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防食被覆工法
衛生的な農業集落排水施設のために (社)日本農業集落排水協会「コンクリート防食設計指針」 (2000年1月)適合 (社)日本農業集落排水協会「コンクリート防食施工指針」 (2000年1月)適合 防食被覆工法 第3版 コンクリートの腐食を防止。 農業集落排水施設の環境を衛生的に保ちます。 私たちの生活になくてはならない重要な社会資本である農業集落排水施設──。 しかし現在、この施設の内面で微生物の作用により硫酸が発生し、 コンクリートが劣化するという大きな問題が生じています。 「タフバリア」は、この硫酸などに耐え、腐食物質の下地への浸透を阻止する工法。 高い性能をもつ強固な塗膜により、確実にコンクリートを保護します。 そして、次世代の環境や人に悪影響を与えることのない、 安全で清潔な農業集落排水施設を実現します。 ■タフバリア防食被覆工法── 6 つの特長 1 (社)日本農業集落排水協会の設計指針に 適合する工法です。 (社)日本農業集落排水協会の 「コンクリート防食設計指 針」(2000年1月発行)に基づく品質規格試験を実施 し、合格の判定を受けております。安心してお使いい ただける防食被覆工法です。 2 コンクリートの劣化環境分類に応じて 適切な仕様が選択できます。 (社)日本農業集落排水協会の 「コンクリート防食設計指 針」の1、2、3種の仕様に対応した 「エポキシ樹脂」お よび「セラミックパウダー入りエポキシレジンモルタ ル」を採用した4工法をラインアップ。劣化環境分類 に応じて適切な仕様が選択できます。 3 耐食性に優れ、 抜群の耐酸性・耐アルカリ性を示します。 とくに耐食性に優れ、農業集落排水施設の厳しい環境 条件にも耐える性能を発揮。コンクリートを確実に保 護します。 4 コンクリートに対する高い密着力を 保持します。 5 腐食物質の浸透を抑え、 確実にコンクリートを保護します。 長期にわたり、コンクリートに対して良好な密着性を 保持。耐久性と信頼性でコンクリートを保護します。 施工後の塗膜への透水性がほとんどなく、硫化水素な どの腐食性物質の浸透を阻止し、コンクリートを護る 強力なバリアとなります。 6 ▲タフバリア♯100の 試験結果報告書 1 作業性と安全性に優れています。 優れた作業性と安全性を実現したコンクリート防食工 法として、農業集落排水施設の新設・改修・補修など に幅広くご利用いただけます。 コンクリートはこのように蝕まれます !! コンクリート構造物は、 一般的に “きわめて強固で堅牢” というイメージがもたれています。 しかし近年、農業集落排水施設においてコンクリートが腐食する、というケースが多く 報告されています。そして、その腐食の主な原因は下水中で発生する硫化水素だという ことがわかってきました。現在、腐食のメカニズムは以下のように考えられています。 下水中に含まれる硫酸塩 が、嫌気性の硫酸塩還元 細菌により、硫化水素に 還元される。 硫化水素が下水中から空 気中に放散される。 空気中の硫化水素が、濡 れたコンクリートの壁面 や天井面の湿潤水中に溶 解し、硫黄酸化細菌によ り硫酸になる。 硫酸塩 硫化水素 (SO42-) (H2S) (H2SO4) (H2S) 硫酸 硫酸カルシウム + 水酸化カルシウム + アルミン酸三カルシウム (Ca (OH) 2) ↓ 硫酸カルシウム 硫酸 硫化水素 硫酸カルシウムがコンクリ ート中のアルミン酸三カル シウムと反応し、エトリン ガイトを生成する。この反 応時、体積が膨張し、コン クリートを破壊する。 (H2SO4) 硫黄酸化細菌 硫酸塩還元細菌 硫酸がコンクリート中の 水酸化カルシウムと反応 し、硫酸カルシウムを生 成する。 (CaSO4・2H2O) (CaSO4・2H2O) (3CaO・AI2O3) ↓ エトリンガイト (3CaO・AI2O3・3CaSO3・32H2O) ■劣化環境分類および廃水処理施設における防食部位の分類[(社)日本農業集落排水協会「コンクリート防食設計指針」より抜粋] 劣化環境分類 環境条件 コンクリート表面の pH指数 硫化水素濃度の 指標 二酸化炭素濃度の 汚水処理施設の各部位 指標 1 コンクリートが微生物腐食等 により、短期間に劣化する可 [タフバリア#100] 能性は少ないが、長期的に二 酸化炭素による中性化(炭酸化) 等を伴う変質劣化が一般環境 以上に進行する可能性がある 環境。 種 6以上 7未満 無し又はわずか 1000ppm (概ね1ppm未満) 以上 2 種 [タフバリア#100] 汚水等が嫌気性化する可能性 があり、低レベルの硫化水素 と高濃度の二酸化炭素等の発 生により、コンクリートに軽 度の微生物腐食等による経時 的劣化の可能性がある比較的 緩やかな劣化環境。 4以上 7未満 低レベル (概ね1以上 5ppm未満) 1000ppm 以上 3 種−1 [タフバリア#100] 汚水等が嫌気性化し、高レベ ルの硫化水素が発生し、気中 放散する可能性があり、コン クリートが短期間内に微生物 種−2 腐食による腐食劣化を受ける [タフバリア#300] 可能性が高い比較的過酷な劣 化環境。 3 4未満 高レベル 1000ppm (概ね5ppm以上) 以上 気相部 液相部 ばっ気沈砂槽 ● 原水ポンプ槽 ● 流量調整槽(窒素除去性能を付加しない処理方法) ● 〃 〃 (窒素除去性能を付加する処理方法) ● 沈殿分離槽 第1室(次室への移流水路を含む) ● 接触ばっ気槽 第2室( 〃 〃 ) ● 脱窒槽(膜分離活性汚泥方法) ● 流量調整槽(窒素除去性能を付加する処理方法) ● 沈殿分離槽 第1室(次室への移流水路を含む) ● 〃 〃 第2室( 〃 〃 ) ● 嫌気性濾床槽 第1室( 〃 〃 ) ● 〃 〃 第2室( 〃 〃 ) ● 〃 〃 第3室( 〃 〃 ) ● 接触ばっ気槽 第1室( 〃 〃 ) ● 〃 〃 第2室( 〃 〃 ) ● 脱窒槽(膜分離活性汚泥方法) ● 汚泥濃縮貯留槽 ● ● 汚泥濃縮槽 ● ● 汚泥貯留槽 ● ● 汚泥受槽 (汚泥改質機構用) ● 汚泥循環槽( 〃 〃 ) ● 沈殿分離槽 第2室(次室への移流水路を含む) ● 嫌気性濾床槽 第1室( 〃 〃 ) ● 〃 〃 第2室( 〃 〃 ) ● 〃 〃 第3室( 〃 〃 ) ● 接触ばっ気槽 第1室 ● 脱離液槽 ● ● 汚泥受槽 (汚泥濃縮機用) ● ● 汚泥受槽 (汚泥改質機構用) ● 汚泥循環槽( 〃 〃 ) ● 2 ■タフバリア施工の前処理 ■タフバリア製品一覧 ■豆板の処理 ■コールドジョイント、打ち継ぎ部および ひび割れの処理 工程 品種 防水処理および躯体欠陥部処理 タフバリア#100 ■埋設管まわり、タラップ、取り付け金具 などの処理 素地調整 ■伸縮目地の処理 ■セパレーター端部の処理 プライマー 躯体 欠陥部 処理例 コンクリートの豆板、コールドジョイント、打ち継ぎ部および乾燥収縮 によるひび割れなどは、防食被覆層の欠陥や漏水の原因となるなど、コ ンクリートに悪影響を及ぼしますので、施工する前にあらかじめ処理し ておきます。 上塗・補強層 補強材 豆板部の処理 ひび割れ箇所の処理(Vカット) 10∼15㎜ 補強材 タフバリア#300 3∼5㎜ プライマー・しごき塗り 10㎜ 塗り付け 豆板部分をはつ り取ります。 はつり箇所の端 無収縮モルタル 部を垂直に切り を充填します。 込みます。その 後清掃し、無収 縮モルタルをす り込みます。 ひび割れ幅の変化が大きい箇所の処理 ひび割れに沿っ てVカットしま す。その後清掃 し、充填部分に プライマーを塗 布します。 