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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な 診療所 あまみ 中 中 央 事務局 研究所 しらさぎ つなぐの さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2201 号 2014.11.9 発行 ============================================================================== 自閉症の作家東田さん きょううるま市で講演 沖縄タイムス 2014 年 11 月 8 日 パソコンのキーボードを模した紙を使って、沖縄の印象などの質 問に答える東田直樹さん(右)と、母・美紀さん=7日、うるま 市石川・おきなか福祉会 重度の自閉症を抱える作家・東田直樹さん(22)= 千葉県=が7日、来県した。パソコンのキーボードを模 した紙を指し示しながら語り、自らの思いを表現する。 13歳のときの著書「自閉症の僕が跳びはねる理由」は 20カ国以上で出版され、理解されにくい自閉症者の内面を伝えると注目を集める。うる ま市石川で8日に開かれる講演に向け、東田さんは健常者にも共通する「生きづらさ」へ の理解や、社会に何が必要かを考える場にしたいと語った。 会話が困難な東田さんは意思疎通のため4歳から筆談を始め、8歳からキーボードのロ ーマ字入力を使うようになった。 著書はエッセーや絵本を含め17冊を数え、全国を講演で回る。 母・美紀さん(52)は自閉症者や保護者、支援者らに同様のコミュニケーション方法 を指導している。 来県は2年ぶり2回目。7日、講演を主催する「おきなか福祉会」(うるま市石川)を訪 れ、入所者と職員の歓迎を受けた。施設内で取材に応じた東田さんは質問に一つ一つ丁寧 に答えてくれた。 講演の来場者に伝えたいことを問うと「ぼくは自閉症という障がいを抱えています。け れども、その生きづらさは、ぼくたちだけが抱えているのではなく、普通の人たちにも共 通するものだということが分かりました」。続けて「社会に何が必要かを多くの方に考えて いただければと思っています」とした。 沖縄の印象は「海がきれいで、とても美しいところだと思っています」 。取材中にセミの 鳴き声が聞こえると「ぼくは初めて聞く音なので大きく響いた」と少し戸惑う場面もあっ た。美紀さんは「直樹の存在が、同じ障がいを抱えて頑張っている人のお力になれれば」 と話した。講演は午後2時から4時まで石川会館大ホールで。入場無料。 権利擁護学び、障害者守ろう 徳島市で研修会 徳島新聞 2014 年 11 月 9 日 障害者の権利擁護などについて学ぶ参加者=徳島市のホテル千秋閣 「全国重症心身障害児(者)を守る会」の四国ブロック研 修会が8日、徳島市のホテル千秋閣で始まった。4県の支 部員約100人がシンポジウムを通じ、障害者の権利擁護 などについて理解を深めた。9日まで。 徳島文理大保健福祉学部の富澤彰雄教授らパネリスト4人が、千葉県などで障害者の権 利擁護に関する条例が制定されていることを紹介。徳島県でも制定が検討されていること を踏まえ、富澤教授は「障害の有無で差別されることなく、共生する社会を県民全体で考 えなければならない」と訴えた。 判断力が不十分な人に代わり、財産管理などの支援を行う成年後見制度についても議論。 パネリストからは「後見人となった保護者や本人自身も高齢化が進んでいる。弁護士ら第 三者を含め、いかに本人の最善の利益となるような後見人に引き継ぐかが課題だ」との意 見が出された。 