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ガスセグメント

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ガスセグメント
各 セグメントの 営 業 概 況
1 ガスセグメント
豊岡エネルギー
福井県
岐阜県
中部電力との連結
パイプライン検討
滋賀県
京都府
大津市営ガス
愛知県
滋賀ライン
篠山都市ガス
兵庫県
●
●
近畿幹線第2西部ライン
西脇ガス
中部電力
四日市火力発電所
近畿幹線
第3西部ライン
三重県
近畿幹線
京滋ライン
中山名古屋共同発電(株)
名古屋発電所
近畿幹線
第2西部ライン
姫路製造所
大阪府
●●
●
近畿幹線
第1東部ライン
凡 例
高圧幹線(既 設)
奈良県
湾岸ライン
高圧幹線(計画中・建設中)
名張近鉄ガス
(株)ガスアンドパワー
インベストメント酉島 中山共同発電(株)
エネルギーセンター 船町発電所
主要導管(既 設)
近畿幹線
第2東部ライン
泉北製造所第一工場
泉北製造所第二工場
桜井ガス
主要導管(計画中・建設中)
本社・事業所・支社など
大和ガス
研究所
河内長野ガス
製造所
洲本ガス
五条ガス
製造所+発電所
発電所
近畿圏内の
大阪ガスグループ以外の
ガス事業者の供給エリア
和歌山県
ガス販売量の推移 (百万m3、45MJ/m3)
ガスセグメントの事業エリア
0
2,000
4,000
6,000
’03.3
2,298
966
3,686
約30%を占め、顧客数は約660万戸に達し、全国の約
’04.3
2,304
985
3,734
’05.3
2,238
1,039
3,865
2,327
1,058
3,938
(株)
の供給区域は、近畿2府4県の72市38町に及びま
す。供給区域の面積では、
約3,136km2、ガス導管の延長
は約55,800kmとなっており、
着実に増加しています。
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
’06.3
見通し
家庭用
8,000(百万m3、45MJ/m3)
550 168
大阪ガス(株)のガス販売量は80.5億m 3 で全国の
25%を占めます。2005年3月31日時点の大阪ガス
16
豊岡地区を含む
7,687
559 182
’
03.3月期
↓
’
06.3月期
605 305
8,053 平均伸び率2.4%
7,766
594 336
商業用
工業用
公医療用
8,252
他ガス事業者向け
全国ガス販売量に占める当社シェア
日本におけるガス事業の特徴
大阪ガス
● 日本のガス会社は、
全国で200社以上あります。但し、
27.6%
販売量では、当社単独で全国ガス販売量シェアの約3
割を占めるように、
マーケット全体では大手数社による
寡占状態です。
● ガスの主な原料となるLNGは、
ほとんどが海外からの
2004年4月∼2005年3月販売量(社)
日本ガス協会ホームページより
輸入に依存しています。
● 諸外国に見られるような、国際・国内を連結・貫通する
天然ガスと石油の可採年数比較
輸送幹線網はありません。
● ガス事業に関しては、
上流である天然ガスの輸入・備蓄・
製造から、
下流であるマーケティング部門までが分割さ
65
天然ガス
51
石油
れずに一貫された経営となっています。
資料:Oil and Gas Jounal 2003/12, 2004/3
化石燃料の燃焼生成物発生量の比較(石炭=100)
天然ガスの特性
天然ガスの特性として
● 他の化石燃料と比較して、環境負荷が小さいこと
● 石油のように特定の地域に偏在せず、かつ埋蔵量が
石油と比較して、豊富であること
CO2
SOX
NOX
石炭
100
100
100
石油
80
68
71
天然ガス
57
0
20-37
資料:火力発電所大気影響評価技術実証調査報告書
(1990.3 エネルギー総合工学研究所)
IEA(国際エネルギー機関)Natural Gas Prospects
(1986)
が挙げられます。こうした点から、
「 21世紀は天然ガス
の世紀」と言われ、天然ガスの需要は今後さらに増加
が見込まれています。当社グループでは「環境に優し
