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報告書14

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報告書14
インターネットサイトでの PR
インターネット情報サイト vl.ru
ウラジオストク日本センターHP
1
(2)商談参加企業
北海道企業と商談を行った現地企業は、以下の 10 社であった。
企業名
業種
商談実施道内企業(月日)
1
SUMOTORI
2
3
ロシア連邦大学
「日露木材加工センター」
極東技術漁業大学
テクノホールディング会社
(自動車・建機輸入等)
木材加工
木造戸建住宅建築
研究機関
4
ゼニット M
日本製品輸入代理店
5
グラスプ社
食品販売業(スーパー経営)
・ロゴスホーム(12/13)
・ニッコー(12/13)
・グローバルトレーディング(12/14)
・ロゴスホーム(12/14)
・ニッコー(12/14)
6
DALRYBTEH CENTR
漁業機械製造業
・ニッコー(12/14)
7
研究機関
・ニッコー(12/14)
8
極東国立技術漁業経営大学
露日研修センター
ギドロテックス
港湾整備
9
ヴィレクス
建設資材卸売業
10
ダリエクスポセンター
・沿海地方の見本市
・展示会運営企業
・ロゴスホーム(12/13)
・ADM(12/13)
・ニッコー(12/13)
・グローバルトレーディング(12/13)
・北海道ゴム工業(ゼニット M)
(12/13)
・ロゴスホーム(12/13)
・ADM(12/13)
・ニッコー(12/13)
・グローバルトレーディング(12/13)
・北海道ゴム工業(ゼニット M)
(12/13)
・ロゴスホーム(12/13)
・ADM・ニッコー(12/13)
・グローバルトレーディング(12/13)
・北海道ゴム工業(ゼニット M)
(12/13)
2
・ロゴスホーム(12/14)
・ADM(12/15))
・ロゴスホーム(12/14)
(3)商談結果
商談実施後、継続可能な案件は以下の 7 件であった。
①「プリムリング」サーキット場敷地内のコテージハウス建設計画(
「SUMOTORI」社)
②建機バックヤードの上屋建設計画(「SUMOTORI」社)
③水産加工機器の設置(
「DALRYBTEHCENTR」社)
④魚加工製造ラインの輸入(「極東技術漁業大学」
)
⑤戸建住宅の建築(
「極東技術漁業大学」
)
⑥融雪・凍結防止目的のゴムマットの輸入(
「ヴィレックス」
)
⑦食品加工機械の輸入(
「グラスプ」社)
ウラジオストク市で実施したセミナー・商談会参加企業 5 社へ、事業1ヶ月後の状況について調査を実
施したところ、全参加企業が見積書を送付するなど現地企業と継続的に交渉を続けているとの回答が得ら
れた。商談が成立するまでには、早くて半年ほどの時間を要することから継続してサポートしていく必要
性がある。
3
3.常設展示会実施概要
(1)開催概要
北海道ブランドを構築するためには、現地で継続的な PR を行う必要があるため、商談会終了後も
現地常設展示会場で道内技術(製品)の PR を実施した。常設展示会の概要は、以下の通りである。
日
時:2011 年 12 月 13 日~2012 年 3 月 15 日
会
場:ロシア建築建設科学アカデミー付属極東企画・設計・建設研究所(略称 DALINIIS)
玄関ホール
(2)参加企業
常設展参加企業は、以下の 16 社である。
分野
企業名
寒冷地建築
道路雪対策
土木関連
主な商品
1
(株)ロゴスホーム
戸建て住宅(木造ツーバイシックス工法)
2
ジェイベック(株) 札幌支店
断熱気密部材「ボーダー」
「レール 120/500」
「カワークシート」
「レバー」
「機密シリーズ」
3
(株)木の繊維
道産木材の木質繊維断熱材「ウッドファイバーLD」
4
(株)朝日住設
冬期窓結露防止「マドリード」
雪道山ガバチョ
5
(株)ノースプラン
防雪柵
6
(株)グローバルトレーディング
融雪ヒーティング、融雪マット
フィルム・スクリーン、ウインドウ・フィルム
7
大同舗道(株)
凍結路面対策工法(マジックサークル)
8
(株)北海道ゴム工業所
融雪・凍結防止目的のゴムマット
「スーパーソーヒーターtype-c」
超大型高気密仮設上屋
9
(株)ADM
10
