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松江工業高等専門学校 技術室 平成 17 年度事業報告集
松江工業高等専門学校 技術室 平成 17 年度事業報告集 (2005.4 ~ 2006.3) 第5号 2006 年 3 月 技術室への期待 校 長 宮 本 武 明 技術室の事業報告集も今年で第5号となりました。本校の教育・研究 活動年報(Annual Report)の発刊に遅れること僅かに1 年で、毎年その年の活動状況を報告してくれています。全国的にもこの ような技術室による報告集の発刊は類をみません。この間の技術室の意 識の改革と活動の活性化・高度化はこのシリーズ集を見ていただくと明 らかですが、目を見張るものがあります。他高専の技術室の在り方のお 手本となっていると聞いておりますが、学校の長としてこれほどうれし いことはありません。 国立高専も大学と同じく昨年度独立行政法人となりましたが、大学と は異なり、55の国立高専が一つの法人となった訳ですから、高専間の 競合はこれからより厳しくなり、学校の個性化と教育・研究の高度化が求められています。現在の日 本の産業構造は高品質、低コスト、均質を追求する「プロセス・イノベーション」から消費者が本当 に必要とする新しいものを作り出す「プロダクト・イノベーション」へと移っていますが、この変化 は高専教育に置き換えても同様で、画一的な技術者を育成するのではなく、21世紀型の企業が求め る質の高い創造的技術者を養成していかなければなりません。それには、創造的技術者の育成という 観点では、大学よりも下位の高等教育機関ではないという自負と自信も必要です。 上記の目的を実行していくためには、実験・実習・実技などの体験重視型の教育の質的向上が強く 求められますが、教育の現場で、この体験重視型の専門教育を直接受け持ってくれているのが技術職 員の方々です。したがって、これからの高専の技術者教育に果たす技術職員の役割は益々重要になっ て来ます。 幸い、本校の技術職員は平成13年度に機能する技術者集団として組織化され、現在実践教育支援 センター(昨年までのテクノ教育支援センターを改称)として活発な教育・研究活動を展開してくれ ています。その活動内容をまとめたのがこの報告集です。その活動の多彩さとすばらしい成果に敬意 を払うと同時に、トップクラスの国立高専を目指して頑張っている本校の発展の一端を着実に支えて くれていることに感謝申し上げたいと思います。実践教育支援センターが単なる教員の下請け組織で はなく創造的に機能する技術者集団として益々発展して行くことを念じております。 ご挨拶 実践教育支援センター長 福 間 眞 澄 高専の設置目的は「創造的かつ実践的な技術者の育成」です。この目的は、授業を通じた知識の蓄 積と実験実習や卒業研究を通じた実践的な体験によって初めて身に付くものと考えられます。教育は、 「豊かな人間性の上に、知識の蓄積と創造力の涵養を行うこと」であると考えています。高専の特長 は、知識の蓄積と創造力の涵養をバランスよく組み合わせた教育であり、その特長が生かされて、初 めて高専教育の目的が達成できると考えています。重要な点は、単に若年からの専門教育を行うこと ではなく、有機的な技術者教育のできるカリキュラム編成と教育指導体制を持つことであると考えて います。 実践教育支援センターは、その創造性や実践力を涵養する有機的なカリキュラムを支援する組織で なければなりません。この考えに立ち、実践教育支援センターは、教育支援組織としての位置づけを 明確にするために、テクノ教育支援センターから実践教育支援センターに名称変更を行いました。 平成16年度はセンターの研修会を通じて実践教育支援センターの在り方について議論しました。 今年度は、その研修会の結果を踏まえ、本センターが教育の領域で学校全体に貢献できるように、そ のセンターの組織を活用して学校全体の実験実習に関する質的向上と効果的な実験実習費の執行を センターの業務に加えました。質的に高い実験実習を行うためには、単独の実験実習を行うのではな く、系統だった実験実習を行う必要があります。この第一歩として実験実習の構成や目的を明確にす る必要があります。この具体策として、これまでは学科もしくは教員単位で行っていた実験実習の指 導書を改定し、取りまとめ、教科書として印刷製本し、学生に提供しました。