために必要な資料を持ち寄るなり調べるなりし
ないと、レベルアップして行かないと思います。
事務局
済みません。それは事務局の段取りの悪さと能力の無さです。
蒔田委員長
じゃあ、今日はこういう方向ですすめさせて頂くということで。とりあえず、
エヌエスさんと事務局から調査結果を知らせていただいて、それでまたやって
行きたいと思います。じゃあ、事務局の方から。
和田主任研究員
昨年自然保護課の方にお願いして、今年森吉山麓高原の調査をやらせて欲しい
ということでお願いしまして。と言うのは去年まで森吉山麓じゃないんですけ
れども、あちこちのブナ林の調査をやって、今年多分豊作なるだろうと予測し
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たんですが、豊作で無いと取れないデータが有りますので、無理を言ってお願
いしました。ブナの豊作・凶作の実態ですが、資料の3の下の棒グラフです。
調査した6箇所のデータのうち、黒で塗りつぶした部分が健全、虫喰いとか秕
とかあるんですけれども、実際に天然更新に反映される分ですけれども、森吉
山が一番多く落ちまして、400個。200個あれば豊作と言われますが、う
ちの調査エリアではm2あたりその倍の400個も落ちていて、種子の生産性は
森吉山では有るでしょうということになりました。次のページですが、落ちる
時期、種子を採集する時期にも関係しますけれども、5月頃に花が咲いて直ぐ
に秕は落ち始めて、本格的に健全な堅果が落ちるのは殆ど10月です。苗木を
生産するのであれば、10月頃に仕掛けをしていく必要があると思います。天
然更新を行う一つの大きな要求として、母樹からどれくらい種が飛ぶか、エヌ
エスさんでもやられているので、多分同じような結果だと思いますが、それが
後ろから3枚目の図です。横軸が林縁からの距離、ブナの樹冠、枝葉のある所
の端から大体0~5mの所のトラップに落ちた量、40~45mの範囲にトラ
ップ設置していますが、殆どが5m位の距離で、飛んでも15m位の所に落ち
てます。
越前谷委員
樹冠の端ですよね。
和田主任研究員
端です。幹からはもう少しあります。樹高色々ありますけれども、相対値で示
すと樹高の約半分、30mの木だと15mしか飛ばないという結果が出ていま
す。種だけだと不安なので、実生について調べたのが次のページです。これも
前のデータと対応しまして、林縁から10mの範囲で発芽していると。サイズ
も充分あると。樹冠の端から10mの範囲なら充分種子は供給されますし、実
生も多く発生しています。ha 当たり 1 万本発生していれば天然更新が完了した
と看做されますが、ここでは ha 当たり2万本をこえる発生が見られました。現
実として天然更新は一部可能であることが示されました。詳しいことは中に書
いています。もう一つ、木を植えた場合に色々問題が考えられるのにノネズミ
がありますが、これは別の職員が調べまして、これについては最後のページに
書いていますが、普通山に苗を植えてノネズミの害が出るんですけれども、そ
のネズミは里のネズミ、ハタネズミやヤチネズミですが、森吉ではこれらは出
てきませんで、全て森林性のアカネズミ、ヒメネズミでした。ネズミは悪さを
するだけではなくて、ブナの種を運んだりプラスの効果もあると思いますので、
試験地にメッシュを組みまして移動を調べたところ、結構林の中と外で移動が
あると。もしかするとノネズミも種子を運ぶ役割があるかもしれないと。まだ
確定ではありませんが。大体要点は以上です。
事務局
次にエヌエスから。
エヌエス
資料を3つ用意していますが、そのうちの調査の概要に、今年調査を行ったの
が4項目ありますが、天然下種更新稚幼樹調査、何メートル種子が林縁から飛
んでいくかという調査、自然植生域の林分調査ということで牧草地の周辺にあ
る壮齢のブナ、サワグルミ、ヤチダモの林の植生の調査を行いまして、どうい
う森林を作ったら良いのかのモデルとなる樹冠投影図とか、毎木調査、断面図
を作ってます。天然下種更新補助作業と言うことで、牧草地の土壌を耕しまし
て、それが天然下種更新にどの位助けになるか、土壌改良として効果があるの
か、今年耕して来年以降種子の状況を見るということになると思います。最後
の4つ目にブナの種子の採取として、トラップを設置して調査しています。先
ず、天然下種更新稚幼樹調査から要点をお話したいと思いますが、ファイリン
グされている1ページ目から、8箇所やっていまして2ページ目からが図にな
りますけれども、林縁を一番左にしまして、右に行くに従って牧草地の方にな
ります。一番左の林縁、コドラート10m×50m有りますけれども、研究員
から先程ありましたように、8箇所概略見ても10m以遠から10m位までの
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範囲にブナが多い状況で、それ以降になるとアカイタヤやハウチワカエデが多
くなるという状況です。この図では〇がブナ、△がそれ以外を示しています。
下に種名があります。
蒔田委員長
幼稚樹の対象はどれくらいですか。
エヌエス
コドラートに入っている木本は全てで、たまに2m位のもあります。これと補
足するような形で一番最後のページを見て頂きたいのですが、牧草地内に1本
ブナが取り残されたのがこの写真のようにあります。この開放空間の中でブナ
の稚樹がどのように広がっているかというデータですが、周辺に丸くブナの稚
樹が密生している状態ですが、東西南北に 4 方向に1m×1mのコドラートで
本数を数えていきました。その結果、グラフにあるように10m、飛んでも1
5m、10mまでの範囲に一番本数が多いということで、林縁からコドラート
50m取ったデータと相対取れているという結果になっています。次に自然植
生域の調査をしました。それがブナとサワグルミとヤチダモの林分で10m×
50mのコドラート取りまして、11ページからデータがあります。モデルと
いうことで図で見せる形になっていますが、11ページがブナ林、ブナが10
m×50mの範囲に6本ある状況、13ページがサワグルミ、これも樹高が2
0m以上あるサワグルミです。2ページ後の15ページがヤチダモです。空白
の部分が有るんですが、木が生えている所と密生している所という状況でした。
次に天然下種更新の補助作業で牧草地を耕したんですけれども、今年は耕した
だけで、結果は来年以降ということになります。資料の最後になりますけれど
も、先程研究員の話もありましたが、こちらが調べたのでも10月中旬頃に種
子の採取のピークを迎えまして、種子は全体で乾重量ではありませんが、30
kg位採取しまして、そのうち19kgを、耕した所の1箇所に秋に蒔いてい
ます。10kgは森林技術センターの苗畑をお借りして蒔いています。
事務局
調査地点に関しては概要の2枚目に記載されています。
蒔田委員長
どうも有難うございました。質問等ありますか。
越前谷委員
幼稚樹の調査は1本 1 本高さ測っている?
