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社会アキ1981 1995
福祉就労から一般就労へ 「ぽこ・あ・ぽこ」の就労支援 2014年1月27日 社会福祉法人 電機神奈川福祉センター ぽこ・あ・ぽこ 施設長 三田地昭典 1 本日の内容 • 電機神奈川福祉センターの概要 • ぽこ・あ・ぽこの概要 – 現在の利用者状況 – 就労実績 – 工賃実績 – 経営戦略 – 作業を通じた支援プログラム • 現在の課題と今後の方向性 2 社会福祉法人 電機神奈川福祉センターの概要 3 電機神奈川福祉センターとは • 設立母体は、電機連合神奈川地方協議会 – 産業別労働組合「電機連合」の地方組織 • 電機連合は、全国の電機・電子・情報関連産業メー カーの労働組合の連合体 • 労働組合の活動は – 労働者の代表として、使用者と労働条件などを交渉 – 豊かな社会づくりを目指す 労働組合がなぜ福祉活動を • 1969年11月、青い鳥マッチカンパ活動 – 財団法人「神奈川県児童医療福祉財団」(現、社会 福祉法人「青い鳥」)からの販売委託 – 現在はティッシュペーパーカンパ • 1972年、第20回定期大会で「心身障害児(者)対 策」を決議 – – – – 障害児を育てている一組合員の声から 親同士による自主訓練会の運営を支援 財団との連携による相談活動 キャンプ交流会(1975年)、みかん狩り(1976年) 5 法人設立へ • 1980年代、国際障害者年を踏まえ、ノーマライゼーション 理念を掲げた活動 – – – – – 統合保育、統合教育の実現へ 駅舎改善運動 車いす訪中団(1981年) 手話入門講座 街は育っているか一万人集会(1987年) • 1992年、障害福祉活動20周年、社会福祉法人設立決議 – 知的障害者の働く場を拡大する取り組みへ – 社会福祉法人設立準備委員会 – 横浜南部就労援助センター(現、横浜南部就労支援センター) • 1995年、社会福祉法人認可 • 1996年8月1日、新杉田駅直結の複合ビルで事業開始 6 法人の理念 • 知的障害者の社会的自立 – 障害者の就労、特に一般企業における知的障害者雇用 をゴールに、知的障害者一人ひとりに個別の目標を設定 し、総合的な育成をはかります。 • 地域福祉の充実 – 地域の高齢者・障害者に対する介護・福祉サービスのプ ランや調整、そしてデイサービスを中心とした日中活動の 支援を行ないます。 • 福祉に対する啓発 – より多くの地域の方々に、福祉について身近に感じとって もらうための啓発活動を行ないます。 7 障害福祉サービス ぽこ・あ・ぽこ • 就労移行支援事業(30名) • 就労継続支援事業B型(20名) • 自立訓練事業(6名) 川崎市わーくす大師 • 就労移行支援事業(30名) • 就労継続支援事業B型(20名) ウィング・ビート • 地域活動支援センター(10名) • 2014年度 就労移行支援事業 に移行計画中 就労援助センター それぞれの地域で 横浜南部就労支援センター ・就労相談 ・求職活動 湘南地域就労援助センター (湘南障害者就業・生活支援センター) ・就労者の職場定着支援 ・就労者への余暇活動 ・企業開拓 中部就労援助センター (川崎障害者就業・生活支援センター) ・企業の障害者雇用の支援 ・関係機関との連携 高齢・地域福祉サービス、管理部 地域包括支援センター 地域活動・交流事業 通所介護・介護予防通所介護 居宅介護支援事業 横浜市 新杉田地域ケアプラザ • • • • 管理部 • 総務、人事労務、経理、庶務 • 神奈川地協への福祉相談員派遣 • 全国就労移行支援事業所連絡 協議会の事務局 • ボランティア体験講座 ぽこ・あ・ぽこの事業概要 11 措置制度~支援費制度 • 1996年8月1日に「知的障害者通所授産施設」と して事業開始 – 定員50名 – 作業を通じた社会的自立 • • • • • • 企業出身のOB職員の配置 授産科目を多く持つ(自主製品は持たない) 平均3万円以上の月額工賃を目指す(工賃査定) 個別対応と個別支援 年に一度の個別支援計画面談 行事は年に2回(新緑ハイク・みかん狩り) – 一般就労を目指して • 横浜南部就労支援センターとの連携 • 特例子会社立ち上げ支援 12 就労の3要素 働く場の創出 知 的 障 害 者 の 就 労 雇用企業 雇用ノウハウ 雇用側の支援 職域開拓 支援 就労援助センター 就労支援 障害者の支援 生活支援 個別指導 育成 個別支援 特別支援 学 校 福祉施設 