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平成25年5月10日発行
今月の主な内容
●
東京都教育委員会委員に山口香氏が就任
●
教育監の設置について
●
平成25年度教育庁所管予算概要
●
平成25年度教育施策連絡会の開催
●
「東京都教育ビジョン(第3次)」の策定について
●
都内公立学校における体罰の実態把握について(第一次報告)
●
「公益通報弁護士窓口」の設置
●
都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会の設置
●
「都立高校学力スタンダード」の策定及び推進校の指定について
*
*
*
*
● 「都立専門高校技能スタンダード」の策定及び推進校の指定について
●
都立高校中途退学者等追跡調査
*
*
Topic
●
平成24年度子供の体力向上推進優秀校の表彰を実施しました
―――――――――――――――――――――――――お願い―――――――――――――――――――――――――
※タイトル右に「*」マークがあるものは、詳細が東京都教育委員会ホームページに掲載されているもの
です。記事内にアドレスを表示してありますので、ぜひホームページを御覧ください。
※東京都教育委員会ホームページには、上記以外にも様々な記事が掲載されています。ぜひ御覧ください。
PDF 版は、改ページ等の関係で Web 版と文言・記事の順序等
平成25年5月10日発行
が若干異なる場合があります。御了承ください。
東京都教育庁総務部教育情報課
TEL
03(5320)6733
-
東京都教育委員会委員に山口香氏が就任
平成25年4月1付けで、山口
香(やまぐち
-
かおり)氏が東京都教育
委員会委員に就任しました。任期は、平成25年4月1日から平成27年1
2月20日までで、4月3日に猪瀬都知事から辞令が手渡されました。
山口委員は、昭和59年開催の第3回世界女子柔道選手権大会で日本女子
初の金メダルを獲得、さらに全日本選抜柔道体重別選手権大会を10連覇す
るなど、国内外の主要大会で輝かしい経歴を残してきました。
現役引退後は、オリンピック女子柔道競技コーチとして後進の指導に当た
ってきました。その功績を評価され、文部大臣顕彰や文部科学大臣顕彰を受
彰しています。
現在は、日本オリンピック委員会理事を務め、2020オリンピック・パラリンピックの東京招致活
動に携わるなど、オリンピアンとしてスポーツの振興に尽力しています。また、筑波大学体育系准教授
としてスポーツに関する人材育成にも力を注いでおり、ジュニア選手の指導にも積極的に取り組んでい
ます。各地で開催されている児童・生徒を対象とした柔道教室講師や体育教員向けの指導講師を務める
など、スポーツを通じた教育活動に数多く携わっています。
-
教育監の設置について
-
平成25年4月1日付けで、既設の「理事」を「教育監」に改める組織改正を行い、同日付けで高野
敬三教育監が就任しました。
新たに設置された教育監の職責は、
「学校教育の専門的事項に関する事務につき、教育長を補佐し、こ
れらの事務を整理する。
」というもので、
「学校教育の専門的事項」とは、教育課程、学習指導その他学
校教育に関する指導に関する事業をいいます。
現在、小中高一貫教育校の設置検討、学力向上施策の充実、いじめ問題、体罰問題への対応など、喫
緊の教育課題が山積しています。
これらの課題の解決に向けては、教育の専門職員と行政系職員が部を超えて一層緊密に連携し、局を
挙げた取組が必要であると同時に、学校現場の実情に即したきめ細かな対応が必要です。
今回の組織改正は、学校現場を良く知る教員系のトップである「教育監」が、教育の専門職員と行政
系職員の力を統合し組織横断的に対応することで課題解決に向けて教育長を補佐し、教育改革を加速さ
せる体制を整えるものです。
- 平成 25 年度教育庁所管予算概要 -
事項
1 教育委員会及び事務局の運営
予算額
266 億 1,800 万円
2 小中学校の運営
4,247 億 3,900 万円
3 高等学校の運営
1,239 億 8,800 万円
4 特別支援学校の運営
624 億 7,800 万円
5 教職員の福利厚生
17 億 1,100 万円
6 退職手当及び年金
622 億 6,300 万円
7 教育指導の充実
78 億 8,100 万円
8 社会教育の振興
72 億 8,300 万円
9 都立学校等施設整備
389 億 6,200 万円
計
7,559 億 2,300 万円
-
平成25年度教育施策連絡会の開催について
-
東京都教育委員会は、本年度の教育施策連絡会を、4月 12 日に区市町村教育委員を対象に都庁大会
議場で、また、15 日に公立学校長(園長)を対象に中野サンプラザのサンプラザホールで開催しました。
教育施策連絡会は、毎年度当初、都教育委員会の主要施策について説明し、理解を深めるために開催
しています。
今年度は、木村委員長及び比留間教育長が両日ともに出席し、教育行政や主要施策の概要について説
明しました。
12 日の連絡会では、日本体育大学の角屋重樹教授による基調講演のほか、都と区市町村教育委員会と
の情報交換・意見交換等の場として、
「学力向上について」のパネルディスカッションを実施しました。
また、15 日の連絡会では、公務の都合で欠席された猪瀬都知事から、学校長向けにビデオメッセージ
をいただきました。
知事、委員長、各委員及び教育長のお話は次のとおりです。(15 日のお話の概要を、実施順に掲載し
ています。なお、山口委員は所用のため欠席)
【各委員のお話は次ページ以降に掲載】
知事ビデオメッセージ(全文掲載)
東京都知事の猪瀬直樹です。公務の都合によりまして、教育施策連絡会には出席できませ
んが、日頃、校長先生、園長先生方の御尽力、毎日大変ですが、感謝申し上げます。
教育委員として、今度、『五体不満足』の乙武さんを任命しました。やはりマイノリティ
を含めて多様な生き方を子供たちに分かってもらう、そういう提案していただこうかと思
っています。
そして、女子柔道の山口香さん。体罰の根絶、女性として、あるいは、アスリートとして、
そういう思想・考え方を教育に反映させていきたいということで、教育委員に任命しまし
た。
こうした方々とともに東京都の教育改革を進めていきたいと考えています。
今回の予算で、具体的に、スクールカウンセラー700 人を 1,400 人に倍増して、小・中・
高全ての学校にスクールカウンセラーを配置できることになりました。また、都立高校生
の留学支援の枠を 150 人から 200 人に増やします。更に、都立高校生の場合は、1泊2日、
学校に泊まってもらいます。これは、被災者の経験をきちんと学ぶということです。そし
て、朝起きたら見回りをする。こういう1泊2日の訓練を昨年から始めましたが、更に内
容を充実させたいと考えています。
また、小中高一貫教育校を考えています。これには準備が必要ですが、新たな教育の形を
提起することになると思います。
そして、最も力を入れたいこととして、「言葉の力」に皆さんに着目していただきたいと
思います。
これから、国際社会においてグローバルな人材を教育でどのように育てることができるか。
今、本を読んだことを5分で話すビブリオ・バトル(書評合戦)を行うことを考えていま
す。ビブリオとは、「書物」という意味のラテン語です。若い人たちにゲーム感覚でビブリ
オ・バトルに参加してもらう。東京都で「ビブリオ・バトル首都決戦」というものを大学
の学生たちを集めて毎年実施していまして、今年で4回目になりますが、都立高校生、あ
るいは、首都圏の高校生にビブリオ・バトルの高校大会を行うことを考えています。その
ためには、まず本を読まなければいけないし、その内容をつかんで話す必要があります。
それだけではなく、言語能力向上推進校を 130 校から 200 校に拡充します。先日、4月
1日の入都式で、入都式というのは、東京都の職員になる 1,700 名の新入社員ですが、彼
らに対して一つ言いました。クラーク博士が札幌農学校で言った「Boys, be ambitious」と
いう言葉は、そのまま訳すと「野心を持て」という言葉になりますが、明治時代の人は「少
年よ、大志を抱け」と訳しました。つまり、どういう言葉を用いるか。先生方は日頃から
一つ一つ言葉を選んでいますが、どのような言葉を当てはめるかによって世界は変わりま
す。子供たちに、言葉というものについての洞察力をつけることが大事です。
そして、
「Boys, be ambitious」は、
「大志」とは、自分の大きな夢を持つことと、その大
きな夢がみんなの夢になることを意味します。自分だけではなく、みんなが自分の夢を追
い、みんなの夢になる。それが大きな志です。そういうことを、ただ道徳教育で言っても
なかなか理解できない。常に言葉をどう選ぶかというところから考えてください。
2020 年東京オリンピック・パラリンピックが今年決まります。その中で、スポーツを通
じて、一人一人ばらばらだったものが一つになっていくことができるかもしれない。そう
いう目標が大事です。昨年、ロンドンオリンピックが開催されましたね。ロンドンオリン
ピックはうまくいきました。みんな、ばらばらだったものが、ロンドンオリンピックを開
催するとなったら、一つの目標ができたわけです。先進国というのは、途上国とは違って、
一つの目標を持つことが非常に難しいです。ロンドンオリンピックはそういうことで非常
に成功しました。もちろん、日本人選手も活躍して、銀座で 50 万人のパレードがありまし
たね。
2020 年の東京オリンピック・パラリンピックを考えながら、一つの目標に向かう。今の
