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季節調製法の評価に関する実証分析

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季節調製法の評価に関する実証分析
日本統計学会誌
第 26巻 ,第 3号 ,1996年
269頁 ∼286頁
季節調 整法 の評 価 に関す る実証分析
木
村
武
*
Empirical Evaluation of the Seasonal Adjustment Methods
Takeshi Kimura*
‐
' This study compares three seasonal adiuSment methOds:X‐
12‐
Prophet.X,12,ARIMA,a successor to the Census X‐
ARIMA,DECOMP and
1l method,lbaSed Onmo宙
ng‐ average
with new featwes deSigned to handle outliers and structural dhange.DECOMP and PrOphet
are model‐ based methOds:the forlner is based on state space model,and the latter On signal
extraこ
tion.These methods are compared using Japanese rnacroecononuc time series in
tems of both spectral Criteria and stability.While X‐
12‐
ARIMA removes the peaksin the
spectrum at the seasOnal frequency and its harrnonics adequately,DECOMP and Prophet
induce dips at them.stability analysis were made between methods to see how the season‐
ally adiusted series would be re宙
vies examined,X‐
12‐
sё
d as ttddidOnal data became available.For most of the
ARIMA yields more stable adiuStment than DECOMP and PrOphet.
These results can be宙 ewed as an endorsement of X‐ 12‐ ARIMA.
本論文 でlま ,季 節調整法を移動平均型調整法 とモデル型調整法に分類 した上で,各 方法の代
表的な ソフ トウiア を用 いて我 が国の主要経済時系列 を実際 に季節調整 し そのパ フォーマン
ス評価 を行 う).具 体的な評価基準 としては,適 切性 (季 節変動が完全 に除去されてい るか どう
か)と 安定性 (新 規データの追加による季調済系列の改定幅が十分小 さいかどうか)の 2つ を
取 り上げた。分析の結果,移 動平均型調整のャ ンサス局法 X-12-ARIMAは ,多 くの時系列 に
おいて季節変動 を通切に除去 している一方,モ デル型調整法は,負 の季節性 を季調済系列に混
入 させ易 い (例 えば,今 年 の第 1四 半期 の季調済系nilの 伸びが高ければ,翌 年の第 1四 半期の
伸びが低 目にな り易 い)こ とが明 らか となった.ま た,安 定性 に関 しては,X-12-ARIMAが ,
モデル型調整法 よりも総 じて安定的な季節調整 を行 うことが確認できた.し たがつて,適切性・
安定性の両基準 を基 に判断すれば,X-12-ARIMAは 現時点で利用可能なモデル型調整法のウ
フ トウェアに比 べ,優 れた調整法であると評価できる.
,′
1。
・
は じめ に
月次や四半期 の経済時系列 (4)は ,趨 勢循環変動 (3Cι ),季 節変動 (St),不規則変動 C)の
3成 分から構成 されると仮定できる (降 =TCι +Sι 十二).経 済データを用いて景気分析 をする
場合,景 気の基調は季節変動 とは無関係 と考えられるので,季 節変動 をデ‐夕から除去 して分
析す る方が都合が良い.こ うした場合 に用 い られる手法が季節調整であり,季 調済系列 aCι 十五
論文受付 :1996年 8月 受理 :1996年 11月
本論文の作成 に当たっては,国 友直人 (東 京大学),北 川源四郎 (統 計数理研究所),森 雅夫 (東 京工業大学),
深尾光洋 (日 本銀行 ),渡 辺努 (同 ).の 各氏 よ り有益なコメン トを頂 いた.な お,本 論文の内容や意見 は筆者
個人に属す るものであり,コ メン ト提供者や筆者 の所属す る日本銀行 の見解 を示す ものではない.
'日 本銀行調査統計局・ 東京工業大学大学院社会理工学研究科
[日 本銀行 の連絡先]〒 103東 京都中央区日本橋本石町 2-1-1 日本銀行調査統計局
TEL:o3-3279「 111l FAX:o3-5255-6758
270
1
日本 統 計 学 会 誌
第 26巻
第 3号
1996
を推計す る ことが その 目的 で ある
.
季節調整法 は,移動平均型調整法 とモ デル型 調整法の 2?に
―
,拝 す ゃ │と がで きる.移動平
均型調整法 の代表格 は,米 国商務省 が 開発 したセ ンサス局法 で,開発以来 30年 以上経 た今 で も
わが国 を含 む世界各国 の統計機関 で広 く利用 され てい る.同 法の計 算 アルゴ リズム はかな り複
,
雑であるが,そ のベースは「原系列 の一年分 の移動平均をとれば,一 年周期 の季節変動が除去
される」 とい う単純 な発想 に基づいている.セ ンサス局法は実用面での重みがある一方で,問
えば,同 法が時系列の各変動成分に対:し て,明 確な確率モデル を仮
題点や批判 も少な くない
`例
定することな く,単 に移動平均 を繰 り返 してい るに過ぎないため,得 られた季調済系列 の統計
理論的な性質が不明瞭であるとい う批判がある。 また,移 動平均項数 について,統 計理論的な
客観性を伴 った澪択 を行 うことが困難であるとい う問題 もある
モデル型調整法は,移 動平均型調整法に対するこのような批判を克服す るために開発 された
.
ものである1同 法は,現 実のデータがどのような確率モ デルか ら生成されてぃるのかを明確 に
仮定す ることによって季節調整 の手続 きを透明にし,か つ推計 される季調済系列の統計理論的
空
つ
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じ
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:3丁 「
翼
;星
ると,シ グナル抽出法 と状態空間モデル による季節調整 に大別できる│ ‐
ところですモデル型調整法 は,時 系列に対 して明確な確率モデル を設定す ることによって
':ふ
,
モ
季調済系列の統計理論的な性質を明瞭にしていぅ で優れてぃ.ぅ つ
で
ホ
ゃ ?'そ こ 仮定 した デ
ルが季節調整 モデル として最善 であることまで保証するものではない.す なわち,当 然 のこと
ではあるが,「 仮定が明確である」とい うことと「仮定 したモデルが現実の経済変動を適切 に捉
えている」 とい うこととは違 う.季 節変動が観測不能である以上,ど の季節調整 モデルが最善
であるかを先験的 には断定することはできず,と くに統計 の作成や利用 に携ゎる実務家 の立場
で考えた場合,何 らかの意味で「実際のパ フォ
ン不が良い」 と考 えられ る季節調整法が望
=ァ
ましい手法 といえる.し たがって,モ デル型調整法 と移動平均型調整法の何れが優 れているか
に関 しては,実 際の経済時系列を用 いた実証分析が必要 となる: ‐ '
本論文 の目的 は,季 節調整 の評価基準 として,「 季節性除去の適切性」と「季調済系列 の安定
レ型調整法のパフー
性」の 2つ を取 り上げ,移 動平均型調整法 とモデ′
ォ‐マンスについて比較 0
ことに
検討す る
ある.「 季節性除去の適切性」とは,季 節調整本来のi目 的を本当に達成 している
かどうか,す なゎち季節性の取 り残 し等がないか どうかについて,で きる限 り客観的な方法を
用 いてチェックすることである.「 季調済系列 の安定性」に関 しては,新 規デニタの追加 による
季調済系列の改定幅が小さいかどうかにういて検討す る.季 調済系列を用いて景気分析 を行 う
者 にとうて,安 定性 は分析結果の信頼性 を確保す る観点から重要な評価基準である
.
