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2012年島津環境・社会報告書

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2012年島津環境・社会報告書
P012-0172
島津環境・社会報告書
SHIMADZU
ENVIRONMENTAL
AND
2012
SOCIAL
REPORT
トップメッセージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 03
島津製作所の事業概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 04
特集
特集1 震災を受けての当社の対応・・・・・・・・・・・・・・・・・ 06
特集2 環境貢献製品の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 09
社会報告
コーポレートガバナンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
製品の品質管理・安全・CS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
株主・投資家の皆様へのIR活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
人事方針/働きやすい職場作り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
INDEX
SHIMADZU
E N V I R O N M E N TA L A N D
SOCIAL REPORT 2012
社会との共生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
環境報告
環境方針/推進体制/外部審査・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
中・長期プログラム/環境管理プログラム・・・・・・・・・・・・・ 22
巻頭
環境負荷マスバランス/環境会計 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
地球温暖化防止/省エネ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
廃棄物管理/化学物質管理/公害対策 ・・・・・・・・・・・・・・ 28
製品の環境対策/グリーン調達 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
内部環境監査/教育・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
生物多様性の保全・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
・・・・・・・・・・・・・・ 34
外部支援活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
関係会社における取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
環境負荷データの詳細・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
環境活動のあゆみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
編集方針
本報告書は、お客様をはじめ、当社グループを支えていただく全ての利害関係者の皆様に対して発行しております。当社グルー
プの環境・社会活動を分かりやすくご紹介することによって、皆様とのコミュニケーションを図ることを目的としております。
本報告書の作成にあたっては、以下のガイドライン等を参考にして体系的にとりまとめると共に、利害関係者の皆様のご関心と
当社から開示する情報の中で重点を絞り、読みやすさ、分かりやすさを心がけました。本報告書の掲載内容のみならず、当社の
環境・社会活動のさらなる改善を図るため、皆様からのご意見・ご感想を頂戴できれば幸いです。
<参考としたガイドライン>
・環境省:環境報告ガイドライン
(2007年版)
、環境報告ガイドライン
(2012年版)
・サステナビリティ・コミュニケーション・ネットワーク:サステナビリティ報告ガイドライン
「SPI報告解説書」
・GRI:サステナビリティレポーティングガイドライン
(第3版)などを参照しています。
報告対象期間と対象範囲
2011年度(2011年4月1日∼2012年3月31日)の活動成果・情報を中心に掲載しています。一部直近または2011年度以前の活動
も含みます。なお、本社を含む三条工場、瀬田事業所、基盤技術研究所(けいはんな)
、紫野工場、秦野工場、厚木工場および島
津グループの関係会社を対象範囲としています。
報告書発行時期
2012年6月
2
トップメッセージ
環境負荷低減を目指した事業活動
2011年3月11日に発生した東日本大震災から1年以上が
低炭素社会を見据え、当社グループでは太陽光発電、2次電
経過しました。
池、燃料電池などの研究開発や生産を支援する製品を積極
この間、当社グループでは一丸となって、被災地域に立地
的に提案しています。同時に、2010年1月より開始した
している多くのお客様や、サプライチェーンの方々の復旧
「Save the Energyプロジェクト」のもと、当社が提供する製
に全力を尽くしてきました。未だ被災地の復旧・復興は道
品の省エネ化も推進しており、環境へ配慮した製品をお客
半ばであり、今後も当社グループとして貢献できる活動を
様に継続して提案しています。
継続的に実施してまいります。
また、各事業所では、設備の省エネ改修や省エネにつなが
社会への新しい価値の提供
ト ッ プ メッセ ー ジ
東日本大震災を経て
る生産工程の見直し、省エネ機器の積極導入を図っていま
す。その一方で、全従業員に対して地道な省エネ活動を徹
当社は創業以来137年にわたり、
「科学技術で社会に貢
底するための教育・啓発も行っています。
献する」
という社是のもと、経営理念である「 人と地球の
今後もこうした環境貢献、環境配慮の活動を通して、企業の
健康 への願いを実現する」活動を続けて参りました。
社会的責任を果たしていく所存です。
分析計測機器、医用機器、航空機器、産業機器などの製
品・サービスを提供させていただくことにより、国内外の
本冊子はこうした当社の環境・社会活動について、2011年
さまざまな分野でお客様の新製品開発や品質管理をは
度の実績を中心に編集しております。手にされた皆様にお
じめ、地球環境の保全・改善、あるいは人々の健康や暮ら
かれましては、是非ご高覧いただき、当社の取り組みに対す
しをより良くすることをめざしてきました。その姿勢は今
る忌憚なきご意見をお聞かせいただければ幸いです。
後も変わることなく、更なる技術開発と新製品開発を行
い、お客様のニーズに応えるソリューションを提供してま
いります。
このたび、島津グループの新しいブランドステートメント
として「Excellence in Science」を定めました。これは、
当社グループが「科学における卓越した存在」としてス
テイクホルダーの皆様に認められるよう、優れた科学技
術力をベースに、常に世界のリーディングカンパニーと
して挑戦を続けていく当社の強い意思と姿勢を表してい
ます。
株式会社島津製作所
代表取締役社長
今後も世界中のお客様と社会からの期待や信頼に応え
続けていくことをめざし、グローバルな事業活動を通じ
た貢献をお約束致します。
トピックス 食品放射能検査装置 FOODSEYE を開発
当社は日本人の主食である米に含まれる放射性セシウムを高速・高精度で測定
するために、
「食品放射能検査装置 FOODSEYE
(フーズアイ)
」
を開発しました。
本装置はがんの診断などに用いられる医用画像診断用PET装置の技術を応用し
ており、米袋をそのままベルトコンベアーに載せて流れ作業で検査し、設定した
基準値以下であるかどうかを○×表示で簡単に確認することができます。
食品放射能検査装置 FOODSEYE
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
3
事業概要
島津 製作所の事業 概 要
多 様 な 技 術 の 集 積 が S H I M A D Z U の 原 動 力 で す。
分析機器分野
Analytical Instruments
最先端の分析技術で、さまざまな分野での研究や
技術開発・品質管理に貢献しています。
■ 分 析 機 器 ……………………… 質量分析 装置 /クロマト分析 装置 /光 分析 装置 /
事業概要
表面分析・観察装置 /バイオ関連解 析 装置
■ 環 境 計 測 機 器 ……………… 水質計 測装置 /排ガス測定装置
ガスクロマトグラフ
ガスクロマトグラフは多くの成分を含む試料を気化させて成分ごとに分
離・検出することにより、個々の成分を調べる装置です。最新機種では、
エネルギー効率の優れた設計により、消費電力の削減も図っています。
計測機器分野
Testing and Measuring Instruments
計測・試験・検査技術で、都市の安全、
暮らしの安心をより確かなものにしています。
■ 試 験 検 査・測 定 機 器 ……… 材料試 験 機/疲労・耐久試 験 機/構造物試 験 機/
非 破壊 検 査装置 /高速 度ビデオカメラ/
粉 粒体測定機 器/天びん・はかり
精密万能試験機
ゴム、プラスチックなどの素材から、食品、携帯電話まで、あらゆる対象物の強度試験が可能。
製品開発、品質管理の現場で幅広く活躍しています。
医用機器分野
Medical Systems and Equipment
進化した画像診断機器で病気の早期発見、早期治療に貢献。
医療現場の新たな世界を切り拓いていきます。
■ 医 用 機 器 ……………………… X 線TVシステム/血管撮 影システム/
X 線 撮 影システム/ PE T/C Tシステム/
近赤外光イメージング 装置 /医療情 報システム
X線TVシステム(直接変換方式FPD搭載)
高感度な直接変換方式FPDと、最新のデジタル画像処理技術のマッチングにより、超
高画質と低被ばくを実現。最大17インチの大視野が効率のよい検査を可能にし、消
化管から腹部、泌尿器、整形分野までさまざまな領域で活躍しています。
4
事業概要
島津 製作所の事業 概 要
航空機器分野
Aircraft Equipment
搭乗者の「安全・安心・快適・負荷軽減」を実現する
パワー・ドライブ・ユニット・
ギヤボックス
コントロール・バルブ・
モジュール
さまざまな航空機器を提供しています。
■ 航 空 関 連 機 器 …………… フライト・コントロール・システム/エア・マネジメント・システム/
コックピット・ディスプレイ・システム/エア・データ・システム/
磁気探知システム/その他の航空機搭載機器
■ 地上支援 関 連 機 器 ……… 航空機 器 機能試 験装置 /航空医学訓練装置
■ 宇 宙 関 連 機 器 …………… 推 薬弁/注排弁
事業概要
フライト・コントロール・システム
アングル・ギヤボックス
航 空 機 の 揚 力 や 機 体 姿 勢 などを 制 御 するフライト・コントロ ー ル・システム 。
SHIMADZUはこのシステムにおいて、離着陸を安全に行うためのフラップ舵面制御
システムを手がけています。高品質なメカニカル技術や高信頼性の電子制御技術で
安全な飛行に貢献しています。
フラップ・アクチュエータ
Industrial Equipment Semiconductor &
Flat Panel Display Equipment
産業機器分野
高度な製造装置や検査機器を開発し、
先端産業分野における次世代のモノづくりにお応えしています。
■ 半 導 体・F P D 関 連 機 器 ……… ターボ分子ポンプ/ヘリウムリークディテクタ/成膜装置 /
TF Tアレイ検 査装置 /液晶注 入装置
■ 油 圧 機 器( フル イディクス )… 油圧歯車ポンプ/パワーパッケージ/マニュアルスタックバルブ
■ デバ イス・コンポーネント …… 回折格 子/固体レーザ/小形分 光器/レンズ/非球面光学素子/
精密格 子板 /精密分 光計/精密屈折計
ターボ分子ポンプ
太陽電池や半導体などの製造プロセスに欠かせない真空環境を作り出すターボ分子ポンプ。
世界最大級の排気能力を持つターボ分子ポンプを製品化し、大型化が進む太陽電池モジュー
ルや大口径化が進むシリコンウエハなどの成膜・加工に対応しています。
会社概要
商
号
株式会社 島津製作所
単位:百万円
SHIMADZU CORPORATION
300,000
創
業
明治8年(1875)3月
設
立
大正6年(1917)9月
約266億円
資
本
金
従
業
員
是
経 営 理 念
単独
289,971
連結
単位:百万円
272,833
23,864
20,000
159,074
141,887
154,004
18,650
17,731
15,279
155,698
100,000
10,000
9,816
8,730
6,291
4,864
京都市中京区西ノ京桑原町1番地
科学技術で社会に貢献する
連結
266,255
200,000
171,096
単独
30,000
252,707
0
社
経営利益の推移
238,255
3,069名(単独)、10,132名(連結)
(2012年3月31日現在)
本社所在地
売上高の推移
0
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
4,287
328
2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度
人と地球の健康 への願いを実現する
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
5
特 集1
震 災を受けての当社の対応
災を受けての当
全 国 的な節 電 要 請 へ の 対 応
昨夏、
東日本大震災に端を発する原子力発電所の運転停止により、
全国的に電力需要が逼迫し、
節電対策が要請された。
島津の生産拠点では、
そのときどのような対応がとられたのか。
現場で対応にあたった担当者が、
当時の経験を振り返った。
特集
まず、昨年度は本当に大変な1年となりま
したが、皆さんにとっての契機はどのよう
なものだったでしょうか。
「M」)
:元々、本社の位置する三条工場内に勤
松田(以下、
務していたので、三条工場の施設は十分把握していました。
しかし、政府からの電気事業法に則った節電要請が出され
た地域の工場や事務所についての知識や経験が少なかっ
たので、
まずは現状把握に奔走しました。
「U」)
:急に始まって、急に終わってしまったよ
植原(以下、
うな、非常に目まぐるしい毎日でした。松田さんと共に節電
対策の事務局として、最初に方針を立てた5月末から短期間
のうちに計画を策定したり、準備しなければならないもの
を整理したりと、多くの作業に取り組みました。
「 O」)
:秦野工場では節電などの話の前
小山内(以下、
に、3月11日の震災以降、週明けの月曜日からガソリンや物
資は手に入らない、計画停電が電力会社から発表される、
という待ったなしの緊急事態でした。
秦野工場も該当した計画停電にはどのよ
うに対応されたのでしょうか?
O:震災翌週の3月16日16時半から22時までが最初の計画
停電でした。当日、22時を過ぎたところで電気が戻るはず
でしたが、周りがどんどん明るくなっても秦野工場だけはな
ぜか暗いまま。最初は何が起こったのかわからなかったの
ですが、電気設備の遮断装置を手動で復旧しなければなら
かったのです。寒い夜中に懐中電灯の明かりだけを頼りに
「S」)
:震災後、関西にまで節電要請が出る
嵯峨根(以下、
図面を広げ、変電所の操作盤をようやく元に戻して家に帰
とは正直思っていませんでした。
しかし航空機器事業部で
る頃には日付も変わっていました。
これまでに長時間停電
は開発試験や生産のために電力消費が大きな装置を多数
の経験がなかったこともありますが、昼間の停電でも苦戦
所有していたこともあり、当初の5%程度の目標からさらに
しました。緊急に配電盤に手を加え、非常用発電機を一般
厳しい要請が出るだろうと事業部長にも予め打診をしてい
電源にも使える準備をしていたのですが、停電と復電を繰
ました。
り返すのです。停電を検出して発電機を動かす回路と、発電
機からの電気で 復旧した として発電機を止める回路が交
互に動作したためです。何とかこれも修復できた後には、計
画停電はなくなりました(笑)。
M:この当時、三条工場からも発電機を手配しようとしたん
ですが、なかなか手に入らず、夏場のピークカットにあわせ
る形でようやく手配することができた状態でした。関西圏で
も夏場の節電要請が出たため、滋賀県の瀬田事業所でも
生産支援本部 企画部
施設管理グループ
松田 健太
6
導入しましたが、電力ベースでは使用量を削減しましたが、
軽油の使用によりCO2排出量は若干増えてしまいました。
特 集1
震 災を受けての当社の対応
けての当社 の対応
さまざまな対応が求められた中で、
どのよ
うな節電対策を実施されたのでしょうか。
て、現状把握のためのフォーマットを作成して節電計画の
立案への協力を求めました。また、各種省エネ施策の効果
の試算なども実施しました。
M:このフォーマットは節電効果も算出するものでしたが、
机上の空論に終わることなく、数値目標を算出することがで
きました。
ここからしっかりと計画を立てた頃になって、国か
らも似たようなシートが出てきました(笑)。
また、東日本の事務所レベルでは、元々専門的に省エネに
取り組んできた人ばかりではなかったので、一般事務の方々
にも分かりやすくするという点で工夫をしました。具体的な
施策としては、事務用のLEDタスクライトの導入や空調の換
気の見直しを行いました。
また、個別空調設備の導入など、
これまで準備してきた省エネ施策が非常に役立ちました。
S:我々の部門では大型のコンプレッサーを有する設備を
てしまう規模です。実際には開発計画を夏場のピーク前に
前倒ししたり、電力量の小さい生産用設備で代用したりしま
特集
U:まず、関係会社も含めた島津グループの全拠点に対し
の、
これ1台で三条工場全体に1割ほど電力量が上乗せされ
した。当初は夕方以降の運転であれば影響は少ないと見て
いましたが、結果的にはほとんど実施することはありません
でした。
O:先ほどのような緊急時対応に加え、パソコンや電話など
の通信手段の維持のため、UPS(無停電電源装置)を確保し
ようとしました。
しかし用意できたUPSでは停電保持時間が
短いため、UPSを改造し、ホームセンターで自動車用バッテ
リーをいくつも買ってきて、長時間使えるようにしました。
ま
た、秦野工場内の半導体機器事業部では太陽光パネルの
製膜装置を製造していますが、
この電力消費も非常に大き
いものでした。2台同時に試験をすると、秦野工場全体の電
力量が2割上乗せされるほどでしたので、18時以降の夜間
と土曜日に運転時間をシフトし、ピーク電力を大幅に下げま
した。
また、事務エリアを1ヶ所に集めることで空調と照明の
効率化を図り、設備の省エネ改修工事も随分実施しました。
10台保有していて、1台で1,000kWの消費電力のものもあり
ます。開発試験用なので常に使用するわけではないもの
生産支援本部 企画部
施設管理グループ
植原 靖子
秦野工場
総務係(電気主任技術者)
小山内 克豊
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
7
特 集1
震 災を受けての当社の対応
災を受けての当
遮熱フィルムの施工
今回の出来事をきっかけとして、社内が
変わったと感じる面はありましたか?