子供たちは、まさに7年後のオリンピックの主役です。招致地の決定にオールジャパンで
取り組んでいきたいと思います。特に、学校で子供たちに夢を語っていただきたい。そし
て、子供たちが自ら大きな志がある夢を持つように、皆さん、一緒に盛り上げてください。
【木村委員長】
私は、かなり長い間、正委員として 12
年間、中央教育審議会の委員を務めました。
さらに臨時委員として教育振興基本計画
立案の部会に所属しています。
日本人にはリーダーシップが不足して
いるということについて、私は、大きな問
題だと思っていました。一度リーダーシッ
プについての議論をすべきではないかと、中央教育審議会で校長先生方のリーダーシッ
プについての議論をすることになりました。
実際に報告書が出ましたが、日本の報告書の欠点の一つとして、目標ははっきり書きま
すが、どうしたらリーダーシップが発揮できるかということがほとんど書いてありませ
ん。
そのようなことから、少し例を挙げてお話ししたいと思います。
リーダーシップというのは広い概念であり、いろいろな要素を含んでいます。その一つ
が、最近盛んに使われています「ガバナンス」という言葉です。これは完全に企業用語
で、もともとはコーポレート・ガバナンス、会社の統治能力のようなものですが、それ
を学校に当てはめ、組織をどのようにしてうまく運営していくかということが、グッド・
ガバナンスであると私は解釈しています。
前にお話ししていますが、このガバナンスが見事に機能した英国の例を紹介させていた
だきます。
教育委員長教育長協議会連合会の海外視察で、英国のパブリック・スクールを見学させ
てもらいました。ロンドンのテムズ川の南側にあるサザークという非常に貧しい地区に
英国国教会の学校があります。
日本では、教会の学校というとミッション・スクールを想起され、エリートを育てる学
校というイメージをお持ちなるかもしれませんが、そもそも教会は貧困家庭の子供たち
に教育をするということから発したところが多く、英国国教会が手を差し伸べてここに
学校を設立しました。
現在では、11 歳から 18 歳までの女子が勉強する中等教育学校になっています。1903
年に設立され、既に 100 年以上経っている非常に歴史のある学校ですが、ここ 50 年ぐら
いは荒れた学校になってしまいました。
この学校が余りにもひどい状態となったので、校長を公募することになり、42 歳の女
性の先生が校長に選ばれました。この先生は、その学校がこんなにひどい状況になって
いることは全く知らず、一度だけ教会系の学校で校長を務めたいと考えて応募されたと
本人から伺いました。
着任して驚いたことに、国教会の学校だからきちんと運営されていると思ったら、大変
荒れ果てた状態になっているということで、一時は後悔されたようです。しかし、着任
したからには何とかしなければいけないと、まず実行したのは、その学校にいる教員や
職員がどういう能力を持っているかをつぶさに観察したそうです。人間というのはそれ
ぞれ違った才能を持っている、必ず何かの才能を持っているはずだと考え、それを観察
されたそうです。普通、英国では荒れてしまった学校に新任の校長が赴任すると、必ず
何人かの教員をクビにしてしまいます。この学校において、彼女は一人もクビにしなか
った。どういう能力があるか徹底的に観察したわけです。3年目くらいから、この先生
は生徒に対してこういう接し方をすれば絶対に能力を発揮する、この職員はこういう仕
事をさせれば必ず能力を発揮するということで、その後、校長の方針と合わなく自ら退
職した人以外は全員、職員も教員も残ったということで、非常に稀有(けう)な例だと
教育界の人からも聞きました。
勉強の意欲がない生徒に学習意欲を持たせるため、教える教員の得意・不得意、生徒の
得意・不得意をマッチングさせること行いました。当時、英国にはナショナル・カリキ
ュラムがなく、自校で教材を作成していたわけですが、教員と生徒の組み合わせに合う
ような教材を徹底的に研究し、作成したそうです。
この学校は、貧困家庭の生徒が多いほかに問題を抱えていました。
英国ではフリー・スクールミールという制度があり、ある年収以上に達しない家庭は給
食代がただになります。フリー・スクールミールに該当する生徒が 50 パーセント近くい
ましたが、普通は1割以下ですから、50 パーセントというのは大変な数字です。
もう一つは、難民の生徒が多くおり、例えばナミビアにいた頃に目の前で両親が殺され
たような精神的なケアを必要とする生徒が実に 25 パーセントくらいいるそうです。また、
エスニック・グループが多く、700 人くらいの生徒がいるのですが、家庭で話される言葉
を合計すると 52 か国語という大変な数を扱っています。
そのような難しい状況の中で、この校長先生は職員、教員の得意な分野を探して、生徒
たちにコンタクトしてもらい、5年くらいの間に学校を改良しました。
英国では毎年スクール・インスペクションというものを実施しており、二、三年続けて
成績が悪いと学校が閉鎖され、教員もクビになってしまうという非常に厳しい学校視察
を実施しています。
このスクール・インスペクションで、その校長先生が赴任されてから七、八年以降は、
英国でも有数の優秀な学校になっていました。インスペクションは五十何項目かのチェ
ック項目がありA、B、Cで評価されます。多くの学校を視察しましたが、Cが一つは
入っている、あるいは、Bが二つ、三つ入っている学校がほとんどでした。しかし、こ
の学校は、ほとんどがAで、Bが一つか二つ、Cはない、こういう立派な学校に育てて
います。
私は、校長先生にあなたはどのようなことに一番気を使い、立派な学校に変えたのです
かと、伺いましたところ、特別なことをしたわけではないと。ただ、自分の信念として、
人間一人一人がそれぞれ才能を持っているので、それを生かすことを考えたとおっしゃ
っていました。これはまさしくガバナンスです。学校という組織をいかにうまく機能さ
せて、目的を達成するかということです。このように、ガバナンスということを是非、
先生方には意識していただきたいと思います。
横浜国立大学に、日本で初めてエコロジーを提唱した宮脇先生という方がいまして、盛
んにあちこちに木を植えられています。彼は独特の方法で、古代の日本の植物地図を作
成し、どこかに木を植える場合は、そこに昔あった木や亜種を植えることで森づくりに
成功されています。その際に、一つだけ大事なこととして、その亜種の木が嫌いな木を
少し植えるそうです。そうするとお互いに競り合って、短期間に大きな林ができるとい
う話を伺いました。
日本人はその傾向が強いと思いますが、英国などを見ていると、平気で自分が余り好き
ではない人間も自分の周囲に置きます。好きな人間だけを周りに置く組織は、いずれは
駄目になってしまいます。人事配置等におかれましても、あの人はうるさいけれどもし
ようがないと思い、その人も何らかの能力をお持ちですから、是非そういうことを考え
て、ガバナンスというのは組織を作り、それをいかに動かすかということですから、そ
ういうことでお考えいただければと思います。
日本は、教育には大してお金を使っていませんが、それでも教育がうまくいっているの
は先生方の御努力のおかげです。今後、先生方にかかる期待はますます大きくなると思
います。
教育が滅びたら日本は間違いなく滅びます。先生方には今後とも是非、よろしくお願い
したいと思います。東京都教育委員会もがんばりますので、一つ皆さんにもがんばって
いただきたいと思います。
【内舘委員】
私は、この3月に、日本財団の仕事で
カンボジアに行ってまいりました。世界
遺産であるアンコールワットのすぐ近く
のシェムリアップ市で、何よりも実感さ
せられたことがあります。校長先生は当
たり前のこととおっしゃられるかもしれ
ませんが、身にしみて実感したこととし
て、教育が人間の基本を作るということでした。
御承知のとおり、カンボジアはポル・ポト政権下で 170 万人から 200 万人が虐殺され、
長い内戦があった国です。知識層を虐殺、文字が読めるというだけでお父さんやお母さ
んを殺されたという何人もの人に会いましたが、教師は皆殺しだったそうです。それは、
知識層は悪しき資本主義を広めるからと今に伝わっていますが、国はまだ貧しくて、教
育を受けていない子供もたくさんいました。労働する子供も多いし、家でも子供の労働
を当てにせざるを得ない状況がありました。
今は、教育は大事なことであると、たとえ貧しくても子供を学校に通わせようという気
運が大変高まっているそうですが、日本のように当たり前に学校に通って、当たり前に
教育を受けている国から行きますと、驚くことがたくさんありました。
アンコールワット周辺に行きますと、子供が物売りをするなどたくさん働いています。
私が一番ショックを受けたのは、アンコールワットでは絵葉書などを売りに寄ってくる
子供たちの多くが、ドロドロに汚れたパジャマを着て、裸足の子も多くいることでした。
アンコールワットの近くで5歳くらいの女の子が、大きなビニール袋を引きずって歩い
てきました。まだ若くて 30 代くらいでしょうか、疲れて顔色が悪いお母さんが座ってい
ました。女の子がビニール袋をお母さんに渡し、お母さんが袋の中を見た後、女の子を
すごい勢いで張り倒しました。その時に、お母さんの手元のビニール袋から空き缶が幾
つかこぼれました。女の子は空き缶を拾っていたようで、お母さんは働きが悪いという
ことで殴ったのでしょう。お母さんも自分の子を殴りたくて殴ったわけではないでしょ
うが、普通ならば学校に行っている時間に子供が働いている、親はその子供の働きをも