比較検討 した季節調整法の具体的なソフトウェアは,以 下のものである
① 移動平均型調整法
センサス局法の最新バージョン “
X-12-ARIMA991p
② モデル型調整法・ 状態空間モデル
統計数理研究所開発の TIMSAC-84収 録の “
DECOMP"(北 サ││[4])a
③ モデル型調整法・ シグナル抽出法
Bu.11lan[2]の 開発 による “
Prophet"3)
│
⊃X-12-ARIMAの プログラム は
,イ ンターネッ ト経由で anOwmousftpを 使 って商務省 か ら無料 でダウンロ
ー ドできる。ア ドレスは,ftpocensus.govで ,デ ィレク トリは,pub/ts/x12aで ある(ユ ーザー名 は anOwmous
を,パ スワー ドは;自 分の email addressを 入力する).
a DECOMPは ,統 計数理研究所か ら無料入手できる.
271
季節設整法の評価に関する実証分析
これ らは,現 在多 くのユーザァが利用可能 なかたちに実現 された ソフ トウ ェア としては,最 も
ポピュラー なソフ トとい つて よいであろう.な お,季 節調整法 の比較 にお いては,そ れ らの方
法 に基 づ く推計 アプ ローチの本質的 な長短所 の比 較 なのか,あ るい は,ソ フ トウェアの比較 な
のか を明確 に区別 す ることが望 ましい.本 分析 で も,必 要 の都度 この点 に言及す る
.
本論文 の構成 は次 の とお りである.ま ず 2.で は,移 動平均型調整法 とモ デル型調整法 につ い
て簡単 なサァベ イを行 う。.3.で は,わ が国 の主 要経済時系列 に対 して上記 の季節調整 プログラ
ム を実際 に適用 し,季 節調整 の「適切性」や「安定性」の基準 か ら,各 調整法 の評価 を行 う
.
4。
では,結 論 を述 べ る
.
2.移 動平均型調整 とモデル型調整
2.1.移 動平均型調整法 X-12-ARIMAの 概要
移動平均型調整法 の基礎 にある考 え方 は,原 系列 の 12か 月移動平均 を行 えば,一 年周期 の季
節変動 が除去 される とともに,不 規則変動 の影響 も抑 えられて趨 勢循環変動の推計値 が得 られ
るとい うものである.こ うして得 られ る趨 勢循環変動 の推計値 を原系列 か ら除去す ると,季 節
変動 と不規則変動 か ら成 る系列 が得 られ る.こ れ をさらに同 じ月毎 の系列 に分 けて適 当な移動
平均 を取 れば,季 節変動 の推計値 が得 られ る
セ ンサス局法 の最新版 で ある X-12-ARIMAの ベ ース は,旧 版 の XTllと 同様 に移動平均 に
あるが,旧 版 との違 い は,時 系列 モ デル による事前調整機 能 が新 たに付加 された ことで ある。
.
.
事前調整 の 目的 は,従 来 の移動平均 プ ロセスの主た る問題 点 ,す なわち,① 移動平均 にお ける
末端処理が適切でないこと,② レベル 0シ フ トや異常値,曜 日変動などが原系列 に混入.し てい
る場合 には移動平均 によって季節変動を適切 に抽出できなぃ こと,を 解決することにある.―
般 に,移 動平均では前後数項の平均化 (中 心移動平均)を 行 うが,系 列の末端部分 については
中心移動平均値を求められない。 このため,X・ 11で は実質的 に後方移動平均 が用 い られてい
る.し たがって,新 規データの追加 に伴 い,系 列末端部分の季節調整が後方移動平均か ら中心
移動平均へ と変化 し,季 調済系列が大幅 に遡及改定 されることがしばしばあった.│こ れは季調
済系列の不安定性 と呼 ばれ る問題 である.し か も,原 系列 に曜 日変動のが含 まれていた り,系 列
末端近辺 にレベル 0シ フ トや異常値が発生 しているような場合 には,季 調済系列の不安定性は
より増幅 されることになる.例 えば,原 系列 にレベルの下方 シフ トが発生 しているような場合
移動平均 によ り推計 されたシフ ト前 の季調済系列はシフ ト後 の系列 に引 きず られ過小推計 さ
れ,逆 にシフ ト後の季調済系列は過大推計されることになる.こ うした過大・ 過小推計 の大 き
さは新規 データが追加 される度 に影響 を受けるために,季 調済系列 は不安定 となる.ま た,通
常の不規則変動であれば移動平均でならす ことができるが,仮 に通常 の不規則変動の幅をはる
かに超 える「異常な」変動が あると,移 動平均 はその異常 な突出 を完全 に消 し去ることはでき
ず,む しろ前後 に引き延ばして循環変動のような山や谷を作 る.そ して,そ の山谷 の高 さ 0深
,
の詳 しい入手方法については以下へ
連絡。なお,購 入費用は 200$(1995年 3月 時点).
J.P.Bllrman,Applied Statittcs Research Unit,ClmWallis Buildirlg,University of Kent at Canterbury,
Kent CT2 7NF,UK.
→詳しくは,季 節調整
沐のサーベイを行なっ.た 木村 [6]を 参照
OX-11,x-12=ARIMAの 詳細 は,そ れぞれ黒川 [9],木
村 [7, 8]を 参照.ま た,日 本銀行 [10]は 木村
.
[7, 8]の 要点を取 りまとめた資料 である。
0曜 日変動 とは,月 次データにしばしばみ られるもので
,月 中の曜 日構成 の相違 (例 えば日曜 日が 5回 ある月
と4回 ある月)に よって引き起 こされる変動である.例 えば,百 貨店売上高や新車登録台数など個人消費関
連データのほか,鉱 工業生産指数など曜 日構成 によ り企業 の営業 日数が直接影響 を受ける系列に顕著 にみ ら
れる.
‐
第 26巻 第 3号
日 本 統 計 :学 会・誌
1996
さはやはり新規データが追加される度に更新され,季 調済系列は不安定となる うまり,こ う
`‐
したレベル・シフトや異常値があると,通 常の移動平均の1計 算ステツプでは適切な季調済系列
を推計することがそもそも不可能になる。
│ ■■ ■=││■ ■1● :││
X-12-ARIMAに お ける事前調整 は,こ う した移動平均 プ1ロ セス のi問題 点1を 時系 列 モ デル
る REGARIMA
REGARIMA(REGression and ARIMA)を 用 いて解決 しよう とした もの│で あ―
:「
の一般型 は次式 で与 えられ る.
(2-1)
■ ■ ギ│■ ‐
│‐ ■ ■ │‐
.■
1-Bう く
く
ら
(0%ω Xl― ⊃
教Bl“々
4ニ オ
,│
:)・
ただ し,
h:原 系列
″″:回 帰変数
βJ:甲 辱イヽ
74T.イ │●
B:′ ヾック シフ ト・ オペ レー タ
s:季 節周期:(月 次デー タ :s=:
ら(β )=(1-φ lβ 一…一lpBり
%(3)=(1-aB一 …―%B9)(
:.:‐
■■
,
α
`:ホ
ー
ワイ ト・ ノイズ
_
‐
.