い」エネルギーを中心的に取り扱っていることが、事業
展開上の強みともなっています。この傾向は、京都議
定書の発効に伴う環境意識の高揚と共に、ますます強
まりつつあります。
天然ガスを燃料とする
酉島エネルギーセンター150MW発電所
電気事業・ガス事業の規制緩和
規制緩和経緯と今後の予定
電気事業
自由化範囲
全国販売量
シェア
1996年
2000年
2.00MW以上
26%
ガス事業
主なポイント
自由化範囲
全国販売量
シェア
電力卸事業(IPP)の導入、
原料費調整制度の導入
200万m3/年以上
36%
託送供給の導入、
原料費調整制度の導入
特定規模電気事業者の創設
100万m3/年以上
2004年
0.50MW以上
40%
振替供給料金の廃止
2005年
0.05MW以上
63%
卸電力市場の創設
2007年
主なポイント
40%
託送供給の義務化(大手4社)
3
50万m /年以上
44%
託送供給の義務化
10万m3/年以上
50%
資料出所:「電力自由化・新制度の徹底解説」
(電気新聞編)、2002年都市熱エネルギー部会資料
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
17
各 セグメントの 営 業 概 況
1 ガスセグメント
エネルギーを「使い切る」工夫をすることが、環境面でも経済面でも重要です。
お客さまの立場に立ったエネルギーのベストミックス提案によって、
他エネルギーとの競合に打ち勝ちます。
ECOWILL販売計画(千台)
家庭用ガスマーケティング
’04.3
3.2
家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム
8.0
’05.3
「ECOWILL」は、発電をしながら給湯・暖房も可能な画
’06.3
10.0
見通し
期的製品であり、本格的販売は2005年3月期で二期目
となります。
トータルの光熱費を抑制できる高効率性や
快適性の点でお客さまからご好評をいただき、2005年
家庭向け主要製品の販売台数(千台)
’01.3
’02.3
72
94
81
3月期の年間販売実績は8千台、累計で11千台となっ
124
166
このほか、家庭用ガス販売の増加への寄与の大きい
172
’03.3
’04.3
93
’05.3
94
206
’06.3
93
200
浴室暖房乾燥機
ステムがあり、
いずれも販売拡大に注力しています。
197
173
ガス温水床暖房
商品としては、
ガスファンヒーターやガス温水床暖房シ
188
90
見通し
ています。
177
燃 料 補 給 の 手 間が不 要などのメリットを持つガス
215
ファンヒーターの普及率は既に30%を超えており、
既購
入者の買い替え需要に加え、他燃料暖房器具からの切
233
ファンヒーター
替等による新規需要も引き続き増大しています。
こうし
た需要増加にお応えし、かつ低価格でご提供するため
に、家電量販店への販売網拡大を進めています。
ガス温水床暖房システムも、足元からの快適な暖房で
ある点や、室内の空気を汚さない点などをご評価いただ
き、順調に販売を拡大しています。特に、分譲タイプの新
築集合住宅では、ほぼ標準装備として採用されるまでに
なっています。近年は、新築市場だけでなく、近畿圏約
630万戸の既築住宅に対し、
リフォームと併せて床暖房
の導入を提案していくなど、
さらなる普及に努めています。
ガス発電・給湯暖冷房システム ECOWILL
18
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
業務用ガスマーケティング
都市ガスは、鉄鋼・金属・化学・機械等、さまざまな工
業用分野の基幹エネルギーとして重要な役割を果たし
ており、他の一次エネルギーと比べて省エネルギー性・
蓄熱燃焼方式により、
35∼50%の
消費エネルギー削減を可能とする
リジェネバーナ
省スペース性・クリーン性に優れていること、お客さまの
さらにコージェネレーションシステムは、大規模商業施
ニーズを的確に捉え、高い技術に基づくきめ細かい提案
設から病院・ホテル・小規模店舗まで、
さまざまな規模の
営業活動を行うことにより、
