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プラスチック加飾技術

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プラスチック加飾技術
プラスチック加飾技術
MTO 技術研究所
桝井捷平
2730 部分修正
本資料は http://www.geocities.jp/smmasui/link3Kasyokudoukou.html
の Link 資料です。他の情報から入られた方は、元の WebSite もご覧ください。
1.まえがき
プラスチックを用いた商品に限らず、すべての商品で各社の商品に第一次品質(機能)
の差は少なくなり、かつ市場には豊富に商品がある時代になって、機能を求めるより、第
二次品質(感性)さらには第三次品質(ブランド等)を重視して商品を購買する傾向が強
くなっている。これらの傾向は商品購入の中心層である若者で特に顕著であると言われて
いる。
感性による選択の基準となる快適性には個人的な基準はあっても、社会的な基準はない
が、それぞれの時期にその時期の方向性があり、これをいかに把握するかが商品開発上の
ポイントであると言われている。
プラスチック成形品は通常の一次成形のままでは、安っぽく見える、冷たい感じがする
などの課題があり、プラスチックの特徴を生かしてなおかつ見栄えの向上を行いたい、消
費者の感性に即した商品をつくりたいとの要望が強くある。
さらに,積極的に機能を付与したいとのニーズもある。
消費者の感性に即して、成形品に何らかの形で付加される装飾は「加飾」と言われてい
る。どの範囲までを加飾に含めるかについては、人により若干見解が異なるが、ここでは
広い範囲での装飾を「加飾」と考える。プラスチックへの加飾の意義を図1に示す。
加飾技術(加飾成形)は射出成形を中心に広い範囲にまたがり、とくに数年前から注目
度が非常に高くなってきており、一つの技術体系としてとらえる必要があると考えられる。
本稿では加飾技術を分類して、その概要を説明し、加飾技術全般の最近の動向について、
10項目に整理して、実例をあげて解説する。最後に今後の展開について説明をする。
2.プラスチックの加飾技術の分類
加飾技術は、成形と同時に行われる「1 次加飾」と成形後に行われる「2次加飾」に大
別される。
「1次加飾」は成形材料(ペレット,液状原料)から成形品を成形する工程中で行われ
る加飾(「インモールド加飾」)と、シート状の中間品を再加熱して賦形するときに行われ
る加飾(「シートなどからの加飾」)に分類される。
プラスチックの加飾技術を1次加飾,2次加飾を基本に分類してまとめたものを表1に
示す。
2.1 インモールド加飾(In-Mold Decorating)
インモールド加飾成形の大部分は、射出成形または射出プレス成形で行われ、一部はそ
れ以外の成形で行われている。
1
前者は、加飾に用いる材料、手段等によって更に表1のⅠ-1のように分類される。
表皮材、フィルム(予備賦形あり、なし)などを金型にインサートして、成形時に芯材
のプラスチックと貼合わせ一体化する方法は総称して表皮材貼合一体成形 (In-Mold
Lamination)と言われる。欧州では Back Molding の表現が一般的である。
この中で、ファブリックやクション層付き表皮材(例えば,TPO/PP 発泡シート)などの
軟質系表皮材は熱、圧力に非常にセンシティブなため、通常の射出成形(高圧成形)では
ダメージが大きく成形が困難で、射出プレス成形(SPモールド)1)~10)または他の低
圧(適圧)成形法が使用される。射出プレス(SPモールド)では、通常予備加熱も予備
賦形もしない表皮材を用い、成形工程中で直接賦形する。(3.3.1参照)
フィルムや他の硬質系素材の貼合は通常、射出成形で行われるが、自動車外板などの大
型部品の成形には射出プレス成形や射出圧縮成形が必要になる可能が大きい。通常は予備
賦形した表皮材をインサートまたは型内で予備賦形して成形する11)。(3.1参照)
金型内で塗装をするインモールドコーティング(In-Mold Coating)は熱硬化性樹脂では
古くから行われていたが,近年熱可塑性樹脂でのインモールドコーティング技術が開発さ
(3.
れている12)。さらに反応を伴うインモールドリアクティング13)も開発されている。
5参照)
インモールド加飾には,特別な表面層を付加して加飾する方法の他に,
「高意匠性フィラ
ー原着材料を用いて成形して意匠性を向上させる方法」
(3.2.2参照)や「多色・異材
質・混色成形、サンドイッチ成形」のように「成形材料の組み合わせ」による加飾および
金型表面にシボなどの高度な加工を施し、これを「成形品表面に転写」させることで加飾
させる方法もある。
さらに,樹脂充填時に金型表面を昇温させ、金型面を高品位に転写させて、外観を向上
させ、塗装、メッキなどの後加工を省略する技術もある14)15)。(3.2.1参照)
この特別な表面層を付与しない加飾は、加飾によるコストアップをできるだけ抑える方
法として注目度が高くなってきている。
2.2 シートなどからの加飾
これは一度押出成形などでシートを作り、このシートを再加熱して成形するときに表皮
材を貼合させるものであり、表1のⅠ-3ように分類される。
成形方法としては,真空成形や圧空成形またはマッチドダイ成形が用いられる。
いずれも超低圧成形で,表皮材のもとの風合いを保持しやすいという特徴があるが、リブ
やボスなどの付与が困難等成形品の形状に制約がある。
(これを克服する技術も開発されて
いる。(3.3.8参照)
この分類の代表的な方法「抄紙法スタンパブルシートの膨張成形による加飾」16)は3.