大和鋼管工業(株)
11
阪和興業(株) 北海道支店
農業関連
12
(株)丹陽
農業用ハウス
機
類
13
(株)ニッコー
食品・水産・食肉・農産・各加工機械の企画開発、
製造販売
環境関連
14
(有)環境資源応用技術開発研究所
良質堆肥のできる家庭用生ごみ処理機
15
正和電工(株)
バイオトイレ(バイオラックス)
16
北海道銀行
ルーブル送金、貿易保険
金
械
融
業
4
(3)Web 展示内容
開催概要
北海道企業の技術・製品を紹介する Web サイトを開設した。ロシア側企業は、Web サイトから北海道
企業の製品概要の情報をいつでも入手することができる。また製品に関する質問も Web より行うことが
できる。
Web サイト:http://www.hit-north.or.jp/hokkaido-pr.html
5
第 7 章 まとめ
1.事業成果
本事業を通じて実施された現地商談では、3 月 16 日現在、道内参加企業 7 社における 7 件の商談が継
続案件となり見積りやカタログの提供などを行っている。その中で今後進展が見込まれる案件は以下の 3
件である。
特に「SUMOTORI」社は、北海道の寒冷地建設技術に高い関心を示し、3 月中旬に社長自ら来道し企
業訪問および現場見学を行った。
「SUMOTORI」社が進めている国際サーキット場建設プロジェクト「プリムリング」では、国際自動
車連盟(FIA)公認F2クラスのサーキット場やモトクロス場、さらにはホテルやショッピングセンターな
どの施設建設が予定されている。このようなビックプロジェクトを民間主導で行う企業がロシア極東地域
に育っていることは、北海道企業のビジネスチャンスが拡大していることを意味している。
案件
1
2
国際サーキット場建設プロジェクト「プ
会社名
「SUMOTORI」社
3 か月後の進捗状況
コテージ 40 棟のデザインから施工
リムリング」敷地内コテージハウス建設
までを受注に向けて話し合い中。3
計画(2014 年建設予定)
月中旬に社長来道。
建機バックヤードの上屋建設計画
「SUMOTORI」社
3 月中旬に社長が来道し、道内工場
見学。
3
缶詰め加工機械の導入
「グラスプ」社
カタログと見積もり送付。中国・韓
国が競合相手。
上記 3 案件に共通している点は、ロシア側企業が明確なビジネス計画を持っているという点である。経
営者がはっきりとしたビジョンを持っていれば、焦点を絞った商談が可能となる。ビジネスの成功は、パ
ートナー選びが最も重要なポイントであり、先方との交渉を通じて将来のパートナーの可能性や資質を見
極めることが重要である。
6
2.課題と解決策
北海道には、ビジネスのターゲットとしてロシア市場に関心を持つ企業は多いが、具体的な一歩が踏み
出せない企業も多い。ロシア市場への参入を躊躇する理由として、以下の課題がある。
課
題
1
ロシア極東地域の社会情勢がわからない
6
商品の価格が合わない
2
市場規模や商品のニーズが把握できない
7
相手とのコミュニケーションが難しい
3
現地通関が不透明で分かりにくい
8
貿易実務に関する知識が不足している
4
適合証明の取得が難しい
9
貿易実務を行う人材がいない
5
決済・入金に不安がある
10
貿易を相談できる専門家がいない
上記課題は、ロシアの特殊事情によるものと、そうでないものとがある。ロシアの特殊性を考慮したう
えでの解決策は以下の通りである。
(1)現地マーケティング調査の実施(課題 1、2 の解決策)
ロシア極東地方の市場動向に関する資料は、中国や台湾など他の新興国の情報と比較すると非常に
限定的であるが、専門機関の HP や報告書を利用して情報収集することが出来る。しかし自社製品が
現地に適応しているのか、またニーズがあるのか、個別具体的な情報については、現地に行って情報
収集する必要がある。ロシアの社会情勢、市場規模、現地ニーズを把握する最適な方法は、現地に足
を運ぶことである。
(2)信頼できるパートナー選び(課題 3、4、7 の解決策)
ロシア市場での成功の鍵は、
「信頼できるパートナー」と出会えるか否かにかかっている。パート
ナー選びの際には、
「業界に精通しているか」
「コンプライアンスに対する意識は高いか」等に注意す
る必要がある。信頼できるパートナーと組むことが出来れば、解決される問題も多い。例えば煩雑な