需要が拡大しています。
お客さまにご採用いただいています。特に、1999年3
工業用途では、
工業炉やボイラーなどの熱需要分野は
月期 から中 小 店 舗 等 向 けに発 売して いる電 力 容 量
もちろん、
冷却工程やクリーンルームといった冷熱需要で
9.8kW等の小型コージェネレーションシステム
「ジェネ
も利用が進んでいます。
さらに熱と電気を同時に作り出す
ライト」シリーズが好評で、既に1,400件以上の導入
コージェネレーションシステムは、
工場操業において大幅
実績をあげています。
な省エネルギーを実現するシステムであり、
社会的な分散
型電源ニーズの高まりを背景に、
普及が進んでいます。
ガス空調累積設置容量の推移(千RT, 百万m3)
0
商業用・公用・医療用のガス販売も、
ガス空調やコー
ジェネレーションシステムでのご利用を中心に増加して
2,000
’02.3
調システムが既に主流となっていますが、中小型のビル
’03.3
3,000 (千RT)
2,582
’01.3
います。大型ビルではガス吸収冷温水機を中心にガス空
でも個別空調ニーズに対応できる利便性等からガス
1,000
2,765
イックマルチ」は、既設の冷媒配管をそのままお使いい
664
2,941
706
ガス開発
量換算
740
3,082
’04.3
ヒートポンプエアコンの普及が進み、
ガス需要の押し上
げに貢献しています。また、2003年3月期発売の「ク
620
’05.3
3,232
776 ’06.3
3,396
815
見通し
ただけることが好評で、既築ビルの空調リニューアル時
0
300
ガス開発量(百万m3)
設置容量(千RT)
を中心に販売を拡大しています。
900(百万m3)
600
天然ガスコージェネレーションの一般概念
従来方式による発電システムの例(火力発電)
コージェネレーションシステムの例
発電所
コージェネレーション
ガス製造所
40
一次エネルギー
(石油、天然ガス、石炭など)
100
4
56
利用されない排熱
(海などへ破棄)
電気
エネルギー
パイプライン
一次エネルギー
(天然ガス)
100
送電ロスなど
25 ∼ 40
電気
エネルギー
35 ∼ 50
有効利用
可能排熱
20 ∼ 30
エネルギー利用
40%
エネルギー利用
利用困難な排熱
70 ∼ 80%
発電効率は1998年の実績値より算出(LHV基準)
出典:社団法人日本ガス協会「ガスコージェネレーションシステム」
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
19
各 セグメントの 営 業 概 況
1 ガスセグメント
お客さまの課題を顕在化すること。そして、問題解決に必要な商品や
システムを開発し、最適な組合せとしてご提供すること。技術力に支えられた、
この「エネルギーコンサルティング力」が大阪ガスグループの強みです。
コージェネレーションシステム
コージェネレーションシステムとは、
お客さま先に設置し
た設備によって、
発電を行った上で発電の際に発生する排
熱を回収し、
空調や熱処理等に活用するシステムです。排
熱を有効利用する点と、
お客さま先で発電するために送電
ロスが少ないことから、
エネルギー利用効率は約7∼8割
まで向上します。
大阪ガスブランドの
コージェネレーションシステムの強み
①高い発電効率
既存の火力発電所の平均的な効率が約40%であるのに
対して、
当社の最新鋭機では約43%の発電効率を達成し
ています。
これによって、
コージェネレーションを導入する
ことでコストメリットが出るお客さまの層が拡大しています。
②安心のサービス・メンテナンス
遠隔監視システム「エコーライン」等を通じたメンテ
ナンス体制により、業界屈指のサービス・メンテナンス
水準を持っています。
③幅広いファイナンススキーム
発電効率約41%を誇る、最新技術を取り入れた1,000kwクラス最高効率エンジン
「設備資産を保有したくない」、
「原料費の変化による料
金の変動を一定にして欲しい」等のお客さまニーズに
コージェネレーション累積設置状況
0
300
600
900
’01.3
956
’02.3
1,052 1,057
1,274
1,213
’04.3
