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株式会社ティーアールティー(宮城県)(PDF:847KB)
北海道・東北地域 株式会社ティーアールティー(宮城県) 最近では、発熱板の遠赤外線効果を利用し、フロア材及び畳の下に施工することに 北 海 道 ・ 東 北 地 域 より、床暖房システム及び壁暖房システムの研究に着手しており異業種との連携によ る新分野への展開を進めており、新製品開発意欲は尽きない。 リサイクル素材を活用した環境にやさしい保水歩道板や融雪歩道板の開発で社会貢 献したいという高橋社長は、また、自分で考案した製品は我が子と一緒とも述べてい 先代から続くセメント瓦製造業を営んできたが、昭和53年の宮城県沖地震以降、セ る。 メント瓦の需要が激減したのを契機に新製品開発に着手した。特に、平成14年の宮城 北部連続地震後は、大量に発生した廃瓦をリサイクル利用するために、石巻専修大学 と共同研究を行い、粉砕した廃瓦を主原料に岩石粉等とセメント(バインダー)を一 定量混合し加圧成形後、高温で長時間焼成することにより、リサイクル素材を利用し た多孔質セラミックタイルの開発に到った。 超保水性・透水性を持つこの多孔質タイルを利用した歩道板は、雨水を一旦保水し 徐々に地下に浸透させ、炎天下では保水している雨水を気化させて吸熱し、都会のヒ ートアイランド現象を軽減する効果がある。また、凍害にも強く滑りにくいという特 徴もある。 「アクアセーブ」のネーミングで商標登録もしているこの歩道板は、石巻産学官共 同開発第1号となり、また、宮城県廃棄物再生資源利用製品にも認定されている。 遠赤外線融雪歩道板 高橋社長は石巻専修大学と更なる共同研究を進め、セメントに導電性のあるナノサ イズのカーボンを加えて(ナノカーボンセメント)、これに電流を通すことで効率的に 遠赤外線を発生させる発熱板(遠赤外線面状発熱体)を開発した。この発熱板をリサ イクル素材で作った瓦や歩道板の裏に組み込むことにより、雪を溶かす瓦と歩道板の 実用化に成功した。 この遠赤外線による融雪効果は、発熱板周辺だけでなく、上に積もった雪にも及ぶ ことを各地で実験、実証済みである。しかも、消費電力は従来の電熱線方式による融 雪に比べ1/3程度であり個人住宅での施工も容易である。 毎日の除雪の手間や危険からお年寄りや住民を開放することが社長の願いであり、 東北をはじめとする降雪地域の住宅玄関先などでの導入を狙い、特許流通アドバイザ ーの協力も受けライセンス先の拡大を図っている。 石巻地域では、石巻専修大学を中心とした石巻産学連携グループを組織し、異業種 交流を進めている。同社の多孔質セラミックタイルも遠赤外線面状発熱体も産学連携 研究開発による成果である。東北経済産業局からの助成金を受けて導入したミキサー を素材の混合などに活用しており、産官学の連携を上手に利用している企業といえる。 また、その成果としての特許出願も多数あり、これを強みとして製品化、ライセンス 契約につなげている。 アクアセーブ IV型