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北部開発プロジェクト ファースト・ネーションと イヌイットの生活向上

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北部開発プロジェクト ファースト・ネーションと イヌイットの生活向上
PLAN
NORD
北部開発プロジェクト
Heiko Wittenborn
ファースト・ネーションと
イヌイットの生活向上
PLANNORD.GOUV.QC.CA
北部開発プロジェクト:
ファースト・ネーションと
イヌイットの生活向上
先 住 民コミュニティの抱える懸 念への対応は必須事項であり、先 住 民も
北部開発プロジェクトの立案とその実施の各段階に積極的に関与すること
が不可欠です。
このため、ケベック州政府は、北部開発プロジェクト地域に居住する4つの
先住民族を、北部開発プロジェクトを立案するための包括的で前例のない
諮問会議に招聘しました。この4つの民族(クリー、イヌイット、イヌー、
ナスカピ)の総人口は33,000人で、地域全体の約3分の1を占めます。
クリー、イヌイット、ナスカピの各民族と、イヌー族のコミュニティは、互い
の要望と状況を尊重する関係に基づいて、北部開発プロジェクトの立案過
程に全面的に参加することを決断しました。ケベック州政府と先住民族・
コミュニティの意志決定者は、各民族間の関係維持や既存の合意事項の遵
守といった、相当数に上る枠組み原則に合意しました。
これらの先住民族やコミュニティは、北部開発プロジェクトの議事に全面
的に参加してきました。また、当該地域に関係する先住民問題を議論する
ための、先住民参加者会議を結成しました。さらに、北部開発の問題や課
題について検討する参加者会議においては正式なメンバーとして活動し、
作業部会や運営委員会にも参加しています。
ジェームス湾・北ケベック協定(la Convention de la Baie-James et du
Nord québécois(CBJNQ))と北東ケベック協定(la Convention du
Nord-Est québécois)は、ケベック州政府・カナダ連邦政府とイヌイット、
クリー、ナスカピの各民族の関係の基準となっています。これらの協定で
は、保健と社会福祉、教育、狩猟、釣り、わな猟の規制に関して、先住民族
に相当の責任が付与されています。この中には、土地の管理、行政機構の
創設、さらに、これらの責任を果たす上で必要な資金の供給に関する手段
も含まれています。
しかし、ケベック州政府・カナダ連邦政府とイヌー族との関係は、CBJNQ
等 の 協定の対 象とはなっていません。イヌー族 の 一 部 のコミュニティが
北部開発プロジェクトの立案に参加しないという選択をしたのはこのため
です。
2004年以降、ファースト・ネーションのMamuitunおよびNutashquan
とケベック州政府・カナダ政府による一般原則に関する合意(l’Entente
de principe d’ordre général entre les Premières Nations de
Mamuitun et de Nutashkuan et les gouvernements du Québec
et du Canada(EPOG))をいずれも締結しているイヌー族のコミュニ
ティ、Mashteuiatsh、Essipit、そしてNutakuanは、引き続き条約調印
を視 野に入れて交 渉を継 続しています。先祖伝 来 の土地という認 識や、
イヌー族コミュニティの天然資源開発への更なる参加は、合意の大原則で
あり、今後の交渉でも検討されます。
北部開発プロジェクトは、今まで参加を辞退してきた先住民コミュニティ
でも後日参加することができるよう柔軟な体制で実施されます。
北部開発プロジェクトによって開かれる経済領域により、先住民の参加者
にとっては、雇用の創出、業務協定関係の構築、そして彼ら自身の開発プロ
ジェクトの企画といった面でその選択肢が大いに広がります。このような
経済活動により、雇用市場へのアクセス改善、とりわけ職業訓練プログラ
ムを通じて、生活水準が向上が見込めます。同様に、北部開発プロジェクト
では、住宅や教育といった分野の具体的なプログラムを通じて、社会の連
携を促進します。
このように、北部開発プロジェクトを通じて、ファースト・ネーションやイヌ
イットによる地域発展への関与は、長期的に強化されていきます。北部開
発プロジェクトの成功は、先住民族との関係性の質において察することが
できます。コミュニティ間の調和は、この新たな経済領域の中で本物の相
乗効果、つまり、先住民グループと起業家、地域の事業体、ケベック州政府
との協力関係を育成する上で不可欠となります。このような関係によって
建設的な対話も促 進され、その中で自然に相補的な性質である手段や需
要が発生します。こうした対話を通じて様々な構想が生まれ、それがすべ
ての人に利益をもたらすことになります。
連携と相互尊重に基づくファースト・ネーションおよびイヌイットとの関係
北部 開 発プロジェクトの 過 程 全 体を 通じて、関 係するファースト・
ネーションもイヌイットも、互いの要望と状況を尊重するという枠組
みの中で、正式なメンバーとして北部開発プロジェクトの立案や実施
に参加することへの意欲を示しています。具体的には、次のような枠
組み原則が確立されています。
▪ 部族間の関係の維持
▪ 住民の助言を適切に求める義務
▪ 意志決定過程および開発プロジェクト実施への、先住民の参加
▪ 持続可能な開発の原則の遵守
▪ 先住民族の文化とアイデンティティの尊重
David Rouault
▪ 既存ならびに将来的な協定、合意、条約の遵守
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