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士 幌 町
住生活基本計画
平成 24 年 3 月
士 幌 町
目
次
第 1 章
計画策定の目的と位置づけ ................................................................................................ 1
1-1
計画策定の背景と目的.......................................................................................................... 1
1-2
計画の位置づけ .................................................................................................................... 2
1-3
計画の対象............................................................................................................................ 2
1-4
計画の期間............................................................................................................................ 2
第 2 章
士幌町の住宅を取り巻く現状 ............................................................................................ 3
2-1
人口・世帯数 ........................................................................................................................ 3
2-2
住宅事情 ............................................................................................................................... 4
2-3
民間賃貸住宅(共同住宅のみ)の状況 .............................................................................. 11
2-4
公営住宅の状況 .................................................................................................................. 12
2-5
現在までに進めてきた住宅施策 ......................................................................................... 23
2-6
住宅全般をとりまく状況の整理 ......................................................................................... 24
第 3 章
住宅施策の基本方針......................................................................................................... 25
3-1
住宅全般における課題........................................................................................................ 25
3-2
住宅施策の基本理念 ........................................................................................................... 26
3-3
住宅施策の基本目標及び方針............................................................................................. 27
第 4 章
士幌町の将来人口及び世帯数の設定................................................................................ 30
4-1
将来人口の設定 .................................................................................................................. 30
4-2
将来世帯数の設定............................................................................................................... 31
第 5 章
住宅施策の推進方針......................................................................................................... 33
士幌町住生活基本計画
第 1 章 計画策定の目的と位置づけ
1-1
計画策定の背景と目的
(1) 計画の背景
士幌町では、平成 9 年度に策定した「士幌町公共賃貸住宅再生マスタープラン」
(以下、従前
計画と称する。)に基づき、公営住宅の計画的な建替え、改善等事業を進めてきました。
その間、国の住宅施策においては、住宅セーフティネット1の確保を図りつつ健全な住宅市場
を整備するとともに、国民の住生活の「質」の向上を目指す政策へと転換が示されています。
具体的には、平成 18 年に「住生活基本法」を制定し、
「住生活基本計画(全国計画)」の策定を
踏まえて(平成 18 年 9 月 平成 23 年 3 月改定)
、北海道が「北海道住生活基本計画」
(平成 18
年 12 月、平成 23 年7月答申)を策定しています。
さらに大きな背景としては、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や道東道開通など、士幌町
の産業基盤である農業をとりまく環境は大きな転換期を迎えており、これらによって地域住民
の生活も緩やかに変化することが予想されます。その中で、地域の持続可能性を維持するため
に公共が担うべき役割を明確化することが求められています。
(2) 計画の目的
国や北海道の住宅施策の転換や士幌町をとりまく環境の転換を背景として、士幌町において
も、地域住民の生活基盤の重要な要素である住宅を中心とした住環境の整備を、本町の課題や
