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がんの痛みの薬物治療/薬剤部注射薬調剤室長 徳田

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がんの痛みの薬物治療/薬剤部注射薬調剤室長 徳田
第15回地域がん診療連携拠点病院
医療従事者研修会
平成21年3月25日(水)
於 倉敷中央病院 総合保険管理センター
古久賀ホール
第15回地域がん診療拠点病院医療従事者研修会
がんの痛みの薬物治療
z
z
がん疼痛治療の基本
神経障害性疼痛への鎮痛補助薬投与
倉敷中央病院 薬剤部 徳田衡紀
がん対策推進基本計画
目 標
がんによる死亡者数の減少 (20%)
すべてのがん患者・家族の苦痛の軽減・療養生活の質の向上
→ すべての患者・家族の安心
そのために重点的に取り組むべき課題
★ 放射線療法及び化学療法の推進並びにこれらを専門的に
行う医師等の育成
★ 治療の初期段階からの緩和ケアの実施
がん患者の多くは,がんと診断された時から身体的な苦痛や精神心理的
苦痛を抱えており,また,その家族も様々な苦痛を抱えていることから,
治療の初期段階から緩和ケアが実施されるようにする。
★ がん登録の推進
がん診療に携わるすべての医師は緩和ケアの知識と技術を習得しなければ
ならないことが,政策として明示された。
WHO(世界保健機関)の
緩和ケアの定義(2002年)
緩和ケアとは
z 生命を脅かす疾患による問題に直面している
患者とその家族に対して、疾患の早期より痛
み、身体的問題、心理社会的問題、スピリ
チュアルな問題に関して、きちんと評価を行
ない、それが障害とならないように予防したり、
対処することで、クオリティ・オブ・ライフを改
善するためのアプローチである。
日本ホスピス緩和ケア協会 http://www.hpcj.org/what/definition.html
主要な身体症状出現からの生存期間
全身倦怠感
食欲不振
100
(n = 206)
累積頻度(
%)
痛み
便秘
75
不眠
呼吸困難
悪心・嘔吐
50
せん妄
死前喘息
腹水
不穏
消化管閉塞
25
0
60
45
30
15
死亡
生存期間(日)
淀川キリスト教病院ホスピス 編:緩和ケアマニュアル 第5版, pp.2-4, 最新医学社, 東京 (2007)
がん患者の痛みの発生頻度と特徴
終末期がん患者の2/3以上で主症状となり,しばし
ば複数の部位に起こる。もっと早い病期で,がん病
変の治療を受けている患者の1/3にも痛みが発生し,
その大多数が持続性である。50%は強い痛み,
30%は耐えがたいほど強く,不眠をもたらし,食欲を
低下させ,患者の日々のささやかな楽しみから自己
実現に至るQOLのすべての側面を妨げる。
がん緩和ケアに関するマニュアル (財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
がんの痛みの治療法
1) 薬物療法
z
WHO方式癌(がん)疼痛治療法
z
鎮痛薬の非経口的持続与薬法(持続皮下注入法、持
続静脈内注入法)
鎮痛補助薬の併用(ステロイド、抗うつ薬、抗不安薬な
ど)
z
2) 神経ブロック療法
z (持続)硬膜外ブロック(局所麻酔薬を注入)
z 硬膜外腔鎮痛薬注入法(オピオイドを注入)
z 腹腔神経叢アルコールブロック
z くも膜下フェノールブロック
z 三叉神経ブロック(末梢枝、神経節)
3) 放射線療法
4) 脳神経外科的アプ
ローチ
z 下垂体ブロック
z 経皮的トラクトトミー
5) 東洋医学的アプ
ローチ
z 鍼灸医療
z SSP療法、TENS
療法、TEAS療法
がん疼痛治療は痛みのアセスメントから
痛みの部位と痛み始めた時期を把握する
がんと関係のない痛みの合併(ヘルペス,蜂窩織炎
等)や以前からの痛みの合併(頸椎症,術後疼痛等)
に注意する。 また、これまで痛みを感じていなかった
部位に新たな痛みが生じた時は、がん以外の原因(骨
折,感染等)で生じている場合がある。
具体例
「10年前から腰痛持ち」(変形性腰椎症)
「肺炎の手術後ずっと傷跡が痛い」(開胸術後疼痛)
「ずっと良かったが、昨日から急に悪くなった」
・・骨折、感染症、出血などを合併した可能性あり
「がん性疼痛治療のエッセンス」 監修 日本医師会
痛みの性状
痛みの分類
内臓痛
体性痛
神経障害
性疼痛
鎮痛薬の効果
腹部臓器の痛みなど疼痛
の部位があいまいで、ズー オピオイドがよく効く
ンと鈍い痛み
オピオイドがある程度効く
骨転移など疼痛の部位が 突出痛にはレスキューを使
はっきりしたズキッとする 用する
明確な痛み
NSAIDsやステロイドを併
用する
神経浸潤、脊椎浸潤など、 オピオイドが効きにくい
ビリビリ電気が走るような, 鎮痛補助薬を必要とするこ
しびれる,じんじんするな とが多い
どの痛み
痛みの強さを評価をする
痛みのパターンを把握する
痛み治療の目標設定の方法
第一目標
痛みに妨げられない睡眠時間の確保
第二目標
安静にしていれば痛みが消えている状態の確保
第三目標
起立したり,身体を動かしたりしても
痛みが消えている状態の確保