3.4で紹介する。
2.3 二次加飾
二次加飾には加飾に使用する材料や手段別に,表1のⅡに示すように多くの方法があり、
塗装や印刷などが特に広く使用されている17)。
その他の方法も,それぞれの特徴を生かして、特定の分野に使用されている。
印刷や塗装などは、見栄えや感触の向上以外に、情報伝達や機能性向上としても利用さ
れている。
二次加飾は一般的には、工程数が増え、コストがかかる方法であり、印刷、転写、塗装、
2
軟質系表皮材の貼合せなどで前述のインモールド加飾技術が開発され、大量生産品を中心
にインモールド加飾の採用が進んだ。
しかし、二次加飾は一般的に少量多品種の生産に適しており、その観点から見直されて
いる。最近注目度が高くなっている布施真空のTOM工法は成形品に後からフィルムを貼
合、転写するオーバーレイ法で2次加飾法である。(3.1.2参照)
3.プラスチックの加飾技術の最近の動向
近年各種のプラスチック加飾技術が開発されている。現時点で筆者が把握している日本
の加飾技術の動向を表2に、また、海外での動向を表3に示す。
以下プラスチック加飾の各技術の最近の状況を表2の項目順に説明する。
3.1 フィルム貼合・転写加飾技術
印刷、塗装、真空蒸着、着色などで加飾したフィルム(またはシート)を用いて、フィ
ルムを成形品表面に貼合せる、あるいは印刷、塗装、真空蒸着などの加飾面を転写させる
「フィルム貼合・転写加飾技術」は現在最も活発な動きのある加飾技術である。
家電、OA機器、携帯電話などに使用されているプラスチックの筐体の表面加飾には、従
来、成形品に後から印刷、塗装、蒸着、メッキ等が行われてきた。しかし、製品形状が複
雑化し、機能性付与が求められ、さらに環境負荷の問題、コスト面などから、
「フィルム貼
合・転写加飾技術」が多く用いられるようになった。プラスチックのインモールド加飾技
術の中におけるフィルム貼合・転写加飾技術の位置付けは一般的には図2のように考えら
れる。品質も高いが、コストも高い方法で、1つ下の、
「高意匠性着色樹脂使用」と「表面
高品位転写成形」の組合せ技術がさらに進歩すると、この方法との競合もあることを考慮
しておく必要がある。
3.1.1 加飾フィルム
加飾フィルムならびにその成形技術は大日本印刷、日本写真印刷が先駆者で数十年前か
ら事業化していたが、表4,5に示すように、近年この分野への参入メーカーが著しく増
え、ベースフィルム、意匠表現の異なるものが多く供給されている。さらに新規参入を計
画しているところもあり、ますます競合が激しくなると思われる。コンバーティング技術
の取り込みと成形にまで踏み込んだ開発、提案が競争力のポイントになる。
意匠表現もスタート時から使用されているグラビア印刷による方法以外に、各種印刷、
塗装、着色、蒸着および薄肉多層構造が用いられ、さらにこれらの組合せによる意匠表現
が用いられている。
加飾フィルムの構成例を図3に示す。加飾フィルムは各種バリエーション、各種機能の
組込みが可能で、それぞれ表6,7に例を示した。
加飾フィルムに使用されている主要な基本フィルムの性能比較は表8のとおりであり、目
的、使用する方法によって使い分けがされている。
3.1.2 フィルム加飾に使用される成形方法
成形方法としては射出成形によるインモールド成形(FIM)が主であったが,成形品に
あとから貼合、転写させる新規真空・圧着法(オーバーレイ法、OLM)として布施真空
が TOM 工法(Three-dimension Over-lay Method) 18)を開発して、形状適応性がさらに
広がった。
3
インモールド成形はさらにフィルムを成形品に残すインモールドラミネーション(FL
M)と加飾面のみを成形品に転写するインモールド転写(FTMまたはIMT)に分類さ
れる。
代表的な方法として、NisshaIMD-TypeTR(日本写真印刷)19)とTOM
(布施真空)18)を図4,5に示す。また、図6にTOM工法の特長を示す。成形方法と
しては、他に水圧転写、ホットスタンプ、ラベル貼りがある。
また、射出成形によるインモールド成形、真空・圧着法(オーバーレイ法)ならびに水圧
転写を含めた3次元フィルム加飾工法の一般的な比較を表9に示す。
3.1.3 海外の状況
表10に示すように海外でも本分野の検討は活発である。全般的には日本の状況と同様
であるが、次の点で異なる。①自動車外装用の Dry Paint Film(Formable Film)の採用
が進んでいる。②GAI(ガスアシスト射出成形)やミューセル発泡成形など他技術との組
合せの発表が多く見られる。③他の加飾技術との組み合わせも見られる。
3.1.4 フィルム加飾の使用部品と市場規模
図7~9に国内、海外におけるフィルム加飾製品例を示す。また、表11にフィルム加
飾が用いられる主要用途、状況を示す。
表12 にインモールド加飾フィルムの世界需要を示す。転写成形(FTM),貼合成形
(FLM)をあわせて、2009 年で 720 億円超の需要があり、FTMが数量(面積)ベース
で、85%、金額ベースで71%となっている。用途別の数量(面積)ではノートパソコ
ン等が46%、携帯電話が35%、自動車・その他が19%になる。FTMでは日本写真
印刷が、図10 に示すようなターンキーシステム(加飾フィルム、金型、箔(フィルム)
送り装置、成形技術を一体としたビジネスモデル)を構築して、今でも世界市場の60%
以上を占めている。しかし、台湾メーカーの参入等で、日本写真印刷をはじめとする日本
メーカーはシェアを落としていると言われている。
これまでは携帯電話が市場を牽引してきたが、先進国では、端末が飽和状態になり、スマ
ートフオンの拡大で、加飾対象が少なくなり、かつ、新興国ではフィルム加飾を採用しな
いローエンド端末が多いことから、携帯電話用途のFTM加飾は、横ばいないし、減少が
予想されている。
一方ノートパソコンへのFTMの採用が拡大している。加飾面積が広いため使用量では
携帯電話端末を上回っている。
さらに、FLMは、製品外観や形状対応性、耐傷付性が良好、少量多品種に適しているこ
とから、過半数を占める自動車内装用途で安定した需要があり、携帯電話端末やノートパ
ソコンでも採用が増えている。
3.2 特別な表面層を付与しない低コスト加飾技術
加飾の多くは何らかの表面層を付与して加飾する。加飾に使用する表面層は一般的に価
格が高く,加飾を施すと大幅なコストアップになることが多い。
これを解決するために、特別な表面層を付与せずに、見栄えを向上させる低コスト加飾
技術が注目されている。
3.2.1 金型表面高品位転写成形
最近この分野で、樹脂の金型への充填時のみ金型表面温度を高くして、金型表面を高品
4
位で成形品に転写させ、成形品の表面品質を向上させる技術「金型表面高品位転写成形」
が進歩している。14)、15)この技術は海外においても活発に検討されており、バリオサー
ム温度コントロール(Variotherm Temperature Control)バイオサーム射出成形と言われ
ている。「金型表面高品位転写成形」は、別資料でで詳しく述べる。
3.2.2 意匠性フィラー原着品による意匠性向上
樹脂に練りこんで、メタリック調(アルミフレーク等)、パール調(天然雲母/TiO2)、
カラス状(ガラスフレーク Ag 被覆等)、光拡散調(屈折率の高い樹脂)、ピアノブラック調