精神障害者と共生の歴史ひもとく 京都・岩倉「患者預かり」 京都新聞 2014 年 11 月 08 日 大雲寺横にある石座神社を案内する中村教授(3日、京 都市左京区岩倉) 京都市左京区の岩倉地域で、江戸時代から戦 後直後にかけて精神障害者を民家で預かった 「患者預かり」の歴史を紹介する取り組みが行 われている。今月初め、住民団体による歴史散 策があったほか、日本精神医学史学会に合わせ、 京都大で8、9日、岩倉で保存されてきた資料 約40点が公開される。 岩倉では、1950年の精神衛生法施行まで 「保養所」の看板を掲げた民家などで「患者預かり」が行われていた。1700年ごろに 始まったとされる。戦後はタブー視される時代が続いたが、近年、精神科医たちから地域 社会での共生の先例として注目を集めている。 3日の歴史散策には約150人が参加し、井戸や滝の水が精神障害に効くとされた大雲 院や1945年まであった岩倉病院跡地、予約制で開館する「城守保養所資料館」などを 訪れた。案内役の中村治・大阪府立大教授は「葛藤を経て新たな時代に入った。住民の皆 さんに見てもらえるようになったのはすごい」と語った。 京都大では、百周年時計台記念館2階に、明治期の保養所やまき割りをする障害者の写 真などパネル約20枚が展示される。住民所蔵の旧保養所の案内パンフレットなども含ま れる。学会の大会長を務める新宮一成・京大教授は「岩倉の資料は精神医学史的に非常に 重要だ。これまで市民の目に触れることは少なかったが、郷土史としてじかに見てもらい たい」と話す。 学会参加費5千円で、企画展示見学やシンポジウム(8日午後4時半)参加可。両日午 前9時半から受け付け。同学会jshp2014@yahoo.co.jp 知的障害者福祉:滋賀と鳥取の施設 46年ぶり「父」の縁 毎日新聞 2014 年 11 月 08 日 ◇糸賀一雄生誕100年、職員の相互派遣も開始 「日本の知的障害者福祉の父」と称された糸賀一雄の尽力で創設された知的障害児施設、 滋賀県立近江学園(同県湖南市)と鳥取県立皆成(かいせい)学園(同県倉吉市)が今秋、 途絶えていた交流を46年ぶりに再開した。今年、糸賀の生誕100周年を迎えたのを機 に、共同研究に取りかかり、今月から職員の相互派遣も始める。同じ理念から生まれた施 設として、協力して支援技術の向上などに取り組む方針だ。 糸賀は滋賀県職員だった1946年、社会から放置された知的障害児や戦災孤児らに心 を痛め、大津市に近江学園を創設した(71年に移転)。障害児らが共に生活しながら教育 を受ける場で、全国に先駆けた取り組みを進めた。 47年、講演で鳥取県を訪れ、当時の西尾愛治知事(故人)に知的障害児施設の創設を 提言。49年、県は中国地方初の公立知的障害児施設「皆生(かいけ)学園」を米子市に 設立し、後に移転して皆成学園になった。近江学園に職員を送って糸賀の理念や実践方法 を学ばせ、糸賀も皆成学園を何度も訪ねた。しかし、糸賀が68年に亡くなると交流は途 絶えた。 昨年12月、糸賀の生誕100周年記念事業の準備で皆成学園の井上和之園長が近江学 園を訪問。その際、近江の植田重一郎園長が交流再開を提案し、 「お互いの研さんにつなが る」と一致した。 共同研究のテーマは「小規模グループケア棟」「強度行動障害児」で、両施設で発表会を 開いて理解を深める予定だ。今月10日からは3週間単位で、同じ分野を担当する職員の 相互派遣も始める。互いに吸収したり見直したりして新たな研究テーマも探る。将来的に は年単位の人事交流も検討する。 近江の植田園長は「交流で職員の技術の向上を図り、視野を広げたい」と期待。皆成の 井上園長は「互いの施設の課題を探り、風通しも良くしていきたい」と話している。【川瀬 慎一朗】 ◇糸賀一雄 1914年、鳥取市生まれ。京都帝大(現京都大)を卒業後、滋賀県庁に 入る。