特集
S:先ほどの生産設備ほどの効果はないものの、事務部門
に470台のLEDタスクライトを導入したことは、結果的に従
業員の意識改革にもなりました。
こまめな電源オフも定着
して、事務部門だけで見ても1∼2割ほどの電力削減になり
ました。
また、生産現場からも省エネに積極的に取り組もう
秦野工場での節電の様子
温度が28度であるということを知らない部門もありました。
もちろん職場環境に応じた温度設定も必要ですが、思った
以上に浸透できていなかったと痛感しました。
今年の夏は、関西圏を中心としてさらに
厳しい節電要請や計画停電も予想され
ています。
とする人が増えてきました。機械加工の職場からも加工設
M:節電の前に確実な省エネ活動が重要と考えています。節
備の運転方法の改善など、多くの案が出てきました。各職場
電もできる限度があるので、単に時間をシフトすればいい
のプロが頭をひねって色々なアイデアを搾り出してくれた
というものではなく、固定分をまず下げなくてはなりませ
わけです。震災や津波による被害を目の当たりにしたこと
ん。
コンプレッサーの配管からの漏れなどがあれば、そのま
で、従業員それぞれが自らできることを考えた1年だったの
ま費用とエネルギーの無駄になっているケースもあるの
ではないでしょうか。
で、
しっかりとチェックしていきたいです。
U:事務局の立場からすると、各部門に対しては色々な報告
O:秦野工場でもコンプレッサーの漏れを随分調査しました
や集計など、手間をかけていただいたことも多くあったと思
が、やはり大きな改善になったことがあります。一方、生産
います。
しかし、
どこの部門からも不満が出ることもなく、非
現場で常に通電あるいは稼動している設備や、建物の遮熱
常に協力的であったという印象です。
性能などについては、まだまだ見直しの余地があると思い
O:秦野工場も同じですね。設備の運転時間のシフトによっ
ます。
て仕事時間もシフトせざる
S:昨年の経験として、関東の協力工場が停電で設備を動か
を得ない人もいましたが、
せないという事態が発生しそうになりました。もしそうなれ
皆さん協力的でした。節電
ば部品が供給されず、当社から被災されたお客様への製品
で廊下も真っ暗、エレベータ
が供給できなくなる恐れもありました。非常に大きな問題
もお客様以外使用禁止にし
で、その協力工場への発電機の手配や、他の地域への発注
ましたが、不満は出ません
の割り振りなど、あらゆる対応を余儀なくされました。
こうし
でした。
たサプライチェーンの対応もさらに必要になってくると思
M:逆に気付かされた部分と
われます。
して、当社の夏場の空調設定
航空機器事業部 品質保証部 試験課
課長 嵯峨根 英明
8
本日はありがとうございました。
特集2
環 境 貢献 製品の開発
製 品を通じた 環 境 保 全・
環境改善への貢献
島津の製品には、
電気機器や環境中に含まれている有害物質の検出や監視測定など、
機能・用途が環境保全や環境改善に直結している装置も少なくない。
島津ではこれらの製品を
「環境貢献製品」
と定義して、
技術開発を通じた社会への貢献の形として世の中に提供している。
今回は環境貢献製品の開発に関わる担当者に、
その特徴や開発の舞台裏について話を聞いた。
「 Y」)
:私の所属する部門では、電気機器の
山下(以下、
RoHS指令※1やWEEE指令※2、自動車のELV指令※3といった
主に欧州で使用が禁止・制限されているような有害物質を
検出・測定する装置を開発しています。主な装置として「エ
特集
まず、
環境貢献製品として開発・販売して
いる装置としては、具体的にどのようなも
のがあるのでしょうか?
分析計測事業部
環境ビジネスユニット
プロダクトマネージャー
中上 英人
それぞれの装置が開発されることになっ
た経緯を教えていただけますでしょうか?
N:先ほど紹介した水質分析計のうち「全有機体炭素計
(TOC計)」について紹介します。
これは、水中の有機物の量
ネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)」
と呼ばれるもの
を「炭素の量」で評価する装置で、
「水が綺麗か、汚いか」
と
があります。電子機器や自動車は金属や樹脂などの非常に
いう基本的な分析を手早く、確実に実施することができる
多くの部品等で作られているため、ほぼ全ての製造業と関
ので、水の汚染度合いを測定するために幅広く使用されて
連してくる装置です。
います。一方で、環境基準や排水基準など、公的な測定項目
「N」)
:我々の部門では、大きく分けてガス分
中上(以下、
としてはほとんど採用されていないこともあり、自主的な水
析計と水質分析計という2種類の装置を扱っています。ガス
質の監視用途が中心です。
分析計は、大気汚染防止法で規制されている排ガスを分析
Y:EDXは1998年に市場に投入されましたが、当時は金属
して、規制値内であるかどうかを明らかにする装置です。ま
やセラミックなどの無機原料、材料の分析に使用されてい
た、水質分析計は水質汚染防止法に関わる国の規制や工
ました。非破壊で簡便に元素分析ができるため、徐々に最
場などで自主的に定めた基準値を満たしているかどうかを
終製品に近いものにも適用されてきました。
ちょうどその当
分析するための装置
時、
カレーに砒素が混入されるという事件が発生し、その砒
です。排水中のリンや
素を簡便に分析できるということから、全国の救命救急セ
窒素、有機物の量を
ンターに導入されました。その後、2004年くらいから電機業
分 析して、水 の 汚 染
界のRoHS指令への対応で有害物質のスクリーニング分析
の度合いを評価する
に使用され、大きく成長しました。例えばノートパソコン1台
ことができます。
でも1,000個くらいの部品で構成されており、
これを全て分
析することはできないので、簡便な分析法ということで導入
されてきたのでしょう。
分析計測事業部
X線/表面ビジネスユニット
プロダクトマネージャー
山下 昇
※1)RoHS指令:欧州の「電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限
(Restriction of certain Hazardous Substances)に関する指令」の略称。
※2)WEEE指令:欧州の「廃電気電子機器(Waste Electrical and Electronic Equipment)
に関する指令」の略称。
※3)ELV指令 :欧州の「廃棄自動車(End-of Life Vehicle)に関する指令」の略称。
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
9
特集2
環 境 貢献 製品の開
製品の開発
全有機体炭素計
TOC-L
特集
最新の装置の特徴としては?
N:主に研究用途で使われているラボ用TOC計は、24時間
連続で運転するようなものではなく、
日中のみ使用すること
が多い装置です。そのため、前日にタイマーをセットすると
スリープモードに入り、翌日設定した時刻までに装置を安
定化させてすぐに分析に使用できるという機能を元々搭載
していました。今回はこのスリープモード時の待機電力を
大幅に削減し、省電力を徹底しました。元々、当社のTOC計
は保温性や熱効率などの省エネ性能は高かったのですが、
従来機と比べてさらにエネルギー消費量を36%削減しまし
1,000ppm(0.1%)程度までの成分を分析するのが中心で
した。その後、10ppm(0.001%)ほどの微量成分でも分析で
きるように改良を重ねてきました。主成分から微量な有害
成分まで分析できるようになったのは、当社の製品が市場
に出てからではないでしょうか。
N:TOC計の特長は水中の有機物を簡便かつ正確に測れる
ことですが、
「ちゃんと測り続けられる」
という点も重要です。
言葉にしてしまうと当たり前のことに聞こえるかもしれませ
んが、例えば工場系の排水の分析では、過酷な条件下で長
時間、安定的に稼動することが要求され、またお客様もそ
の点を評価されます。
た。島津で定めたエコラベルを取得していることもあり、国
内外のお客様にアピールするポイントにもなっています。
Y
:RoHS指令やELV指令によって電機・自動車業界に多く導
入していただきましたが、EDXは各社の購買部や工場の製
造現場などで使われているというのが特徴です。最近では
部品メーカーなどの出荷基準に応じた値を設定して、測定
位置に試料を置いてスタートボタンを押せば、合格か不合
格かを誰でも簡便に判定できるようにした機種も投入して
います。白衣を着て実験室の中で試験管を振っているよう
なイメージとはちょっと異質なものかもしれないですね。
今まで開発してきた中で、
特にご苦労の多
かった点などはどのような点があるでしょ
うか。
Y:1998年頃の発売当初のEDXは、ほとんどが微量の分析と
いうより主成分をすばやく分析するというのが目的で、
10
他社製品と比べたときの性能で、特に当
社の製品が有意な点は何でしょうか。
Y:EDXではやはり感度でしょうか。当初は操作が難しい、あ
るいはプレスや切断といった前処理が必要だったりもしま
したが、分析性能を保ったまま現場の方に簡単に使用して
いただけるように改良を重ねてきました。
ようやく分析装置
から検査装置のレベルに至りつつあるかと思います。
N:性能だけで言えば、当社のラボ用TOC計は、他社と比較
して高い基本スペックを保ち続けています。オンラインTOC
計も実稼動における頑丈さには自信がありますし、さらに
さまざまな環境に耐えられるようなオプションも豊富に用
意しています。
特集2
環 境 貢献 製品の開発
各種規制スクリーニング対応
エネルギー分散型 蛍光 X 線分析装置
Y:RoHS指令そのものは、当面、規制物質などに大きな変更
はないでしょうが、業界での自主規制も強化されており、新
たなビジネスチャンスもあると見ています。
また、大手の電
機メーカーが特に力を入れているバッテリーや電池などの
エネルギー分野ではさらに活躍できるでしょう。
また、最近
では製造業のみならず流通業などでのニーズも拡大してい
ます。例えば、玩具、日用品、教材、景品・販促品などからも
鉛やクロムなどの有害物質が検出される可能性があること
から、消費者に対して安全性を担保する1つの対応になりつ
つあります。
N:TOC計は公的な規制値に関わるものではありませんが、
る変化ですね。
また、分析性能を高い水準で維持する一方、
特集
最近の法規制や市場の変化はどのよう
に見ていますか?