あてにしなければいけない。すさんでいるから、殴り飛ばすということになってしまう。
殴られた女の子は立ち上がって、またそのビニール袋を引きずって歩いていきました。
また拾いに行ったのだろうと思います。そういう光景をいろいろなところで目にしまし
た。
しかし、カンボジアの人たちは基本的には明るく優しくて、非常にジェントリーで良い
国でした。その後、シェムリアップ市の中心部にあるワットボー小学校という学校を訪
ねました。その小学校を訪ねましたら、教員になる教育を受けた人が非常に少ないため
に、教えるということも非常に大変なのだそうです。文字が読めない先生もいると聞き
ました。
その学校に行ったときに、教育は人間の根幹を育てるということを実感したのですが、
子供たちの顔がまるで違いました。日本にいたら絶対に気が付かないことだと思いまし
た。それまで私たちは何日も、一生懸命に働き必死に生きている子供たちばかり見てき
ました。初めて訪ねた公立の小学校で教育を受けている子供たちを見たときに、教育を
受けるとこういう顔になるのかと感じました。
2013 年のワットボー小学校の全児童数は、幼稚園児から6年生までの全児童数が 5,404
人です。一つの学校に 5,000 人以上いるわけです。教職員が、男性 27 人、女性 93 人、
計 120 人です。学級は 96 クラスです。96 クラスと聞いた時、全部で 96 クラスかと驚き
ました。平均して1クラス 50 人です。それで3部授業です。国からは、年間一人当たり
130 円の予算があるそうです。実際にそこで授業も見せてもらいましたが、子供たちの誇
らしげな顔「見て、僕は教育を受けているんだ」と、本当にうれしそうでした。
私たちを歓迎するというので、教室で簡単なコンサートを開いてくれましたが、ピアニ
カがあり、リコーダーがあって、電子ピアノがありました。子供たちは、私たちに、演
奏している自分が誇らしくて「見てる?」というような感じでした。
とにかく、本当に良く学ぶし、日本のことも聞きたがるし、日本ではどうしているのか、
何を食べているのか、寒いのか、暑いのかと、わーっと寄ってきて話を聞きます。みん
な制服を着ています。校長先生にお話を伺ったら、決して豊かな家の子供ばかりではな
いそうです。親は、勉強をさせようと思い、子供は、ほかの子は働いているのに、勉強
している僕、制服を着ている私、ということで大変誇らしげによく学んでいました。そ
の時に、働いている子供たちも見ているだけに、子供たちはこんなにもがんばっている
ということを実感しました。
幾つか話を聞きましたら、最初の頃は、先生になる人たちがどうしてもいろいろなこと
を覚えきれないというのです。覚えきれないというのは、算数や国語を覚えきれないと
いうことではなく、ごみはごみ箱に捨てましょうということを覚えるのに1年近くかか
ったそうです。それまでは、その辺に捨てていたわけです。つまり、ごみ箱に捨てると
いう習慣がないために、そのことに慣れていないわけです。決まった時間に学校に行き
子供と接するという習慣がない。これは結局、全て教育が原点であると。きちんと学校
や家庭で教育されていれば、こういうことはないのですと校長先生もおっしゃっていま
した。今は、一気に伸びている小学校で、先生方も非常に生き生きとしていました。
そこで、ふと日本のことを思いました。日本には今、伸び代があるのだろうかと。私が
小学生の頃は、まだ日本そのものがこれから上に伸びようとする時期でしたから、日本
そのものに伸び代があったと思います。行き着くところまで行ったという状態になって
いる現在、果たして伸び代はあるのだろうか。学校に通うことが当たり前で、恵まれて
いることが当たり前で、戦争がないことが当たり前となったときに、子供たちにこうい
う不幸なことがある、考えなさいということは、言っても難しいだろうと思います。自
分のこととして考えることはできないだろうと思います。
私自身も、カンボジアに行って初めて、教育を受けている子供と受けていない子供では
こんなに顔が違うのかと、行って初めて分かりました。
そのときに私が考えたのは、これからの日本は、子供たちの目をとにかく外部に向けさ
せることだと思いました。東京都では、留学制度がありますから、どんどん外を見てい
らっしゃい、そして日本に帰ってきて、あなたが何をすべきか考えましょうということ
を進めていますが、どんどん応募し、とにかく半年でも、1年でも外を見てもらいたい
と。見てくると、いろいろなことが自分のこととして理解できます。机に着きながら、
不幸な人のことを考えましょう、こんな国もありますと言っても、それはわからない。
日本よりももっと爛熟(らんじゅく)の極みにあるような、いろいろな国を見ることも
必要だろうと思います。是非、外に目を向けることを、先生方からもつついてほしいと
実感しました。
世界のあらゆる国を、日本の若い子が見て、日本に帰ってきた際に、それは実に大きな
ことであり、個人にとっても、国にとっても大きなことになるでしょうし、つまりは、
それが国の伸び代というものになるのではないかと思いました。
今、「八重の桜」という大河ドラマが放映されています。会津藩の人たちは、戊辰戦争
に負けて、現在の下北半島のずっと外れのほうに追いやられました。会津の人たちは、
食べるものもないのに学校を作りました。学校を作り、子供を教育した。私は、そうい
う日本人がいたことを誇りに思います。是非、先生方から何か外に目を向ける方法、手
立てを支援していただきたいと思います。
【竹花委員】
まず、今年は、いじめ、体罰の問題
について皆さんにお話しします。この
問題は、昨今、大きな反響を呼ぶ事件
が幾つか起こり、大きな議論を呼んで
いる状況にあります。そうした状況を
受け、東京都教育委員会も、東京都に
おけるいじめや体罰の実態について早
急に調査を行うとともに、必要な対応
をとることで進めてまいりました。皆さん方に調査のお手数を煩わせたのではないかと
思います。体罰の問題については現在もなお調査中でもあります。
なぜ、こういう対応をするのかということについては、理由があります。それは、いじ
めや体罰が起こった学校、あるいは、その学校内の問題にとどまらないからです。なぜ
防げなかったのか、早く発見し適切な措置を講ずるべきであった、問題を隠そうとした、
あるいは、先生をかばおうとしたという非難が学校当局に向けられたわけですが、さら
に、監督する立場にあった教育委員会が仕事をしていないのではないか、この教育委員
会は駄目であると。教育委員会制度そのものを変えるべきであるという意見まで登場し
ています。
いじめや体罰は重要な問題ですが、個々の児童・生徒、教員にとっても、それにとどま
らないところから、私ども東京都教育委員会としても、この問題にしっかり対処したい
と考え、皆さんに御協力をお願いした次第です。
今回、体罰の調査を実施し、中間報告を事務局から受けました。これまでのところ、都
内 126 校、155 人の主に教員が加害者となる体罰事案があることが報告されました。ま
た、その疑いがあるものは 384 校、666 人の先生方が関わる案件があると報告を受けて
います。
学校現場において問題が早く発見されること、あるいは、様々な機会を設けた先生方の
対応ぶり、他の問題とバランスを取りながら、児童・生徒に対する教育が必要ですし、
また、先生方としては、発見が遅れがちになることが多いこの種の問題について、何か
あるかもしれないという感覚で御対処いただくよう、皆さん方にお願い申し上げる次第
です。
次に、都立高校の推薦入試制度についてです。本年3月、新たな推薦入試の取組を行い
ました。現在、その成果と課題を調査・検討しているところです。これまでの報告によ
ると、中学校、高校とも、7割を超える方々が推薦入試の改善について御評価をいただ
いている状況にあります。これまでは調査書点で合否がほぼ決まっていた実態が改善さ
れる契機になった、あるいは、受検生の思考力・判断力・表現力・コミュニケーション
能力の向上が重要であることが教員や生徒にも伝わり、その準備をする機会が得られて
きたなど、今回の推薦入試制度の狙いに沿った成果を指摘してくださる方々も多くいま
した。
東京都教育委員会は、推薦入試本来の意義を取り戻すよう工夫し、今、児童・生徒たち
に求められている自分の意見を人に伝え、人の意見を聞き、みんなで意見交換ができる、
そうした力の向上にふさわしいような方法があるのではないかという観点から、推薦入
試の改善を行いました。
来年度以降もしっかりと定着させたいと考えています。これからまだ意見を求め、改善
すべき点は改善しなければなりませんが、取りあえず実施した状況としてお伝えしてお
きたいと存じます。
次に、自尊感情をどう高めるかということです。自尊感情の問題については、2011 年
度の本教育施策連絡会、実は、3.11 の大地震によって中止になりましたが、その際に文
書で皆さんにお届けしています。御参照いただきたいと思います。
他方、自尊感情の問題は、どう解決するかということを考えてみますと、やはり学力を
どう向上させるかという点で真っ向勝負をしなければなりません。昨年も申し上げまし
たが、私たちは、子供たちの学力を平均点で測定してきたのではないでしょうか。平均
点というのは、何がその学力の向上を妨げ、今後、どう向上させればいいのかを考える
上で、参考にならないのではないか。平成 23 年度から個々の児童・生徒の学校ごと区市
町村ごとに、成績の状況を見てみようと始めました。平成 24 年度の結果についても、皆
さん方に配付されたかと思います。
