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彩都バイオグランドデザイン
2007年3月7日 「彩都バイオグランドデザイン」に関する要望 大阪商工会議所 大 阪 商 工 会 議 所 は 、大 阪 府 、大 阪 大 学 等 の 関 係 者 と と も に 、平 成 13 年 に「 バ イ オ 情 報 ハ イ ウ ェ イ 構 想 」を 、平 成 15 年 に は「 バ イ オ 情 報 ハ イウェイ第Ⅱ期構想」を策定し、北大阪でのバイオクラスター創成に 努めてきた。 これら構想には、国への要望や地域で推進するプロジェクトが取り まとめられており、それらが国の都市再生プロジェクト「大阪圏にお けるライフサイエンスの国際拠点形成」に位置づけられた結果、イン キュベータ整備や研究費等の国の支援措置を得ることができ、北大阪 でのバイオベンチャーの起業、産学官連携による研究成果の事業化、 様々な業種からのバイオ・ライフサイエンス分野への参入なども大き く前進した。また、日経BP社の全国バイオクラスターランキングに おいても、2005年から2年連続で、北大阪が日本で第一位の評価 を得ている。 しかし、この度の武田薬品工業の創薬研究所移転決定といった逆風 も発生し、北大阪のバイオクラスターの中心となる彩都におけるバイ オ 振 興 の 全 体 構 想 を 描 か ず し て 、企 業 ・大 学・研 究 機 関 の 誘 致 や 研 究 振 興、産業振興、クラスター間交流を進めることは極めて難しいことが 明らかになってきた。 こうした事態を受けて、大阪府がこの度「彩都バイオグランドデザ イン」を取りまとめることは、いささか遅きに過ぎる感は否めないも のの、今後の展開には不可欠のステップであると評価したい。 大阪商工会議所は、今後も大阪府、大阪大学等の関係者とともに、 彩都を中心とした北大阪におけるバイオクラスター形成と大阪圏にお けるバイオ産業振興に積極的に取り組んでいく観点に立ち、 「彩都バイ オグランドデザイン」が製薬業界からも関心を示されるような実効あ る戦略となるよう、下記の内容が盛り込まれることを要望する。 記 1.バ イ オ 振 興 の ヘ ッ ド ク ォ ー タ ー の 整 備 に つ い て 大阪においては、複数の組織が必要に応じて調整、連携しながら バイオ振興に取り組んでおり、今までは結果的には概ね役割分担が なされてきたといえる。しかしながら、研究機関や産業のより高度 な集積を図り、国内外のバイオクラスターと一層交流を深めていく には、今後は、北大阪全体でのバイオ振興の方向性を議論し、取り まとめ、関連機関・団体に示すとともに、域外にむけての情報受発 信の窓口となる組織が不可欠である。 そこで大阪府は、次の2点に留意して、産学官のトップと製薬業 界の代表で構成する意思決定組織、意思決定を受けて陣頭指揮を執 る人材、および事務局からなるヘッドクォーターを整備されたい。 ①人材確保のための措置 バイオ振興の陣頭指揮者は、バイオメディカルサイエンスと産 業振興の両方に造詣が深い人材を、国内外から、任期を決めて招 くこととし、これに必要な人件費およびヘッドクォーター事業を 実際に運営する事務局員の人件費についても、大阪府で確保され たい。 ②調査等の活動のための措置 基礎研究の産業化を図るには、産産、産学官の共同研究、産学 官の技術移転、国内外の他地域のクラスターとの交流が不可欠で ある。その前提としては、北大阪の大学、研究機関、研究者、バ イオベンチャーを含む企業の研究・開発関連情報の把握や、他の クラスターの情報が必要である。このため、北大阪の大学、研究 機関、研究者、企業の研究・開発動向の「棚卸し調査」や、主に 海外クラスターの研究・開発動向に関する調査に要する経費等の 十 分 な 確 保 を ( 例 え ば 、 神 戸 市 の 調 査 費 並 み 。)、 大 阪 府 で 毎 年 お 願いしたい。 2.中核施設の整備等について ス ク リ ー ニ ン グ セ ン タ ー や 、 治 験 薬 を GMP レ ベ ル で 製 造 す る 創薬ベンチャーの共同利用施設等、彩都への企業集積の核となる 施設を単独事業、あるいは国のプロジェクト誘致や民間との共同 事 業 と し て 整 備 す る た め 、所 要 の 費 用 を 大 阪 府 で 予 算 化 さ れ た い 。 また、大阪府立公衆衛生研究所等、大阪府の関連施設の彩都移転 も進められたい。 3.中部地区の計画策定等について 大阪府は、彩都中部地区の地域計画を早急に策定されたい。 ま た 、大 阪 府 は 、国 際 的 に 評 価 の 高 い 大 学( 例 え ば 、大 阪 大 学 。) のライフサイエンス、医理工連携組織を彩都中部地区に誘致する 等、国内外の大学、研究機関、企業等の立地を促進する具体的な プラン、整備スケジュール等を早急に取りまとめられたい。 さらに、彩都中部地区に進出する大型案件に対しては、現行の 立地支援制度を上回る優遇措置を制度化されたい。 4.バイオ・ライフサイエンス関連機関の役割分担について 彩都、北大阪に複数存在するバイオ・ライフサイエンス振興機 関 が 今 後 よ り 効 率 的 で 効 果 的 な 活 動 を 展 開 す る た め に 、大 阪 府 は 、 ヘッドクォーターを核とする各振興機関の役割分担を「彩都バイ オグランドデザイン」に明記されたい。 5.彩都バイオグランドデザイン関連予算について 大阪府は、 「 彩 都 バ イ オ グ ラ ン ド デ ザ イ ン 」の 実 現 に 必 要 な 総 事 費、およびそれらの中で大阪府として取組む事業の予算総額、毎 年度の予算額を算定し、 「 彩 都 バ イ オ グ ラ ン ド デ ザ イ ン 」に 盛 り 込 むとともに、毎年度の大阪府予算に計上されたい。 以 上