13 新体系移行に際して • 前年度からサービス体系について議論 – 授産施設時代の総括と基本的な考え方の再確認 – 一般就労までの利用期間は平均20か月 – 一般就労まで時間が必要な利用者は確実にいる • 授産施設時代の就労者92名のうち、23名(25%)が2年 以上利用して一般就労(重度4名、中度12名、軽度7 名) • 9年半で就労した人も • 就労移行支援事業と就労継続支援事業B型 14 障害者自立支援法以降 • 2006年10月より自立支援法で定められた施設体系へ移行 – 主たる対象者は知的障害者 – 多機能型としての定員50名→2010年度から定員56名 • 就労移行支援事業(定員30名) – 社会人として必要な技能を獲得し、様々な仕事や企業実習を経験する – 年間15名の就労者を目指す(2年間で就労を) • 就労継続支援事業B型(定員20名) – 施設内作業におけるスキルアップをし、高工賃を目指す – 可能であれば一般就労を(毎年1名の就労者を目標) • 自立訓練事業(生活訓練)(定員6名) – 2010年4月よりスタート – 就労に向けた基本的訓練を主体に、2年間の内に就労移行支援事業へ 15 利用のイメージ 一般就労 就労継続B 生活訓練 就労移行支援 利用希望者 16 利用者ニーズに対応 • 就労移行支援(2年間) – 就職したい – 離職後に再就職したい • 生活訓練~就労移行支援(4年間) – 就職したいが、2年間では不安が多い – 離職のダメージが大きかった • 就労継続B型 – 日中に作業を行うことで、生活を安定させたい – 成長してから一般就労へ – 短時間で一般就労中 17 3事業共通の方針 • 目的:作業を通じた社会的自立(一般就労も) • 作業は目的達成の手段 – 個別支援 • 個別の目標(年間・月間) • 個々の能力と目標達成に応じた工賃(3ヶ月に一度の 見直し) – 社会人としての常識・マナーの習得 • 挨拶、質問、「ほうれんそう」、身だしなみ、勤怠 – 作業を通じて学ぶこと • 指示されたとおりの職務遂行(本人に合わせた仕事の 提供) • 時間厳守、約束厳守 • 一般就労に向けての体力づくり(立ち作業) 18 現在の利用者状況 (2014年1月27日現在、60名利用中) 19 2014年1月27日の状況 • 就労移行支援事業:32名 – – – – 年齢層:18歳~39歳(平均22.6歳) 性別:女性4名、男性28名 トライアル雇用中2名 施設外支援6名(就労前企業実習1名、体験実習5名) • 就労継続支援事業B型:24名 – 年齢層:24歳~62歳(平均37.7歳) – 性別:女性4名、男性20名 – 施設外支援1名(体験実習) • 自立訓練事業(生活訓練):4名 – 年齢層:18歳~25歳(平均21歳) – 性別:女性2名、男性2名 20 利用者の手帳等級 最重度, 1, 2% 精神2級, 1, 2% 重度, 8, 13% 軽度, 22, 37% 中程度, 28, 46% 21 事業別手帳等級 16 14 14 14 14 12 就労移行 10 継続B型 8 生活訓練 6 5 4 4 2 3 1 3 1 0 0 0 1 0 0 0 精神2級 最重度 重度 中程度 軽度 22 利用者の居住地分布 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 横浜市内:53名 横浜市外:7名 平均通所時間:27分 最長通所時間:62分 青 旭 泉 磯 神 金 港 港 栄 瀬 都 鶴 戸 中 西 保 緑 南 葉 区 区 子 奈 沢 南 北 区 谷 筑 見 塚 区 区 土 区 区 区 区 川 区 区 区 区 区 区 区 ケ 谷 区 区 東 藤 横 小 京 沢 須 田 都 市 賀 原 市 市 大 田 区 23 事業別居住地分布 5 就労移行 4 継続B型 生活訓練 3 2 1 0 青 旭 泉 磯 神 金 港 港 栄 瀬 都 鶴 戸 中 西 保 緑 南 葉 区 区 子 奈 沢 南 北 区 谷 筑 見 塚 区 区 土 区 区 ケ 区 区 川 区 区 区 区 区 区 区 谷 区 区 東 藤 横 小 京 沢 須 田 都 市 賀 原 大 市 市 田 区 24 利用者数の推移(1997年~2013年) • 一日の平均利用者数:50.5人 1997年~2006年46.3人、2007年~2009年53.7人、2010年~2013年58.5人 • 平均来所率:91.7% 授産施設時代:92.1%、就労移行:92.2%、継続B型90.4%、生活訓練90.9% 70 100% 