EDX-720/800HS
新興国などでも簡便に使えるという両面のニーズに対応し
なければなりません。世界的な流れとしては、中東・アフリ
カへの展開に加え、さらなる可搬性・コンパクト性も1つの
視点ですね。
N:オンラインTOC計は、お客様の使用環境に応じた要望に
常に応えてきました。
さらなるメンテナンス性の向上を行い
ます。
また、今は分析装置ですが、将来的には「センサー」
と
も言える、安定的に簡単に誰でも分析できるような装置に
なっていくでしょうね。分析の性能を保ちつつ、現在使用し
ているガスなども極力使わない状態で簡単なシステムにし
ていくのだろうと思います。当面は中国やインドなどの新興
国をはじめ、東南アジア、中東など、
これから環境規制が進
む地域が次のターゲットになるでしょうね。
扱いやすく、確実であるということで、自治体などでもここ
10年以上使用されています。将来的には環境規制の1つの
本日はあ
りがとうございました。
指標として採用されていくのでは、
という期待はあります。
一方で企業の自主規制の動きは先進国を中心に確実に進
展しており、工程の上流で排水を監視することによる環境
事故の防止措置として実施されています。
最後に、将来的な装置の展望をどのよう
にお考えでしょうか。
Y:昔のEDXは分析室に置くようなものでしたが、今のよう
に購買部などに置くと、ファンの音にも静粛性が求められ
たり、通常の分析室のようなメンテナンススペースがとれな
いといった問題もあります。ユーザが変わってきたことによ
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
11
社会報告
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナ
当社のリスクマネジメントと内部統制
1 基本方針
事業のグローバル化や急激な経済変化に伴うリスクへの
島津における
「リスクマネジメント」
・
「企業倫理」
の概念図
対応、
さらには企業の自己責任が強く求められる中、企業の
遵 法
社会的責任(CSR)を果たしつつ事業の継続と発展を達成し
社会からの要請
絶対に守るべきもの
ていくためには、組織運営上の重要な仕組みである内部統
法令
制の整備と運用に積極的に取り組むことが重要です。
企業倫理・コンプライアンス
え、遵法を基盤に企業倫理・コンプライアンスを含めた活動
体制を整備し、事業に関わるリスクを適正に管理すること
で、有効・適正かつ効率的な業務の確保に努め、社会から
の信頼を高めていきたいと考えています。
社会の期待に応えて、
信頼される・選ばれる会社
となるための行動指針
社内ルール、
社会規範
社是・経営理念
顧客や社会
からの期待
当社では、
「内部統制」を「リスクマネジメント」
と一体と捉
災害や事故・為替の変動・
情報システム障害等の
リスク対応
リスクマネジメント
=内部統制
企業活動を永続的に
発展し続けるための
全社的な取組み
2 リスクマネジメント体制(遵法・企業倫理も含む)
社会報告
当社では、
リスクマネジメントの最高責任者である社長の下
またリスクマネジメント活動の1つとしてリスク自己評価制
にその審議機関として
「リスク・倫理会議」を設置し、半期ご
度(CSA)を導入し、社内の約120の部署ごとにリスク評価
とに全社課題と定めた優先取組リスクやコンプライアンス
⇒アクションプランの策定⇒アクションプランの実行⇒アク
に関わるリスクなどに対する取り組みについて確認・決定を
ション評価のPDCAサイクルを毎年回すことにより、ボトム
行っています。その活動は、
リスクマネジメント担当役員の
アップで現場におけるリスクマネジメントの実践・浸透を図っ
統括の下、
リスク所管責任部署が中心となり、事業部をはじ
ています。
め各部署・グループ会社へとトップダウンで展開しています。
リスク・倫理体制
リスク自己評価
(CSA:Control Self Assessment)
制度
社 長
RM担当役員
RM事務局(総務部)
RM:リスクマネジメント
事業部
各部署
グループ会社
統制活動
指導・支援
各リスク所管
責任部署
各 種
委員会
CSA活動内容
PDCAサイクルを回す
︵1年間︶
リスク・倫理会議
① リスク評価
② アクションプラン策定(
③ アクションプランの実行(
④ アクション評価
(リスクの洗い出しと重要度評価)
リスクの優先順位付け、
リスク低減策の策定
)
業務担当者への
落とし込み→実行
)
(責任者による活動の振り返り)
許認可委員会の活動
12
企業が生産・営業などの事業活動を行うに際して、法律上、行
件の充足、更新手続などによって適法に維持する必要もありま
政による一定の審査手続を経て許可を受けなければならない
す。そのため、許認可委員会は、年に2回許認可の遵守状況の
場合があります。
これがいわゆる「許認可」
といわれるもので、
定期調査を実施し、島津グループ全社の法令遵守の状況を把
島津グループでは、薬事法、計量法、航空機製造事業法、建設
握・点検しています。また、
「許認可」上の問題が懸念される場
業など約90法令に渡る許認可を取得しています。
これらの許認
合には、当該会社・関係部署、許認可委員会が協力して、迅速か
可は、適切に取得するだけではなく、資格者の確保等の許可要
つ適切な対応を行っています。
社会報告
コーポレートガバナンス
レートガバナンス
企業倫理について
当社は「科学技術で社会に貢献する」
という社是のもと、社
会から信頼され、選ばれる会社を目指して事業活動を行っ
ています。組織として社会が求める役割をきちんと果たして
いくためには、社員一人ひとりが高い倫理観を持つことが
重要です。当社では「企業倫理規定」を制定し、遵法をはじ
め、適時適切な情報開示、地球環境への取組み、国際社会
8つの行 動 原 則
1. お客様本位
2. 公正・透明な行動
3. ステークホルダーへの対応
4. 地球の保全と
人類の健康への貢献
5. 社員の創造性と個性の尊重
6. 企業市民としての社会貢献
7. 国際社会との協調
8. 組織としての取り組み
との協調などに関する方針を明確にし、具体的な考え方・行
動の基準として8つの行動原則と、それをさらにブレイクダ
ウンした17の行動基準を定めています。
さらに17の行動基準に
ブレイクダウン
企業論理規定
また、年1回のe-learning(または学習冊子)による定期的な
教育をはじめ、新入社員や新任課長を対象にした階層別研
修、そして職種別の集合研修など各種研修を通して、企業倫
理の社員への浸透・普及を図っています。
社会報告
社員教育用冊子と教育用コンテンツ
内部通報に関する制度について
企業倫理に関する相談・通報窓口として
「倫理ヘルプデスク」
とともに調査・対応・改善を行っており、社内の更なる企業倫
を社内に設置し、違反行為が発生した場合に限らず判断に
理意識の向上に努めています。
このような職制上のラインか
迷う場合なども含めて、幅広く社員および派遣社員・請負会
ら独立した窓口は、遵法・コンプライアンスに関する独立的
社社員へその利用を呼びかけています。社内から窓口に寄
なモニタリング機能としての役割を担っており、誠実・公正な
せられた通報や相談は、企業倫理を担当する部門が関係者
事業活動に欠かせない仕組みとなっています。
情 報 セ キュリティの 取り組 み に つ い て
島津製作所グループ全社の情報セキュリティの取り組みは、情
す。2011年度は、不審なメールに警戒する基本動作を身につ
報セキュリティ委員会が方向性や施策を検討し、決定した施策
けることと、セキュリティ意識の向上のため、国内グループ各社
については各部門・各社のセキュリティ責任者が推進役となっ
の全社員に対して疑似的なメール攻撃を体験できる訓練を複
て実施しています。
数回実施しました。
特に、情報システム子会社では2007年から情報セキュリティ管
また、大規模な災害に備えるべく、地震リスクの小さい地域
理のためのISO27001認証を、セールスプロモーションを担当
にデータセンターを移転させ、重要システムについては遠隔
する子会社では2008年からプライバシーマークを取得し、情
地でのデータバックアップも実施しています。
報やシステムの安全・安心を一層高めるべく活動を続けていま
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
13
社会報告
製品の品質管 理・安 全・CS
製品の品質と安全、
そしてCS(顧客満足)
「製品の品質」、
「製品の安全」、そして
「CS(顧客満足)の向上」の実現に向け、
さまざまな活動に取り組んでいます。
1 品質保証基本方針と顧客満足
当社では「科学技術で社会に貢献する」
との社是と
「 人と地
球の健康 への願いを実現する」
との経営理念に基づき行
動を実践するため、当社グループが製造・販売する製品に
ついて、そのライフサイクルのすべての段階で、お客様の満
足を得る品質の提供にたゆまぬ努力を継続するものとし
て、品質保証基本方針を「製品ライフサイクル ※1 の各段階
で、国際的にお客様が満足する品質を、全員の努力で提供
しよう」
と定めています。
製品ライフサイクルの各段階での仕事の仕組みを市場や
お客様の要求の変化に対応できる体制に整備することによっ
てCS(顧客満足)向上につながるように活動しています。
※1)製品ライフサイクルとは… (1)マーケティング及び市場調査(2)製品
の設計及び開発 (3)
プロセスの計画及び開発 (4)購買 (5)生産 (6)検証
(7)包装及び保管(8)販売及び配送(9)据付け及び使用開始(10)技術支援
及び付帯サービス(11)販売後の調査(12)使用寿命の最後での廃棄又はリ
社会報告
サイクル …にわたる12段階を表しています。
2 製品の品質と安全
品質と言えば 性能がよい を連想しますが、
これ以外にも
長持ち 、使いやすい 、安心 などの多種の品質レベル
があります。
しかし最も基本的な品質は「安全!」です。そし
て当社ではこの安全を確保するため、設計段階でのリスク
アセスメントやFMEA(故障解析モード影響解析)を適用し
ています。
が発生するノイズが外部に与える影響を調べるEMC試験、
火災や感電の災害を未然に防止するIEC国際安全規格へ
の適合性試験などを行い、信頼性や安全性を検証し確認
しています。
さらにお客様の視点に立った操作性や使い勝手をユーザ
ビリティテストにて評価し、想定外の危険要素が潜在して
いないか安全性の確認を徹底して行っています。
3 品質マネジメントシステム
当社の三条工場は環境マネジメントシステムとして1997年
にISO14001の認証を取得しましたが、品質においても
1994年から品質マネジメントシステムの国際規格である
ISO9001の認証を、事業部単位で取得しており、さらに医療
機器に対する要求にはISO13485、航空機器業界への要求
にはJISQ9100の認証を取得しています。※2
また国内外の関係子会社においても、品質マネジメントシ
ステムが導入されており、2012年3月時点では国内14社、海
外16社にて認証が取得されています。
上述の品質保証基本方針に基づき、製品の品質や安全を
確保する仕組みやプロセスは本品質マネジメントシステム
にて有効性が評価され、PDCAを廻すことで、さらに良いも
のへと改善されます。
このように製品ライフサイクルの各段階での絶え間ない改
善にて顧客満足の向上に取り組んでいます。
※2)当社の品質マネジメントシステム認証取得状況(取得年)
リスクアセスメントとは、製品の持つ危険源(可動部や高
分析計測事業部
(ISO9001:1994年、ISO13485:2011年)
電圧、高温)を洗い出し、それによる危害の大きさと発生確
医用機器事業部
(ISO9001:1994年、ISO13485:1994年)
率からリスクを見積り、許容できないリスクには安全方策
航空機器事業部
(ISO9001:1999年、JISQ9100:1999年)
を立ててリスクを低減する手法です。またFMEAとは、製品
を構成している部品やユニットが故障した時に製品の信
半導体機器事業部 (ISO9001:1998年)
モノ作りセンター
(ISO9001:2000年)
デバイス部
(ISO9001:2005年)
頼性や安全性に及ぼす影響を予測し、必要な対策を講じ
る手法です。
当社では、
リスクアセスメントやFMEAの講習会やセミナー
などの教育を実施すること、関連する規定を整備して遵守
することで信頼性や安全技術の向上を図っています。
また、製品が使用される環境(温湿度、振動、衝撃等)が変
化しても機能に支障をきたさないかを検証する環境試験
や耐久性試験、また外部ノイズによる誤動作や、逆に製品
14
振動試験機による試験
社会報告
株主・投 資家の皆様 へのIR活動
配当政策
当社の配当政策として
「安定的配当の継続を基本としつつ、
また内部留保金につきましては、将来の成長に向け効果的
収益状況を勘案して配当を行う」
と掲げています。今後とも
な設備投資ならびに研究開発投資に活用し、事業の拡大に
業績の向上に全力を傾注し、収益力ならびに財務体質の強
努めてまいります。
化を図り、
自己資本利益率(ROE)の向上を図ります。
タイムリーかつ積極的な情報開示の推進
当社は証券アナリスト・機関投資家へのタイムリーな情報開示を積極的に行い、市場でのフェアバリューの実現に努めています。
定期的な説明会開催と
積極的な1 on 1ミーティングの実施
豊富な資料の発行
決算につきましては、発表後速やかに説明会を開催し、詳細
す。決算短信・決算説明会資料・中期経営計画資料・ファク
な説明を実施しています。中間決算・通期決算につきまして
トブックは英文版も作成しています。また英文アニュアル
は、証券アナリスト・機関投資家への説明会を開催し、社長よ
レポートについては、海外の有力金融媒体を通じて発行の
り決算内容及び業績予想を説明しています。
また第1四半期
案内を掲載しており、送付希望をいただいた世界の投資家
決算・第3四半期決算は、IR担当役員より、電話会議にて説明
に対して発送しています。
を実施しています。
さらに3ヶ年の経営計画の説明会も実施
これらの資料は発行と同時に、日本語・英語の当社ホー
しており、社長より中期的な経営・業績のガイダンスも開示し
ムページに掲載、内外の機関投資家へ速やかに情報を提
ています。
供しています。
当社では、各種IR資料を株主・投資家に向け発行していま
社会報告
一方、個別の主力事業の説明会、成長著しい中国事業につ
発行冊子名
発行頻度
決算短信・有価証券報告書
四半期毎
事業報告書
中間期・通期
券会社主催のイベントへの参加も含めて、内外機関投資家
決算説明会資料
中間期・通期
とのワン・オン・ワンミーティングも積極的に行っています。
コーポレートガバナンス報告書
1年毎
踏み込んだ議論を通じて、当社をよりご理解いただく努力を
英文アニュアルレポート
1年毎
続けています。
また個人投資家の方々に対しても、事業説明
ファクトブック
1年毎
会の実施や証券会社主催の説明会に参加し、情報提供に努
中期経営計画資料
3年毎
いての上海での現地説明会、製品展示会でのブース案内な
ども適宜実施し、タイムリーな情報提供を行っています。証
めています。
SRIインデックスへの組込み
収益性・財務力に加えて、環境保全や社会貢献への取り組
みを評価する「社会的責任投資(SRI)」について、当社株式
は2005年9月以来、FTSE4Good Index Series に組み込ま
れています(2012年4月現在)。
ここでは従業員施策などの
社会性が高く評価されています。
今後も企業の社会性をより高め、
また透明性の保持に努め
て行きたいと考えています。
IR説明会の様子
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
15
社会報告
人事方 針/働きや
針/働きやすい職 場 作り
人事方針
当社では、社是・経営理念を「島津の目指す姿」と位置づけています。それを実現するために、次のような「期待される人材像」
を明確化しており、人材育成・人材管理におけるそれぞれの取り組みの基礎としています。
期待される人材像
グローバル
人事課
(1)高い志と長期的な展望を持ち、前例・慣習にとらわれ
人事管理制度の企画・制定
従業員の採用
ず、
自由な発想と進取の精神で、新しい分野に失敗を恐
れず、果敢に挑戦する。
(2)
スピード重視で行動し、一旦取り組んだら、責任感を持っ
て愚直に取り組み、やりきると共に、過程や経験を次に
活かす意識を持つ。
厚生
グループ
勤労
グループ
福利厚生全般の
施策の検討・実施
労働条件の企画・制定
賃金関連業務の統括
(3)成長意欲を持ち続け、担当組織の総合力の継続的な強
化・向上に努め、また顧客や競合に負けない知識や技
健康・安全
センター
人材
開発室
労働安全衛生の推進
従業員の心身の健康管理・増進
人材育成・能力開発に関する
全社指針・諸制度の策定と
実施の推進など
術を獲得し、その道(担当部門・組織の運営、担当分野・
専門分野)の第一人者を目指す。
(4)顧客や社内外の関係者の期待に誠実に応える努力を惜
しまず、信頼醸成に努めると共に、人との連携を大切
に、私心無く、全体最適のために行動する。
人事部における組織体制
社会報告
働きやすい職場作り
有給休暇の取得推進
年次有給休暇の取得は、従業員のワークライフバランスの
育成支援対策推進法に基づ
観点からも非常に重要です。当社では、労働組合において
く準適合一般事業主の認定
も年次有給休暇の取得を重点課題として推進しております
を2009年に受け、認定マー
が、平成23年度は製造業平均が59.3%であるのに対して、
ク「くるみん」を取得してい
当社の実績値は80.0%でした。
ます。
育児
・介護支援
有給休暇の取得と並んで、育児・介護などの個々人のライフ
<育児関連>
法定
スタイルにあわせた「仕事と家庭の両立」を支援する制度
の充実に注力しています。例えば、育児休職の期間は原則
として1年間ですが、最長で保育所に入所できるまで延長す
育児休職制度
育児短時間勤務制度
産前産後休暇制度
1歳6ヶ月
当社
1年間
( 保育所に入所できるまで
)
延長可能
小学校の始期
小学校3年終了まで
産前6週間、産後8週間 産前8週間、産後8週間
ることができます。
また、育児中の場合の短時間勤務制度に
ついても、法定を超えた最長年度として「小学校3年終了ま
で」としています。
以上のような制度の充実によって、厚生労働省より次世代
16
<介護関連>
介護休職制度
介護短時間勤務制度
法定
3ヶ月
3ヶ月
当社
1年
介護事由消滅まで
社会報告
人事方 針/働きやすい職
きやすい職 場 作り
各種福利厚生制度
労働安全衛生
転勤者などへの支援として、独単身寮・家族寮・借上社宅制
社員の健康と安全の確保は、企業活動に不可分であり、か
度、所帯を持つ世帯主への支援制度として住宅費用補助
つ、企業の社会的責任であると認識し、
「みんなで進めよう!