先週の金曜日、区市町村教育委員会の方々と、学力向上の問題についてパネルディスカ
ッションを実施しました。その議論の中で、同じ学年、同じクラスに幅広い学力を持っ
た児童・生徒がいる中で、特に蓄積が必要な科目をどう教えていくかについては、「個」
の能力に即した教え方を更に検討・工夫することが必要ではないかという意見が、区市
町村教育委員会の側からも出ていました。
日本青少年研究所が実施している調査を見てもらうと分かりますが、日本の児童・生徒
は自信を持たなさすぎです。自分をだめな人間だと考えている児童・生徒が圧倒的に多
い。この状況を変えないと、「生きる力」を持たせる、社会に出て役に立つような人材を
ご
育成する、グローバル社会において伍して闘える日本を作る人材を養成することはでき
ません。「確かな学力の定着」などときれいごとを言っていても始まらないと思います。
本気になって正面から取り組みたいと私は考えています。
児童・生徒が元気に育っていく上で、それを妨げているものがあれば、改善すべきだと
考えています。これについては、皆さん方からも意見をいただきたいと思います。
次に、教職員の不祥事案と公益通報制度についてです。皆さん御存知だと思いますが、
毎年、50 名から 100 名が懲戒処分を受け、その内 10 名ないし 20 名の免職者がいます。
数が大変多いです。この数の多さに世間が余り大きな非難を寄せないことを、私は不思
議だと思っています。私は警察に長くいて監察の業務に対応してきましたが、これだけ
の数があれば、警察幹部の誰かは責任を取って辞めますね。しかも、どう改善するのか
という対策を一つも打ち出さないまま、延々とこの状況を続けていることは信じられな
いことです。
懲戒処分案件の報告で、よく感じることとして二つあります。一つは、免職される人た
ちは自分が行う行為が社会の中でどういう評価を受けるのか、それが特に法的にどのよ
うな評価を受けるのかについて無知だということです。
もう一つは、世間知らずの点です。もし早く誰かが気が付いて、早めに措置できれば、
取り返しのつかない事態にならなかったと思われる案件があります。
私は、公益通報制度が教育行政の世界ではどう生かされているのか聞きました。
皆さん、そういう制度があることも知らないでしょう。東京都教育委員会で公益通報制
度を利用しているのは年間で1名でした。
これを活用しようと、東京都教育委員会の事務局は工夫しました。間もなく通知が届く
と思いますが、この公益通報制度は匿名で出せるようにしてあります。公益通報の中身
が、犯罪に当たるか、ルール違反に当たるか、そういう難しい判断はしなくて結構です。
おかしいと思ったことについては、何でも報告してくださいとしてあります。通報は、
東京都教育委員会の総務課が受けることにしていますが、弁護士事務所にも外部窓口を
設置します。
この制度を活用してもらうことを、職員の皆さんに教えてほしいと思います。それは先
生のためであり、組織のためでもあります。
最後に、最近の教育行政をめぐる動きについて、一言だけ申し上げます。いじめ問題の
対応を巡って、教育委員会制度の在り方等を見直そうという動きが生じています。私ど
も教育行政を預かる者は、教育の政治的中立性を守る責任があります。これは、教育行
政に携わる者の責務です。
いじめや体罰の問題があった場合、知事も各区市町村長さんも選ばれた議員の皆さんも、
東京は大丈夫かと思われると思います。選挙で選ばれた方々の任命と同意を得て選ばれ
た存在である私たちには、そうした任命した方々、同意した方々が何を心配されている
のかを、必ず頭に置いて対処していく責任があります。
今の教育委員会制度の見直しの提言は、学校教育の政治的中立性を失わせ、管理を圧倒
的に強める方向に動いていくことを、皆さん、どうぞよく承知しておいていただきたい。
私たち教育行政に関わる者、学校現場で教育を預かる人たちが連携し、多くの人たちの
不信を取り除くための責任があるということを認識していだきたいということをお願い
したいと思います。
【乙武委員】
僕のような人間が教育委員に任命され
て驚かれた方も多いのではないかと思い
ますが、僕自身も驚いています。教育委員
が、公選制から今の任命制に切り替わり約
50 年になるそうですが、その歴史の中で
は、36 歳での就任は史上最年少になると
聞かされ、ますます身が引き締まるような
思いがしています。
僕以外の皆さんは、実績もあり見識豊かな方々で気後れするばかりですが、任命してい
ただいたからには、なるべく僕なりの色を出して、僕だからこそできることは何だろう
かということを考えながら、しっかり活動していきたいと考えています。
他の方々にはない僕なりの経験から申しますと、2007 年4月から3年間、杉並区立の
小学校で教員を務めさせていただきました。3年間というのは非常に短い年月ではあり
ますが、そこで得られたこと学んだことが多くありました。
皆さんと違って、これだけ珍しい体をしていますので、小学校で教員を務めるとなると、
面白いことがたくさん起こりました。一口に小学生といっても、1年生から6年生まで、
年齢の一番広いこともあり、また、発達段階の過程でもあり、差異がとても大きいわけ
です。
面白かったのは、低学年の1年生や2年生の児童です。とにかく無邪気な年齢ですから、
僕の体を間近に見て、遠慮もなくいろいろ疑問をぶつけてきてくれます。「先生、なんで
手足ないの?」「その車椅子、どうやって動かすの?」「字はどうやって書くの?」
、いろ
いろなことを聞いてくれました。「それはこうやるんだよ。」と答え、実際に見せてあげ
たりすると、すぐに心の壁を取り払って打ち解けることができるようになりました。
僕のような体をした人間に、年齢が低いうちに触れ合うことは、とてもプラスになると
考えていました。例えば、「障害者に対する差別や偏見をなくそう。」というメッセージ
がありますが、大事なメッセージと思いますが、僕自身はそれ以上に問題になっている、
壁になってしまっていることがあるのではないかと感じています。
それは、「慣れていない」ということです。例えば、僕がこの電動車椅子に乗って街中
で子供たちとすれ違うと、指を指されて「うわぁ、なんだあれ。」
「うわぁ、気持ち悪い。」
などと言われたりもします。この場面だけを切り取ると、何て失礼なことを言う子供た
ちだと思われるかもしれません。ここで少し考えていただきたいのは、子供たちは車椅
子の人に偏見を持っているから指を指すのでしょうか。差別をしているから気持ち悪い
と言うのでしょうか。僕は、違う話だと思っています。
人間は、今まで自分が見たことがない、得体の知れないものを初めて目の当たりにする
と、大人、子供を問わず思わず身構えてしまう。これは別に差別や偏見ではなくて、本
能ではないかと思います。だからこそ、どんどん慣れていくことが大事かと思います。
障害の有無だけではなく、国籍や人種、宗教など、様々な違いを乗り越えていく上で、
差別や偏見をなくそうというメッセージを声高に叫んでいくことも大事かもしれません
が、それ以上に、僕は教育の場で、違いがある子供たちが同じ環境で学ぶ、また、同じ
環境で働く、そうしたことが進んでいくことが本当の意味でのバリアフリーにつながっ
ていくのではないかと感じています。
目に見てすぐには分かりにくい違いに対する理解や配慮が、これからの大きな課題にな
っていると感じています。その筆頭で言えば、発達障害です。
恥ずかしながら、僕は、教員として学校現場に赴く6年前まで、発達障害の子供に会っ
たことがありませんでしたし、それがどういうものなのかという実態もつかめていませ
んでした。教師として学校に行って、そこで彼らの姿を目の当たりにすると、驚きもし
ましたし、どうしたものかとぼう然としてしまったのが正直なところです。
実際に僕が勤務していた学校で1人、軽度ではない発達障害であろう児童がいて、奇声
を発して廊下を駆けだしてしまったり、パニックになると暴れてしまったり、そういう
児童がいました。ある日、水泳カードを彼が忘れてきてしまい、自分だけがプールに入
れないことに対して納得ができなくて、パニックを起こしてしまいました。僕が彼のケ
アに当たる形で教室に行きましたが、手当たり次第に椅子を投げとばしたり、机を倒し
たりいろいろと手当たり次第に投げつけるという状況を間近で見て、不覚にも涙が流れ
てきてしまって、何の涙なのかと自分で考えたときに、彼自身のもどかしさということ
をとても感じました。彼も、そうしたくてしているわけではない。できることならみん
なと同じように、自分もしっかりとルールを守り、授業にはしっかりと取り組みたい。
でも、感情の整理がうまくできない。
理解がなく、正しい知識を持っていない教員は、
「やる気がない。」
「ふざけないで。」と
いうような言葉掛けをしてしまうこともある。一方で、机の後ろにダンボールで作った
囲いを用意し、パニックになったら、若しくは、なりそうだと感じたら、そこでクール
ダウンしなさいと、指示を送る教員もいる。知識の違いだけで児童への対応が変わって
きますし、また、そうした対応によって、児童の学び・育ちも大きく変わってくること
も、僕自身が学ばせていただきました。
手がかかる子供がいると、
「なんで分からないの。」とついつい声を荒らげてしまったり、
眉をひそめてしまったりという場面もあるかと思います。しかし、それは「困った子」
ではなく「困っている子」です。その本人も困っていて、どうしていいか分からない、
そういう状態であることを現場の人間がしっかりと理解する。これは本当に大事なこと
だと3年間で学ばせていただきました。
教師が、この子は面倒だ、手がかかる、そういう態度を見せてしまうと必ずクラスの児