95% 65 90% 60 一日の平均利用者数(人) 55 85% 80% 全体来所率 50 75% 70% 45 65% 40 60% 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 25 一般就労の実績 2014年1月27日現在、延べ225名 26 ぽこ・あ・ぽこの就労者状況 1996年8月1日~2014年1月27日 就労者数 離職者数 現在就労中 225 65 160 旧体系 92 38 54 新体系 133 27 106 総数 就労移行 継続B型 125 8 25 2 100 6 ※平均利用期間:18.7カ月 (授産施設:20カ月、就労移行:15カ月、継続B型:57.6カ月) 27 一般就労者の実績 (2014年1月27日現在の就労継続者と離職者) 250 35 人 支援費制度 措置制度 自立支援法以降 225 人 30 200 離職者数 160 5 6 就労者数(累積) 2 7 6 7 18 18 15 4 1 1997 6 3 1998 1999 2 0 15 1 10 4 0 1 20 2 就労継続者(累積) 50 0 13 就労継続者数 150 累 積 就 労 100 者 数 25 17 14 14 14 13 5 0 3 5 2000 2001 5 6 6 6 1 2002 年 度 毎 の 就 労 継 続 者 ・ 離 職 者 数 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 年度 28 就労者の手帳等級(N=225) 重度, 17, 7% 軽度, 116, 52% 中度, 92, 41% 29 就労者の手帳等級 授産施設(N=92) 軽度, 45, 49% 新体系(N=135) 重度, 11, 8% 重度, 6, 6% 軽度, 71, 54% 中度, 41, 45% 中度, 51, 38% 30 事業別就労者の手帳等級 就労移行(N=125) 軽度, 67, 54% 継続B型(N=8) 重度, 9, 7% 中度, 49, 39% 軽度, 4, 50% 重度, 2, 25% 中度, 2, 25% 31 就労先の内訳(新体系、N=133) 100 90 80 継続B型 70 就労移行 60 50 40 30 20 10 0 特例子会社 一般企業 福祉的就労 32 就労先で従事している業種 (新体系、N=133) 60 50 40 30 継続B型 就労移行 20 10 0 33 マッチング 100 % 35 人 90 措置制度 80 2 支援費制度 30 自立支援法 25 70 60 1年未満離職 50 1年以上就労 40 マッチング率 30 10 0 2 1 20 1 4 0 4 0 6 0 3 10 2 1 3 3 11 20 0 1 20 12 0 29 21 0 10 16 0 19 0 15 10 16 14 5 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 年度 34 一般就労後の職場定着率 (1997年度~2013年度) 100.0% 95.0% 90.0% 85.0% 80.0% 93.8% 88.2% 80.2% 75.1% 75.0% 70.0% 65.0% 60.0% 68.5% 64.4% 62.5% 63.8% 59.8% 58.0% 55.0% 50.0% 35 期間別の定着率比較 100.0% 95.0% 100.0% 98.5% 93.8% 92.2% 90.6% 90.0% 85.0% 88.6% 87.5% 89.0% 80.0% 76.6% 78.0% 75.0% 73.4% 75.6% 70.0% 68.8% 70.7% 65.0% 64.6% 60.0% 55.0% 1997-2005 2006-2008 2009-2012 50.0% 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 36 授産会計と工賃 月額3万円以上が設立時からの目標 事業報告の17ページ参照 37 就労継続支援事業B型平均時給 360 円 神奈川県最低賃金1/3 342 340 ぽこ・あ・ぽこB型工賃 320 306 300 280 298 287 276 274 273 253 260 279 283 263 255 240 239 245 220 年度 200 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 