(透明樹脂+特殊顔料)を実現できる意匠性フィラーがあり、これらを用いて、意匠性を
向上(加飾)する技術も発展し、採用されている。
使用例を図11に示す。
3.2.1と3.2.2との組合せで、さらに意匠性が向上する。上記以外にポーラス
電鋳金型によるよる高級シボ転写、混色成形、二材成形による深み、各種模様付け等があ
る。
3.3 ソフト表面加飾技術
自動車の内装、特に高級車の内装は、単に視覚による見栄えだけではなく、手に触れて、
また目で見て、心地よさ、優しさを与える触覚、視覚によるソフト感、加飾が求められる。
この場合は、ファブリックやクッション層付きの軟質表皮材を貼合する方法か、高級なソ
フト感を有する表面層と硬質プラスチックの二材成形が使用される。ドアトリムやルーフ
ライナーなど自動車の内装部品の加飾として欠かすことの出来ない技術である。
ソフト表面を有する部品を成形する加飾技術をまとめて表13に示す。
本項ではこれらの内、主としてファブリックやクッション層付きの軟質表皮材を貼合す
る方法について紹介する。
2-1でも述べたように、ファブリックやクッション層付き表皮材(例えば、TPO/
PP発泡層)は圧力、熱にセンシティブなため、インモールド成形を行う場合、高圧成形
法である通常の射出成形では、ファブリックの風合い・感触の保持や、クッション層の厚
さ保持などが困難であり、低圧の成形方法が必要である。
手貼りなどの後貼合は、この点では優れているが、一般的には、複雑な形状に対応でき
ず、多段工数を要するため、これらを改良する方法が各種検討され、現在表13のような
インモールド成形、シートからの成形法が多く使用されている。
シートからの成形法はもともとからあった低圧成形方法であり、この利点を生かして使
用されている。しかしながら、これらの方法では、成形品へのリブの付与などが困難で、
形状にも制約がある。
(3.3.8に示すようにリブなどを付与する技術も開発されている)
このような諸課題を解決する方法として開発されたのが、
「射出プレス成形(SPモール
ド)」と「押出プレス成形」である。これらの方法が開発されて、ドアトリムなど自動車の
加飾内装部品の成形方法が大きく変化した。
「押出プレス成形」と「射出プレス成形(SPモールド)」の比較では、形状の自由度、
貼合形態(部分貼合成形など)の自由度などで、「射出プレス成形(SPモールド)」がす
ぐれており、より多く使用されている。
3.3.1 射出プレス成形(SPモールド、SPM)による加飾1)~10)
5
射出プレス成形は 1982 年に住友化学が「SPモールド(SPM)」として開発した工法
で、当初から積極的に低圧成形を指向して開発された方法であり、現在の低圧成形、インモ
ールド加飾成形の発展の先鞭をつけた成形方法である。
SPモールド(SPM)は応用範囲が広いが、その代表的なものとして、表皮材貼合一
体成形がある。SPモールド(SPM)表皮材貼合一体成形法は、図12に1例を示す
ように「表皮材を雄・雌金型間に供給し、両金型を適度のクリアランスまで接近させて溶
融樹脂を供給し、型閉めして表皮材と芯材樹脂を一体成形する方法」で、表皮材は、通常別工
程での予備賦形や予熱なしで使用するが、必要に応じて併用してもよい。
成形装置の型締方向は、竪・横いずれでも良いが、竪方向の方が優れており、多く用い
られている。
表皮材貼合一体成形における最大の技術ポイントは表皮材のもともと持っている風合、
感触の低下をいかにおさえるかである。表皮材の風合に対して、表皮材の品質、表皮材に対
する圧力、温度等の条件、表皮材の伸長率が大きな影響を及ぼし、これらをコントロールし
て成形することが重要である。接着性については、熱融着またはアンカリング効果で材質破
壊する程度の接着性が得られるが、風合の保持性を上げる方向は接着性を低下させる方向
となり、両者のバランスが必要である。また、低温の表皮材と高温の樹脂を貼合一体化する
ので樹脂の冷却過程での変形の問題が内蔵しており、変形に対する対策も重要である。
さらに、設定金型キャビティクリアランスおよび成形品厚さは薄いフィルム成形では単
純であるが、厚くて外圧で厚さが大きく変化する軟質表皮材では複雑であり、バックデー
ターと経験が必要である。(これらの詳細は省略する)
本射出プレス成形(SPモールド、SPM)ならびに派生技術による加飾は、広く国内
外で利用されており、ある意味では成熟状態にある技術であるが、最近においても国内外
で下記のような検討がなされている。
①毛足の長いファブリック貼合成形等での外観改良技術開発
②部分表皮貼合、多種表皮貼合、多材質/部分貼合等の開発
③芯材発泡表皮貼合の開発
④より低圧化システムの開発
⑤ガス注入、膨張表皮貼合の開発
(②、④のみ3.3.5で簡単に紹介し、他は省略する)
3.3.1.1 射出プレス(SPモールド、SPM)による加飾の採用状況
SPM表皮材貼合一体成形品はドアトリム・インパネ・シートバック・ピラー・ラゲッ
ジサイドトリム等自動車内装部品として、国内のみならず欧州・北米・アジア・豪州で広
く採用されている。製品例を図13に示す。採用の初期には、表皮材を製品全面に貼合す
る全面貼合が主であったが、最近は表皮材を製品の一部に貼合する部分貼合(写真右上)、
2種以上の表皮材を貼合する多種貼合(写真右上から3番目)、さらに表皮材を貼合しない
非貼合の成形品も増えている。
3.3.1.2 SPモールドの装置、金型
代表的な射出プレス(SPモールド)用装置は、横供給の材料供給部と竪型締部ならびに
周辺装置で構成されているが、各種タイプ、仕様への対応が可能である。
6
横型締めの装置(射出プレス、射出圧縮)も限られた範囲では利用できるが、竪型締めの
装置の方が適用範囲が広く、総合的にすぐれている。小物部品では横型締装置での貼合成形
品が増えてきている。
SPモールド用金型は、SPモールドにマッチした専用金型となっており、射出成形金型
等とは異なり、シャー構造の型(インロー金型)になっている。
3.3.2 各種低圧・適圧射出成形
射出プレス成形が低圧成形および軟質系表皮材貼合一体成形分野での先鞭をつけて以来、
射出成形で軟質系表皮材貼合一体成形を行う試みが活発化し、その後各社が各種名称で方
法を発表している。
射出成形装置、技術の進歩で、射出成形の低圧化(適圧化)が進み、低圧(適圧)射出
成形または射出圧縮成形で小物部品の成形ができることが、数社から発表された。
(多くは
予備賦形表皮材を使用)21)、22)。 しかし、実際には、軟質系表皮材を予備賦形なしで成
形するには、一部を除いて、射出プレス(SPモールド)の技術を利用することが必須であ
ることが確認され、ほとんど全てのケースで射出プレスの技術が使用されている。
ここに分類される最も代表的な方法として、宇部興産機械のダイプレスト22)があるが、
軟質表皮材の貼合成形では射出プレス成形を使用している。
これら軟質系の表皮材貼合一体成形は、その用途のほとんど全てが自動車内装部品であ
ったが、近年、ソルプラスが表面層(レザー、スエードなど)/中間層/ボトム層をラミ
ネートし、この表皮材を予備賦形し、予備賦形品を金型にインサートして成形するオーバ
ーモールディングシステムを開発し、ノートパソコンや携帯電話などへの利用を進めてい
る23)。
3.3.3 押出プレス成形(ホットフロー成形)24)
射出プレス成形(SPモールド)にやや先立って、押出プレス成形による表皮材貼合一
