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第15章 家庭教育

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第15章 家庭教育
第15章
1
家庭教育
家庭教育
(1) 家庭教育の役割
教育基本法(平成18年12月22日法律第120号)では、保護者(家庭)の役割について、次の
ように定義され、学校、地域及び地域住民などの関係者の教育における役割と責任を自覚し、
相互連携及び協力に努めると明記されている。
教育基本法(平成18年12月22日法律第120号)
第二章 教育の実施に関する基本
(家庭教育)
第十条 父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するもの であって、生
活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発
達を図るよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及
び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければなら
ない。
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任
を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努める ものとする。
(2) 家庭教育をめぐる現状と課題
家庭教育は、それぞれの家庭で行われる教育であり、全ての教育の出発点である。基本的な
生活習慣、豊かな情操、基本的倫理観、社会的マナーなど 、「生きる力」の基礎的な資質や能
力は、まず家庭教育において培われ、子どもは人格を形成していく。
ところが、近年
の核家族化や少子
図1
表1 生活習慣や規範意識の全国平均との比較
化の進行などに伴
い、家庭の教育力
の低下が指摘され
学校の規則を守っているか
ている中、過干渉
・放任・虐待など 、
子どもの健全な育
毎日同じくらいの時刻に寝ているか
ちが阻害される事
態も生じている。
また、全国学力・
朝食を毎日食べているか
学習状況調査の結
果、本県の子ども
94.0
95.0
96.0
97.0
98.0
99.0 100.0
たちは、全国平均
に比べて、朝食摂
奈良県(中学3年)
奈良県(小6)
取率が低く、決ま
(資料)平成27年度全国学力・学習状況調査より作成(全国を100とした場合)
った時間に就寝し
ていないことや、
学校の決まりを守っていないことなど、基本的な生活習慣や規範意識、社会性に課題がある
ことが明確となっており、その解決のため、家庭教育の充実が求められている 。(図1)
(3) 本県の取組
県教育委員会は、子どもに基本的な生活習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成す
97.1
97.8
95.9
96.5
97.6
98.8
るなど、心身の調和のとれた発達を図り、家庭の教育力を高めるための支援を行っている。
また、学校がもつ教育力を生かし、家庭・地域との連携を密にすることで子どもの健全な
成長を多面的に支えるとともに、家庭や家族の在り方などについて考える資料の提供など、
家庭教育の支援に努めている。
家庭教育事業の取組の3つの矢
①家庭教育に直接にアプローチする対策
②啓発を通じて社会心理を動かす対策
③家庭教育関係者(保護者や支援者)の資質向上対策(研修)
ア
「元気なならっ子約束運動」
県内の幼稚園・保育所に通う3歳~5歳の全ての子ど
も と そ の 保 護 者 を 対 象 に 、 平 成 21年 度 か ら 実 施 し て き た
「おはよう・おやすみ・おてつだい」約束運動に、平成27
年度から 、「早寝・早起き・朝ごはん」などの取組を加え
た「元気なならっ子約束運動」を実施している。この事
業では、子どもたちと保護者が一緒に取り組む活動を一
層促進することと、併せて、その活動の重要性を広く啓
発し、子どもたちの基本的な生活習慣や規範意識、社会
性等を涵養するとともに家庭教育の充実を図ることを目
的としている。
また、就学前の乳幼児をもつ保護者を対象として 、「就
学 前 教 育 の 重 要 性 」、「 愛 着 体 験 の 重 要 性 」 に つ い て 、 リ
ーフレット等による啓発を行い、就学前の子どもの成長
に合わせた親の学びの支援を行う。
イ 家 庭 教 育 啓 発 リ ー レ ッ ト 「 な ら っ 子 み んな で 育 て よう 」
の配布及び活用促進
「 元 気 な な ら っ 子 約 束 運 動 」(「 お は よ う ・ お や す み ・
おてつだい」約束運動)の成果を、小学校に継続・発展
させる手立てとして 、「家庭教育啓発リーフレット」を小
学1年生の保護者を対象に配布し、小学3年生までの保
護者の活用を促進している。
ウ 教 職 員 及び 保 護 者の 家 庭 教 育に 関 す る 研修 講 座 の 開催 と
家庭教育支援講師の情報提供及びへき地校への派遣
エ 奈良県高校生家庭教育啓発チーム「きらら」
将来親になる世代の高校生が、家庭教育の向上に貢献
し、子どもたちが育つ環境としての家族の役割や家庭の
教育力の重要性に気付き、自立した社会人になるために
必要な資質や能力を身に付けることを目的として、県内
高校生による家庭教育啓発チーム「きらら」を結成し、
将来の家庭を担う人材の育成を行っている。
オ 家庭教育・家庭の日(いきいきサンデー)の啓発
毎月第3日曜日を「家庭教育・家庭の日(いきいきサ
ン デ ー )」 と 定 め 、 啓 発 ロ ゴ マ ー ク や 家 庭 教 育 の 歌 「 わ
が家のマーチ」を活用しながら、家族の絆を深めること
の大切さや家庭教育の重要性について、広く県民に向け
た啓発活動も行っている。
参 考 :「 元 気な な ら っ 子約 束 運 動 」、「家 庭教 育啓 発リ ーフ レ
ット」等については、次のホームページを参照してほ
しい。
http://www.pref.nara.jp/24417.htm
(人権・地域教育課 家庭・社会教育係)
図1
H27やくそくノート・シール
図2
家庭教育啓発リーフレット
(p2,3)
図3
チ ー ム 「 きら ら 」( 2期 生)
図4
「家庭教育・家庭の日
(いきいきサンデー)」
啓発ロゴマーク
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