38 継続B型平均工賃の推移(月額) 40,000 円 38,085 35,000 30,000 32,595 30,357 28,030 25,000 29,118 31,966 29,929 20,000 15,000 年度 10,000 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 39 年間授産売り上げの推移 60 百 万 円 50 40 40 48 47 46 44 43 37 36 32 30 33 37 28 33 31 33 30 20 10 0 40 2012年度に支払った工賃(月別) 万 円 350 300 賞与総額 工賃総額 250 200 150 100 50 0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 41 経営戦略 データに基づいた経営予測 42 施設収入と平均利用者数の推移 43 月毎の予算と決算(2012年度) 44 事業別の予算と決算(2012年度) 45 年度内に期限となる利用者 2013年度内に利用期限を迎える利用者リスト 姓 名 事業 利用開始日 終了予定日 4月 5月 6月 就労移行 2011/7/1 2013/6/30 (トライアル雇用) 就労移行 2011/7/1 2013/6/30 就労 就労移行 2011/10/1 2013/9/30 就労 就労移行 2011/11/1 2013/10/31 就労移行 2011/12/1 2013/11/30 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 就労 就労 継続B型 就労移行 2012/2/1 2014/1/31 正式雇用 就労移行 2012/3/1 2014/2/28 生活訓練 2012/3/5 2014/3/31 就労移行 就労移行 2012/3/7 2014/3/31 (トライアル雇用) 正式雇用 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 (トライアル雇用) 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 就労移行 2012/4/1 2013/3/31 生活訓練 2012/4/1 2013/3/31 (トライアル雇用) 正式雇用 就労 離職⇒再利用 (トライアル雇用) 就労 正式雇用 他機関 他機関 46 利用者の紹介元 • 年度途中の利用者確保は経営的課題 – 年度当初になるべく多くの利用者を確保 • 毎年、新規利用者の半数程度は、特別支援学校やサ ポート校などから – 年度途中の利用者補充をする際は、横浜市・横 浜市の各区・近隣の市にFAXで依頼 – 相談支援事業所、就労支援センター、発達障害 者支援センター等と連携 • 利用前には必ず1週間~2週間程度の実習 47 作業を通じた支援プログラム 48 ぽこ・あ・ぽこ利用前の実習 • 利用希望の連絡があった場合、先ず見学 – 特別支援学校の実習生は年間延べ47名(2012年度) – 見学を踏まえて、2週間~1カ月程度の実習 • 最初の視点 □毎日時間通りに通うことができるかどうか □ 1日6時間の立作業ができるかどうか □身だしなみや身辺処理ができているかどうか □挨拶ができているかどうか □時間を守れるかどうか □指示を守れるかどうか – 実習最終日の反省会で評価シートを提示し、率直に 評価を伝えます。 49 一日のスケジュール • • • • • • • 8:55 朝の体操 9:00 朝礼、作業開始 10:30~10:40 休憩 昼食の時間は、作業グループ毎に異なる(45分間) 14:30~14:40 休憩 14:40 体操 15:55 作業終了、片付け 業務日誌記入、帰宅 毎年度の事業目標 • 就労移行支援事業: – 15名の一般就労者 • 就労継続支援事業B型: – 1名の一般就労者 – 平均工賃○○円以上(地域の最低賃金の1/3以上) • 自立訓練事業(生活訓練): – 就労移行支援事業への事業移行者2名以上 51 施設内プログラムの全体像 作業指導 体験実習 個別支援 計画 本人の育成・ アセスメント 工賃査定 定期的な 振り返り グループ ワーク 52 施設内作業 • 一般企業に近い作業環境 – 企業に対してモデル提示 – 企業のニーズに合わせて育成 • 多種の外部受注作業を確保 – 安定した日常スケジュール – 解体作業(リサイクル会社と契約、パソコン等の解体・分別):工具を 