(家賃補助、住宅融資補助)
・社内住宅融資制度、将来の財
リスクアセスメント みんなで作ろう! 心身の健康、いきいき
産形成支援のための財形貯蓄制度、従業員持株会制度な
職場」
をスローガンに掲げて、従業員と職場の健康・安全に
どを制定しています。
取り組んでいます。
また、社員の福利厚生と相互扶助を行うために共済会事業
を行っています。社員と家族の困りごと相談窓口の設置や、
慶弔扶助、遺族・遺児育英年金、家事支援給付金制度、資金
貸出制度などを設けて、社員の支援を行っています。
さらに、従業員の多様なニーズを尊重し、各人の自助努力
を支援する制度として、2003年4月より
「カフェテリアプラン」
● メンタルヘルス研修
心の健康維持のために、全従業員がメンタル不調への気づ
きと対処について学ぶ研修を開催し、心の健康問題への早
期対応を推進しています。
● 健康チャレンジマラソン
を導入しています。従業員1人ひとりが決められたポイント
健康をベースにしたいきいき職場を作りたいと考え、従業
を持って、食堂費の補助、書籍費、旅行、語学教育、
スポーツ
員が生活の中に健康思考を定着させることを目的に、健康
施設、育児関連費用、人間ドックなどのさまざまなメニュー
チャレンジマラソンを実施しました。多くの従業員が2ヶ月
から各自で申請することによって補助が受けられる仕組み
間に亘り食生活や運動習慣の改善に取り組みました。
になっています。
● 世界禁煙デー
従業員がたばこの健康に及ぼす影響について認識を深め、
人材育成は自社の経営資源をより強化することにつながり
禁煙に取組む動機付けとなるよう、世界禁煙デー5月31日
ます。当社では、
「期待される人材像」を目指す姿として、階
に、全社で1日敷地内禁煙チャレンジを実施しました。
社会報告
教育体系
層別研修、それぞれの職種にあわせての機能別研修、次世
代のビジネスリーダー育成のための選抜研修などを通し
て、人材育成を行っています。新入社員に対しては、配属後、
「メンター制度」を導入し、各職場で責任を持って育成する
仕組みを取り入れています。また、
グループ経営強化のた
め、
グループ会社向けの研修も随時実施しています。
さらに、
カフェテリアプランを利用した自己啓発学習への補
助のほか、重要資格保有者を育成する資格取得奨励一時
■業務上災害発生状況(過去10年間の推移)
■ 全災害 ■ 休業(内数で示す) ▲ 千人率
単位:災害件数
20
16
15
10
9
5
1
3
0
0
12
11
9
9
7
8
2
1 0
9
3
3
3
0
2
2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
金制度も設けています。
これは、自己研鑽の風土醸成を促
すことで、会社業績の発展に寄与することを目的として、当
社の業務上で重要な資格を取得して業務を行う従業員に
3
全災害度数率
2.5
対して一時金を支給する制度です。
不休業度数率
休業度数率
2
1.5
1
0.5
0
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
全 災 害 度 数 率:100万労働時間あたりの災害件数
休業災害度数率:100万労働時間あたりの休業災害件数
新人社員研修
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
17
社会報告
社 会との共生
社会との共生
島津ぶんせき体験スクール
子供達に「理科や科学に興味を持ってもらう きっかけ を提
参加者や引率者からは「学校で体験出来ない学習が出来、
供したい」との思いから分析装置を実際に操作する「島津
大変有意義な経験となった」「分析技術者の話や装置操作
ぶんせき体験スクール」を開催しています。2008年より始め
など、
自分の知らない世界に触れ、視野が広がり探究心が大
たこのスクールは春・夏休みを利用しこれまでに60回以上
きくなった」「理系の道に進みた いという思いが強まった」 など
開催し、中学生を中心に900名以上の方に参加していただ
感想が寄せられています。
きました。昨年度からは高校生を対象としたクロマトコース
を新設し、従来の分光コースと2コースで開催しています。
内容はいずれも3部構成で、①学び ②モノ作り ③実験
(分析装置を使用)を通し、装置の仕組みや科学的な原理を
知り、興味を深めてもらえる内容を目指しています。
分析装置を使って分析実験
手づくりの 計測器 で色を分離
テニスを通じた社会貢献について
社会報告
当社は、スポーツを通して"人と地球の健康"へ貢献したい
● 島津全日本室内テニス選手権大会への特別協賛
という願いを込め、特にテニス振興に力を入れています。当
当社が特別協賛を行っている
「島津全日本室内テニス選手権
社テニス部選手によるさまざまなテニス教室の開催や、各
大会」は、国内では全日本テニス選手権大会に次ぐ、
日本テ
地で開催されるテニス大会への協賛などを通じて、日本の
ニス協会主催の主要大会で、毎年3月に京都において、国内
テニス界振興のために積極的に活動しています。
外のトッププロ選手が多数参加し、
熱戦が繰り広げられます。
● ジュニアテニス教室の開催
地域の小学生から高校生を対象に、当社テニス部選手によ
るジュニアテニス教室を毎年開催し、当社選手による技術
指導や交流を通じて、地域の子供たちにテニスの楽しさを
知っていただけるよう活動しています。
ジュニアテニス教室
島津全日本室内テニス選手権大会
男子シングルス
ファイナリストと中本社長
科学技術展への参加や理科教育の支援について
子供たちを対象に、
さまざまな科学関連の展示会・イベントへの出展や、当社の分析機器や天びんなどを使った実験教室を開
催するなど、子供たちの科学への興味を高めるための活動を行なっています。
● 天びんでてこの原理を体験学習
● 工房授業でモノづく
りの大切さを学ぶ
毎年秋に京都で開催される
「青少年科学の祭典」などで、当
京都市教育委員会が推進する京都モノづくり事業の一環と
社の天びんを利用した、てこの原理を学ぶ体験学習を行っ
して、市内の小学生を対象に、当社のOBが講師となり、子供
ています。
たちが作った紙の棒の強さを調べるモノづくり体験授業を
行っています。
18
社会報告
社 会との共生
第31回島津賞は石川正俊氏 −研究開発助成は11件−
(財)島津科学技術振興財団による第31回島津賞受賞者
業 績 は、基 本 技 術 の 独
ならびに研究開発助成11件が決定し、2012年2月21日に
創性と広範な応用分野
表彰・贈呈式が行われました。
における実用性の高さ
島津賞は、主として科学計測の基礎的な研究において、近
から、技 術 的 波 及 効 果
年著しい成果をあげた功労者を表彰するもので、2011年
は多大で、今後もさまざ
度は石川正俊氏(東京大学
大学院情報理工学系研究科
まな分野で大きな技術
教授)に贈られました。石川氏は、世界に先駆けて高速の
革 新をもたらすものと
画像取得と同時に超並列に画像処理のできる、超高速ビ
期待され、産業界からも高く評価されています。
ジョンを開発し、それらを用いて、産業応用、ロボット、バイ
また、主として科学計測の基礎的な研究開発に携わってい
オ・医療、ヒューマンインターフェイス等の分野で極めて
る若手の研究者を支援する研究開発助成には、多数の応
独創的な応用システムを数多く開発しました。同氏の研究
募の中から選ばれた11名に贈呈されました。
(財)島津科学技術振興財団 贈呈式
国立がん研究センターと包括共同研究契約を締結
ることで、がんの超早期診断の実現や創薬プロセス革新の
ための包括共同研究契約を締結しました。
ための薬物動態解析、治療に関わる技術開発など、がんの
国立がん研究センターの高度ながん研究技術および臨床
制圧と人々の健康増進に寄与する医療技術を開発すること
経験と、当社の次世代医療分野に関する先端技術を融合す
を目的としています。
社会報告
世界をリードするがんの高度先駆的医療技術を開発する
プレスリリース
(当社Webサイト)
http://www.shimadzu.co.jp/news/press/miq5fd0000000sk2.html
島津製作所 創業記念資料館
当 館 は 創 業 時 の 建 物を当 時 の 佇まい が 感じられる空 間 へと
リニューアルを行い、
「ディスプレイ産業賞2011」において、
「ディス
プレイ産業奨励賞」を受賞しました。
館内では明治8年(1875年)の創業以来、製造販売してきた理化学
器械、医療用X線装置や産業機器をはじめ歴史的な文献・資料な
どを展示しており、創業者をはじめ先人の息吹に触れ、
また科学技
創業記念資料館の外観
術史、教育史などの研究、さらには明日を担う若い人々の「科学す
る心」
を育てる一助になればと願っています。
昨年は科学技術週間(4月)、高瀬川舟まつり
(9月)、関西文化の日
(11月)に無料公開を行い、地域のみなさまとの交流を深めました。
島津製作所 創業記念資料館
http://www.shimadzu.co.jp/visionary/memorial-hall/
高瀬川舟まつりの際の無料一般公開
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
19
環境報告
環境方針
環境方針
本社地区事業所環境方針
1.
基本理念
人類の健康と地球規模の環境保全は全世界共通の願いであり、社
会の一員として地球環境問題を当社の最重要課題の一つとして位
置づけ、当社経営理念「 人と地球の健康 への願いを実現する」べ
く企業活動を行ない、地球を守り豊かな社会の実現に資する。
2.
基本方針
当社本社地区事業所は、環境分析・測定機器などを含む、分析
機器、計測機器、試験機器、医用機器、航空機器、油圧機器、産業
機器、バイオプロダクツ及びセンサ・デバイスの開発・製造の拡
大に努めるとともに、本社地区事業所の業務活動、製品ならび
にその製造過程及び関連サービスが環境に与える影響を的確
に捉え、継続的な環境マネジメントシステムの改善により、持続
的な環境負荷の低減と汚染の予防、社会の環境改善への積極的
貢献を目指して、次の基本方針に基づき活動する。
(1)地球環境の保全と事業活動との調和を、経営の最優先課題の一つと
して、本社地区事業所をあげて取り組む。
(2)地球環境の保全活動を推進させるため、従業員及び敷地内で働く全
ての人が活動できる組織を整備する。
(3)事業活動によって生じる環境への影響(環境汚染、資源減少、地球温
暖化、オゾン層破壊、生物多様性の損失など)を的確に把握し、技術
的、経済的に可能な範囲で、環境保全活動の継続的な向上を図る。
(4)国際的環境規制及び国、地方自治体などの環境側面に関係して適用
可能な法的要求事項及び当社が同意するその他の要求事項を順守
する。また、必要に応じて自主基準を策定して環境保全に努める。
(5)当社本社地区事業所が行なう事業活動が、環境に与える影響のうち
で、特に以下の項目について優先的に保全活動を推進する。
①エネルギー使用に係わるCO 2排出量の削減を図る。
②機能や用途により社会の環境改善に役立つ製品(環境貢献製品)
を開発する。
③ライフサイクルを通じ環境負荷の低減に配慮した製品(環境配慮
製品)を開発製造する。
④環境に配慮した物品及びサービスの調達を積極的に推進し、地球
環境負荷の低減を図る。
⑤蓄積された環境保全のノウハウを使って、外部の環境活動を支援する。
⑥汚染物質が公共用水域に流出しないように排出水質の管理を徹底
すると共に、汚染予防措置を図る。
⑦環境へ著しい影響を及ぼす化学物質等の使用量削減と管理並び
に生産設備等の改善・維持管理を徹底し、汚染予防を図る。
⑧紙類の分別徹底による有価物率の向上、及び廃棄物のリサイクル
推進を図る。
⑨事故・過失・災害等により有害物質が流出し環境に悪影響を及ぼす
ことのないよう予防措置に努め、その訓練を行う。
⑩本社地区事業所敷地内より発生し、敷地周辺に及ぶ騒音を抑え、近
隣社会の生活環境の保全を図る。
⑪生物多様性への理解を深め、事業活動が生物多様性に及ぼす影響
に配慮して、生物多様性の保全に努める。
(6)地球環境保全に従業員及び敷地内で働く全ての人が責任をもって取り
組むべく、環境教育及び啓発活動を行ない、地球環境保全に資する。
(7)地域住民、関係諸官庁とのコミュニケーションを図り、地域社会に貢
献する。
株式会社 島津製作所
本社地区事業所 環境委員長
安藤 修
環境報告
神奈川地区事業所環境方針
1.
基本理念
人類の健康と地球規模の環境保全は全世界共通の願いであり、社
会の一員として地球環境問題を当社の最重要課題の一つとして位
置づけ、当社経営理念「 人と地球の健康 への願いを実現する。」
を実現するべく企業活動を行ない、地球を守り豊かな社会の実現
に資する。
2.
