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IT新改革戦略への提言について - 一般社団法人 日本画像医療システム
医療画像情報IT化の推進 日本画像医療システム工業会 JIRA (Japan Industries Association of Radiological Systems) 医療情報システムにおけるJIRAのカバー範囲 病 院 外来部門 薬剤部門 病棟部門 JAHIS 電子カルテ レセコン 臨床検査部門 ・電子カルテ 医療事務 ・レセコン その他部門 健診センタ 画像診断部門 ・健診部門情報 システム ・画像診断部門情報システム (RIS/PACS/レポート) ・画像診断機器 診療所 ・画像診断機器 JIRA ・画像情報 システム ・画像診断 機器 市場3400億円( 05) 画像医療システム JIRA画像システム部会を中心とした 医療情報システム関係の活動関係諸団体 内閣官房 IT戦略本部(本部長小泉首相) 松田IT担当大臣 IT推進室 海外 ISO/TC215 Medical Informatics 総務省 官 経済産業省 情報通信政策局 CEN TC251 厚生労働省 医政局 医療機器・情報室:IT推進 医療・福祉機器産業室 HL7 COCIR(欧州) 健康局生活習慣病対策室:健診対策 保健局保険課:レセオンライン、健診 EC DICOM Standards Committee HEASNET 保健・医療・福祉情報 セキュアネットワーク基盤 普及促進コンソーシアム IHE-EU 医療版ISMS ガイドライン策定 サービス産業創出 支援事業(∼H 17 ) 各地方ごとの連携 システム支援事業 JIPDEC 相互運用性 実証実験事業 NEMA (米国) SPC Joint Security & Privacy Committee MEDIS-DC MII Section IHE International JEITA 産 NTTデータ、 NTTコム 富士通、 東芝、 コニカ等等 HELICS 医療情報標準化推進協議会 学 JAMI (日本医療情報学会) JAHIS 医療システム部会 JIRA JJI連絡会議 ACC 医用画像システム部会 健康福祉システム部会 ePHDS委員会 IHE-NA Initiative IHE-AO 事務局 JPACS (日本PACS研究会) IHE-Jプロジェクト 事務局 RSNA JR3C連絡会議 JSRT (日本放射線技術学会) 医療情報分科会 HIMSS JRC 日本ラジオロジー協会 JRS (日本医学放射線学会) 電子情報委員会 健康管理・医療の流れ − 医療画像の役割 − 医療画像の役割:画像診断による疾患早期発見は国民の健康向上に貢献 健康日本への課題 45 --日本人のがん罹患率・死亡率-- 年齢調整死亡率の推移 肺がんに注目 40 35 胃 肺 肝臓 大腸 乳房 膵臓 30 25 20 15 10 5 • • 80 1995年 27.1人 2015年 38.7人 肺がん罹患率(人口10万人当り) 1995年 2015年 0 1995年 肺がん死亡率(人口10万人当り) 2015年 31.5人 53.4人 年齢調整罹患率の推移 • 70 60 胃 肺 肝臓 大腸 乳房 膵臓 50 40 30 20 2015年 0 1995年 2015年 73% 他の死亡率例:胃がん 28%、 大腸がん 29% • 10 どれだけ肺がんで死亡するのか? 1995年 86% 肺がんは死亡率も罹患率もこの20年間 で上昇傾向であり、撲滅のターゲット 出典:2005年版国民衛生の動向(厚生労働省) 肺がんへの対応を例として 国内における肺がん罹患率、死亡率が増加 (働く人に襲いかかる命にかかわる病気) どう対応していくべきなのか? • 短期的展望 ・肺がん早期発見・早期治療推進 ・低線量らせんCTを用いた肺がん検診 による早期発見の推進 医療費削減(1) 画像診断の改善(2) (地域・職域健診で胸部単純X線検査の廃止の動き) • 長期的展望 ・行政・マスコミを巻き込んだ 禁煙活動推進 禁煙効果は、実に30年後に! 解決策 地域施設連携による 読影医不足のカバー 早期がんと進行がんの治療効果と医療費削減 ※室料差額を除く ※がんの予後は,5年生存にて治癒とみなす 出典:JIRA画像診断の経済的効果PARTⅡ 早期がんの発見には画像診断の寄与するところが大きい! 