z
治療目標を患者と共に設定し,患者が目標を理解していることが最良の
成果につながる。痛みのマネジメントの最終目標は,痛みの消失が維持
され,患者の生活状況が平常に近づくことである。
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.40-41, 金原出版,東京 (1996)
WHOが推奨する鎮痛薬使用の基本原則
1.経口的に
by mouth
2.時刻を決めて規則正しく
by the clock
3.除痛ラダーにそって効力の順に
by the ladder
4.患者ごとの個別的な量で
for the individual
5.そのうえで細かい配慮を
attention to detail
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.16-19, 金原出版,東京 (1996)
経口投与の重要性
◆ 最も簡便な投与経路である。
◆ 介護者の手を煩わせず,患者自身で服薬が可能。
◆ 決められた時間に薬をのむという行為を通して,患者自身が
痛みを管理しているという意識を持つことができる。
→ 患者の自立をサポートできる。
◆ 多くの患者で薬の吸収が安定している。
→ 確実な鎮痛効果を期待できる。
◆ 至適投与量(十分な除痛が得られる投与量)への用量調節を
速やかに,かつ容易に行える。
武田文和ほか:がん患者と対症療法,16 (2), 66 (2005) 一部改変
経口投与の重要性
がん疼痛治療患者調査レポート (2006年)
がん疼痛患者の「服薬(使用)方法の簡便さ」
に対する満足度
Q. 現在定期的に使用している鎮痛薬の「服薬(使用)
方法の簡便さ」に対する満足度をお教え下さい。
がん疼痛患者の服薬コンプライアンス
Q. 現在定期的に使用している薬剤について,医師から
指示された服用(使用)方法はどの程度守られているか
お教え下さい。
87.6(%)
n=400
経口剤
3.39
(n=356)
貼付剤
坐 剤
(n=17)
(n=356)
坐 剤
1.71
43.5
(n=356)
貼付剤
2.86
(n=81)
経口剤
(n=17)
16.0
n=400
44.1
43.2
58.8
12.4
40.7
41.2
(点)
※ 表中の数値は4段階評価で「不満である」を1点,
「満足である」を4点とし平均値を算出した。
必ず守っている
基本的には守っているが,たまに服用(使用)を忘れる
守らないことが多い
全く守っていない
監修:小川 節郎先生 駿河台日本大学病院病院長 日本大学医学部麻酔科教授
WHOが推奨する鎮痛薬使用の基本原則
1.経口的に
by mouth
2.時刻を決めて規則正しく
by the clock
3.除痛ラダーにそって効力の順に
by the ladder
4.患者ごとの個別的な量で
for the individual
5.そのうえで細かい配慮を
attention to detail
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.16-19, 金原出版,東京 (1996)
定時投与の重要性
痛みがあるときに頓用で鎮痛薬を用いるのではなく,
24時間痛みが起こらない量の鎮痛薬を一定の時間
間隔で規則正しく投与することで,患者の服薬コンプ
ライアンスとQOLは明らかに向上する。
WHOが推奨する鎮痛薬使用の基本原則
1.経口的に
by mouth
2.時刻を決めて規則正しく
by the clock
3.除痛ラダーにそって効力の順に
by the ladder
4.患者ごとの個別的な量で
for the individual
5.そのうえで細かい配慮を
attention to detail
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.16-19, 金原出版,東京 (1996)
WHO三段階除痛ラダー
強オピオイド鎮痛薬
弱オピオイド鎮痛薬
コデイン
ジヒドロコデイン
トラマドール
あへん末
モルヒネ
オキシコドン
ペチジン
ブプレノルフィン
非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs,アスピリン,アセトアミノフェン)
±鎮痛補助薬
【第1段階】
軽度から中等度の痛み
中等度から高度の痛み
【第2段階】
【第3段階】
(オピオイド鎮痛薬については国内で使用可能な薬剤のみを記載)
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.14-19, 金原出版,東京 (1996)
オピオイドと非オピオイド(NSAIDs)の鎮痛機序の違い
オピオイド = 中枢性鎮痛薬
痛みの伝達・受容・認識を
阻害する
末梢性鎮痛薬 = NSAIDs
発痛物質の産生や炎症を
抑える
オピオイドとNSAIDsの併用
によって,オピオイドの減量
と副作用軽減が期待できる
細川豊史:ペインクリニック, 23 (12), 1619 (2002) 一部改変
NSAIDsが効果を示すがん疼痛かど
うかを確認する方法はあるか?
