...

富山県の救急医療・搬送体制 の現状と課題

by user

on
Category: Documents
39

views

Report

Comments

Transcript

富山県の救急医療・搬送体制 の現状と課題
1.ドクターヘリ導入に向けた課題について
(県立中央病院を基地病院と想定した場合)
2.ドクターカーの運用の拡充について
1.ドクターヘリ導入に向けた課題について
(県立中央病院を基地病院と想定した場合)
ドクターヘリ導入に向けた課題について
【項目】
1.ドクターヘリの運航について
①運航調整委員会の設置、②出動基準の作成、③運航要領の作成、④ランデブー
ポイントの選定、⑤研修・訓練の実施
2.人員の確保について
3.搬送体制について
①搬送先病院の設定、②搬送の考え方、③研修・訓練の実施
4.運営体制について
5.施設整備について
①通信施設、②駐機場、給油施設等、③初度調弁
6.他県との連携について
<課題1>ドクターヘリの運航について①-1
①運航調整委員会の設置
○運航調整委員会設置要領の制定
(内容)
・組織
・業務
・委員、委員長・副委員長
・開催
・オブザーバー
・下部組織
(準備段階)ドクターヘリ運航調整作業部会
ドクターヘリの運航に関して特に必要な事項(「運航要領」、
「運航ハンドブック」等の案の作成)について事前に検討・協議
(導入後)ドクターヘリ症例検討会
ドクターヘリが出動要請を受けた症例の事後検証
(構成員)
消防、医療関係者 等
・事務局
事業主体(基地病院が主。県主体、県と基地病院の共管、等の形態もあり)
<課題1>ドクターヘリの運航について①-2
①運航調整委員会の設置(つづき)
○委員として考えられる関係機関・・・事業の円滑な運営の観点から想定
【医療】県医師会、公的病院長協議会
【消防】市町消防局、消防本部
【搬送先】救命救急センター、ヘリポート保有病院 等
【国】国土交通省(航空管制、空港利用、海難救助 等関係者)
総務省(無線関係)
【警察】富山県警察本部(交通規制、救助関係 等)
【教育】県教委(教育担当、教育施設担当)、私学所管部署
【運航会社】
【基地病院】(※県立中央病院を想定)
【その他(道路管理)】中日本高速道路㈱
【県】消防部門(知事政策局)、医療部門(厚生部)
※近隣県と共同運航を行う場合には、当該共同運航県の関係
機関を委員に加える。
<課題1>ドクターヘリの運航について②
②出動要請基準の作成
・消防の指令室 (119番通報直後)、救急現場、転院搬送のそれぞれにおいて
出動要請基準を作成
・ドクターヘリの出動要請は、キャンセルを許容
※全国のH25実績(H25.6月医務課調)・・・キャンセル率 約11%
回答のあった37機の出動要請件数18,936件のうち、キャンセルは2,086件
・基準作成機関・・・ドクターヘリ運航調整委員会
下部組織(ドクターヘリ運航調整作業部会)で案を検討・協議のうえ、委員会で決定
・素案作成
消防機関との連携を密にしながら、作業に先立ち他県の事例を用いて勉強会を行う
などして本県での運用の課題を洗い出し、適切な基準づくりに努める必要がある。
・他県との共同運航を行う場合
共同運航県の現場で混乱が生じないよう、配慮が必要。
※近隣先行県の出動要請基準・・・別紙資料のとおり
<課題1>ドクターヘリの運航について③
③運航要領の作成
<基本的な考え方>
関係機関の相互協力のもと、ドクターヘリを安全かつ円滑で効果的に推進するため必要な事項を規定。
(骨子イメージ(素案))
・基地病院 富山県立中央病院
・搭乗人員 最大7人 ・・・機長(操縦士)1、整備士1、医師1~2、看護師1、患者2(最大)、付添者1(最大)
・運航時間 当面、8時30分~17時15分もしくは日没30分前 ※視界不良時及び夜間は運航しない。
・出動対象地域 富山県内全域 ※他県との共同運航を行う場合は、当該県の一部を含む
・運航基準
(1)出動要請基準
119番通報受信時または救急現場で医師による早期治療を要すると判断した場合
※重症度の判断基準・・・「キーワード方式」(近隣県の例を参照)
(2)搬送先指定医療機関