(2-1)式 は,回 帰 式
4=Σ β ル+Z
(2-2)
Jχ
と通常 の seasonal ARIMAモ デル (夕,こ ク)(P,D,0)s
(2-3)
ら(3)0ズ
b)く 11Bう
呟二
)0ま
おう
み
^(お
"S)(1二
の組み合わせと考えることができる
は,曜 日変動や異常値;レ ベル・シ
。ここで,回 帰変数と
フトを表現したものである.原 系列 Xの 回帰式 (2=2)の 残差項.Zは ,原 系列から回帰変数の
tり
影響を取 除いた系列を表 してお り,REGARIMAで は,こ のZが (2-3)式 のseasonal
ARIMAモ デルに従うものとして定式化したものである::X■ 12■RIMAで は:こ のように原系
列 Lを 回帰パー トΣ β″灘とSeaSё hal ARIMAパ ■ 卜Zlに 推計,分 割 した後,後 者のZ´ とそ
の予測値に対して移動平均による季節調整を行う:し たからぞ:■ -12-ARIMAで は,系 列末端
や異
[橿 }ゝ 蓬書象罰勇猛二響優:]:[:メ :撃 酪xζ ,11,│:itふ :lξ :1'I:i:F卜
2.2 モデル型調整法の概要
ム製
寧
済繁現の安竃進亀踏 山
蟄
1潔 摯 」管衰 島 翼
篤
のべニスはあ くまで移動平均 である1と ころで,こ らした移動平均型調整 だ対 しては,統 計学
者や経済学者から1970年 代後半 より厳 しい批判が繰 り返 されてきた。その典型的なものは,移
動平均型調整が時系列の各変動成分 に対 して明確 な確率モデル を仮定す ることな く,単 に移動
平均 を繰 り返 してい るに過 ぎないため,得 られた季調済系列の統計理論的な性質が不明瞭だ と
い うことである.ま た,セ ンサス局法では,各 時系列固有 の性格 に対応す るため移動平均項数
などに関す る多 くのオプシヨンを設 けてい るが,を あ逮択 蘭 しそ統計理論的 な客観性 を確保
す ることは困難 である.
'こ
‐
こうした移動平均型調整 に対す る批判 を行なってきた統計学者・ 経済学者 は,モ デル型調整
法つの開発 を進めてきた:モ デル型調整法 とは,現 実の経済時系列が どの ような確率モデルか ら
273
季節設整法の評価に関する実証分析
生成 されてい るのか を明確 に仮定す る こ とによって季節調整 の手続 きを透明 にし,か つ推計 さ
れ る季調 済 系列 の統計理論的な性質 を明瞭 にする こ とを 目的 とした ものである。 モ デル型 調整
法 は,各 変動成分 の確率 モ デル の仮定次第 で様 々 なバ リエー ションを と りうるが,そ れ を推計
アプ ロー チの観点 か ら分類する と,シ グナル抽 出法 と状 態空間 モ デル による季節調整 に大別 で
きる。
,2.2。
1。
シグナル抽出法
シグナル抽出法 による季節調整 で は,経 済時系列 に対 して以下の 5つ の仮定 を置 く
.
仮定 10
仮定
2
仮定 3
仮定
4
仮定 5
yt=屁 +St
(yr:原 系列 馬 :非 季 節変動 S′ :季 節 変動 )
馬 と島は
に独立である.‐
`
ytは
=い デル バ3)K=θ (3)α 表現 で きる
ARIMAモ
`で
馬 は ARIMAモ デ ル φⅣ(β )馬 =θ Ⅳ(3)bι で表現 で きる
Stは ARIMAモ デ ル ゲ(3)3=θ S(3)cι で表 現 で きる
.
:
.
ただし;α r,ε ιは互いに独立なホフイトノイズで,α ι
∼酬 ヽ0,屁 )
`:ι
a∼ ぃ 、o,α)ε 滋〃<0,ど)で ある
`∼
.
この 時 ,馬 と Sι の Mininlum Mean Squared Estimatorは 次の様 に表現 で きる こ とが知 られ
て い る。
屁=
(2-4)
はoば B→ 予
:
ゲoあIB幌
鳥〒
ただし,各 ラグ多項式とホワイトノイズの分散は次の条件を満たす
.
=
=
シグナル抽出法による季節調整は;原 系列 4の ARIMAモ デルをデータから推計 しぅ非季節変
動や季節変動のラグ多項式の形態やホフイ トノイズ分散の大きさについて幾つかの前提をおい
た上で,季 調済系列 鳥 を推計する.し たがって,ン グナル抽出法の信頼性 は,,原 系列に適用し
た ARIMAモ デル の妥当性 と分解 におけ│る 仮定 の妥 当性 に依存する.例 えば,原 系列 を
ARIMAモ デルー本で推計することは,原 系列の変動をホフィ ト
・ノイズ系列.の 加重和で表現す
ることにほかならないが,一 定の分散を持ったホワイト・ ノイズ系列を,そ れ れ異なる分散
ぞ
を有すると考えられる季節変動 と非季節変動 とに分解するには仮定が必要で る.こ の時,毎
あ
年ほぼ一定なパターンを繰 り返す季節変動を仮定する場合には,季 節変動モデルのノイズ分布
のX-12-ARIMAの X-11か らの
本質的改良が REGARIMAと い う時系列 モデル を用 いて行われてい ること
から判断すると,同 法を移動平均型調整に単純 に分類するのは不適 である いう
と
見方 もできよう.た だし,
切
本論文では,季 節変動推計の基本的アプローチについて注目して,季 節調整法 分類するとの立場 にたって
を
お り,こ れを移動平均型 とモデル型 とに2分 類する場合には,X-12-ARIMAは 前者に
属することになる.
0趨 勢循環変動と不規則変動の両者を区別したモデルヘ
の一般化は可能でぁるが,こ こでは単純化のために,
両者を統合して非季節変動 として説明する.
日本 統 計 学 会 誌
第 26巻・ 第 3;号
1996
争
獣
負
愛
」
翠
撃
電二
ゞ
与
菫
子
舞
宅
FEttι
富
婁
翼
il啓 履
象
躍
a鷲ふ
ご
亀
省
.辮
の
く
パターンが最も安定的であることをアプリオリに仮定する●とが適切である はな
:勇
1劣
:1李
,こ
lril● ■│,.■
点がシグナル抽 出法の問題点 といえよう.
'極
2。 2.2.状 態空間 モデルによる季節調整
状態空間モデルによる季節調整では,原 系列 ス に対 して時系列 毛デ滋宅値接推計 す る こと
.は せず に,各 変動成分 に対 して分析者 の有す る事前情報 をべ■スにづ糞確率縮:デ ルを設定す る
.
至
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単
編
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とい う分析者 の事前情報 をモ デル化す る こliネ 911う ヤ
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二
このように分析者の事前情報 を基に設定した複数の確率モデルは:::状 態空間モデルで統 的に
表現することができ,こ れにより逐次計算アルゴリズム (カ ルマンフィルター)の 適用が可能
DECOMP"
になるほか,よ り複雑なモデルの取 り扱い も可能になる.例 えば:北 川[4]開 発の“
嚇
汁1,ξ意鯉
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.
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‐
+α ノ )Cr=ε fを 設定 しているの
状態空間モデルによる季節調整で重要な点は,趨 勢循環変動は滑 らかであるとか,季 節変動
は安定的であるというた分析者の事前情報 を生かしつうも そめ滑 らかさや安定性の度合につ
「
いて分析者が勝手に設定 しないことである。滑 らかさや安定性の度合は,各 変動のノイズ分布
の分散の大 きさによって規定できるものであるが:こ れらは原系夕Jの 情報か ら推定 し,推 定結
果を統計的な基準で評価 しようというアプロニチをとっている1■ │■ .
