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住み慣れた「いたばし」にいつまでも
住み慣れた「いたばし」にいつまでも ~助け合い々支え合いの地域づくりに向けて~ 板橋区おとしより保健福祉センター 平成28年7月15日【第1回 第1層協議体 々趣旨説明】 はじめに ◎肩車型社会 わが国では急速な高齢化が大きな社会問題となっており、最近の統計では65歳以 上の高齢者人口の占める割合は約26%で、4人に1人は高齢者という状況です。 このままではやがて、高齢者1人を若い世代1人で支える「肩車型社会」に突入す ると言われています。 ◎介護保険法の改正々地域包括ケアシステムの構築 こうした状況の中、国は平成27年に介護保険法を改正し、介護保険制度の改革に乗 り出し、それに併せて地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。 誰もが住み慣れた地域で人生の最後まで暮らし続けられるよう、住まいを中心に、 医療や介護、予防、日常生活上の支援が適切に受けられる地域づくりが求められてい ます。 ◎新しい地域づくりのあり方 板橋区では現在、町会・自治会や民生委員・児童委員、老人クラブ、NPO、ボラ ンティアなど、様々な団体が担い手となって、生活支援など高齢者を支える活動を実 践しています。今後、地域でのさらなる支え合い・助け合いづくりの必要性を知って いただくとともに、地域の住民ひとりひとりが主役となる「新しい地域づくりのあり 方」について一緒に考えていただき、支え合い・助け合いの輪がさらに広がっていく きっかけになれば幸いです。 1 目 次 1.知っていますか?日本のこと ~なぜ、今、地域の支え合い・助け合いなのか~ 2.地域包括ケアシステムってなんのこと? ~国がめざす社会の姿とは~ 3.板橋区版:IPってなに? ~板橋区の取り組みとは~ 4.自分たちにできることってどんなこと? ~生活支援コーディネーターと協議体とは~ 2 1〄知っていますか?日本のこと ~なぜ、今、地域の支え合い々助け合いなのか~ 3 クイズ① 今から約60年前の1955年の 75歳以上の人口の割合はどれくらいでしょうか? ① 約1%(約100人に1人) ② 約3%(約33.3人に1人) ③ 約5%(約20人に1人) 5 クイズ② では、今から約10年後の2025年の 75歳以上の人口の割合はどれくらいでしょうか? ① 約12%(約8.3人に1人) ② 約15%(約6.6人に1人) ③ 約18%(約5.5人に1人) 6 日本の高齢者数の推移 【世界で一番の高齢化率】 ■高齢化率(65歳以上) 人口ピーク(2008年) →128,099千人 人口(人) ▲高齢化率(75歳以上) 1億4千万 割合 実績値 (国勢調査等) 推計値 (将来推計人口) 45% 40% 1億2千万 36.1% 高齢者人口(65歳以上) 35% 30.3% 1億 30% 8千万 25% 26.7% 生産年齢人口(15歳~64歳) 20% 6千万 20.7% 18.1% 15% 4千万 12.9% 2千万 4.9% 1.2% 10% 5% 年少人口(14歳以下) 0% 0 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 年 【出典】2010年までは総務省統計局「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口中位推計」 7 人口ピラミッド(社会構造)の変化 団塊の世代が全て75歳となる2025年には、75歳以上が全人口の約18%(約5.5人に1人)となる。 