シーリング材を 充填します。そ の後、ヘラ押さ えを行ないます。 コテ押さえ用溶液 タフバリア#700 タフバリア#800 漏水箇所の処理 断面修復用モルタル 無機浸透性塗布防水材 20㎜以上 タフバリア#900 20㎜ 以上 ひび割れに沿っ バックアップ材 てVカットした を入れ、プライ 後、清掃します。 マーを塗布しま す。 シーリング材 を充填します。 ひび割れに沿ってVカ ットし、清掃します。そ の後、急結セメントを 充填して止水します。 プライマーを塗布し、 シーリング材を充填し ます。その後、ヘラ押さ えを行ないます。 シールトップE-55 エポキシエマルジョン混和型 無機浸透性防水材 シーリング材 ■タフバリア標準施工仕様[(社)日本農業集落排水協会「コンクリート防食設計指針」適合] # 100・1種 ●エポキシ樹脂(塗り回数2回以上の被覆)0.2㎜以上 エポキシ樹脂 工程 使用量 施工間隔 2 表面処理 処理面水圧:29.4MPa {300㎏f/㎝ } 以上 素地調整 タフバリア#100 フィラー 1.20㎏/㎡ 18時間以上 タフバリア#100 プライマー 0.18㎏/㎡ 16時間以上 上塗り① タフバリア#100 上塗(1層目) 0.24㎏/㎡ 12時間以上 上塗り② タフバリア#100 上塗(2層目) 0.24㎏/㎡ ――― 使用量 施工間隔 プライマー 素地 使用材料 # 100・2種 ●エポキシ樹脂(塗り回数3回以上の被覆)0.35㎜以上 エポキシ樹脂 工程 2 表面処理 処理面水圧:29.4MPa {300㎏f/㎝ } 以上 素地調整 タフバリア#100 フィラー 1.20㎏/㎡ 18時間以上 タフバリア#100 プライマー 0.18㎏/㎡ 16時間以上 上塗り① タフバリア#100 上塗(1層目) 0.24㎏/㎡ 12時間以上 上塗り② タフバリア#100 上塗(2層目) 0.24㎏/㎡ 12時間以上 上塗り③ タフバリア#100 上塗(3層目) 0.24㎏/㎡ ――― プライマー 素地 使用材料 ●注①/気相部は、最低水面下30㎝以上としてください(スラブ下、梁を含みます)。●注②/液相部は、気相部を除いて常時水面下にある部位とします(底板を含みます)。なお、液相 ※耐候性が要求される場合、プールエース♯300をトップコートに使用してください。 3 製品名 荷姿 製品内容 備考 タフバリア#100 フィラー主材 20㎏ 〃 〃 硬化剤 5㎏ エポキシエマルジョン系ポリマーセメント材 素地調整材 主材:硬化剤=20:5 NTエポキシパテ パテA液 10㎏・3㎏ 〃 〃 B液 10㎏・3㎏ エポキシ樹脂パテ 素地調整材 A液:B液=10:10(3:3) タフバリア#100 プライマーA液 8㎏ 8㎏ 水系エポキシ樹脂プライマー A液:B液=8:8 〃 〃 B液 タフバリア#100 上塗A液(ニューグレー) 12.5㎏ 2.5㎏ 無溶剤エポキシ樹脂防食被覆材 A液:B液=12.5:2.5 〃 〃 B液(夏型、一般型、冬型) タフクロス#21(ガラスクロスEPF21A) 1,040㎜×100m ガラスクロス タフバリア#100・3種-1工法で使用 ――― タフバリア#300 A液 5㎏ 〃 B液 2㎏ 無溶剤エポキシ樹脂防食被覆材 A液:B液=5:2 タフバリア#300 A液 5㎏・0.25㎏ 〃 B液 2㎏・0.1㎏ セラミックパウダー入りエポキシ樹脂 A液:B液:C材=5:2:14∼16 C材 セラミックパウダー 14㎏・0.7㎏ タフバリア#300 押さえ溶液 16㎏ ――― ――― タフバリア#700 25㎏ プレミックスタイプの断面修復用モルタル 防湿袋入り タフバリア#800 主材 25㎏ 2㎏ ケイ酸質系 主材:硬化剤=25:2 〃 硬化剤 タフバリア#900 主材 25㎏ 〃 反応基剤 4㎏ 〃 硬化剤 