’05.3
’06.3
1,403
見通し
0
設置容量(MW)
500
1,000
大阪ガス
1,703
1,500
ストックボリューム、換算は、1kW=約1.32千m3
スチームタービン・社内設備等を含み、IPP等独立電源を除く
ガス開発量換算には、
コージェネテクノサービス名義を含まない
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
1,719
1,852
2,000(百万m3)
コージェネテクノサービス
ガス開発量換算(百万m3)
20
ナー向けには、区域外でのコージェネレーション事業を
1,619
1,495
1,290
当社供給区域外にもチェーン店舗を持つシリーズオー
1,495
1,366
ています。
④区域外への対応
1,402
1,121 1,176
’03.3
お応え出来る、様々なファイナンススキームを用意し
1200 1500 1800(MW)
行う子会社(株)コージェネテクノサービスと連携する
ことで、
一括してご要望にお答えします。
⑤多彩なバリエーション
都市ガスだけでなく、
バイオガスを燃料とするエンジン
や、
植物への二酸化炭素供給を含めた農業用システムな
ど、
多彩なバリエーションを用意しています。
以上の強みによって、当社グループのコージェネレー
ション累積設置容量は既に約149万kWに達しています。
大阪ガス供給区域での今後の需要増加への対応と共に、
西日本の各ガス事業者との連携も進めています。
天然ガスインフラの拡充
地域連携の強化
LNGタンクやLNG気化器等の基地インフラについて
従来より実施している近畿地方のガス会社4社への
は、現有設備で将来的な安定供給が確保できます。高圧
卸供給に加えて、2004年4月から西脇市の伊丹産業
ガスパイプラインについては、需要の増加する地区、及
び供給の安定性向上のための設備を中心に、以下の2
(株)向けへの卸供給も開始しました。
近畿圏のガス事業者からの事業譲り受けについては、
路線の建設を計画しています。
先方からのお申し出に沿い、当社の投資採算性を吟味し
①「滋賀ライン」
ながら実施しています。近年では、三木市・天理市・名張
滋賀県南部地域の需要拡大と供給の安定のために、
近鉄ガス(株)
・篠山市・城崎町からガス事業を譲り受け
滋賀県内の草津市と多賀町間を連絡する「滋賀ラ
ています。
イン」約46kmを建設中です。
この地域では、潜在的
なガス需要量は2億m3程度あると見込んでいます。
このほか、中国・近畿・北陸地方において、LNG基地
やパイプラインから天然ガスを購入できないガス事業
者に対してタンクローリーで供給を行うLNG卸事業に
②「三重・滋賀ライン」
京都∼滋賀間における供給能力の向上と供給安定性の
も、従来から積極的に取り組んでいます。
向上を目的として、中部電力(株)の四日市火力発電所と
また、各地方のガス事業者と共同でガスコージェネ
当社滋賀ライン上の多賀ガバナステーションとを連結す
レーションの普及を進めていくために2000年に設立し
るパイプライン約56kmの建設を計画決定しました。
た(株)
コージェネテクノサービスも、2005年3月末に
はお客さま先でのコージェネレーション累積設置容量が
滋賀ライン
2007 年竣工予定
径 600mm,
延長 46km
姫路ライン
03年9月竣工
径 600mm,
延長 5km
三重・滋賀ライン
建設計画
径 600mm,
延長 56km
20万kWを超えるなど、順調に実績を伸ばしています。
中部電力
四日市火力発電所
4MPa以上の
高圧導管
京滋ライン
03 年 10 月竣工
径 750mm,
延長 46km
姫路8号 LNG タンク
03 年9月竣工
18 万 kl
製造・供給設備の拡充
宇治川架管橋
LNG・天然ガスの販売先
(注) は導管卸供給
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
21
各 セグメントの 営 業 概 況
1 ガスセグメント
契約、
カルハットLNG契約のための輸送契約などは、
この
原料調達/天然ガス資源開発・輸送ビジネス
方針を具体化する施策です。
資源開発事業については、