│‐
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`i鳳
1
│‐ 1'「
3。
‐│111111‐
il:11
実証分析 の 結果
これまでにみたとおり,各 季節調整法はそれぞれ推計アプ ロニチ11(移 動平均型・ モデル型)
や時系列モデルの仮定が異っており,得 られる季調済系列も当然暴なら,く る1'図 1は X-12ヽを;19701年 代の公酌固定資本形成を例に
ARIMA,DECOMP`Pr6phetに よる季節調整の違し
とり具体的にみたものである.こ れによると,IDECOMPと X― 12-ARIMAに よる季調済系列の
間には,最 大 2000億 円の乖離 (当 時の公的固定資本形成の約ち%'謗虔91が発生している.そ
して,そ の乖離幅は一年周期で変動しており,DECOMP` と'X=12-ARIMAめ どちらかによる季
prO"&と iX・ 12,AEIMA
`
│ち ●同様な点│ぼ
調済系列に季節性が残存していることを示唆しそし
の比 較 にお い て も指摘 で きる.
・
│
‐│
│
‐
│ │■
=■
「
1
■「
9 DECOMPで は,確 率モデルのノイズ分布にガウス分布が仮定されているため,異 常値やレベル・ シフトの
:こ
ある系列に対 しては適切な調整ができないことが知 られそし i CKitagawa[5]1参 照)「 のため,ノ イズ
.調
'る
分布 に非ガクス分布を仮定 して,異 常値やレベルシラトに対する 整を苛能にした状態空間モデルによる季
絲
儡淋 懇
t
対話形式 の ソフ トで,処 理時間 も実用範 囲内 にあ る。
暉う
囃 鰹 塞:
季節設整法の評価に関する実証分析
1‐
12-ARImと
Prophet間 の乖離
マ ・
ヽ
︲︲
︱ヽ一
︱︱
■
げ︱
.
一
一
¨
・
∵
一
●一
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一
一
一
一
一
一
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一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
﹂
公的固定資本形成の推移
各季節調整法により推計 された季調済系列間の比較
このように,X-12-ARIMAと ,DECOMP,Prophetに よる季調済系列には大 きな
乖離がみ ら
れる.そ れでは,ユ ーザーや統計機関は,ど の季節調整法を信頼すればよいのであろうか.セ
ンサス局法 は多 くの統計機関で長年利用されているものの,2。 1.で 述べ たとお り
,同 法 には移動
平均項数等のオプション選択基準 の曖昧さなどの問題があ り,そ の利用を積極的に正 当化でき
るほ どの材料がこれまで提供 されてきたゎけではない.そ の一方で,モ デル型調整については
,
時系列に対して明確な確率モデルを設定することによって,季 調済系死Jの 統計理論的な性質を
明瞭にしている点で優れているものの,そ こで仮定したモデルが季節調整モデルとして最善で
あることまで意味するわけではないことに注意が必要である。すなゎち,当 然のことではある
が,「 仮定が明確である」ということと「仮定が現実の経済変動を適切に捉えている」というこ
とは違う.要 するに,季 節変動が観測不能である以上, どの季節調整モデルが最善であるかを
先験的には断定することはできなぃ。 とくに統計の作成や利用に携わる実務家の立場で考えた
場合,何 らかの意味で「実際のパフ芽―マンスが良い」 と考えられる季節調整法が望ましい季
節調整法といえる
それでは,季 節調整の「パ フォーマンス」 とはいうたい何であり それをどのような基 で
準
チエックすることが妥当なのであろうか.以 下では,①季節性除去の「 切性」 と
適
,② 季節調
整の
「安定性」の 2つ の評価基準を取 りあげ,各 季節調整法の評価―
を行う10.な お,x二 12-ARIMA
における移動平均過程 についてはデフォル (標 準型)を 利用した:ま た
,Prophetお よび
DECOMPの 季節調整において設定したモデルの型については,末 項のデ∵夕付録を参照.こ れ
ら季節調整法を実際に適用した日本の主要経済時系列 8系 列 (民 間最終消費支出,民 間企業設
.
,、
,卜
10季 節調整法の
評価基準 に関するサーベイは,本 村 [6]や Hyllberg[3]を 参照.
276
日本 統 計 学 会 誌
第26巻・ 第31号
1996
備投資;公 的固定資本形成,経 常利益,鉱 工業生産指数ぅ大口電力使用量,銀行券発行残高
,
マネーサプライ)の データ・ ソース等についても,同 様にデ■夕付録を参照│
3。
1.季 節性除去の適切性
´
1‐
■
1
季節性除去の適切性 とは,「 原系列か ら季節変動を完全に取 り除 くJと y,う 干印調整の目的が
十分に達成されているかどうかを指す.こ うした意味での適切性を客観的に分析するには,周
波数領域分析 と時間領域分析が利用できる.
: │■
雪
弘り
瞥
鱚 鶴 11翼暑紺認智瑯
:7:i賛 ワ
√霙
Fぶ 畷
ス歌 認、
資
甦履
真
食
じ
繁
見
匡
ら
:λ 驀 雰
フ
二
捨
Iit'1を 筆
な
ら
ス
福
言
軍こ
雪
ξ
7[管 交
雪
昂
舞
〔
習
甘
繕
畠
鷲
垢
畠
雰
眉
懲Fli霧「
軍
ギ
:;1:″ λ
:「
;曇
l夕
:〕
11[│:二
]瞥
:iゝ
通常季節性を有する時系列の自己相関は,四 半期デニタなら4め 倍数期めラグ,月 次データな
ら12の 倍数月のラグで大きな正の値となり,偏 自己相関は四半期デニタで4期 ,月 次デニタで
ワニ`女 ベタ トルあ│“ seasOnal peak"に 対応
'ヾ
している.な お,こ うした視覚的な分析 をより厳密
に行 うには,自 己相関 と偏 自己相関から同
ル
ARIMAモ
された
デ を推計す る必要があることは言 うまでもない. ・
定
12月 のラグで大 きな正の値 となる。 この特徴が
)
図 2
民間最終消費支出のパワースペクトル
ー原系列 と季調済系列 のパ ワースペ ク トル ー
1り
図 3
全
嚢嚢
ッ
義
ト
屋
参
議
羹
嚢
栽
il数
季節変動は 1年 周期であ り,そ のパ ワー・スペ ク トル は月次デ ー タの場合膚披薮 ″6に ,四 半期デ_夕 の場
合 は周波数 ガ2に ピー クを有する.こ れ らの周波数 は基礎周波数 とよばれ る もので,実 際 の季節変動のパ ワ
ースペ ク トルはこれ ら基礎周波数のほかに,そ の整数倍 にあたる調和周波数に むピ■ クが発生する.‐
`写
季節設整法の評価 に関す る実証分析
″3
″2
27/3
57/6
π
(周
図 4
波数 )
マ ネーサ プライのノヾワースペ ク トル
ー原系列 と季調済系列 のパ ワースペ ク トル ー
o
・ 図
″6
(周 波数 )
民 間最終消費 支 出内の不 規則変動 のパ ワー
スペ ク トル
3.1.1.適 切性に関す る分析結果
3つ の季節調整法によりそれぞれ推計 した季調済系列のパ ファ・ スペ ク トル を図 2∼ 4に 示
した2).た だし,紙 面の都合上,民 間最終消費支出,公 的固定資本形成,マ ネーサプライの 3系
列の図のみをどりあげた10。 これらの図をみると,い ずれの季調済系列のパ ワー・スペ ク トル に
も,原 系列のパ ワ●・スペ ク トル にみられた T"asonal leak"は 存在せず,ど の季節調整 によ
ってもおおかた季節性が除去されていることがわかる19.