患者の受入可能な病院を「搬送先指定医療機関」として指定。ただし、基地病院は常時受け入れられるよう体制
整備。搬送先はドクターヘリ搭乗医師の判断による。
(3)離着陸場所の選定と安全確保
・出動要請した消防機関は、基地病院通信指令室と協議のうえ、別途定める離着陸場一覧のうちから、最も適し
ている場所を選定。当離着陸場所の管理者への使用の連絡は消防機関と通信指令室が協力して行う。
・離着陸場所の安全確保、砂埃の飛散等防止の措置は出動要請した消防機関が対応するものとするが、やむを
得ず消防機関の協力を得ることが困難な場合であっても、離着陸の最終的な安全確認ができる場合には、ドク
ターヘリの機長の判断で離着陸できる。
・費用負担
(1)基地病院は、医療保険制度等により、救急現場等での治療に伴う費用については、患者又はその家族に請求
(2)ドクターヘリ搬送にかかる費用については、患者又はその家族には請求しない。
<課題1>ドクターヘリの運航について④
④ランデブーポイントの選定
○消防機関から候補地の推薦を得て、運航会社の現地調査を経て選定
(運航要領に「ランデブーポイント一覧」を掲載)
○ランデブーポイント候補地の推薦基準(素案)
・位置的に、救急隊とドクターヘリの会合に有利であると思われる場所であること
・地域住民にとってわかりやすい場所であること
・航空法上の基準を満たすと思われる地形・面積を有する場所であること
※ヘリポートの防災対応基準、一般基準を念頭におき、「35m×35m以上の平面がある場所」及び「15m×15m
以上の平面があり、障害物が少ないと想定される場所」に該当する場所の中から推薦いただくことでどうか)
(例)
・消防防災ヘリのランデブーポイント(県内69箇所)
・市町村指定避難場所のうち、一定程度以上の面積を有するもの
等
○選定のための現地調査
(対応案)
・運航会社が消防機関の協力を得て現地調査を実施
・航空法上の基準、アクセス状況、ヘリ発着周辺の影響等を実地調査し、適地を選定
○ランデブーポイントの管理者への説明
(対応案)
消防機関の協力を得て、運航会社及び実施主体(県または基地病院)で対応
<課題1>ドクターヘリの運航について⑤
⑤研修・訓練の実施
【研修等】
ドクターヘリ搭乗医師、看護師に対し、ドクターヘリ及びドクターヘリでの医療行為への理解を
深めさせるとともに、ドクターヘリと基地病院との無線連絡(医療業務用無線)を可能とするた
め、基地病院は以下の講習等を計画的に受講させる必要がある。
・ドクターヘリ講習会 等
・第3種陸上特殊無線技士養成講習(=免許取得)
【訓練】
・ ドクターヘリ運航前に、全消防機関及び関係機関(基地病院、搬送先指定病院 等)を対象
に、実際にドクターヘリを使用して実施
ドクターヘリ運航調整委員会で協議のうえ、訓練期間及び内容等を決定
(訓練の主な内容(素案))
通信訓練、救急隊とドクターヘリとの会合、患者搬送訓練 等
・訓練シナリオ等の作成(案)
今後、関係機関と協議しつつ、具体的内容を決定
・訓練期間及び実施時期・・・関係機関と協議のうえ設定
(他県の状況)
岐阜県・・・運航開始前3か月間で地域ごとに1日をあて、実施
<課題2>人員の確保について
【要件】
基地病院において、365日の運航に対応できる人員(医師・看護師)を確保すること
・現在の医師、看護師の勤務体制に支障を及ぼさないこと。
・救命救急センターの医師、看護師の技量の維持向上に配慮した搭乗体制を組めること。
・突発的な事態の発生時には救命救急センター所在の医師がヘリと無線交信し、出動中に起きた重大
な事故等へのスムーズな対応を指示できる体制を組めること。
・ドクターヘリに関する知見を有する者が一定程度確保されていること。
⇒ 全国的には、フライドドクター、フライトナースを各5名程度以上確保している例が多い。
【参考:他県の基地病院の例(H26.6全国調査(医務課))】
・フライトドクター、フライトナースを各5名以上確保している病院
回答のあった36病院中
30病院(83%)
・搭乗医師・看護師の技量維持向上等への配慮
週当たり搭乗日数の目安の設定(他の日は、基地病院で通常勤務)の状況
(回答 39病院)