天然ガス調達に関しては、既存契約における価格体系
①LNGプロジェクト化を目指したガス田開発への参画
の見直しや、相対的に廉価な新規契約への切替等によっ
②自社がLNGを購入するプロジェクトへの少数株主とし
て、エネルギー事業の価格競争力確保に努めていきま
ての参加(液化プロジェクトのみへの参加を含む)
す。また、天然ガスバリューチェーンの上流側への事業拡
③生産中の油・ガス田権益の取得
大のために、LNG輸送および資源開発事業に進出してい
の3つの類型を対象に事業の拡大を目指しています。
現時点で実施中の案件としては、オーストラリア北部
ます。
輸送事業の主な内容は、自社がFOB契約で購入する
海域ガス田開発への参加やインドネシアにおける生産中
LNGを輸送するためのLNG船を子会社の大阪ガスイン
のガス田鉱区への出資があげられます。
ターナショナルトランスポート経由で所有し、輸送コスト
を透明化し、
コスト削減を実現することです。また、LNG
グレーターサンライズ ガス田
契約の立ち上がり期に発生する船腹余力を用いた他社
エバンスショール ガス田
向けの輸送を行うことによる収益の獲得も目指していま
す。西オーストラリアの拡張LNG契約を主目的とした輸送
LNGタンカー「ジャマル」
オーストラリア北部海域
ガス田の鉱区
ガス事業の上流部門としての位置付けだけではなく、
LNGの売買・輸送等のトレーディング事業や、資源開発事業を
新たな発想によって能動的に進めています。
世界の主な天然ガス埋蔵国と大阪ガスの天然ガス調達先
カナダ
1.6
旧ソ連
55.3
カタール
25.8
アルジェリア
4.5
サウジアラビア
6.6
ナイジェリア
5.0
中国
1.5
イラン
26.6
世界の天然ガスの
確認埋蔵量
アブダビ
5.6
オマーン
0.8
171兆m 3
マレーシア
2.1
大阪ガスの天然ガス調達先
オーストラリア
0.8
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
メキシコ
0.4
主な天然ガス埋蔵国
ブルネイ
0.4
インドネシア
2.6
22
アメリカ
5.4
出典:Oil & Gas Journal
(2004年12月20日号)
ベネズエラ
4.3
各 セグメントの 営 業 概 況
2 LPG・電力・その他エネルギーセグメント
2005年に出資を行ったスペインのIPP設備
エネルギー事業間の垣根が低くなることは、当社にとってエネルギービジネスの
幅を広げるチャンスでもあります。大阪ガスグループは、
マルチ化と広域化で、規制改革を先取りする事業展開を進めていきます。
天然ガスインフラ設備を活用出来ます。更に最新鋭の
電気事業への進出
コンバインドサイクルガスタービンを使用することで、
発電コストを低減できます。
電気事業は、天然ガス事業についで、上流インフラ・
③ 既存のガスコージェネレーションをお使いいただいて
提案営業力・お客さまとのネットワーク等当社グループ
いるお客さまをターゲットとして、電気・ガスのワンス
の強みを発揮できる事業分野です。当社では、電気事
トップでのエネルギー提供が可能です。
業に関する規制改革の進展をビジネスチャンスと捉え、
電力ビジネスの展開
以下の強みを持って電気事業に進出しています。
① 卸電力事業用の発電所(IPP)を現在 3 基 450MW
保有しています。長期契約に基づいて、3 基合計で年
特定の顧客への
特定の顧客への
「電力」営業
「マルチエネルギー」提案
(MW)
3,500
広域展開
電源調達イメージ
3,000
間売上高約 180 億円の安定収益が期待出来ます。
2,500
更に 05 年 3 月期には、米国テキサス州とスペインの
2,000
IPP の一部取得(当社保有分約 700MW)計画を決
1,500
定しました。
② 泉北で計画している 1,100MW の発電所について
「電源コージェネ」
自社電源
(泉北、姫路)
1,000
海外IPP
500
0
国内IPP
’03.3 ’04.3 ’05.3 ’06.3 ’07.3 ’08.3 ’09.3 ’10.3 ’11.3
は、既存 LNG 基地内に建設することで、既存の用地・
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
