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電流伝送イコライザー改良編 筐体見直し

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電流伝送イコライザー改良編 筐体見直し
電流伝送イコライザー
作成レポート(改良編)
2016 年 6 月 18 日
目次
1. バッテリー電源供給の ON/OFF ............................................................................................................ 2
1.1. ハムの混入 ....................................................................................................................................... 2
1.2. 外部バッテリー電源 ON/OFF 回路................................................................................................. 3
2. 発振対策・ハム対策 ............................................................................................................................... 4
2.1. イコライザーIVC の発振対策 ......................................................................................................... 4
2.2. ハムを拾っている個所の特定.......................................................................................................... 4
2.3. 定電圧電源回路の二重化 ................................................................................................................. 4
(1) 三端子レギュレータによる1段目電源 ......................................................................................... 4
(2) 基板パターン図.............................................................................................................................. 6
(3) 定電圧電源の出力調整用抵抗の見直し ......................................................................................... 8
(4) 定電圧電源基板の改良 ................................................................................................................... 8
2.4. イコライザーIVC基板の再作成 .................................................................................................. 9
3. その他の改良 ........................................................................................................................................ 11
3.1. ラインアンプへの入力抵抗の追加 ................................................................................................ 11
3.2. ミューティングの定数決定 ........................................................................................................... 11
3.3. 筐体内の基板配置の見直し ........................................................................................................... 11