童もまねをします。それこそいじめが起こりやすくなります。しかし、教師が、ほかの
子供たちにはない特別な感性を持った子供である、君の発想はすばらしい―もちろん、
正すべきところは正した上で、時にはしっかり認めてあげることによって、クラスのほ
かの児童も、この子はこういうことが苦手だけれども、この部分ではすばらしい、前は
こういうところが駄目だったけれど彼なりに努力してできるようになったと、認めてく
れるようになります。現場の一人一人の接し方が、児童・生徒の雰囲気づくり、クラス
づくりに大きく影響するということも感じました。
僕自身が教育委員として何ができるかということでは、学力向上については大きな命題
であると思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思っていますが、僕の境遇・経
験を考えた場合、少数派の子供たちの視点を意識していきたいと思っています。
障害以外でも人種や国籍、宗教であったり、セクシュアル・マイノリティの児童・生徒
がいる場合もあるかと思います。教員・学校現場の側が、正しい理解をすることで、そ
うした少数派を支えていく、受けとめていくことが大切になってくるのかなと思います。
もう一つ、僕自身ができることとして、教員として学校現場での経験があることかと思
っています。教育という分野は、ともすると、あれもこれもと詰め込んでしまいがちで
す。ここ数年の動きだけでも、IT 教育や英語教育、道徳もしっかりと学習していくべき
ではないかと。個別に言うとそのとおりで、実施したほうがいいです。
しかし、現場からすると、あれもこれもと盛り込まれても、どのように実現するかとい
うことが正直なところだと思います。何かをお願いする際には、何かを引き算していく
ことも必要ではないか。また、教員の負担を軽減していく、それが都民から批判されて
しまうことを恐れずに、少しでも負担を減らしていくことが、教育の質の向上、児童・
生徒にとってプラスになるということを現場での経験から、しっかりと主張していきた
いと思っています。
若輩者であり、皆さんから見ると経験が少なく不安に思われる方もいらっしゃるかと思
いますが、自分自身の経験も生かして、現場の児童・生徒のため、そして、先生方とと
もに、しっかりと教育のために歩んでいきたいと思っています。
【比留間教育長】
公立学校長の皆様には、日頃から東京
都教育委員会の教育施策に御理解、御協
力をいただき、心から御礼申し上げます。
また、平成 24 年度中は、いじめ及び体罰
の実態把握のための緊急調査の実施につ
いて御対応いただき、ありがとうござい
ました。
昨年 12 月、猪瀬知事が誕生し、新知事のもと、東京都全体として新たな施策展開のた
めの予算編成が行われ、新年度を迎えました。都教育委員会は、新たな都政の展開を踏
まえつつ、これからの社会を生き抜く力を、全ての子供に身に着けさせ、次代を担う人
材を育成するという教育の目標の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。引き続
き、御理解と御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
本日は、今般、都教育委員会が策定しました「東京都教育ビジョン(第3次)」及び平
成 25 年度の教育庁所管事業予算などについて御説明申し上げます。
まず、本ビジョンの基本的な考え方について御説明します。
「1
策定の経緯」ですが、都教育委員会は、これまで、平成 16 年に「東京都教育ビジ
ョン」を、平成 20 年には「東京都教育ビジョン(第2次)」を策定して教育改革を進め
てまいりました。また、平成 23 年に、東京都の新たな長期ビジョンである「2020 年の
東京」が策定され、国においても教育基本法の改正、学習指導要領の改訂などが行われ
ました。
「2
社会の変化と教育が果たす役割」ですが、グローバル化の進展など社会が急速に
変化する中で、教育が果たす役割がますます重要になっています。このような状況を踏
まえ、教育基本法に示された理念の実現や、東京都教育委員会の教育目標にのっとった
教育を推進するため、教育基本法に基づき、東京都の教育振興基本計画として、
「東京都
教育ビジョン(第3次)
」を策定しました。本ビジョンは、平成 25 年度から5年間を中
心に、今後、中・長期的に取り組むべき教育の基本的な方向性と主要施策を示したもの
です。
「3
東京都が目指すこれからの教育」ですが、本ビジョンの基本理念を「社会全体で
子供の『知』
『徳』
『体』を育み、グローバル化の進展など変化の激しい時代における、
『自
ら学び考え行動する力』や『社会の発展に主体的に貢献する力』を培う。」としました。
この基本理念を実現するために、今後の教育について、「五つの視点」を重視して、「10
の取組の方向と 23 の主要施策」を定め、様々な教育施策を展開してまいります。
「10 の取組の方向と 23 の主要施策」について、御説明します。
まず、「取組の方向1」の「学びの基礎を徹底する」では、全ての子供たちに基礎・基
本を定着させ、学ぶ意欲の向上を図ります。
また、「取組の方向2」においては、基礎・基本の定着の上に、個々の能力を最大限に
伸ばします。そのために、思考力・判断力・表現力等を育成し、時代の変化や社会の要
請に応える教育を推進するとともに、国際社会で活躍する日本人の育成に取り組みます。
「取組の方向3」においては、豊かな人間性を培い、規範意識を高めます。そのために、
人権教育を推進するとともに、都独自の道徳教育教材の活用や様々な体験活動を通じ、
道徳心や社会性を身につける教育を推進します。
また、「取組の方向4」においては、社会の変化に対応できる力を高めるとともに、実
社会において社会的・職業的に自立を図る教育を推進します。
「取組の方向5」においては、「総合的な子供の基礎体力向上方策(第2次推進計画)」
に基づき、子供たち一人一人の基礎体力向上を図るとともに、オリンピック・パラリン
ピックに関する学習を推進します。また、全国大会などのより高い目標に向けて競技力
を向上させ、都立高校におけるスポーツ全体の底上げを図ってまいります。
「取組の方向6」においては、健康・安全に生活する力を培います。そのため、子供た
ちの健康づくりを推進するとともに、「自助・共助」の精神と実践力を兼ね備えた人材を
育成する取組や「安全教育推進校」の実践研究の推進を通して、防災教育及び安全教育
を推進します。
ただいま御説明申し上げた取組を、学校の現場で具体的に推進する原動力は一人一人の
教員です。しかし、皆様も御存知のとおり、ベテラン教員の退職に伴う大量採用の時期
を迎え、若手教員の資質向上が喫緊の課題になっています。
そこで、「取組の方向7」においては、教員の資質・能力の向上を図ることを目指して
います。そのため、優秀な教員志望者を養成し、確保するとともに、現職教員の資質・
能力を高めます。また、優れた管理職等を確保し、育成するための取組を進めてまいり
ます。このような、人材育成上の施策を推進していくためには、各区市町村教育委員会
や各学校との連携を欠かすことができません。改めまして、皆様の御協力をお願いいた
します。
「取組の方向8」においては、質の高い教育環境を整えます。そのため、「都立高校改
革推進計画」及び「東京都特別支援教育推進計画」を着実に実施します。また、いじめ
の問題に関する総合的な対策を実施するなど、児童・生徒一人一人に応じた手厚い支援
体制を構築します。さらに、学校の組織力の向上や、非構造部材を含めた学校の耐震化、
校庭の芝生化など、学校の教育環境の整備を進めます。
「取組の方向9」においては、家庭の教育力向上を図ります。福祉の専門家等の活用に
より、家庭教育を担う保護者への支援体制の充実を図るとともに、知事部局との連携を
図り、仕事と子育ての両立に向けた取組を促進し、保護者の教育参加を推進いたします。
「取組の方向 10」においては、地域・社会の教育力向上を図ります。そのため、地域
等の外部人材を活用した教育を推進するとともに、地域における子供の多様な活動を充
実させます。
都教育委員会は、区市町村教育委員会や各学校との連携をこれまで以上に強化し、本ビ
ジョンに示した施策を着実に推進し、東京都における教育の一層の充実を図ってまいり
ます。
次に、今年度の都教育委員会の教育施策等について簡潔に御説明します。
平成 25 年度歳出予算は、教育費全体で 7,559 億 2,300 万円、対前年度比 0.8 パーセン
トの増です。当初予算が対前年度比で増になったのは6年ぶりのことです。その内訳は、
給与関係費が 6,660 億円で前年度とほぼ同額、事業費が 899 億 2,300 万円、対前年度比
で約 63 億円、率にして 7.5 パーセントの増となっています。
次に、平成 25 年度の学校職員定数の合計数は 6 万 3,102 人で、前年度と比較して 129
人の増となっています。主な事項ですが、中学校第1学年において、35 人以下の学級編
制が可能となるよう、中一ギャップ加配を完成させます。都教育委員会では、平成 22 年
度に小一問題・中一ギャップの予防・解決のための教員加配を導入し、計画的に教員加
配を拡大してまいりました。国においては、35 人学級化の定数改善計画が見送られるこ
ととなりましたが、東京都としては、これまでの施策の検証結果や区市町村からの要望
等を踏まえ、学級規模の縮小のみならず、少人数指導、ティーム・ティーチングなど、
学校の実情に即し、各学校が最適な方法を選択できるよう、都独自の弾力的な制度とし