z
フルルビプロフェンアキセチル(ロピオンⓇなど)を静
注して効果の有無を判定することができる。
z
フルルビプロフェンアキセチル(ロピオンⓇなど)1ア
ンプル(50mg)を静注し、痛みが緩和するかをみる。
痛みが緩和するならば、NSAIDsに反応する疼痛で
ある。
NSAIDsは、通常は内服や坐薬で用いる。いずれの
方法も困難な場合はフルルビプロフェンアキセチル
(ロピオンⓇなど)を1日3~4回静注する。
z
平賀 一陽(国立がんセンター中央病院)ほか : Medical Practice,14(Suppl),130-135,1997
オピオイドとは?
オピオイドというのは,生体内の主に中枢神経系に分布している
オピオイド受容体と結合して薬理作用を発現する化学物質の総称
である。
オピオイドは
● 生体内で産生される内因性オピオイド
● 外部物質由来の外因性オピオイド
に分けられる。
外因性オピオイドには
● アヘンから作られる天然オピオイド
● 天然オピオイドから半合成されて作られるオピオイド
● 人工的に合成されて作られるオピオイド
がある。
亀井淳三:オピオイドのすべて, pp.25-36, ミクス, 東京 (1999) 一部改変
オピオイドの鎮痛作用発現機序をシンプルに整
理すると・・・
オピオイド受容体
オピオイド
オピオイドは生体内の主に
中枢神経系に分布している
オピオイド受容体と結合する。
オピオイド受容体
オピオイド
オピオイド受容体と結合すると
オピオイド受容体
オピオイド
オピオイド
オピオイド受容体
痛みの信号を伝える神経
系の働きが抑制され,痛み
の信号を遮断する神経系
が活性化される。
南 雅文:オピオイド, pp.20-32, 克誠堂出版, 東京 (2005)一部改変
有効限界(ceiling effect)とは?