エヌエス
はい、全部測っています。
越前谷委員
稚樹と幼樹は区別できると思います。稚樹・幼樹は森林技術センターの報告で
何cmで分けるとか基準がなかったかな。
蒔田委員長
稚樹と幼樹という言葉はあまりはっきりした定義がない。あまり拘らなくても
良いと思います。
エヌエス
0.5m毎に色分けしています。あまり高い木が無いので緑ばっかりですけれ
ども。
越前谷委員
ここは草地ですから、草の植生の高さ、詰まり具合、被度でも良いけれどもそ
れも調べていますか。関係はどうですか。これからですか。
エヌエス
調べています。関係はこれからです。
越前谷委員
私も一緒に行って、最初に場所のセッティングをしたんですけれども、ものす
ごい草が密に込んでいるところは光条件悪いから稚樹ないですからね。そうい
う所は、最終的な報告無いから書かれていないけれども、他が良くても天然更
新難しい箇所だと思います。そういう所は主にイネ科の植物が密生していて、
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色々な植物が入っている所はそれなりに稚樹が入っているからあんまり心配し
なくても大丈夫だと思いますが、最終的な報告書がまとまれば、その辺はまと
まってくると思います。
佐藤委員
11ページのブナ林の図ですが、ha 換算するとどのくらいになるのでしょうか。
42本ありますよね。500m2ですか。20倍で、研究員の報告と大体同じレ
ベルですね。
越前谷委員
まだ中間報告なので、まとめの段階で。ブナ林の収穫表(?)あったけっか。
秋田営林局の広葉樹林の収穫表(?)は殆どブナなんだよ。
和田主任研究員 ありますね。
越前谷委員
あれが使える筈だ。エヌエスに無いでしょ。必要ならコピー貰えばいい。
エヌエス
はい。
越前谷委員
ここがどの程度か、樹高とかわかるから。ここの位置付けが分かるかもしれな
い。
佐藤委員
エヌエスさんが調べたブナ林とかサワグルミ林ですが、将来目指すべき森林に
なった時に、こうゆうイメージになって良いかどうか。これがモデルなのか。
越前谷委員
私も入ってここにしたら良いと言ったからあれなんだけれど、ノロ川の近くで、
牧草地のような地形を持った所を探したんですよ。比較的伐採が行われていな
い所。これ見ると、ブナは良いですけれども、サワグルミとヤチダモは恐らく
台風被害か何かですよ。台風19号か、間がギャップになってるんですよ。ギ
ャップに生えてきたのが今10数mになっているので、一様になっていない。
サワグルミ林でもヤチダモ林でもあそこの平坦な所で良い物を取ろうとしても
無いということ。ちなみに言うと、サワグルミは材価安いから誰も見向きしな
いけれども、ヤチダモ金になるもんだから、殆ど良いヤチダモ林は皆全て切ら
れたと。ヤチダモ林の参考にする所は無いと。せめてここに残されたのが、秋
田に残されたヤチダモ林の面影を残すという所じゃないでしょうか。目指すべ
き森林と打ち出したにしては、見る人が見れば、ちょっと問題を背負っている
という所はあります。
佐藤委員
調査して、現地の状況はこれで良いと思うんですよ。年次計画立てる場合に、
草地開発される前の森林を想像しなければならないわけですよね。そのための
手順をこれから立てるわけです。その姿をある程度調査結果に基づいて示さな
ければならないかなと思ったもので。
越前谷委員
ブナ林は比較的分かり易いですが、ヤチダモ林は私もかなりデータ採ってるん
ですが、随分前のデータで切られて無くなっているのもありますが、なかなか
ヤチダモだけ生えているのは無いんですよね。サワグルミが入ったり、トチノ
キが入ったり、今回みたいにハルニレが入ったり。ヤチダモの純林というのは
殆ど、比較的ヤチダモが多い林という形で捉えなければ。ヤチダモ的な森林を
という風になると、樹種構成がなかなか難しい。サワグルミ林は成長は良いわ
けですから、ソーセージみたいな木ですから、あそこの二次林もサワグルミ林
になっていますが、50年、100年経つと色々な木が入って来る。サワグル
ミの純林にはならないんですよ。それも将来志向する森林として書けるかとい
うとサワグルミもヤチダモも難しい訳ですよ。ブナは基本的に純林を形成する
木なので、これは書き易い。その辺は止むを得ないと思います。
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佐藤委員
今回はブナを主体とする森林となっているので、その辺をどういう方向にター
ゲットを絞るか。湿地の利用もあるので、切って自然の遷移に任せるという方
向も当然ある訳ですから。今後の問題に繋がってくるところですから。
事務局
自然再生事業というのからいくと、切られる前の状態というのが理想だけど、
ここに関してはデータが無い。だから周辺部のところをモデルにというのが一
つ。もう一つ、実際に植える時に周りのモデルとなるような所と同じように成
りうるのか。土壌条件なども変わってくるでしょうし。モデルはこうなんです
よと、それを植えていった時に本当にそうなるのか。そうならない場合、次善
の策と言っては何ですが、例えば他の木を入れるとか、という形になるのかな
と思います。
蒔田委員長
あまり先まで心配しても。そもそもこういったのは思った通りにならないに違
いないという考え位で始めていいと思います。
越前谷委員
私も大賛成。今まで散々やってきたけれども、結論はそう思わないと植えられ
ないと。
事務局
全体構想は体裁はがっちりしているように見えるけれども、実際はざくっとど
うとでもでも取れる、将来変わってきても対応が効くようにしたほうが良いの
かなと。
越前谷委員
それはそうだけど、他の色々な所の自然再生事業と横並びで、余り変なことも
できない。ただ、モニタリングしてフィードバックするということがあるので、
これがこの事業の命の訳でしょ。私はそれで良いじゃないかと思います。それ
で見直して、構想自体見直しても良いと思うし、そういう柔軟性だと思います。
今の時点で分かることはしっかり盛り込んでおくべきだと思います。駄目なも
のはやってみて、やっぱり駄目だと。本当は私の植生の立場から言うと、潜在
自然植生は何かと言うと、あそこはブナじゃなくてミズナラなんですよ。あれ
だけ削られてしまったら。でもミズナラなら様(さま)にならないでしょ。ブナ
ならマスコミとか色々な人を参画させてやれるけど。ブナも有るんだけど、ミ
ズナラも結構入って、ブナも有るミズナラも有るという林なんでしょ。正しく
言えば。ミズナラの場合も色々問題が有るで、当面はブナだと思うんですよ。
今回の調査ではっきりしているのは、ブナは生えてきても樹高位で、樹高の半