23
各 セグメントの 営 業 概 況
2 LPG・電力・その他エネルギーセグメント
ガス・電気事業の複合化
LPガス事業
単に自家使用分を賄うだけでなく、
余剰電気を販売す
LPガス事業は、
(株)
リキッドガス以下14社からなる
るタイプのコージェネレーションシステム
「電源コージェ
リキッドガスグループと、
日商LPガス
(株)
以下18社
ネ」によって、ガス・電気の複合化を図っています。
これ
の日商LPガスグループが展開しています。LPガスの
は、
従来はお客さまの電気負荷に合せる形でコージェネ
販売量は、
2004年3月期比2.6%増の743千トン、
小売
レーションの規模を決めていたものを、
熱負荷を基準に
り顧客数は前期比3千件増の166千件となりました。
することで余剰電気を発生させ、
これを当社グループが
(2005年3月末現在)
買い取り、電源の一つとして電気の小売り事業に活用
2006年3月期には、エコウィル・床暖房などの戦略
するものです。熱をお客さま先で使いきった後の余剰
機器の販売や販売店の買収などにより、
更なる販売量・
電気のため、
割安な電気を供給することができます。
小売り顧客数の増加を目指します。
また、当社グループ
全体でLPガス必要量の一括購入や、物流・配送の合理
事業スキーム例
化・共同化に取組み、原価低減を図ることで利益の増加
A社構内
当社グループ保有CGS
A社構内での使用
を目指します。
電力
エネルギー供給サービス
LPG取扱量(千トン)
蒸気
電力卸売り
電力小売り
0
都市ガス供給
エネット
200
400
600
695
’03.3
大阪ガス
723
’04.3
’05.3
743
’06.3
749
見通し
LPガス事業の拠点図
日商プロパン石油(株)
日成(株)
LPG小売り顧客数(千件)
0
(株)本間燃料店
日商ガスエナジー
(株)
日月ガス設備(株)
日商LPガス
(株)
大阪支店
三新エンジニアリング
(株)
’03.3
(株)
リキッドガス京都
城南オートガス
(株)
(株)
リキッドガス滋賀
湖南野州ガス
(株)
長野プロパンガス
(株)
(株)
リキッドガス兵庫
日商ガス関東
(株)
日商ガス販売
(株)
日商LPガス
(株)
広島支店
50
100
’04.3
163
’05.3
166
’06.3
173
見通し
(有)
ホームガス海老原
東海日商ガス
(株)
日商LPガス
(株)
名古屋支店
愛媛日商プロパン
(株)
エネスキャリー(株)
ダイヤ燃商(株)
三重日商ガス
(株)
高知日商プロパン
(株)
(株)
リキッドガス南部
(株)
リキッドガス
LPガス充墳所
(株)
リキッドガス大阪
日商LPガスグループ
24
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
リキッドガスグループ
150
140
日商LPガス
(株)
本社・東京支店
日商ガスサービス
広島
(株)
800(千トン)
200(千件)
各 セグメントの 営 業 概 況
3 器具及びガス工事セグメント
ガスファンを増やし、ガス販売の拡大に貢献することを目的に事業を展開しています。
当社グループでのガス器具販売事業・ガス工事事業に
ついては、最終的にガス販売の拡大に貢献することを狙
いとして事業展開を行っています。
ガス器具については、
より安価で、
使い勝手の良い器具
安全性・利便性・デザイン性をさらに追及した新商品「ク
ラスS プレミア」
を発売しました。
業務用のガス機器に関しましては、
ガスで冷暖房を行う
ガスヒートポンプ式空調「ガスヒーポン」
や、
ガスコージェ
の開発をめざすとともに、
ガス機器の普及を促進するこ
また、
ネレーションシステムの販売拡大に努めています。
とで、
ガス販売の拡大にも貢献していきます。
マイクロコージェネレーションシステム
(100kW未満の小
家庭用のガス機器に関しては、
ご家庭で必要な電気と
型のコージェネレーションシステム)では世界最高水準と
熱を効率的に作り出す、家庭用ガスエンジンコージェネ
なる発電効率33%の25kWガスエンジンマイクロコー
レーションシステム
「ECOWILL
(エコウィル)