体成形が開発されていた。樹脂の供給を押出成形でプログラミングして供給することが特
徴で、ある程度製品形状に合せた樹脂供給ができ、一般的に射出プレス供給より樹脂の流
動距離を減少させることができる。しかしながら、押出装置の出し入れに時間を要し、射
出プレス成形のようなバリエーションが乏しい(部分貼合成形などが実質不可)などから、
採用はそれほど広がらなかった。
3.3.4 ケープラシート(KPS)膨張成形14)
抄紙法スタンパブルシートであるケープラシートは加熱すると、ガラス繊維のスプリン
グバックで厚さ方向に数倍から10倍位膨張する。この特性を生かして、ケープラシート
を加熱し、表皮材と共にマッチドダイ成形すると、芯材(KPS)の目付けが 400-1000
gr/m2 程度の軽量で曲げ特性の優れた製品が得られ、自動車のルーフライナー、パッケー
ジトレーなどに広く採用されている。方法の概念図を図14に示す。
補強リブなどの付与に別手段が必要、廃棄時のガラス繊維の処理問題などの課題がある。
3.3.5 真空・圧空圧着成形(オーバーレイ成形)
真空・圧空成形の型の代わりに加飾対象の基材を置き、その上に加熱した表皮材を真空
and/or 圧空で貼合するオーバーレイ成形も古くから利用されている。
7
3-1-2で述べたように、近年、布施真空が、新しい技術を開発し、3次元形状の製品
への適用性を広げている(TOM工法)。18) 現在、表皮材は加飾フィルムが中心である
が、非通気性処理をした軟質系表皮材にも利用が可能だと思われる。
3.3.6 パウダースラッシュ成形25)
浮遊させた塩ビ樹脂(PVC)、サーモプラスチックオレフィン(TPO)、ポリウレタン
(PU)などの粉末を加熱金型表面に付着させて、焼結・融合して均質な皮膜(表皮材)
を作り、この表皮材と芯材をセットして、その間にPUを注入発泡させることで、インパ
ネなどの成形品を作る技術。高級感のある表面が得られる。最近、CTS Compounds が植物
由来のPVCスラッシュコンパウンドを用いてパウダースラッシュ成形した成形品を開発
している。26)
3.3.7 二層成形
サーモプラスチックエラストマーと硬質プラスチックの二層成形でソフト表面を有する
部品が得られ、自動車部品やその他の部品として使用されている。
本件についてはトピックスの中で若干説明をする。
3.3.8 ソフト表面を持つ成形品の最近のトピックス
ソフト表面を持つ成形品の最近のトピックスを表14に示し、代表例を図15~図19
に示す。
射出プレス成形(または射出成形)および派生技術においては、図15,16、17に
示すように超低圧化、ならびに2種表皮部分貼合、2樹脂部分貼合の開発が進んでおり、
ソフト/ハード樹脂組合せの2層成形においては、図18のように大型成形品の開発が進
んでいる。この例では、さらに表面にTPE表皮材を貼合する技術も組み合わされている。
日本でも、三菱重工が、電動二材回転射出成形機を開発し、自動車のパノラマルーフなど
の開発を進めている。27) さらに図19のように発泡シートを両面真空引き金型で真空成
形すると同時に小さな射出機でリブ・ボス・クリップ座などを成形するハイブリッド方法
が開発されている。28)これはシートからの成形方法の共通の課題であるリブ等の付与を
可能にした方法である。
3.4 バイオマス材料使用による加飾
環境対応として、バイオマス材料は、試験的な使用から本格的な使用へと進んでおり29)、
加飾においても、自動車内装部品などで「バイオマス材料(バイオマス樹脂/バイオマス
ファブリックなど)使用よる加飾」が実用化されており、今後はフィルム、着色材、イン
キ、塗料なども含めて確実に採用が進んでいくと考えられ、将来バイオマスファブリック
(またはフィルム)とバイオマス基材からなる植物度100%の内装部品(ドアトリム等)
が量産されることが期待される。図20に採用例を示す。
3.5 その他の環境対応技術
レーザー加飾30)、UV 硬化インクジェット印刷31)、インモールドコーティング12)、イ
ンモールドリアクティング13)水溶性塗料使用した塗装32)など環境に配慮した技術が開
発され使用されている。
レーザー加飾(レーザーマーキング)は国内外で広く利用されており、今後も利用の拡
大が予想される。インモールドコティングとレーザー加飾の例を図21,22に示す。
3.6 薄肉多層膜による構造色加飾技術
「薄肉多層膜による構造色加飾」は着色材などを使用せず意匠表現ができる加飾として
8
注目されている。
モルフォ蝶の構造色を再現した「ゆらぎ華飾技術」33)や「REVI」34)および「薄肉多
層の真空蒸着膜を使用した加飾技術」35)および図3に示したナノ多層フィルム、さらに
は構造色コート剤の利用36)、自己配列により発色して異なる層構造を形成する発色性高
分子37)などが開発されている。
3.7 2次加飾
「2 次加飾」においても、3 次元曲面印刷(秀峰)38)や3次元ホットスタンプ(村田金
箔)39)や 3 次元昇華転写(英 IDT 社、サンリュウ)40)などが開発されている。
3.8 他の機能を付与した加飾技術
表7に示したように、特殊素材、処方のフィルムを用いて、見栄えと同時に傷つき防止
性の向上、電磁波シールド、反射防止、静電気防止などを付与する技術も開発されている。
3.9 金属調(メタリック)加飾技術
「メタリック加飾」としてはメッキが代表的な技術であるが、環境負荷が大きく、表
15に示すように、これに変わる技術が多く開発され、実用化されている。
3.10 艶消し加飾技術
商品によって、主として光沢を求めるものと艶消しを求めるものがあり、表16に示す
ように艶消しをする技術も沢山ある。
4.プラスチックの加飾技術の動向のまとめと将来展望
下記の通り整理できる。
1)自動車,家電製品,日用品などにおいて、今や若い世代を中心に、製品表面の見栄え
は購入を判断する重要な要素になっており、加飾は今後もますます盛んになると考え
られる。ただ、加飾はコストアップになり、
「見栄え」は世代、性別、個性で非常に多
様化している。従って、コストパーフォーマンス、きめ細かなニーズ把握が必要で、
機能付与もされる加飾技術がより注目されると考えられる。
2)「インモールド加飾技術」は加飾の合理化、適用範囲の拡大のニーズに対応して開発
されたが、より装飾性の高い技術への改良と一方でコストダウン技術の開発が必要。
3)「フィルム貼合・転写加飾」は現時点では最も活発な動きがある加飾技術であるが、
やはりコストがかかる加飾技術であり、何時までも主流であり続けるか否かは不明。
4)「特別な表面層なし加飾」は「低コスト加飾技術」として、金型加工、射出成形の技
術の進歩等で、さらに拡大していくと思われる。軽自動車にとどまらず、かなり上の
クラスの乗用車にも、「特別な表面層なし加飾」の適用が拡大している。
5)多品種少量生産にも対応できる加飾技術が重視される。一部の後加工の復活と新規展
開があり、フィルム貼合・転写加飾ではTOM工法が拡大すると予想される。
6)環境に優しい素材(バイオマス樹脂、顔料、塗料など)の利用による加飾が拡大して
いくと考えられる。また、環境に好まし状態で行える加飾(インモールドコーテイン
グ、レーザー加飾、UV硬化インクジェット印刷など)が普及していくと思われる。
7)機能性フィラー着色/高品位転写成形、IML/IMC、二色成形/IMC、IML/メタライ
