Comments
Transcript
本物にこだわる「Kabuki Gate」 | 成田空港~その役割と現状~ 2015年度
特集 選ばれる空港を目指して 本物にこだわる「Kabuki Gate」 歌舞伎を世界へ発信 2015年3月27日に第1旅客ターミナルビルの出国手続き後エリア内にオープンした「Kabuki Gate」は、 日本の伝統芸能である歌舞伎を紹介する施設。増加する訪日外国人のお客様をメインターゲットとし、 その魅力や楽しさを体感してもらおうというもの。 松竹の全面的な監修の下、歌舞伎の持つ伝統や世界観を楽しめる空間である。 本物の歌舞伎を体感できる施設 できるアプリ「Kabuki Face Photo Booth」を搭載した 成田空港では、日本の伝統文化を紹介・発信できる タブレットを備え付けた。出来上がった写真を自分のス た。一方、歌舞伎を興行する松竹は、歌舞伎を身近に感 伎に触れるお客様に日本の文化を感じていただく工夫 ような施設を設けたい、との構想をかねてより抱いてい マートフォンなどに送信することも可能で、初めて歌舞 じてもらい、海外の方に観劇のきっかけをつくりたいと も施している。 ら「Kabuki Gate」の設置に向けた計画が本格的に始動 い、Tシャツなどのオリジナルグッズを販売。いずれも日 「体感型ギャラリー」と「ショップ」の機能を併せ持つ 歌舞伎に関連した商品を取り揃えている。 考えていた。こうした両社の思惑が一致し、2014年夏か した。 「Kabuki Gate」 。歌舞伎でよく見かける「定式幕」をあし らい、格子状のデザインを施している。 ショップでは、歌舞伎の柄をあしらった扇子や手ぬぐ 本製で、手ぬぐいや扇子は職人による手作り。ほかにも 出国手続き後エリアに設置したことで、再び日本を訪 れていただき、成田空港のリピーターになっていただく 体感型ギャラリーでは、歌舞伎の舞台で使用された とともに、成田空港で乗り継ぐお客様にも次は日本を訪 発した可動式のマネキン2体と衣桁(衣裳を掛ける鳥居 のお客様を中心に1日あたり500〜600人が訪れ、来場 本物の衣裳とかつらを、Kabuki Gateのために特別に開 の形をした家具)にディスプレイして展示。3カ月に1度 衣裳を入れ替え、かつらの手入れも定期的に床山(かつ れていただこうという意図もある。オープン以来、海外 者からは高い評価を得ている。 らの結髪や修理、保管を行う専門職人)が行うという こだわり。松竹の全面的な監修の下、本物を提供してい る点が特徴だ。400年の歴史を誇る歌舞伎の世界観が、 ひと目で分かる施設を目指した。 さらに、大型ディスプレイで歌舞伎にまつわる情報 を常時放映するほか、歌舞伎について検索できるパソ コンを置くなど、情報を発信するコーナーも設置。また、 歌舞伎独特の化粧法である隅取や、女方の化粧を合成 歌舞伎の舞台で使用された本物の衣裳とかつらを展示 28 選ばれる空港を目指して ショップではここでしか購入できないオリジナルグッ ズをはじめ、歌舞伎関連の選りすぐりの商品も販売