」
の販売拡大
ジェネレーションシステムを開発し、
販売を開始しました。
に努めています。
また、家庭用燃料電池の開発も進めて
またガス工事に関しても、
より安価な工事によってガス
おり、2005年3月には一般集合住宅に設置しました。
管等の設備を導入していただくことで、
ガスのお客さま
浴室暖房乾燥機では、ミストサウナ機能を追加した新
数の増加と住宅内のガス栓の増加を目指します。
商品「ミストカワック」
を発売し、
ガラストップコンロでは、
4 不動産セグメント
グループ内の不動産管理事業をベースに、ガス普及などの点で
エネルギー事業との連携強化を図ります。
不動産関連事業を行う連結対象会社は
(株)
アーバネッ
クス、
(株)
アーバネックス開発、
(株)
アーバネックスサー
の連携を一層強化し、
シナジー効果を最大限発揮するよ
う取り組んでいきます。
ビス、
オー・エス・シー・エンジニアリング
(株)
、
京都リサー
チパーク
(株)など11社で、当期から新たに
(株)アーバ
ネックス開発、
宝エンタープライズ
(株)
が連結対象会社と
なりました。
(株)
アーバネックス、
(株)
アーバネックス開発
などは、主に当社グループの所有する不動産の有効活用
を図るために、
オフィスビル・住宅などの開発・管理を行っ
ています。
(株)
アーバネックスサービス、
オー・エス・シー・
エンジニアリング
(株)、宝エンタープライズ
(株)
などは、
オフィスビルなどの管理・メンテナンスを行っています。
当期のアーバネックスグループは、住宅分譲事業の増
「京都の新産業創出拠点」
として期待が高まる大規模な都市開発プロジェクト
<京都リサーチパーク
(株)
>
加、
オフィスビルの管理事業の伸びなどにより、売上高が
増加しました。
今後は、
不動産の賃貸事業、
住宅分譲事業、
施設管理事
業などの拡大を図るとともに、当社のエネルギー事業と
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
25
各 セグメントの 営 業 概 況
5 その他セグメント
各セグメントでは、事業の自立を前提にWIN-WINの関係を保ちつつ、
シナジーの発揮によってグループ総合力を高めています。
外食・食品事業(キンレイ)
情報処理事業(OGIS総研グループ)
(株)
キンレイは、
和食チェーンレストラン「かごの屋」
を
オージス総研グループの連結対象会社は、
(株)
オージス
中心としたレストランチェーンの経営と、LNGの冷熱
総研、
OGIS International,Inc.、
(株)
宇部情報システム、
利用に端を発した冷凍技術をベースに冷凍麺を中心と
(株)システムアンサーの4社であり、OGIS International,Inc.
した冷凍食品の製造販売を行っています。「かごの屋」
は2005年3月期より新たに連結対象会社となりました。
は、近畿地区で2005年3月末現在47店舗を出店して
オージス総研は、当社のシステム開発を主体として発
います。
(株)
キンレイは当社の連結対象会社です。
2005年3月期の
(株)
キンレイは、
外食
(レストラン)
足しましたが、
現在では当社グループ外へもシステムの設
計・コンサルティング、開発及び運用・維持管理業務など
分野では出店数の増加、食品(冷凍食品)分野では冷凍
幅広いサービスを提供しています。
また、効率的なシステ
調理麺の販売拡大などにより、
売上高が増加しました。
ム開発を行う上で有効なオブジェクト指向技術に関して
今後、外食分野の「かごの屋」に経営資源を集中して
は、
我が国有数の技術を有しています。
出店を加速していきます。2006年3月期には10店を
2005年3月期のオージス総研グループは、
グループ
出店し、関西での基盤を更に強固なものにするととも
外向けシステム開発の受注拡大に取り組みましたが、
利益
に関東圏への進出を図る計画です。食品分野では、新商
率の観点から受注品目を見直した結果、売上高がやや減
品の販売による商品力を強化、ブランド力の向上、販路
少しました。
また、
アメリカでコンピュータシステムソフト
多様化などに取り組み、収益の拡大を目指します。