4㎏ シールトップE-55 A液 5㎏・1㎏ 〃 B液 5㎏・1㎏ 防湿袋入り エポキシエマルジョン系無機浸透性防水材 ポリ容器入り 〃 エポキシ樹脂弾性シーリング材 A液:B液=5:5(1:1) # 100・3種―1 ●エポキシ樹脂(エポキシ樹脂+補強材1プライ積層)0.7㎜以上 エポキシ樹脂+補強材 工程 使用量 施工間隔 2 表面処理 処理面水圧:29.4MPa {300㎏f/㎝ } 以上 素地調整 タフバリア#100 フィラー 1.20㎏/㎡ 18時間以上 タフバリア#100 プライマー 0.18㎏/㎡ 16時間以上 タフバリア#100 上塗+タフクロス#21 0.84㎏/㎡ 12時間以上 上塗り① タフバリア#100 上塗 (1層目) 0.24㎏/㎡ 12時間以上 上塗り② タフバリア#100 上塗 (2層目) 0.24㎏/㎡ ――― プライマー 補強層 素地 使用材料 # 300・3種―2 ●セラミックパウダー入りエポキシレジンモルタル 5.0㎜以上 セラミックパウダー入りエポキシレジンモルタル 工程 使用材料 使用量 施工間隔 1.20㎏/㎡ 18時間以上 2 表面処理 処理面水圧:29.4MPa {300㎏f/㎝ } 以上 素地調整 タフバリア#100 フィラー エポキシレジンモルタル タフバリア#300 セラミックパウダー 14.40㎏/㎡ 塗布 素地 しごき塗り タフバリア#300 0.35㎏/㎡ 16時間以上 ――― 相部のみを施工の際は、最高水面上30㎝までを施工の部位としてください。 ●注③/防食の分類が異なる場合および防食と防水の重ね合わせ部は5㎝の幅をとってください。 4 ■防食被覆工法 ﹁タフバリア﹂カタログ タフバリア取り扱い上の注意事項 (よく読んでご使用ください) ●施工中、乾燥中ともに換気を充分に行ない、ミストや蒸気 を吸い込まないようにしてください。 ●取り扱い中は、できるだけ皮膚に触れないようにし、必要 に応じて有機ガス用防毒マスク、手袋および前掛けなどの 保護具を着用してください。 ●取り扱い作業中、容器からこぼれないよう注意してくださ い。こぼれた場合は、直ちに布やウエスで拭き取るか、砂 などを散布したのち処理してください。 ●容器は、つり上げないでください。止むを得ずつり上げる ときには、適切なつり具で垂直に持ち上げ、落下に充分注 意してください (偏荷重になると取っ手が外れ、落下する 危険性があります)。 ●取り扱い後は、多量の水で洗い、手洗いおよびうがいを充 分に行なってください。 ●目に入った場合は、できるだけ早く医師の診察を受けてく ださい。 ●誤って飲み込んだ場合は、できるだけ早く医師の診察を受 けてください。 ●材料が皮膚に付着し、痛みや外観変化があるときは、医師 の診察を受けてください。 ●蒸気やガスを吸い込んで気分が悪くなった場合は、空気の 清浄な場所で安静にし、必要に応じて医師の診察を受けて ください。 ●保管は必ずフタをし、直射日光の当たらない場所に保管し てください。 ●子供の手の届かないところに保管してください。 ●中身を使いきってから廃棄してください。また、廃液・汚 泥などは関係法規に基づき、自社で適正に処理するか、産 業廃棄物処理業者に委託して処理してください。 ●詳細な内容が必要な場合は警告ラベル、または化学物質等 安全データシート (MSDS) をご参照ください。 TBN─0507J─ E ♯3[2007年5月作成] 第3版 ●火気のあるところでは、絶対に使用しないでください。 ●万一、火災が発生した場合は炭酸ガス、泡または粉末消火 器を用いてください。水は使用しないでください。 ●タフバリア♯100上塗、タフバリア♯300は、A液・B液を混 合し、容器中にそのまま放置しますと急激に発熱し、危険 な状態になることがありますので、仕様書の手順を守って ください。