時代の要請に対応した施策によって、効果的に進めることが求められています。
そのため士幌町第 5 期町づくり総合計画を踏まえ、だれもが安心して暮らせる住環境づくり
を持続的に支えていくための住宅施策(公営住宅、民間住宅)を、総合的かつ体系的に進める
ことを目的として、「住生活基本計画」を策定します。
(3) 計画の基本的な考え方
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や道東道開通など、士幌町の産業基盤である農業を中心
とした産業構造をとりまく環境は大きな転換期を迎えており、これらによって地域住民の生活
も緩やかに変化することが予想されます。その中で、地域の持続可能性を維持するために公共
が担うべき役割は、ますます重要性を増しています。
一方で、士幌町の財政は厳しい経済環境に直面しており、住宅施策においても「選択と集中」
を図る必要があります。
このため、本計画では、広く住宅全般の現状と課題ならびに展望を踏まえ、持ち家や民間賃
貸住宅等と公営住宅が各々果たすべき役割を適切に分担することを基本的な考え方とします。
また、公営住宅のライフサイクルコストを削減しながら、住宅セーフティネットとして地域
課題に応じた住宅性能を保持することを基本的な考えとします。
1
住宅セーフティネット:経済的な危機に陥っても最低限の生活を保障する社会的な対策の一環として、
住宅に困窮する世帯に対する住宅施策の名称
-1-
士幌町住生活基本計画
1-2
計画の位置づけ
(1) 国の住宅施策
国は、住宅の直接供給を主眼とした「住宅建設計画法」を平成 18 年 6 月に廃止し、
「住生活
基本法」を制定して新たな住宅政策の枠組みを示しました。この法律は、これまでの住宅政策
から大きく転換し、住宅セーフティネットの確保を図りつつ、健全な住宅市場を整備するとと
もに、住生活の安定の確保と向上の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進する』ことを
目的としています。住生活基本法に基づき、国では「住生活基本計画(全国計画)」を策定し、
北海道においても「北海道住生活基本計画」を策定しています。
(2) 本計画の位置づけ
本計画は、士幌町第 5 期町づくり総合計画(平成 18 年 1 月 士幌町)を上位計画とし、高齢
者保健福祉計画をはじめとした関連計画とも連携を図りつつ、本町の住宅施策を推進する指針
の一つとして位置づけます。
北海道
国
生
活
基
本
計
新たな北海道総合開発計画
住
画
H18
H23
H20
新・北海道総合計画(H20~)
北海道住生活
基本計画
関連計画
(H18/H23 改正作業中)
高齢者
居住安定確保計画
(H23 策定作業中 H24~)
北 海 道 社 会 資 本 総 合 整 備 計 画 (H22~ )
士幌町
士幌町第5期町づくり総合計画(後期)
(H23~27)
士幌町耐震化促進計画(H21~30)
【関連計画】
士幌町
●地域福祉計画
●高齢者
保健福祉計画
士幌町公共賃貸住宅再生マスタープラン(H10~29)
継承
士幌町住生活基本計画 (H24~H33)
その他
士幌町公営住宅等長寿命化計画 (H24~H33)
図 1-1 士幌住生活基本計画の位置づけ
1-3
計画の対象
本計画の対象は、士幌町が管理する公営住宅(14 団地、113 棟、445 戸)、持ち家、民間賃貸
住宅等、住宅全般ならびに住環境を対象とします。
1-4
計画の期間
本計画の計画期間は、平成 24 年度から平成 33 年度までの 10 年間とします。
なお、進捗状況や社会経済情勢の変化を踏まえ、概ね中間時をめどに見直しを行います。
-2-
士幌町住生活基本計画
第 2 章 士幌町の住宅を取り巻く現状
2-1
人口・世帯数
(1) 人口
・人口は減少傾向にある一方で世帯数は増加傾向にあります。平成17年時点では人口が
6,755人、世帯数2,409世帯となっています。
・15歳未満の人口は減少傾向にある中、65歳以上の高齢者は増加傾向にあり、平成17年
時点の高齢化率は25.1%です。
(総人口)
(世帯数)
7400人
2500世帯
2458世帯
7200人
2409世帯
7149人
2400世帯
7044人
7010人
7000人
2271世帯
2208世帯
2300世帯
6839人
6755人
6800人
2200世帯
2131世帯
2066世帯
6600人
2100世帯
6416人
6400人
2000世帯
6200人
1900世帯
6000人
1800世帯
昭和60年
平成 2年
平成 7年
平成12年
平成17年
総人口
平成22年
世帯数
図 2-1 士幌町の人口推移(国勢調査)
昭和60年
21.8%
平成2年
20.5%
64.9%
64.1%
18.6%
平成7年
平成17年
13.9%
平成22年
14.2%
0%
15.4%
62.4%
15.4%
平成12年
13.3%
19.0%
61.9%
22.5%
61.0%
25.1%
58.8%
10%
20%
15歳未満
(年少人口)
30%
40%
27.0%
50%
60%
15歳~64歳
(生産年齢人口)
70%
80%
90%
100%
65歳以上
(高齢人口)
図 2-2 士幌町 年齢階層別の人口構成比の推移(国勢調査)
-3-
士幌町住生活基本計画
2-2
住宅事情
(1) 士幌町の住宅事情
・住居の種類別の世帯数の推移をみると、平成12年以降、民営住宅の世帯数の増加が著しく
なっています。
・北海道全体との比較では、士幌町の持ち家の割合が若干多く、公営借家の割合は約2.5倍
となっています。
・民営住宅の割合は7.1%となっており、北海道全体、帯広市からみて著しく低くなってい
ます。
昭和60年
76世帯
4世帯
173世帯
382世帯
1324世帯
77世帯
平成 2年
6世帯
198世帯
388世帯
1375世帯
71世帯 16世帯
平成 7年
202世帯
387世帯
1441世帯
87世帯 20世帯
151世帯
418世帯
平成12年
1520世帯
平成17年
1545世帯
444世帯
平成22年
1556世帯
391世帯
166世帯
199世帯
0世帯
500世帯
持ち家
1000世帯
公営・公団・公社借家
1500世帯
53世帯
167世帯
2000世帯
民営住宅
6世帯
190世帯
給与住宅
2500世帯
間借り
図 2-3 士幌町 住居の種類別世帯数の推移 (国勢調査)
士幌町
1556世帯
上士幌町
1385世帯
167世帯
391世帯 199世帯
53世帯
178世帯
433世帯 147世帯
16世帯
3125世帯
38701世帯
帯広市
738世帯
4063世帯
9024世帯10236世帯
47450世帯
十勝支庁町村
28617世帯
3507世帯
679世帯
91432世帯
735027世帯
41856世帯
178339世帯
1341788世帯
北海道内市町村
0%
10%
持ち家
20%
30%
公営の借家
40%
50%
公団・公社借家
60%
民営住宅
70%
80%
90%
給与住宅
間借り
図 2-4 住宅の種類別世帯数の比較(平成 22 年
-4-
100%
国勢調査)
士幌町住生活基本計画
(2) 住宅の面積
・住居の種類別に1戸あたりの面積の推移をみると、民営住宅を除き、増加傾向にあった面積