分位だろうと。重力落下だから当然のことだけれども、或いは傾斜があれば動
くという所はあるかもしれないけれども。イタヤカエデは風の分散でしょ。風
に飛ばされるから50mも飛ぶわけですよ。天然更新の場合皆さんも御存知の
ように、風で飛ぶのも色々あって、ある程度森林できあがるわけですよ。とこ
ろがイタヤが沢山あるから、イタヤの林だけをつくって良いというものではな
いんですよ。天然に委ねて、一部ブナ林がブナの林縁にあって、その先にイタ
ヤの林ができるかと言うと、昔の採草原野に行くと、例えば皆瀬から東成瀬に
抜ける所、昔は原野が沢山あったけれども、あそこブナが多いですよ。20年
か30年経っているけれども、あそこが実際にそういう林になっているのか見
れれば良いけれども。私もあちこち見ていてもなかなかイタヤの純林できない
んですよ。色々な木が入ってきて。もう一つ私が経験しているのは、亜高山帯
に入るとブナの林縁を超えて、ブナが点々とパッチ状に群落作っているんです
よ。低木群落ですけれども。それが結構離れているんですよ。これはあちこち
あるんですよ。数は少ないと言えば少ないですけれども。風で動くものではな
い、重力落下でもない。動物以外考えられないですよ。カケスが運んでいるの
か、あるいはもっと先程のネズミ類なのかわからないけれども。鳥はどうなの
か先日小笠原委員にも聞いたんだけれども、わからないんだよね。いい論文あ
りませんかと言っても、なかなか無くてねと言われちゃって。昔は一生懸命や
った学者とかもいたけれども、鳥の本仕方がないから買って読んだら、人によ
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って言うことまちまちなんですよね。種によるんですよ。中が硬くて周りがや
わらかいのはせいぜい200m位で落ちるとか、色々有るみたいなんですよ。
それを真面目に調べたのが無いんですよ。
蒔田委員長
鳥散布最近調べられてますよ。
越前谷委員
委員長、何か論文ないですか。
蒔田委員長
結構食べてから糞をするまでの時間が短いとか判ってきています。糞をすると
きに鳥が何処に止まるのか。見晴らしのいい所とか、ギャップの付近に止まっ
て糞をするので良く出てくるとか、色々分かってきてると思います。
越前谷委員
その辺情報があれば、もう少し欲しいですよね。
蒔田委員長
そうですね。そういうリサーチをかけて。
越前谷委員
いずれこの調査結果を見てみると、私以前から、島を作ってブナを植えなさい
と言っているわけですよ。そうすると動物が運ぶ、風に飛ばされてくる、そこ
はブナの単純林みたいに見えるけれども、やがて色々な木が入ってくるだろう
と。ブナは亜高山帯のような動物が運ぶだろうということもあるだろうけれど
も、重力落下だけではあそこはそんなに早くは塞がって行かないだろうという
ことははっきりしてるわけですよ。やっぱりブナを植えていかなければいけな
いだろうという方向で行くべきだろう思います。
蒔田委員長
ブナだけを植えるべきかは協議会でも話が出ていましたよね。それについては
ある程度ここで答えを出すべきだと思います。
越前谷委員
どういう種類の木が入っているか、それぞれがどんな分布をしているのか、風
の分散なのか重力なのか調べれば分かると思うんですよ。風ならば風に任せれ
ばいいし、動物ならば動物に任せればいいし、そうゆうものよって運ばれて来
ないものならば、やっぱり入れた方が良いと思わないでもない。
蒔田委員長
核となるのはブナなんで、ブナで骨格を作って、それから後という流れの方が
良いかもしれない。
事務局
今回のデータで10m~20mは種子が飛ぶであろうと。森林技術センターの
話で母樹となる木があまり無いよという話があったと思いますが、そこらあた
り何かデータは。
越前谷委員
それは私もぐるっと歩かされたからわかるけど、航空写真でブナの大きいのが
ある所だけですよ。あの縁で傍に大きいブナが無いところはやっぱり。
和田主任研究員 私が見ている限りは10m以下は生っていないです。
越前谷委員
林齢もあるからね。40~50年って言ったでしょ。若いブナは実を付けない
から期待できないでしょ。林縁の所でも全部良いという訳ではなくて、駄目な
所は一杯ある訳ですよ。
事務局
50年、100年スパンの話で、10年、20年でここを全て植えるよという
話ではないので、50年スパンという話で考えれば、10m~20mの所は今
は手を付けないで置いておきましょうということもできるわけですよね。
越前谷委員
林縁の話し?林縁の話は稚樹あるような所は自然の推移に任せていいし、植え
るための木を取る場所にしても良いし。やっぱりきっかけ、足掛かりを作って
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やらなければいけないということですよ、こうゆう広い所だと。やっぱり島を
作らないとベースならないんです。そのためのブナで、先ずそれをやらなけれ
ばならないと思います。他の木と一緒にというのもその通りなんだけれども、
私も元々植生を調べて群落を入れようと色々やってきたんだけど、なかなかこ
ちらの意図通りには行かないんですよ。ブナを植えたものはブナ林、ケヤキは
ケヤキ林なんですよ。その下に色々構成を考えて植えたんだけれども、中々絵
に描いたように行かないんですよ。中々難しいと思う。複雑にするのも良いの
だけれども、その通りに行かない。実際にブナとか色々な木を植えた所を見て
れば良いのだけれども、由利原で植えた所見てるかな。色々な木を植えている
んだけれど、あそこ牧草地じゃなかったかな。今見ても色々植えているけれど
も、なかなか簡単には林になっていないんですよね。ところが峰浜村でやった
ブナ、冶山事業担当でやったんでその後見たんですが、官行造林の伐採跡地に
植えたんで、結構伸びるんですよ。伐採された後に植えたような条件の良いと
ころなら、結構ブナの伸びるんだけど、人工草地の跡に植えたブナは余り伸び
が良くない。前も言ったけれども、植えたから皆直ぐに伸びるということは無
いんですよ。時間掛かるんですよ。5年くらいは殆ど成長しないでしょう。
蒔田委員長
折れるんですね。
越前谷委員
根っこができてからじゃないと、起きてこないもんね。さっき5年くらいで躓
き起すんじゃないかと言ったのは、5年くらいでかなり成績悪いということが
分かってくると思うんだよね。そこでぽしゃったら駄目なんですよ。やっぱり
10年経つとがらっと変わるんですよ。5年くらいで評価するのは間違いで、
10年位で評価しないと間違うものね。
蒔田委員長
ちょっとエヌエスさんに質問ですが、16ページのブナ孤立木の周りの表あり
ますよね。これはブナ以外の樹種は無し?