46年、教育や生活、療育を一本化した先駆的な施設「近江学園」を創設して園長 に就任。障害者福祉の発展に尽くした。「この子らを世の光に」と唱えた言葉は有名。 児童虐待防止へ暖かい灯 京都タワー、オレンジ色に 京都新聞 2014 年 11 月 8 日 児童虐待防止推進月間(11月)に合わせ、京都市下京区 の京都タワーが7日夜、キャンペーンカラーのオレンジ色に ライトアップされた。子どもへの虐待根絶の願いを込めたタ ワーが秋の夜空に浮かび上がった。 児童虐待防止のメッセージを込めて、オレンジ色にライトアップされた 京都タワー(7日午後5時20分、京都市下京区・JR京都駅前) 児童虐待をなくす「オレンジリボン運動」の一環で、市が 2年前から毎年一晩だけ実施している。ライトアップを前に、 市職員ら約20人が児童相談所の電話番号を記した京都タワ ーのマスコット「たわわちゃん」のオリジナルグッズを配っ た。 あたりが薄暗くなった午後5時すぎ、タワーの下部から 徐々にオレンジ色に染まり、通行人らが見上げて写真に収め ていた。 児童相談所全国共通ダイヤル(24時間対応)はTEL0570(064)000。 被虐待児のその後、乳児院の「究極の待機児童」たち TBS ニュース 2014 年 11 月 7 日 今月は「児童虐待防止推進月間」です。赤ちゃんの頭を激しく揺さぶるといった行為は、 たとえ一瞬であっても子どもに重い障害を残す可能性があります。虐待で傷ついた子ども たちを支える施設を取材しました。 東京都内にある乳児院。親元で育つことの出来ない子どもたち70人が暮らしています。 「つっぱりがなかなか取れないね」 (小児科医 今田義夫 施設長) 20年近く施設長を務める今田さんは小児科の医師。数多くの虐待の後遺症を抱えた子 と向き合ってきました。生後、数か月で、ここに来た女の子。目が見えていないといいま す。 「今の反応から見ると、 (目は)ほとんど見えていない。力も入らないので自分で動けな い、座れない、寝返りできない。食事から全て介助が必要な段階」(小児科医 今田義夫 施 設長) 赤ちゃんの頭は激しく揺さぶられると脳のまわりの血管や神経が引きちぎられ重い障害 が残ったり、死に至ることもあります。女の子は寝たきりの状態が続いています。けいれ んを頻繁に起こすため、職員は目を離すことができません。 「3歳、4歳になってますので、 (揺さぶりは)小さいときの出来事ですね。数秒間、数 十秒間が一生を決めてしまう。 (Q.家庭復帰は?)希望はもちろん捨てているわけではな いですけども、難しいかもしれません」 (小児科医 今田義夫 施設長) 4割以上の子どもが虐待を理由に入所してきます。この乳児院は全国でも珍しく病院に 併設されているため、病気や障害の程度が重い子が多く、職員は3交代・24時間体制で 診つづけなければなりません。 「ご飯、もうごちそうさまだ」 (看護師) 「1対1の対応がどうしても必要になってきますから、手がいくらあっても足りない感 じですよね」 (小児科医 今田義夫 施設長) この女の子も「揺さぶられ」 、一時、視力を失いかけましたが、視力や運動能力を取り戻 しました。しかし、家庭復帰は簡単ではありません。かつては家庭に戻した子が再び虐待 を受け亡くなったことも・・・。家庭に簡単に帰せない中で、「受け入れてほしい」という 依頼は後を絶ちません。 「多いときには1日数件(依頼が)来ることもありますけど。 (Q.虐待を受けた子?) そうです。全例をお引きうけするわけには残念ながらいかないんですけど」(小児科医 今 田義夫 施設長) さらに悩ましいのが次の受け入れ先がないことです。乳児院は、もともと2歳未満の子 のための施設ですが、ここには10歳近くに達した子もいます。