の変化が落ち着いています。
・民営住宅は1戸あたりの面積が減少傾向にあります。
・北海道内町村や管内町村と比較しても、持ち家の面積は広くなっています。
160㎡
140.6㎡
140㎡
141.3㎡
130.7㎡
123.9㎡
120㎡
100㎡
83.1㎡
78.5㎡
80㎡
71.9㎡
67.5㎡
60㎡
40㎡
53.8㎡
46.4㎡
43.4㎡
75.5㎡
70.6㎡
50.3㎡
47.2㎡
55.6㎡
48.8㎡
45.6㎡
44.5㎡
29.5㎡
69.6㎡
67.3㎡
65.1㎡
32.6㎡
20㎡
17.4㎡
0㎡
昭和60年
平成 2年
持ち家
平成 7年
公営・公団・公社借家
平成12年
民営住宅
平成17年
給与住宅
間借り
図 2-5 士幌町 住宅の種類別 1戸当りの面積の推移(国勢調査)
160.0
141.3㎡
140.0
121.7㎡
123.8㎡
116.1㎡
120.0
114.6㎡
100.0
77.5㎡
80.0
60.0
69.6㎡
67.3㎡
55.6㎡
48.8㎡
63.5㎡
60㎡
53.2㎡
63.8㎡
47.7㎡
38.2㎡
40.0
65.7㎡
59.2㎡
55.1㎡
52.5㎡
45.4㎡
64.7㎡
47.1㎡
49.3㎡
26.3㎡
23.6
20.0
0.0
士幌町
上士幌町
持ち家
公営の借家
帯広市
公団・公社借家
十勝管内町村
民営住宅
給与住宅
北海道内市町村
間借り
図 2-6 住宅の種類別 1戸あたりの面積の比較(平成 17 年
-5-
国勢調査)
士幌町住生活基本計画
(3) 1世帯あたりの人数
・住居の種類別に1世帯あたりの人数の推移をみると、ほぼ全ての住居の種類において、世帯
が縮小傾向にあることがわかります。
・平成17年において、1世帯あたりの人数が最も少ない住居の種類は民営住宅(1.88人/
世帯)であり、これに対して持ち家は約1.7倍の人数(3.12人/世帯)となっています。
・士幌町は、持ち家の1世帯あたりの人数が周辺地域に比較して多くなっており、北海道全体
の約1.2倍です。
(人/世帯)
4.50
3.85人
4.00
3.78人
3.57人
3.35人
3.50
3.12人
3.00
3.01人
2.77人
3.12人
2.50
2.5人
2.36人
2.00
2.91人
2.73人
2.37人
2.64人
2.32人
2.14人
2.13人
2.07人
1.88人
2.26人
2.17人
2.06人
1.85人1.9人
1.75人
1.50
2.33人
2.06人
2.04人
1.89人
1.62人
1.00
0.50
0.00
昭和60年
平成 2年
持ち家
平成 7年
平成12年
公営・公団・公社借家
平成17年
民営住宅
平成22年
給与住宅
間借り
図 2-7 士幌町 住居の種類別1世帯あたりの人数の推移 (国勢調査)
(人/世帯)
3.50
3.00
2.91人
2.66人
2.51人
2.50
2.19人
2.06人 2.04人
2.00
2.52人
2.51人
2.19人
2.1人
1.94人
1.89人
1.79人
1.62人
1.86人
2.1人
1.97人
1.96人
1.89人
2.07人
1.74人
1.74人
1.63人
2.11人
1.99人
1.50
1.00
0.50
0人
0人
0人
0人
0人
0.00
士幌町
持ち家
図 2-8
上士幌町
公営の借家
帯広市
公団・公社借家
民営住宅
十勝管内町村
給与住宅
北海道内市町村
間借り
住居の種類別1世帯あたりの人数の比較(平成 22 年
-6-
国勢調査)
士幌町住生活基本計画
(4) 高齢者世帯が居住する住宅種類
・高齢者世帯(65歳以上がいる世帯)は、8割以上が持ち家に居住しており、次に多いのが公
営借家に居住している世帯で約1割程度です。
・公営借家に居住する高齢世帯は、平成12年以降、若干増加傾向にあります。
・都市部や北海道内町村と比較して、公営借家に居住する高齢世帯の割合が高くなっています。
12 6 5
平成12年
833世帯
95世帯
17
平成17年
912世帯
3 3
116世帯
10 3 11
909世帯
平成 22年
0
200
130世帯
400
持ち家
600
公営・公団・公社借家
800
民営住宅
1,000
給与住宅
1,200
間借り
2-9 士幌町 高齢者世帯が居住する住居の種類の推移(国勢調査)
3世帯
士幌町
909世帯
130世帯11世帯
10世帯
1世帯
上士幌町
840世帯
150世帯
6世帯
27世帯
56世帯
帯広市
19316世帯
1300世帯
218世帯
3598世帯
128世帯
26224世帯
十勝管内町村
3140世帯 169世帯
1256世帯
0世帯
687397世帯
北海道内市町村
75319世帯
2949世帯
11181世帯
104917世帯
0%
持ち家
10%
20%
公営の借家
30%
40%
公団・公社借家
50%
60%
民営住宅
70%
80%
給与住宅
90%
100%
間借り
2-10 高齢者世帯が居住する住居の種類の比較(平成 22 年 国勢調査)
-7-
士幌町住生活基本計画
(5) 空家の状況
・士幌町では、戸建て住宅の空き家の割合はみどり地区が最も多く、空家の戸数は中士幌地区が
最も多くなっています。
・両地区は、古い宅地分譲事業によって開発された住宅地を含んでおり、経年によって居住者の
移転・退去が多くなっていることが考えられます。
・農村部にも24戸の空家があります。
40%
35% 33.3%
30%
25%
20%
18.4%
17.4%
16.7%
15.0%
15%
10%
12.9%
11.5%
12.2%
8.8%
7.9%
5%
3.8%
3.2%
3.6%
0.0%
0.0%
3.6%
0.0%
4.4%
農村部
緑光
中士幌
南団地
睦南
実園
0.0%0.0%
0.0%
睦西
睦
柏葉
大通西
大通
神苑
互譲
中央
仲通
本通
新生
高徳
若葉
松並
平原
みどり
0%
4.2%
2-11 士幌町 駐在区別 戸建て住宅の空き家の割合(士幌町建設課)
40戸
35戸
32戸
30戸
24戸
25戸
20戸
16戸
15戸
10戸
10戸
7戸
6戸
4戸
5戸
1戸
4戸
3戸
1戸
2戸 1戸
0戸
0戸 0戸
2戸
0戸
農村部
緑光
中士幌
睦南
南団地
睦西
0戸
実園
睦
柏葉
大通西
大通
互譲
神苑
中央
本通
仲通
新生
高徳
松並
若葉
平原
みどり
0戸
0戸
3戸
1戸
2-12 士幌町 駐在区別 戸建て住宅の空き家の戸数(士幌町建設課)
-8-
士幌町住生活基本計画
2-13 士幌町 士幌市街
戸建て住宅の空き家 (士幌町建設課)
-9-
士幌町住生活基本計画
2-14 士幌町 中士幌市街
戸建て住宅の空き家 (士幌町建設課)
-10-
士幌町住生活基本計画
2-3
民間賃貸住宅(共同住宅のみ)の状況
(1) 民間賃貸住宅の需要状況
・民間賃貸住宅(共同住宅のみ)の空室率は0%です。
・民間賃貸住宅の建設前に入居希望者を募り空室のリスクを抑制するしくみができています。
(2) 民間賃貸住宅の住戸面積
・都市型誘導居住水準面積(単身者42㎡)未満の住戸が約35%(72戸)あります。
・42㎡以上の住戸では、42㎡~50㎡の住戸が最も多く約5割(64戸)です。
・住戸面積が60㎡以上の住戸は建設年度が新しいものが多くなっています。
70戸
