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何故、今スクリーニング検査を強く推奨するのでしょ
【何故、今スクリーニング検査を強く推奨するのでしょうか?】 冠動脈、末梢動脈のカテーテル手術を昨年度は合計約 470 例で施行しました が、初回の造影検査やカテーテル治療が、その患者さんにとって既に “手遅れ” (急性・陳旧性心筋梗塞・重症下肢虚血)や“ニアミス” (不安定狭心症・心肺 停止蘇生後)の状態で行われている症例が全体の 42%と、かなりの部分を占め ていました。またその 58%は糖尿病の患者さんでした。 患者さんに対する啓蒙(教育)により回避が可能、つまり典型的な労作性狭 心症や間欠性跛行を“手遅れになる前に”経験していたのは、 “手遅れ”症例の 約 30%程度にすぎませんでした。 残りの約 40%は歩行時の息切れ、心電図の 非特異的な変化、下肢のしびれ、皮膚色の変化などの“特異性のない症状、所 見”を呈していたに過ぎませんでした。残り 30%は詳しくアナムネ、身体所見 をとっても前駆的な症状、所見のなかった症例で起こっていました。 そのような患者さんを手遅れになる前に発見する方法とは、現時点で明白な 答えはありませんが、データからは・・・ ①糖尿病で罹病歴が長く、あまり活動性が高くない、特にインスリン使用中の 患者さん。(HbA1c コントロール不良症例も?) ②維持透析(透析導入直後にも積極的にスクリーニング検査を)の患者さん ③ATIS(脳梗塞、冠動脈疾患、末梢動脈疾患)の既往がある患者さん 元気に働き家計を支えている患者さん程、万が一の時に社会的損失が大きいの で無症状でも定期的にスクリーニング検査を受ける重要性が高いと考えます。 現状は残念ながら、利用して頂いている連携医の先生方も多くはなく、患者 さんへの認知度も高いとは言えない状況です。スクリーニング検査を受けて頂 くことで早期の対応が可能となり心筋梗塞、下肢切断が減らせ、あるいはその 発症を遅らせることが可能です。また冠動脈に何カ所も動脈硬化病変が無症候 性に進行し、最初の心筋梗塞で救命困難(突然死)な患者さんも減らせます。 この趣旨に賛同いただける先生方は是非大切な患者さん達に(もちろん先生 方ご本人も含めて)スクリーニング検査を受けることを勧めて頂ければ幸いで す。患者さん用のパンフレット、掲示用のポスターはホームぺージからもダウ ンロードが可能です(もしくは患者総合相談室に連絡を頂ければ郵送させて頂 きます)。ご利用をお待ちしています。 心臓に自信のある患者さんへ あなたの心臓は本当に大丈夫ですか? -心臓スクリーニング検査の勧め- 糖尿病、メタボリック症候群をお持ちの患者さんは、動脈硬化性の心疾患(狭心症・心 筋梗塞)のハイリスク集団”であることがわかっています。 動脈硬化性心(冠動脈)疾患の症状としては“階段や坂道を上っている最中や、朝の通勤 中に胸が重苦しくなり(ひどい時は脂汗が出る)立ち止まって数分間休めば楽になり、ま た歩ける”というような“労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)”が有名ですが、 この状態で(心筋梗塞に至らずに)病院を受診できるケースは実は半数に過ぎません。典型 的な症状を示さずに軽度の息切れや全く本人が自覚するような前駆症状がなく、いきなり 心筋梗塞や不安定狭心症で緊急入院して来るケースが残りの半数です。たとえ心筋梗塞に なっても、心臓が止まる前に病院に着ければ 90%以上の患者さんは助けられる時代となっ ていますが、未だに自宅などで突然死となる方が全症例の 3 分の 1 いると言われています。 心筋梗塞が起きてしまったら、後遺症として大なり小なり心臓のポンプ機能が低下します。 好きなスポーツができなくなったり、それ以外でも生活制限が必要になったりで発症前と 同様の生活ができる人は必ずしも多くはありません。心筋梗塞の患者さんが緊急で運ばれ て来る度に、こうなる前に発見できなかったのだろうか?といつも歯痒い思いに駆られま す。ハイリスク群が分かっているなら、当てはまる人達に(自覚症状がなくても)早期発見、 未発病時点での治療開始ができないだろうかと考え、半日の心臓ドックを考えました。 