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経営協議会委員の2年間を振り返って
経営協議会委員の2年間を振り返って 一橋大学経営協議会委員 DIAMアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 必要なのは、 ﹁オーラ﹂であり、 ﹁品性﹂であ ﹁才﹂だけではありません。企業リーダーに ﹁私は⋮⋮﹂という学長の一人称で示されて り、遊び心を備えた﹁人的魅力︵ 艶とでも云 一 橋 大 学 プ ラ ン135﹂ 。 こ こ で は 見 解 が、 います。責任者としての姿勢が明確で、強力 こうした﹁徳﹂をつくるのは当然自分自身 ですが、若い時代の経験や教養が人間の幅を うべきか︶ ﹂です。最後にはそこに行き着く ション﹂の明確化です。ミッションとしては、 広げることにつながるのだと思います。経営 なリーダーシップを感じました。ちなみに二 ﹁リベラルなグローバルリーダーを育てるこ 者として活躍できる人材を大学と学生、卒業 ように思えてなりません。 と﹂になるわけです。それをいかに具現化す 生が相呼応して育てられるようになれば素晴 つの課題とは、 ﹁秋入学問題﹂と、社会科学 るか。部局間の垣根を乗り越えて実現に向け らしいですね。 系研究総合大学としての﹁一橋大学のミッ て努力して欲しいと思います。 大学が輝けば卒業生も輝く な役割を果たしてくれています。そして、山 でしょうが、3人の女性委員が議論上で重要 きなイシューが目白押しだということもある び交っているのです。一橋大学が変革期で大 リーディスカッションに近い活発な意見が飛 がけないリスクが表面化することもあると 海するのが経営者の重要な使命です。思い なるべく早く察知して、減少させながら航 曳航している船長が経営者です。リスクを です。あらゆるリスクの氷山を避けながら 、 ﹁コンプライアンス﹂ 、 ﹁リ ﹁ガバナンス﹂ スクマネジメント﹂ 、この三つが経営の要諦 年間実社会にいて、見えてきたものがあ ります。 また、一卒業生として個人的な希望を申し 上げるならば、来る創立一五〇周年に向けて、 てきます。 もつながるわけで、大きな相乗効果が生まれ のです。逆に卒業生が輝けば、大学の評価に え、大学の名前に負けまいと自ずと頑張るも を上げていけば、卒業生はそれを誇りと考 想にも大いに期待しています。一橋大学が他 オーラ、品性、人的魅力が 経営者の条件 内学長の実直なお人柄と強力なリーダーシッ いう点においては、大学も同じです。この 一橋が輩出した群像を収録したアーカイブを 山内学長が標榜する社会科学系研究総合 大学として一橋大学を育てていくという構 プがそれを後押ししています。ざっくばらん 視点から大学の経営を支援していければと つくっていただきたいと思っています。それ フォーマルで安定的な意見交換ではなく、フ う と 感 じ て い ま す。 言 い 換 え れ ば、 現 在 は に皆が意見を言いやすい雰囲気を醸し出して 思っています。 るのが普通になっています。さらに、そのあ との懇談会での率直な意見も吸い上げようと している学長の姿勢は嬉しいですね。 素晴らしいと思ったのは、4月に発表され た﹁学長見解2013 ││ 二つの重要課題と に裏打ちされた広い視野と大局観が求められ リーダーが備えるべき素養です。リアリティ 自ら経営者を体験し、多くの経営者と接す る中で最近気になることがあります。それは 鮮明になるのではないでしょうか。 ︵談︶ すれば、一橋大学のアイデンティティがより ようなものであって欲しいと思います。そう 本の近代化を培ってきた一橋人の足跡を残す 40 るということです。そのベースとなるのは は、悪戦苦闘しながらもさまざまな分野で日 を圧する高度な研究教育を行い、プレゼンス いますから、議論が弾んで定刻オーバーにな 任時と現在とでは、経営協議会の熱が相当違 2011年に経営協議会委員に就任し、そ れから2年が経ちました。率直に言って、就 活性化する議論 中島敬雄氏 8