エヌエス
ありません。
蒔田委員長
こう所でブナの林齢調べてみれば。ブナは冬芽で読めますので。
エヌエス
見た感じは5年かそこらだと思っていましたが、確かめていませんので。
蒔田委員長
シュートの交代があるのかどうかも含めて、何本か取っても構わないと思うの
で。実際に生えているのがどういうものかということを調べておいた方が良い
と思います。ブナの稚樹が生えている範囲とその周辺で、土壌環境はどうでし
ょうか。多分木の周りは落ち葉が落ちているので、土壌形成とか変わっている
可能性が有るんですよ。それが大きく効いているのかなと。わりと孤立木の周
りに稚樹がびっしりしていて、周りに無いというのを他のところでも見たこと
があるので。土壌条件も結構効いているような気がする。
エヌエス
写真の2を見ていただければ分かりますが、周りは同心円状に耕作された所だ
と思います。
蒔田委員長
そうなんですか。
事務局
牧場の中なので、何年か前に刈り払い、じゃない耕起している所みたいです。
福森委員
実際こういう風にきれいに生えている所は良いんですけれども、生えていない
ところも沢山ありますよね。一本ぽつんと立っているんだけれども、周りに全
然無いとか。キャンプ場の周りとかはぽつんとあるんですけど、周りは全然こ
10
うはなってい無いとか。そことの違いを調べれば更新される場所、木有るし実
は生っているのに更新されていない場所があるので、そういう比較があっても
良いのかなと思います。何年か毎に機械歩いているんですか。
小松保護官
キャタピラの歩いたような跡がずっとあるので。
和田主任研究員 履歴が残っていないので、そこの所がなかなか。
事務局
野外活動センターの前とかは、委託で草刈りやってるんですよ。前だけじゃな
いですよね。
越前谷委員
キャンプ場も管理しているでしょ
福森委員
キャンプ場の道路の下とかは、キャンプ場作った時に一杯植えてるんですよね。
ナナカマドとかブナだとか。それが今一切無い状態なってますよね。植えて5
年位経った状態がそこに有ると思うんですが、植えて大丈夫な所に植えたのか
わからないですけれども、確かキャンプの時に植えていた記憶があるので。そ
の辺で比較するのが出てくるんじゃないかなと。あと、センターの脇のところ
でボーイスカウトが毎年植えてますよね。1m20位のを植えて毎年折れて枯
れてはいますけれども、根は付いて生きていますよね。そういうのも林縁じゃ
無い所で、ススキの刈り払っているような所で、ちゃんと付いてるじゃんと。
前回ススキのところ駄目だという話があったけれども、付いてるじゃんと感じ
るところがあるもので。
蒔田委員長
これまでの実績というものが一番強い訳で、そういう調査をしっかりする必要
があると思います。私も関心は有るけどなかなかできないけれども、秋田県内
のあちこちにブナを植える会がありますよね。もう5年10年経っていますよ
ね。そういう所の話を聞くとか、現地調査をするとかは必要じゃないかと思い
ます。
事務局
去年の委託の中でも聞き取りを行って、ああしたりこうしたりというのも報告
書の中でまとめているんですけれども。
福森委員
今回エヌエスさんが種を蒔いたのは何処ですか。
エヌエス
青のFがあって、黒の4番というのがありますが、そこを2箇所耕起している
ので、そのうちの1箇所に蒔いています。
福森委員
母樹が全然無いところですか。
エヌエス
有る所もあります。
福森委員
種を蒔いたと。
エヌエス
林縁から道路というか歩道があって稚樹が全然無くて、林縁から5m離れた程
の所で、木の余り無かった所です。
越前谷委員
既に植えた所、誰かが調べてくれれば本当は助かるんだけど。前も言ったけれ
ども鳥海山の800m位の所に秋田営林局が昔植えたブナの人工林どうなった
んだろうな。相当年数経っているんですよ。あの杉あるところ。鳥海叢杉の手
前の方に。
佐藤委員
天然下種更新の試験地ですか。
11
越前谷委員
そうでなくて、ブナの人工林の施業地。看板まだ有るんじゃないかな。
和田主任研究員 枯れてはいません。まだ付いています全部。
越前谷委員
あそこも雪早いんだよ。積雪も森吉と同じ位じゃないかな。生えてるかね。
和田主任研究員 人の背丈位です。
越前谷委員
まだ背丈。大変だな。
和田主任研究員 やっぱり育たないので大概5年位で諦めちゃって、終わっちゃって分からない。
ただその後ぐんと伸びて。
佐藤委員
やっぱり刈り払いというか、保育をどれ位できるかですね。
越前谷委員
昔手代から山形に抜ける手代林道ってあるんだけど、下の方だけどブナを全部
伐採した後だったんですよ。一面のササで。どうなるか一部杉植えた所もある
んですけど、今行くとブナだけじゃないけど、二次林かなりできているんです
よ。暫くササ原でタケノコ取りが入る位だったけれども、30年位で二次林で
きてるんですよ。やっぱりブナを相手にするなら、5年位なら全然問題外だと
思います。最低でも10年以上でないかなと尚更思います。ブナの稚樹もササ
の層を超えると急激に伸びるけれども、ササの中にいると中々駄目で、枯れる
と思うと枯れないでじっと寝てるんだよね。
佐藤委員
森林管理局のブナの更新完了年を見てみると、ササの頭までということで、サ
サにも拠るんですけれども、150cmを越えた場合に更新完了と看做すとい
う指標が秋田営林局にもあるんですよ。
越前谷委員
あの杉を右に入っていった所が、昔の矢島の一番良いブナがある所なんだけど、
台風19号でかなり風倒木出たんもんね。あの辺は下も天然下種更新の試験地
あるんだよね。二次林の試験地も作ったし、局も結構やっているんだけどな。
それと今言ったブナを植える会、どうなっているのかな。情報入ると役立つん
だけどね。私やるんなら、どんどん聴いて回るけど。
佐藤委員
先ず活着さえすれば、一旦雪折れしても沈降圧でやられても、根元さえ太くな
れば、やがて雪に勝つというパターンがあるので。
和田主任研究員
暫くの間、根と肥大成長、横方向にエネルギー使っていて、それができてから
上に伸びるという話だと思うんですよ。殆ど死んではいないと思います。
越前谷委員
昔30年位前に大滝山でブナを植えた時、ちゃんと杉を皆伐した跡に植えたも
のは今10m越えて林になっているけれど、コナラの下にも植えたんですよ。
将来コナラが駄目になった時にブナが立っているように。30年経ってもこん
なもんだものね。植えたのがこの位だから、30年寝ているようなもんだね。
ところがアカマツの林の下に植えたものは、明るいから立つんですよ。ただ、
光を受けるために枝を広げているんですよ。だからブナは相当な条件でも死な
ないで我慢していて、多少空いたときにすっと伸びるという感じがするね。
蒔田委員長
ブナの実生はブナ林のササの下で10年位は生きられる。10年経つと大体無
くなる。10年の間に次の生り年が来るので次の稚樹が育つ、と言われていま