人間ドックとは何が違うのでしょうか?ドックで結果に異常がありますといわれても、 次に何をすればいいのかわからなくて結局放っておいてしまったことはありませんか? 市民病院では軽症~未発症の段階の動脈硬化性心(冠動脈)疾患を早期発見するために、 「半日休みを取って頂ければその日の内に結果の出る“心臓スクリーニング検査”」を循環 器専門医が行っています。異常が見つかった場合には追加の検査、薬物治療の開始、定期 検診の予約までその日のうちに行えます。気付かないうちに重症の冠動脈疾患にならない ように、また不安を抱えながら仕事をしないで済むように検診を受けてみませんか? かかりつけの先生にお願いすれば予約診察が受けられます。是非検討してみてください。 費用は1割負担の方で約 2500 円、3割負担の方で約 7500 円です。高いでしょうか、安い でしょうか?もし心筋梗塞になってしまったら、いくら払って“なかったこと”にしたい でしょうか? 働き盛りの方の心臓発作からの突然死ほど悲しいことはありません。少なくともうちの 病院の医療圏からは出来る限り減らしたいと考えています。まずは検査を受けて頂き、異 常がなければ翌日からはもっと元気に自身を持って仕事、遊びに励んでください。 横浜市立市民病院循環器内科 小浦貴裕・根岸耕二 貴方の「心臓」と「第二の心臓」、大丈夫ですか? 今年のチェックは済んでいますか? 横浜市立市民病院では、早期発見・早期治療のためのスクリーニング検査を勧めています。 心臓に自信のある患者さんへ -働き盛りの突然死を防ぎたい- あなたの心臓は本当に大丈夫ですか? -心臓スクリーニング検査の勧め- 糖尿病、メタボリック症候群をお持ちの患者さんは、動脈硬化性の心疾患(狭心症・ 右冠動脈は出た直後で 完全閉塞 心筋梗塞)のハイリスク集団”であることがわかっています。 動脈硬化性心(冠動脈)疾患の症状としては“階段や坂道を上っている最中や、朝の通勤 中に胸が重苦しくなり(ひどい時は脂汗が出る)立ち止まって数分間休めば楽になり、ま た歩ける”というような“労作性狭心症(ろうさせいきょうしんしょう)”が有名ですが、 この状態で(心筋梗塞に至らずに)病院を受診できるケースは実は半数に過ぎません。典型 的な症状を示さずに軽度の息切れや全く本人が自覚するような前駆症状がなく、いきなり 心筋梗塞や不安定狭心症で緊急入院して来るケースが残りの半数です。たとえ心筋梗塞に なっても、心臓が止まる前に病院に着ければ 90%以上の患者さんは助けられる時代となっ 循環器内科部長 ていますが、未だに自宅などで突然死となる方が全症例の 3 分の 1 いると言われています。 根岸耕二 心筋梗塞が起きてしまったら、後遺症として大なり小なり心臓のポンプ機能が低下します。 「坂道や階段を昇ると胸の圧迫感、喉 のつまり感が起こり数分休むと症状が 治療後に閉塞部より 好きなスポーツができなくなったり、それ以外でも生活制限が必要になったりで発症前と 取れて動ける」、典型的な労作性狭心 先の血流は再開した 同様の生活ができる人は必ずしも多くはありません。心筋梗塞の患者さんが緊急で運ばれ 症の症状です。この段階で受診しても て来る度に、こうなる前に発見できなかったのだろうか?といつも歯痒い思いに駆られま らえれば心臓のダメージは最小限で す。ハイリスク群が分かっているなら、当てはまる人達に(自覚症状がなくても)早期発見、 治療が受けられます。ところがこの段 未発病時点での治療開始ができないだろうかと考え、半日の心臓ドックを考えました。 人間ドックとは何が違うのでしょうか?ドックで結果に異常がありますといわれても、 階で忙しさに紛れて受診しなかった 重度の狭窄 り、動脈硬化が進んでいても狭心症の 次に何をすればいいのかわからなくて結局放っておいてしまったことはありませんか? 症状が出ないまま経過(糖尿病含め 市民病院では軽症~未発症の段階の動脈硬化性心(冠動脈)疾患を早期発見するために、 て患者さんの半分は無症状で経過) 半日で結果の出る“心臓スクリーニング検査”を循環器専門医が行っています。異常が見 すると、次は心筋梗塞です。自覚症状 つかった場合には追加の検査、薬物治療の開始、定期検診の予約がその日のうちに行えま だけに頼っていると、早期診断の時期 す。