ただし,図 をよくみると,各 季節調整法によってそのパ ワー・ スペクトルの形状 に違いがあ
ることがわかる.DECOMPと PrOphetに よって推計 した季調済系夕Jの 季節周期 におけるパ ワ
ー 0ス ペクトルの多 くは,“ seasOn五 l peak"が 消,え るにとどまらず,隣 接する周期 に比べてヘ
こみ過ぎていることがわかる.こ のへ こみは “
seasonal dip"と 呼ばれるものである.同 様 に
DECOMPと PrOphetに より推計 した不規貝J変 動のパワー ,ス ペクトルにも,“ seasonal dip"
,
121図
2∼ 4で 示 したパ ワー・スペ ク トル は:原 系列 と季調済系列に関 しては,対 数変換後一階差 をとった系列
に対 して推計 した ものである (つ まり,各 々の系列の前
月 [期 ]比 のパ ワー・スペ ク トル を推計)。 これは
パ ワー
・スペ ク トル推計の前提 として,推 計対象 となる系列が定常過程 である必要があるためである.一 方
不規則変動に関 しては,そ の レベル に対 して直接パ ワ‐・スペ ク トル を推計 している.な お,ノ ヾワースペ ク
トルの計測に使用 したソフ トゥェァは RATS version4で ,ウ ィン ドウは Tent Wind● wを 適用 した。
1の
よ り詳細な分析報告にういては,木 村 [1997]を 参照.
10因 みに,各 調整法で推 した
季調済系列 と原系71J間 の コヒ
ンス も計測 してみたが,い ずれのケースで も,
計
=レ
コヒーレンスは季節周期 を除 くとおよそ 0.8∼ 1.0と 高 く,満足な結果
を得 てい る(紙 面 の都合上分析結果は
省略 したが,詳 しくは木村 [7]を 参照).
,
,
日本 統 計 学 会 誌
第 26巻 第 3号 1996
(対 数 日勘
(対 数 日盛 )
:=職
0
(周 波数 )
図6
公的固定 資本形成 内の不規則変動 のパ ワー
スペ ク トル
が発生 して い る
(図
″6
″3
7/2
:鵬
27/3
57/6
π
(周
図7
波数 )
マ ネ ー サプライ内の不規 則変動 のパ ワー
ー
スペ ク トル
5∼ 7).こ うした傾 向 は特 に DECOMPで 顕著 で ある.一 方,X-12-
ARIMAに よって推計 された季調済系列等のパ ワー 0ス ペ グトル にはtf`seasOnal dip"は みら
れない。この ことは,DECOMPや Prophetに よる季節調整が,lX■ 121ARIMAに 比べて一年周
期 の変動を必要以上に除去 し(こ れを過剰調整 と呼ぶ)i季 調済系列だ歪みをもたらし易いこと
を意味 してい る.因 みに,適 用 した 8系 列のうち:DECOMPは 鉱工業生産指数を除 く7系 列 に
おいて過剰調整の傾向が顕著 にみられた。Prophetは 民間最終消費支出:民 間企業設備投資,公
的固定資本形成,マ ネーサプライの4系 列に過剰調整がみられた。
X二 12・ ARIMハ において過剰
調整がみられたのは,経 常利益■系列のみであった:以 下では,各 調整法と過剰調整の関係に
‐■‐
■
ついて整理する:
・
.
3.1.2。
DECoMPと 過剰調整の関係
DECOMPに よる季節調整が,“ seas6nal
dip"を もたらし易いのは,そ こで仮定されている
季節変動のモデル
(3-1)
(1+BttB2+… 年3s-1)sr=υ ′
ただし,四 半期系列の場合 s=4 月次系列 の場合 s=12
に起因すると考えられる.こ の季節変動モデル は■見 自然 な仮定にみえるが,統 計理論上は極
ニ・ スペ ク トル は,ホ ヮ
めて強 い季節性を仮定 した ものである.│す なわち;こ のモデルのパ ワー
イ トノイズ υιの分散を ♂ とすると
,
季節設整法 の評価 に関す る実証分析
0
マ/2
(注
)日 中のパワー スペクトル (対 熱奎換機)は 、ホワイト ノイズの分散が 1の ケース.
図8
季節変動 のパ ワースペ ク トル
図9
(1-φ 312)s′ =υ
`の
パ ワー・ スペ ク トル
バト
(3-2)
と表すことができる。(3-2)式 で表わされるパワー。
スペクトルは,周 波数 ス
=2″ た(ル =1,2,… )
にお いて無限大 となる (図 8).
ところで,実 際の経済時系列 にお ける真 の季節変動 力ヽ 次 のモ デル で規定 され る としようこ
(3-3)
│ (1-φ
BS)St=υ ι '
この季節変動 のパ ワー・ スペ ク トル は
バヶ
(3-4)
と表す ことができる.(3-4)式 で表わされるパ ワー ,`ス ペ ク トル は,φ =1の 時 には,周 波数 λ
=2な た(力 =1,2,¨ 。
)に おいて無限大 とな り,こ れは (3-2)式 のパ ワー・スペ ク トルにかな り近
い形状 をしている(図 8).し かし,真 の季節変動のラグ多項式のパ ラメータ φが 0<φ <1の 場
合 には,周 波数 ス‐2属終(力 =1,2,… )に おいてパ ワァ・スペ ク トル はピークとなるものの,そ れ
は有限のピークである (図 9).し たがって,こ のような場合 には,(3-1)式 のような季節変動
モデル を仮定 して季節調整を行 うと,seasonal dipが 発生す るのは容易 に想像がつ く
因 みに,seaSonal dipを 有す る系列 は,一 つの可能性 として MA項 のラグ多項式 として
パ ワー・
(1-θBS)を 持つ ものと解釈できる.同 多項式 を有す る MAモ デル 為 =(1-θ BS)υ
`の
スペ ク トル は
.