障害児専門の施設は満杯 状態でなかなか移れず、障害のある子には、養父母や里親といった引き取り手もほとんど 現れません。 『ここには「究極の待機児童」がいる』と今田さんは話します。 「どうしても待たざるを得ない。 “究極の待機児童”という言葉がそこから出てくる。た だ単に施設を増やせば済むわけでもないと思いますし、本当に難しい問題。家庭にいる子 どもたちと同じような光を当ててほしいなと思いますね」(小児科医 今田義夫 施設長) 子どもたちにとって、ここは最善の場所ではない。そう思いながらも、今田さんは子ど もたちを支え続けています。 兵庫・西宮市、災害時「福祉避難所」21施設と協定 産経新聞 2014 年 11 月 8 日 西宮市の田中厚弘健康福祉局長(右)から協定書と感謝状を手渡される通所介護施設の代表者=西宮市六 湛寺町 西宮市は7日、地震など災害発生時に、支援が必要な高齢者 や障害者ら「災害時要援護者」を受け入れる「福祉避難所」を 設置運営するよう求める協定を、市内の民間通所介護事業者2 1施設と結んだ。この結果、同市の福祉避難所は25施設、災 害時要援護者の収容可能人数は計1874人となった。 協定を結んだのは、「浜脇デイサービスセンター」(久保町) など21施設で、収容人数は計1238人。同市には、現在災 害時要援護者が約1万4千人おり、今後も福祉避難所の指定を 順次進めていくという。 西宮市民会館(六湛寺町)で行われた締結式には、各事業者 の代表や市関係者ら約20人が出席。田中厚弘健康福祉局長が 「高齢者や障害者が災害時に安心して生活できることは市にとって重要な課題。協力して ほしい」とあいさつし、出席した代表らに協定書と感謝状を手渡した。 にしのみや苑通所介護事業所(甲山町)の田中研次苑長(60)は「高齢者の介護など 私たちの専門性を市民のために生かすことができれば」と話した。 施設利用者に防災意識必要 草の実学園50年で記念講演 徳島新聞 2014 年 11 月 8 日 「草の実学園」創立50周年を記念し講演する日開野教授=鳴門市大麻町の市ドイツ館 鳴門市大麻町板東の障害者支援施設「草の実学園」の創立50周年 を記念した講演会が7日、同市大麻町桧の市ドイツ館で開かれた。四 国大短期大学部の日開野博教授が「災害とボランティア活動」と題し て、福祉施設の利用者の震災への対処法などを紹介した。 日開野教授は、東日本大震災の被災地では、避難できず支援を受け られなかった障害者が大勢いたことを説明。福祉施設利用者が命を守 る方法として、防災意識の向上、施設の災害対応力の強化、地域の協 力などを挙げ「施設も含め地域が一つになり、災害に立ち向かう意識 が必要」と地域の絆の重要性を訴えた。 講演会に先立ち、50周年の記念式典があり、施設職員や福祉関係 者ら約210人が節目を祝った。 草の実学園は1964年8月に知的障害者の生活支援施設として設立された。現在約1 20人が利用している。 福田知事、国保の都道府県移管に「具体策が未提示」 知事会議で苦言 下野新聞 2014 年 11 月 8 日 7日に開かれた政府主催の全国知事会議で、全国知事会社会保障常任委員長の福田富一 知事は、市町村が運営する国民健康保険(国保)の都道府県単位への移管について「構造 問題解決の具体策が提示されていない」と対応の遅れを指摘した。 国保の都道府県移管は、運営規模を大きくすることで財政基盤を安定させることなどが 目的。ただ各市町村国保が抱える赤字などが移管への壁となっている。 福田知事は「 (赤字解消のための)国費投入の規模などを一刻も早く提示し、地方と十分 協議を」と要望。安倍首相は「地方の意見を聞きながら改革に取り組みたい」と述べるに とどめ、具体策は示さなかった。 