す。
越前谷委員
ここで実際にやる人が5年位やって駄目だよと決め付けられるのが困るんです
よね。そうでないということをこの委員会でしっかり伝えていかなければなら
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ないと思います。5年も経ってさっぱり伸びないから駄目だと言わないで、1
0年単位位で見ていくしかない。
和田主任研究員
その辺は八森の白神のデータ取っていますし、西由利原のブナも取っています
し、その他峰浜とかも有りますので、出せます。
越前谷委員
それがあれば役に立つな。
佐藤委員
蒔田委員長に聞きたいんですが、これだけ500ha ありまして、全部植えるこ
とはできないと。最終的には自然の遷移に委ねることになると思いますが、す
ごく時間が掛かりますよね。その間にもしササが侵入した場合は、当然ブナが
駄目になりますよね。そういうおそれはないかなと。
蒔田委員長
土壌条件が良くなればあると思います。
佐藤委員
去年の報告書では一部ササが侵入していますが、木が伸びる前にどんどんササ
が広がってきたら駄目になってしまうのでは。
蒔田委員長
例えばブナの生り年の前に刈ってしまうとか、植えた所に関しては刈ってやら
なければならないでしょうね。どれだけの規模植えられるのかというのは、そ
のような保育をどれだけできるのかというので決まってくるのかなと思います。
なかなかササが広がってくるのを防ぐのは難しいと思います。
佐藤委員
先程越前谷委員も言いましたが、単木混交が難しいのであれば、今はやりの言
葉ならばモザイクとか、帯状に樹種ごと植えていくとか、そういうことも考え
ていかなければいけないかなと思います。多分ブナだけという話にはならない
と思うので、どういう混ぜ方をするか。
越前谷委員
それはやっぱり場所を考えていかなければならない。同じブナでも湿生の所で
はトチノキ入る訳ですよ。それじゃあトチノキ入れても良いですよという話に
なるわけですよ。それはお互いの上層部分の話だけれど、実は階層でもあるわ
けですよ。階層的に言うと、ここに入ってくるのはヤマモミジとかハウチワカ
エデだとか、そういうのが階層的に入れるわけですよ。上層の混交と、階層ま
で考慮したものにしていくのか。本当は将来的に景観的も良い色々な意味で良
いと言うのであれば、やっぱり階層と言うのは非常に大事なんですよ。上層だ
けの木ではなくて。ベニイタヤというのは東北のブナ林には普遍的に現れるの
で、風で種子が飛んでくるので、これまでわざわざ入れる必要あるかなと思う
ことがあって、植える必要無いんじゃないかなと思います。あの辺に生えてい
るキハダをどうするかということが有るんですけどね。あのキハダがどれくら
い寿命を持ちえるかわからない。それから本当はあそこの湿生の所には、ウダ
イカンバがもっと生えてしかるべきなんですが、キャンプ場の対岸の斜面には
ウダイカンバ一杯あるんですが、牧場の中には比較的少ない。有ることは有る
んですが、湿生の所にもっと生えても良いんですが、なぜ生えないのか良く分
からない。場所場所によって多少。本当に痩せた所なら、多少ミズナラを混ぜ
るという手も無い訳でもない。それは土壌の調査、現在の植生の状況から、本
当は潜在的な立地が支えるポテンシャルな植生を示した潜在植生図を作ればぴ
しっとしたものになるんだけど。
佐藤委員
あとは治山的にはブナの成長を促進するためにハンノキを入れたりとか。
越前谷委員
遷移を利用する方法もある訳ですよ。入って左の松兵衛森もかなり下が荒れて
いるような所は治山的な対応が必要な所も有る訳ですよ。ああいう所は早く復
旧するように治山的な発想で遷移を利用しても良いと思います。こっちの方も
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本当に土壌が悪ければ、そういうのが有っても良いかなと思います。ただヤマ
ハンノキとかできるだけあそこに有る木を使ってという条件になるけれども。
その辺は全体に多様性を持たせていくのかな。話を多様な森づくりと考えこん
でしまうと苗木とか供給体制とか結構面倒なるんですよ。自然保護課サイドの
話でなくて、殆ど林務サイドの仕事なんだよね。そこらあたりがちょっと引っ
かかる。力を結集して色々なボランティアの力を借りたりするには、余り複雑
にしない方がいいのかなとも思う。技術的には対応できます。
蒔田委員長
協議会で決めてもらうんでしょうね。そのあたりは。シンプルにブナ中心に核
作りをするのか、もう少し色々なものを植えて見たいというのか。
越前谷委員
或いはどちらでも。
蒔田委員長
ここはこう、ここはこうだからこれで良いですね、その方向性が決まってから
やり方だけこちらで考えるというのが、望ましい上下関係ですね。
越前谷委員
クマゲラをと考えるのであれば、基本的にはメインをブナで骨格作りをしまし
ょうというので良いのではないかと思います。やっぱり私も切る前、直前であ
ったけれども最初に行ったのは、皆ブナ林でしたよ。次行ったときはようやく
作業道が入ってきて。あそこは沢のこういう所は別として、やっぱり元々ブナ
林でしょ。再生だからメインは骨格となる木はブナですよ。手法としてはさっ
き言った治山的なものも有るかもしれない。やるとすればね。ああいうエリア
で、周りの土地の中にある訳だから、極端に言えば真ん中に島を作れというこ
となんですよね。それが丸い島を作るのか、ウイングを付けた方がいいのか、
それはちょっと考えなければならない。
蒔田委員長
それはその場所の地形とかありますしね。なかなか綺麗には。
越前谷委員
いずれ技術検討委員会で出すにはポンチ絵でも良いから、その辺のレイアウト
した、細かい所は全部抜きにして分かりやすいのを提示して行った方が、見る
人がわかる。なぜこうなるのか。
佐藤委員
それからすると、この写真は非常に分かりやすいですよね。これのある程度ま
とまったやつを。母樹にするには確実に成長する良い場所を選んで島を作ると
か。まずここに島を作るとか考えられるんですよね。
蒔田委員長
やっぱり一番やり易い、育ちやすい所からやるべきですよね。
越前谷委員
一番難しい所からやると、皆つまづいちゃうから。
佐藤委員
そういう場所を特定して、そこから決めていくというのが。
事務局
逆に言えばこの中で一番やり易い所は何処なのか。
蒔田委員長
去年のあれで出ていませんでしたか、一番育ち易い所。
事務局
カモガヤ群落の所とか。
越前谷委員
今回天然下種の調査をした所、あそこも良い所有ったよね。
エヌエス
改良が必要となっている所でも、稚樹が入っている所が結構あります。
佐藤委員
歩けばいけそうかなって、分かるでしょうね。調査してれば。
14
越前谷委員
これだけのデータあって、現地見てみれば大体分かるんでないかな。あとはそ