基本方針
当社神奈川地区事業所は、半導体/真空/デバイス関連装置の開
発・製造の拡大と分析装置の応用技術普及、更に計測/プロセス
/環境/システム機器の販売拡大に努めると共に、製品とその製
造過程及び関連サービスが環境に与える影響を的確に捉え、持
続的な環境負荷低減と社会の環境改善への積極的貢献を目指
して、次の基本方針に基づき活動する。
(1)地球環境の保全と事業活動との調和に取り組む。
(2)地球環境の保全活動を推進する組織を整備する。
(3)事業活動によって生じる環境への影響(環境汚染、資源減少、地球温
暖化、オゾン層破壊、生物多様性の損失など)を的確に把握し、技術
的・経済的に可能な範囲で、環境保全活動の継続的な向上を図る。
(4)環境側面に関する法的要求事項及び事業所が同意するその他の要
求事項を順守し、環境保全に努める。
(5)事業活動が環境に与える影響の内、特に以下の項目を優先して保全
活動を推進する。
①電力や都市ガスの節約等によりエネルギー消費量や経費の削減を図る。
②機能や用途により社会の環境改善に役立つ製品(=環境貢献製品)
を開発する。
③ライフサイクルを通じ環境負荷の低減に配慮した製品(=環境配慮
製品)を開発製造する。
④蓄積された環境保全のノウハウを使って外部の環境活動を支援する。
⑤汚染物質が公共用水域に流出しないように排出水質の管理を徹底
すると共に、汚染予防措置を図る。
⑥環境へ著しい影響を及ぼす化学物質等の使用量削減と管理並び
に生産設備等の改善・維持管理を徹底し、汚染予防を図る。
⑦廃棄物の分別徹底による有価物率の向上、及び廃棄物のリサイク
ル推進を図る。
⑧事故・過失・災害等により有害物質が流出し環境に影響を及ぼすこ
とのないよう予防措置に努め、その訓練を行う。
(6)神奈川地区事業所で働く者全員が地球環境保全に取り組むべく教
育・啓蒙活動を推進する。
(7)地域住民、関係諸官庁とのコミュニケーションを図り、地域社会に貢
献する。
株式会社 島津製作所
神奈川地区事業所 環境委員長
西村 節志
20
環境報告
推 進体制/外部 審 査 /環 境 委員会
推進体制
右図に示す環境組織図で、環境マネジメントシステムを推
環境委員長
進しています。部門間で共通する課題については、組織を
内部環境監査員
横断する形で環境専門部会を設け、全体の目的目標を各部
門に展開し、環境パフォーマンスの継続的改善を図ってい
また、組織内で内部環境監査員を任命し、部門や専門部会
環境管理責任者
における環境マネジメントシステムの適合性、妥当性、有効
性について定期的に監査しています。
各部門
環境専門部会
ます。
環境委員会
資 源・環 境 部 会
エネルギー部会
製 品 環 境 部 会
グリーン調達部会
外部審査
2011年5月に、本社地区事業所(本社・三条工場、基盤技術
する取り組みなどが評価されましたが、緊急時の訓練にお
研究所(けいはんな)、瀬田事業所、紫野工場、関連会社14
いて実施の確認ができなかったことから、軽微な不適合が
社)は2年次サーベイランス審査を、
また、6月に神奈川地区
1件ありました。また、目的目標の指標設定などについて改
事業所(秦野工場、厚木工場)は更新審査を受審しました。
善の余地を指摘されました。指摘された不適合については
その結果、本社地区事業所では、順守評価の充実などが評
速やかに是正し、認証の更新をしました。
価され、環境マネジメントシステムの規格要求事項に適合
ま た 、い ず れ も
し有効に実施されていることが確認されました。
しかし、利
審査で指摘を受
けた事項につい
廃棄物保管場所の運用、内部監査のチェック項目の強化に
ては 、順 次 改 善
ついて、改善の余地を指摘されました。
を進めています。
環境報告
害関係者からの苦情に対する再発防止のための仕組みや、
一方、神奈川地区事業所では、製品の社会貢献を見える化
現場審査の様子
環境委員会
環境に関する重要事項について討議・決議する環境委員会
を毎年4月と11月に開催しています。4月には当社の環境マ
ネジメントシステムが継続的に適切で、妥当で、かつ有効で
あることを確実にするために、マネジメントレビューを実施
し、新年度の環境方針や環境目的・目標を審議しています。
また11月には社内において日常の活動を通じて顕著な環
境改善を行ったグループや個人を対象に環境改善表彰も
実施しています。2011年度は生産支援本部企画部の「エネ
ルギー管理優良工場 近畿経済産業局長賞」の受賞が大賞
に選ばれ、他に優秀賞2件、努力賞8件が選ばれました。
環境委員会の様子
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
21
環境報告
中・長 期プログラム
環境側面と環境影響評価
当社の事業活動、製品及びサービスを対象として、環境に影
て抽出・推進する取り組みを2010年度より実施しています。
響を与える要因である環境側面を部門ごとに洗い出して、環
特に、環境汚染物質の分析計測機器や廃液の減圧蒸留シス
境影響評価を実施しています。環境影響評価は1年間の環
テムなどの「環境貢献製品」の開発・提供や、装置の保守・契
境活動の基礎となる、優先的な管理対象を選定する重要な
約のサービス業務による製品の環境負荷低減などは
「プラス
作業ですが、当社ではオリジナルの評価ソフトを使って
「著
の環境側面」
として推進しています。
また、物流面での環境負
しい環境側面」を特定し、環境管理プログラムの策定をして
荷の低減、各主管部門による環境法令遵守体制の強化、社内
います。
外への環境事例の広報、海外顧客や大学などの環境施設見
また、
こうした活動の一方で、各部門の日常の事業活動を通
学の受け入れ、などの取り組みを全社で展開しています。
じた環境配慮・環境貢献につながる活動を「本来業務」
とし
中・長期プログラム[本社地区事業所]
項 目
活動実績(2011年度)
エコラベル適合製品の
開発:29件
●
1)
製 品
● LCA 手法の導入に
向けての方針策定
EUを中心とした海外環
境規制動向の把握と
周知
●
環境報告
代替フロン
(HCFC-225)の削減: 1998年度比67%減
●
化学物質の
管 理
省エネ率25%以上
を達成:主要製品
●
エネルギー起因の
CO2排出量の削減:
1990年度比2%減
(原単位では32%減)
1)
LCA 手法を導入し、
製品の環境負荷を
見える化:主要製品
●
新しい概念の省エネ
製品の開発
●
ライフサイクルシンキング
に基づく製品提供:全製品
●
●
環境修復事業への展開
備 考
MEMS2)/NEMS3)技術を
応用した省スペース/ 省エネ設計
●
●
環境配慮設計の促進
●
有害物質規制への対応
●
化学物質に関する
特定有害物質規制への
対応:全新製品
●
●
代替フロン使用全廃
●
ライフサイクルを通じた
化学物質管理の実現
●
●
C O 2削 減
中期目標(∼2015年3月) 長期目標(∼2030年3月)
人の健康と環境へ
悪影響を与える
化学物質の全廃
●
新しい規制への対応
●
4)
SAICM に沿った取組
環境リスクを有する
化学物質への対策決定
● エネルギー起因の
CO2排出量の削減:
1990年度比3%減
エネルギー起因の
CO2排出量の削減:
1990年度比20%減
●
再生可能エネルギーの
利用
●
最新の省エネ/
新エネ技術の採用
●
1) LCA :Life Cycle Assessment。全ライフサイクルに渡って、
製品などの環境への影響を算出し、総合的見地から環境負荷の低減を進めるための評価手法。
2) MEMS:Micro Electro Mechanical Systems。
機械要素部品、
センサー、
アクチュエータ、電子回路を一つの基板上に集積化したデバイス。
3) NEMS:Nano Electro Mechanical Systems。
MEMSをさらに発展させたもので、
半導体集積回路作製技術を用いて作製された
nmオーダーの機械構造を持つデバイス。
4) SAICM:国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ
(Strategic Approach to International Chemicals Management)。
2006年2月、
国際化学物質管理会議においてSAICMが取りまとめられ、
国連環境計画において承認された。
22
環境報告
環 境管 理プログラム
環境管理プログラム
本社地区事業所
環境側面
自己
評価
2011年度実績
環境に配慮した製品の取組みの促進
エコラベル制度製品の拡充:計画25件に対し、
29件で達成(省エネ10件、有害物質排除19件)
● LCA全社指針
「ライフサイクルアセスメント基本
方針」
を新規制定
● 新製品の省エネ率
・リサイクル率/再生率の算出:
9件実施
● 新製品に関する分別ガイドの作成 5件実施
● EU環境規制動向の把握と社内通知
EU欧州情勢について、島津欧州から講師を招き
教育を実施、主要な規制の把握に努め、関連す
る工業会の情報を共有し、情報を社内Web上で
公開し社内周知を実施
●
①製品
◎
社内消耗品購入高の93%をグリーン調達品にす
る目標に対して、91.5%で未達成
● 材料購入高の70%をグリーン化
(RoHS対応品)
する目標に対して、71.5%で達成
● 材料購入品目の含有物質管理データベースの登
録を進め、12,000件の登録目標に対して12,111件
で達成
△
代替フロン使用量を98年度比37%以下の目標
に対し、33%で達成
○
●
エネ ル ギ ー に 起 因 するC O 2 の 排 出 量 の目標
21,066t 以下に対し実績19,240tで目標達成
◎
●
エネルギーに起因するCO2の排出量の目標
19,518t以下に抑える
●
社外への廃棄物(有機物を除く、産業廃棄
物及び一般廃棄物)の排出量を削減するた
め、各部内における方策を立案し、試行する
●
②グリーン調達
③有害化学物質の排出
代替フロン削減
④CO2排出量
●
●
紙類の分別徹底により、紙ごみの非有価物率を
08年度比で20%削減する目標に対し、26%削減
で目標達成
● リサイクル率99.6%でゼロエミッションを維持
製品に含有される有害化学物質排除のた
め、仕入先の監査を40社実施
● 社内消耗品のグリーン化の推進、
48品目
(4件/月)提案し、採用率50%とする
● 生物多様性保全の取組みをしていない仕
入先51社への講習会の開催と取組み内容
の確認
●
●
⑤廃棄物
2012年度目標
環境に配慮した製品の取組みの促進
エコラベル制度製品の拡充30件/有害物
質排除製品開発・省エネ製品の開発
● LCAの試行
● 新製品の省エネ率・
リサイクル率/再生率
の算出
● 新製品に関する分別ガイドの作成
● EUを中心とする環境規制動向の把握と社
内周知
●
●
◎
化学物質の管理強化
代替フロン使用量を98年度比1%以下にする
環境報告
神奈川地区事業所
環境側面
自己
評価
2011年度実績
新製品開発時の環境負荷低減
2件の新製品開発において負荷低減設計指針を
適用
● 国内外の各種規制への対応
最新情報を入手し個別に対応
● 製品や技術情報提供による環境貢献
太陽電池成膜装置販売と各種セミナー、講演など
●
①製品
○
化学物質管理システムCRISの運用徹底による管
理を実施、特に厚木でCRIS運用開始
● 部門別の化学物質管理上の緊急時対応の準備
として、部門ごとの緊急時の訓練を企画し実施
◎
年度末までに電力と都市ガスの消費量を2010
年度実績以下に抑えた(秦野、厚木の電気・ガス
共に、前年度比7∼18%削減)
○
●
②環境対策(公害防止)
●
③CO2排出量
有価物率目標52%に対して46.5%、
リサイクル
率100%でゼロエミッションを維持
● 木くず総排出量を28t以下、
ダンボール総排出量
を22t以下の目標に対して、それぞれ25.5tと16.4t
で目標達成
●
④廃棄物
2012年度目標
省エネ型製品と有害物質排除製品の開発
● 新製品における省エネ率、
リサイクル率、再
生率の算出
● 欧州を中心とした環境規制の動向把握
●
●
化学物質の総合管理の強化(特に緊急時対
応の強化)
●
電力と都市ガスの消費量をそれぞれの目
標値以下に抑える
有価物率の前年度水準とゼロエミッション
の維持
● 木くずの総排出量を26t以下
●
○
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
23
環境報告
環 境 負荷マスバラ
負荷マスバランス
環境負荷マスバランス
[ 2011年度]
(島津製作所の国内生産拠点・研究所の総計)
INPUT
電 気
ガ ス
燃 料
水
使用量
使用量
A重油など
使用量
4,998
万kWh
80.0
150
万m3
紙
109
98.5
24.4
万m3
kL
包装材
化学物質
t
プラスティック・木材・
ダンボールなど
650.2
t
t
島津製作所全生産拠点・研究所
環境報告
OUTPUT
CO2
NOX
SOX
廃棄物
CO2
NOX
SOX
排出量
排出量
排出量
排出量
2,718
トン
2.11
電気・ガス・燃料の使
用により発生するCO2
リサイクル率
99.6%
3.24
万トン
トン
燃料の使用により
発生するSOX
ガス・燃 料 の 使 用
により発生するNOX
リサイクル量
2,707
トン
24
0.04
トン
埋立処分量
11
トン
排水量
22.9
万m3
環境報告
環 境 会計
環境会計[ 2011年度]
(島津製作所の国内生産拠点・研究所の総計)
環境保全に関する費用では、
三条工場 (W70号館・E2号館・
は25.4%と増加しました。
E27号館 ・ 共済会館)
、けいはんな研究所で省エネ改修工事
環境保全効果については、確実な根拠のある省エネルギー、
による支出がありました。
そのため費用総額では2010年度よ
廃棄物削減、節水の3項目から経済効果を算出しています。
り5.6%増加しました。環境関連設備投資に関しては絶対額で
基準年との比較では112百万円の節約になっています。
また
207百万円増加し、設備投資総額に占める環境関連投資額
前年との比較では、節電対応の影響などから103百万円の節
の割合も3.4%から6.5%に増加しました。
約となりました。
環境関連の研究開発費は前年より19.6%増加しており、研究
開発費総額に対する割合も、2010年度20.8%から2011年度
1 環境保全コスト[2011年度実績]
分 類
1 事業エリア内コスト
投資額
主な取組み
2011年
公害防止コスト
騒音対策など
地球環境保全コスト
オゾン層破壊物質の削減他
廃棄物削減及びリサイクルコスト
処理委託、排出量の削減及び分別活動
小
2 環境にかかる管理的コスト
3 社会活動コスト
118
46
114
59
4
0
93
106
363
164
295
264
0
0
141
134
48
40
53
65
0
0
0
0
411
204
489
463
6,322
6,027
計
4 環境損傷コスト
計
参考 当該期間の設備投資総額
(単位:百万円)
費 用
2010年
99
88
92
寄付金、緑化、工場周辺の清掃、その他
2011年
267
事務局費、教育費
合
2010年
2 研究開発費
項 目
投資額
主な内容
1 研究開発コスト
環境貢献製品及び環境配慮製品の開発
2011年
2
金 額
2010年
27
参考 当該期間の研究開発費の総額
2011年
2,880
2010年
2,409
11,352
11,601
3 環境保全効果
効果の内容
環境負荷指標(基準年との比較)
節電量: - 691万kWh /年(16.1%増)
2 廃棄物削減によるコストダウン
削減量:
3 節水効果
合
対前年節約額
対基準年節約額
-11
80
-83トン/年(3.2%増)
21
12
節水量: 235,882 トン/年(49%減)
102
12
112
103
計
環境報告
1 省エネルギー
4 集計条件
4
①集計範囲
:ISO取得事業所(三条工場・紫野工場・基盤技術研究所・秦野工場・厚木工場・瀬田事業所)
②対象期間:2011年4月1日∼2012年3月31日
③効 果:計算根拠のある項目に限定するとともに,当社がISO活動に向け準備を開始した前年度(本社工場:1995年度、
秦野工場:1997年度、基盤技術研究所(けいはんな)
:1998年度、瀬田事業所:2000年度、厚木工場:2002年度、
紫野工場:2008年度)
を基準年にして、環境保全活動を通じてどれだけの環境負荷の削減と費用の節約が達成
できたかを示しています。
(省エネルギーと電気料金とは契約の方法により必ずしも一致していません)
④ 教育、会議、社会活動に係る費用:係った人員の総時間に5,000円の時間当り単価を掛けて算出しています。
技術開発事例:自動車の使用済みプラスチックの選別技術の開発
当社はフーリエ変換赤外分光光度計などの高精度な分析機器を応用した自動車分野向けの使用済みプラスチック選別技術の開発を進
めています。廃車後の自動車からは再使用可能な部品・素材がリサイクルされていますが、
プラスチックは複数の素材が混在し分別が難
しいため、
主に焼却・埋め立て処分されています。
本技術は自動車ゴミに含まれる使用済みプラスチックの約50%を占めるポリプロピレンの選別を目的としたものです。