現地通関手続きに関しては、パートナーが経験のある現地通関ブローカーを活用すればトラブルを事
前に防ぐことができる。パートナー企業が有する現地コネクションなども問題発生時には大きな力を
発揮する。
(3)精度の高い契約書の締結(課題 5 解決策)
ロシアは契約社会であり、すべては契約書に基づき解決される。よって、最初から想定される問題
に対応した細かな取決めを行う必要がある。今までの失敗例を見ると、契約書が未締結であったり、
あいまいな契約書を作成したためトラブルに巻き込まれるケースが多い。相手方に隙を与えない、精
度の高い契約書を作成することが、ビジネスを成功に導く第一歩である。
(4)ロシアビジネスに精通した専門家の活用(課題 6、8、9、10 解決策)
実際に貿易の経験のない企業や、ロシアビジネスに不安を持つ企業は、経験が豊富な専門家の力を
借りて対応することが重要である。道内で成功している企業の多くは、専門のコンサルタントを活用
7
している。コンサルタントにも専門分野があるため、面談を通じて会社にあったコンサルタントを選
ぶ必要がある。
3.今後の方向性
急激な円高の状況下、製品の価格競争力では中国や韓国製品に対抗することは難しい。道内企業が他競
合国との価格競争に勝つためには、「技術者の派遣」「コンサルティングサービス」「現地への部分的な技
術移転」なども視野に入れた一歩踏み込んだビジネスを展開する必要がある。
道内企業がロシア市場への進出する際の主な形態は、
「現地代理店に直接輸出するケース」
「技術指導・
コンサルティングを行うケース」「工事施工を現地で行うケース」の 3 つに分けられる。各進出形態の長
所・短所および過去の事例から見る成功のヒントは、以下の通りである。
(1)自社製品を現地代理店に「直接輸出」するケース
現在、ロシアへの進出形態で最も多いのが、現地代理店へ自社製品を「直接輸出」するケースである。
現地に拠点をもたないため現地コストがかからない、投資しないためリスクが少ないという長所があるが、
市場動向の把握が困難であり、オンリーワン技術の場合でない限り、価格面での競争に勝つことは難しい
等の短所がある。
このケースで成功している企業は、 「施工時の指導者派遣」
「施工マニュアル(ロシア語)の作成」
「パ
ートナー企業の職員受け入れ(人材育成)」など、パートナー企業のメリットになる付加価値を付けてい
るケースが多い。
(2)「技術指導・コンサルティング」を行うケース
「技術指導・コンサルティング」とは、現地で工事施工は行わないが、自社の保有技術に基づき現
地企業に対して指導・コンサルティングを行うケースである。道内企業が優位性を有する高度な技
術分野での指導・コンサルティングのニーズは高く、こうした技術指導やコンサルティングサービ
スを通じて、工事受注や資機材販売につながる可能性がある。
この場合も、現地に拠点を持たないため現地コストがかからないが、人を派遣するため労働ビザ
などの問題をクリアする必要がある。ロシアで実績を挙げている道内企業の多くは、「直接輸出」
をしながら長期的に現地で「技術指導・コンサルティング」を実施している例が見られる。
(3)「工事施工」を現地で行うケース
「工事施行」とは、日本側企業が自社の保有技術・機械を活用し、現地で実際に工事施工を行うもので
ある。ロシア連邦政府や現地企業から直接請負うケースは、進出国におけるビジネスライセンスや就
業許可取得のため、現地法人や支店等を設立して対応するのが一般的である。
現地法人や支店等の設立に時間や費用等を要するという短所があるが、進出国において継続的な
事業展開が可能となる。現地法人を設立して工事を請負う例としては、現地企業と合弁企業を設立
8
し、国家プロジェクトに参加している會澤高圧コンクリート㈱の例がある。同社は、民間の受注を目的
に進出した後、パートナー企業のコネクションを活用して国家プロジェクトへの参加を果たしている。
会社の規模、取扱製品によって、海外進出戦略は異なってくる。自社に適した方法で、専門家や専門機
関を活用し、あらゆるリスクを想定しながら進めることが重要である。
国内建設市場の縮小が続く今こそ、自社の保有する優れた技術・ノウハウを活かし、ロシア市場への進
出を再検討する良い機会であると言える。
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