の他条件があるかも知れないけれど。
事務局
ここって、牧場の中なんですよね。
越前谷委員
前から言っているんだけど、分からないんだよね。どこでもやって良いのか、
遠慮しなければいけないのか。
蒔田委員長
この範囲で考えろと示してもらった方が良いですよね。こちらとしては。
事務局
牧場利用に関しては北秋田市の担当と話をしていまして、あちらも立場上明言
はできませんが、今現在75~6頭います。ちょうどここの松兵衛森と一番南
の部分を牧場として北秋田市に貸して、北秋田市が組合に貸しています。
越前谷委員
まだ70頭以上いるとは知らなかったな。もっと少ないと思っていた。
事務局
ここでこんなこと言って良いのかなというところも有るんですが、特別保護地
区との関係からも、南の方はやるべきだという話が以前からあります。実際そ
うだと思います。ただ、今のところ北秋田市に貸しているということからいう
と、全体構想の中でここを直ぐ植えますと言えるのかどうか。牧場利用と調整
しながら、将来的に植えていくという形にするしかないのかなと思います。あ
と北側にしても、今70何頭いるのが何年後まで続くのか。それはちょっと読
めないなと。
蒔田委員長
それは無理に抑えない方が。
福森委員
北秋田市民としては、市合併して、阿仁スキー場の方にも牧場ありますよね。
あれと合併して下さいって言えないものなんですかね。
事務局
ただ、森吉牛というブランドでやっているので。ここは非常にきつい所です。
南側は何とかできるかなとは思いますが、今の段階では強くは打ち出せない。
越前谷委員
北側はちょっと問題があるから置いておいて、南側はここどうしてもどっか撤
退させるべきじゃないかなと思うんだよな。特別鳥獣保護区に刺さったような
形だもんな。ここの三角の所。
事務局
前回の協議会でも委員から技術検討小委員会で踏み込めない所だという話が有
りましたが、どこを利用するから植えられないというゾーニングから言うと、
北側の牧場、親子キャンプ場、野外活動センターの前の草地とかはちょっと今
のところ手をつけるのはどうかなと考えています。それ以外の箇所、南側の牧
場は将来的に植えるという形で行きたいなと思っています。
越前谷委員
牧場も草の収量が落ちたところは魅力が無いだろうからな。
事務局
実際話を聞いてみると、南側の所もあまり草が生えてないということで。
小松保護官
初めのうちは北側にもいて、秋深くなってくると南の方に持ってきますね。
越前谷委員
エヌエスにどこをやるんだと行ったら、南側に行ったら牛いっぱいいたもんね。
10月。確かにヒメスイバ下位群落になっているから、土壌的には良くないね。
土壌改良の必要のある区域という図があるから、土壌的に問題のある区域なん
でしょう。ハンゴンソウの植わっている所は図面では少ないけれども、こうい
う奴はきちんと下刈りしてやらないと大変なものだものね。湿生の所で背の高
くなるヨモギとか一杯生えている所とか有るんだよな。あの辺とか刈り払って
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やらないといけないかもしれないな。
事務局
ヨモギとかこういう所は牧場に掛かっていないので、手を掛けられると思うん
ですけど。
越前谷委員
春行って、入れたら直ぐ行って、雪が何処に溜まっているかチェックできれば
良いけどな。雪が遅くまで残る所は大概積雪深がかなりあるんだよな。そうい
うところは木はかなり苦労するんだ。そういう所はやや湿生のサワグルミとか
の方がすっと立ってくるかもしれない。あまり湿生の所にブナ植えるの良くな
いもんな。ブナは贅沢な木だからさ。一般に来た人達は湿生の草が一杯あるよ
うな所に植えたがらないんだよな。どちらかというと比較的乾いているという
か、植える衝動が出るような植生の所なら意外と行くんだけどさ。あんまり林
業的なことを考えると、ボランティアの人方嫌がるかもしれない。
和田主任研究員 実際の植栽は何時頃からですか。
事務局
実際の事業は来年から5年間と組んでいます。来年から事業行うとして、今年
度中に全体構想と実施計画を作ってですが、来年度からスタートするとしても
交付金事業という事情もあって、春すぐスタートというのはおそらくかなりき
ついなと思います。予算上6月、7月頃かと思います。
越前谷委員
最初山取り苗使うんでしょ。実生が使えるとなると3年も先だから。今年播種
したって言ったっけ?
事務局
はい。実際苗を扱うとなると春先と秋となるので、来年度は秋に動くのがメイ
ンとなると思います。実際ここはGW頃でないと入れないので。
越前谷委員
普通広葉樹の植栽だと春植えなんだよね。秋まで少しでも根が張るように。秋
だと直ぐ雪でしょ。
佐藤委員
来年度事業は植えるというよりも苗木の確保ですね。
越前谷委員
予算さえ準備できれば春山取りして植えれるけど。それまで色々なところ詰め
られるか。
佐藤委員
6月補正とか掛けるんでしょ。
事務局
環境省に交付金の手続きが必要なので。
蒔田委員長
山取りする時に何処からどれ位という準備は進んでいるんでしたっけ。
事務局
ラフなデータですが、今年のセンサスでどこに稚樹が集中しているかはエヌエ
スで押さえています。県有地内なので法的な問題はクリアしています。スター
トする時に山取りと播種を考えていたんですが、播種してもパーセンテージが
低いので、山取りがメインになるという腹積もりで動いています。
和田主任研究員
私の経験からいくと、山取りは秋の方が良いです。春は乾燥して駄目なんです
よ。山取りするなら秋の方が良いです。
事務局
そういう技術的な所を、この席で教えてもらえたらと思いますが。
越前谷委員
それなら、来年度事業に乗れるんじゃない。どの程度植えるかは別として。こ
れから協議会でまとめてという時間もあるから、春ではなかなか難しいと思う。
やっぱりね、実際植樹するとかなると秋だよ。だって植える人いないし、そう
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いう色々な団体をまとめていかなければいかないし。
蒔田委員長
意思統一を図れるかという。
越前谷委員
根本的にはそういうのもあるし。やっぱりそう考えるなら、辛うじてできるの
は秋だよ。秋にやるにしても余り構えないでやった方が良いと思うよ。大きな
面積だと頭刈らないといけないし、職員が皆行っても良いような。
蒔田委員長
先ずやってみるのがいいでしょうね。
越前谷委員
スタート切らなきゃいけないし。あまり欲張らないで少しやってみようよ、転
げても大丈夫だよという規模で。
蒔田委員長
今年蒔いたのは何粒位ですか。
佐藤委員
センターは20kgだっけか。10kgだっけか。選ばないで。
和田主任研究員 選んでいないので。
越前谷委員
選んでいないというのは?