4戸
4戸
60戸
8戸
20戸
50戸
10戸
40戸
4戸
10戸
10戸
8戸
30戸
2戸
6戸
8戸
20戸
18戸
10戸
0戸
18戸
4戸
30㎡未満
S62
3戸
2戸
2戸
2戸
4戸
10戸
8戸
4戸
2戸
6戸
8戸
4戸
2戸
2戸
3戸
8戸
30㎡~42㎡未満 42㎡~50㎡未満 50㎡~60㎡未満 60㎡~70㎡未満
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
70㎡以上
H21
H22
H23
2-15 士幌町 民間賃貸住宅(共同住宅のみ)の建設年度と住戸面積 (士幌町建設課)
(3) 民間賃貸住宅の家賃
・民間賃貸住宅の家賃は平均で837円/㎡となっています。
・都市型誘導居住水準面積(単身者42㎡)未満の住戸では、35,000~40,000円が最
も多く約7割を占め、水準以上の住戸は40,000~50,000円が最も多く約3割となっ
ています。
70戸
4戸
3戸
3戸
60戸
20戸
50戸
40戸
48戸
26戸
30戸
2戸
5戸
20戸
8戸
10戸
0戸
2戸
3戸
1戸
30㎡未満
8戸
30㎡~42㎡未満
20000円未満
30000円~35000円未満
45000円~50000円未満
60000円~65000円未満
14戸
14戸
1戸
4戸
4戸
6戸
2戸
4戸
42㎡~50㎡未満
50㎡~60㎡未満
60㎡~70㎡未満
20000円~25000円未満
35000円~40000円未満
50000円~55000円未満
65000円~70000円未満
18戸
4戸
70㎡以上
25000円~30000円未満
40000円~45000円未満
55000円~60000円未満
70000円以上
2-16 士幌町 民間賃貸住宅(共同住宅のみ)の住戸面積と家賃 (士幌町建設課)
-11-
士幌町住生活基本計画
2-4
公営住宅の状況
(1) 管理戸数
① 管理戸数の現状
・公営住宅は、町内に113棟、445戸あります。
・
表 2-1 団地別管理戸数
資料:士幌町調べ
種別
団地名
公営住宅
公営住宅
公営住宅
公営住宅
公営住宅
公営住宅
公営住宅
特公賃
公営住宅
睦
南百戸
若葉
大通西
士幌北
士幌南
みのり野
みのり野
中士幌北
公営住宅
中士幌東 団地
公営住宅
公営住宅
公営住宅
特公賃
公共賃貸住宅
昭和南
西吉野
下居辺
協進
かしわ荘
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
団地
建築年
構造
棟数
S46~S49
S44~S55
S46~S58
H11~H13
S51
S62~H1
H14~H17
H14
S47~S48
S51~H5
S58
S63~H4
S52
S53~S54
H7~H8
S56
準耐(平屋)
準耐(平屋)
準耐(平屋)
耐火
準耐(平屋)
準耐(平屋)
耐火
耐火
耐火
準耐(平屋)
木
準耐(平屋)
準耐(平屋)
準耐(平屋)
木造
耐火
23棟
20棟
26棟
6棟
5棟
4棟
1棟
1棟
4棟
6棟
2棟
6棟
1棟
2棟
4棟
2棟
113棟
合計
-12-
管理戸数
92戸
78戸
104戸
48戸
10戸
12戸
12戸
16戸
4戸
16戸
19戸
23戸
4戸
24戸
2戸
4戸
8戸
8戸
445戸
入居戸数 一般空家 政策空家
6戸
11戸
7戸
空家率
72戸
62戸
73戸
47戸
10戸
12戸
14戸
5戸
24戸
1戸
0戸
0戸
14戸
2戸
12.5%
15戸
1戸
6.3%
22戸
1戸
4.5%
23戸
1戸
4戸
8戸
6戸
369戸
1戸
1戸
0戸
0戸
2戸
52戸
4.2%
50.0%
0.0%
0.0%
25.0%
17.1%
24戸
21.7%
20.5%
29.8%
2.1%
0.0%
0.0%
士幌町住生活基本計画
図 2-17 士幌町 公営住宅の位置
-13-
士幌町住生活基本計画
② 管理戸数の推移
・管理戸数は平成16年度以降、減少傾向にあります。
・管理戸数に対する一般空き家率(入居の募集を停止している住戸を除いた空き家の割合)は
平成18年以降、著しく増加しています。
・町内の民間賃貸住宅の戸数が増加しており、公営住宅の一般空き家率増加との関連性がうか
がえます。
20.0%
450戸
441戸
441戸 441戸 441戸
440戸
15.3%
437戸
15.0%
14.3%
433戸 433戸
13.4%
430戸
429戸
425戸 425戸 425戸 425戸
10.0%
9.8%
421戸
420戸
6.2%
6.0%
5.3%
2.8%
5.0%
4.3%
4.2%
410戸
3.6%
3.1%
2.3%
400戸
0.0%
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16 H17
管理戸数
H18
H19
H20
H21
H22
一般空家率
図 2-18 士幌町 公営住宅の管理戸数と一般空き家率の推移(士幌町建設課)
250戸
200戸
37戸 43戸
150戸
17戸 17戸 23戸
17戸
37戸 37戸 37戸
25戸
37戸 37戸
37戸
14戸
100戸
33戸
6戸 30戸
18戸
50戸
126戸126戸
4戸
4戸
2戸
4戸 4戸 22戸
4戸
6戸
6戸
30戸
98戸 98戸 98戸 102戸
56戸
69戸
80戸
40戸
0戸
H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
1LK・1LDK
2DK・2LDK
3LDK
図 2-19 士幌町内 民間賃貸住宅戸数の推移(士幌町建設課)
-14-
士幌町住生活基本計画
(2) 建物の構造と耐用年限
・1970年代に大量に建設された簡易耐火構造の公営住宅が耐用年限2を迎えています。
全団地
310戸
0%
10%
20%
30%
44戸 27戸
40%
50%
60%
70%
80%
H23にすでに耐用年限過ぎている
H33には耐用年限過ぎる
H33には耐用年限1/2過ぎる
それ以外
64戸
90%
100%
図 2-20 士幌町 公営住宅の耐用年限を迎える戸数(士幌町建設課)
92戸
睦団地
78戸
南百戸団地
96戸
若葉団地
士幌北団地
10戸
士幌南団地
9戸 3戸
昭和南団地
20戸
4戸
16戸
中士幌北団地
中士幌東団地
8戸
12戸
7戸 4戸
下居辺団地 4戸
西吉野団地 2戸
協進団地
8戸
16戸
みのり野団地
48戸
大通西団地
かしわ荘
8戸
0戸
20戸
40戸
60戸
80戸
100戸
H23にすでに耐用年限過ぎている
H33には耐用年限過ぎる
H33には耐用年限1/2過ぎる
それ以外
120戸
図 2-21 士幌町 団地別 公営住宅の耐用年限を迎える戸数(士幌町建設課)
2
耐用年限:木造及び準耐火構造(平屋建):30年、耐火:70年
-15-
士幌町住生活基本計画
(3) 住戸の居住性の整備状況
① 面積
・面積水準は、8割近くの住戸が北海道の定める都市居住型誘導居住面積水準(単身者42
㎡)を満たしています。
・都市居住型誘導居住面積水準(単身者42㎡)を満たしていない住戸は106戸あります。
・都市居住型誘導居住面積水準を満たしていない住戸は、全て耐用年限を過ぎています。
140戸
120戸
100戸
66戸
4戸
80戸