ジング等加飾技術の組合せでより高付加価値化された加飾も展開が進んでいくと思わ
れる。
5.おわりに
9
加飾技術は多岐にわたり、ページ数の関係で、多くの項目について、説明を簡略化した
り、省略したため、不十分な解説になった。加飾技術の各項目については、加飾の専門書
籍 41)、42)で詳しく解説されているので、参照いただきたい。
6.参考文献
1)桝井捷平ら,住友化学誌,1988-Ⅱ,P58
2) http://www.geocities.jp/masuisk/link2.html
3)桝井捷平ら:成形加工,3,(6),402(1991) (第一回青木固賞受賞)
4)桝井捷平:プラスチック成形加工辞典 P277,産業調査会(1997)
5)桝井捷平:プラスチック成形加工複合化技術, P97,シーエムシー社(1997)
6)桝井捷平:これからの自動車材料・技術,P213,大成社(1998)
7)桝井捷平:プラスチック工業技術研究会,99/08 例会、02/03 例会(他数回)
8)桝井捷平:プラスチック成形技術 16,12, 9 (1999)
9)桝井捷平:射出成形辞典 P545,産業調査会(2002)
10)桝井捷平:プラスチックへの加飾技術全集 P192,技術情報協会(2008)
11) 阿竹浩之:工業塗料,No184,P58
12)http://www.dnt.co.jp/japanese/10-imc.htm
13)Kunststoffe International P31,(2010/01)
14)今枝智:プラスチックス,58,(3),33(2007)
15) http://www.onosg.co.jp/rhcm/technology.html
16)荒木豊ら:自動車技術,61,(10),57 (2007)
17)村田重男:プラスチックスエージ,53 ,(7),98,(2007)
18)http://www.fvf.co.jp/
19)藤井憲太郎:コンバーテック, 2008,6
20)百瀬雅之:プラスチック加飾技術の最新動向 P218,技術情報協会(2008)
21)柴田康雅:射出成形辞典 P550,産業調査会(2002)
22)岡原悦男:成形加工,11,(5),401(1999)
23)http://www.arrk.co.jp/network/pdf_jpn/J_sol-plus.pdf
24)萱沼淳一:プラスチック,58,(10),25(2007)
25)五十嵐俊郎ら:汎用樹脂の高機能化とコストダウン,P157,シーエムシー社(1994)
26)CTS Compounds:Kunststoffe International,P81 (8/2010)
27)久保田浩司:プラスチックスエージ,56,(9),108(2010)
28)南部仁成ら:プラスチックスエージ,55,(1),108(2009)
29)http://www.techon.nikkeibp.co.jp/article/News/20091012/17673/
30)http://panasonic-denko.co.jp/corp/tech/report/76j/76_07.pdf
31) http://www.mimaki.co.jp/japanese/topics/uv/
32) http://www.fujitsu-ten.co.jp/gihou/jp_pdf/47/47-5.pdf
33) http://www.sankougosei.co.jp/jtechnology.html
34) http://www.lintec.co.jp/news/2009/091102_a/index.html
35) http://www.tsudaindustrial.co.jp/technology/deposition%20technology.html
36)林昌樹ら:JETI,59,(6),107,(2011)
10
37)European PlasticNews 2011/6 P12
38) http://www.shu-hou.co.jp/index-J.htm
39) https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/downloadList?secure=true
40) http://www.sanryu.com/print/3d_system.htm
41) プラスチックへの加飾技術全集,技術情報協会 (2008/07/31 発行)
42) プラスチック加飾技術の最新動向,シーエムシー出版(2010/06/10 発行)
11
表1 一次加飾、二次加飾を基本にしたプラスチック加飾技術の分類
Ⅰ.一次
加飾
Ⅱ.二次
加飾
大分類
1.射出系
インモールド成形
2.射出成形以外
のインモールド成形
3.シート、マットから
の成形
1.軟質系表皮後貼合
2.加飾フィルム
後貼合・転写
3.塗装
4.印刷、転写
5.メッキ
6.植毛
7.レーザーマーキング
8.真空成膜
9.ケミカルコーテイング
10.成形品の染色
中分類
(1)軟質系表皮材等のインサート成形
(2)加飾フィルム転写・貼合成形
(3)その他材料のインサート成形
(4)インモールドコーティング、リアクション
(5)成形材料の工夫または組合せ
(6)金型特殊加工
(7)特殊 射出成形技術
(1)インサート各種成形
(2)インラインシートスタンピング
(1)表皮材とシートから積層成形
(2)表皮材積層シートからの成形
(印刷/蒸着/着色、塗装、多層構造
で意匠したフィルム使用)
(直接塗装)
(直接印刷)
(直接真空状膜)
方法など
射出プレス成形(SPモールド)、低圧成形
(射出成形、射出プレス成形)
(射出成形、射出プレス成形)
インモールド塗装、金型表面コート材転写成形
または表面で化学反応
意匠性フィラー等で着色・混練、多色・異材質・混色成形
シボ加工、ダイヤカット、レリーフ加工
金型表面高品位転写成形
押出プレス(ホットフロー)、RIM、ブロー成形など
インラインでシート押出、スタンピング成形
表皮材貼合真空・圧空成形、膨張成形
表皮材積層シートのマッチドダイ成形
オーバーレイ成形、スラッシュ成形、プレス貼り(木目込み)
新オーバーレイ成形(TOM)、ホットスタンプ、水圧転写
一般塗料、水性塗料、粉体塗料、アルミペーストなど
による塗装
シルクスクリーン印刷、パッド(タンポ)印刷、凸版(オフセット)印刷
グラビア(凹版)印刷、UV硬化インクジェット印刷、ホログラム
レーザーによる変色、塗膜部分剥離など
真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
超微粒子分散膜、ゾル・ゲル膜等形成
12
表2 プラスチックへの加飾トピックス(国内)
分類
1.フィルム貼合・
転写加飾
2.特別な表面層
なし加飾技術
3.ソフト表面加飾
4.インモールド
コート
5.構造色利用
加飾技術
6.二次加飾
7.バイオマス材料
利用加飾
8.金属調加飾
9.艶消し加飾
10.組合せ加飾
技術など
①基本フィルム、加飾フィルムの充実
②意匠表現の多様化
③インモールド成形の技術進歩
④TOM工法の大きな展開
①金型シボ、鏡面加工の向上
②金型表面高品位転写成形の適用
③意匠性フィラー原着材からの成形
①軟質表皮材貼合技術の深化
②大型ソフト/ハード2層成形開発
③各種ソフトフィール技術が開発