て実施いたします。
次に、平成 25 年度の教育庁の主要事業について御説明いたします。
「取組の方向1」では、「学力向上施策の充実」を図ります。小・中学校対象の新たな
事業として、
「学力向上パートナーシップ事業」を実施します。区市町村教育委員会と連
携して、中学校1校とその近隣校2校程度からなる重点地区を、都内8か所指定し、基
礎的・基本的事項を徹底するための指導方法等を研究・開発していただき、いわゆる学
力を底上げするためのモデルをつくります。
また、小学校4年生までに習得すべき基礎的・基本的事項の反復学習に活用する教材「東
京ベーシック・ドリル」を、国語・社会・算数・理科の4教科で作成します。
都立高校では、「都立高校学力スタンダード」として各学校が自校の学習目標を具体化
し、その達成に向けた組織的な指導を行うとともに、この目標を踏まえた学力調査を新
たに実施します。
「取組の方向2」では、言語能力向上推進事業を実施します。今年度は、新たに「高校
生書評合戦首都大会(仮称)」を開催します。次に、理数教育推進のため、中核的な役割
を担う「理数フロンティア校」を指定し、児童・生徒の興味・関心を高める効果的な指
導方法の研究や教材の研究・開発を実施します。また、科学に興味・関心の高い中学生
を対象として、科学の専門家による講義や実験・野外実習などを実施する「東京ジュニ
ア科学塾(仮称)」を開設します。さらに、小・中学校の教員を対象に行う理科の講座を、
現在の8講座から 37 講座に拡大するなど、研修の充実を図ります。
都立小中高一貫教育校の設置に向けた検討を進め、世界に伍(ご)して活躍できる人間
を育成するため、理数を中心とした新たな教育モデルの構築を目指します。
「取組の方向4」においては、キャリア教育を推進するため、都独自の手引書を作成し、
小・中・高校の全教員に配布し、系統的なキャリア教育の推進を目指します。また、小・
中学校においては、外部人材を活用したキャリア教育のモデル的な取組を 10 地区で実施
します。都立高校においては、企業・NPO との連携により、都立高校生の社会的・職業
的自立を支援する教育プログラムを、普通科高校 30 校において実施するとともに、中途
退学者などの復学等に向けた支援事業を実施します。
「取組の方向8」においては、いじめに対する総合対策を実施します。これまでも、ス
クールカウンセラーを活用し、児童・生徒等の相談に応じる中で、いじめや不登校など
の問題解決に成果を上げてきました。そこで、平成 25 年度からは、スクールカウンセラ
ーを約 700 名から 1,400 名程度へと倍増し、全公立小・中・高等学校へ配置しました。
配置されたスクールカウンセラーを有効に活用することにより、校内における相談体制
の充実を図り、いじめ等の未然防止、早期発見・早期対応に取り組んでいただきますよ
うお願いいたします。また、過去の重大な事案や最近の事案を基に、深刻な事態に至ら
ないようにするための具体的な方策、関係機関との連携の在り方等について、いじめに
関する総合的な研究を実施し、本年8月を目途に成果を取りまとめます。
「耐震化の推進」、
「冷房化の推進」の二つの事業は、いずれも平成 24 年度で終了予定
でしたが、東日本大震災の影響等で工事が大幅に遅れるなどの状況もあり、補助事業の
延長を行います。また、体育館の天井材などの非構造部材の耐震化に対しても、新たに
支援を行います。
最後になりますが、いじめや体罰は、子供の人権を侵害する重大な問題であり、子供た
ちの教育に携わる全ての関係者にとって喫緊の課題です。4月 11 日に、体罰等の実態調
査結果について第一次の報告を行いました。この内容については御覧いただいていると
思いますが、東京都の公立学校において昨年1年間に、体罰を行った者が 155 人という
結果については極めて重く受け止めています。この調査結果を踏まえ、都教育委員会と
しては、体罰調査委員会の設置による事実関係の解明、体罰のない部活動指導の在り方
を検討する委員会の設置、弁護士が受け付ける通報窓口の設置等、実効性のある対策を
講じてまいります。部活動はもとより、あらゆる場面で、体罰を、全ての学校から一掃
していく決意でおります。
以上、多岐にわたってお話ししてまいりましたが、都教育委員会は、今後とも、各学校、
区市町村教育委員会の皆様との連携を強化し、東京都における教育の充実に向けて、様々
な施策を積極的に推進してまいります。是非、皆様の御理解と御協力を重ねてお願い申
し上げます。
-
「東京都教育ビジョン(第3次)」の策定について
-
東京都教育委員会では、「東京都教育ビジョン(第3次)」を策定しましたのでお知らせします。
1
東京都教育ビジョン(第3次)とは
本ビジョンは、『社会全体で子供の「知」「徳」「体」を育み、グローバル化の進展など変化の激し
い時代における、自ら学び考え行動する力や社会の発展に主体的に貢献する力を培う』ことを基本理念
とし、平成 25 年度からの5年間を中心に、東京都が今後中・長期的に取り組むべき教育の基本的な方
向性と主要施策を示しました。
今後、東京都教育委員会は、本ビジョンに基づき、国、区市町村、学校及び保護者や地域の協力を得
ながら、東京の教育を推進していきます。
なお、本ビジョンは、東京都における「教育振興基本計画」として位置付けるものです。
2
東京都教育ビジョン(第 3 次)
概要及び本文は、平成25年4月11日付報道発表「「東京都教育ビジョン(第3次)の策定について」
に掲載しています。
※ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/vision3_0411.htm
-
都内公立学校における体罰の実態把握について(第一次報告)
-
都教育委員会は、大阪市立高等学校の体罰による生徒の自殺事件を受け、体罰の疑いがあるような事例
に対しても見逃さずに迅速に対応することを含め、体罰の根絶に向けた取組を行うため、都内の全公立学
校を対象に、体罰の実態把握についての調査を実施しました。調査結果の第一次報告がまとまりましたの
で、お知らせします。
1
調査の概要
(1)調査期間
平成25年1月21日(月)から平成25年3月15日(金)まで
(2)調査対象
都内の区市町村立学校及び都立学校2,184校の校長、教職員及び児童・生徒
(3)調査内容
平成24年度の教育活動における暴力による体罰、精神的・肉体的苦痛を感じる体罰の疑い例の有
無
(4)調査方法
教職員については校長による聴き取り調査、児童・生徒については質問紙調査により実施
2
調査結果の概要
(1)報告数
ア
平成24年度の教育活動における暴力による体罰、精神的・肉体的苦痛を感じる体罰の疑い例が
あるとして、490校962人の行為について報告があった。
イ
このうち、体罰と考えられるものが126校155人、不適切・行き過ぎた指導の疑いがある行
為と考えられるものが、384校666人であり、今後、内容を更に精査していく。
(2) 体罰の状況
3
ア
行為者別では、中学校の教職員によるものが最も多い(57校79人)。
イ
場面別では、中学校及び高等学校では、部活動中の体罰が多い(65校77人)。
ウ
回数別では「1回」が93人と最も多い。
その他
今後、事実関係を更に精査し、5月下旬に最終報告を行う予定
報告の概要及び全文は、平成 25 年 4 月 11 日付報道発表「都内公立学校における体罰の実態把握につい
て(第一次報告)」に掲載しています。
※ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130411b.htm
-
公益通報弁護士窓口の設置 -
東京都教育委員会では、平成25年4月26日から職員、児童、生徒及びその保護者が、教職員の職
務の執行に関する法令違反等の不適正な行為の事実を認めた時に、弁護士を通して通報できる「公益通
報弁護士窓口」を設置しました。
1
設置の目的
東京都教育委員会事務局及び都内公立学校内の「法令違反等の不適正な事実」に対するコンプライ
アンス体制の充実、強化
2
弁護士通報窓口に通報できる内容
都立学校等に勤務する教職員の職務の執行に関する、法令違反等の不適正な行為
3
通報できる人(通報者の範囲)
教育庁事務局職員
都立学校教職員
区市町村立学校県費負担教職員(東京都教育委員会が任命している教員、事務職員等)
都内公立学校に通う児童、生徒、その保護者
4
通報の方法
通報者は、東京都教育委員会のホームページに掲載された専用の様式をダウンロードし、通報担当
弁護士宛てに電子メール又はファクシミリで送付してください。
※
ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/soumu/tsuho/tsuho.htm
※
送付する書類は上記の様式のみとしてください。
【通報先】
東京弁護士会所属
口千鶴弁護士(東京都教育委員会から委嘱)
ファクシミリ:03-3219-6779
メール:[email protected]
5
弁護士窓口に係るQ&A
Q1
どのような行為が通報の対象となるのですか。
A1
教職員の職務の執行に関する、法令違反等の不適正な行為が通報の対象となります。
ただし、業務執行への御意見や個人へのひぼう・中傷などは対象となりません。
通報の対象となる例
セクシュアル・ハラスメント、体罰、横領、収賄等
通報の対象とならない例
授業及び学校運営に関すること、教員の指導力に関すること、教
職員の接遇に関すること、その他教職員個人の資質に関わること、児童・生徒間のトラブル等
Q2
通報の対象となる「教職員」とは、どのような人ですか?