60戸
75戸
4戸
106戸
70戸
40戸
48戸
20戸
40戸
12戸
8戸
0戸
12戸
30㎡~42㎡未満 42㎡~50㎡未満 50㎡~60㎡未満 60㎡~70㎡未満
1LDK
2DK
2LDK
3DK
70㎡以上
3LDK
図 2-22 士幌町 公営住宅 住戸タイプの整備状況(士幌町建設課)
面積水準
76.7%
0%
20%
40%
水準以上
23.3%
60%
80%
100%
水準未満
図 2-23 士幌町 公営住宅 住戸の面積水準 整備状況(士幌町建設課)
-16-
士幌町住生活基本計画
② 設備
・管理戸数の約9割は、高齢者対応となっていません。
・3箇所給湯(台所、洗面所、浴室)が整備されているのは、管理戸数の2割程度です。
・水洗化は9割以上が整備されています。
・浴室は約2%の住戸が未整備ですが、約15%がユニットバス化されています。
高齢者対応
14.4%
3箇所給湯
85.6%
18.0%
82.0%
水洗化
91.5%
浴室整備
8.5%
14.4%
83.8%
0%
20%
40%
1.8%
60%
ユニット化
80%
整備
100%
未整備
図 2-24 士幌町 公営住宅 住戸内の設備 整備状況(士幌町建設課)
(4) 入居率
・現在の入居戸数は369戸、空き家は52戸、入居の募集を停止している政策空き家が24
戸あります。
・入居率の推移は年々下がっており、建物の老朽化や民間賃貸住宅の供給が影響していると考
えられます。
100.0%
97.2% 97.7%
95.8%
95.0%
96.9%
96.4%
94.0%
94.7%
95.7%
93.8%
90.2%
90.0%
86.6%
85.0%
85.7%
84.7%
80.0%
75.0%
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
入居率
図 2-25 公営住宅の入居率 (建設課調べ)
-17-
H21
H22
士幌町住生活基本計画
(5) 年齢構成
① 世帯主の年齢
・世帯主の年齢構成は、70歳以上が最も多く90世帯(全体の25.5%)であり、60~
69歳を含めた高齢世帯主の割合は、全体の4割(163世帯)を占めます。
・続いて30歳代と40歳代があわせて3割(114世帯)となっており、これら年代は子育
て世帯が多いと考えられます。
睦
3世帯
4世帯
4世帯
7世帯
10世帯
6世帯
南百戸
11世帯
24世帯
11世帯
19世帯
13世帯
10世帯
12世帯
2世帯
8世帯
若葉
8世帯
16世帯
10世帯
大通西
13世帯
9世帯
3世帯
26世帯
5世帯
17世帯
3世帯
1世帯
士幌北
士幌南
1世帯
1世帯
2世帯
2世帯
3世帯
2世帯
中士幌北
2世帯
3世帯
2世帯
2世帯
1世帯 1世帯 1世帯
4世帯
5世帯
中士幌東
4世帯
4世帯
6世帯
みのり野
0世帯
2世帯
7世帯
5世帯
4世帯
4世帯
3世帯
1世帯
4世帯
昭和南
5世帯
1世帯
下居辺
3世帯
1世帯
4世帯
1世帯
2世帯
1世帯
1世帯
西吉野
2世帯
協進
4世帯
2世帯
かしわ荘
全団地
5世帯
32世帯
55世帯
0%
20%
20歳未満
20歳代
1世帯
59世帯
1世帯
57世帯
40%
30歳代
2世帯
69世帯
60%
40歳代
1世帯
50歳代
1世帯
94世帯
80%
60歳代
100%
70歳以上
図 2-26 士幌町 公営住宅 団地別 世帯主の年齢(士幌町建設課)
-18-
士幌町住生活基本計画
② 入居者の年齢
・入居者の年齢構成は、60歳代と70歳代以上をあわせて3割近くなっており、入居者の高
齢化がうかがえます。
・また、20歳未満の入居者が176人(全体の22%)と多くを占めており、子育て世帯の
入居が確認できます。
若葉
3人
8人
士幌北
士幌南
中士幌北
1人 1人
2人
中士幌東
20人
下居辺
3人
西吉野
全団地
83人
176人
0%
10%
20歳未満
20%
20歳代
30%
114人
40%
30歳代
50%
40歳代
60%
70%
50歳代
4人
7人
9人
93人
97人
4人
1人 1人
6人
9人
12人
10人
昭和南
2人
2人
4人
2人
かしわ荘
2人
0人
2人
1人
1人
2人
0人
2人
5人 3人
6人
8人
9人
11人
0人
7人
4人
2人
3人
1人2人 2人
5人
7人
9人
15人
みのり野
2人
4人
2人
協進
3人 2人
6人
10人
3人
19人
6人
2人
2人
6人
2人
23人
5人 8人
12人
20人
9人
37人
大通西
33人
20人
26人
14人
13人
11人 7人
13人
16人
19人
16人
18人
12人
33人
南百戸
26人
35人
17人
17人
15人
10人
14人
睦
122人
103人
80%
90%
60歳代
100%
70歳以上
図 2-27 士幌町 公営住宅 団地別 入居者の年齢(士幌町建設課)
-19-
士幌町住生活基本計画
(6) 世帯の状況
世帯の状況では、高齢者単身世帯と高齢者2人世帯をあわせて約25%、子育て世帯が約2
7%、それら以外の世帯が半数となっています。
全体
16.8%
0%
10%
高齢者単身
8.1%
20%
6.2%
30%
高齢者2人
21.1%
40%
47.7%
50%
60%
子育て(15~18歳)
70%
80%
子育て(15歳未満)
90%
100%
それ以外
図 2-28 士幌町 公営住宅 世帯の状況別割合
① 単身高齢者及び高齢者2人の世帯
・高齢者のいる世帯のうち単身高齢者及び高齢者夫婦の世帯の割合は、全体で3割弱(92戸、
24.9%)です。
・単身高齢者及び高齢者夫婦世帯は、若葉団地、睦団地、大通西団地、南百戸団地が多くなっ
ています。
65歳以
上のみの
世帯92
世帯
24.9%
図 2-29 65歳以上高齢者のみの世帯数
② 子育て世帯
・子育て世帯(18歳未満のいる世帯)の割合は、全体で3割弱(101戸、27.4%)です。
・子育て世帯(18歳未満のいる世帯)は、大通西団地、南百戸団地で多くみられます。
③ 障がい者世帯
・障がい者のいる世帯は、全体の1割程度(31世帯)です。
-20-
士幌町住生活基本計画
障害者が
いる世帯
31世帯
8.4%
18歳未
満のいる
世帯101
世帯
27.4%
図 2-30
睦
18 歳未満のいる世帯割合
南百戸
若葉
7世帯
18世帯
大通西
5世帯 3世帯
13世帯
33世帯
14世帯
3世帯4世帯
8世帯
44世帯
5世帯 3世帯
9世帯
11世帯
図 2-31 障がい者のいる世帯割合
40世帯
5世帯 3世帯
18世帯
8世帯
2世帯2世帯
3世帯
士幌北1世帯
2世帯
士幌南 2世帯 8世帯 2世帯
みのり野1世帯 9世帯
中士幌北
4世帯
8世帯 1世帯 5世帯
1世帯
1世帯
中士幌東1世帯
11世帯
8世帯
1世帯
15世帯
昭和南 2世帯 6世帯
1世帯
西吉野
1世帯
2世帯
下居辺1世帯
8世帯
協進
1世帯
かしわ荘1世帯4世帯
0戸
10戸
高齢者単身
20戸
高齢者2人
30戸
40戸
子育て(15~18歳)
50戸
60戸
子育て(15歳未満)
70戸
それ以外
図 2-32 士幌町 公営住宅 団地別 世帯状況の種類ごとの世帯数
-21-
士幌町住生活基本計画
(7) 入居者の収入