①インモールド塗装
②インモールドリアクティング
①超多層フィルムの開発
②微細多層蒸着の進歩
③構造色コート剤、光輝性偏光フィラー
①三次元曲面直接印刷
②三次元曲面ホットスタンプ
③三次元昇華転写
④自己治癒塗装
⑤レーザー加飾
①バイオマス材料の改良、開発
②バイオマス表皮/基材の組合せ
③着色材、インキ、塗料も開発
①超多層構造、蒸着、塗装等で
意匠したメタリックフィルム利用
②インモールドメタリック塗装
③銀鏡塗装
④メタリックフィラー原着材からの成形
①成形材料の改質
②金型シボと成形条件
③サンドブラスト、塗装等の後加工
①機能性フィラー着色/高品位転写
②IML/高品位転写
③2色成形/IMC
④IMC/メタリジング
概要
加飾フィルム、成形方法の進歩で
適用範囲が拡大。
TOM工法で形状の対応性、少量・
多品種生産対応性も向上。
②を中心に低コスト加飾実現。
①、②、③の組合せで、レベルアップ。
自動車内装等で利用拡大。
軟質表皮材貼合は成熟状態へ。
ソフトフィール加飾が注目され、各種技
術が開発されて、実用化。
インモールド塗装、リアクティングが
実用化。
構造色によるモルフォ蝶構造色実現、
金属調加飾、見る角度で色の変化など
を実現。
二次加飾での三次元曲面加飾が進歩
し、少量・多品種対応として注目度向
上。
レーザー加飾等が環境にやさしい技術
として、注目され、利用拡大。
・基材、表皮材ともバイオマス材料の
使用拡大。植物度も向上へ。
・関連資材の利用も進んでいる。
1~6に分類される各種技術で、メッキ
に替わる金属調加飾の採用が拡大。
用途によって艶消しが好まれ、各種
技術で対応。
各加飾技術の組合せでさらなる
高機能化。
13
表3 プラスチックへの加飾トピックス(海外)
分類
技術など
1.フィルム貼合・転写 ①各種フィルムの開発
加飾の拡大
②ミューセル、GAI等との組合せ
概要
・各種機能、自動車外板用フィルム開
発、他技術との組合せ活発
・TOM工法の認知度向上
2.特別な表面層なし ①金型表面高品位転写射出成形
・低コスト加飾として注目度向上。
加飾技術の展開
(サイクル加熱と電磁波誘導加熱中心) ・金型表面高品位転写の採用拡大
②機能性フィラー混錬材着
・エコカラー着色も進んでいる
3.ソフト表面加飾
①射出プレス軟質表皮材貼合技術
現時点では日本より活発に検討。
の深化
特に、二層成形の自動車大型内装
②ソフト/ハード2層成形の適用拡大 部品への適用活発。
4.その他
①レーザー照射加飾
表皮、芯材に使用。
②バイオマス材料の利用
回路形成、書き込み。
③金型内コーテイング、反応
表面化学反応で層形成。
④2つ以上の加飾技術の組合せ
フィルム貼合と型内コート、二色成形と
型内コート等
表4 日本の代表的な加飾用基本フィルム
フィルム材質
易成形PET
MMA
PC
主要供給会社
東レ、東洋紡
帝人デュポンフィルム
住友化学、クラレ
三菱レーヨン
バイエルマテリアル
サビックイノベーション
アキレス
欧米各社
利用される
成形方法
(FIM、OLM)
(FIM、OLM)
利用される
意匠表現
薄肉多層構造色
(印刷、塗装、着色)
(印刷、塗装、着色)
(FIM、OLM)
(印刷、塗装、着色)
PU
(RIM)
(着色等)
特殊樹脂
(FIM、OLM)
(着色等)
(自動車外装仕様)
ポバール
印刷
日本合成化学、アイセロ 水圧転写
注1) FIM:インモールド貼合・転写成形、OLM:オーバーレイ成形
14
表5 日本の代表的な加飾フィルム
意匠表現
印刷を中心に蒸着、
着色等の組合せ
着色中心
塗装
主要メーカー
(フィルム供給他)
大日本印刷、日本写真印刷
凸版印刷、帝国インキ製造
千代田グラビア、クルツジャパン
東レフィルム加工、東山フィルム
麗光、住友3M、信越ポリマー リケンテクノス、DIC 等
Avery、Soliant、Sabic
Mayco、BASF、Bayer 等
日本ビーケミカル
蒸着中心に印刷も併用 新神戸電機、尾池工業
塗装+レーザー剥離 日本ウエーブロック
薄肉多層構造色
東レ、リンテック
帝人デュポンフィルム
利用される
フィルム材質
MMA、PC、PET
特殊高耐候性材料
利用される
成形方法
(FIM、OLM)
特殊材料多層構造
(自動車外装仕様)
MMA、PU、PC
(FIM、OLM)
(FIM、OLM)
MMA (PET)
MMA
易成形性PET
(FIM、OLM)
(FIM、OLM)
(FIM、OLM)
シボ加工技術利用
龍田化学
TPO、ABS、PVC
注1) FIM:インモールド貼合・転写成形、OLM:オーバーレイ成形
表6
分類
基材シート
による
バリエーション
転写層材料
バリエーション
工法による
バリエーション
(FIM、OLM)
転写箔のバリエーション
加工、材料
艶消し
部分艶消し
ヘアライン
スピン
エンボス
アルミペースト
パール顔料
シリカなど
プロテイン
金属蒸着
ホログラム
意匠効果
すりガラス状
艶、艶消しを併せ持つ
ヘアライン
同心円状
木目等
メタリック感
キラキラ感
艶消し感
シルクタッチ
メタリック感、ヘアライン
レインボー
15
表7
分類
機能
一般機能 ハードコート
帯電防止
抗菌性
ハーフミラー
電波・
電波透過性+ミラー
電磁波
機能
電磁波遮蔽
光機能
紫外線フィルター
赤外線フィルター
熱線反射
光学特性
光拡散
表8
加飾フィルムへの機能性付与
性能
耐擦傷性
埃付着防止
カビ防止、菌繁殖防止
選択的透視性
ミラー意匠を有し、電波透過
用途例
携帯電話窓部、オ-ディオ製品パネル
店頭陳列製品など
トイレタリ用品、浴室用品
携帯電話窓部、オ-ディオ製品パネル
アンテナ内蔵携帯電話、パソコン、
自動車エンブレム(追突防止機器)
EMIシールド
パラボラアンテナ、EMIシールド
太陽光による退色、劣化防止 有機EL使用機器の装飾パネル
化粧品容器
紫外線波長選択
カメラストロボ発光部(発行色の波長調整)
赤外線波長選択
パソコンの赤外受光部
赤外線反射
カメラストロボ発光部
高光線透過率
携帯電話窓部、オ-ディオ製品パネル
光拡散
オ-ディオ製品パネル
インモールドフィルムの特性比較
項目
通常PET 易成形PET
PC
190℃強度(MPa)
70
30-45
0.1
190℃伸度
120
250-300
280
融点(℃)
260
220-250 220-240
ガラス転位温度(℃)
70
59-65
105-150
耐薬品性
◎
◎
○ー△
耐候(光)性
○
○
△
透明性
○
○
○
自己消火性
HB
HB
燃焼性
使用量
IML用
ー
△
△
IMD用
ー
◎
ー
引張り
特性
熱特性
PMMA
1
400
72-105
○ー×
◎
◎
HB
◎
ー
16
表9
比較項目
3次元フィルム加飾の一般的比較
射出インモールド成形
ラミネート
転写
予 備賦 形品 イ ン サ ート
加飾
フィルム
形態
形状対応
水圧転写
サ ーモジェクトなど
連続
連続
フィルム
フィルム
一般的には必要
粘着・接着層
フルムに組込み
ハードコート他機能
射出同時成形(プラスチック)
ロット
少量・多品種
大量生産
大量生産
部分加飾
○
×
×
2種フィルム貼合
○
×
×
高圧
成形圧力
軟質系表皮適用
△
△~×
ー
シャープ形状
○
○ー△
○ー△
深絞り
○
△ー×
△ー×
△
逆テーパー、巻き込み
△
凹凸表面
△
穴あき部品など
(トリミング必要)
○
凹形状面