学童保育の利用、最多93万人 待機児童は3年連続増 産経新聞 2014 年 11 月 7 日 共働きや一人親家庭の小学生を預かる「放課後児童クラブ」(学童保育)の利用児童数が 今年5月時点で93万6452人(前年比4万7247人増)と、過去最多だったことが 7日、厚生労働省のまとめで分かった。申し込んでも利用できない「待機児童」も994 5人(同1256人増)と3年連続で増加した。 政府は成長戦略で、学童保育の定員を今後5年で30万人増やす方針を示しており、厚 労省は「今回の状況を踏まえながら、各自治体の計画を支援していきたい」としている。 保護者の要望に応えて終了時刻の延長も進み、平日午後6時を超えて児童を預かるクラ ブは全体の約65%と過去最多を更新した。ただ「午後7時以降」も預かるクラブは約6・ 4%にとどまった。学年別では小学校1~3年生の利用者が全体の約87%を占めた。 都道府県別の待機児童数は、東京都の1717人が最多。千葉県966人、埼玉県86 5人、大阪府760人、神奈川県604人と続いた。 どならず穏やかに子育てする講座 NHK ニュース 2014 年 11 月 8 日 今月は、児童虐待防止推進月間です。 これに合わせて、子どもをどなったり叩いたり せず、穏やかに子育てをするにはどうしたらよい のかを学ぶ講座が東京・三鷹市で開かれました。 この講座は、子どもの虐待予防に取り組む東 京・三鷹市の杏林大学医学部付属病院が自治体や 民間団体と共に開いたもので、子育て中の母親な どおよそ50人が参加しました。 講座では、専門家が「子どもはどなられたり叩かれたりすると、その瞬間は言うことを 聞くが、本当に理解しているとは限らない」としたうえで、「力で抑えつけられることに慣 れていくと、さらに強い力やことばでないと言うことを聞かなくなり、その悪循環は児童 虐待につながりかねない」と指摘しました。 そして、 「いい加減にしなさい」といったあいまいなしかり方よりも、子どもにしてほし い行動をより具体的に示すことや、 「してはだめ」といった否定的な表現よりも、「してほ しいな」といった肯定的な表現を使うことで、子どもは「自分が悪いことをしている」と 理解しやすくなるなど、子どもに言うことを聞かせるこつが劇を交えて紹介され、参加者 たちは時折メモを取るなどして話に耳を傾けていました。 参加した1歳の子どもを育てる30代の母親は「言うことを聞いてくれないと、いらい らしてきつい言い方をしてしまいがちですが、自分自身の話し方を変えて、もっと穏やか に子どもに接していきたい」と話していました。 介護ビジネス需要増 高齢化進むペットの世界 大阪日日新聞 2014 年 11 月 7 日 高齢化に伴う介護ビジネスの波は「ペットの世界」にも押し寄せている。寝たきりや認 知症になった犬の介護用品や、訪問介護を手掛ける企業が登場。飼い主の負担軽減とペッ トの幸せな老後を両立する介護ビジネスの進展に期待が集まるが、物言わぬ動物相手の介 護にはハードルも多く、施設のあり方に対する議論も深まっていない。 ペットフード協会(東京都)の調査によると、犬の平均寿命は 14・2歳。近年は少子高 齢化も進み、推計約1087万匹の飼育犬のうち、52%は7歳以上だ。 ■最期をみとる 「犬の夜鳴きや徘徊で介護に疲れてしまうケースもある」と語る杉原さん。訪 問介護のニーズも高まっている=羽曳野市内 体位変換クッション(手前)や歩行 補助バンドなどの犬の介護用品の 開発が進んでいる=10 月 28 日、大 阪市東成区中道3丁目の新日本カ レンダーぺピイ事業部 ペット用品の通販事業に取 り組む新日本カレンダーぺピ イ事業部(大阪市東成区)は飼 い主のニーズを獣医師などか ら聞き取り、犬の歩行を補助す るバンドや徘徊(はいかい)防止用ガードなどを開発してきた。