歳 平成2年(1990年) 平成27年(2015年) 平成37年(2025年) 総人口 1億2,361万人 総人口 1億2,708万人 総人口 1億2,066万人 65~74歳 894(7.2%) 団塊世代 75歳~ 75歳~ (1947~49年 1,592(12.5%) 2,179 (18.1%) 生まれ) 65~74歳 65~74歳 1,708(13.5%) 1,479(12.2%) 20~64歳 7,610(61.6%) 20~64歳 7,184(56.5%) 75歳~ 600(4.9%) 75 65 20~64歳 6,559(54.4%) 平成52年(2040年) 総人口 1億728万人 75歳~ 2,223(20.7%) 65~74歳 1,645(15.3%) 20~64歳 5,393(50.3%) 団塊ジュニア世代 (1971~74年生まれ) 20 0~19歳 3,257(26.3%) 0 0 0~19歳 2,224(17.5%) 0~19歳 1,849(15.3%) 0~19歳 1,467(13.7%) 50 100 150 200 250万人 0 50 100 150 200 250万人 0 50 100 150 200 250万人 0 50 100 【出典】総務省統計局「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口中位推計」 150 200 250万人 8 肩車型社会へ 今後急速な高齢化が進み、やがて「1人の若者が1人の高齢者を支える」とい厳しい社会が訪れます。 <1965年>「胴上げ型」 <2012年>「騎馬戦型」 <2040年>「肩車型」 社会保障改革により 支え手(担い手) を少しでも増やす 努力が必要 高齢者が 長く活躍できる 環境づくり 65歳以上1人に対して 20~64歳は9.1人 65歳以上1人に対して 20~64歳は2.4人 65歳以上1人に対して 20~64歳は1.4人 まだまだ 元気!! 9 なぜ、介護保険法が改正されたのか ◎生活支援ニーズの拡大 要支援者や軽度な要介護者は 身体介護ではなく、家事等の日 常生活における支援を必要とす るケースが大半。 今後、高齢者が増加するのに 伴い、この生活支援のニーズは 今まで以上に拡大していく。 ◎支え手となる人材の不足 高齢者が増加する一方で、支 え手(担い手)となる生産年齢 人口は減少していく。 拡大する生活支援ニーズの大 部分を、従来のホームヘルパー が担っていくには人材面で立ち 行かなくなり、ホームヘルパー を中心に介護人材が不足するこ とが予想されている。 <生産年齢人口の減少と後期高齢者の増加> 15~64歳 200 180 160 140 120 100 80 100 60 40 20 0 2010年 132 75歳以上 153 161 87 83 158 157 78 71 116 94 2015年 90 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 【出典】国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口中位推計」 ※2010年を100とした場合の2040年までの推計値 本当に必要な時に、必要なサービスを受けられ なくなる可能性が高くなるかも?! 10 介護保険法が改正されたねらい 基本コンセプトは「新しい地域づくり」 ①新たな担い手の確保 ②時間をかけた住民主体の地域づくり ~高齢者も新たな担い手として期待~ ~「お互いさま」の気持ちを具体化~ 要支援者のニーズの大半は、専門職でな くても提供可能な生活支援であり、この 生活支援ニーズを高齢者や民間事業者を 含む多様な主体が提供することで、地域 全体の担い手を拡大し、高齢者の支援体 制を強化していく。 住民の自発的な取組を中心として「お互 いさま」の気持ちを地域の中で具体的に 仕組みにしていき、多様な主体で「地域 を支える仕組み」をつくる。 「サービスづくり」ではなく「地域づく り」であり、従来との発想の転換が必要 不可欠となる。 ③専門職の役割の変化 ④介護人材の専門性の特化 ~側面的な支援も担う~ ~介護人材はより重度な身体介護へ~ 専門職の役割が利用者への直接的なサー ビス提供だけではなく、体操教室の立ち 上げ支援など、住民主体の取組に対する 側面的な支援に広がり、専門職の活躍の 場がこれまで以上に地域全体に展開され る。 要介護中重度になっても住み慣れた地域 で生活を継続するために「身体介護」の 提供を強化していく必要がある。 生活支援の担い手が拡大することで既存 の介護人材は身体介護等より専門性の高 いサービス提供にシフトする。 