△
大型製品・多数個取
基材
成形
真空・圧空貼合( TOM)
ラミネート
転写
枚葉
予備成形品
枚葉
フィルム
必要
フルムに組込み
各種成形品
少量・多品種
×
×
×
×
低圧
△(要通気止め)
ー
○
○
○
◎
△
△
○
(トリミング必要)
○
○
バッチ
水溶性フィルム
活性剤必要
後処理必要
各種成形品
少量・多品種
△
×
極めて低圧
ー
○
○
○
△
○
△
△
表10 海外の代表的な加飾フィルム
会社名
Bayer
フィルム構成、採用例等
・Macrofol、Bayfol(PC、PC/PBTフィルム)、クロム表面フィルム、銀系抗菌剤コーティング
PCフィルム、Metalicフィルムが自動車の内外装に
Avery
・Aveloy(acryticとPVDFのClear Coat/同Color Coat/20-30milのABS or TPO)が
Body-Side、Rea Tail Gate等に、Thermark Acrylic FilmがInstrument Panel等に採用
Soliant LLC
・Fluorex IMD Film(AcryticとFluoropolymerのClear Coat/同Color Coat/Adhesive Layer
/0.3-300milのABS or TPO)がRocker Panel、Body Side等に採用
Mayco Plastic
・4層のMIC Formable FilmがFront & Rear Faciaに採用
Senoplast USA
・Senotop(PMMA Clear/PMMA Color/ABS,PC Blend 1-2mm)がBumper等に採用
GE Plastic
・Lexan SLX/Lexan Color Film、Crome-look IMD Film、Ultem PEI Film開発
・Roof Moduleに採用、Front Fascia、Fender、Door Panel、Hoodなどにも検討
BASF/Kraus Maffei
・ASAフィルム/PCでバックドアハッチ、ASA/PBT-PCでサンルーフをベンツAクラスに
採用、ASA/GFABSでトランクリッドを開発
Johnson Control
PPフィルムにMuCellで発泡樹脂をバックインジェクション。BenzのE-classのDoor Trimに採用
Evinik Degussa
メタリック調Vestamid Film(PA612/PA62層フィルム)をPA6、66に貼合
Schraeiner ProTec
CLF(保護層/レーザー感応層/ベースカラー層/特殊接着層)を貼合し、レーザー書込み
Schster Kunststoffe Tecnik
3次元立体感付与, 複雑形状面適用可能な磁化可能インクを用いたMMA,PCフォイル開発
3M
本木に非常に近い品質で、価格は従来のIMLや水圧転写並みの3M Interior Film開発
17
表11
分野
加飾フィルムの主要用途、状況
主要用途
情報通信 携帯電話筐体
関係
ノートパソコン筐体
オーディオ製品パネル
家電関係 家電機器の操作パネル
薄型テレビ筐体
エアコン筐体
各種機器 各種機器のタッチパネル
デジカメ
自動車
自動車内装トリム
関係
備考
(主として日本の状況)
ローエンドモデルでもFTM加飾拡大。
東レのPICASUSがFLMとして採用。
40%弱がFTM、FLM(2008)。少量多品
種とネットブック拡大でFLMの比率上昇
大面積パーツでFLM採用拡大。
2009年に200万m2の需要
日、韓では水圧転写普及しているが
頭打ち。北米はFLM中心。
TOM工法の認知度上昇。
自動車内装メーターパネル
自動車外装
欧米で先行使用
自動車情報端末
化粧品
化粧容器
家庭用品 トイレタリー用品
注1)調査会社等の資料から
18
表12
フィルムインサート成形用フィルムの需要
(A)フィルムインサート成形(FIM)用フィルムの需要
年別需要
分類
項目
単位
2008
2009
転写成形 数量
万平方m
4973
4550
(FTM)
金額
億円
620
513
2
平均単価 円/m
1247
1120
貼合成形 数量
万平方m
850
863
(FLM)
金額
億円
215
211
平均単価 円/m2
2529
2445
全体
金額
億円
835
724
2010
4750
527
1109
978
230
2352
757
2014
5630
551
1022
1650
307
1860
858
2014/2009
%
123.7
107.4
191.2
145.5
118.5
(B)FIM用フィルムの用途別構成比(2009年 FTM、FLM内の構成比)
分類
単位
ノートPC 携帯電話 自動車
その他
合計
11.0
FTM
%
52.7
36.3
100
FLM
%
10.1
29.0
55.2
5.7
100
(C)FIM用フィルムの用途別構成比(2009年 全体の構成比)
分類
単位
ノートPC 携帯電話 自動車
その他
合計
9.2
面積ベース FTM
%
44.3
30.5
84.0
FLM
%
1.6
4.6
8.8
0.9
16.0
19.0
FTM+FLM
%
45.9
35.1
100
25.6
金額ベース FTM+FLM
%
40.2
34.2
100
富士経済の資料をもとに編集
表13
ソフト表面加飾の分類
大分類
小分類
1.射出系
1)射出プレス貼合成形
インモールド 低圧射出貼合成形
成形
2)予備賦形品射出貼合成形
3)2層射出成形
2.射出成形
1)押出プレス(ホットフロー)
以外の
2)S-RIM、R-RIM
インモールド 3)ブロー成形
成形
4)(インライン)シートスタンピング
3.シート、マット 1)表皮材貼合熱成形
からの成形 3)KPS膨張成形
4)ハイブリッド成形
4.後貼合
1)真空圧着(オーバーレイ成形)
2)粉末スラッシュ成形
3)手貼りまたはプレス貼リ
概要
適度に開いた型に樹脂を供給、型締めして表皮材貼合一体成形
通常は、予備賦形、余熱なしの表皮材を使用
予備賦形した保護層付表皮を用いて、射出成形
硬質/軟質の材料の2層射出成形
外部装置で樹脂を押出供給後、型締めして表皮材貼合一体成形
ウレタンを注入発泡して、表皮材貼合一体成形
パリソンを押出し、ブロー成形で表皮材貼合一体成形
シート押出成形し、カットした保温シートと表皮をインラインで貼合。
表皮材と加熱シートを真空成形、圧空成形、マッチドダイ成形で貼合
表皮材と加熱した抄紙法スタンパブルシートをマッチドダイ成形で貼合
表皮材と発泡シートを両面真空成形、小型射出機でリブ・ボス付与
接着層を有する表皮材を成形品上に真空・圧空で圧着
スラッシュ成形した表皮と芯材の間にポリウレタンを注入発泡
接着剤を用いて、成形品に表皮材を手加工またはプレスで貼合
19
表14 ソフト表面を持つ自動車部品の成形トピックス
方法
システム名
TOM
会社名
布施真空
ソフト表皮
/発泡シートVF
ソフト表皮
超低圧成形
/射出プレス
or 射出成形 2表皮1樹脂部分貼合
1表皮2樹脂部分貼合
表皮貼合発泡成形
ノートパソコン、携帯電話筐体
への適用検討
各種展開
ハイブリッド成形
住友化学
SPモールド(SPM)
S2社
SPモールド(SPM)
住友化学
オーバーレイ成形
2材質射出成形
表15
2種表皮/2シリンダー射出
/4面金型
ソフト/ハード