使うもの、分別だけのもの – 自動車部品加工:組立やシール貼りなど – 紙器組立:贈答品やお菓子の箱組立など – 清掃:センター建物内や周辺の清掃、ドラッグストア店舗清掃(施設 外就労)など – 印刷:簡易製本、無線綴じなど • 就労移行利用者は、なるべく多くの作業を経験する • 継続B型利用者は、自分に合った作業や付加価値の高い作業に参加 53 作業指導の特徴 • 共通認識:作業を通じて社会自立を促す – – – – 作業は手段 基本はOJT、個別対応 作業を行なうのは利用者さん 作業を通じたアセスメント • 1日の特記事項はリアルタイムでパソコンに記録 – 毎日夕方に職員ミーティング • 企業出身のOB職員が職員の半数以上(現在14名) – 精度の高い治具(苦手な部分を治具で代替) – 効率の良い作業工程 – 企業的な作業指導 54 企業出身のOB職員 • 作業現場はOB職員主体で動かす – 治具の考案、手順の工夫 – 作業評価を毎日記入 • 障害に関する専門知識や経験がなくても – 前職は多岐にわたる – 仕事の経験と人生経験は豊富 • 適正把握を勘でできる人も – 企業の育て方 – 福祉職員の育成にも • 企業の発想 • 新しい発想 55 常勤の福祉職員 • 福祉職員(常勤)が9名(3名就労支援員) • • 担当制は敷かない 福祉職員の仕事は多岐にわたる • 事務関係:出欠確認、給食確認、請求事務 • 利用者関係:個別対応、グループワーク、日常記録、家族との 調整、関係機関との調整、目標設定、個別支援計画立案 作業関係:作業マニュアル作り、作業の発注や請求 • • 就労関係:実習調整、企業開拓、企業との調整、求人検索、就 労者フォロー・・・・・ • 企業OBと常勤職員双方のコミュニケーションが重要 • 成長を期待してザックバランに議論し、個別支援計画へ 56 事例1 • 養護学校を卒業後、作業所を経てぽこ・あ・ぽこを利 用 • 実習時に様々な課題はあったが、一部非常に優れて いる面があったため、就労移行へ • 90分間の作業スケジュールでは途中で作業室をふら ふら歩いてしまう – 作業を40分行い、休憩を10分とるスケジュールに変更し、 本人に個別スケジュールを提示 – 徐々にスケジュール提示を止め、2カ月程度でスケジュー ルは不要になった • 現在、継続B型を利用中だが、職員はまだ就労をあき らめてはいない 57 就労継続支援事業B型の位置づけ • 一般就労まで時間が必要な利用者は確実にいる – 現在までの就労者のうち45名が2年以上利用して一般 就労(重度8名、中度23名、軽度14名) – 4年以上利用して一般就労した利用者は全体で17名 (重度6名、中度7名、軽度4名) • 利用から14年で就労した人も • 二つの利用者層(継続B型利用者は24名) – 作業を通じて日中生活の安定を:19名(79%) • 12名(50%)が2006年以前から利用 – 一般就労を目指す:5名(21%) • 利用期限が持つ効果よりも、じっくりと本人の状況変化を見 て、職場環境とマッチングへ 58 事例2 • 養護学校卒業後、他の授産施設を利用し、4年間一般 就労。離職後にぽこ・あ・ぽこ利用(授産施設時代)。 • 単純繰り返し作業では高い能力を発揮したが、作業 種の幅を広げていくことが作業上の課題 • コミュニケーションが非常に独特で、場面にそぐわな い発言や独語も • 10年間で徐々に課題が改善され、企業実習にも挑戦 • 新体系への移行の際は就労移行を希望したが一般 就労は決まらず、継続B型へ • 特例子会社立ち上げの話が…就労決定! • 就労から3年半、社内でもトップクラスの成績 59 有期限の事業の効果 • 事業所と職員に対する効果は大きい – – – – 支援目標の明確化 目標達成のための責任 支援方法の精査と工夫 目標達成のためにチャレンジする姿勢 • 利用者と保護者に対する効果 – 自分の目標と課題の明確化 – 目標達成に向けてチャレンジする姿勢 • 職員にとっても利用者にとっても、定期的に状況 を振り返ることが大切 – そのために、日々の記録とまとめ(アセスメント) 60 定期的な振り返り(レビュー) • 就労移行と生活訓練利用者対象 – 毎月1日~10日(就労移行) – 3カ月に一度(生活訓練) – 前月に行った作業の振り返りと目標確認、当月の目 標設定を行う(フォーマットを用意) • • • • • 目標を覚えているか 作業内容を覚えているか グループワークの内容を覚えているか 特記事項の確認 前月を踏まえた目標設定 – 作業目標 – 生活目標 61 グループワーク • • • • 就労移行利用者は月に一回程度 生活訓練利用者に対しては時期を決めて 継続B型利用者は、随時 小集団(5~6人)や全体での座学 – – – – – – – 大人になったら働こう 安全講習 言葉づかい 電話の掛け方 面接練習 休日の過ごし方 企業見学会 62 3カ月に一度の工賃査定 • 就労移行と継続B型利用者対象 • 査定用紙(事業報告の最後のページ)を使用 • 工賃額と評価とを直結 – 評価項目は事業の目的と合致 • OB職員と常勤職員全員で査定 • 全員の得点の平均値を出し、会議で論議 • 査定の評価は、必ず本人と保護者に伝える 63 事例3 • 中学卒業後、様々な職を転々とし、作業所を経て 利用開始(授産施設時代) • 作業能力は高く、コミュニケーションも問題なし…し かし、外部実習に出ると2~3日で行けなくなる – 就職に向けた動きは止め、施設内での高工賃を目標 • 欠席が長期(2~3カ月)にわたることもあったが、 グループホームとその都度調整し、現在は長期 欠席は見られなくなっている • 現在、ぽこ・あ・ぽこで最高の工賃額をもらってい る 64 外部での体験実習 • 施設外就労:ドラッグストア店舗清掃(7店舗) – 就労移行利用者3名、継続B型利用者1名、職員2 名 • 3カ月間の施設外支援(実習先を3カ所確保) – 療育センター:清掃作業、利用者3名 – 県の教育局:印刷補助・集配作業、利用者1名 – 県庁の集配室:集配作業・印刷補助、利用者2名 • 委託訓練(トライ)を利用した体験実習 – 雇用企業で随時 65 利用期間中の外部実習回数 (2006年4月~2013年3月末) 45 40 40 N=165(就労者=119、他機関移行者=46) 33 35 就労者の97%が実習を経験 28 30 就労者 他機関移行者 24 25 20 15 10 5 11 10 5 5 2 1 3ヶ所 4ヶ所 2 3 5ヶ所 6ヶ所 1 1 0 実習なし 1ヶ所 2ヶ所 8ヶ所 66 事例4 • 私立高校卒業後、就労移行を利用 • 知的には高いものの、様々な課題が – 作業中に大声、来所時のトラブル、職員を叩く… • 徐々に改善が見られたが、2年間では就職が難 しかった – 他機関も検討したが、本人・家族の希望と本人の状 態を鑑み継続B型利用へ – 企業実習への挑戦は継続 • 継続B型利用後1年でさらに改善が – 就労移行の再利用 – 利用開始からトータル6カ所の企業実習で採用へ • 現在も就労継続中 67 生活訓練のプログラム 4月 5月 6月 アセスメント 作業現場からの 詳細な評価 目的 グループワーク 個別課題抽出 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 作業を通じた 個別課題指導 アセスメント 作業現場からの 詳細な評価 グループワーク 2月 3月 作業を通じた 個別課題指導 個別課題抽出 68 生活訓練の評価 理解度 3 身だしなみ 器用度 2 整理整頓 品質 1 0 時間厳守 スピード 報・連・相 集中力 意欲 11年5月~11年8月 体力 11年1月~11年4月 10年7月~10年11月 69 生活訓練利用者の進路 (2010年度~2012年度、n=20) 他機関・他事業 20% 就労移行利用 50% 就労移行~就職 35% 生活訓練利用中 30% 就労移行利用中 15% 70 事例5 • 養護学校卒業後、就労移行を利用 – 作業への集中力・指示に従った作業遂行・コミュニケーショ ンに課題が多かった – 体験実習の結果を踏まえ、1年後に生活訓練へ事業変更 • 生活訓練で、グループワークや日誌での意識付けを通 じて訓練を行い、約1年後に課題が徐々に改善 • 就労移行を再利用し、5か月後に調理補助で一般就労 • 就労先で時折課題が見られているものの、家庭の協力 もあり、就労継続中 71 個別支援計画立案プロセス • 日々の職員ミーティング記録 – パソコンにリアルタイムで記録 – 利用者帰宅後、16時30分から常勤職員がミーティングし、 支援方法について討議 • 毎月の職員全体ミーティング – OB職員と常勤職員で一カ月間の運営状況を報告・検討 • 三カ月に一度の工賃査定ミーティング – OB職員と常勤職員で • 個別支援計画立案前のケース会議 – 個別支援計画の素案を職員が提出 – 作業中に別室で内容について討議 • 個別支援計画面談(フォームは別紙参照) 72 他機関・他事業を利用するケース • 自立支援法施行後(2006年10月1日~2014年1月27 日)、ぽこ・あ・ぽこ全体の退所者は延べ188名 – 一般就労者:133名(106名が就労継続中) • 125名が就労移行支援事業からの就労者(100名が就労継続中) • 8名が就労継続支援事業B型からの就労者(6名が就労継続中) – 他機関利用者:55名(就労移行32名、継続B型18名、生活 訓練5名) • 他機関利用を勧める場合 – 根拠をしっかり示す • 徐々に通所できなくなってきた • 作業中に不安定になることが多く、仕事をメインにしない場所の 方が望ましい • 作業は問題ないが、生活面に大きな課題が見られていた 73 事例6 • 養護学校卒業後、就労移行を利用 • 作業技能は問題ないが、緊張が強く、ネガティブな発言 が多く見られていた • 利用から5か月目に体験実習に挑戦 – 注意を受けた後の気持ちの切り替えが難しい – その後、企業実習も挑戦したが同様の課題が見られ採用に ならず • 10か月目ごろから遅刻が増えてくる – 清掃以外の作業に対しては拒否感があり、清掃作業に限定 • 1年経過後に、遅刻の減少を踏まえて、成功体験を増や すべく体験実習を打診したが、本人は拒否 • 清掃作業で安定していたものの、一般就労への挑戦は 難しく、他機関利用へ 74 就労支援 実習前 職安登録確認・個人票等の書類作成・実習調整・通勤訓練・顔合わ せ同行 実習中 初日の付き添い・定期巡回・家庭への連絡調整・反省会への参加 就労決定 就労後 履歴書書き・求人票取得・必要書類の確認 初日のフォロー・定期的な巡回・家庭との調整・他機関との調整 • 就労が決まると、スーツ姿で、利用者全員の前で挨拶 • 就労移行の課題の一つが、就労後の職場定着支援 • 制度的には、就労後6ヶ月のフォローと他機関連携ですが・・・ 75 就労後のフォローアップ • 2011年度までは、横浜南部就労支援センターに引継ぎ – 大抵、6ヶ月~1年は何事もなく過ぎることが多い • 1年以内に離職する場合は、明らかなマッチングミスと見なす – 問題は1年以降 • 仕事への慣れ、対人トラブル、後輩ができたことに対する自信過剰、 世間の誘惑、加齢に伴う家庭状況の変化や身体的変化 • 途中からバトンタッチされた機関がすべてを背負えるわけはない – 横浜南部就労支援センターの登録者は300名を超える • 2012年度からぽこ・あ・ぽこ独自のフォローを開始(現在 75名をフォロー中) • 出身施設としての責任、事業所プログラムへのフィードバック • 本人、保護者との信頼関係 • 離職時の受け入れ、緊急対応や保護者との対応など 76 事例7 • 他機関の紹介で就労移行を利用 • 既婚者で利用開始時は41歳、過去4社で就労したが 会社都合や対人トラブルで退職 • 利用中、勤怠が安定せず、他の利用者とのトラブルも • 企業実習に挑戦した際も社員とトラブル→実習中断 • 職場開拓に際しては、対人面を重視 – 周囲に障害者がいない場所で • 短時間勤務(週20時間)の求人に応募 – 企業へ本人の状況を伝え、業務内容の調整を行った – トライアル雇用を経て、正式採用 • 現在は安定して就労継続中 – 2~3ヶ月に一度の巡回訪問 77 現在の課題と今後の方向性 78 背景 • 労働:法定雇用率2%、精神障害者雇用義務化 – 精神障害者や発達障害者への対応は必然的に増加 • 福祉:相談支援事業所によるサービス利用計画立案 – 地域とのつながりは必然的に増加 • 福祉:就労後の職場定着支援の事業化の可能性 – 職場定着支援が障害福祉サービスの対象となる可能性 – 来年度にモデル事業が • 教育:高等特別支援学校からの就労者増 – 新卒で受け入れる利用者の重度化? – マッチングミスによる離職者の受け入れ増加? 事業運営上の具体的課題 • 地域の就労支援力の底上げとネット ワークの構築 • 多様化する利用者層への対応 – 発達障害者への支援方法 • 職場定着支援の充実 – 増え続ける就職者に対する支援の方法論 80 課題解決のために • ネットワークの構築 – 全国就労移行支援事業所連絡協議会 – 地域の福祉サービス事業所を訪問、相談支援事業所の活用 • 利用者層の拡大 – 地域のネットワークを活用して様々な実践を – 相談支援事業所や発達障害者支援センターとの連携 – 発達障害者の受入 • 職場定着支援の方法論 – 全国就労移行支援事業所連絡協議会を通じた厚生労働省と の意見交換 – 生活訓練を就労者向けに – 就労者が気軽に来れるたまり場支援 81