の設計ツールの開発を行っていたCanyon Blue,Inc.に
ついては、
2004年10月に同社の株式を譲渡しました。
「かごの屋」店舗数の推移(店)
0
’97.3
10
20
40
50
60 (店)
’99.3
た、
M&Aも含めた戦略的アライアンスも視野に入れ、強
16
20
’00.3
’01.3
’02.3
’03.3
’04.3
’05.3
’06.3
見通し
かごの屋<
(株)
キンレイ>
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
今後は、
強みであるオブジェクト/UML分野を中心に、
グループ外へのシステム開発事業を一層強化します。
ま
12
’98.3
26
30
みを活かして、
強固なグループ形成を加速していきます。
24
30
35
38
44
47
57
炭素材・化成品事業
(大阪ガスケミカルグループ)
その他の事業
(オージーキャピタルグループ)
大阪ガスケミカルグループの連結対象会社は、大阪
オージーキャピタルグループは、エンジニアリング、住
ガスケミカル
(株)
、
太陽化成
(株)
(
、株)
ドナック、
上海東
まい、
セキュリティ、
スポーツ、
シルバー、その他サービス
島炭素化工有限公司の4社です。大阪ガスケミカルグ
関連の事業を行う連結対象会社18社で構成されており、
ループでは、当社で蓄積してきた石炭化学の技術を
2005年3月期から新たに(株)ホームプロ、
( 株)オー
ベースにさまざまな産業分野に進出しています。化成
ユーデーなど5社が連結対象会社となりました。
インター
品分野では、化学工業の重要な原料となるコールター
ネットセキュリティ「アイルス」などのセキュリティサービ
ルや粗製ベンゼンから生み出される各種製品を供給し
ス関連事業(大阪ガスセキュリティサービス
(株))、
フィッ
ています。炭素材分野では、携帯電話などに使用される
トネス施設「コスパ」を始めとしたスポーツ施設運営など
リチウムイオン電池の電極材料や、家庭用浄水器や空
のフィットネス事業((株)オージースポーツ)、インター
気清浄器のカートリッジとカートリッジに使用される
ネットを通じたリフォームなどの仲介事業((株)
ホームプ
活性炭、航空機・鉄道車両などの軽量断熱材などの製造
ロ)
、
スーパー銭湯事業
(
(株)
オーユーデー)
などを行って
販売を行っています。ファイン材料分野では、光学機器
います。
向けの高機能材料の製造販売を行っています。
2005年3月期は、住宅設備・機器の販売増加(大阪ガ
2005年3月期の大阪ガスケミカルグループは、
コー
ス住宅設備(株))、
フィットネス事業の拡大、
自動車リース
クス・ベンゼンの市況高騰とファイン材料事業の拡大
事業の拡大
(オージーオートサービス
(株)
)
などにより、
売
などにより売上高が増加しました。
上高が増加しました。
なお、2005年4月に、活性炭事業と木材保護塗料な
今後は、多様なグループ事業の選択と集中を更に推進
どの保存剤事業のトップメーカーである日本エンバイ
し、
フィットネス事業、
セキュリティ事業など、
成長が見込め
ロケミカルズ(株)を含む子会社・関連会社の株式を取
る事業へ積極的に経営資源を投入することにより、収益
得しました。また、同月、製造から販売までの連携を一
の拡大を目指します。
層強化するため、
大阪ガスケミカル
(株)
、
太陽化成
(株)
、
(株)
ドナックを合併しました。
今後は、大阪ガスケミカル(株)と日本エンバイロケ
ミカルズ(株)の技術力・ノウハウを結集することによ
り活性炭などの炭素材事業の拡大を図るとともに、電
極材料、ファイン材料などの成長事業に注力し、事業規
模の拡大を図っていきます。
オージースポーツ直営フィットネス施設
「コ・ス・パ五位堂」
(奈良県)
源気温泉 万博おゆば<
(株)
オーユーデー>
日本エンバイロケミカルズ
(株)の高性能木材保存剤を 2003年8月より稼働している
(株)
フルファインの工場
使用している首里城(沖縄県)
(岡山県笠岡市)
OSAKA GAS ANNUAL REPORT
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