A2
東京都教育委員会事務局に勤務する職員、都立学校に勤務する教職員及び区市町村立学校に勤
務する県費負担教職員(東京都教育委員会が任命している教員、事務職員等)が通報の対象とな
ります。
Q3
退職者の行為も通報の対象となりますか?
A3
退職者の場合、在職期間中の職務の執行に関する法令違反等の不適正な行為であれば、通報の
対象となることがあります。
Q4
通報は実名でなければならないのですか?
A4
原則は、実名での通報となります。希望する場合は、匿名での通報も受け付けます。ただし、
匿名通報の場合、詳細な情報を確認できず、十分な調査ができないおそれがありますので、可能
な限り具体的な情報の提供をお願いします。
なお、実名で通報をした場合でも、弁護士通報窓口から、調査を実施する東京都教育委員会に
対しては実名を伏せて報告された上で、調査が行われますので、匿名性が確保されます。
Q5
通報内容を弁護士が調査するのですか?
A5
通報が受理された場合、調査するのは弁護士ではなく、東京都教育委員会や区市町村教育委員
会です。教育委員会は、調査結果を弁護士へ報告します。
6
弁護士窓口に通報があった場合の流れ
通報者
7
受理・結果の通知
(実名を伏せる)
通報の報告
結果報告
東京都教 育委員会 受 理
通報
弁護士窓口 受付
(実名又は匿名)
事実調査
是正措置
改善指導等
その他
(1)通報の内容によっては、結果等の通知に時間がかかる場合があります。
(2)通報対象事実に該当しない事案の場合には、適切な相談先を御紹介します。
(3)東京都教育委員会事務局職員及び都立学校に勤務する教職員については、以下の公益通報窓口
にも通報することができます(この場合は実名の通報となります。)
。
東京都教育委員会事務局職員
都立学校に勤務する教職員
教育庁総務課
当該学校を担当する東京都学校経営支援センター又は東
京都学校経営支援センターの支所の経営支援室
-都立小中高一貫教育校基本構想検討委員会について -
東京都教育委員会では、「理数を中心に、世界に
伍して活躍できる人間を育成するため、児童・生徒
一人一人の潜在能力を最大限に引き出す新たな教育
モデルを構築する」ことを基本的な考え方として、
都立小中高一貫教育校の設置に向けた検討を開始し
ました。
今年度は、有識者を中心とする「都立小中高一貫
教育校基本構想検討委員会」を設置し、都における
小中高一貫教育の在り方などについて検討することにしており、平成25年4月25日に第1回の検討
委員会を開催しました。
会議では、はじめに比留間教育長が、「公立学校としては全国初となる小中高一貫教育校を設置し、
新たな教育モデルを全国に発信する」と挨拶し、その後、様々な分野で活躍される委員の方々から、都
立小中高一貫教育校に期待することなど、今後の検討に向けた貴重な御意見をいただきました。
今後、東京都教育委員会では、検討委員会を月1回程度開催し、育成すべき生徒像や12年間の系統
的な教育課程、小・中・高の接続の在り方などについて議論し、本年9月には中間まとめを、来年3月
には最終報告を公表する予定です。
委員会設置についての詳細は、平成25年3月28日付報道発表「都立小中高一貫教育基本構想検討委員
会の設置について」に掲載しています。
※ホームページアドレス: http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130328e.htm
-
「都立高校学力スタンダード」の策定及び推進校の指定について
東京都教育委員会は、平成24年2月に策定した「都立高校改革推進計画
-
第一次実施計画」に基づき、
都立高校生の学力の定着と伸長を図るために、学習指導要領の内容・項目ごとに具体的な学習目標を示し
た、「都立高校学力スタンダード」(別紙1、2参照)を策定しました。これを基に、各学校は自校の学
力スタンダードを作成し、組織的・効果的な学習指導を実施していきます。また、平成26年度からの全
都立高校での実施に資するため、平成25年度に先行実施する推進校を、32校指定しましたのでお知ら
せします。
1「都立高校学力スタンダード」の策定について
(1)ねらい
ア
各都立高校が、具体的な学習目標を明示し、校内で組織的・効果的な指導を行う。
イ
明確な目標に基づき指導と評価を行い、その評価に基づいて次の指導を行うことにより、指導内
容・方法の改善を図る。
ウ
生徒の学力を正確に把握し、繰り返し指導することで、学力を確実に定着させる。
(2)内容(具体例は別紙2のとおり)
ア
学習指導要領を掲載して、その内容・項目ごとに学習目標を作成
イ
学習指導要領の内容・項目に対して、どの程度学べばよいかがわかるように、具体的な目標とし
て表記
ウ
普通科目については、多様な学校の設置目的・習熟の度合いに配慮して、「基礎」・「応用」・
「発展」の3段階で作成(専門学科における専門科目については、段階を設定しない)
エ
各学校は「都立高校学力スタンダード」に基づき、自校の学力スタンダードを作成
オ
進学指導重点校、中高一貫教育校、夜間定時制高校以外の全ての都立高校を対象
カ
平成25年度は、主に高校1年生で学ぶ必履修科目で構成
普通科目6教科11科目
専門科目3教科3科目
(3)今後の取組
ア 平成25年度
・「都立高校学力スタンダード」推進校事業を32校で先行実施
・主に高校2年生で学ぶ科目の「都立高校学力スタンダード」を作成
・「都立高校学力スタンダード」(平成25年度版)の推進校による検証
・「都立高校学力スタンダード」学力調査問題を作成
イ 平成26年度
・全ての都立高校で、自校の学力スタンダードに基づく学習指導を実施
2「都立高校学力スタンダード」推進校の指定について
(1)指定の趣旨
「都立高校学力スタンダード」に基づき、各学校が具体的な学習目標を明示し、校内で組織的・効
果的な指導を行うことにより、生徒の学力を最大限伸ばし、確実に定着させる実践的な研究を推進し、
その成果を全都立高等学校等に普及することを目的とする。
(2)推進校(32校)
足立西
高等学校
南
飾
高等学校
六本木
高等学校
墨田川
高等学校
深
川
高等学校
神
代
高等学校
雪
谷
高等学校
武蔵丘
高等学校
大泉桜
高等学校
豊
島
高等学校
稔ヶ丘
高等学校
成
瀬
高等学校
片
高等学校
日野台
高等学校
昭
和
高等学校
府
中
高等学校
小金井北高等学校
保
高等学校
拝
島
高等学校
多
摩
高等学校
秋留台
高等学校
青梅総合高等学校
小平南
高等学校
農
芸
高等学校
荒川工業高等学校
墨田工業高等学校
総合工科高等学校
府中工業高等学校
荒川商業高等学校
芝
第四商業高等学校
倉
飾総合高等学校
谷
商業高等学校
(3)指定期間
平成25年4月1日から平成27年3月31日まで
(4)主な取組内容
・「都立高校学力スタンダード」に基づいた自校の学力スタンダードの作成
・自校の学力スタンダードに基づいた組織的・効果的な学習指導の実施
・自校の学力スタンダードによる明確な評価基準に基づく評価の実施・検証
・「都立高校学力スタンダード」に基づく学力調査の実施(平成26年2月予定)及び学力調査結果
の分析・活用
・実践研究成果の全都立高校への普及
学力スタンダードの概要及び内容例は、平成 25 年 3 月 28 日付報道発表「都立高校学力スタンダードの
策定及び推進校の指定について」に掲載しています。
※ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130328b.htm
-
「都立専門高校技能スタンダード」の策定及び推進校の指定について
東京都教育委員会は、平成24年2月に策定した「都立高校改革推進計画
-
第一次実施計画」に基づき、
都立専門高校の生徒の専門性の向上を図るため、専門高校において生徒が身に付けるべき、専門分野に関
する主な技術・技能の具体的な内容を「都立専門高校
技能スタンダード」として策定しました。
これを基に、各専門高校は、効果的な学習指導を実施して学科の特色に応じた有用な
資格の取得を
促進するなど、社会が求める専門的な技術・技能を生徒に確実に習得させ、就職や進学につなげていきま
す。
また、平成27年度からの全ての都立専門高校での実施に資するため、平成25年度に先行実施する推