自動車リサイクル
法の基準が強化される2015年に合わせ、ポリプロピレンの識別率99%以上、
1時間に100kgの選別処理能力を目指しています。
プレスリリース(当社Webサイト)
: http://www.shimadzu.co.jp/news/press/miq5fd000000102n.html
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
25
環境報告
地 球 温暖 化防止/
化防止/省エネ
地球温暖化防止、省エネ
CO2排出量の実績
島津製作所の事業活動に伴うエネルギー起因のCO2排出量
■CO2排出量の推移(島津製作所の国内生産拠点・研究所の総計)
および電力使用量の推移を示します。算定範囲は当社の国
単位:t-CO2
内における全生産拠点および研究所です。
25,000
当社ではエネルギー使用量の約89%を電力に依存していま
20,000
す。電力の換算係数は、地域や年度によって変化しますが、
15,000
CO2の換算係数を一律0.378kg-CO2/kWhとして、各年度の
23,774
18,304 18,101 18,838
16,299
21,126 21,369 21,146 21,940 21,030
20,063
21,143
10,000
実績をCO2換算係数に左右されないようにしています。
2011年度は、従来から実施していた、建物の省エネ改修(集
5,000
中ガス方式から個別空調へ、空調設備の更新や高効率照明
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
の採用、窓ガラスの全面ペアガラス化など)をはじめとした
設備投資や運用改善、東日本大震災以降の節電への取り組
■電力使用量の推移(島津製作所の国内生産拠点・研究所の総計)
みにより、2010年度に比べCO2は約11.1%(2,631t-CO2)減
単位:百万kWh
少しました。
60
今後も、地球温暖化問題は人類共通の解決すべき問題とい
50
う認識の下で、
自助努力を基本に据え、温室効果ガス排出量
40
の削減に取り組みます。
30
35.7
42.6
41.4 40.3
45.2
50.6 50.7 51.7 49.4
47.9
56.1
50.0
20
10
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
環境報告
島津グループのCO2排出量の実績
■2011年度島津グループのエネルギー起因CO2排出量
島津グループの国内外におけるエネルギー起因のCO 2 排
■CO2排出量の内訳
(地域別)
出量を地域別、エネルギー別で集計した結果を右図に示し
ます。国内は島津グループの全ての生産拠点、研究所、分析
5%
5%
総排出量:29,885t-CO2
9%
日本
アジア
米州
欧州
会社を集計しています。海外はエネルギー使用量の大きい
アジア地域の9社、
ヨーロッパ地域の2社、アメリカ地域の2
81%
社です。
2011年度の島津グループのCO 2 排出量は2010年度に比
べ、10.4%(3,459t-CO2)減少しました。大きな要因としては、
日本国内でのCO2排出量が減少したためです。
■CO2排出量の内訳
(エネルギー別)
地域別では、今後グローバル化を進める上で、中国で新製
1%
品の現地開発・生産を拡充することから、
アジア地域の割合
2%
が増えてゆくと予測しています。
1%未満
1%未満
8%
89%
26
電力
都市ガス
LNG+LPG
軽油
重油
灯油
環境報告
地 球 温暖
暖 化防止/省エネ
物流におけるCO2排出量の削減
製品をお客様にお届けするまでを担う輸送時においても、
蔵置場利用により、
トラック輸送する事なく通関処理がおこ
CO2排出量削減の取り組みを進めています。
なわれ、通関後の空港や港までの輸送にはシャトル便とし
島津ロジスティクスサービス(株)
では、
トラックの積載率向
て低公害車(天然ガス車)を2007年度から導入しています。
上とモーダルシフト化の推進により2011年度には約42トン
さらに業務用車として、ハイブリッド車両の導入も進めてい
のCO2排出量を削減しました。
ます。
主な活動として、秦野出張所等の拠点間利用、貸切便貨物
以上の取り組みによる相乗効果として、大幅な輸送費のコ
同士の混載化、大口路線貨物同士の貸切便化、鉄道や船舶
ストダウンも得られております。
へのモーダルシフト、強化ダンボールを使用した梱包材の
軽量化などです。
2010年5月には新輸配送システム(TRINITY)が稼動し、異事
島津ロジスティクスサービス
(株)のグリーンロジスティクス
http://www.shimadzu.co.jp/sls/business/green.html
業部間の輸送情報の共有化が可能となり、
日々の業務の中
で上記の取り組みを効率的に推進することができるように
なりました。
また、輸出製品の輸送に関しても2006年度から自社の保税
空港へのシャトル便
強化ダンボールを使用した梱包
IT環境における省エネ化
当社グループの各種サーバの管理を行っている(株)島津ビ
開発環境B
環境報告
用するものです。
これによって、電力使用量を削減するととも
に、
スペースの効率化や、費用の削減も図ることができます。
開発環境C
のサーバ環境を仮想的に構築し、効率的にサーバ資源を使
開発環境A
開発環境B
を進めています。仮想サーバとは、1台のサーバの中に複数
開発環境A
ジネスシステムズでは、仮想サーバへの移行による省エネ化
仮想化
ソフトウェア
開発環境C
2011年度は18台のサーバを4台に統合しましたが、その効
サーバ仮想化のイメージ
果として、年間で約31,500kWhの消費電力を73%削減の
約8,400kWhに抑えることができたと試算しています。
タスクライトの導入
当社では、
オフィスの天井の蛍光灯をエネルギー効率の良い
従来照明
Hf蛍光灯への変更を計画的に進めると共に、各蛍光灯に
プルスイッチを取り付け、不在の時には机上の蛍光灯を消す
ことで、省エネを図っています。更に2011年度は節電対策の
一環で、
天井照明を減らし手元照明で作業照度を確保するタ
スク・アンビエント照明の取り組みを実施するため、
消費電力
の少ないLEDタイプの手元スタンドをおよそ1,300台導入し
ました。
この他、節電対策として建物の換気風量を見直すな
LEDタスクライト
タスク・アンビエント照明
ど、
節電対策により938t-CO2が削減できたと試算しています。
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
27
環境報告
廃棄物管理
廃棄
物管 理 /化学物質
/化学
管理 /公害対 策
廃棄物管理
当社では、生産工程から発生する廃棄物を積極的に再資源
物やお客様先からの下取りに関わる廃棄物、
さらに2011年
化する取り組みを進めています。当社の拠点の中で最も排出
度の廃棄物処理法の改正を踏まえた建設系廃棄物の取り扱
物の多い三条工場では、2011年度に99.7%以上を再資源化
いについての講習を実施しました。引き続き、関係会社を含
し、
ゼロエミッションを維持しており、瀬田事業所、秦野工場、
めて、
これらの順法に関わる対応も強化し、廃棄物・リサイク
厚木工場でもゼロエミッションを達成しています。
ルガバナンスのレベルを向上させていきます。
再資源化を進める方策としては、
現場における分別の徹底を
通じて、廃棄物から有価物に価値を高める取り組みを全社で
実施しています。
これは、再資源化の質を高めるのみならず、
経営的にもコストダウンにつながっている取り組みです。
また、2012年度からは、生産工程からの物を発生させない納
品方法や再使用を中心として、廃棄物の削減に取り組んでい
ます。
■廃棄物排出量とリサイクル率の推移
(島津製作所の国内生産拠点・研究所の総計)
単位:%
96.2 98.6 98.9 98.5 99.4 98.5 99.6 99.6 100
93.2 93.7 94.3
2,746 2,718
84.4
2,499
2,500
2,352 2,324 2,320 2,326
2,297
80
2,130
2,078
2,000
1,812
60
1,532
1,500
単位:t
3,000
また、
コンプライアンスの向上を目的とした取り組みとして、
本社地区事業所の全ての拠点と秦野工場における電子マニ
フェストの導入を完了しています。
また、
全国の営業拠点を対
40
1,000
20
500
象とした営業コンプライアンス研修の中で、営業拠点の廃棄
-
0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
エコグッズの作成
全員参加の環境活動の1つとして、オフィス・工場からの紙
ごみの分別を進めています。分別・回収された紙はティッ
環境報告
シュペーパーやノートに再生され、従業員の手元に戻ってき
ます。環境活動の成果を目に見える形で還元することにより、
従業員に対する意識の向上を図っています。
さらに2011年度は、香川県の豊島住民会議と瀬戸内オリー
ブ基金が運営しているオリーブ畑で、当社から発生した木く
ずを再生した土壌改良用の炭をご利用いただきました。
現在、
およそ1,100本のオリーブの育成に使用されています。
オリーブ畑での炭の活用
PCBへの対応
当社では、過去に使用していたPCB(ポリ塩化ビフェニル)
一方、
(株)島津テクノリサーチにおいては、絶縁油中の微量
廃棄物を保管しています。
PCBの簡易定量法の2技術を提供しています。
迅速かつ安価
日本環境安全事業株式会社(JESCO)への処理登録も完了し
で測定でき、測定値の信頼性の確保に必要な精度を有する
ていますが、JESCOの処分計画が遅れているため、処分時期
測定技術で、2010年1月25日環境省から公表された「絶縁油
は平成25年度以降の予定です。処理までに漏洩や紛失など
中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」の中にも適用
が発生しないよう点検を毎月行う一方で、緊急事態を想定し
されています。
た教育訓練を実施しています。
28
環境報告
廃棄物管理 /化学物質管理
質 管 理 /公害対 策
化学物質管理
当社では製造、研究開発、お客様からの依頼分析などの場面
分析装置に使用する試料の代替化
で多種多様な化学物質を使用しています。
これらの物質は使
蛍光X線分析装置(EDX)の感度係数用試料のなか
い方を誤ることで事件や事故につながる恐れがあり、様々な
で、バリウム
(Ba)係数取得用試料としてこれまで劇物
法令で規制されているものもあります。
3
、BaF(フッ
2
に指定されているBaCO(炭酸バリウム)
そのため、主管部門と化学物質を使用する部門との連携に
より、適用される法令に応じた管理状況を確認すると共に、
化バリウム)
を用いてきました。
2011年度に、
これらの
4
へ代替し、化学
試料を無毒のBaSO(硫酸バリウム)
各部門において、輸出入時の許認可の確認、個別の緊急時
物質のリスク低減を図りました。
対応の教育訓練や、有害物質の代替化を進めています。
劇物管理が不要になるため、輸出入手続きや使用者
また、島津エス・ディー(株)製の薬品管理システムCRISを用
の制限など運用面における利便性が向上し、お客様
いて、個々の薬品の入出庫管理を行っています。
このシステ
への対応期間の短縮にもつながります。
また感度係
ムにより、各部門での在庫管理ができるだけでなく、PRTR法
数試料の商品化につなげることができます。
に基づく行政報告を迅速に行うことができます。
単位:kg
■PRTR届出物質使用量の推移
30,000
当社では、毎年PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の
把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排
25,000
22,823
23,446
20,000
16,250
出把握管理促進法))に基づき、有害化学物質の届出を行っ
ております。全社での届出対象物質の使用量は減少傾向に
ありますが、2011年度は基盤技術研究所での研究開発活
動の活発化と、瀬田事業所での塗料の使用量増加により、
2010年度よりやや増加しました。今後も塗料や洗浄液の代
替化などを進めながら使用量削減に努めます。
基盤技術研究所
秦野工場
瀬田事業所
三条工場
25,033
15,000
10,175
10,000
7,992
9,690
5,000
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
環境報告
※2005年度以降、行政に届出をした物質のみの使用量を集計しています。
PRTRデータの詳細はP.38をご参照ください。
公害対策
大気測定
(三条工場)
水質測定
(三条工場)
工場で使用するボイラーから排出される排
工場からの排水は、下水道法及び京都市下水道条例の規制基準より厳しい
ガスは、大気汚染防止法及び京都府環境を
自主管理基準を設定し、定期的に測定しています。三条工場では、各水質項
守り育てる条例の規制基準よりも厳しい自
目の定期測定以外にも、専用モニター
主管理基準を設定し、SOxやNOxなどを定期
と社内LANによるネットワークを利用
的に測定しています。
し、pHやTOC(全有機炭素)
を常時監視
三条工場では老朽化した重油式ボイラーや
しています。
また、
もしも排水のpHが自
都市ガス式ボイラーを順次廃止し、大気汚
主管理基準を超過した場合には、担当
染の防止を図るとともに、CO2の発生の削減
者にメールで異常を通知し、迅速に対
にも努めています。
応できるシステムを構築しています。
オンライン全有機体炭素・全窒素計(TOCN計)
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
29
環境報告
製品の環 境 対 策
製品の環境対策
製品への環境配慮は、材料・部品の調達から廃棄に至るまでのライフサイクル全般への対応が必要と考えています。
このこと
は、当社の経営理念「人と地球への健康への願いを実現する」を実践するためにも最重要の経営課題と捉えています。製品
のライフサイクル全般での環境負荷を少なくするために、環境負荷低減設計指針に基づいた製品設計を行っています。
エコラベル制度の取り組み
エコラベル基準(1または2を満たすこと)
当社では、製品の環境配慮について自社基準を設け、基準
を満たした製品に対し
「エコラベル」の添付を認めるエコラ
1.当社従来機と比較してエネルギー消費量を
25%以上削減していること
2.特定の有害物質※を含有しないこと
※特定有害物質:EUのRoHS指令で使用を制限されている水銀、カ
ドミウム、鉛、6価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジ
フェニルエーテル(PBDE)
ベル制度を実施しています。
これまでにエコラベル制度の
認定を受けた主な製品を紹介します。
省エネルギー25%以上の達成 ※記載の数値はすべて当社従来機比です。
トリプル四重極型
ガスクロマトグラフ質量分析計:
GCMS-TQ8030
新型17インチ
直接変換方式FPD
(X線TVシステム搭載)
電力消費
26%削減
(
万能試験機:
電力消費
76%削減
X線TVシステム
SONIALVISION safire17
UH-X、
UH-FXシリーズ
)
電力消費
82%削減
(UH-500kNXhの場合)
サーボパルサ用油圧源省
エネルギーユニット:
ECU1/
ECU2シリーズ
電力消費
50%削減
環境報告
特定有害物質の非含有
ターボ分子ポンプ:
TMP-2804/3304/3804/4304シリーズ、
TMP-V2304LM/V2804/V3304シリーズ
油圧機器歯車ポンプ: 油圧歯車ポンプ TME1シリーズ、SME1シリーズ、EGP2シリーズ
パワーパッケージ DPNシリーズ
光学デバイス:
島津軸外放物面鏡、ポルカドットビームスプリッタ
レーザ機器:
LD直接波長変換型レーザ LUMICUBEシリーズ HK-5500、
バルク型QPM素子
ライフサイクルアセスメント
(LCA)の推進
当社では、材料・部品の調達から廃棄に至るまでの製品のライフサイクル全体の環境負荷を定量的に把握するLCAの取り組み
を推進しています。2011年度は全社指針となる
「ライフサイクルアセスメント基本方針」を制定しました。
30
環境報告
グリーン調達
グリーン調達
地球環境保全に配慮した製品づくりのため、有害化学物
質の不使用や削減を進め、環境への影響のより少ない部
品・素材の調達を積極的に推進しています。また社内で使
用する事務用度品、設備などについても同様に環境負荷
低減に努めています。
■サプライチェーンでの有害化学物質の削減
● 調達先とのパートナーシップの構築
グリーン調達を推進するためには、調達先とのパートナー
シップが不可欠です。
グリーン調達への協力をお願いする
ため、指針となる「グリーン調達基準」を制定し日・英・中の
■有害化学物質管理体制の構築
環境関連法の中でも特に規制が厳しいRoHS指令などが禁
止する化学物質を含まない製品づくりのためには、設計、