2層成形
各種組合せ成形
SPモールド(SPM) 住友化学、S2社
EXOオーバーモール ソルプラス
ディング システム
Decoform
Kraus Maffei
Tecomelt
Engel
Duo Lamination Pegform/
Georg Kaufmann
QTI Husky
Dolphin
Engel
電動二材回転
三菱重工
射出成形機
備考
射出成形品などに真空・
圧空で表皮材を貼合。
発泡シートの真空成形と
リブ・ボス付与
2MPaでドアトリムの成形が
可能な事を確認
樹脂、表皮の各種組合せ
軽量化と風合い・感触向上
スゥエード調など表皮/バッキング
材予備賦形品のインサート成形
射出プレス、射出成形、押出
プレスで各種展開
2種表皮/2樹脂貼合
ソフト層を表面にして、2層
成形
パノラマルーフ、ソフトインパネ
等の開発
金属調加飾方法
①メッキ
②ナノ多層フィルム貼合
③蒸着および蒸着フィルム貼合
④外装用塗装フィルム貼合
⑤銀鏡塗装
⑥メタリック塗料のインモールドコート
⑦メタリック着色品の成形
表16
艶消し加飾方法
方法
備考
①成形材料の改質 添加剤、樹脂配合
②金型シボ
シボパターン、凹凸度により変化
③後加工
塗装、印刷、メッキ、フィルム
貼合、ブラスト(研磨)
20
プラスチックの特徴
優れた機能性、賦形性、軽量性
低コスト
製品の品質
第1次品質
(性能)
重量、強度、粗度、
反射率 第2次品質
デザイン(色、形状、質感)
見栄え、高級感
第3次品質
ネーミング、ブランド、
企業名
相反する
プラスチックの課題
安っぽい、冷たい感じがする
加飾
他の素材を付与
(印刷、メッキ、塗装、
軟質表皮材など)
広義の加飾
ケースによってはデザインに制約
品
質
外観の向上
(艶出し、艶けし
など)
狭義の加飾
コストアップ
図1
課題の克服
プラスチック製品への加飾の意義
高意匠着色
ソフト感付与
質
軟
、
着色
通常 形
成
通常
表皮
材貼
合
法
M 工
O T ・ 印刷
・貼合
工塗装
写
加
後
転
匠
高意 フィルム
+
色
着
位
品
高
1.コストダウン
写
転
2.形状等の対応性
3.環境対応
高品位転写
コスト
オリジナル
図2 フィルム転写・貼合成形の位置付け
21
印刷箔
メッキ調箔
光彩色箔
光輝性メタリック箔
(麗光の資料より)
塗装加飾フィルムの構成(NBC、バイエル、ホンダ)
図3
東レ PICASUS
加飾フィルムの構成例
図4 日本写真印刷の Nissha IMD-TypeTR 工程概念図
22
基材
+表皮 フィルム
*:Three Demension Overlay Method
図5布施真空のTOM工程概念図
キャリアフィル
ム剥離
1.大型成形に適する
2.小型部品は多数個取り可能
3.逆テーパー、端末巻き込み可能
4.表面凹凸模様を残せる
5.後トリミングレス(転写の場合)
6.少量多品種にてきする
7.基材はプラスチックに限定されない
マグネシウム天板上にトフィルム
をオーバーレイ(パナソニック)
図6
基材空間の面の加飾層
は
キャリアフィルム側に
残る
表面凹凸がそのまま残る
TOM工法の特長
23
すり傷などを自己修復できるフィルムによるIMF
NEC
日本写真印刷
PICASUSを
使用した
携帯電話端末
東レ
コロナの木目調
加飾部品
図7
大日本印刷
サーモジェクト
RIM成形品の表面を三次
元形状にフィットするフイル
ムで一体成形
アキレス
フィルム加飾製品例(日本)
エアコンパネル
電子オルガン部品
自動車内装部品
車体塗装
フィルム
転写部品
オートバイ部品
図8
フィルム加飾製品例(日本、TOM工法による製品)
24
Smart carの roof
module:
GEの Lexan SLX
filmに 長ガラス繊
維強化PUをバック
モールド
Johnson Controls
PPfilm insert/MuCell発泡
樹脂のback injectionによる
ドアトリム
Acura 3.2 TLの
rocker panels と body
side :
Soliantの Fluorex dry
paint filmにバックモー
ルド
図9
図10
フィルム加飾製品例(海外)
日本写真印刷のターンキーシステム
25
光輝性偏光フィラーの概念図
光輝性偏光フィラーの適用例 ガラス基材フィラーの適用例
オートバイボディへの適用
SABICイノベーションプラスチックの資料から
図11
意匠性フィラー原着品による加飾例
図4 住友化学のSPモールド工程概念図
図12
住友化学の射出プレス(SP モールド)表皮材貼合成形
26
図13
射出プレス(SP モールド)表皮材貼合成形品例
図14
KPS(ケープラシート)膨張成形イメージ図
27
超低圧成形
2種表皮部分貼合、2樹脂/部分貼合
TPO/PPF
従来の射出プレス→超低圧成形
4~7MPa 2MPa
表皮材の品質向上
Fabric
Resin A
Fabric
投影面積6301cm2
Resin
B
型締力100トンの成形機で試作した
非貼合成形ドアトリム。
貼合ドアトリムも可能
図15
射出プレス成形(SPM)の進展
KMのBack Injection System
Decoform:横型締め
Decopress:竪型締め
図16
Decoform back Injection:
・型締め後バックインジェクション
・狭くて細長い部品(ピラー、ドアトリムなど)
Decoform back Compression:
・型締めしながら射出
・熱・圧力にセンシティブな表皮
・ドアトリム、インパネ、シートバック、フロアマットなど
Kraus Maffei の表皮材貼合成形
28
図17 Engel の Duo-Lamination
(2種表皮/2樹脂成形)
Dolphin (ソフト/ハード2層成形)
Tecomelt (表皮材貼合)
Engelの表皮貼合System
①Tecomelt Injection:横型締め
②Tecomelt Press:竪型締め
③ :押出プレス
スキン(TPE)層
GFTP(GFPBT)層
図18
低密度発泡層
Engel の Dolphin 成形
29
リブ・クリップ座付与
・PPシートの両面引き真空発泡(FEM)
とバックモールディング(BM)を組合
せた方法。
・軽量で、リブ・クリップ座も付与できる。
(従来品と比較して最大60%軽量化)
図19
ハイブリッド成形(住友化学)
トヨタSAIに採用されている
エコプラスチック部品
図20
エコ材料から試作された
三菱自動車のドアトリム
エコプラスチックが採用自動車内装部品例
30
図21 宇部興産機械/大日本塗料のインプレスト工程概念図
ハーフカット:
レーザーの強さ、速度を変化
させて、ラベルの印字・ハーフ
カット・フルカットを一度にできる
塗膜剥離:
表面塗装を剥離し、下地の基材
や塗装が見えるようにする。自
動車の照光スイッチ等に利用。
表面層剥離:
表面の皮膜・メッキなどを剥離し、
下地が見えるようにする。デジカ
メ等で筐体と回路の導電を確保
して、アースの役目をさせる。
変色: 例えば
Carbon Black、TiO配合ABS樹
脂に照射→Carbon Blackが光
を吸収して変色
図22 レーザー加飾(レーザーマーキング)の例
31
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