これにより、各実験実 習の問題点やカリキュラムの問題などが明らかになってきています。この取組は実験実習の質的改善 のきっかけになりました。センター員の質的向上にも積極的に取り組んでいます。学生に対してより 質の高い実践的な技術を教育するためには、民間企業での技術を体得しなければならないとの考えか ら新人のセンター員の一名が自ら希望し、3ヶ月の民間研修を地元企業で行いました。センターの今 年度の研修会は「実験・実習等支援業務の取組と課題」をタイトルにセンター員全員が自ら担当する 実験実習での支援上の問題点を議論しました。また、今年度からは、学校全体での実験実習費の管理 をセンターで行うようにしました。全体から見て予算が必要な実験実習項目に予算を配分し、関連す る実験実習については資材を共有化するなど、効率的で効果的な予算執行が本センターにより僅かな がらできるようになりました。 法人化の目的は、本校の設置目的を達成するために、組織や業務の見直しを進め、効率化と教育の 質的向上を目指すことでもあります。今後も学生の立場に立った教育支援に軸足を置き、一層の改革 を進めることがセンターの任務であると考えています。 ご挨拶 「技術室開設 5 年間を振り返って」 技術室長 小松原 祐二 本校に技術室が開設されて、早や 5 年間が経過しようとしています。「機能する技術集団・松江オ リジナル」を追求し、奔走に明け暮れた束の間の歳月であったように思います。この5年間は、室員 相互の意識改革とコミュ二ケーションの構築をめざし、技術室会議・技術室研修会・年次事業報告集 等を通じ、常に点検と検証を行い、年々の技術室業務を既成の業務として積み重ねてまいりました。 また、室員の日頃からの自己啓発の成果である科研費(奨励研究)の採択件数も8件を数え、他にも 資格取得等で技術室のグレードを確かなものとしつつあります。 特に独法化により、産学連携等による社会貢献が謳われ、教員の負荷業務も一段と増大してきまし た。こうした状況下で、技術室も必然的に学校運営の一助を担うべきであると判断し、技術室の理念 に基づいて今年は新たに下記の業務を追加決定しました。 各学科の実験実習管理業務(予算・時間割・実験指導書作成業務を当室が担うことで、学科の負担 軽減) ・試験監督業務(非常勤講師手当の経費削減) ・学内行事の協力(スキー訓練のスキーメンテナ ンス)等であります。また、地域貢献の一環として3年前から取組んでいる中学生を対象とした「学 校開放事業」では、今年は新たに3テーマを開講し、定員オーバーとなる盛況振りでした。もう一つ は、室員が積極的に県産業振興財団等の研究会に所属しコミュニケーションを構築した結果、産業振 興担当の市町村職員を対象に「製造現場に関する基礎的知識の啓蒙」を目的に「公開講座」を開講し ました。これも定員を超える盛況ぶりで「是非来年も…」と島根県から要請を受けているところです。 一方では、このような取組みが評価され、昨年度の関東信越地区高専技術職員研修会(東京高専)、 及び今年度は当地区の高専技術室長等会議(東京高専)に講師派遣依頼を受け「松江高専の現状」を 紹介できたことは、非常に光栄なことであったと思います。 この様に、当技術室が確かな歩を続けることができたのは、技術室創設時から有に陰に支えて頂い た宮本校長を始め、関係各位の絶大なるご理解とご協力があったからであります。宮本校長は、今年 度限りで退官されますが、正直いってこれからが「技術室にとっても正念場」であると言っても過言 ではありません。 今後は、「変わることが、進歩すること」をモットーに、常に時代に対応した意識改革と技術室の 理念を堅持し、時代にマッチした業務の改善に努め、必ず「必要とされる技術室」を完成させたいと 思っております。 最後に、関係各位の一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 目 次 技術室への期待 【校長:宮 本 ご挨拶 【実践教育支援センター長:福 間 ご挨拶 武 明】 「技術室開設 5 年間を振り返って」【技術室長:小松原 眞 澄】 祐二】 昌春】…………………………………………… 1 トピックス ◎コンクリート供試体用クラッシャー(粉砕機)の開発研究 …………… ◎技術職員の民間企業派遣研修の実施について …………………………… ◎島根県産業振興担当職員対象の公開講座について ……………………… ◎実験実習管理業務と定期試験監督業務について ………………………… 3 4 5 6 はじめに【評価委員会:川見 各委員会報告 ◎支援委員会【支援委員長:内村 ◎研修委員会【研修委員長:福田 ◎評価委員会【評価委員長:川見 技術室の取組み ◎民間企業研修 ………………………………………………………………… 27 技術職員民間企業研修を終えて ………………………………………………………………… 29 ◎学校開放事業 チャレンジ!