10 月 16 日には、寝たきりを予防する体位変換クッションを新たに発売。筋力低下や関節の衰え を招きやすい老犬が楽な姿勢で眠れる工夫を凝らした。 商品企画課の成田千恵さんは「愛犬を最期までみとりたいという人が増えた」と、需要 増の原因を分析する。 犬が寝たきりになると、食事の介助や排便の始末などで飼い主の負担は重くなる。羽曳 野市に住む女性(70)は昨年4月、12 歳のシェルティーが病気で寝たきりになり、介護に 没頭した。2人の娘も交代で仕事を休んで看病することに。愛犬は1カ月で歩けるまでに 回復したが、治療費は200万円にも上った。 「飼った以上は家族だから、しっかり世話し ないと」 。女性は笑顔で話す。 ■「老犬ホーム」 負担を軽減しようと、ペット向け訪問介護事業も生まれた。ペットケアステーション大 阪(堺市堺区)は、自宅に出向いて高齢犬の見守りやトリミングなどを手掛ける。 「ニーズは高まっているのに『近くに介護の施設がない』との声も多い」と、代表の杉 原真理さん(44)は説明する。杉原さんは老犬介護の民間資格講座も開き、人材の養成に も努めている。 近年は「老犬ホーム」と呼ばれる施設も登場するなど、ペット介護ビジネスは花盛り。 一方で、大阪市獣医師会の副会長を務める南大阪動物医療センター(大阪市平野区)の吉 内龍策院長(57)は「ケージで生かしておくだけの施設もあり、質や信頼性が問われてい る」と指摘する。 人も犬も高齢化の時代を迎えた。吉内院長は「飼い主が病気などで飼えなくなったとき、 責任を持って次の飼い主を見つけられる団体や制度が必要になっている」と訴える。 ネットのおもちゃ売買に注意 国民生活センター 神戸新聞 2014 年 11 月 8 日 子どもたちに大人気のメダル式玩具「DX妖怪ウォッチ タイプ零式」 アニメ「妖怪ウォッチ」で人気のメダル式玩具な ど子ども向けおもちゃをめぐり、インターネットオ ークションや個人間の売買でのトラブル相談が全 国の消費生活センターに相次いでいることが8日 までに分かった。クリスマス商戦を前に国民生活セ ンターは「お子さんやお孫さんにせがまれても、不 安を感じる取引や極端に高価な商品には手を出さ ない方が安全」と助言している。 同センターによると本年度に入り7日までに、子ども向け玩具のネットオークション関 連の相談が176件、個人間売買の相談が119件寄せられ、ともに昨年度の同時期より 増加した。メダル式玩具のトラブルも目立っているという。 県2事業の不当性指摘 会計検査院報告 中日新聞 2014 年 11 月8日 三重 会計検査院は七日、二〇一三年度の決算検査報告を公表した。県内でも県と複数の市町 が、国の補助金や交付金を充てた事業の不当性を指摘された。 県は二種類の事業が対象になった。 「工事の設計が適切でなかった」とされた度会町の鮠 川(はいかわ)の護岸工事をめぐっては、設計基準で定められた基礎の深さが確保されて おらず、浸食で損傷の恐れがあるとして、国の交付金のうち三百七万円が不当と指摘され た。担当者は「川底にコンクリートを張ったため浸食は防げると考えている。返還は考え ていない」と話した。 また、一二年度に始まった青年就農給付金は「要件を満たさない者に給付し、補助の対 象とならない」と指摘され、二百十二万円が不当とされた。雇用保険の受給者と重複して はならないのに、該当する三人に給付金を支出していた。担当者は「制度の認識不足だっ た」として、相当分を返還する方針。 津市は、一一、一二年度の生活保護費の国庫負担分を百二十五万円過大請求したとの指 摘を受けた。市は相当分を国に返還した。市によると、一世帯が特別児童扶養手当と特別 障害者手当を受給していたが、担当課への確認不足でこれらを見落として算出していた。 