・入居者の収入分位は、平成22年度において(235戸、66%)を占め、収入分位Ⅰ~Ⅳ
をあわせて7割強(278戸、78%)となっています。
・一般の公営住宅よりも収入の多い居住者向けの特別公共賃貸住宅(特公賃)が整備された平
成
14年度には収入超過世帯の割合が減少しています。
・また、平成21年には公営住宅法に定められている収入区分が改正されたことから、収入区
分Ⅰ~Ⅳまでの世帯(所得が低い世帯)の割合が減少しています。
100%
90%
80%
70%
60%
50世帯 46世帯
65世帯 52世帯
15世帯 13世帯
25世帯
18世帯 23世帯
25世帯
20世帯 24世帯 24世帯
19世帯
28世帯 30世帯 20世帯
18世帯
24世帯
20世帯 22世帯 22世帯 29世帯 21世帯
32世帯 34世帯
22世帯
31世帯 28世帯 29世帯 24世帯 28世帯
79世帯 83世帯 87世帯 86世帯
42世帯 42世帯 32世帯 32世帯 37世帯
16世帯 13世帯 21世帯
20世帯 15世帯 11世帯
20世帯 18世帯
26世帯
35世帯 36世帯
36世帯
42世帯 40世帯
18世帯 17世帯
13世帯 13世帯
19世帯 13世帯
26世帯 20世帯 25世帯 34世帯
50%
40%
30%
234世帯
253世帯 245世帯 235世帯 235世帯
250世帯 260世帯 261世帯 253世帯
201世帯 205世帯 206世帯 212世帯
20%
10%
0%
H10
Ⅰ
H11
H12
Ⅱ
H13
H14
H15
(特公賃整備)
H16
Ⅲ
Ⅳ
H17
H18
H19
Ⅴ~Ⅷ
H20
H21
H22
(収入区分改正)
収入超過
図 2-31 士幌町 公営住宅 入居者の収入の状況(士幌町建設課)
-22-
士幌町住生活基本計画
2-5
現在までに進めてきた住宅施策
町民の住生活の質の向上に関わって士幌町が現在までに進めてきた施策について整理します。
表 2-2
制度名称
制定時期
内容
士幌町住宅用太陽光発電システ
H21 年 4 月(H24
目的:太陽光エネルギーの利用による住宅用
ム導入補助金
年 3 月まで)
発電システムの導入促進
内容:出力 1kw につき 70,000 円(4kw まで)
を補助
士幌町木造住宅耐震診断補助金
H21 年 3 月
目的:木造住宅の耐震化の促進
内容:S56 年 5 月 31 日以前に着工された 2
階建て以下の住宅に対し、耐震診断に要する
費用(上限 3 万円)を補助
士幌町木造住宅耐震改修補助金
H21 年 3 月
目的:木造住宅の耐震化の促進
内容:S56 年 5 月 31 日以前に着工された 2
階建て以下の住宅に対し、耐震改修に要する
費用(上限 50 万円)を補助
士幌町定住雇用促進賃貸住宅建
H22 年 3 月
目的:賃貸住宅の建設促進による住環境の整
設事業助成金
備と町内への定住及び雇用の促進
内容:町内に 1 年以上居住する個人または 1
年以上同一事業を営み町内に所在する法人
が建設する、共同住宅または戸建て住宅に対
し、1 ㎡あたり 1 万円を補助
表 2-2 に挙げた施策によって、町民の安全安心な住生活や環境に配慮した住宅性能の確保を
促進してきました。
-23-
士幌町住生活基本計画
2-6
住宅全般をとりまく状況の整理
前項までの地域特性や住宅事情、さらにこれまで進めてきた住宅施策を踏まえて、住宅全般
をとりまく状況の整理をします。
〈状況1〉 少子高齢化
平成22年において65歳以上の人口は27%となっています。
これに対して、15歳未満の人口は14%程度にまでなっています。
〈状況 2〉 最も多い持ち家の世帯
次いで公営住宅に入居する世帯
持ち家に住む世帯が6割以上、公営住宅に住む世帯が約2割となっています。
〈状況 3〉 広い持ち家の面積
持ち家世帯人数は周辺地域より多いが減少傾向
周辺地域や道内町村に比較して持ち家の面積が広くなっています。
持ち家の世帯人数も比較的多いですが、近年は減少傾向にあります。
〈状況 4〉 民間賃貸住宅は増加傾向で満室
約半数は 50 ㎡未満の住戸
民間賃貸住宅戸数が増加傾向で、現在 204 戸が全て満室です。
その約7割は 50 ㎡未満の小規模な住戸です。
都市型誘導居住水準面積(集合住宅向け基準)未満の住戸が約4割あります。
賃貸住宅事業者の意向は、今後も需要があれば建設の意欲を持っています。
〈状況 5〉 古い宅地分譲地区で多い空家
中士幌地区に多くの空き家
古い宅地分譲地区がある住宅地は空き家の割合が高くなっており、空き家の戸数では中士
幌地区が最も多くなっています。
〈状況 6〉 公営住宅は老朽化・入居率低下
入居者の高齢化・低所得化
建設年度が古い公営住宅は老朽化しており、入居率は低下しています。
約7割の住戸がすでに耐用年限を過ぎており、約1割の住戸が平成 33 年には耐用年限を迎
えます。
入居者は約3割が高齢者で 50 代以上は約4割を占めています。
収入状況は低所得者の割合が増加傾向にあります。
-24-
士幌町住生活基本計画
第 3 章 住宅施策の基本方針
3-1
住宅全般における課題
前章までの住宅全般にわたる状況をもとに、町民の豊かな住生活を実現するために解決すべ
き課題について整理します。
〈課題1〉 在 宅 介 護 に 備 え た 戸 建 て 住 宅 の 供 給 促 進
多数の高齢者が持ち家に居住していることから、今後の在宅介護における被介護者・介護
者双方のQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を向上するためのバリアフリー改修や、
新築当初からのユニバーサルデザインの導入が必要となっています。
〈課題2〉 居 住 世 帯 に 適 し た 住 宅 整 備 と 関 係 機 関 の 連 携
公営住宅入居世帯や持ち家に住む、将来の施設入所リスクが高い世帯に対して、生活支
援・介護サービスを合わせた住宅整備について検討が求められています。
また、少子化対策として、子育て世帯向けの公的・民間賃貸住宅の整備によって、次世代
育成に寄与することも必要となっています。
住宅整備分野と福祉分野の連携や、民間事業者と行政の連携によって、新たな居住システ
ムの整備を進めることが必要となっています。
〈課題3〉 空 き 家 ・ 空 地 の 流 動 化 ・ 活 用 の 促 進
市街地の空洞化を抑制し、持ち家を求める子育て世帯や移住者等への支援、高齢世帯の市
街地居住の促進を目的とした、空き家・空地の適切な活用が必要であると考えられます。
〈課題4〉 都 市 型 誘 導 居 住 面 積 水 準 を 満 た す 民 間 賃 貸 住 宅 の 整 備
今後の民間賃貸住宅の建設において、都市型誘導居住面積水準を満たす住戸の整備を誘導
するための方策等について、検討する必要があると考えられます。
〈課題5〉 公 営 住 宅 の 計 画 的 か つ 円 滑 な 更 新 と 適 切 な 維 持 管 理
現状では公営住宅の建物や設備の老朽化が著しくなっており、適切な費用対効果をもって
住宅性能を向上させるためには改善では対応が困難なため、建替えによって更新を行う必要
があります。
更新にあたっては、事業の確実な実施のため、建設年度の古い住棟から事業の平準化を図
り、計画的かつ円滑な実施と、建替えまでの適切な維持管理が求められます。
〈課題6〉
住 宅 に お け る CO2 排 出 量 削 減 の 促 進