電子工作 竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう! 金属加工に挑戦しよう! 町の鍛冶屋・たたいて作ろうレターオープナー ◎技術相談 ……………………………………………………………………… 34 山間地の水流を利用した発電の可能性について ◎その他の取組み 和弘】…………………………………… 8 恭司】…………………………………… 15 昌春】…………………………………… 24 ……………………………………………………………… 34 石積みアーチ橋の制作支援 エコラン活動報告 工作機械研究会との関わりについて 平成 17 年度奨励研究報告 ………………………………………………………… 38 斐伊川流域の砂鉄分布および「たたら」の再考 【山本 誠司】 ネットワーク認証システムを用いたキャンパスワイド無線 LAN システム 【岡田 康】 平成 17 年度出張報告 ……………………………………………………………… 41 平成 17 年度技術室会議議事録 …………………………………………………… 45 スタッフ紹介 ◎新人紹介 ……………………………………………………………………… 49 ◎今年度を振り返って、来年度への抱負 …………………………………… 50 ◎各種資格・技能講習受講状況 ……………………………………………… 54 資料集 ◎松江高専実践教育支援センター規則 ……………………………………… ◎松江高専実践教育支援センター運営委員会規則 ………………………… ◎組織図 ………………………………………………………………………… ◎技術室運営に関する内規 …………………………………………………… ◎写真集 ………………………………………………………………………… ◎新聞記事等 …………………………………………………………………… 編集後記 …………………………………………………………………………… 68 【表紙について】 上 :学校開放事業の「竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう!」より 中左:「第 4 回技術室職員研修会」の1コマ 中右:学校開放事業「チャレンジ!電子工作」の製作風景 下 56 58 59 60 63 67 :学校開放事業で作成したデジタル時計 背景:技術相談「山間地の水流を利用した発電の可能性について」の水車設計図 はじめに 評価委員会 川見 昌春 平成 13 年 4 月に産声を上げてから今までの 5 年間、技術室は「必要とされる組織、機能する技術 集団」を目指して様々な活動を行ってきた。しかし、今日のような変革期を迎え、さらに技術職員問 題が浮上する中、我々技術職員の真価がさらに問われる時代となっている。技術室も 5 年という節目 を迎え、意識改革も少しずつ浸透してきたように感じられるが、まだまだ未熟な部分が露呈する場面 も見受けられる。過去の評価に甘んじず、より良い仕事をする気持ちと常に前進する気概を持って活 動する意欲が今後も必要である。これらのことを鑑みつつ、今年度の活動について振り返ってみる。 まず今年度の技術室業務の中で特筆すべき事項は、今までの教育支援を越える実験実習全般の管理 業務が付加されたことである。これは時間割作成への関与から始まり、指導書の作成、さらに実験実 習費予算の調整・執行が全て技術室の業務として執り行われた。まさに高専教育の目的である実践的 技術者育成の根幹とも言える実験実習の運用管理が、技術室に任されていることを物語っている。今 までの教育支援、技術支援、製作依頼も件数の増加とともに内容の高度化も進んでいるが、支援委員 会を中心に技術室が一丸となって処理することが出来た。このほかに非常勤教員経費削減を目的とし た定期試験監督の業務も引き受けるなど、本校のために尽力している。