4. 対策結果 ................................................................................................................................................ 11
5. ヒアリング ............................................................................................................................................ 11
6. 考察 ....................................................................................................................................................... 12
7. RIAA 素子の変更等 ............................................................................................................................... 12
8. 電源ノイズ対策 ..................................................................................................................................... 13
9. 筐体の見直し ........................................................................................................................................ 14
9.1. 電源の分離 ..................................................................................................................................... 14
9.2. 筐体加工 ........................................................................................................................................ 14
(1) フロントパネル............................................................................................................................ 14
(2) リアパネル ................................................................................................................................... 14
(3) 内部配置....................................................................................................................................... 15
(4) 出力ミューティング基板 ............................................................................................................. 15
1
1. バッテリー電源供給の ON/OFF
1.1. ハムの混入
バッテリーの音があまりにも衝撃的な音だったので、AC 電源とどの程度の差があるのだろうか AC 電源は聞け
ない程悪いのだろうか。確認したくなった。配線し直しを行い、十分確認した後、電源投入!。
ブ~~~ン………
えっ~~~?ハム~~~…?
これまで、長い間アンプ作りを続けてきた中で、ハム音を聴いたのは始めての経験だ。配線を見直したり平滑コ
ンデンサの容量をアップしてみたりしたが一向に解消しない。そこで、AC からの電源供給を半ば諦め、バッテリ
ーでも聴けるように背面に外部電源供給用のキャノンコネクターを追加。さらに電源スイッチで外部バッテリー電
源の ON/OFF ができるように回路を追加した。また、イコライザーへの配線が長くなってしまっていたので、基板
の向き・配置を変更した。
2
1.2. 外部バッテリー電源 ON/OFF 回路