ある薬剤の投与量を一定量以上に増量しても
効果の増強は得られず,副作用が増強される
現象
モルヒネなどの強オピオイドには有効限界がな
いので,痛みの強さに応じて増量することで確
実な鎮痛効果の増強を期待できる。
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.87-109, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
がん疼痛治療の中心は強オピオイド
がん疼痛治療には強オピオイド鎮痛薬に分類されるモルヒネ製剤,
オキシコドン製剤,フェンタニル製剤が主に使用されています。
経口モルヒネ速放製剤
塩酸モルヒネ錠など
経口モルヒネ徐放製剤
パシーフ®カプセルなど
モルヒネ坐剤
アンペック®坐剤
モルヒネ注射剤
塩酸モルヒネ注射液
経口オキシコドン速放製剤
オキノーム®散
経口オキシコドン徐放製剤
オキシコンチン®錠
フェンタニル注射剤
フェンタニル注射液
フェンタニル貼付剤
デュロテップMT®パッチ
強オピオイドの特徴
腎障害
の影響
モルヒネ
オキシコドン
フェンタニル
++
±
-
代謝産物
排泄
M6G・M3Gに M6G・M3G
として
薬理活性あり
腎臓排泄
特徴
剤形が豊富
ノルオキシコドン
薬理活性なし
腎臓排泄
腎不全では
モルヒネより
使いやすい
薬理活性なし
一部が未変
化体として
腎臓排泄
腎不全でも
安全に使用
できる
強オピオイドの使い分け
腎障害なし
経口モルヒネ
オキシコドン
腎障害あり
オキシコドン
腎障害なし
モルヒネ坐剤
フェンタニル貼付剤
モルヒネ注射剤
腎障害あり
フェンタニル貼付剤
フェンタニル注射剤
経口
非経口
的場元弘:がん等通知用のレシピ(一部改変)
個別的な投与量設定の重要性
WHOのガイドラインからの抜粋
オピオイド鎮痛薬には標準投与量というものが
ないことを理解しておく。
適切な投与量とは,その患者の痛みが消える
量である。
モルヒネを例に取ると,4時間ごとの投与に
おいて痛みを消失させる量が患者ごとに異なり,
1回量が5mgから1000mg以上にわたる。
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.16-19, 金原出版,東京(1996)
疼痛緩和に必要であった
オキシコンチン®錠1日投与量の分布
n=29
41.4%
対 象 : 新潟市民病院 緩和ケアチームに紹介された
院内がん疼痛患者29例
期 間 : 2004年6月~2005年5月
n=41
31.7%
対 象 : 長崎大学 緩和ケアチームに紹介されたがん疼痛患者
41例 (2004年)
【オキシコンチン®錠の用法・用量】
通常,成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として1日10~80mgを2回に分割経口投与する。 なお,症状に応じて適宜増減する。
片柳憲雄:Prog. Med., 27, 2213 (2007)
武田文和ほか:がん患者と対症療法, 17 (1), 63 (2006)
Q 初めてモルヒネを与薬する場合、至適与薬
量の求め方は?
A 塩酸モルヒネの少量(5mg/回)から与薬を開始し、
5時間以上にわたって除痛されるまで漸増する。
初回処方
塩酸モルヒネ 1回5mg 1日4回
痛み
オピオイド
20mg/日
1日目
40mg/日
2日目
60mg/日
3日目
レスキュードーズの意味と役割
レスキュードーズは,オピオイド鎮痛薬が定時投与されている
患者での「基本処方の不足を補うための頓用」と定義される。
レスキュードーズの臨床的役割
1
基本処方の不足を補って鎮痛をもたらす。
2
レスキュードーズの使用量,使用回数を確認することで,
基本処方を見直し,患者にとっての至適投与量を再設定する。
村上敏史ほか:薬局, 56 (2), 1401 (2005)
レスキュードーズに使用するオピオイドの条件
レスキュードーズには定時投与されている徐放性オピオイドと同一成分,
同一投与経路の速放性オピオイドを使用する。
その理由は・・・
① 確実な鎮痛効果を期待できる
突出痛は持続痛と同じ種類の痛み(発症部位と性質)であることが多いので,
持続痛をコントロールしている定時投与オピオイドと同じ種類のオピオイドを
使用することで,突出痛に対しても確実な鎮痛効果が期待できる。
② 安全性が高く,副作用にも対処しやすい
定時投与オピオイドの安全性はすでに確認されているので,同じ種類の
オピオイドであれば安全に投与できる。万一副作用が発現した場合も同じ
種類のオピオイドであれば対策を講じやすい。
③ レスキュードーズ1回量の計算が容易である
同一成分,同一投与経路のオピオイドであれば,レスキュードーズの1回量を
定時投与オピオイドの一定量比として簡単に計算できる。また,レスキュー
ドーズを定時投与オピオイドの投与量に反映させやすい。
Hanks, G. et al : Oxford Textbook of Palliative Medicine 3rd Edition,pp.327-331 (2004)
Portenoy, R. K. et al : Oxford Textbook of Palliative Medicine 3rd Edition,pp.444-447 (2004)
Colleau, S. M. : Cancer Pain Release,12 (4),1(1999)
定時投与とレスキュードーズのオピオイ
ドをどのように組み合わせるか?