住宅における消費エネルギーおよびCO2の削減を目的とした断熱・気密・換気性能の向
上を促進する支援策や、太陽光エネルギー利用を促進する支援策、建設におけるCO2削減
を目的とした道産材活用の促進が必要であると考えられます。
〈課題7〉
地
元
建
設
産
業
の
活
性
化
住宅の高断熱・高気密化改修やバリアフリー改修などの需要の喚起によって、住宅建設に
携わる地元建設産業の活性化を図る必要があると考えられます。
-25-
士幌町住生活基本計画
3-2
住宅施策の基本理念
士幌町は、
「協働でつくる活き生きしほろ」を合言葉に、誰もが住んで良かった、住み続けた
いと思える町の実現を目指し、士幌町第5期町づくり総合計画において、
「豊かな町(安全・安
心、生きがい実感)」、「協働する町(自主・自立をめざして)」、「活力のある町(農業を核とし
て)」をまちづくりの重点プロジェクトとして掲げています。
これまで住宅施策としては、定住の促進を目標とした住宅環境の充実を図っており、宅地分
譲事業や耐震改修支援事業、戸建て住宅における太陽光発電パネル設置支援事業を展開してき
ました。
今後は、豊かな住生活を実現する観点から、
『市場重視』
・
『ストック重視』の施策展開を図る
ことが重要となっています。さらに、地域住民の生活を支える良好なコミュニティの維持・発
展のために、住宅及び住環境が果たす役割も重要です。
これらを踏まえて、
『絆を育む住まいを築き伝える・住みたい・住み続けたいまち』を基本理
念として、住宅施策を推進することとします。これらを踏まえて、
『絆を育む住まいを築き伝え
る・住みたい・住み続けたいまち』を基本理念として、住宅施策を推進することとします。
『絆を育む住まいを築き伝える・
住みたい・住み続けたいまち』
-26-
士幌町住生活基本計画
3-3
住宅施策の基本目標及び方針
前項までに掲げた課題に沿って、本計画における住宅施策の基本目標および方針を以下のと
おり定めます。
基本目標1
誰もが地域に安心して住み続けるための居住の推進
〈方針1〉在 宅 介 護 に 備 え た 戸 建 て 住 宅 の 供 給 促 進(→課題1)
多数の高齢者が持ち家に居住していることから、今後の在宅介護における被介護者・介護
者双方のQOL(クオリティオブライフ:生活の質)を向上するためのバリアフリー改修や、
新築時のユニバーサルデザイン導入を支援します。
■在宅介護に向けた住宅改修における技術支援等、福祉部局との連携強化
■「住宅相談窓口」における新築時のユニバーサルデザインに関わる技術支援
〈方針2〉 高 齢 者 の居住 に 適 した公 営 住 宅整備 に お ける福 祉 分 野との 連 携(→課題2)
高齢者単身・夫婦世帯が安定した居住を確保できるよう、住宅整備分野と福祉分野の連携
により、生活支援・介護サービスや見守り機能、さらに開かれたコミュニティのある公営住
宅整備を進めます。
■住宅と福祉分野の連携および子育て支援施設等との連携による公営住宅整備
■コミュニティに開かれた住戸と共有空間の構成
・参考事例:釧路町遠矢団地
図 3-1 釧路町 遠矢団地
〈方針3〉 民間事業者が行う高齢者向け住宅の整備検討に対する協力・連携(→課題2)
高齢者の新たな居住の受け皿の整備意向を持つ民間事業者に対し、協力・連携を図ります。
■高齢者住宅等の整備に対する民間事業者への協力・連携
〈方針4〉 都市型誘導居住面積水準を満たす民間賃貸住宅の整備(→課題4)
今後の民間賃貸住宅の建設において、都市型誘導居住面積水準を満たす住戸の整備を促進
します。
■民間賃貸住宅の建設における、士幌町定住雇用促進賃貸住宅建設事業助成金の活用による
整備支援
-27-
士幌町住生活基本計画
〈方針5〉 公営住宅の計画的かつ円滑な更新と適切な維持管理(→課題5)
住宅セーフティネットとしての公営住宅の役割を踏まえて、建物や設備の老朽化が著しい
住棟について、建設年度の古い住棟から更新を図ります。
更新にあたっては、適切な費用対効果をもって住宅性能を向上させるために建替えを基本
とし、事業の確実な実施のため、事業の平準化を図り、計画的かつ円滑な実施を行います。
また、建替えまでの期間は、現状での居住性を維持しながら、適切な維持管理・改善・修
繕を行います。
■公営住宅の建替え時における整備費用・家賃増額を抑制するための整備手法(構造等)
■「士幌町公営住宅長寿命化計画」における公営住宅の活用手法判定と維持管理・更新計画
基本目標2:豊かな自然と調和した安全で快適な居住環境とコミュニティの形成
〈方針6〉 空 き 家 ・ 空 地 の 流 動 化 ・ 活 用 の 促 進 (→課題3)
市街地の空洞化を抑制し、持ち家を求める子育て世帯や移住者等への支援、高齢世帯の市
街地居住を促進し、地域コミュニティの維持・形成を目的として、空き家・空地等の適切な
活用を進めます。
■空き家・空地バンク(住み替え支援)
・移住促進のための空き家情報の活用策(行政・事業者・町民の連携による情報収集・発信の
しくみの確立)
■未活用の土地を流動化させるための建物除却の推進
・居住の適正化(子育て世帯の戸建て居住、高齢世帯の市街地居住)のための空き家・空地の
活用を促進する建物除却の推進(空き家再生等推進事業:社会資本整備総合交付金活用の活
用検討)
■耐震改修の費用負担に対する支援策の広報
・住宅の斡旋事業者との連携により住宅の再活用に際して耐震診断・改修補助制度の広報
〈方針7〉
住 宅 に お け る C O 2 排 出 量 削 減 の 促 進(→課題6)
住宅における消費エネルギーおよび CO2排出量の削減を目的とした断熱・気密・換気性能
の向上を促進する支援策の導入や、太陽光エネルギー利用を促進する支援策の更なる推進、
住宅建設におけるCO2削減を目的とした道産材活用の促進を行います。
■住宅用太陽光発電システム導入補助金の広報
■北方型住宅や次世代省エネルギー水準以上の断熱性能のある住宅整備の促進
■公営住宅建設における道産材の活用
-28-
士幌町住生活基本計画
図 3-2 北方型住宅・北方型住宅 ECO・一般住宅 CO2 排出量の比較(北方型住宅パンフレット)
基本目標3:良質な住宅ストック形成を支える住宅建設産業の育成
〈方針8〉
地
元
建
設
産
業
の
活
性
化 (→課題7)
環境に配慮した住宅ニーズに適切に対応できる知識や技術を有した技術者の育成を支援し
ます。
■北方型住宅等、北海道等が行う技術者向け講習会への協力
■BIS 認定資格取得の推奨
図 3-3 BIS 認定制度(北方型住宅パンフレット)
-29-
士幌町住生活基本計画
第 4 章 士幌町の将来人口及び世帯数の設定
4-1
将来人口の設定
本町の人口は緩やかな減少を続けており、国立社会保障・人口問題研究所の予測では今後も
減少の結果、本町の平成 32 年における人口は 6,175 人と推計されています。
人
7,500
7,000
6,500
7,009
6,970 6,965
6,911 6,926
6,891
6,901
6,839
6,789
①
6,733
6,624 6,611
6,573
6,358
6,755
②
6,416
6,301
6,074
6,410
6,000
6,175
6,122
5,910
5,500
5,000
4,500
4,000
H12
住民基本台帳
H17
国勢調査