目安を設けている例
11病院
目安の例・・・(1日/週)4病院、(1.5~2日/週)4病院、(3日/月)1病院
目安を設けていない例 28病院
※このうち、搭乗医師・看護師を各5人以上確保している病院・・・23病院
<課題3>搬送体制について
①搬送先病院の選定(運航要領に規定)(案)
○基地病院
○「搬送先指定病院」としてあらかじめ指定された病院
(指定基準※他県の例)
ヘリポートを保有し、患者の受入れが可能な病院
消防との連携が取れており、患者搬送が可能な病院 等
○状況に応じ、上記以外の病院に搬送できる旨を運航要領に規定している
例もある。
②搬送の考え方(案)
・基地病院は、最終的に全ての患者を受け入れる体制を整えておく必要がある。
・全国的には、ドクターヘリ搭乗医師の医学的判断により適当な病院への搬送する
ことを原則としている。また、患者やその家族の意向も尊重し、搬送先を決定して
いる例がある。(基地病院のみを搬送先病院としているのは2例のみ)
・転院搬送について、出動要請は消防機関を経由する。
③研修・訓練(案)
・運航前訓練において、救急隊と基地病院の医師・看護師及び搬送先指定病院との
意思疎通・円滑な連携に資するよう、シナリオ等を工夫
<課題4>運営体制について
(1)県内病院からの医師等の応援(案)
・ドクターヘリの安定的な運航のため、基地病院は医師等の確保に努める必要がある。
・基地病院以外の病院から、自院の救急医療体制を確保しつつ、ドクターヘリ運航に関
し医師の応援の意向があった場合等には、基地病院で受け入れられないか。
<参考:他県の基地病院の状況>
他の医療機関からの医師の応援の有無: 有・・・19病院、無・・・19病院
※応援の主な理由:「地域全体で事業運営」、「マンパワーの強化」
(2)救急医の確保・育成のための研修受入れ(案)
・県内救急医の確保・育成のため、ドクターヘリ事業を県全体の財産として位置づけ、
若手医師の研修に活用できないか。
・研修を希望する病院は、基地病院と連携をとりながら研修プログラムを作成
・他県ではドクターヘリ出動の頻度が1日当たり1~2回であることも考慮しつつ、プログ
ラムが実効性のあるものとなるよう研修期間、研修内容等を検討する必要がある。
(3)基地病院スタッフとの交流(研修・訓練等)(案)
・ドクターヘリの適切な運用のため、上記(1)の応援医師及び(2)の研修医については、
基地病院のスタッフとの連携が不可欠であることから、出動に先立ち研修や実地訓練
など、「運航前訓練」とは別に、基地病院スタッフとの交流の場を設ける必要がある。
<課題5>施設整備について
①通信施設(工事等にあたっては、運航会社との調整が必要)
(内容)
有線通信関係:気象情報収集装置、ホットライン専用電話・回線、屋上ライブカメラ 等
無線通信関係:航空無線工事、医療業務用無線機、連絡用トランシーバー 等
備付け都書類:県下一円地形図、全国地図、管轄消防本部連絡資料、ヘリポート全地点地図
事務関連機器等:パソコン、時計、事務机、ロッカー 等
②夜間駐機場、給油施設等
(案の1)当分の間、富山空港等の既存施設を利用して運航
(案の2)当初は富山空港等の既存施設を利用し、将来的には基地病院に整備
<参考:他県の例>
夜間駐機場 :基地病院に整備・・・19病院、基地病院以外で確保・・・19病院
給油施設 :基地病院に整備・・・29病院、基地病院以外で確保・・・7病院
③初度調弁(医療機材等)
・ドクターヘリ搭載医療機器
患者監視モニタ、人工呼吸器、除細動器、シリンジポンプ、ポータブル吸引器 等
・常備医薬品及び診療材料
・被服類・・・フライトスーツ、ヘルメット
<課題6>他県との連携について
【連携の形態】
○相互応援
隣接都道府県の双方がドクターヘリを配置し、一方のヘリが出動中に別の出動
要請があった場合で、対応可能である時に、他方のヘリが出動。
※基地病院間が近距離で、相互に県域を一定程度カバーできる場合、相互応援のルール化により
医療提供体制の一層の充実が可能
○共同運航
ドクターヘリの飛行範囲にあらかじめ他の都道府県の地域を含み、当該飛行
範囲の中でヘリが出動。