進校を10校指定しましたので、お知らせします。
1「都立専門高校技能スタンダード」について
(1)ねらい
ア 社会が求める専門的な技術・技能の確実な習得
イ 有用な資格・検定の取得の促進
(2)内容
農業、工業、商業に関する学科について「都立専門高校技能スタンダード」を策定
ア 技能スタンダードⅠ(技術・技能編)
生徒に在学中に習得させる、専門分野に関する主な技術・技能の目標
イ 技能スタンダードⅡ(資格・検定編)
生徒に在学中の取得を推奨する、主な資格・検定
(3)「都立専門高校技能スタンダード」を活用した学習指導の実施
ア 各専門高校は、「都立専門高校技能スタンダード(Ⅰ・Ⅱ)」を基に、具体的な目標
として、自校の技能スタンダード(Ⅰ・Ⅱ)を作成
イ 各専門高校は、校内で組織的・効果的な学習指導を実施し、生徒の技術・技能の
及び資格・検定の取得を促進
(4)今後の取組
ア 平成25年度
・「都立専門高校技能スタンダード」を活用した学習指導を推進校10校で先行実施
・技能スタンダード(農業、工業、商業)の検証、改定
・他の職業学科の技能スタンダード(家庭、福祉、産業)の作成
イ 平成26年度
推進校において取組を改善実施
ウ 平成27年度
全ての都立専門高校(職業学科)において実施
2「都立専門高校技能スタンダード」推進校の指定について
確実な習得
(1)指定の趣旨
「都立専門高校技能スタンダード」に基づき、各専門高校が学科の特色に応じた
具体的な技術・技
能の習得目標を明示し、校内で組織的・効果的な指導を行うことにより、生徒の専門性を最大限向上させ
る実践的な研究を推進し、その成果を全ての
都立専門高等学校に普及することを目的とする。
(2)推進校(10校)
農芸高等学校
総合工科高等学校
芝商業高等学校
農業高等学校
杉並工業高等学校
第四商業高等学校
荒川工業高等学校
荒川商業高等学校
墨田工業高等学校
府中工業高等学校
(3)指定期間
平成25年4月1日から平成27年3月31日まで
(4)主な取組内容
・「都立専門高校技能スタンダード」に基づいた自校の技能スタンダードの作成
・自校の技能スタンダードに基づいた組織的・効果的な学習指導の実施
・自校の技能スタンダードに基づく習得状況の確認・評価
・実践研究成果の全ての都立専門高校への普及
「都立専門高校技能スタンダードの概要及び内容例は、平成 25 年 4 月 25 日付報道発表「都立専門高校
技能スタンダードの策定及び推進校の指定について」に掲載しています。
※ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130425a.htm
-
都立高校中途退学者等追跡調査について
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東京都教育委員会は、平成 24 年2月に策定した「都立高校改革推進計画」に基づき「都立高校中途退
学者と都立高校進路未決定卒業者」に対する追跡調査を実施しました。
その調査結果の概要を報告書にまとめましたので、別添のとおりお知らせします。
なお、本調査は、都として初めて、中途退学者本人及び進路未決定卒業者本人を対象として実施しまし
た。
1
目的
都立高校を中途退学した者の意識調査を行い、中途退学の未然防止や退学後の支援の検討資料とする。
また、進路未決定のまま卒業した者の意識調査も行い、中途退学者との比較検討を行うための資料と
する。
2
対象者及び内容
(1) 対象者
ア 都立高校中途退学者(平成 22・23 年度)
イ 都立高校進路未決定卒業者(平成 23 年度)
(2) 質問内容
高校在学時の状況や退学(卒業)後の意識及び生活状況について
3
調査期間
平成 24 年 7 月~11 月
調査結果の概要、全文及び資料は、平成 25 年 3 月 28 日付報道発表「都立高校中途退学者等追跡調査
結果の概要について」に掲載しています。
※ホームページアドレス:http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr130328c.htm
-
平成24年度子供の体力向上推進優秀校の表彰を実施しました -
東京都教育委員会は、平成25年3月に、「平成24年度子供の
体力向上推進優秀校」を決定しました。
この事業は、児童・生徒の体力を向上していくため、体力向
上に向けた優れた取組を行った学校を表彰し、広くこれを顕彰
することを目的としたものです。
都立学校11校は、4月5日に都庁で表彰式を行い、区市町村
立学校86校は、各区市町村教育委員会において、それぞれ表彰
式が行われました。
今後、更に体力向上に向けた取組を推進し、他校の目標とな
【都立学校の表彰式】
ることを期待しています。
【都立学校:11校】
NO
学校名
NO
1
東京都立富士高等学校・附属中学校
2
4
東京都立杉並高等学校
7
10
学校名
NO
学校名
東京都立青山高等学校
3
東京都立西高等学校
5
東京都立石神井高等学校
6
東京都立八王子東高等学校
東京都立上水高等学校
8
東京都立小平高等学校
9
東京都立清瀬高等学校
東京都立狛江高等学校
11
東京都立立川ろう学校
【区市町村立小学校:65校】
NO
学校名
NO
学校名
NO
学校名
1
中央区立月島第一小学校
2
港区立港南小学校
3
港区立御成門小学校
4
新宿区立戸塚第三小学校
5
新宿区立落合第五小学校
6
新宿区立西戸山小学校
7
文京区立礫川小学校
8
台東区立黒門小学校
9
台東区立田原小学校
10
台東区立上野小学校
11
墨田区立小梅小学校
12
墨田区立第三寺島小学校
13
江東区立東陽小学校
14
江東区立東砂小学校
15
江東区立東雲小学校
16
目黒区立鷹番小学校
17
大田区立新宿小学校
18
世田谷区立駒繋小学校
19
世田谷区立砧小学校
20
渋谷区立神宮前小学校
21
中野区立谷戸小学校
22
杉並区立杉並第一小学校
23
杉並区立永福小学校
24
杉並区立天沼小学校
25
豊島区立清和小学校
26
豊島区立高松小学校
27
北区立滝野川第七小学校
28
荒川区立第五峡田小学校
29
荒川区立尾久小学校
30
荒川区立赤土小学校
31
板橋区立成増ヶ丘小学校
32
練馬区立大泉北小学校
33
足立区立弘道小学校
34
足立区立東伊興小学校
35
飾区立青戸小学校
36
飾区立小松南小学校
37
江戸川区立西
38
八王子市立第五小学校
39
八王子市立松木小学校
40
立川市立西砂小学校
41
立川市立柏小学校
42
青梅市立今井小学校
43
府中市立府中第十小学校
44
昭島市立田中小学校
45
調布市立石原小学校
46
調布市立調和小学校
47
町田市立町田第一小学校
48
町田市立南第四小学校
49
小金井市立東小学校
50
小金井市立本町小学校
51
小平市立小平第十二小学校
52
小平市立小平第十五小学校
53
日野市立滝合小学校
54
国分寺市立第四小学校
55
国分寺市立第八小学校
56
国立市立国立第六小学校
57
東大和市立第五小学校
58
清瀬市立清瀬第六小学校
59
東久留米市立第十小学校
60
東久留米市立本村小学校
西小学校
61
羽村市立富士見小学校
62
羽村市立武蔵野小学校
64
瑞穂町立瑞穂第四小学校
65
日の出町立大久野小学校
63
あきる野市立増戸小学校
【区市町村立中学校:21校】
NO
学校名
NO
学校名
NO
学校名
1
港区立高陵中学校
2
文京区立文林中学校
3
墨田区立本所中学校
4
目黒区立東山中学校
5
世田谷区立東深沢中学校
6
渋谷区立代々木中学校
7
中野区立第十中学校
8
北区立神谷中学校
9
飾区立堀切中学校
10
八王子市立打越中学校
11
府中市立府中第一中学校
12
府中市立府中第八中学校
13
昭島市立昭和中学校
14
調布市立第四中学校
15
小金井市立南中学校
16
国立市立国立第一中学校
17
清瀬市立清瀬第五中学校
18
武蔵村山市立第四中学校
19
日の出町立大久野中学校
20
大島町立第一中学校
21
八丈町立富士中学校
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