【出典】三菱UFJリサーチ&コンサルティング「介護予防・日常生活支援総合事業への以降のためのポイント解説」を一部改変 11 高齢者の生活を支える「助け合い・支え合いの地域づくり」 ◎生活支援の充実 介護や生活支援を必要とする高齢者、高齢者単身・夫婦のみ世帯が増加する中で、生活 に必要なちょっとしたこと(買い物々掃除々簡単な調理など)に対する支援がこれから特 に重要になってくる。 ◎地域の助け合い々支え合い活動の推進 増加する生活支援ニーズを従来のホームヘルプやデイサービスだけではなく、住民が実 施する取組を含めた多様な担い手による高齢者の支援体制を地域の中に作っていくことも あわせて重要になってくる。 ※基本的には「新しいものを作る」よりも「いまある資源をどうやったら強化できるか」という視点で作っていく 「新しい地域づくり」とは 高齢者の生活を支える「助け合い々支え合いの地域づくり」 12 (参考)要支援1~要介護2の認定調査結果 【出典】厚生労働省資料から抜粋 要支援者のほとんどは、身の回りの動作は自立しているが、買い物などの生活行為の一部 がしづらくなっている。 100% 要支援1 80% N=851,756 要支援2 60% N=855,173 要介護1 40% N=1,047,954 要介護2 20% N=854,999 0% 歩 行 で き る 移 動 自 立 排 便 自 立 排 尿 自 立 食 事 摂 取 自 立 着 脱 ( ズ ボ ン ) 自 立 着 脱 ( 上 衣 ) 自 立 洗 顔 自 立 身の回りの動作(ADL) 口 腔 清 潔 自 立 洗 身 自 立 つ め 切 り 自 立 薬 の 内 服 自 立 金 銭 管 理 自 立 簡 単 な 調 理 自 立 買 い 物 自 立 外 出 頻 度 週 1 回 以 上 N=二次判定件数 生活行為(IADL) ※1「歩行できる」には「何かつかまればできる」を含む。 ※2 平成23年度要介護認定における認定調査結果(出典:認定支援ネットワーク(平成24年2月15日集計時点)) 13 介護保険制度における給付額と保険料の推移 介護保険料は3年ごとに見直しを行い、事業計画に定めるサービス費用見込額等に基づき、 3年間を通じて財政の均衡を保つように設定。 制度運営期間 第 一 期 2000年度 2001年度 2002年度 第 二 期 2003年度 2004年度 2005年度 第 三 期 2006年度 2007年度 2008年度 第 四 期 2009年度 2010年度 2011年度 第 五 期 2012年度 2013年度 2014年度 第 六 期 2015年度 2016年度 2017年度 2025年度 給付(総費用額) ※全国 3.6兆円 4.6兆円 5.2兆円 5.7兆円 6.2兆円 6.4兆円 6.4兆円 6.7兆円 6.9兆円 7.4兆円 7.8兆円 8.2兆円 8.8兆円 9.4兆円 10.0兆円 10.1兆円 ※2012年度までは実績、2013~2015年度は当初予算、2025年度は第6期介護保険事業計画における推計値 保険料(月額) 2〃911円 (全国平均) 3〃084円 (板橋区) 3〃293円 (全国平均) 3〃084円 (板橋区) 4〃090円 (全国平均) 4〃296円 (板橋区) 4〃160円 (全国平均) 4〃119円 (板橋区) 4〃972円 (全国平均) 4〃450円 (板橋区) 5〃514円 (全国平均) 5〃380円 (板橋区) 8〃165円 (全国平均) 8〃190円 14 (板橋区) 【参考】第6期保険料基準額(月額)の保険者(自治体)分布 保 険 料 ( 月 額 ) 8,001円以上 7,501円以上 7,001円以上 6,501円以上 6,001円以上 5,501円以上 5,001円以上 4,501円以上 4,001円以上 3,501円以上 3,001円以上 2,501円以上 2 3 8 4 2 最高額 8,686円 全国平均 47 20 0 155 334 91 50 7 5 歳 以 上 高 齢 者 の 認 定 率 2 5 100 4 0 1 0 最高 12 150 200 250 300 350 45.2% 29 15 456 457 板橋区 5,380円 最低額 2,800円 【参考】75歳以上高齢者の認定率の保険者(自治体)分布 