※基地病院間が遠距離で、かつ一方のドクターヘリの運用に際し無理のない飛行距離で他県の一部
を含めることが可能な場合、共同運航により、効率的な医療提供体制の構築が可能
<参考:近隣県の動向>
新潟県: 1機導入済み(新潟大学医歯学総合病院)。 現在、2機目導入につき検討の動きあり。
石川県: H25.10消防防災ヘリのドクターヘリ的運用を開始。
現在、ドクターヘリの導入につき検討中。
長野県: 2機導入済み(佐久総合病院、信州大学医学部附属病院)。
岐阜県: 1機導入済み(岐阜大学医学部附属病院)。
県立中央病院を基地病院とした場合の近隣県との位置関係
【新潟県】
50㎞圏内
(ほぼ含まれず)
70㎞圏内
70㎞
糸魚川市周辺
【石川県】
50㎞圏内
金沢市の一部、羽咋市、かほく市、
中能登町、宝達志水町、津幡町、七尾
市の一部、志賀町の一部
H
70km圏内
50㎞
金沢市全域、内灘町、野々市市、白
山市の一部、川北町、能美市の一部、
七尾市全域、志賀町の一部、穴水町、
能登町の一部
【長野県】
(北アルプスがあり飛行困難)
【岐阜県】
50㎞圏内
飛騨市の一部、白川村の一部
70km圏内
飛騨市全域、高山市の一部、白川
村の一部
H
・・・富山県立中央病院
近隣県ドクターヘリ(仮定含む)との位置関係
新潟県、岐阜県、富山県(仮定)、石川県
(仮定)の基地病院から50㎞圏及び70km圏
の状況
<基地病院(仮定含む)>
新潟県・・・新潟大学医歯学総合病院
岐阜県・・・岐阜大学医学部附属病院
富山県・・・富山県立中央病院(仮定)
石川県・・・石川県立中央病院(仮定)
2.ドクターカーの運用の拡充について
ドクターカーの運用の拡充について
○ドクターカーの3分類(厚労省)
①ワークステーション方式
・病院内に消防の救急隊と救急車が待機
②ピックアップ方式
・消防の救急車が病院で医師等を拾う形で現場に出動
③病院救急車方式
・病院が自己車両を運用
ドクターカーの運用の拡充について
【全国の運用状況】(H26.6医務課調
回答43道府県(政令市による回答含む))
※病院や市単位で独自に取り組まれ、実態の詳細の把握は困難とする道府県が多い
(運用形態と回答道府県数)
・ワークステーション方式 ・・・ 11道県
・ピックアップ方式
・・・ 10道県(※本県含む)
(うち救命救急センター以外の病院も参画 3県)
・病院救急車方式
・・・ 25府県
(うち救命救急センター以外の病院の参画
・上記のうち、複数の方式で運用
11府県)
・・・ 11道県
(運行時間の例)
毎日24時間 ・・・ 16道県、毎日日勤帯・・・4県、平日日勤帯・・・12府県、
その他の運行時間(特定の曜日・時間、ドクターヘリが出動しない時間帯 等) ・・・ 5県
県内のドクターカーの運用状況
○全医療圏において、消防からの要請に基づき
医師が救急車に搭乗して現地に向かう「ピッ
クアップ方式」の取組みを始めている。
・医師派遣に関する協定等は3消防本部で締結
・医師派遣のルール等が明文化されていない
場合であっても、状況が許す限り協力する
こととしている。
○医師出動実績(平成25年)
8件
(H26.4医務課調)
ドクターカーの運用の拡充について
【各方式の検討】
①ワークステーション方式
【課題】
・ワークステーションから現場が遠い場合
に、救命措置が従来より遅れるおそれ。
消防署(病院敷地内または隣接)
②ドクター
カー出動
①119番
通報
④初期の
治療を施
しつつ病
院へ搬送
「ドッキング
ポイント」で
会合
⇒遠方の場合には最寄りの消防署から現場
に救急隊を出場させ、適当な「ドッキングポ
イント」でドクターカーと会合させることで、
弱点を克服している例がある。
⇒県全域運行の実施には、数多くの拠点整
備が必要
・運転手の確保が困難、スタッフ不足
⇒運用には、病院側にも相当の体制の整備(救急
医の確保等)が必要
救急
現場
③現場活動
【特徴】
・消防と病院の連携がスムーズ
・医師の同乗が確実
・本県では、病院に隣接する救急拠点が現在
無く、運用しようとすれば拠点の新設が必要。
最寄りの消防署
ドクターカーの運用の拡充について
【各方式の検討】
