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エゴマ:収穫後の病害虫防除(次年産に向けて)について 平成28年10月27日 芳賀農業振興事務所 本年のエゴマ作付け、大変お疲れ様でした。 栽培中は各種の害虫や病気などの発生が見られました。来年に病 害虫を持ち越さないよう、出来るだけ早めに対策を行いましょう。 1.今年発生が見られた主な害虫類 ①ベニフキノメイガ ○8月から9月に発生が目立った。 ○幼虫は枯れた葉や枝を綴り、その中で越冬する。 ②タバコガ類 ○8月から10月初めまで発生が見られた。 ○葉と果穂を食害する。果穂は外側から食べる。 ①ベニフキノメイガ幼虫 ○土中でサナギになり越冬する。 ②タバコガ類幼虫 ③ウワバ類 ○8月から9月に発生が見られた。 ○シャクトリムシのような歩きかたをする。 ○幼虫やサナギでも越冬する。 ④果穂、種子を食害するもの ○昨年被害が多かった害虫とみられる。(種名調査中) ③ウワバ類幼虫 ○9月後半、果穂がついてから発生が見られるようになった。 ○幼虫の色は薄緑か薄茶色。鱗翅目(ガ類)の幼虫とみられる。 ○果穂の中に隠れており、見つけにくい。内側から頭を突っ込んで食べる。 ○生態は不明だが、ほ場周辺で越冬し、成虫になるのは翌春の可能性あり。 ④-1 果穂の中に潜っている。 ④-2 頭を突っ込んで食べる。 ④-3 昨年の食害 2.今年発生が見られた主な病害 ①さび病 ○9月頃から発生が見られた。9月の天候不順が発生の要因と なった可能性あり。大きな被害はない。 ②粗皮(そひ)病 ①さび病 ○8月から散見された。 ○排水の悪い場所で発生している。大きな被害はない。 ○被害植物上で菌糸または分生子で越冬する。 ②粗皮病 3.防除対策 (来年に向けて今のうちに行っておくこと) 多くの鱗翅目の害虫は、幼虫やサナギの状態でほ場周辺で越冬します。 また、粗皮病など植物上で病菌が越冬するものがあります。 そのため、収穫後は早めに耕耘して葉や茎をよく腐らせ、病害虫が越冬出来なくし、 来年の一次発生を少なくすることが重要です。 ①収穫後のほ場はそのままにせず、早めに耕転する。 ②耕転時は腐熟を早めるため、石灰窒素などを施用する。 参考:石灰窒素(肥料)の効果について ①微生物の増殖を早める ・葉や茎を腐らせるため、炭素と窒素のバランスを改善し、微生物の増殖を良くする。 (葉や茎などの有機物で、炭素率が高くなっている。そのため窒素を施用して炭素率を下げる。) ②石灰が酸性を中和する(土壌pHの改善) ・土壌が酸性だと微生物の増殖が弱まる。 ③石灰は繊維をほぐす働きがある。 ・植物が腐熟しやすくなる。 ④主成分はカルシウムシアナミド ・殺菌・殺虫・除草など幅広い用途をもっている。 (毒性あり。使用上の注意をよく確認すること) 10aあたりの施用量 30~50kg 秋のうちに、出来るだけ深く ていねいに耕起する。