和田主任研究員 精選してない。
越前谷委員
秕も入っているんだ。まあ、選ぶって大変だから。
エヌエス
牧場の方には19kg蒔いています。
蒔田委員長
それって何個位なの?
エヌエス
これは選別しないで蒔いているので、この中で健全なのが70%位なんですが、
2ページ目の表を見てもらえれば、個数で860個で70%だから、143g
で1200個ですから、10倍したとしても。
蒔田委員長
発芽率どれ位でしょうね。
福森委員
1kgで1000本ポット苗にできる感じです。
佐藤委員
精選したやつでね。
福森委員
精選して。結構ブナばらつきがあって、何とも言えないんですよ。あと年によ
っても。今年は良いとは思いますけど。
蒔田委員長
5000本~8000本位の苗という感じですかね。
佐藤委員
一般的な発芽率で41~80だそうなので、50%でれば良いという感じで。
蒔田委員長
時間がもうそろそろ、全然まとまりが有りませんが。どうしましょう。今後に
向けて。
越前谷委員
上手くまとまるという風にはならないと思いますが、何をこの委員会でやるか
もう少しはっきりさせた方が良いと思います。今日話したのは天然下種更新で
しょ、これはかなりデータも有ったし、天然更新だけでやってもかなり難しい
だろうという詰めがあると思います。これをどういう風に書くかということは
別にして、技術論で行くか、それじゃあ人工植栽で行くか。苗木のこと、細か
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いことを言えば植え付けというか植え方の方向、耕起するしないも入ってくる
し、その後の保育みたいな話もあるでしょ。この辺の人工林の造成技術という
か、そういうものをはっきりさせなきゃいけないし。導入する樹種、今日はブ
ナを基本としながら、これだけで良いのか他樹種はどうなのか結論出た訳じゃ
ないでしょ。色んな立地に応じた構成にしていくかということも詰めていかな
ければならないんじゃないですか。そして今度は、どういう所に植えていくか、
これは天然更新の見極めが付き、人工林の技術的にこういう姿でやって行けば
良いというのが分かってくれば、土壌調査とかしているから初めてどういう条
件の所が良いだろう、或いは特別鳥獣保護区に隣接している所を優先的にやっ
て行くという考え方も有るかもしれないし、その辺は鳥獣保護区との関係も睨
まなきゃいけないし。
佐藤委員
特別保護地区は一番ポイントじゃないですか。連続性を持たせるというのがこ
れからは切り離されないから。
越前谷委員
クマゲラが来た時に、極端に言えばキャンプ場にいるというのはちょっと。ク
マゲラの鳥獣保護区に近い方にいてくれないと、パワー出ないでしょ。あと、
適地の問題、鳥獣保護区の問題、あと何か話し無かったかな。
小松保護官
やり易い所からというのがありませんでしたか。
佐藤委員
成功の見込める所で。結果を出さなければいけないので。小委員会だけの話じ
ゃないですが。それと先ほどのを絡めて。
蒔田委員長
モニタリングのやり方とか。
越前谷委員
そうそう、どういう所に植えるか、これまで行くと委員長がおっしゃったよう
にモニタリングの問題ですね。技術小委員会はこんなもんじゃないですか。身
の丈に合った姿は。事務局は不満な顔しているけど。あと何回も無い訳でしょ。
年5回協議会やる訳よね。今日も話したけれど、12月の中過ぎには第3回や
って、1 月に第4回やって、第5回が3月の上旬位なんでしょ。委員会が何回
かはまっていくと思うけれど、正直大変なんだから。そういうのやってるから
わかるんで。やっぱり小委員会含めて8回でしょ。あなたこれだけやってるな
ら良いけれど、他の仕事も抱えながらだと。やっぱり大変だと思うんだよ。
佐藤委員
これは最後の協議会で全体構想を承認して頂くということですよね。
事務局
一応こちらの腹積もりとしては4回目まで何とか全体構想を決めてもらって、
最後の5回目で実施計画をと考えていました。全体構想を決めてもらうのは最
後の5回目でも良いので。
蒔田委員長
ちょっときついな。
福森委員
実施計画できるかどうかわからないね。
越前谷委員
事務局の立場としては困るだろうけど。今から下げる必要無いけれども。委員
会はあと2回位で上げるつもりなんでしょ。3回やるか。1月の中、2月の中。
事務局
進み具合ですね。
越前谷委員
12月の下旬に協議会、1月の協議会の間に1回でしょ、2月か3月の最終の
協議会の間に1回でしょ。まさか協議会終わってから委員会やる訳にもいかな
いし。
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蒔田委員長
実施計画のゾーニングはかなり大変な作業ですよね。実施計画だとゾーニング
無いと駄目ですよね。3月までやれというのは無理やと思います。だって、そ
のためには苗木がどれ位確保できるのか、保育がどれだけ続けれるのか、種蒔
いたらどれだけ出てくるのか、そういうのが分からないままできません。年度
内に全体構想まとまって、そのあとに実施計画でも良いんじゃないかなと思い
ますが、駄目ですか?