松阪市でも生活保護費の不正受給が二世帯、計二百九十五万円分あった。受給分は既に 市に返還された。 市によると、一世帯は〇九~一二年度まで障害年金の受給資格があるのに年金事務所へ 申請せず、二百八十三万円の生活保護費を受給していた。 もう一世帯は〇七年十二月から九カ月間、福祉手当の収入があったのに市に申告せず、 計十二万円の生活保護を受けていた。 桑名市も、受給権の確認不足で年金の非受給者に支払われた生活保護費が過大だったと 指摘された。老齢年金と障害年金の受給権がある計六人の〇七~一三年度分、計千百六十 八万一千円。六人は市に全額を返還した。市によると、六人は自らに受給権があることを 知らず、ケースワーカーも確認していなかった。 木曽岬町は、国民健康保険(国保)の加入者のうち、退職者医療制度の対象者の一部医 療費を誤って国庫負担金から受けていた。〇九~一一年度の計三百八十九万二千円。本来 は本人が納めた保険料と会社などの健康保険からの交付金で賄う。町は、対象者のレセプ ト(診療報酬明細書)をさかのぼって調べた際に処理を誤ったとしている。今後は本来の 手続きを取る。 社説:認知症国家戦略 地域の支え合い支援を 京都新聞 2014 年 11 月 08 日 認知症の人が安心して暮らせる社会づくりを着実に進めたい。 安倍晋三首相は、認知症対策を総合的に進める新たな国家戦略を年内に策定する方針を 打ち出した。厚生労働省が昨年度から進める認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン) を拡充し、認知症の人の生活全般を支える施策を省庁横断的に進めるという。 認知症の高齢者は460万人を超え、軽度障害の予備軍を含め4人に1人だ。徘徊(は いかい)による行方不明者は年1万人、詐欺被害も急増している。重症になると自宅ケア が難しく、受け入れ施設も少ないため精神病院への長期入院が多い。 急速な高齢化に伴う認知症対策は、英国で昨年「G8認知症サミット」が開かれるなど 世界的課題だ。各国が予防・治療研究や生活支援を抜本強化する中、日本も団塊の世代が 75歳以上になる2025年を見据え、国を挙げて対策を推進する姿勢は重要といえる。 柱の一つが、1万人の生活習慣や血液データと認知症発症の関係を探る追跡調査だ。国 際協力し、予防や早期診断・治療に役立つ科学的知見を積み上げてほしい。切れ目ない医 療・介護サービス体制整備、徘徊時の安全確保、症状があっても就労、社会参画を可能に する支援策も盛り込むという。 だが、唐突な方針発表で、具体化はこれからだ。国際会議で積極的な取り組み姿勢を示 したかったのだろうが、来年度予算案の編成まで2カ月弱での策定は乱暴だ。5カ年計画 のわずか2年目で、検証なく変えれば現場は混乱しかねない。民主党政権下の計画を良し としない意図も透ける。 政府は、国家戦略には認知症当事者の視点を取り入れるとしているが、この突貫日程で 本当に実現できるのか疑わしい。腰を据え、当事者と家族、医療・福祉関係者、行政の知 恵を集め、実効性のある計画と手立てを示すべきだ。 認知症対策の前進には地域の支え合いが欠かせない。初期段階での医療・介護チームの 訪問支援に加え、各地で見守り場所の「認知症カフェ」、徘徊者の捜索訓 練などが広がっている。専門家の派遣や人材養成などで行政が積極的に 後押しする必要がある。 心強いのは、病気の知識、対応の講習を受けた「認知症サポーター」 が全国540万人まで増えていることだ。京都、滋賀でも計24万人に 上り、受講率は全国平均を上回る。町内会、学校ぐるみの受講も多く、 さらに広げることが優しい地域づくりに役立つはずだ。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行