44%~ 42%~ 40%~ 38%~ 36%~ 34%~ 32%~ 30%~ 28%~ 26%~ 24%~ 22%~ 20%~ 18%~ 16%~ ~15% 5,514円 全国平均 32.2% 90 板橋区 130 32.8% 241 340 313 219 132 36 最低 400 450 500 保険者(自治体)数 10.2% 50 100 150 【出典】厚生労働省資料から抜粋(介護保険事業状況報告(平成26年4月分)) 200 250 300 350 保険者(自治体)数 15 第1章のまとめ 人口減少社会による担い手不足の中で、 増大する地域のニーズに応えるには・・・ ①元気な高齢者はできるだけ元気で暮らし続ける ②専門職以外の生活支援の担い手を確保する ③助け合い々支え合いで地域を支える ことが重要であり、これらを踏まえて介護保険法が改正された 16 2〄地域包括ケアシステムってなんのこと? ~国がめざす社会の姿とは~ 17 地域で支えあうこれからの暮らし(地域包括ケアシステムの姿) 病気になったら… 介護が必要になったら… 医療 介護 住まい ● 在宅系サービス ● 病院 急性期、回復期、慢性期 入院 通院 通所 入所 ● 日常の医療 ・かかりつけ医 ・有床診療所 ・地域の連携病院 ・歯科医療 ・薬局 ・自宅 など ● 介護予防サービス ● 施設々居宅系サービス ・介護老人福祉施設(特養) ・介護老人保健施設(老健) ・認知症共同生活介護(グループホーム) など サービスのコーディネートや 相談業務を行います。 ・地域包括支援センター (おとしより相談センター) ・ケアマネジャー ・訪問介護(ホームヘルプ) ・訪問看護 ・通所介護(デイサービス) ・小規模多機能型居宅介護 ・短期入所生活介護(ショートステイ) ・福祉用具 など ・老人クラブ、自治会 ・ボランティア、NPO など いつまでも元気に暮らすために… 生活支援々介護予防 地域包括ケアシステムは、 おおむね30分以内に 必要なサービスが提供される 日常生活圏域を単位として想定 18 介護予防の転換:「地域づくり」の中の介護予防 「地域づくり」の中に介護予防を位置付ける方向へ これからの介護予防が「高齢者本人の参加意欲を基本に、地域生活の中で継続的に活動できる取組」に舵が切ら れ、地域における住民主体の自発的な健康づくりを側面的に支援するアプローチへと大きく転換された。 ①社会参加することが介護予防につながると積極的にとらえる ②地域に介護予防を位置付けて、継続性を重視 これまでの 介護予防の姿 これからの 介護予防の姿 要介護状態にならないための 介護予防 地域で暮らし続けるための 生活支援 要介護予備群 対象 すべての高齢者 身体々精神機能の向上 目的 社会参加 介護予防サービス (1次々2次予防) サービス/活動 居場所々 つどいの場々支え合い 【出典】三菱UFJリサーチ&コンサルティング「介護予防・日常生活支援総合事業への移行のためのポイント解説」を一部抜粋 【出典】全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)発行冊子 「改正介護保険法における「新しい地域支援事業」の生活支援コーディネーターと協議体」から一部抜粋 19 めざす社会の姿:地域包括ケアシステムにおける「地域づくり」のあり方 新しい住民の助け合い々支え合いの地域づくり 従来では、状態ごとに事業が組み立てら 未参加者は多数であるが、比較的元気な 住民主体の活動が増加し、地域住民同士 れており、地域住民同士で支え合う地域 高齢者を中心に住民主体の小規模な活動 で支え合う地域力が育まれる。年齢や心 力を醸成するようなアプローチが不十分 (体操教室やサロンなどの居場所)が徐 身の状況等によらず、生きがい・役割を であった。 々に形成される。 持って生活できる地域を実現する。 