気付かないうちに重症の冠動脈疾患にならないように検診を受けませんか? かかりつけの先生にお願いすれば予約診察が受けられます。是非検討してみてください。 を逸してしまう可能性があります。2 時 間の心臓ドックを年一回程度受けても 費用は1割負担の方で約 2500 円、3割負担の方で約 7500 円です。高いでしょうか、安い らえれば、かなりの確率で無症候性の でしょうか? 心筋梗塞になってしまったら、いくら払って“なかったこと”にしたいでし 動脈硬化を発見できます。 ょうか? 一家の大黒柱の突然死程の悲劇はありません。自分の医療圏ではゼロにしたい。 詳しくは市民病院のホームページをご覧になるか、かかりつけの先生にご相談ください。 糖尿病で加療中の患者さんへ -歩けなくなる悲しい現実を防ぎたい足の血管の動脈硬化は密かに進 あなたの足(第2の心臓)は大丈夫ですか?-血管スクリーニング検査の勧め- 行し、警告発作である間欠性跛行 足の筋肉を使うことで下肢の血液を心臓に送り返す機能を持つことから、足は“第 2 の心 を経験する患者さんは 1/3 程度と 臓”と言われます。また足が弱り歩けなくなると寿命が短くなることも知られています。糖 必ずしも多くはなく、傷が治らない 尿病をお持ちの患者さん(特に血液透析中の患者さん)は、末梢動脈疾患から“下肢切断術 重症下肢虚血で発症する患者さ となるハイリスク集団”であることがわかっています。 んも結構います。当科で治療介入 末梢動脈疾患の症状として“歩くとふくらはぎが痛くなり、立ったまま休むと楽になりまた歩 するのも両病態がほぼ半数ずつ ける”というような症状、間欠性跛行(かんけつせいはこう)が有名ですが、実際には典型的な です。 ところが重症下肢虚血は、 症状を示さずに下肢冷感(冷え症) 、シビレなどの誰にでもあるような軽い症状が、密かに進んで いる血流不足の症状であったということは医療側の我々が頻繁に経験することです。いくつかの 循環器内科医長 小浦貴裕 病院で行われている救肢プロジェクト(なるべく切らずに治す、切断がやむを得ないとしてもな 下肢切断の前段階です。血流を一時的 るべく小切断ですます)はとても重要な考え方ですが、ひとつ疑問があります。 に改善して傷を治す、小領域の切断に それは“何故切らなければならない状態になってから”治療を始めなければならないのか?と いうことです。もっと早期の発見と治療開始こそが重要なのではないのでしょうか? 留めることが治療目的です。血管スクリ 狭窄 ーニング検査はドックで一般には行わ 足に怪我をしたが以前より明らかに治りが悪い、足の指の色がおかしい、以前より足が冷えて ない下肢動脈のエコー検査を行うので 困る、歩くとシビレが強くなる、足が疲れやすい、すでに脳梗塞・心筋梗塞を起こしてしまった 血流障害をまだ呈さない無症状の段階 など血管のスクリーニング検査を受ける状況は様々ですが、既に治らない潰瘍ができてから血管 で動脈硬化を発見できます。 閉塞 病変の検査を受けるのは明らかに“手遅れ(証文の出し遅れ)”です。 閉塞 人間ドックと何が違うのでしょうか?ドックで異常がありますといわれても次に何をすればい いのかわからなくて、結局放っておいてしまったことはありませんか? 市民病院では軽症~未発症の段階の下肢動脈閉塞症(末梢動脈疾患)を早期発見するために、 半日でその日に結果の出る“血管スクリーニング検査”を循環器専門医が行っています。異常が 見つかった場合には追加の検査、薬物治療の開始、定期検診の予約がその日のうちに行えます。 知らないうちに重症の動脈閉塞症にならないように検診を受けてみませんか?かかりつけの先生 にお願いすれば予約診察が受けられます。是非検討してみてください。1割負担の方で約 1600 円、 3割負担の方で約 4900 円です。高いでしょうか、安いでしょうか?万が一、手遅れで足の切断と なったら、いくら払って取り返したいですか? 父親の下肢切断は悲しい経験でした。 詳しくは市民病院のホームページを御覧になるか、かかりつけの先生に御相談下さい。 足潰瘍 下肢 CT アンギオ 「受けたら異常なし」で、受けて損したと思う人は受けないで下さい。これで今日から余計な心配なくもっと仕事や人生を前向きに楽しめるという人達を歓迎します。