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4月号 思考は母語を通して深まっていく

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4月号 思考は母語を通して深まっていく
平 成 27( 2015) 年 4 月 1 0 日 ( 金 )
4月号
文責 校長 藤永福子
THE JAPANESE SCHOOL OF NEW YORK
THE GREENWICH JAPANESE SCHOOL
思考は母語を通して深まっていく
ご入学・ご進学おめでとうございます!
本年度も、職員一同、お子様の教育に一生懸命取り
組んでまいります。
本年度の学校教育目標は、下に記載しております。
波線の部分に特に重点を置きます。
学校教育目標
心身共に健全で、自らを高めていく意欲とた
くましく生きる実践力を身に付けた国際性豊か
な児童生徒の育成を図る。
めざす児童生徒像
1 進んで学習し、最後までやりぬく気力をもつ児
童生徒
2 思いやりの心をもつ児童生徒
3 健康な体をもつ児童生徒
4 アメリカ社会を理解し、国際性を身に付けた児
童生徒
本年度学校経営6つの重点と18の努力点
1
安全・安心な学校づくり
① 教職員の危機管理意識の向上(報告・連絡・相談・記録)と施
設・整備の安全管理(安全点検)
② 児童生徒への安全教育の充実(避難訓練の充実等)
③ 美しくて安心できる学校・学級づくり(事故の発生しない学級
づくり、人権教育の徹底、心を豊かにする環境づくり)
④ 保護者から信頼される学校・学級づくり(学校・学級便り・ホー
ムページの活用、学校評価の活用、学校公開等)
2
確かな学力の向上を図る教育活動
① 基礎基本の定着、日本語教育の充実(論理的な話し方、文
章の書き方の指導(起承転結、序論・本論・結論等)
※ 意見には常に理由を添えるように指導する。
② 問題解決能力の育成(問題解決過程を通る授業づくり)
③ 英語教育の充実(指導計画の見直し・研修の充実・英語
検定のレベル向上)話せる英語を!
④ 進路指導の充実(全学年で進路指導、キャリア教育の実
施)
3
豊かな心の育成をめざす教育活動
① 自己肯定感の醸成(プリンシパルアワードの効果的活用)
② 喜びと感動を味わう活動・体験 (校外学習・学校間交流・異
学年交流・スポーツ交流・外部講師の招聘等)
③ 道徳教育の推進( 日本人としての道徳観の醸成、異学年交流等)
④ いじめ・不登校ゼロへの取組(生活実態調査の実施等)
4
体力の向上を図る教育活動
① 新体力テストの実施と課題解決に向けた取り組み
②
5
健康、体力づくりのための環境づくり
特色ある教育活動
① 特別支援教育の充実(研修の充実、教育相談の充実)
② アメリカ社会の理解と国際性の育成
6
教師が自らを磨く研修の充実
① 校内テーマ研修の全員授業、日常の授業の工夫
② 現地校の授業見学・学校訪問等の研修
先日、フリーペーパーの教育相談欄に、「現地校と
日本人学校とどちらを選ぶか、迷っています。」とい
う内容の相談が記載されておりました。
我が子の教育は親の責任ですので、最終的には保
護者の選択になりますが、私は、米国滞在が3、4
年間位までの短期であれば、母語(日本語)での教
育を選ぶべきだと思っています。
なぜなら、言語は知的活動(論理や思考)の基盤
であるとともに、コミュニケーションや感性・情緒
の基盤でもあるので、言語に関する能力を高めてい
くことが重要だからです。言い換えれば、思考は言
語を通して深まっていくからです。特に、言葉をど
んどん習得していく小学校時代には、日本語を母語
として確立させていくことが必要なのです。
今は、日本国内でも英語の重要性が叫ばれ、英語
学習熱が高まっています。世界の共通語として、英
語は重要です。それを否定するものではありません。
私も英語が流暢に話せたら、世界が広がるであろう
と思います。従って、母語を確立しながら、第二言
語としての英語を学習させるようにしたら良いと思
います。そのような理由から、本校では、初等部で
週4時間、中等部で週5時間の英語学習を取り入れ
ています。本年度は、英語科主任のバッテンフェル
ドを中心に「話せる英語」に重点を置いて指導を行
っていきます。言語習得は、子供本人のやる気と努
力次第でもあります。
本校には、2学期始めに現地校から多くの9年生
が編入してきます。本校は、日本国内での高校受験
の際、一般入試と帰国生枠の入試と両方の受験が可
能だからです。帰国生枠は、学校によって滞在年数
の条件があります。現地校から編入してきた9年生
は、概ねとても優秀です。日本の高校の一般入試を
受けようと思っている子供達ですから、現地校に通
学していても、塾やサタデースクール等で日本語を
勉強しています。大変な努力を積み重ねてきていま
す。しかし、社会科はほとんど学習しておりません
し、理科・数学も現地校とは進度が異なっており、
それらを埋めていくのが大変です。また、現地校が
長ければ英語は流暢に話せますが、日本語、特に敬
語は不確かになる子供が多いようです。
さて、本校を選んでいただいた、その期待に応え
ることができるように、本校では子供達に日本語で
しっかり考える思考力を高めていきます。また、自
分の考えをしっかり表現できる日
本人の育成も重要だと考えており
ますので、恥ずかしがらずに堂々
と発表できる機会を工夫していき
たいと考えています。
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