一次予防事業 住民活動 一般介護予防事業 住民活動 状態変化 住民活動 住民活動 二次予防事業 一般介護予防事業 住民活動 介護予防サービス 従来の介護予防 介護サービス 住民活動 状態変化 住民活動 住民活動 状態変化 介護サービス 住民活動 状態変化 介護予防サービス 生活支援サービス 介護サービス 住民活動 介護予防サービス 生活支援サービス めざす社会の姿 一般高齢者 要介護者 虚弱高齢者 【出典】三菱UFJリサーチ&コンサルティング「介護予防・日常生活支援総合事業への移行のためのポイント解説」を一部改変 20 助け合い・支え合いの地域イメージ 今まで 友人・隣人との交流 これから ご近所からボランティア、専門職までみんなで支える 専門職サービス 一緒に運動々体操 支援や介護が必要になると、 友人・隣人との関係は希薄になり、 支援を受ける一方向の人間関係に変化 おかずのおすそ分け お掃除のお手伝い 友人々隣人との “お互いさまの助け合い” 専門職サービス はあるけど… これまでの地域との つながりは疎遠に? 一緒に外出 (買い物など) ご近所同士で茶話会 “お互いさまの助け合い”の輪を広げていくことで、 支援や介護が必要になっても、地域社会の中から切 り離さずになじみの関係を継続できる。 【出典】三菱UFJリサーチ&コンサルティング「 新しい総合事業における移行戦略のポイント解説(概要版)」 21 「地域包括ケアシステム」がめざすイメージ ◎「病院・施設完結(収容)」から「在宅・地域支援(地域移行)」へ 今まで これから 地域は関係ない 地域が重要になる 地域で助け合い・支え合いを進める時代に 病院 長期入院 病院で死亡 ●制度優先の時代 ●病院重視(長期入院) ●亡くなる場所 介護施設 特養・老健 在宅支援 医療介護 ●施設重視(長期入所) ●地域、在宅軽視の時代 地域支援 病院 短期間の入院 短期間のリハビリ 介護施設 ●短期間で 暮らしの場へ ●訪問が主体の 医療・介護へ 特養・老健 在宅復帰・支援 在宅支援医療介護 ・在宅医療(訪問診療・看護・リハ) ・在宅介護(地域密着型) 暮らしの場へ出向く医療・介護が主体 地域支援(住民主体) 【出典】一般社団法人地域ケア総合研究所:竹重俊文(2012年) ・住民主体の身近な支え合いをめざす ・生活支援サービス、有償ボランティア等 【出典】認定NPO法人市民福祉団体全国協議会 発行冊子 「生活支援コーディネーター 第1層、第2層のコーディネーター実践研修用サブテキスト」を一部改変 22 第2章のまとめ 国は介護保険法の改正をし、あわせて地域包括ケアシステム の構築を目指しているが、特に重要な「生活支援々介護予防」 の分野において・・・ ①介護予防々生活支援々社会参加をこれまで以上に 融合させ、地域社会への参加(担い手となること) が結果的に介護予防につながるという考え方に方向 を転換した ②住民主体の活動を中心とした「助け合い々支え合 い(お互いさまの助け合いの輪)」の中で高齢者 を支える地域の実現をめざしている 23 3〄板橋区版:IPってなに? ~板橋区の取り組みとは~ 24 板橋区版:IPとは ◎:IP(:ging in Place) ⇒「年を重ねても安心して住み慣れたまち(地域)に住み続ける」 【出典】東京大学高齢社会総合研究機構「地域包括ケアのすすめ」 ◎板橋区版:IP ⇒ 板橋区版の「地域包括ケアシステム」 ① 新しい総合事業 ② 医療々介護連携 ③ 認知症施策 ④ 住まいと住まい方 ⑤ 基盤整備 ⑥ シニア活動支援 ⑦ 啓発々広報 ※国の重点事業に加えて、7つの分野を重点事業とし、分野ごとに 課題の整理・解決を行い、これら事業を有機的に結び付けること により板橋区版:IPの構築をめざす。 25 検討報告書の作成 ◎「板橋区版:IP構築に向けた取組に関する検討報告書」 の作成(平成28年2月) ・ 板橋区版:IPの構築のために、検討 報告書を作成し、区全体の取り組みの方 向性を示した。 ・ この検討報告書をベースとして、これ からの各地域での取り組みに繋げてい く。 ※この検討報告書は、 区ホームページに公開しています。 