早期発見による経済的効果 推定患者数(万人) 肺がん 乳がん 6.0 3.6 早期がん 進行がん 早期がん 進行がん 治療費(万円/人) 現状 患者比率 治療費総計(億円) 142 233 53 276 22% 187 78% 1,090 60% 114 40% 401 100% 1,398 0% 0 100% 994 早期発見できなかったとしたら 患者比率 0% 治療費総計(億円) 0 現状との差(億円) 更に早期発見が進めば 患者比率 60% 治療費総計(億円) 511 40% 559 80% 153 20% 199 現状との差(億円) 合計 1,793 合計 2,392 -599 合計 1,422 371 画像診断の現状と問題点 ・医療機器の高性能化 – 数mmの腫瘤も撮影が可能 早期発見が可能 – 1回の診断画像枚数が増大 10枚 1000枚オーダになり、 読影に時間がかかる • 日本の放射線科医は、約3000人と少なく負荷が重い • 患者の検査待ち時間が長い 数日 1ヶ月 • 過去の画像を他の病院で見ることができないので、 過去画像と比較した診断ができていない → 早期発見の機会を逃し、治療費・死亡率の増加を招く 日本における地域医療画像連携の現状 A大病院 患者:検査待ちが長い B健診センタ 精密検査 肺がんの疑い 放射線読影医 読影医不足 比較読影できない 画像 保存 画像保存 × × C中規模病院 Dクリニック Film 画像保存 患者 Film(手持ち) 2nd オピニョン 施設間を結ぶ地域画像連携が必要 医療情報IT化の現状と促進案 • 医療施設内:医療情報連携の検討は進んでいる – 画像医療システムは、グローバルビジネスのため世 界標準への対応が進んでいる(DICOM、IHE) – 電子カルテ等の医療情報は、検討が進んでいる段階 → 行政の強力なリーダシップによる、画像医療システ ム相当レベルへの早急なるキャッチアップ • 医療施設間:画像・医療情報とも連携は遅れてい る → 標準化の進んでいる医療画像情報を用いた地域連 携で先鞭をつける 医療データ連携実現イメージ ストラテジ 患者の生命に関わる様々な画像検査結果や 治療経過を、高度のセキュリティシステムの もとに、安全・安心に管理し、必要時に瞬時 に取り出すことができることにより、最適な診 療を受けられるシステムの運用 各開業医 かかりつけ医 への受診 医療データの 問い合わせ 医療データ台帳 管理センタ 医療データの 取り寄せ 画像検査の 受診 セキュアなネットワークインフラ 各医療機関 医療データの 登録 各健診センタ 健康診断の 受診 画像データバンク 画像データバンク 今回の画像検査データの保管・管理 以前の画像検査データの保管・管理 施設間医療データ共有の実現案 ・医療データ台帳に登録された他の医療・保健福祉施設の 診療情報を診療に活用する ・診療情報のデータそのものは、各施設が管理する 共有データ データの存在場所 医療データ D医院 C医院 医療データ E病院 施設間で相互にデータがセキュアにアクセスできる 医療データ台帳 地域中核病院 あるいは データセンター A健診施設 医療データ (検診データ) B介護施設 F保険者 医療データ 医療データ 実現のために解決すべき課題 • 診療情報の患者本人性を確認する基盤の確立 • 全ての関連施設間を、セキュアに接続できる標準的な ネットワークインフラの整備 • 複数施設にまたがるデータ所在を管理する方式等の 開発と標準化、および運営主体とその管理責任を明確 にするガイドラインの作成 • 医療全体としての経済的効果を含めたビジネスモデルと 評価指標の明確化 • 医療機関における関連システム導入費用負担の軽減策 立案 実現のためのシナリオ • 標準規格と実装の進んでいる“画像”を用いて、画像連 携のモデル構築(全国で2、3ヶ所)を行う – 診療情報の患者本人性を確認する基盤の確立 → 官 – 全ての関連施設間に、セキュアに接続できる標準的なネット ワークインフラを整備 → 例:HEASNET – 複数施設にまたがるデータ所在を管理する方式等の開発と 標準化、および運営主体とその管理責任を明確にするガイドラ インの作成 → 産官学コンソーシアム – 医療全体としての経済的効果を含めたビジネスモデルの明確 化と評価指標の明確化 → 官産(画像情報ビジネスモデルはJIRA) – 医療機関における関連システム導入の費用負担の軽減策立 案 → 産官学コンソーシアム 期待される効果 • 経済的効果 – 画像診断による効率的早期発見の実現 • 患者の社会復帰にかかる期間の短縮による生産 性の向上 • 重症化する患者の減少による医療費の削減 • 患者のQOLの大幅な向上 • 国民の健康向上への効果 – より効率的な検査が行われ、重複検査等の削減 – 患者に対する被曝低減に寄与 – 検査待ち時間の短縮