経口モルヒネ徐放製剤が定時投与されている場合
経口モルヒネ速放製剤をレスキュードーズとして使用
1回量の目安
経口モルヒネ徐放製剤1日量の1/6
WHOが推奨する鎮痛薬使用の基本原則
1.経口的に
by mouth
2.時刻を決めて規則正しく
by the clock
3.除痛ラダーにそって効力の順に
by the ladder
4.患者ごとの個別的な量で
for the individual
5.そのうえで細かい配慮を
attention to detail
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.16-19, 金原出版,東京 (1996)
オピオイドの血中濃度(投与量)と薬理作用の発現
呼吸抑制
毒性発現域
血中濃度(投与量)
眠気
経口徐放性オピオイド
経口速放性オピオイド
鎮痛有効域
鎮痛
嘔気
鎮痛無効域
便秘
0
Cancer Pain Relief
4
8
12
16
20
24時間
厚生労働省・日本医師会:がん緩和ケアに関するマニュアル, pp.16-28, 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団, 大阪 (2002) 一部改変
オピオイド投与時に留意すべき副作用
投与初期,増量時に発現しやすい副作用
嘔気・嘔吐,眠気,不安定感,幻覚,せん妄,呼吸抑制
投与継続により発現する副作用
便 秘
投与継続により発現する可能性のある副作用
排尿障害,かゆみ,口渇,発汗異常,頭蓋内圧亢進など
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイド投与時に留意すべき副作用
投与初期,増量時に発現しやすい副作用
嘔気・嘔吐,眠気,不安定感,幻覚,せん妄,呼吸抑制
投与継続により発現する副作用
便 秘
投与継続により発現する可能性のある副作用
排尿障害,かゆみ,口渇,発汗異常,頭蓋内圧亢進など
Cancer Pain Relief
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 嘔気・嘔吐
モルヒネの場合は,投与された患者の約1/3に嘔気が
発現するといわれている。
オピオイドの投与開始と同時に制吐薬を併用するのが
効果的である。
オピオイドの投与継続により嘔気・嘔吐に対する耐性が
形成されるので,2週間嘔気の症状がなければ制吐薬の
中止が可能である。
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 嘔気・嘔吐
大脳
オピオイド
嘔気・嘔吐
第四脳室
CTZ
延髄
嘔吐中枢
VC
オピオイドによるCTZの直接刺激を原因とする
嘔気・嘔吐を防止するための制吐薬の選択
CTZにはドパミンレセプターがあり,オピオイドは
このレセプターにより嘔気・嘔吐を引き起こすと
考えられている。
したがって,抗ドパミン薬が制吐薬の第一選択と
なる。
遠心性神経
選択すべき制吐薬
プロクロルペラジン(ノバミン®)
1回5mg 1日3~4回
ハロペリドール(セレネース®)
1回0.75~1.5mg 就寝前
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 嘔気・嘔吐
大脳
第四脳室
CTZ
オピオイド
嘔気・嘔吐
延髄
嘔吐中枢
VC
遠心性神経
求心性神経
胃内容物停留 → 胃内圧の増加
オピオイドによる胃内容物の停留,胃内圧
増大を原因とする嘔気・嘔吐を防止するた
めの制吐薬の選択
オピオイドは胃の前底部の緊張により運動性を低下
させるので,胃内容物の停留によって嘔気・嘔吐が
発現することがある。
このような場合は,胃内容物排出促進薬の投与が
有効である。
選択すべき制吐薬
メトクロプラミド(プリンペラン®)
1回10~20mg 毎食前・就寝前
ドンペリドン(ナウゼリン®)
1回10~20mg 毎食前・就寝前
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 嘔気・嘔吐
大脳
第四脳室
CTZ
オピオイド
前庭器
嘔気・嘔吐
延髄
嘔吐中枢
VC
オピオイドによる前庭器を介したCTZの
間接的刺激を原因とする嘔気・嘔吐を
防止するための制吐薬の選択
体動時にふらつき感を伴った乗り物酔いに似た
嘔気・嘔吐が出現した場合は,前庭器が過敏に
なっていると考えられる。
このような場合は,動揺病の適応を有するジフェ
ンヒドラミン・ジプロフィリンの投与が有効である。
遠心性神経
選択すべき制吐薬
ジフェンヒドラミン・ジプロフィリン
(トラベルミン®)
1回1錠 1日2~3回
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 眠気
眠気の発現状況
対 策
オピオイドの投与開始時,
増量時に発現
一過性であることが多いので,
そのまま経過を観察する
腎機能の低下した患者に
経口モルヒネを投与して発現
投与経路の変更,オピオイドの
種類の切替えを考慮する
オピオイドの効きにくい痛みに
投与量を増量して発現
オピオイドの投与量を減量し,
鎮痛補助薬の併用を考慮する
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 便秘
オピオイドを使うとなぜ便秘が起こるのか?