26 板橋区版:IP構築イメージ 板橋区版:IP ②医療々介護連携 医 療 ③認知症施策 高齢者 介 護 ⑤基盤整備 提供 提供 実施 支援 参加 ①新しい総合事業 ④住まいと住まい方 参加 支援 ⑥シニア活動支援 住まい 生活支援々介護予防 実施 ⑦啓発々広報 27 第3章のまとめ 板橋区も国の動きを踏まえて・・・ 国の重点事業に加えて、全7分野を区の重点事業とし、 板橋区版:IP(Aging in Place)の構築をめざし ている 28 4〄自分たちにできることってどんなこと? ~生活支援コーディネーターと協議体とは~ 29 生活支援コーディネーターと協議体とは 住民主体の活動を中心とした「助け合い々支え合い」の中で高齢者を支える地域 を実現するための・・・ 鍵となる人物々団体 (≒世話人々調整役) 生活支援コーディネーター (地域支え合い推進員) 地域の支え合いの活動を発掘したり、 新たな支え合いの活動の推進役を担う。 言い換えれば「地域福祉のコーディ ネーター」であり、住民と関係者・機関 などをつなげたり、現在ある取組や組織 などを活用しながら、暮らしやすい地域 を実現していく。 補い助ける 要の場所 (≒会議体) 協議体 最後まで地域で暮らし続けるための支 え合いを生み出す(仕組みをつくる)場 となる。 要介護者を支援やサービスの対象者と 区別して見るのではなく、地域の一員と して認め合い、地域の中で支え合う力々 包み込む力を育みながら、地域の支え合 い活動の活性化を図る。 【出典】全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)発行冊子 「改正介護保険法における「新しい地域支援事業」の生活支援コーディネーターと協議体」を一部改変 30 生活支援コーディネーターと協議体の活動イメージ(例) すでにある多様な提供主体による「高齢者を支える輪」 ご近所からボランティア、専門職までみんなで支える 専門職サービス 一緒に運動々体操 お掃除のお手伝い おかずのおすそ分け 友人々隣人との “お互いさまの助け合い” 一緒に外出 (買い物など) ご近所同士で茶話会 “お互いさまの助け合い”の輪を広げ、 「助け合い々支え合いの地域づくり」 を推進する。 生活支援 コーディネーター + 協議体 高齢者を支える輪を広げたり、増やし たりしながら、地域全体が一体となっ た一つの大きな輪としていく。 31 生活支援コーディネーターと協議体の活動イメージ(第2層) ※一例 第1層の機能の下、各地域(日常生活圏域)で関係者のネットワーク化を通して、 助け合い々支え合いの地域づくりを担う 腐らせてしまうから、小分けの お世話になっている地域の八百 野菜を売ってほしい 屋さんにお願いしてみましょう 高齢者 協議体 構成員 了解しました 地域の方 (例:八百屋) 高齢者の生活上の困りごとを 協議体にて、どのようにした 地域の方が高齢者の生活を支 生活支援コーディネーターが らこの困りごとに対する支援 える仕組みの一例です。この 中心となって拾い上げます。 の提供ができるか、構成員の ような住民主体の助け合い々 強みやネットワークを活かし 支え合いが活性化されるよう ながら話し合います。 に体制整備を行います。 ※協議体の参画者も必要に応じて 拾い上げます ※そのほか様々な助け合い・支え合いの活動の充実に向けて、 生活支援コーディネーターが地域に種まきをしていく。 【備考】調布市発行「調布市生活支援体制整備事業周知用チラシ」を参考に作成 ※困っている高齢者を、元気な高 齢者が支える仕組みが理想的 32 生活支援コーディネーターと協議体の活動イメージ(第1層) ※一例 区全域で関係者のネットワーク化を通して、助け合い々支え合いの地域づくりを担う ※主に全区的な目線で、第2層では対応が難しいことを中心に対応する 空き家・空き店舗が多くて 困っている 各コーディネーター等 高齢者が気軽に集まれる場所づ くりをみんなで考えたい 協議体 構成員 高齢者が集まれる場所が少ない 空き家・空き店舗を 活用できました 地域の方 (例:商店街) 高齢者の生活上の困りごと( 協議体にて、どのようにした 地域で高齢者の生活を支える 第2層では対応が難しいこと らこの困りごとに対する支援 仕組みの一例です。このよう など)を生活支援コーディネ の提供ができるか、構成員の な住民主体の助け合い々支え ーターが中心となって拾い上 強みやネットワークを活かし 合いが活性化されるように体 げます。 ながら話し合います。 制整備を行います。 ※協議体の参画者も必要に応じて 拾い上げます ※そのほか第2層との調整機能等も担う 【備考】調布市発行「平成27年度調布市生活支援体制整備事業 事業報告書」を参考に作成 ※困っている高齢者を、元気な高 齢者が支える仕組みが理想的 33 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)とは ◎「地域の助け合い々支え合い活動」の推進の鍵となる調整役 地域の助け合い・支え合い活動をはじめとした「高齢者の生活を支援する体制」の整備 を推進していく。 「高齢者の生活を支援する体制」を構築するために、地域における調整機能(主に担い 手等の発掘々育成、ネットワーク構築、ニーズとサービスのマッチングなど)を果たす。 ◎国が示すコーディネーターの資格々要件等 ※特定の専門資格等は必要なし ○地域における助け合い及び生活支援サービスの提供実績のある者や支援を行う団体等 であって、地域での調整機能を適切に担うことができる者 ○市民活動への理解があり、多様な理念をもつ地域のサービス提供主体と連絡調整でき る立場の者であって、自己や所属する団体等の利益によらずに地域の公益的活動々公 平中立な視点を有すること など ◎コーディネーターに求められる資質 【出典】全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)発行冊子 「改正介護保険法における「新しい地域支援事業」 の生活支援コーディネーターと協議体」 ○地域の伝統文化や特徴などをよく知っている物知りの人 ○人とつながる力のある世話焼きの人 ○地域の困りごとや気になる人を発見する目をもち、安心して暮らせるための方法を みんなで話し合ったり、活動を推進させたりできる人 など 34 協議体とは 板橋区では「助け合い々支え合いの地域づくり会議」と名称 ◎「助け合い々支え合いの地域づくり」の推進に関する要の場所 助け合い・支え合いの地域づくりの推進を主目的に、定期的な情報共有・連携強化の中核 となる場で、地域の課題やニーズの解決策々対応策等を一緒に考え、行動する場所となる。 また、生活支援コーディネーターを組織的に補完する(補い助ける)役割を担い、高齢者 を地域の中で支え合う力々包み込む力を育みながら、地域の支え合い活動の活性化を図る。 ◎協議体の構成メンバーとなる可能性のある者 ○地縁組織(町会・自治会等) ○地域住民(ボランティア、地域活動者等) ○地域包括支援センター(おとしより相談センター) ○地域の関係団体(民生・児童委員、老人クラブ、商店街等) ○地域で生活支援サービス等を提供する事業者等(その他の住民団体、NPO、社会福 祉法人、社会福祉協議会、民間企業) など ◎協議体の構成メンバーに求められる資質 ○助け合い・支え合いの地域の基盤づくりの視点を持ち、答えがないことに対して ともに建設的に考えられる人(地域における助け合いをともに作っていける人) ○地域における助け合いのために各々の役割を考え、主体的に参画できる人 など 35 板橋区における地域区分:板橋区全域(1層)と日常生活圏域(2層) 板橋区全域を「第1層」、日常生活圏域(各地域センターの担当区域)を「第2層」 <区全域> ●第1層協議体 ●区全般の協議・方針決定 第1層(区全域) 第1層 (区全域) ●区市町村連絡会議 など 上板橋ブロック 板橋ブロック 赤塚ブロック 志村ブロック <区全域(又はブロック圏域)> ●第2層生活支援コーディネーター支援 ●第2層協議体運営支援 ●担い手・サービス等の養成 ●第2層合同研修会 ●第2層連絡会 連 携 ●広域課題連絡調整 など <日常生活圏域> 第2層 (日常生活圏域) (18地域) 第2層 (蓮根) 第2層 (舟渡) 【出典】板橋区社会福祉協議会資料を一部改変 第2層 第2層 (高島平) (志村坂上) 第2層 (清水) ●第2層協議体 ●地域課題に応じたサービス開発 ●個別課題相談・連絡調整 など 36 助け合い・支え合いの地域づくり会議(協議体)の構成員(予定) 協議体には多様な主体が参画し、その中で住民が主体となる 初期 第1層 (区全域) ・第1層生活支援コーディネーター ・地縁組織(町会・自治会)の代表者 ・地域の関係団体(民生・児童委員、老人 クラブ、商店街等)の代表者 ・社会福祉法人の代表者 ・介護保険サービス事業者の代表者 ・NPO・ボランティア団体の代表者 ・社会福祉協議会の代表者 ・高齢者生きがい就業団体の代表者 ・区職員 ・その他必要と認められる関係団体等 第2層 (日常生活圏域) (18地域) 完成期(例) ・第1層生活支援コーディネーター ・地縁組織(町会・自治会)の代表者 ・地域の関係団体(民生・児童委員、老人 クラブ、商店街等)の代表者 々第2層協議体の代表者 ・社会福祉法人の代表者 ・介護保険サービス事業者の代表者 ・NPO・ボランティア団体の代表者 ・社会福祉協議会の代表者 ・高齢者生きがい就業団体の代表者 ・地域包括支援センター(おとしより相談 センター)の代表者 ・区職員 ・その他必要と認められる関係団体等 ・第2層生活支援コーディネーター ※選出後 ・地縁組織(町会・自治会)の関係者 ・地域の関係団体(民生・児童委員、老人クラブ、商店街等)の関係者 ・地域内に活動拠点のある社会福祉法人、介護保険サービス事業者、生活支援サービス等を 提供する事業者 ・地域住民(ボランティア・地域活動者) ・社会福祉協議会 ・高齢者生きがい就業団体 ・区職員 ・地域包括支援センター(おとしより相談センター) ・その他必要と認められる関係者等 37 第4章のまとめ 住民主体の活動を中心とした「助け合い々支え合い(お互い さまの助け合いの輪)」の中で高齢者を支える地域を実現する ために・・・ ①鍵となる調整役の「生活支援コーディネーター(地 域支え合い推進員)」 ②要となる場所として、地域住民が主体の「協議体(助 け合い々支え合いの地域づくり会議)」 を区全域及び各日常生活圏域において設け、目的実現に向けて、 双方が連携々協働する 38 板橋区における今後のながれ(予定) ※平成28年度 ◎第1層(区全域) 年3回程度で第1層協議体を開催予定。開催当初は準備会として構成員の意識統一のため に勉強会等を開催する。 ※第2層協議体が立ち上がった地域の代表者は、随時第1層協議体へ参画する ※平成29年度以降も継続して年3~4回程度で開催する 準備 4月 5月 開催 6月 7月 準備 8月 9月 開催 10月 準備 11月 12月 開催 1月 継続 2月 3月 ◎第2層(日常生活圏域) 第2層協議体の設置に向けた地域づくりセミナー、勉強会等を段階的に全5地域で開催す る。第2層協議体設置以降は継続して開催する。 ※平成29年度以降は着手しやすい地域から段階的に開催する 準備 ①高島平地域 準備 開催 ②桜川地域/常盤台地域 準備 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 開催 ③成増地域/徳丸地域 11月 12月 1月 2月 開催 3月39 高島平地域における今後のながれ(予定) ①地域づくりセミナーの開催 ②協議体の設置 ③協議体の継続 地域全体の大枠に声をかけ、事業 趣旨(助け合い・支え合いの地域 づくり)に興味のある参加者を募 集する。 ↓ 募られたメンバーにおいて、「助 け合い・支え合いの地域づくり」 を目的とした協議体を設置する。 設置した当初は生活支援コーディ ネーターを選出することが主題と なる。 その後は、生活支援コーディネー ターを中心に「助け合い・支え合 いの地域づくり」をめざした具体 的な動きに移っていく。 協議体のメンバーにおいて、「助 け合い・支え合いの地域づくり」 を主目的に、地域の課題やニーズ の解決・対応策等を一緒になって 考え、行動する。 なお、協議体のメンバーは固定で ないため、趣旨に賛同し主体的に 参加できる者等を、協議体のメン バーとして随時増やすことも可能 となる。 勉強会の開催 参加型の勉強会を複数回開催し、 事業趣旨を十分に理解し、自分の 役割を考え、主体的に参加したい 者を募っていく。 ①準備 7月 8月 ②設置 9月 10月 11月 ③継続 12月 1月 2月 3月 地域づくりセミナー 7/22(金) 第1回地域づくり会議 第2回地域づくり会議 準備会(勉強会) 準備会(勉強会) 8/2(火) 8/23(火) ※以降、協議体の設置に至るまで、必要に応じて 準備会(勉強会)を開催予定 40 ご清聴いただきありがとうございました 41