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1.戦争観念の変遷 (1)日常茶飯事の時代 ・・・「戦争」が明確に意識され
≪板書2≫ 1.戦争観念の変遷 (1)日常茶飯事の時代 ・・・「戦争」が明確に意識されていなかった (2)正当戦争論の時代 ・・・神学の影響で正しい戦争と不正な戦争に 区別(差別)した (3)無差別戦争観の時代 ・・・判定不可能のため、戦争を区別(差別) しないことにし、戦闘方法を中心に法規 を形成した (戦時国際法⇒交戦法規・中立法規) (4)侵略戦争違法観の時代 ・・・侵略戦争は違法であるとした (自衛権の行使と国連活動のみ合法) 2.問題点⇒第二次世界大戦(WW2/World War 2) の終了を境に(3)から(4)に急変したのは なぜか?・・・きっかけは東京裁判? (1)独立後の米国の中立政策 ⇒ヨーロッパにおける WW2 ⇒英国の陥落寸前状態 ⇒米国政府による秘密裏の援助 ⇒マスコミによる暴露の危険 ⇒国民に対する説明(自己正当化) ⇒侵略戦争が違法化されていると主張 ⇒国民の同意による参戦 ⇒戦勝と戦後処理問題 (2)違法行為に対する処分は裁判 ⇒他の戦勝国は無差別戦争観を前提 ⇒米国政府の主張と矛盾 ⇒「平和に対する罪」の創設 ⇒東京裁判の成立 (3)結論⇒侵略戦争違法観の成立は米国の自 己正当化であった 3.日本の戦争責任に関する学説・反論・提案 ≪学説≫ (1)日本有罪論 ⇒東京裁判は戦前に既に存在した戦争違法化を 収斂させた(侵略戦争の違法化は慣習国際法と なっていた) (2)日本無罪論 ⇒東京裁判は刑罰不遡及原則(罪刑法定主義) に反する(慣習法の成立要件は存在しない) ≪反論≫ (1)は法論理的に無理がある。事実と異なる ゆえに認められない。 (2)は法論理的には成立するが、現実との整 合性が無い。(北方領土の返還請求など) ≪提案≫ 上記矛盾を解消し、現実との整合性を求めるに は、東京裁判を法外の革命と理解するしかない ⇒東京裁判革命説 4.指導者責任観の採用 かつては国民責任(国家指導者は無答責) ⇒多大な国民への負担 ⇒戦勝国への憎悪と軍拡による戦争再発(無差 別戦争間に立脚) ⇒戦争責任を国家指導者(個人)に限定するこ とで戦勝国と敗戦国国民(兵士を含む)も被害 者となる ⇒指導者責任観による戦犯の処罰