②ピックアップ方式
②医師派遣要請
消防署
③救急車出場
(医師ピックアップの
ため連携病院へ)
①119番
通報
連携病院
④医師を搭乗
させて救急現
場へ
⑥初期の治療
を施しつつ病
院へ搬送
【特徴】
・既存の資源を活用(新たな拠点整備が不要)
・対応できる病院が多くなれば、広範囲での運
用が可能。
【課題】
・医師のピックアップのため、救急隊が直接現場
に向かうよりは現場到着時間が長くなる。
・病院側が医師派遣要請に応じられる範囲での
運用となる。
⇒本県全域で効果的に対応しようとすれば、
・救急医の確保
・連携する病院の増
・医師を派遣しやすくなる環境整備
(消防-病院間の医師派遣のルールを定めた協定締結等)
救急
現場
⑤現場活動
を進める必要がある。
ドクターカーの運用の拡充について
【各方式の検討】
③病院救急車方式
①119番通報
消防署
救急
現場
②救急車出場
(ドクターカー要請と同時)
③現場活動
④初期の治療を施し
つつ病院へ搬送
②ドクターカー
出動
ドクターカー
基地病院
受入先病院
(主としてドクターカー
基地病院か)
【特徴】
・病院が独自に車両を保有
・救急隊の関与は現場での患者引渡まで。
・現場で医療行為のみを行い患者を搬送し
ない「ラピッドカー」を導入している例がある。
【課題】
・医療スタッフ、運転手の確保
・病院で独自に車両を導入する必要がある
が、国支援が限定されている(民間の救命救
急センターのみ)
⇒ ・救急医はじめ運営スタッフの確保
が必要
・全県をカバーするには、多くの拠点を
整備する必要がある。
・救急車購入財源の拡充が必要
ドクターカー 各方式の比較
項目
内容
医療行為
の開始
ワークステーション
方式
ピックアップ方式
(本県で実施中)
病院内に消防の救急
隊と救急車が待機
消防の救急車が病院で医
師等を拾う形で現場に出
動
現場到着直後
現場到着直後
病院救急車方式
従来の救急車
(医師搭乗なし)
病院が消防の要請を受け、自
己車両で出動
消防の救急隊が
対応
現場到着直後
病院収容後
病院収容
時間
ドクターカー基地の位 医師ピックアップ病院の位
置により影響を受ける。 置により影響を受ける。
他の方式よりも時間を要
する。
ドクターカー基地の位置により
影響を受ける。
(現行通り)
体制整備
上の課題
・医師、看護師の確保
・新たな救急隊、救急
車及び通信機能の確
保
・広範囲で効果を得る
ためには拠点等を多く
持つ必要
・医師、看護師の確保
・ドクターカーの購入、運転手の
確保
(現行通り)
・医師、看護師の確保
・医師の現場出動ルール
の明確化(消防、病院間
の連携が重要)
・広範囲で効果を得るため
には拠点等を多く持つ必
要
(国庫補助は公立でない救命救急セ
ンターのみ対象。対象経費は車両購
入費、運転手人件費
国1/3、県1/3補助)
・広範囲で効果を得るためには
拠点等を多く持つ必要
・ドクターカーは、救急車と比べて医療行為の開始が早まる点にメリットがある。
・県全域に展開する場合、相当数の拠点もしくは会合地点の設定が必要(消防・病
院間の緊密な連携が必要)
・ピックアップ方式を除き、人員面、経費面の負担が大きい。
ドクターカーの運用の拡充について
【本県でのドクターカーの運用にかかる課題 まとめ】
・ドクターカーで全県をカバーする体制を整備しようとするときは、救急医の確保が不
可欠
・ワークステーション方式については、拠点を新たに整備する必要がある。
・ピックアップ方式については現在実施中であるが、消防と病院とが一層連携する
ため、医師派遣等ルールの明文化の推進など、取り組むべき課題がある。
・病院救急車方式について、救急車購入に関し、国支援は限定的
【将来に向けて(案)】
・ドクターヘリの導入を契機として、今後、救急医の育成等に取り組み、県内の救急
医療体制の充実に努めていく。
・当面はピックアップ方式の運行を拡充を目指す。
⇒ 消防及び病院の取組みが推進されるよう、支援策を検討
・ワークステーション方式、病院救急車方式については、ドクターヘリの導入効果
及びピックアップ方式の運行状況を見ながら、研究を行っていく。
Fly UP