調達、製造などの各プロセスにおいて、問題点の洗い出し、
各部門での手順や認識の標準化などが必要となります。
こ
の目的のために、製造関連部門や品質保証部門だけでな
3ヶ国語で当社ホームページに公開しています※。
また、国
内外の調達先における環境負荷低減への取り組みをサ
ポートするため、調達先向けのグリーン調達説明会などを
随時開催しています。
※「グリーン調達基準」および関連資料は、下記ページから
入手できます。
http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/procure/green.html
く海外販売関連部門まで含めた全社横断的なワーキング
グループを設置し、様々な課題の対応策を検討していま
● 社内消耗品のグリーン化
す。また、調達先に対する監査を実施して有害化学物質管
事務用度品などの社内で消費する用品のさらなるグリー
理の状況を確認・評価するとともに、有害化学物質の含有
ン化を推進するために、調達部が中心となって環境配慮
リスクの高い品目については、自社でサンプル分析を実施
製品をリサーチし、社内各部門に対し積極的に代替品を
し含有の有無を確認しています。さらに、RoHS指令をはじ
提案しています。
めとした各種の化学物質規制に対応するため、新たに専
用システムを構築し、2012年4月より国内外の島津グルー
プ全体で活用しています。
● 社外活動を通じた情報交換
他社との交流を通じて情報交換に努めています。2011年
度は(社)京都工業会での活動を通じて、参加企業のグリー
環境報告
ン調 達 の 実 態を調 査し課 題を明らか に するとともに、
他社との協働により会員企業相互のレベル向上に努めま
した。
■地球環境問題への対応
● 生物多様性に関する情報収集
2011年度に全社環境方針が改定され、
これにもとづいてグ
リーン調達においても生物多様性に関して対応を開始して
います。2011年度は調達先に対して生物多様性に関するア
ンケート調査を実施しました。
● 災害への対応
RoHS監査前の教育の様子
2011年は東日本大震災やタイの洪水などの大規模な自然
災害の発生に伴い、改めて調達機能が見直された年でもあ
りました。調達先の協力を得て、お客様への納品が滞らぬよ
う全社一丸となって対応しました。
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
31
環境報告
内部 環 境 監査
監査/教
/教育
内部環境監査
企業の環境への取組は社会的責任として取り組まねばなら
2011年度は、電機・電子業界の環境リスクマネジメント研究
ない状況の中、環境活動をPDCAサイクルの中で実施してゆ
会で開発された 環境リスク感性教育 に基づく、社内の環境
く上で最も重要な要素の1つが内部環境監査です。当社は
リスク事象からどのような環境影響や経営影響が生じるかを
ISOの取得から今年で15年目を向かえます。環境の活動や、
議論する演習を実施しました。
さらに、他社の事業所を訪問
内部環境監査がマンネリな活動にならないように、
監査にお
し、
意見交換や工場見学を通じ、知識を深めました。
いては、新鮮な監査の視点で、内部環境監査の充実を図れる
ように取組みを進めています。
その取組みの一つとして、監査では指摘事項(不適合の指摘
と良い指摘)
を見つけ、良い事例を水平展開することで、他の
部門にも情報を共有できるような活動をしています。
また監査員の力量を向上させることは監査を充実させるた
めの大切な要件であるため、監査員全員が年1回の専門教
育を受講し、
監査の充実を図っています。
内部環境監査員教育受講風景
環境報告
環境一般教育
本社地区の環境一般教育では、環境小冊子に沿って環境方
針、環境マネジメントシステムの要求事項に適合することの
重要性、環境側面、各人の取組みによる環境への利点等の講
義と今年度の当社の活動についての説明をしています。
2011年度の環境一般教育では2010年度から教育に盛り込
んだ「生物多様性の保全」について、
さらに知識を深めること
に重点を置きました。
「府民参加のものづくり」∼京都モデル
フォレスト運動のとりくみ∼というタイトルで、京都府農林水
産部モデルフォレスト推進課の今井副課長にご講演もして
いただきました。
新入社員への環境一般教育では講義の後、全員がバスに乗
り込み「島津の森」
へ移動し、森林の間伐作業を行いました。
32
環境一般教育風景
環境報告
生物多様 性の 保全
生物多様性の保全に対する当社の取り組み
本年度は6月にブラジルで「リオ+20」、9月には韓国で「第5
進めてきましたが、
本年度はそれらの活動に加えサプライヤー
回 世界自然保護会議」
、10月にはインドで「生物多様性条約
への教育にも着手します。
第11回締約国会議(COP11)
」
といった生物多様性問題に関
次に、
「事業活動による生物多様性への負荷軽減」について、
連する大きなイベントが世界中で開催されます。
これらのイ
当社はこれまでも
「省エネ活動」
「省資源活動」
を通じて生物
ベントでは問題解決に向けた民間企業の取り組みが議論さ
多様性の保全に寄与していますが、今後はそれに加えて紙
れ、今後、企業の生物多様性保全に対する責任が増すことが
や梱包材に使用される木材を対象とした認証品の積極的な
予想されます。
採用に取組みます。
当社は2010年度より
「生物多様性の保全」
を環境方針に取り
「生物多様性保全への積極的な貢献」については事業活動
込み、生物多様性の「啓蒙」
「負荷の軽減」
「積極的な貢献」に
の枠組みから離れ、工場内の植生調査や「京都モデルフォレ
ついて活動してまいりました。
スト運動」への協力(京都府南丹市の「島津製作所の森」の整
まず、
「生物多様性問題の啓蒙活動」
では、
これまで従業員教
備活動)等、生物多様性の保全に直接貢献できる活動を実施
育や小中学校への出前教室などを通じて社内外への啓蒙を
しており今後もその取り組みを継続します。
「 島 津 製 作 所 の 森 」参 加 者 の 声
島津の森は、なだらかで足場も良くとてもきれいな森ですが、奥の方は暗
い森になっていて、整備の余地があります。初めて参加したとき、汗を流し
て細い木を何本も切り、ふと振り返ると、暗かった森に光が差していて本
当にうれしかったです。また、地元の方から
「クリの木は堅くて朽ちない
よ」
、
「ヒノキの皮は簡単に剥けるんや」
と教えてもらったことから、木の種
類に興味を持ち始めました。今回は植物に詳しい先生の話が聞けて、ずっ
と分からなかった木の名前も判明し、大感激でした。
2011年秋の「島津製作所の森」づくり活動参加者
環境報告
分析計測事業部 技術部 ソフトウェア製品開発第3グループ グループ長
山本 聡
三条工場構内の植生調査
「絶滅危惧種」
・
「在来種」
・
「外来種」
、生物多様性の保全の取組みを開始し
てから良く耳にする言葉です。
2011年度に、
「三条工場構内にどのような植物があるのか?まずは自分た
ちの身の周りから調べてみよう。
」
という思いから、
え∼こクラブ(社内女性
環境プロジェクトチーム)
で構内植生調査を開始しました。
調査を開始してすぐに京都府の準絶滅危惧種であるノジスミレが見つか
り、現在、保護活動を行っています。今後も三条工場構内の植生調査を継
続し、
生物多様性に配慮した緑化につなげていきたいと考えています。
ノジスミレ
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
33
環境報告
外部支 援活動
外部支援活動の実績
環境セミナーの開催、ISO14001認証取得支援、環境出前授業など外部の活動支援を実施しています。
2010年のCOP10の開催で、生物多様性の保全に関する意識がたかまる傾向にあり、出前授業の内容も
「生物多様性の保全」の
内容が多くありました。今後も積極的に外部支援を推進していきます。
外部支援種類別、
年度別集計
年 度
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
環境報告
2010
2011
累 計
上段 実施件数
分 類
ISO支援 環境経営 環境教育 規制関連
講演
町づくり 個別活動
その他
6
0
0
1
0
0
23
360
303
0
0
350
0
0
1,013
11
23
3
0
0
0
4
41
413
849
51
0
0
0
108
1,421
18
20
5
0
0
2
4
49
261
710
59
0
0
440
57
1,527
2
12
5
11
3
3
2
38
32
492
54
770
340
280
70
2,038
13
17
19
27
0
3
9
88
239
578
1,550
1,203
0
526
305
4,401
8
9
21
26
5
0
9
78
64
402
1,450
1,300
1,294
0
151
4,661
26
21
25
21
3
0
5
101
421
672
1,268
1,629
422
0
38
4,450
14
13
19
22
0
0
5
73
161
302
881
1,443
0
0
112
2,899
5
21
30
27
3
0
4
90
90
648
1,502
2,321
510
0
85
5,156
5
19
28
10
3
0
6
71
62
585
1,669
403
395
0
209
3,323
1
25
32
3
4
0
1
5
71
20
417
1,172
455
272
0
75
53
2,411
5
15
29
3
7
0
1
15
75
147
233
1,630
336
313
0
18
223
2,900
2
21
27
1
1
0
2
18
72
30
240
1,554
8
80
0
36
388
2,336
126
222
243
151
30
8
52
38
870
2,300
6,431
12,840
9,868
3,976
1,246
1,264
664
38,536
20
0
合 計
16
おおさかATCグリーンエコプラザ常設展示ブース改装
1999
41
件数
参加者数
1,527
38
2002
100 (件数)
80
1,421
49
2001
60
1,013
23
2000
40
2,038
88
2003
4,401
78
2004
4,661
101
2005
4,450
73
2006
2,899
90
2007
2008
71
2009
71
2010
75
2011
72
0
5,156
3,323
2,411
2,900
2,336
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000(参加者数)
環境出前講座新メニュー
「水の話」
当社は2004年より、おおさかATCグリーンエコプラザの常設展示
総務部主催の「ぶんせき体験スクール」
と地球環境管理室主催の
ブースに出展をしています。ゲーム感覚で、遊びながら子供たちが
「環境出前授業」がコラボレーションしました。
「水の話」
というタイ
地球環境のことを考えてくれたら。
というのが当社ブースのコンセプ
トルで小学校に伺っています。
トです。2012年3月、そのコンセプトのもと
「生物多様性」をテーマ
授業の1時間目は、地球環境管理室が「世界の水問題」についての
にしたブースに生まれ変わりました。
講義をします。その後「水の汚れ」についてパックテストを用いた
生物の絶滅を防ぐには、
どんな種類がどのような理由で絶滅してし
実験を生徒全員で行います。2時間目は総務部が担当し、1時間目
まったのか、
どうして絶滅しそう
の実験で使用した水を当社の装
なのかを知る必要があります。
置(紫外可視分光光度計)で分
そのために作られたIUCN(国際
析します。
この装置は「光」
を用い
自然保護連合)のレッドリストを
て分析する装置です。子供たちに
参考に制作した絶滅危惧種の生
は「光」についての講義も行いま
物を学ぶ当社オリジナルのカー
す。
新たな社会貢献活動のスター
ドゲーム「bidi」を紹介させてい
トです。
ただいています。
34
外部支援推移
(年度別)
下段 参加者数
ATCブース
水の話授業風景
環境報告
外部支 援活動
JICA等海外からの研修生受入れについて
(独)国際協力機構(JICA)や(財)国際石油交流センター
(JCCP)などの団体では途上国から研修生を招き、
日本の産
2011年度に実施した下水・排水処理技術関連の研
業技術の研修事業を実施しています。
この中には環境関連
修では8名で島津製作所三条工場を訪問させてい
技術の習得を目的とするものも数多くあり、分析機器とノウ
ただきました。
ハウを有する当社では、
この事業に協力し、年間約100名の
今回の研修では、窒素、燐、有機物による富栄養化
研修生を受け入れています。研修では環境管理・環境モニタ
なども勉強し、参加者の自国でも問題となっている
リング技術等の講義や、水質分析機器・設備の紹介を行って
事を再認識しています。
このため分析機器などの整
います。
備が近い将来必要になってくる事は十分理解してい
る様です。
今回の貴社の見学で得た色々な
機種の計器があるという知識が、
研修員の役に立ってくれればと
思っています。
(財)北九州国際技術協力協会
研修リーダー 末田 元 様
JICAの研修風景
国連大学「環境監視プロジェクト」の支援
介されています。現在、次期のプロジェクトについて検討
期にかけて継続的に支援してまいりました。
このプロジェ
を進めています。
クトは1996年に開始され、アジア11カ国の主要研究・分析
当社は、今後も、装置の貸与、分析技術のトレーニング
機関が連携して実施している国際的な活動です。環境汚
ワークショップ、シンポジウムの開催など、分析メーカーと
染の抑制と適切な管理をめざし、アジア各国の環境汚染
して培ってきた専門的な技術、
ノウハウなどを通じて、積極
状況をモニタリングし、そのデータを継続的に蓄積するこ
的に各国の研究・分析機関及び研究者の支援を行ってい
とを目的としています。同時に、モニタリングに必要な分析
きます。
環境報告
当社は国連大学「環境監視プロジェクト」を第1期から第5
技術の開発、現地技術者養成などの技術的支援も実施さ
れています。
第5期は、2008年から2011年にかけて実施され、PCB(ポ
リ塩化ビフェニル)及び臭素系難燃剤の分析を対象にし
た活動を行い、その成果は、2010年1月にインド、2011年
3月に中国、2011年10月に日本で開催された国際シンポ
ジウムで報告されました。また、2011年4月に、スイス・ジュ
ネーブで開催されたPOPsに関するCOP5のサイドイベン
トにおいても、国連大学からこのプロジェクトについて紹
2011年11月のシンポジウムの際に
国連大学の竹内和彦副学長から中本晃社長に
感謝状が贈呈されました
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
35
環境報告
関係会社における取り組み
関係会社における
環境負荷削減システム
島津システムソリューションズ(株)
当社は、工業用計測機器及び制御システムの開発・設計・製
削減(濃縮減容)だけでなく、高濃度窒素排水の処理など、水
造・保守業務に携わってまいりました。ガスや水などの計測
に関わる環境負荷削減にご利用頂いております。今後も新た
制御対象の一部は、
その役割を終えた後、事業所外へ排出さ
な技術開発とシステム提案で、微力ながら環境負荷削減の
れます。排出物は周辺或いは地球環境への負荷となる場合
一助となれるよう努めてゆく所存です。
があり、当社は、
その削減設備も含めた総合ソリューション提
案に向けた技術開拓も進めております。
2011年春に発売したVOC処理装置(NI005)は、産学官連携
のもと光触媒を応用したゼオライト−酸化チタン複合体を
開発し、揮発性の高い有機化合物ガスを処理する装置とし
て、作業環境の改善や臭気対策を目的にご提案を進めてお
ります。一方、減圧蒸留システム(SSGWシリーズ)は、廃液の
VOC処理装置
減圧蒸留システム
島津システムソリューションズ(株) 会社概要
電気・ガス・水道などの社会インフラや製造プラントに於ける計測制御事業のほか、JCSS認証を受けた実流校正事業、環境負荷の削減技術を実現する環境
ソリューション事業へと
『科学と技術を融合させて、社会に貢献する』会社を目指し邁進しています。
環境配慮型真空ポンプ「スマートキューブSMC」
島津エミット
(株)
島津エミット
(株)
では、昨年秋から環境配慮型真空ポンプ「スマートキューブSMC」を開発し、販売開始しました。
環境報告
1 インバータによる圧力制御
3 油水分離機能
真空圧力を少しずつ下げたり、一定の真空圧力に引いてそ
油水分離機を追加することもできます。
この油水分離機は真
の圧力を維持するには、通常真空ポンプは制御せず、バル
空ポンプの吸気と排気の差圧を利用して、油水分離機に油
ブの開閉で調節しますが、スマートキューブSMCはモータ
循環させ吸い込んだ水分を分離させる省エネタイプです。
にインバータ制御を採用し、内蔵されたシーケンスプログ
これらの3つの環境配慮機能を特長として、真空ポンプの交
ラムによってスロー排気や圧力を保持することができます。
換需要を掘り起こしています。
これによって電力消費を抑えることができ、最大65%の電力