越前谷委員
委員長が言ったように技術的な所は詰めれると思いますが、全体の仕組みをど
うするか、どういう運営をしていくかが大事でしょ。協議会である程度そうだ
となってくれないと動かないという。
蒔田委員長
これ位の面積に植えたいけれどどうしましょうかと言うのならできると思いま
す。方向性作って、駄目だったら見直してというのが当然条件として付くんだ
けれども。そこがばくっとした物できて、いきなりゾーニング考えて協議会に
上げてっていうのは無理だと思います。3月までは。協議会がどれくらいのま
とまりを持ってくれるかによりますけれど。
越前谷委員
12月の下旬にやる協議会、皆パッとまとまるならできるかもしれない。やっ
てみなければわからないけれど。それは歩きながら考えよう。今日は色々なこ
とで、少しは方向性も見えたけど、今言ったモニタリングを含めた4つが協議
会への提言事項になるんじゃないの。仕組みになると、小委員会を越えちゃう
からやるべきでないと思う。
蒔田委員長
今越前谷委員がまとめてくれた流れで今日の議論まとめて、技術検討小委員会
ではこういう議論をして、こういう方向性で行きたいと思いますということで
報告をするところまでと思います。具体的な内容については、そんなに細かく
はまだ。こういう検討してこれは結構わかっているとか、これはもう少し調べ
なきゃいけないとか言って、あとは協議会がどう流れていくかということだと
思います。
佐藤委員
技術的な話と地元の人との係りを一緒にすると議論がめちゃくちゃになるから、
また話が進まなくなるから、今回は技術の話について説明するという形の方が
効率的です。本来は一緒にやってどんどん話を進めて行きたいけれども、話が
めちゃくちゃになるから。
蒔田委員長
協議会から小委員会にこういうことをやれと、はっきりと示して欲しいと言う
のが私の希望です。それも協議会の場で言って良いと思いますけれども。
越前谷委員
そもそも委員会作るのは反対だったとかいう意見出るからな。危ないからな。
佐藤委員
国の交付金事業だからスケジュールあると思いますが、実施計画今年度作るこ
とになっていますが、仮にもう少し詰めなければいけなくて、来年度早々に作
るということはできないんですか。例えば環境省と協議して、繰越ではないけ
れど。
越前谷委員
環境省と協議してOK貰うには実施計画も全部入っていなければならないの。
事務局
一応全体構想をするということになっているので、そこさえクリアしていれば。
佐藤委員
交付金という制度は柔軟性を持った制度な筈だから、この先5年あるし、苗木
の問題とかもう少し詰めなければならないという理屈付けをしながら、あとの
2,3割をやるために、来年の春に6回目をやると。6回目は新年度事業で。
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蒔田委員長
そういった年次計画的なみたいなのも考えなきゃいけないんですよね。植栽を
どういう風に進めていくという。
事務局
交付金を4月にやってしまって、日付だけ取って、協議会を通してしまって、
実働は秋からかなと。
越前谷委員
今から腹決める必要はないから。
事務局
担当としては腹決めなければならないので。誰も助けてくれないので。
越前谷委員
ヤケになったら困るよ。
事務局
県としてはやらなければならないものなのですから。
越前谷委員
私も色々な会議やっているからわかるけど、担当はかなりストレスなんだよ。
上手く行かない会議は。分からないわけでもないけど。最後は皆疲れて良いや
ということになるから。
蒔田委員長
先も言ったけれど、最初にピシッとつくって、粛々と進むようなものでは絶対
ないので。やりながらゆらゆらするようなものだから。それ位のつもりで。
越前谷委員
この程度で認めてくださいと言うしかないな。だからプロセスが大事だと言っ
たのはそれで、結果として森が出来るんだけど、色々な人が入り込んで森を作
っていったというプロセスが非常に大事だと思う。この事業のミソはそこだと
思う。一挙に良い流れになるんじゃなくて、紆余曲折しながら段々収斂してい
くというのが望ましい有り様だから。
蒔田委員長
協議会の議事録読んでいて、こうしたいなとかこうできないかとか、夢を語ら
なければならないと思うんですよ。どうしたら良いんですかという論議が多い
んですよ。だから本来の自然再生の趣旨の議論になってないんですよ。
事務局
それを出して欲しくて、素案でわざと書いてない所があるんですよ。だからそ
れを出してくださいよってやったんですが。
越前谷委員
そんなこと言っても誰も気が付いてくれないよ。確かに夢的なところ、クマゲ
ラの棲める森を作るとか、そういうところが論議進んでいかなかったからね。
事務局
何か中途半端な技術論になってしまったというか。
越前谷委員
ある意味、林務でやる造林計画みたいな感じで捉えて、年次計画に従って県が
金を出して木を植えていく事業だと取る人もいて。この趣旨はそうではなくて、
プロセスを大事にして、モニタリングをしてフィードバックして時間を掛けて
森を再生していくんだ、というのはこういう事業が馴染んでいないでしょ。は
っきり言って県民が、我々含めて。やっぱり戸惑っているところ有る。今まで
県が計画立てて予算を付けて事業が進んできたという。これは違うもの。我々
も慣れていないところあると思う。お互い勉強していくしかない。
蒔田委員長
今日のでかなりイメージができて来たと思います。
越前谷委員
最後にどうしても事業計画みたいなのが必要ならば、目標をそこに持っていっ
て、確定じゃないけどいつでも直すというので認めてくださいと。本来的では
ないけれど。
事務局
クマゲラのところはどうするか、寧ろ協議会でそこを詰めてくれと投げかける
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ということで。
越前谷委員
むしろその方が良いな。ただ出席した人が来ただけの価値がある、先日話した
又か、という話になる。
事務局
協議会に投げかけても意見が出てこないので、そこをどう仕掛けるか。
越前谷委員
それは皆の議論に委ねた方がいい場合もあるので、例えば特別鳥獣保護区に近
いところから植えていくべきだと言う意見もあるし、いやそうじゃないという
意見もあるかもしれないし、今までの色々な議論でこういう意見もある、ああ
いう意見もあると紹介した方がいい。他のくぬぎ山とか他の再生事業ではこう
いう観点からやっていますとかさ。そういうものをちょっと入れていくと、何
を議論すべきか少しはでるかもしれない。
佐藤委員
他のやり方だけれども、森林組合の合併なんかだと検討事項が一杯あって、一
つ一つ事務局が提示して、二つ意見があればどちらかに決めて段階的に進める
という方法があるから、それを応用するならば、今回の技術小委員会の中で話
し合ったことを提示して、違う意見二つ三つあるなら、その場でこっちに行っ
て見ましょうと示してもらって話してもらう。そういう形で話す内容について
ある程度示してやれば少しはスピードアップになると思う。
越前谷委員
そういう展開の方が良いのよ。これからの行政は県民に選択してもらうのよ。
頭からやるのでなくて。ただ、頭の切り替え全部できてなくて大変だけど。
事務局
今言った技術的な問題点については、次回で整理することはできない。
越前谷委員
技術はいいと思うんだよね。さっき言ったコンセプトの問題、どういう展開に
するか、体制はどうするかとか、まだまだ協議会で協議しなければならないと
ころがあるでしょう。その辺少しは投げかけておかないと、4回、5回と展開
していけないから。全体の仕組みをどうしていけば良いのかとか、大きな問題
が残っているでしょ。
事務局
協議会で検討することについて事務局でピックアップして、それに対してこれ
とこれというのを。
越前谷委員
先行グループあるでしょう。そういうところがどういう風に実施計画に繋げて
いったのか、こういうのピックアップできれば、ここではこうやっていますと
いうような。それを事前に配布してくれれば尚更良いんじゃないですか。それ
で意見を持ってきてください、必ず発言をさせますという感じで。
事務局
そうしたいのは山々なんですが、できるだけ努力します。
越前谷委員
そうしないとまとめきれないよ。行政側で全部背負い込んでしまうと、気に喰
わないとなに行政背負うからと離されちゃうよ。それじゃ元も子もないじゃな
い。
事務局
3回目の投げかけるのに関しては、こちらで作ります。
蒔田委員長
協議会長ともっと議論した方が良いと思う。協議会の進め方について、事前に
充分に、3 回目で何処まで、4回目で何処までというところまで詰めておかな
いと、こちらの方も対応できないから。
越前谷委員
会長も大変だな。
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蒔田委員長
ということで、次回はもう少し議論を絞ってやりたいと思います。これでこの
委員会を閉めたいと思います。
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