定例の学校開放事業も本年度 は技術室独自で 3 件行ったが、前年度に定員割れを起した反省から積極的な募集を行った結果、3 件 ともに定員を超える応募となり充実した成果が得られた。また初めての事業として島根県からの依頼 による産業振興担当の県・市町村職員対象公開講座の開講、さらに地域共同テクノセンター主催の技 術相談会に積極的に参加するなど、地域貢献にも一役買っている。 技術室全体の研究活動としては、前年度に引き続き「コンクリート供試体用クラッシャーの開発研 究」が校内のプロジェクト研究費を取得し、今年度は実用機を目指して現在も開発を続けている。ま た奨励研究の取り組みも申請 10 件に対し 2 件が採択された。さらに、技術室研修会においては室員 全員が実験実習に対する個人発表を行い、各室員の考えや取り組みなどの理解とコミュニケーション の構築に大いに役立った。 そして今年度は新たな取り組みとして、3 ヶ月間の民間企業研修に技術職員 1 名を派遣した。これ は法人化を踏まえて、特にこれから技術室ひいては松江高専を背負って立つ若手職員に民間企業の意 識・ノウハウを吸収させ、今後の業務に積極的に取り込むことを目的としている。今後も継続して行 うことになるであろう。 このように大切な時期に残念であるが、来年 3 月には技術室をここまで牽引して頂いた 2 名のベテ ラン職員が退職される。いわゆる 2007 年問題は本校にも確実に迫っている問題であり、後を引き継 いでいく職員は技術だけでなく、さまざまなノウハウを短期間で吸収できるかどうかがこの 1 年の課 題でもある。技術室の盛衰もこのあたりに潜んでいるのではないだろうか。 最後に、日頃の技術室の活動にご理解とご協力を頂いた多くの方々に深く感謝の念を奉じるととも に、事業報告集第 5 号の発行にあたりご協力いただいた方々に御礼申し上げる次第である。 1 トピックス 1. コンクリート供試体用クラッシャー(粉砕機)の開発研究 2. 技術職員の民間企業派遣研修の実施について 3. 島根県産業振興担当職員対象の公開講座について 4. 実験実習管理業務と定期試験監督業務について 2 コンクリート供試体用クラッシャー(粉砕機)の開発研究 報告者: 小松原 祐二 1.経緯と概要 コンクリート試験等で排出されるコンクリート供試体は産業廃棄物であり、これを扱う全国の研 究機関(大学・高専を含む) ・生コン会社等はこの処理に苦慮している。本校(土木工学科)でも、 これ等コンクリート廃棄物の処理費(約年間 15 万円)を無用に費やしている。このような状況下 で標記クラッシャーが完成すれば、コンクリートの再生骨材化や処理費の削減にも役立つ。また、 室員がプロジェクトとして、当機器の開発研究に取組み完成させることは知的好奇心の高揚、技術 のスキルアップ、及び技術室の組織基盤の再構築にも繋がる。こうした経緯から、昨年度の課題の 克服を目的に引き続き今年度も、 「コンクリート供試体用クラッ シャー(粉砕機)の開発研究」と題し、学内公募型「プロジェ クト研究費」を申請し、採択を受けた。 昨年度の 1 号機の課題として、①.供試体(Ф15cm×30cm)1 個当りの粉砕時間が長い(5分以内)②.供試体押さえ部分が 5cm 程度残る。③.機器の粉砕時の騒音が大きい 等が挙げら れた。 現在これ等の課題克服と、平成 18 年 6 月の完成をめざし開発研究中である。 以下、前年度・今年度の申請書を掲載し、今後の技術室の「プロジェクト研究」の一助となるこ とを期待したい。 2.平成 16 年度申請書 3.平成 17 年度申請書 3 技術職員の民間企業派遣研修の実施について 報告者:小松原 祐二 1.経緯と概要 技術室が開設されて今年 4 月で 4 年が経過した。開設当初 14 名在籍していた室員は、定年退 職・転出等で 12 名となり、この内の3名が新規採用者であった。 経験豊富な退職者5名に比べ技術の実践経験の浅い 3 名は、技術指導に於いて即戦力とはなら ず 1 年間位の見習い期間が必要である。また、昨年の独法化により実践教育に伴う一層の安全管 理の徹底、業務の効率化、産学連携等による地域貢献のあり方についての必要性が問われるよう になった。 このような状況下で、技術室員を民間企業に派遣しその業務を体験させることにより、技術職 員としての更なる資質の向上を図ることを目的に、標記研修を企画立案した。 研修期間は、夏季休業前後 2 週間を含む 3 ヶ月とした。