,
(3‐ 5)
2α こ
∝m)
寮か募1プ ■
と表 され,季 節周期 に dipを 持 つ (図 10)10。 DECOMPに より推計 した不規則変動 を ARIMA
モデルで推計 し,実 際 に (1-θBS)の ラグ多項式 が MAパ ー トに含 まれて い るのか どうか をチ
)た
“ だし,季 節周期 に dipが で 三るのは,θ が正の値の時 に限る。
お)DECOMPに よ り
推計 された不規則変動のパ ウースペ ク トルに は:seasonal dipの 他 にもう一つ特徴的な点
がみ られる。それは,周 波数 ゼロの時点 でかな り大 きな凹みちゞ
できてぃ る点である.こ うした凹みができる牛
日本 統 計 学 会 誌
0
図 10
第 26巻
第 3号
1996
π
ォ/2
X=(1-θ F2)υ
`の
パ ワー・ スペ ク トル
(SeaSonal Dipを 伴 う変数 のパ ワー・ スペ ク トル)
表1
各季節調整法 によ り推計 した不 規則変動 にお ける Seasonal Dipの 有意性
[DECOMP]
(1+0.333)(4-1)=(1-0.65,4)α
民間最終消費支 出
公的固定資 本形成
マ ネー サ プライ
(-10.89)
(4.45)
`
2=0。 12x10‐ 4
・
●
(1+0.53B+o.7632+0.5233)(fr 1)=(1-1.00B4)α
(8.01)く 14.07)
(7.87)
(-20.77)
`
♂ =0.88× 10 4
(1+0.59B+0.8232+0.6133+0。 6134)(rr 1)=(1-0.24312)α
(10。
41)(12.61)(7.69)(7.43)
(-4.35)
`
♂ =0。 19× 10 6
IProphet]
(4-1)=(1-0.46β 〉(1-0.38B4)α
民間最終消費支出
公的固定資本形 成
マ ネー サプライ
(-6.49) (-5.26)
(1+0。
r
♂ =0.13× 10 4
733+0。 7332+0.633)(fr 1)圭 (1-1.00B4)の
(11.80)(11.17)(9.28)
(-20.53)
♂ =0。 12文 10-3
(1+0.28B+0.1332)(■ _1)=(1-0,31312)α ′
(4.82)(2.32)
‐
2=0。 10× 10 5
・
●
(-5.80)
[x-1z-ARTMA]
民間最終消 費支 出
公的固定資本形成
マ ネ ー サ プライ
(注
(1+0.383)(rr-1)=(1-0.10B4)の
(5124)
(-1.28)
σ2=0。 19× 10 4
(1+0.183)(4-1)=(1+0.1434)α ′
(2.25)
(1.35) σ2=0.60× 10
3
(1-0.053+0.2132)(fr 1)=(1+0.07312)α
2=0.21× 10 5
・
(1.23) ●
1)い ずれの季 節調整法 にお いて も;原 系列 yrが 乗法型 yt=attse4に 従 う と仮定 して季節調整 を行
つてお り,こ の場合,不 規則変動 4は 平均 1の 変数 として表現 される.す なわち,■ -1は ,原 系列 4
(-0.90)(3.72)
`
の rCr° Srか らの乖離率を表 してお り,上 記 のモデルはその乖離率 に関する 4磁MAモ デル を表現 した
ものである.
ホワイ トノイズ,σ2は 残差の標本分散,()内 は ι値 を表す.
(注 2)α
`は
ホ
背景 には,趨 勢変動 に対 して,笏 階 の確率差分方程式 (1-3)"η =ε『 を仮定 してい る ことが挙げられる。こ
うした非定常変数のパワースペクトルは周波数ゼロで無限大となるため,仮 に実際の変数が定常過程 (周 波
数ゼ台のパヮースペタトルが有限)で あったとすれば,歪 みが発生することになる。
281
季節設整法の評価 に関す る実証分析
ェックしたところ
(表
1),seasonal dipを 表すパ ラメータ θはすべて有意であることがわか
る16).
したが って,“ seaも onal dip"を 有す るよ うな季 調済系列 におい ては,季 節周期 に対応するラ
グの 自己相関 に対 して負 のバ イアス をかける.こ の ことは,例 えば今年 の第 1四 半期 の季調済
系列 (の 前期比)の 伸びが高ければ,翌 年の第 1四 半期の伸びが低目となる傾向を持つことを
意味する.つ まり,過剰調整とは,原 系列から正の季節性 を除去する一方,負 の季節性を季調
済系列内に混入させてしまう
なお,以 上に記 した DECOMPの 過剰調整 は,状 態空間モデノ
ンによる季節調整すべてに該当
することを意味する訳ではない.す なわち,DECOMPで は,季 節変動のモデルを(1+B+32
+… +3S'1)St=υ 仮定しているが,状態空間モデルによる季節調整すべて ぉいて モデ
,同
に
`と
ルを仮定する必要性はない。例 えばぅ季節変動モデルを,(1-φBS)Sι =υ :と
仮定 して状態空間
モデルに組み込めば,“ seasOnal diplの 問題が解消される可能性はある
.た だし,DECOMPに
限らず;状 態空間モデルによる季節調整について分析した多 くの文献 (モ デル型調整法につい
てサこベイした木村 [6]を 参照)に おいて,(1+β +B2+… 十BS 1)S′ =炒 ォが仮定されてお
り
その意味で,ご く自然で適切 と考えられていた季節変動モデルが,実 はそう はないことを
で
本
論文では主張 してぃる
3.1.3。
PrOphetと 過剰調整の関係
シグナノ
ン抽出法によって得られた MMSE推 定量は
.
:
:
,
М =:Σ ttL→
(3-6)
と表現でき
`そ
の季節調整フィルターの周波数応答関数は
,
一)=JAttο ―=器
バら
(3-7)
Jλ
Jえ
ただし,
.
グは ′=-1を 満たす虚数単位
ん(')は 非季節変動のパ ウエスペ ク トル
.
/y(ス )は 原系列 のパ ワースペク トル
スは周 波数 .
とな る こ とが 知 られ て い る (Hylleberg[3]参 照).し たがって
,推 定された季調済系列 鳥
パ ワニ スペ ク トル は
の
,
(3-8)
ん)=1劣 需│レ
(ス
(ス
)=■ (λ )(劣
勝
)
とな 。雫 調済 系列 のパ ワースペ ク トル ん (ス )は ,真 の
ぅ
非季 節変動 のパ ワースペ ク トル ん (λ )に
幌′
(2)//y(2))を 乗 じた値 になる│よ って,協 (ス )//y(ス ))が 季節調整 の歪
み として残 るe Seasonal
上
dipは ,原 系列のパ ワースペ ク トル ん (ス )が 季節 周期 で ピ■
ク とな るために発生す るもので あ
る.因 みに,Prophetに より推計した不規則変動 ARIMAモ デ で
を
ル 推計した結果,seasonal
(表 1参 照).
なお,seasonal dipを 発生させないような季節調整フィルターの周波数
応答関数は,次 の条
dipを 表すパラメ‐夕 θはすべそ有意となっている
件 を満 たす必 要 が あ る.
日本 統 計 学 会 誌
0-9
第 26巻
第 3号
―
尻 οア■
平 =JAttL― J教 し vλ )三 ノ
奥
1996
(各今 )イ
同 フィルターにより推計 された.季 調済系列 屁 のパ ワースペ ク トルは,
/1(λ )=│(`尭
(3-10)
キ
)V12/y(ス
)=ん (ス )
とな り,真 の非季節変動 のパ ワースペ ク トル と一致 し,dipは 肇牛 しない.同 推 容量 は,IIlean
squared errorと い う観点 か らは ングナル抽 出法 に劣 るが,seasonal dipを 発生 させない とい う
制約 の もとでは MMSEに なる ことが,Ansley and Wecker[1984]│こ よって証明 されてい る
`
3.1.4, X‐ 12-ARIMAと 過剰調整の関係
.
最後 に,X-12-ARIM4と 過剰調整 について整理すると,同 法が過剰調整をもたらしたのは
適用 した 8系 列 のうち経常利益 1系 列 のみで,DECOMPや PrOphetに 比べる と少 ない。移動平
均型調整法が過剰調整 をもたらし得 る背景 については,同 法が もともと季節変動や趨勢循環変
動 に対 して明確な確率モデル を仮定 していないため,ど ういつた特徴を持った原系列 に対 して
季節調整 を行 うと,“ seasonll dip"が 発生するのか定かではない.し かし,全 8系 列 に対 して
,
同一の標準型 (デ フォル ト)の 移動平均 を適用 したに も拘わ らず,過 剰調整が発生 したのはわ
ずかに 1系 列 に止 まった とい う結果から判断すれば,X-12TARIM本 のパ フォーマンスは高 い
と考 えて良いであろう
なお,移 動平均型調整 に対 しては,ホ ワイ トノイズの季調済系列がホワイ トノイズにならな
.