オピオイドの薬理作用
小腸,大腸の蠕動運動を低下させる
肛門括約筋の収縮力を増加させる
オピオイドを反復投与されているほぼすべての患者で便秘は発現する。
便秘に対する耐性はできにくいのでオピオイドの投与期間中は
つねに十分な便秘対策が必要になる。
便秘対策はどうするのか?
オピオイドの投与開始と同時に緩下薬を必ず併用し,オピオイドの投与が中止
されるまで継続する。
一般に比較的多量の緩下薬を必要とする患者が多く,緩下薬の投与量にも
増減調整が必要である。
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの副作用対策 便秘
一般名
分類
( )内は商品名
開始量
(プルゼニド®)
2 錠/回※就寝前
(アローゼン®)
0.5 ~ 1 g/回※※就寝前
センナ製剤
大腸刺激性下剤
(蠕動運動亢進)
ピコスルファートナトリウム
(ラキソベロン®)
塩類下剤
酸化マグネシウム
(水分保持,便の軟化)
10 滴/回※※※就寝前
2 g/回就寝前または
2 ~ 3 回に分服
※ 下痢があれば1日1錠に減量 2日たっても便通がなければ3錠に増量
以降も便通が不十分ならば4→6→8錠と増量
※※ 増量の方法についてはプルゼニド®に準じる
※※※ 下痢があれば1日5滴に減量 2日たっても便通がなければ15滴に増量
以降も便通が不十分ならば20→40→60→80滴と増量
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.141-170, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,pp.86-97, 金原出版, 東京 (2005) 一部改変
オピオイドの投与量が多くなりすぎたときの対応
痛み
ZZZ...
オピオイド
減量後は2~3日経過を観察する。
ZZZ...
80mg/日
●日目
60mg/日
●+1日目
40mg/日
●+3~4日目
オピオイドの退薬症候
オピオイドが長期反復投与されていた患者で,突然急激な減量を
行ったり投薬を中止すると,退薬症候が出現することがある。
【退薬症候の具体的症状】
身体症状
精神症状
あくび,くしゃみ,めまい,かゆみ,
悪寒,発熱,下痢,食欲不振,嘔
吐,血圧低下など
不安感,倦怠感,抑うつ,興奮,
せん妄,意識混濁など
段階的に投与量を漸減することで退薬症候を回避できる。
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.136-140, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
退薬症候が出現した場合の対応
① オピオイドを再投与する
吸収が早い速放性オピオイドを投与する
方法が一般的である。
② 退薬症候の消失を確認してから
段階的にオピオイドを減量していく
国立がんセンター中央病院薬剤部編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.136-140, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
がん患者における神経障害性疼痛
発症の原因
● がんが直接的に末梢神経や脊髄神経を圧迫,浸潤,
破壊することで発現する
● 手術,化学療法,放射線療法の影響で発現する
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.205-227, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
神経障害性疼痛はがん患者の30~40%に発現し,
侵害受容性の痛みに重なる形で発現することが多い
American Pain Society:Principles of Analgesic Use in the Treatment of Acute Pain and Cancer Pain 5th Edition,pp.42-49 (2003)
鎮痛薬と鎮痛補助薬の関係
NSAIDsによる鎮痛
オピオイドによる鎮痛
神経障害性疼痛など
的場元弘:癌患者と対症療法, 8, 51 (1997) 一部改変
鎮痛補助薬とは?
WHOによる鎮痛補助薬の定義
●
鎮痛薬の副作用への対応 (制吐薬や緩下剤など)
●
痛み治療の強化
(神経圧迫の痛みに対するコルチコステロイドなど)
●
痛みに伴う不眠,不安,うつ状態などの精神的変調の治療
(夜間の鎮静薬,抗不安薬,抗うつ薬など)
世界保健機関 編,武田文和 訳:がんの痛みからの解放 第2版, pp.36-39, 金原出版,東京 (1996)
鎮痛補助薬とは?