電源 SW の ON/OFF で、外部バッテリー
電源を ON/OFF できるように、パワーアンプ
に多用されている MOS-FET による制御回
路を応用して ON/OFF 回路を追加した。
出力ミューティング回路の 22V の定電圧
ダイオードと 510Ωの接続点の電圧を PNP ト
ランジスタ Tr7 で監視し、AC 電源の
ON/OFF として検出。正極側の MOS-FET
を制御する。Tr7 の出力を Tr8 でインバート
して負極側をコントロールしている。
MOS-FET には、容量の小さな 2SJ313/2SK2013 を使用。MOS-FET の ON 状態を保つためにツェナー電圧
が 3.8V(3.7V~3.9V)の定電圧ダイオード HZ4B1 を使用した。
なお、この対策は一時しのぎである。次の定電圧基板の改良により、使用を停止した。
+Vin +Vout
1KΩ
Tr2
2SA970
4.3KΩ
-Vout -Vin E
E -Vin -Vout
S D G Tr1
2SJ313
D1 HZ4B1
+Vout +Vin
S D G Tr6
2SK2013
D2 HZ4B1
1KΩ
Tr5
2SC2240
4.3KΩ
Tr3
2SC2240
Tr4
2SA970
R7
4.7KΩ
R10
R9
R6
4.7KΩ
Tr7
2SC2240
R4
Tr8
2SC2240
R3
R1
+Vdetect
GROUND
GROUND
3
+Vdetect
2. 発振対策・ハム対策
2.1. イコライザーIVC の発振対策
いろいろと検討した結果、コネクターIVC の FET の IDSS とイコライザーIVC の Tr1 に使用している FET
2SK117-BL の IDSS の大きさの関係で発振することが分かってきた。コネクターIVC の FET 2SK117-GR の IDSS
は 5.45mA である。一方、イコライザーIVC の Tr1 の IDSS は、10mA あった。この時、RIAA 素子等を手で触れる
と、「ビー」と音が出て、発振しているようである。そこで、イコライザーIVC の Tr1 の IDSS が 8mA のものに変更し
てみた。だいぶ改善されたが、まだ、発振している。さらに、7.1mA の FET に交換したところ、発振は収まった。
2.2. ハムを拾っている個所の特定
次に、ハムを何処で拾っているかであるかを探した。まず、イコライザーIVC で、定電流を供給している 2SJ103
の電源ラインにリップルフィルターを組み込んでみた。これは全く効果なし。
あと考えられるのは、コネクターIVC に供給している-4.8V のラインか SAOC。SAOC だけバッテリー駆動とし、
その他を AC からの供給としてみた。これだ~。ハムが聞こえなくなった。SAOC は、殆どリップルが無い電源でな
いとダメのようだ。
2.3. 定電圧電源回路の二重化
ハムがどこで拾われているかわかったが、その対策をどうするか。ちょっと考えてみたら、MJ 無線と実験の真空
管とのハイブリッドタイプのイコライザーアンプでもトランスを使用しているがハムが出たなんて何処にも書かれて
いない。なぜ、問題ないのだろう。記事をよく見てみると、定電圧回路が二重(二段階)になっていることに気が付
いた。これで、リップルを低減させているに違いない。そこで、若干スペースがある定電圧回路基板に三端子レギ
ュレータを追加して対応することにした。三端子レギュレータのデータシートを見てみると、リップル圧縮率 78dB と
大変強力だ。リップルフィルターの適用も考えたが、三端子レギュレータの方が良いと判断した。
(1) 三端子レギュレータによる1段目電源
TK-50B の 7V 端子を整流した後の電圧は、+9.9V で、現在の低電圧回路の入力電圧には、7V 程度(最低
5.4V=4.8V+0.6V)は欲しいので、7.2V~7.5V を三端子レギュレーターの出力電圧としたい。この電圧の三端子レ
ギュレータは無いので、性能は悪くなってしまうが、±5V の三端子レギュレータに 2.4V のツェナーダイオード
(HZ2C2)を追加して出力電圧を 7.4Vにすることにした。もう少し 12V 程度の整流後電圧があれば±9V の三端
子レギュレータがそのまま使えるのだが。
早速、+5V と-5V の三端子レギュレータ(TA7805S/TA7905S)を入手。ただ、マイナスの三端子レギュレータ
は、入手が困難なようで、なかなか見つからなかった。
基板パターン設計にあたって注意したことは、データシートにおいて、プラス側の三端子レギュレータの端子配
置が①IN、③GND、②OUT の順に記載されていることである。(端子配置順は、IN、GND、OUT となってるので、
データシートに記載されている番号順に惑わされず、混乱しなければ問題ない。ちなみに私は混乱した。)
一方、マイナス側は、①GND、③IN、②OUT の順と①と③役割が入れ替わっており、この点にも注意した。
4
三端子レギュレータの追加
±4.8V 定電圧電源回路
MJ誌に記載されている
DCアンプシリーズで発表された回路