いことをもって,季 節調整 の歪みを指摘す る場合がみられる(例 えば,Wallis[11])。 実際,ホ
フイ トノイズを X-11で 季節調整 した系列 の コンログラム には周期的な山谷が発生することは
よく知 られた事実である (“ Slutzky… Yule EIect").し かし,も ともと季節性 のない系列 に対 し
て季節調整を行 って問題 だ といっても意味のある指摘 とは言 えないので はないだろうか.む し
ろ,季 節性 のある系列に対 して季節調整 を行なった結果,移 動平均型調整法 の X-12-ARIMA
がモデル型調整法 に比 べて過剰調整が少ない とい う事実 (長 所)に 注目す るべ きであろ=う
`
・
3.2。
l
季節調整の安定性
景気の方向性 を判断す る分析者 にとって,足 許 の季調済系列の動向は重要 な情報源であり
季調済系列が不安定 な場合 (追 加的な情報 による季調済系列 の変更幅が大 きい場合),同 系列 に
基づ く景気判断の信頼性が揺 らぃでしまう。不安定性が景気判断上深刻 な問題 となった事例 と
.
,
して,1991年 における景気動向指数 (経 済企画庁作成,一 致指数 を構成する 11系 列 の うち 9系
列が季調済系列1つ )の 遡及改定が ある.91年 の各月に公表 された一致指数は,91年 の初 めから
10月 頃 まで景気判断の分かれ 日 となる50を 境 に行 き来 してお り,景 気が後退 し始 めてい るか
どうか微妙であった.と ころが,92年 になって遡及改訂 された季調済系列でみると,一 致指数
は 91年 4月 以降二貫 して 50を 割 り込んでお り,景 気後退が実はかなり早 くから始 まっていた
ことが判明 した.こ のように,季 調済系列 の安定性 は景気判断 を左右する重大 な問題 であり,
・ ).
季節調整法のパ フォーマ ンス を測 る重要 な評価基準である
9系 列 の うち,4系 列 が X-11,5系 列 が MITI法 による季調済系列。なお,MITI法 とは通産省 が鉱 工業指
数 の季節調整 に用 い て い る方法 で:機 能的 には X-11の サ プセ ッ トと考 えて よい。
10た だ し,安 定性 とは絶 的な評価 基準 で はない ことに留意 した い
し,完 全 に安定 的 な季節調整 を追求す
対
`も
るのであれば,状 態空間 モ デル にお い て,平 滑化 のかわ りに フ ィル タによる状態推定 を行 った り,移 動平均
1つ
型調整 において,す べての時点 において後方移動平均 による調整 を行 えばよい.し か し,こ うした方法が過
去 0現在・ 将来 のすべての情報 を有効 に利用 した もの とはい えないことは明 らかであろう.し たがって,安
定性 の基準 とは,厳 密 には,「 季節性除去 の適切性 が同 じ程度 で,季 節調整本来 の 目的が同程度 に達成 されて
い るならば,安 定性 が高 い方が良 い」 とい うようなかたちで評価 されるべ きものである.
283
季節設整法の評価に関する実証分析
本分析 では,安 定性 の具体的な計 算方法 として Ma対 mum Perё entage Difference(以 下
MPD)を 用 い る.こ れは,季 節調整 の算出期間の始期 を固定 した ままで終期 を変更 した場合 に
同一時点 の季調済系列の前月比 (前 期比 )が どの程度変化す るか を分析する もので,変 化幅が
小さい場合に,そ の季節調整法は安定的であると判断される.こ こでは,季 節調整の算出期間
の終期 として90年 12月 [第 4四 半期],91年 12月 [第 4四 半期],。 ,94年 12月 [第 4四 半
期]の 5通 りを設定し,MPDを 以下のように定義した(た だし,終期が力の場合のグ年ノ月の
季調済系列の前月比 (前 期比 )を RJ(力 )で 表す).
,
,。
(3-11)
MPDゴ J=Ma話
諮盤)卜 哩鴻脚り
}
この MDPゴ Jは ,鳥 J(力 )の 中で,最 大の値は最小 の値 よりい くら大 きい`か を示すものである
.
MPDを 実際の季調済系列に対 して算出する前に,各 季節調整法の安定性 に関す る定性的な
特徴を予め確認 してお く.ま ず,モ デル型調整の場合 には,サ ンプル期間の変更 に伴 いモデル
が再推計されることから,全 サ ンプル期間の季調済系列が遡及改定 の対象 となる.一 方,移動
平均型調整の場合 は,移 動平均項数 (通 常過去 5年分程度)')を 越 えて季調済系列が遡及改定さ
れることはない.た だし,X-12-ARIMAに おいて,REGARIMAを 用いて異常値や レベル。シ
フ ト,曜 日変動 の調整を行っている場合 には,モ デル型調整 と同様 に全サ ンプル期間の
季調済
系列が遡及改定の対象 になる
図 11∼ 18は ,各 季調済系列に対 して MPDの 年毎 の平均値 を算出 し,そ れをグラフ化 したも
のである.こ れらの結果を纏めると,次 の 2点 に集約できる
① X-12-ARIMAと モデル型調整法 (DEcoMPOProphet)を 比較する と,1980年代以前 (つ
まり遡及期間が 5年 以上)に おいては,文 -12-ARIMAに よる季節調整の方がモデル型調整
.
.
ょりも総じてMPDは 小さく安定的である
② 1990年 代 (遡 及期間が5年 未満)に おいて,ま ,ど の調整法も四半期系列に対してはほぼ同
.
程度の安定性を提供してしヽ
るが,月 次系列に関 しては,PrOphetに よるMPDが 総じて大き
2の
くその不安定さが目立つ
.
707172737475767778798081828384858687888990019293
(年 )
図 11 民間最終消費支出
1鋤
2の
(季 調済系列)の
MPD
(年
図 12 民間企 業設備投資 (季 調済系列 )の
)
MPD
X-11の 標準型 (デ フォル ト)に おける中心移動平均では:季 調済系列を算出する
時点の前後 にそれぞれ約 7
年分 (合 計 14年 分)の データを用いるこただし,末 端 6, 7年 目における移動平均のゥェ
ィ トはかな り小さ
いため,実 際に影響があるのは過去 5年 分程度の季調済系列の遡及改 で
定 ある。
PrOphetに よるMPDが 総じそ大きい理由が,ソ フトウェアの
問題なのかシグナル抽出法という方法論の間
題 なの か定 かで はない。
日本 統 計 学 会 誌
第 26巻
第 3号
1996
(%)
7071727374757677787980818283‐ 8485868788"90919293
707172■ 7475767778798081828384858687888990919293
図 13 公的固定資本 形成 (季 調済系列 )の
(年 )
図 14 経常利益 (季 調済系列)の MPD
MPD
(1)
717273747576777879808:82838485868788899091"93
‐
1
(年
(年 )
図 15 鉱工業生産指数 (季 調済系列)の
)
MPD
図 16 大口電力使用量
(季 調済系列)の MPD
(%)
(%)
707172787475767773798001820384858687880000119298
(年 )
図 17 銀行券発行残高 (季 調済系列 )の
MPD
図
18
マ ネ ー サ プ ラ イ (季 調 済 系列 )の
MPD
DECOMPや Prophetの モデル型調整法が,1980年代以前 (遡 及期間 5年以上)に おいて
移動平均型調整法の X-12-ARIMAよ りMPDが 大 きく不安定なのは,モ デルの推計上当然の
帰結 と言 える。ところで,X二 12丁 ARIMAの 安定性が高 くても,仮 に不適切な季調済系列が改訂
,
されずにそのままの状態であるとすれば,安定性の高さはむしろ問題であり,逆 にモデル型調
整法の改訂がよ り適切な季調済系列 へ向けての変更であるな らば不安定性 はむ しろ歓迎 される
べ きものである.し か し,そ うした可能性 は 3.1.1.の 分析 か ら否定 される:す なわち,X-12-
285
季節設整法の評価に関する実証分析
ARIMAに
よる季調済系列 のパ ワースペ ク トル には,(経 常不U益 を除 くと)seasonal peakも
seasonal dipも み られなかうた ものの,DECOMPや Prophetに よる季調済系列のパ ワ‐スペ
ク トル に は dipが み られた.よ って,X-12-ARIMAに よる季 調済系71Jは モ デル型調整法 に比 べ
て適切 な ものであ り,加 えてその安定性が高 く望 ましい季節調整法 と判断 で きる
.