削減が可能です。
2 植物油使用
潤滑油として植物油を使用するタイプもあり、潤滑油がもし
漏れても、健康への悪影響の懸念がないので、食品関連の
職場環境により適しています。
環境配慮型真空ポンプ「スマートキューブSMC」
島津エミット
(株) 会社概要
島津エミット
(株)は1994年に設立され、
(株)島津製作所の真空機器・油圧機器及び島津メクテム(株)の液送機器の販売と、自社製品である真空ポンプ・真空
装置・制御機器の開発・製造・販売・サービスを行っています。
36
環境報告
関係会社における取り組み
における取り組み
発泡スチロールや有機溶剤糊を使用しない
「ECOパネル」の推進
(株)島津アドコム
(株)島津アドコムでは、焼却しても有毒ガスが発生しない
術により、有毒ガスの発生しない水溶性糊の使用を可能にし
「ECOパネル」
を推進しています。展示会やショールームでは
ました。今後も広告宣伝に携わる私たちが、少しでも環境保
展示用説明パネルや写真パネルが欠かせません。その多く
全への負担低減につながる活動を推進してまいります。
が使用後は廃棄されますが、従来のパネルでは石油製品で
ある発泡スチロールを使用しているため不燃ゴミとして処理
するしかありませんでした。
またボードの反り返りを避けるた
め有毒な有機系溶剤糊を使用していました。
これをリサイク
ルできる材料を使って作ることができないか? 有機溶剤糊
に代わる糊は他にないか?その環境に対する想いから
「ECO
パネル」は誕生しました。紙やダンボールを使用しているた
め、使用後は古紙として処分が可能です。
また、貼り合わせ技
「ECOパネル」を使用した展示ブース
(株)島津アドコム 会社概要
お客様のマーケティング戦略に最適なコミュニケーションプランを提案する広告宣伝会社です。マスメディア、WEB、印刷物、映像の企画・制作をはじめ環境関
連のイベント・展示会も数多く携わっております。
Shimadzu Philippines Manufacturing Inc.(SPM)における環境活動
その他、孤児院への支援や、災害に見舞われた地域に対する
ジネスを展開する企業及びその従業員に対する社会的な責
衣服や食料、医薬品の提供など、幅広い社会貢献活動を行っ
任である環境保全活動を実施しています。ISO14001は資源・
ています。
環境報告
SPMは2000年にISO14001を認証取得し、世界的な市場でビ
エネルギー消費の削減やコンプライアンスの向上に加え、
社内外のコミュニケーションの円滑化にも寄与しています。
具体的には、第三者機関によって排気ガス中の有害成分や
騒音などの事業所から発生する環境負荷指標の監視・測定
を行っており、地域の環境保全に努めています。
また、2001
年に事業所の向かい側にある区画に植林をして以降、
フィリ
ピン国内の様々な地域における植林活動や継続的に実施し
ています。
さらに、地域の自治体や企業らで構成されたモニ
タリングチームの一員として、当社の環境汚染対策責任者を
中心とした活動も行っています。
フィリピンでの植樹
Shimadzu Philippines Manufacturing Inc. 会社概要
1996年に島津製作所の100%子会社として設立。上皿天びん(BLシリーズ)やプリント基板の生産・輸出を行っており、本社向けのみならず世界中の販社、代理
店に出荷しています。
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
37
環境報告
環 境 負荷データの詳
負荷データの 細
環境負荷データの詳細
<CO2排出量> 単位:トン
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
紫野工場
秦野工場
厚木工場
2000年
12,955
919
− − 2,425
− 2001年
12,456
946
2,661
− 2,241
− 2002年
12,276
892
2,686
− 2,247
− 2003年
12,249
901
2,938
− 1,895
857
2004年
12,979
1,004
3,148
− 1,993
940
2005年
14,176
934
3,188
− 1,951
877
2006年
14,059
1,472
3,140
− 1,823
874
2007年
14,131
1,463
3,107
− 1,663
783
2008年
15,126
1,595
2,901
− 1,509
809
2009年
14,521
1,561
2,256
427
1,610
654
2010年
16,290
1,667
3,123
435
1,624
634
2011年
14,152
1,555
3,158
423
1,326
529
※電力の換算係数は全ての年度において0.378kg−CO2/kWhを使用しました。
<電力使用量> 単位:千kWh
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
紫野工場
秦野工場
厚木工場
2000年
27,608
2,556
− − 5,568
− 2001年
27,082
2,494
6,872
− 4,936
− 2002年
26,220
2,351
6,878
− 4,817
− 2003年
26,491
2,373
7,500
− 4,115
2,160
2004年
28,353
2,465
8,113
− 4,042
2,225
2005年
30,899
2,608
8,032
− 4,118
2,193
2006年
31,821
4,097
8,154
− 4,225
2,262
2007年
31,954
4,310
8,020
− 4,215
2,210
2008年
35,127
4,340
7,485
− 2,925
1,853
2009年
33,731
4,248
5,820
844
3,304
1,476
2010年
37,540
4,389
8,095
924
3,532
1,580
2011年
33,255
4,050
7,547
897
2,908
1,320
2001年
1,340.0
8.9
627.0
− 321.0
− 2002年
1,115.0
8.3
508.0
− 181.0
− 2003年
1,307.0
8.3
609.0
− 186.0
20.0
2004年
1,332.0
9.5
822.0
− 170.0
18.0
2005年
1,239.0
10.5
865.0
− 183.0
26.0
2006年
1,259.0
15.2
843.0
− 160.0
43.0
2007年
1,303.0
17.5
840.0
− 149.3
15.7
2008年
1,493.0
18.6
778.0
− 186.6
22.7
2009年
1,304.4
18.3
477.0
101.9
163.0
12.9
2010年
1,770.7
19.3
709.1
105.5
128.2
13.6
2011年
1,579.8
15.6
815.3
147.0
146.4
13.5
2003年
97.0
70.7
91.5
− 87.9
77.1
2004年
98.0
78.0
93.7
− 94.4
99.9
2005年
98.0
90.0
99.6
− 98.0
99.6
2006年
98.5
78.3
100.0
− 97.8
100.0
2007年
97.6
76.7
100.0
− 100.0
98.7
2008年
99.3
73.3
100.0
− 100.0
99.1
2009年
98.2
78.1
100.0
96.5
100.0
100.0
2010年
99.7
79.4
100.0
98.9
100.0
99.7
2011年
99.7
73.1
100.0
98.4
100.0
100.0
2003年
218,070
8,838
9,392
− 12,659
9,869
2004年
232,939
7,336
10,204
− 11,232
12,118
2005年
206,682
7,689
9,927
− 11,000
1,116
2006年
185,393
8,628
9,708
− 11,046
14,054
2007年
182,315
10,391
10,509
− 13,599
8,461
2008年
169,235
9,087
10,881
− 17,480
7,043
2009年
183,969
8,574
10,733
3,477
10,942
5,579
2010年
222,653
11,756
10,519
3,999
10,464
6,596
2011年
199,006
10,037
9,806
4,818
10,939
9,038
<廃棄物排出量> 単位:トン
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
紫野工場
秦野工場
厚木工場
2000年
1,306.0
6.8
− − 219.0
− ※廃棄物排出量には、産業廃棄物、事業系一般廃棄物、有価物を含みます。
<リサイクル率> 単位:%
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
紫野工場
秦野工場
厚木工場
2000年
86.0
76.5
− − 74.8
− 2001年
94.0
65.6
92.7
− 91.6
− 2002年
96.0
62.0
91.2
− 88.0
− ※リサイクル率=(廃棄物排出量−最終埋立処分量)÷廃棄物排出量
環境報告
<水道水使用量> 単位:m3
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
紫野工場
秦野工場
厚木工場
2000年
260,798
10,463
− − 16,697
− 2001年
213,889
9,444
9,318
− 15,396
− 2002年
188,815
8,730
8,163
− 13,424
− <PRTR届出物質使用量> 単位:kg
届出事業所と使用物質(物質番号)
HCFC-141b(176)
三条工場
HCFC-225(185)
ニッケル及びその化合物(309)
基盤技術研究所 セレン及びその化合物(242)
キシレン(80)
瀬田事業所
トルエン(300)
秦野工場
HCFC-225(185)
2005年
2,755
2,275
4,715
−
3,797
5,381
3,900
2006年
2,407
2,858
4,734
−
4,802
3,113
5,532
2007年
3,110
3,075
4,080
−
5,040
3,456
6,272
2008年
2,940
3,662
2,817
−
4,733
2,098
−
2009年
2,466
3,949
2,387
−
1,373
−
−
2010年
−
2,233
4,019
−
1,740
−
−
2011年
−
2,425
3,538
1,060
1,585
1,082
−
※物質番号は現在のPRTR法に対応。行政届出をした物質に限り、表中の「−」は1,000kg未満であることを示す。
<2011年度PRTR届出内容の詳細> 単位:kg
届出事業所と使用物質(物質番号)
三条工場
基盤技術研究所
瀬田事業所
38
HCFC-225(185)
ニッケル及びその化合物(309)
セレン及びその化合物(242)
キシレン(80)
トルエン(300)
使用量
2,425
3,538
1,060
1,585
1,082
大気への 公共用水域
への排出
排出
1,940
−
−
1,585
1,082
−
−
−
−
−
当該事業所
における土壌
への排出量
−
−
−
−
−
当該事業所に
おける
埋立処理
−
−
−
−
−
下水道
への移動
−
−
−
−
−
当該事業所の
製品として
リサイクル
外への移動
の搬出
−
1,500
240
−
−
485
−
−
−
−
−
2,038
820
−
−
用途
洗浄
メッキ
表面処理
塗料
塗料
環境報告
環 境 活動のあゆみ
環境活動のあゆみ
1973
・環境保全課を設置
1978
・地域の河川美化活動結成参加
2003
ISO14001を認証取得
・秦野工場と厚木工場をあわせた神奈川地区
「御室・天神川を美しくする企業協議会」
1991
事業所としてISO14001認証取得サイトの拡大
・秦野工場・東京研究所が秦野市と
・第3回世界水フォーラムCEOパネル参加
「環境安全協定」
を締結
1992
1994
・え∼こクラブが「雨水くんの冒険双六」作成
・新経営理念
「 人と地球の健康 への願いを実現する」策定
2004
・
「京都府トップランナー表彰」 受賞
・洗浄用特定フロンおよび
・屋上ビオトープを京都府の助成を受けて敷設
・第1回環境委員会開催
・ACTグリーンエコプラザに企業ブース出展
2005
「東アジア地域の環境監視と分析」の支援を開始
1997
2006
・
「地球環境大賞科学技術賞」 受賞
・島津サイエンス西日本(株)がISO14001を認証取得
・京都議定書発効1周年記念事業に参加
・社内「リサイクル設計指針」を制定
・え∼こクラブが平成18年度「地球温暖化防止活動
環境大臣表彰」 受賞
・新工場建設時に太陽光発電設備を設置
・ゼロエミッション(再資源化率99%以上)へ
向けた活動を開始
2007
梱包材が2007日本パッケージングコンテスト
・秦野工場がISO14001を認証取得
「電気・機器包装部門賞」 受賞
・基盤技術研究所(けいはんな)
を含む
ISO14001認証取得サイトの拡大
2000
2008
・環境会計の確立により環境報告書に掲載開始
・第2回全国もったいない大会にて事例を発表
・ASEEP21(環境省21世紀子ども放課後環境教育
プロジェクト)に参加(∼2010)
・京都モデルフォレスト運動へ参画
・第10回「地球環境大賞文部科学大臣賞」 受賞
2009
ISO14001認証取得サイトの拡大
・大津市と
「環境保全協定」
を締結
・代替フロンHCFC-141bの使用量全廃
・瀬田事業所を本社地区事業所に含む
ISO14001認証取得サイトの拡大
2010
カードゲームbidiを出展
・中国国家環境保護総局で環境経営セミナー開催
事業所に含むISO14001認証取得サイトの拡大
・Save the Energyプロジェクト開始
・COP10併催イベント
「生物多様性交流フェア」へ
・島根島津(株)がISO14001を認証取得
・関係会社での環境活動を開始し、本社地区
・紫野工場を本社地区事業所に含む
環境報告
・第10回「日経地球環境技術賞」 受賞
2002
・島津儀器(蘇州)がISO14001を認証取得
・シマヅフィリピンがISO14001を認証取得
・リサイクル推進協議会より表彰
2001
・第5回日本環境経営大賞「環境経営優秀賞」 受賞
・島津ロジスティクスサービス
(株)の環境配慮型
・社内「環境負荷低減設計指針」を制定
1999
・島津サイエンス東日本(株)がISO14001を認証取得
・事業系一般廃棄物の分別徹底全社運動を開始
・三条工場がISO14001を認証取得
1998
・海外顧客へのRoHSセミナーを開始
・地球温暖化防止シンポジウムに参加
・国連大学プロジェクト
1996
・EU規制セミナー開催 営業・顧客支援を開始
・
「地球環境行動方針」策定
1,1,1-トリクロロエタンの使用を全廃
1995
・東京島津科学サービス(株)
(現・
(株)島津アクセス)が
2011
・
(株)島津テクノリサーチがISO14001を認証取得
・三条工場が「エネルギー管理優良工場表彰 近畿経済産業局長賞」 受賞
編集後記
2012年島津環境・社会報告書を最後までお読みいただきあり
本報告書を手にされた皆様は、当社の環境・社会活動の取り組
がとうございました。
みに対してどのように感じられましたでしょうか。今回とりまとめ
今年度の報告書においては、事業活動に携わる従業員の生の
てご報告した内容に限らず、当社の環境・社会活動全般のさら
声をお伝えすることを念頭に、昨夏の節電対応の担当者と、環
なるレベルアップのため、忌憚なきご意見をお寄せいただけれ
境保全に貢献する製品の開発担当者へのインタビューを行い、
ば幸いです。
記事を掲載しました。
フィリピンでの植樹
SHIMADZU ENVIRONMENTAL AND SOCIAL REPORT 2012
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環境・社会報告書、ホームページの内容など、
環境・社会活動についてのお問い合わせ先
株式会社島津製作所 地球環境管理室
〒604-8511 京都市中京区西ノ京桑原町1
T E L:
(075)823-1113
FAX:
(075)823-2062
E-mail:kksitu@group.shimadzu.co.jp
ホームページアドレス:http://www.shimadzu.co.jp
本環境・社会報告書の作成過程で発生するCO2は、京都エコポイントモデル事業で削減されたCO2でオフセットしています。
環境への配慮のため、責任ある森林からの原料を含む
「FSC®認証紙」を使用し、植物油を用いた印刷をしています。
0215-06202-45BNS
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