リップルフィルターの場合(実装していない)
±4.8V 定電圧電源回路
MJ誌に記載されている
DCアンプシリーズで発表された回路
5
(2) 基板パターン図
以前は、アースラインを+4.8Vと-4.8V それぞれ別々にしていたが、今回は共通とした。
6
リップルフィルターの場合
7
(3) 定電圧電源の出力調整用抵抗の見直し
出力電圧調整用の抵抗は、オリジナルの回路は 18KΩを固定し、基準電圧に対するシリーズ接続された 2 本
の抵抗で一方を大まかに、もう一方を微調整としているが、この状態で出力電圧を調整しようとすると、微調整用
抵抗を 0Ω~10KΩの範囲で用意する必要がある。これは、ちょっと負担金銭的、時間的負担が大きい。そこで、
抵抗の値を変更し、小さな範囲で調整できるように見直すことにした。
回路定数は、定電圧回路の基準電圧の実測値 3.488V を使用して以下の計算を行って決定した。
オリジナルの固定値の抵抗 18KΩを 3.3KΩに変更したとすると、基準電圧に対応する 2 つのシリーズ抵抗の
合成値 X は、
式
3.488V×(3.3KΩ+X)/X=4.8V
となり、この式を X について解くと、
X=3.488V×3.3KΩ/(4.8V-3.488V)=8,773Ω=8.2KΩ+560Ω
再度、計算しなおしてみると、0Ω~1.2KΩの範囲で±0.1V の範囲の微調整が可能となることがわかる。
3.488V×(3.3KΩ+8.2KΩ+0Ω)
/(8.2KΩ+0Ω)
=4.89V
3.488V×(3.3KΩ+8.2KΩ+560Ω) /(8.2KΩ+560Ω) =4.80V
3.488V×(3.3KΩ+8.2KΩ+1.2KΩ)/(8.2KΩ+1.2KΩ)=4.71V
なお、抵抗値が小さくなるので、ここに流れる電流は、オリジナルの回路から比較すると8倍程度になる。この電
流は消費されるだけなので、省エネにはならないが、調整のし易さを優先した。
(4) 定電圧電源基板の改良
定電圧回路基板に三端子レギュレータを追加実装した基板。
8
2.4. イコライザーIVC基板の再作成
ハム撲滅のため厳選したトランジスタ、FETを使用する為、及び、検討のためいじくったので基板
がぼろぼろになってしまった事、5.6MΩの抵抗が手に入った事から、イコライザー基板を再作成した。
Tr1(2SK117-BL)の IDSS に注意して実装しないと、発振してしまう。コネクターIVC の FET の IDSS と
の相関で、発振してしまうか
否かが決まる様で、先に述べ
たようにコネクターIVC の
IDSS の積が一定値以下であ
れば発振しないという仮説を
立て、下記の式を作成した。
820KΩ
82Ω
D1
91Ω
Tr5
2.4KΩ
くなった。この事実から双方
500Ω
①
110Ω
が 7.1mA の IDSS で発振しな
0.1µF
FET が 5.45mA、Tr1 の IDSS
Tr3
51KΩ
Tr1
Tr4
5100pF
1500pF
Tr2
5.6MΩ 0.47µF
D2
10pF Tr3 Tr4
Tr1
Tr2
イコライザーIVC 基板の再
作成において、Tr1 に IDSS
が 8.0mA の素子を装着した。
仮説から、コネクターIVC
の FET の IDSS は 4.8mA 以下
とすれば良いと推測できる。
38.695÷8mA≒4.84mA
20J103 は、IDSS が 7.62mA
と 7.67mA を選別した。
500Ωのボリュームで、
2.62mA,2.60mA まで低減でき
ることを確認。コネクター
IVC の FET は、発振さえなけ
れば IDSS が 3.62mA~8.62mA
の範囲で使用できるはずだ。
さらに、イコライザーのゲ
インを決定する Tr3(2SC2240)は hFE=325 の素子を実装した。
その他、2SA970 は、両 ch の hFE を揃えて実装した。
9
180Ω
0.1µF
3.6KΩ
33Ω
430Ω
150Ω
5.45mA×7.1mA=38.695
1.2KΩ
5.1KΩ
①
100Ω
Tr5
次に、ハム対策のメイン、SAOC の対策だが、現状基板の 2SK170-BL は IDSS=10mA の素子を使用してい
る。おそらく、このゲインが高すぎてハムを拾っていると推測している。そこで、今回は、IDSS が
7.52mA のペア、7.54mA のペアを抽出して使用した。
その他、基板パターンの改良点としては、Tr1 のドレインに接続する電源ラインと 2SJ103 の電源ライ
ンを共通化していたが、個別に電源ラインから供給するようにした。
それから、RIAA 素子の 820KΩの抵抗と 5100pF のコンデンサの向きが 51KΩ、1500pF と直行していた
が、90°回転させて一直線に配置するようにした。
調整については、紙面では Tr3 のベース抵抗 RB1(430Ω//150Ω)を調整するように記述されている
が、これでは調整しきれない。1.2KΩと RB1 合わせて調整する。
入力はオープン、ボリュームは Max、出力をショートとし、2SJ103 の定電流を外し、SAOC の接続も外