4. お わ り に
季節調整 は,景 気判断や経済分析 をするための準備作業 で ある.ス ポーツ競技 において最大
の力 を発揮す るため に,適 切 な準備運動 が必要 で あるの と同様 に,適 切 な景気判断や経済分析
を行 うためには,適 切な季節調整が必要である.し かし,わ が国では利用する季調済系列の品
質 に無関心のまま,景 気判断や経済分析 に季調済系列が利用 される傾向があったのは否 めない
移動平均型調整法であるセンサス局法は,わ が国の統計機関 において独占的な地位を確保す る
に至ったが,そ の利用をモデル型調整法に比 べて積極化す るような材料が これまで統計機関か
ら提示 されることはなかった.一 方,モ デル型調整法を提唱するサイ ドでも,確 率モデルの現
実的妥当性 を検討 しないまま,ア ドホ ックな移動平均調整法 に比べ ると適切であるとい うこと
.
をアプ リオ リに主張す るような傾向がみられたのも否 めない
本論文では,適 切性 と安定性 の観点から季節調整法をlL較 し,そ のパ フォーマ ンスの検証を
行 なった.今後適用系列数を増や し分析 の蓄積 を行 ってい くことが必要ではあるものの,X-12.
ARIMAは DECOMPゃ PrOphetに 比べ利点 の多い季節調整法であることが確認で きた.米 国
では,商 務省や労働省が対外公表統計に対 して既 に X■ 12TARIMAに よる季節調整を実施 して
お り,わ が国でも,各 統計機関が X-12-ARIMAの 導入を検討し始めた ところである:こ うし
た統計機関の動 きは,本 論文の分析から正 しい方向 として評価できよう
なお,本 分析 の指摘 は,セ ンサス局法が状態空間モデルや シグナル抽出法 とい う推計 アプロ
ーチに比べ絶対的 に優位 であることを必ずしも主張す るものではない。本文中で指摘 したよう
.
に,DECOMPゃ Prophetに おいて過剰調整が起 きた背景 は,そ れ らが基づ―
く推計アプローチの
本質的な問題 とい うよりも,ソ フ トウェアの問題 と捉えた方が適切であろう.モ デル型調整法
では,確 率モデルに基づ き季節調整 の手続 きをクリアに してい るため,過剰調整 のように何か
問題が発生 した時 に,ど こに原因があるのか探 り当てるのが容易であるとい うメリットを持 つ
本論文で,DECOMPゃ PrOphetに お ける過剰調整 の解決方法を提示できたのも,ま さにそのメ
リットのおかげである.よ って,そ うした解決方法をもとにソフ トウエアが改善 されれば,モ
デル型調整法にはセンサス局法 と競合 し得 る可能性が残 されている
.
.
デ … 夕 付 録
以下 ,次 の順番で記載 .
レ期間,③ 状態空間モデルの形態 (対 数変換の有無,趨 勢変動を表わした確率差分
① データ・ソース,② サンプ′
方程式の差分階級 (π ),循 環変動を表わした ARモ デルの次数 (%)),④ PrOphetに おいて原系列に適用 した
Seasonal ARIMAモ デル,⑤ X-12-ARIMA(REGARIMA)に おいて原系列に適用した Seasonal ARIMAモ
デル21)
`
[1]民 間最終消費支出 (実 質ベース,1985年 基準)
20
③
DECOMPの モデル形態については,AICに 基づいて選択。④ シグナル抽出法 において原系列に適用 した
Seasonal ARIMAモ デル は,Prophetの 自動選択 に従 った (詳 しくは,BuFman[1995]を 参照).⑤ X-12ARIMAに おいて原系列に適用 した Seasonal ARIMAモ デル は,い わゆる Box=Jenkins流 のモデル選択
“
手順"と AIC等 の情報量基準 に従 って適宜選択。また,回 帰変数 は,曜 日変動については,′ 検定 とAiCに
よつて,異 常値 とレベル0シ フ トについては,原 則 として REGARIMAの 自動探索に従った (詳 しくは
村 [8]参 照).
,木
286
日本 統 計 学 会 誌
第 26巻
第 3号
1996
①国民経済計算・ 国民所得速報 (経 済企画庁),② 1955/1Q∼ 1994/4Q(四 半期データ),③ 対数変換実施,解 =
2,%=1`④ 対数変換実施,(012)(011)4b ⑤対数変換実施,(011)(011)4
[2]民 間企業設備投資 (実 質ベース,1985年 基準)
①国民経済計算・ 国民所得速報 (経 済企画庁),② 1955/1Q∼ 1994/4Q(四 半期データ),③ 対数変換実施 ,π =
2,%=2,④ 対数変換実施,(112)(011)4,⑤ 対数変換実施,(012)(011)4
1
[3]公 的固定資本形成 (実 質ベニス,1985年 基準)
①国民経済計算・ 国民所得速報 (経 済企画庁),② 1955/1Q∼ 1994/4Q(四 半期 データ),③ 対数変換実施,%=
2,η =2,④ 対数変換実施,(011)(011)4,⑤ 対数変換実施,(010)(111)4
[4]経 常利益 (全 産業・ 資本金規模別合計)
①法人企業統計季報 (大 蔵省),② 1960/2Q∼1994/4Q(四 半期 データ),③ 対数変換実施 ,解 =2,π =2;④対数
変換実施│(012)(011)4,⑤ REcARIMAを 適用せず
[5]鉱 工業生産指数
①鉱工業指数 090年 基準 (通 産省),② 1970/1∼ 1994/12(月 次デー タ),③ 対数変換実施,解 ‐2,π =2,④対数
,
変換実施 ,(310)(011)12,⑤ 対数変換実施,(310)(011)12
[6]大 口電力使用量
),② 1971/1∼ 1994/12(月 次データ),③対数変換実施,π =2,η =
①大 国電力産業別使 用量 (資 源エネルギ
=庁
2,④対数変換実施,(013)(011)12,` ⑤対数変換実施,(011)(011)12
[7]銀 行券発行残高 (平 残)
①経済統計月報 (日 本銀行),② 1970/1∼ 1994/12(月 次デー タ),③ 対数変換実施,解 =2,π =2,④対数変換実
施,(011)(011)12,⑤ REGARIMAを 適用せず
[8]マ ネー 0サ プライ (M2+CD平 残)
①経済統計月報 (日 本銀行),② 1970/1∼ 1994/12(月 次データ),③ 対数変換実施 ,%=2,%=2,④ 対数変換実
施,(022)(011)12,⑤ 対数変換寒施,定 数項有 り,(013)(210)12
参 考 文 1献
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ついて
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[8]木村 武
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′
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