●
痛み治療の強化
一般的に
「オピオイド鎮痛薬が効きにくい痛み,特に
神経障害性疼痛に対して,オピオイド鎮痛薬と
併用することで鎮痛効果を高める薬剤」
と定義される。
Cancer Pain Relief
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.205-227, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
鎮痛補助薬として使用されている代表的薬剤
種類
一般名
商品名
抗うつ薬
アミトリプチリン塩酸塩
塩酸ノルトリプチリン
アモキサピン
トリプタノール®
ノリトレン®
アモキサン®
抗けいれん薬
カルバマゼピン
クロナゼパム
ガバペンチン
テグレトール®
リボトリール®
ガバペン®
抗不整脈薬
メキシレチン塩酸塩
塩酸リドカイン
メキシチール®
キシロカイン®
NMDA受容体
拮抗薬
ケタミン塩酸塩
酒石酸イフェンプロジル
ケタラール®
セロクラール®
コルチコステロイド
デキサメタゾン
ベタメタゾン
デカドロン®
リンデロン®
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.205-227, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
神経障害性疼痛治療ラダー
(国立がんセンター中央病院方式)
■鎮痛補助薬はオピオイドとの併用を基本とする
鎮痛補助薬は主たる薬理学的作用に鎮痛作用がなく,またそのほとんどは
保険適応がない
クロナゼパム
(ランドセン®)
又は
ガバペンチン
(ガバペン®)
アモキサピン
(アモキサン®) 単独
メキシレチン
(メキシチール®)
又は
又は
又は
クロナゼパム又は
ガバペンチン
リドカイン
(キシロカイン®)
ケタミン
(ケタラール®)
【クロナゼパム】
・初回量は0.5mg(就寝前)
・症状に応じて
1回0.25~1mgを
3~4回/日まで増量
【ガバペンチン】
・初回量は200mg(就寝前)
・症状に応じて1回200~
300mgを3回/日まで増量
【アモキサピン】
・眠前25mg又は
50mg分2/日から開始
・50~75mg分2/日で
通常は有効
【メキシレチン】
・150mg分3/日から開始
・症状に応じて
600mg分3/日まで増量
【リドカイン】
・100~200mg/日を
・皮下注又は静注で開始
第1段階
第2段階
第3段階
Cancer Pain Relief
脊髄鎮痛
(spinal analgesia)
と併用
【ケタミン】
・持続静注,持続皮下注
又は経口で投与
・持続静注での投与量
0.1~0.2mg/kg/hr
・経口での投与量
200mg分4/日
第4段階
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.205-227, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
がん終末期の症状緩和における
ステロイドの適応
z
z
z
z
z
z
オピオイドに反応しにくい痛み全般(骨転移痛、神経圧迫など)
脊椎転移や硬膜浸潤による脊髄圧迫の痛み
気道が腫瘍により閉塞しかかっているときの呼吸困難感
気分の改善
食欲不振の改善
全身倦怠感の改善
ステロイドによる治療の一例
Q モルヒネ抵抗性の痛みと判断する目安は?