研修室員は、30 歳以下の者とし 1 班 奥原 真哉 を起用した。研修派遣先は、研修者の専門性及び当研修の趣旨に協力頂ける企業を 探すのに苦労したが、幸いにも「IT 関連企業で機器製作工場」を備えた、本校卒業生の就職先 でもある「小松電気産業株式会社」に承諾を得た。また、当社には、この研修受け入れ(3ヶ月 間)に際して「オリエンテーション・設計・板金・溶接・塗装・配線・組立て・仕上げ・補修・ 受注登録・工場指示業務・レポート等」の研修カリキュラムの準備、及び各項目ごとに研修指導 者(11 名)を配置頂き非常に有益な研修を実施させていただいた。 なお、特筆すべきは、今回の研修を終えた最近の奥原の姿勢を見るとき「物事に対する自信と 積極性が加わり、一段と頼もしく感じる」のは筆者だけではないだろう。 2.松江工業高等専門学校技術系職員民間企業派遣研修実施の目的 独立行政法人への移行を契機として、松江工業高等専門学校の技術職員を民間企業に派遣し業 務を体験させることにより、民間企業における実践的技術や業務運営の手法・コスト意識・サー ビス精神・安全管理の徹底等の重要性を学び、今後の職務に反映させることを目的とする。 3.民間企業派遣研修を通じて学ぶべきこと 民間企業での業務を体験することにより、日頃から、学校運営に不足していると言われる下記 の事項についての意識の啓蒙を図る。 ①.効率的・合理的な業務の運営方法と安全管理 ②.業務を推進する上での柔軟な発想方法 ③.競争原理とコスト意識 ④.業務における OA 化の推進 ⑤.顧客意識と顧客サービス(接遇) 4 島根県産業振興担当職員対象の公開講座について 報告者:小松原 祐二 1.経緯と概要 技術室の産学官連携の一環として、島根県商工労働部産業振興課・しまね産業振興財団が中心と なり、県内の機械金属製造業者で組織している「工作機械研究会」及び「金型研究会」に当技術室 も参画している。このような関わりから県産業振興課の要請により、産業振興を担当する県職員・ 市町村職員を対象とした公開講座「機械工作法における金属加工技術」を実施した。これは日頃、 産業振興を行政側から支援している当該職員に「製造現場に関する基礎的な知識の啓蒙」を目的と したものである。 2.受講者 午前:27名 午後:22名(使用機器の関係上) 3.講師 講演(機械工学科) :坪倉 公治・郡原 宏 実習指導(技術室):山本 誠司・本多 将和・泉 大樹・奥原 真哉・福田 恭司 内村 和弘・山崎 肇 4.内容 午前 10 時からの開校式に続いて、機械工学科の坪倉教授による「機械工作法の基礎」と題して 1時間程度の講演と、技術室員による測定器・旋盤・フライス盤・ホブ盤・研磨盤・ボール盤・CNC 工作機械・CAD・CAM 等の使用説明を行い、午後から受講者 22 名による金属加工実習「文鎮製作」 を行った。 5.まとめ 今回初めて技術室で当公開講座を企画したが、非常に反応は大きかった。小中学生を対象とした 学校開放授業は、数年前から開校し指導は慣れているものの、一般社会人については初めてで緊張 感が漂った。しかし、時間が経つにつれてほぐれ、テキパキとした指導ができ非常に良い体験をす ることができた。また、終了後の受講者のアンケートでは、ほぼ全員が「次回も是非このような公 開講座に参加したい」と答え、異口同音に満足感と感謝の気持ちが綴られていた。後日、県産業振 興課からも、この公開講座全体についての敬意と感謝の礼状が届き、スタッフ一同の更なる自信に 繋がった。 5 実験実習管理業務と定期試験監督業務について 報告者:小松原 祐二 1.背景と概要 独法化により産学連携による地域貢献が求められるようになり、一層の教育研究の質的向上と高 度化の必要性が生じてきた。一方では、運営交付金の年々減少する状況下で、法人化のキーワード である「個性化・活性化・教育研究の高度化」を推進し、地域社会から必要とされる地域密着型の 松江高専となるよう切磋琢磨していかなければならない。 こうした中で、学科及び教員は益々多忙を窮めるようになり、当技術室としては、多少なりとも この様な負荷の軽減を図ることにより上記目的を達成する一助として、積極的に標記事項の取組み を開始した。 2.実験実習管理業務 実験実習管理業務とは、カリキュラム上の実験実習に関する指導書の管理・実施計画・経費・ 実験室及び機器の管理・レポートの管理・FD・その他の実験実習に関する業務をいう。