す。RB1 に 5KΩのボリュームをつなぎ、Vo が 0 になる様に調整する。ここは、なかなか安定しないの
で、根気よく時間をかけて調整を行った。値が決まったら、1.2KΩ+5KΩボリュームの値から、1.2KΩ
に相当する抵抗の値を決める。計測の結果、2.966KΩ、3.059KΩであったので、2.7kΩ+263Ω(680Ω
//430Ω)、2.7kΩ+339Ω(620Ω//750Ω)とした。
後の調整は、紙面に従い、2SJ103 の定電流、SAOC の接続を行い、入力に調整用 IVC をつないで、
SAOC の 2.4KΩの電圧を 2SJ103 の半固定ボリュームで 2.4V に設定し、SAOC の半固定で Vo を 0V に調
整、ラインアンプの Vr1 で、5.1KΩのラインアンプ接続側を 0V に調整した。
10
3. その他の改良
3.1. ラインアンプへの入力抵抗の追加
トータルゲインが高すぎるようで、ボリュームが時計の短針が 8 時ぐらいの角度で大きな音になって使いづらか
ったのと、測定器で確認したわけではないが、ライアンプで音がクリップしているように感じられたので、入力に
5.1KΩの抵抗を追加した。イコライザーの出力側にも従来の 5.1KΩがあるので、合計 10.2KΩとなる。別途、IVC
のゲインも調整しようと思う。この対策で適度なボリューム回転角度で適度な音量にすることができるようにする。
3.2. ミューティングの定数決定
ボリュームのミュートがあると重宝する。ヒアリングで抵抗値を 15Ωに決定した。
3.3. 筐体内の基板配置の見直し
イコライザーIVC基板の入力ライン結線、及び、全面パネルとの結線を短くするため、基板縦横の向きを写真
のように変更した。
4. 対策結果
レコードに針を落とした後、静寂から音が飛び出してきて思わず「やった!」と口の中で叫んだ。ブーンというハ
ム音から解き放たれ、解放感と満足感に満ちた気分だ。ボリュームを最大にしてもハムは聞こえない。
また、発振も無くなった。極めてバッテリー電源に近い状態での音楽再生ができるようになった。
これで、音楽を聴きたいとき、バッテリー切れで充電できるまでお預け、という事態から解放される。
5. ヒアリング
初段の安定化電源は、三端子レギュレータを使用したので、作成前は音質がどうなるか気になったが、実際に
聞いてみると取り立てて気にはならない。
音質については、パチッというレコード特有のノイズが無ければ、デジタル音源を遥かに凌駕する音
だ。オーケストラでも、チェロの低音はっきりと聞こえ、実在感がはっきり感じられ素晴らしい。
11
6. 考察
ハムは、聞こえなくなった。MJ 無線と実験に発表された真空管とのハイブリッドタイプのイコライザーの記事中
にはハムが皆無との記述があるので勝算はあった。真空管アンプに出来て半導体アンプで実現できないわけが
ないと見ていた。解決まで長い時間を要したが、何とか対策できた。
ハムの原因は、SAOC の 2SK170 の IDSS が大きすぎたことだ。システムを安定させるはずの SAOC が逆にシ
ステムを不安定にしていた。電源の僅かなリップルを検出してイコライザーの入力に戻していたと思われる。
そこで、対策として SAOC の 2SK170 の IDSS を小さく抑え、真空管とのハイブリッドタイプのイコライザーで採
用されている安定化電源の二重化を施し、かつ、部品配置とパターンを見直したところ、ハムは解消した。
さらに、発振もなくなった。測定器は無いが、イコライザーの Tr1 や Tr2、RIAA のコンデンサに手を触れても
「ビー」といった発振を示す現象は全くない。こちらも SAOC が安定した事で解消したのだろう。
今後、いつ実現するかわからないが、電源を別筐体とし、バッテリー電源でも対応できるようにするつもりだ。別
筐体の電源は、第一段の安定化電源も通常の回路に変更して音質が向上するか確認したい。
なお、ラインアンプに使用したデュアルトランジスタ HN3C51F/HN3A51F(独立)が生産中止になった。同じシリ
ーズでベースコモンの HN4C51J/HN4C4A51J を入手したので、こちらで作り変えてみたい。
(ここまで 2016/5/3)
7. RIAA 素子の変更等
少し、聞きこんでいると、高域の音質が物足らなく感じた。そこで、イコライザーの RIAA 素子 1500pF(双信電
機のディブマイカコンデンサ)をシーメンスの積層フィルムコンデンサ MKM に変更してみた。容量をテスターで確
認して、8 個の中から 1500pF に近い、誤差 2%未満の値の素子 2 個を選別し、ガラスエポキシ版で挟んでタコ糸
で縛り、エポキシ系接着剤で固定して箔の振動を抑制する加工を施してある。これにより、高域の音質が格段に
向上した。取り外したディブマイカコンデンサの容量を調べたら 1570pF であった。誤差 4.67%で 5%以内だが、こ
れが聴感上物足らなく感じた原因だろうか。
なお、5100pF の方は、積層フィルムコンデンサの入手ができないため、ディブマイカのままである。
また、Tr3 の位相補正コンデンサ CF(10pF)の調整を行い、33pF でより潤いのある音に感じられたのでこの値
