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日航907便事故裁判の 慎重かつ公平な審理を求める署名
最高裁判所 第一小法廷 御中 日航907便事故裁判の 慎重かつ公平な審理を求める署名 貴裁判所において、国土交通省東京航空交通管制部の職員である2名(訓練監督者と訓練生)の航空管制 官が、2001年1月31日に発生した日本航空907便(同社958便との接近)の航空事故に関し、業務上過失 致傷罪の被告として審理されています。 今回の事故は、発生当初、管制官の便名の言い間違いが事故の原因であるかのようなマスコミ報道が行わ れたものの、その後の航空・鉄道事故調査委員会の調査では、 この事故が、多くの複合原因により発生したこ とが明らかになりました。 このことからも、本件事故は被告人の便名間違いだけが原因で生じるものとは言え ません。 さらに、航空機に搭載されたTCAS (空中衝突防止装置) については、当時の運用方式に重大な不備 があるとして、 航空・鉄道事故調査委員会は、 国際民間航空機関に異例の安全勧告を行いました。 このような状況のなか、2名の管制官は業務上過失致傷罪で起訴されました。東京地裁における審理では、 裁判官自ら職権による現場検証を行うとともに、公判では、科学的に証拠の検証を行い、2006年3月20日、 管制官両名に対し無罪判決を言い渡しました。 東京高裁の審理では、毎回多くの国民やマスコミが傍聴するなか、検察は公判で何一つ立証できなかった ばかりか、逆にすべての証人が弁護側の理論を裏付けました。 にもかかわらず、東京高裁の裁判官は現場を 見ようともせず、証人の意図とは明らかに異なる論旨によって逆転有罪判決を言い渡しました。 公判において警察や検察官の調査だけを重んじ、証言から明らかになった事実を意図的に無視することは、 民主的な司法と社会正義に反するとともに、重大な事実誤認を犯したまま、科学的解明が必要な航空事故を 個人責任に矮小化するもので、今後の事故再発防止の深刻な障害となります。 民主国家日本における司法の最高機関である貴裁判所におかれましては、 両管制官の今後の審理について、 被告側の主張に十分耳を傾け、科学的で慎重かつ公正な審理を行われるよう要請するものであります。 氏 名 住 所 署名取り扱い団体 全運輸労働組合 〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3 TEL03-3580-4244 FAX03-3593-0359 真の事故原因の究明と再発防止に向けて、 裁判の慎重かつ公平な審理を求める 署名のお願い! 日航907便事故裁判 2001年1月31日、 日航907便(羽 日航907便事故の状況 田→那覇) と日航958便(釜山→成田) が、静岡県焼津市上空でニアミスし、 907便の乗客乗員100名が負傷、 JAL 958便 両機を担当していた2名の管制官(訓 ●管制官の指示は水平飛行 ●TCASの指示は降下 ●パイロットは降下 練監督者と訓練生)が業務上過失致 JAL 907便 ●管制官の指示は降下 ●TCASの指示は上昇 ●パイロットは降下 管制官の指示 傷罪で起訴されました。 東京地裁での審理では、裁判官は 1000 フィート 職権で東京航空交通管制部を現場 検証するなど、科学的に事故を検証し、 2006年3月、両名に無罪判決を言 い渡しました。しかし、検察は控訴し、 急降下でけが人発生 2008年4月11日、東京高裁は第 一審の無罪判決を破棄、訓練監督者 ます。 れるなど、国際標準に則ったものと に禁固1年6ヶ月執行猶予3年、訓練 しかし、東京高裁は、証人のパイロ はなっていません。 生に禁固1年執行猶予3年の逆転有 ットや管制官が「機上のTCASの回 非科学的で誤った事実認定による 罪判決を言い渡しました。 避指示を地上の管制官が予測する 今回の判決が確定すれば、管制官や ことは困難」と証言していることを パイロットなど航空の現場に混乱を 無視し、検察の「予測できる」とする 巻き起こすだけでなく、今後事故調 主張を丸呑みし、過失があったと断 査で関係者は口をつぐみ、事故再発 事故発生当初は、管制ミスがマス じました。また、証人の発言の一部 防止ができず航空の安全に重大な コミで大きく報道されましたが、そ を切り取り、証人の発言趣旨とは明 影響を及ぼしかねません。さらに、国 の後の航空・鉄道事故調査委員会の らかに違う論旨にこじつけて過失の 民の衆目のなかにある公判での事 調査で、多くの複合原因により発生 理由とするなど、事実と相違する非 実を無視して、密室で行われた警察 したことが明らかになりました。特に 科学的で独断的な判断を数多く行っ や検察の調査結果だけを採用すれば、 航空機に搭載された航空機衝突防 ています。 社会で問題となっている冤罪事件は 控訴審判決は事故原因と 事実を重大誤認 止装置(TCAS)については運用方 後を絶たず、民主国家日本の社会正 が高いとして、事故調査委員会は、異 個人責任追及は、航空の 安全・安心を破壊 マンファクターの専門家や日本学術 例の安全勧告を国際民間航空機関 様々な要因が複雑に絡み合う航 会議の学者など多くの専門家がこの に行いました。また事故の翌年、 ドイ 空事故の再発防止には、関係者の詳 控訴審判決を批判、新聞などマスコ ツでパイロットがTCASの指示に反 細な情報提供が必要なことから、国 ミも疑問を投げかけています。 して降下するという日航907便事故 際民間航空条約では、航空事故調査 以上のことから、最高裁においては と極めて類似した状況で空中衝突 と刑事責任追及を明確に分離すべ 科学的で公平な審理が行われるよう、 事故が発生、管制ミスが事故の主原 きとしていますが、日本では、事故調 最高裁への要請署名にご協力をお 因ではないことが明らかになってい 査報告書が裁判で証拠として採用さ 願いいたします。 式の不備があり、事故再発の可能性 義にも大きく反します。また、 ヒュー 署名取扱団体 全運輸労働組合 〒100-8918 東京都千代田区霞が関3丁目1番3号 TEL 03-3580-4244 FAX 03-3593-0359 日航907便事故裁判に関するホームページアドレス http://www.zenunyu.net/zen−usr/907bin/index.html(全運輸HP http://www.zenunyu.net)