H22
H27
H32 H33
H37
国立社会保障人口問題研究所推計値
H22住民基本台帳人口から人口減少率(推計)により算出
図 4-1 士幌町 人口推移と将来の推計
図 4-2 士幌町 人口 将来推計
シナリオ①:平成 22 年における住民基本台帳人口を基に、
人口変動率(国立社会保障人口問題研究所推計から算出)により
平成 32 年、平成 37 年の人口を算出
→平成 32 年~平成 37 年の増減率を均等として平成 33 年人口を算出
:6,301 人
シナリオ②:国立社会保障人口問題研究所推計値を用い
平成 32 年~平成 37 年人口の増減率を均等として平成 33 年人口を算出
:6,122 人
高齢者福祉計画(現在策定中)が平成37年設定人口を国立社会保障人口問題研究所の推計
を採用し 5,910 人としていることを踏まえ、本計画においては平成 33 年における設定人口を次
のとおりとします。
【平成 33 年度の本町人口】
=
6,122 人
(推計方法)国立社会保障人口問題研究所の推計値を採用
-30-
士幌町住生活基本計画
4-2
将来世帯数の設定
(1) 世帯数の設定
本町の世帯数は、現在までは人口の推移とは異なり増加を続けていますが、国立社会保障・
人口問題研究所の推計では、全国の世帯数が平成 27 年にピークを迎えた後、減少に転じること
が予測されており、本町においても、今後は、世帯数も減少傾向で推移するものと考えられま
す。
世帯
2,700
2,600
2,567 2,568 2,560
2,529
①
2,528
2,500
2,479
2,452
2,451
2,469
2,458
2,420
2,400
2,421
2,409
2,347
②
2,300
2,387
2,363
2,285
2,271
2,200
2,100
2,000
H12
H17
H22
H27
H32 H33
国勢調査
住民基本台帳
国勢調査世帯数による推計
住民基本台帳世帯数による推計
H37
図 4-3 士幌町 世帯数 将来推計
シナリオ①:平成 22 年住民基本台帳世帯数に世帯増減率(国立社会保障人口問題研究所
推計)を乗じて平成 27 年、平成 32 年、37 年の世帯数を算出
→平成 32 年~平成 37 年まで均等に増減するとして平成 33 年世帯数を算出
:2,452 世帯
シナリオ②:平成 22 年国勢調査世帯数に世帯増減率(国立社会保障人口問題研究所推計)
を乗じて平成 27 年、平成 32 年、37 年の世帯数を算出
→平成 32 年~平成 37 年まで均等に増減するとして平成 33 年世帯数を算出
:2,347 世帯
昨今の社会情勢や他の推計算出事例を踏まえ、本計画ではシナリオ②:国勢調査世帯数を基
に算出した世帯数を採用します。
【平成 33 年度の本町世帯数】=
(推計方法)
2,347 世帯
・平成 22 年国勢調査における世帯数を基に世帯数増減率(国立社会保障人口問題研究所推計)
により平成 37 年を算出
-31-
士幌町住生活基本計画
以上から、本計画における人口・世帯数の設定を以下に示します。
【平成 33 年度の本町
人口・世帯数】=
-32-
6,122 人
2,347 世帯
士幌町住生活基本計画
第 5 章 住宅施策の推進方針
社会情勢の変化や多様化するニーズに対応し、現在及び将来における豊かな住生活を実現し
ていくためには、町を含めた行政(国・地方公共団体)が適切な施策を進めるだけでなく、住
宅関連事業者、居住者、医療・福祉サービスの提供者等、住生活に関わるすべての関係者がそ
れぞれの立場で役割を自覚し、互いに連携・協力に努めることが必要不可欠となっています。
また、平成18年6月制定の「住生活基本法」では、住宅関連事業者の責務や住生活に関わ
るすべての関係者に対する努力義務が定められています。
このような背景を踏まえ、今後、より一層の住宅関係者との連携・協力及び各主体の役割分
担が重要となってくることから、住生活の担い手である方々と次のように連携・協力を進めま
す。
(1) 行政
住宅事情や社会動向を見据えながら、国や北海道の住宅政策と調整を図り、また北海道立
北方建築総合研究所などの関係機関との連携・協力を図りながら、地域特性を踏まえて、多
様なニーズに対応するための住環境整備や住宅困窮者の居住の安定確保等に対応するため
の総合的な政策展開を推進していきます。
庁内においては、住宅や街並み・景観を担当する建設分野に加え、福祉分野、地域の基幹
産業である農業分野や、不動産等の流通に携わる商工分野などとの連携をさらに進め、生活
基盤としての住宅を包括的に捉えながら取り組んでいきます。
さらに、各主体において期待される役割について、さまざまな機会を通じて啓発し、担い
手を育成するなどの取組を進めていきます。
(2) 住宅関連事業者等
社会的性格を有する住宅というものに対してサービスの提供を行っている住宅関連事業者
等には、各建築関連法規を遵守するなど一定の社会的な責務があります。さらに、本町にお
ける住宅内外にわたる居住環境の質の向上を図るために、消費者からの多様なニーズに対応
し、消費者が景観や街並みに配慮した適切な選択を行えるよう情報提供するなど、幅広い取
組が期待されます。
(3) 居住者
これからの住まいづくりやまちづくりには、居住者や地域の協力が不可欠です。住宅の質
の向上・適切な維持管理や環境への意識、防犯・防災を含めた地域活動や社会的弱者への配
慮などを住宅あるいは地域において積極的に進めていくことが期待されます。
(4) 主体間の協働・連携
豊かな住生活の実現に向けて、各主体がそれぞれの役割を果たしながら、協働・連携して
住宅政策を推進していきます。
-33-
士幌町住生活基本計画・士幌町公営住宅等長寿命化計画
1.
策定委員会構成員
委員長
副委員長
委員
町長
副町長
総務企画課
保健医療福祉センター
保健福祉課
産業振興課
士幌農協
士幌町商工会
オブザーバー 北海道十勝総合振興局
帯広建設管理部建設行政室
建設指導課
2.
策定委員会
課長
センター長
課長
課長
参事
事務局長
主幹
建築住宅係長
主任
小林康雄
柴田敏之
後藤忠義
山中雅弘
大森三宜子
堀江博文
田中秀明
森本英伸
小山 晃
渡邉純一
宮本貴幸
事務局
事務局
建設課
課長
土生明美
技術長
増田優治
建築住宅担当主査 田中敏博
3.計画策定の経過(住生活基本計画)
H23.10.7
第1回策定委員会開催
・計画に関する基本的事項
・士幌町の住宅の現状
H23.12.2
第2回策定委員会開催
・住宅に関わる課題の確認
・住宅政策の基本方針
・住宅の計画フレーム
H24.1.16
第3回策定委員会開催
・住宅政策の基本方針の確認
・計画の推進方針
H24.2.17
第4回策定委員会開催
・住生活基本計画
素案
H24.2.23
計画案パブリックコメントの募集開始(~H24.3.6)
H24.3.9
議員協議会
計画説明
士幌町住生活基本計画
■発行日 平成 24 年 3 月
■発行者
北海道河東郡士幌町
■編
士幌町建設課
〒080-1200
北海道河東郡士幌町字士幌 225 番地
電話:01564-5-5211 FAX:01564-5-4304
http://www.shihoro.jp/hp/
集
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