を採用した。
(2016/5/8 追記)
12
8. 電源ノイズ対策
更にバッテリーの音に近づけるために電源ノイズ対策を行った。MJ無線と実験の4月号から 6 月号にかけて掲
載されたパワーアンプの整流回路にコイルと抵抗を入れて対策されているのを参考にした。SN8S-300 を 21 ター
ン(15μH)と 12 ターン(4.7μH)に改造し、整流回路と平滑コンデンサの間に 21 ターンと 33Ωをパラにして 2
個、中間タップと平滑コンデンサの中点の間に 12 ターンと 22Ωとパラにして挿入した。ダイオードに追加する
8200pF のコンデンサは部品を入手していないので追加していないが、入手次第追加しようと思っている。
この改造により、驚くほど音質が改善。バッテリーの音に肉薄したのではないかと思われる。
なお、この検討過程で、Tr3(2SC2240-GR)を hFE=309 のものに交換。イコライザーのゲインを下げた。これによ
り、ベースの抵抗の再調整(2924KΩ=2.7KΩ+430Ω//470Ω, 2760KΩ=2.7KΩ+430Ω//82Ωを行い、ラインア
ンプに追加した 5.1KΩは不要になり取り外した。また位相補正コンデンサ CF も元の 10pF に戻した。
誌面には、Tr3 の hFE がイコライザーのゲインの大半を占めるとの解説があるが、元の 325 から僅か 16 小さくし
ただけであるが、これほどゲインが大きく変化するとは想定していなかった。設計値の 260 では、けっこう小さな音
量になってしまうのではないかと思われる。
(2016/5/15 追記)
13
9. 筐体の見直し
9.1. 電源の分離
バッテリーでもAC電源でも対応できるようにアンプ部と電源部を分離することにした。電源部はIVCとして機能
させ、本電流伝送イコライザーの電源 BOX としても使用する。IVC については、別途報告する。
新たに筐体タカチの筐体 SL70-32-43SSと内部シャーシ AC26-43 を購入。内部シャーシは本来 AC32-43 が
適合したサイズであるが、筐体の本来側板をフロント/リアパネルとして使用しているので、パネルとの間隔がな
く、部品が取り付けられない。そこで、一回り小さい AC26-43 を使用する。
9.2. 筐体加工
(1) フロントパネル
フロントパネルは、既にIVC+電源BOXとする現行の筐体で作成済みなので、それを取り外して使用する。新
たに購入した筐体のパネルの1枚は、IVC+電源BOXのフロントパネルとして使用する。
±4.8V の ON/OFF 用に電源 SW をもう販売されていないミヤマの MS-720L-2-R-N-G(2 回路)とした。
(2) リアパネル
本機は、外部電源供給タイプとするが、Canon のコネクターの他にACインレットも付けておく。後で気が変わっ
たり、他への転用する時、追加加工するのはとても大変だからだ。
レタリングはテプラの透明シートを使用。
HGPゴシックMのフォントサイズ 10.5 で、英字を全角文字で記述するともう販売されていないサンハヤトのレタ
リングシートの字体と同じ感じになる。
14
(3) 内部配置
内部は、電源周りが無いのですっきり。持ってきたのはイコライザー基
板とラインアンプ。他は、IVC筐体(旧電流伝送イコライザー筐体)の方に
残して使用する。
出力ミューティング基板は新たに作成。+4.8Vを監視してリレーと電
源スイッチのLEDを制御する。
(4) 出力ミューティング基板
出力ミューティング回路を新たに作成した。
3.9V~4.1V のツェナーダイオードで+4.8V の
電源 ON/OFF を検出。Tr5 で電源LEDを制
25.5V
御し、Tr1 以降でリレーを制御する。
1N4007
470KΩ
12KΩ
Tr3
Tr4
で、ボリュームを入れて調整。実測の抵抗値が
OMRON RELAY
G2R-2 DC24V
1187Ωであったので、1.2KΩとした。
470Ω
100KΩ
1.2KΩ
ZD 4.0V
3.9KΩ
電源のLEDは、15mA 流すのが規格なの
3.9KΩ
4.8V
Tr1
Tr5
Tr2
Tr5、Tr1,Tr2,Tr3 は、2SC2240 を使用し、
Tr4 には、2SC2655 を使用した。
470µF
25V
ツェナーダイオードには、3.9V~4.1V の
HZ4B-3-E を使用。
GND
電源LED
リレーの逆起電力対応ダイオードは 1N4007
を使った。
Tr4
出力ミューティング回路
Tr3
MJ 無線と実験 2009 年 3 月号
安井章
MM/MC カートリッジ対応プリ
アンプ 図 12
出力ミューティング回路は、MJ 無線と実験 2009 年 3 月号 安井章「MM/MC カートリッジ対応プリアンプ」の
図 12 の回路を使用し、電源 ON/OFF 検出のツェナーダイオードとその電流値を決定する抵抗を変更したのと、
電源 LED の駆動回路を追加した回路である。
(2016/6/18 追記)
15
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