z モルヒネの内服の場合
100mg/day以上
z モルヒネの持続静脈注入、持続皮下注入の
場合で 30~40mg/day以上
を用いても鎮痛効果がほとんど認められない場
合にモルヒネに反応しない(あるいは反応しに
くい)痛みと判断する。
→ 神経障害性疼痛、筋の攣縮
オピオイドローテーションの考え方
疼痛コントロールの状態を改善するためにオピオイドの種類,投与経路を変更することは
オピオイドローテーションと呼ばれています。
オピオイドローテーションが必要とされるのは・・・
① 忍容できない副作用のためにオピオイドの継続が困難な場合
十分な副作用対策を行っても嘔気や便秘の副作用を制御できない場合,
オピオイドを切り替えることで副作用が改善されることがある。
② オピオイドを十分に増量しても鎮痛効果が得られない場合
鎮痛効果を期待できる量のオピオイドを投与しても効果が得られない場合,
オピオイドを切り替えることで良好な疼痛緩和が得られることがある。
③ オピオイドの投与経路の変更が必要な場合
イレウスなどのためにオピオイドの経口摂取が困難になった場合は,投与
経路の異なる注射剤または貼付剤に切り替える必要がある。
服部政治:ペインクリニック, 27 (Suppl), S92 (2006) 一部改変
高橋秀徳ほか:薬局, 56 (2), 1387 (2005) 一部改変
モルヒネ製剤の投与経路別換算表
変更後の
投与経路
現在の
投与経路
経口
経口
持続静注
持続皮下注
硬膜外
1/2~2/3 1/3~1/2
1/15~
1/20
坐剤
坐剤
1.5~2
1/2~1
持続静注
持続皮下注
2~3
1~2
硬膜外
15~20
7
1/7
1/6~1/5
5
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.198-204, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
製剤別換算表
製剤
換算比
投与量(mg/日)*デュロテップMTは製剤量を表示
カディアン
1
20~30
30~90
90~150 150~210
210~
270
2/3
10~15
20~60
60~100 100~140
140~
180
1/100
2.1 ㎎
4.2㎎
8.4㎎
アンペック
2/3~1/2
20
20~60
60~90
塩酸モルヒネ
1/2~1/3
~15
15~45
45~75
フェンタニル
下記
~0.3
0.3~0.9 0.9~1.5
パシーフ
経口
MSコンチン
オキシコンチン
貼付剤 デュロテップMT
坐剤
12.6㎎
16.8㎎
75~100
100~
140
1.5~2
2~2.7
注射剤
モルヒネ注→フェンタニル注
モルヒネ注の1/100~1/50(モルヒネ注10mg=フェンタニル注0.1~0.2mg)
デュロテップMT→フェンタニル注
等量(デュロテップ4.2mg=フェンタニル注0.6mg/day)
オピオイドローテーションを行う前に・・・
単に痛みがとれないからという理由で他のオピオイドに切替えを
行っても,期待した除痛は得られない。
オピオイドの反応が悪い痛みを他剤でコントロールしているか?
● NSAIDsまたはアセトアミノフェンは併用されているか?
● 鎮痛補助薬の併用は試みられているか?
可能な限り,十分な増量を行っているか?
● オピオイドが不足していないか?
血中濃度が下がる要因はないか?
● サードスペースの水,連続的ドレナージ,下痢
吸収不全はないか?
● 便秘,下痢,嘔吐
有賀悦子:さらに上級なスキルをめざすがん疼痛緩和, pp. 87-91,日本放射線技師会出版会, 東京 (2007)
オピオイドローテーションで気をつけるべきこと
絶対的なオピオイドローテーションの適応例は少ない。
安易なオピオイドローテーションは副作用の軽減に要する時間を
長期化させるだけでなく,疼痛管理をも悪化させる危険性がある。
また,副作用の原因を見落としたり,将来オピオイドローテーション
を本当に必要にしたときに,使用可能なオピオイドの選択肢を
狭める結果にもなりかねない。
国立がんセンター中央病院薬剤部 編著:オピオイドによるがん疼痛緩和, pp.198-204, エルゼビア・ジャパン, 東京 (2006) 一部改変
一度耐性が獲得されていた眠気の症状などが再度出現すること
があるので,等鎮痛用量より20~30%減量した量を1日量と
して設定する。
有賀悦子:さらに上級なスキルをめざすがん疼痛緩和, pp. 87-91,日本放射線技師会出版会, 東京 (2007)
オピオイド使用時のチェック項目
チェック項目
施行事項
痛みの評価
痛みを定期的に評価し、1~3日で効果を判定
頓用が1日4回以上の場合には定期処方の増量を検討
患者の身体状況
体格が小さい,高齢者,肝機能障害,全身状態が不良な
場合には少量から開始
腎機能障害の有無
腎機能障害があれば、モルヒネ以外のオピオイドを使用す
ることが望ましい
オピオイドの定期処方 時間を決めて定期投与。
1回量:内服薬は1日量の6分の1
オピオイドの頓用指示 反復間隔:1時間を目安とする
1日4回以上の場合は、定期処方の増量を検討
NSAIDsの使用
中止せずにオピオイドと併用
副作用対策
嘔気・嘔吐、便秘の予防薬を併用投与
制吐剤は、錐体外路症状を起こす可能性があるため、開
始から
2週間たって嘔気がなければ中止
がんの痛みをさらに強く感じさせる因子
がん病変による痛みは,さまざまな要因でさらに強くなることがあります。
がんの痛みはトータルペインであることを理解しておく必要があります。
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