これ等の 業務は、支援委員会の指示により各班の室員が細部の業務を担当する。 ①.実験実習の指導書の管理に関すること(学科・学年毎にとりまとめ、製本・印刷・販売) ②.実験実習の実施計画に関すること(時間割作成は教務委員会と調整、学科ではない) ③.実験実習の経費に関すること(各学科の実験実習経費を調整し予算要求・予算の執行) ④.実験実習に関する実験室・実験器具及び設備の管理(保守に関する費用等の要求) ⑤.実験実習レポートの管理に関すること(JABEE・第三者評価の受審資料) ⑥.実験実習の FD に関すること(評価) ⑦.その他の実験実習の業務に関すること 以上のような管理業務を実施した結果、学科負荷の軽減・実験実習費の大幅な軽減と効率化(各 学科が横断的に使用する共通実験室等)を図ることができた。今後も更なる問題点の検証と改善 を図り、当業務の安定化を保持していきたい。 3.定期試験監督業務 厳しい財政状況に対応する一環として、非常勤講師手当の本校持ち出し約 200 万円の軽減を図 ることを目的に当業務を受諾した。これは事前に教務主事より、詳しく試験監督上の留意事項に ついての説明と質疑応答を行い、室員の啓蒙を図った。こうした状況下で、前期試験監督を無事 終了し、現在後期試験中である。 6 各委員会報告 1. 支援委員会【支援委員長:内村 和弘】 2. 研修委員会【研修委員長:福田 恭司】 3. 評価委員会【評価委員長:川見 昌春】 7 支援委員会 支援委員長:内村 和弘 支援委員会:原 誠治・内村 和弘・本多 将和 1.はじめに 今年度も引きつづき「よりよい支援の充実」を目標として、各支援業務の取りまとめを行ってき た。今年度より、教育支援、製作依頼、技術支援の他に、実験実習の管理業務(トピックス参照) が新たに加わった。内容は、時間割、実験室、各学科間の調整、予算などである。非常に重要な役 回りであるが、室全体のバックアップもあり、何とか取りまとめとしての役を果たせたのではない かと思っている。 各支援業務は、全体的に依頼業務の増加や、複雑化による負荷が増加している。教育支援に関し ては、1週間あたりの実験実習担当時間が前年度と比較して平均1時間程度増加した。これはカリ キュラムの変更や実験内容の変更によるものと推測される。 製作依頼、技術支援に関しては、全体的に依頼数が増加、内容も多様化している。これらの内容 は、教育、研究、校内の業務効率化、構内整備に関すること等である。中でも、特に例年と違うも のは、製作依頼の中で情報系の依頼が増加したことである。この内容は、主に Web を利用した申し 込み用のシステムであり、事務関係、校内の委員会、オープンキャンパス等に利用された。今後、 需要が増えてくることも考えられる。また、これらのシステム開発により、校内の業務効率化にも 貢献出来たのではないかと考えられる。 支援アンケートに関しては引き続き行い、各支援業務に対する評価の参考資料とした。 2.教育支援 今年度は、昨年度と同様に教育支援の配置、調整を行った。 昨年度と比べ担当時間合計で週当たり14時間の増加となった。新人を除き最多6時間増加が一名 あった。 前期、後期分の支援計画表を表1、表2に示す。 3.製作依頼 今年度は56件(2月10日現在)依頼があった。数的には昨年度と同じであるが、内容は情報 系が増加し、機械系もより複雑なものが増加、時間的にも増加傾向にあった。 このほかとして、昨年度はアンケートの中で行っていた評価を納品時に行うことに変更し、質の 向上を目指した。評価の結果は、アンケート報告のところに示す。 依頼の中で今年度増えたのが情報系の依頼である。内容は、web を利用した申し込みのシステム で、以前に川見技術専門職員が作成した技術支援依頼の申し込みシステムと類似のものである。依 頼件数は6件であり、このシステムにより校内の業務効率化にも貢献した。 その他は昨年度と同様に、研究、卒業研究に関した機械部品関係が多く、1班の担当がほとんど であった。加工内容は放電加工機、NC 工作機械による特殊加工、旋盤、溶接など、内容は、研究、 8 卒研、ロボコン関係の特殊加工等などであった。 室員全員による作業としてはロボコンフィールドの作成を行った。 製作依頼の詳細については表3に示す。 4.技術支援、その他の支援 依頼数は 26 件あった。(2月8日現在)昨年度より 11 件増加した。 内容は、研究、学生活動(ロボコン、プロコン等、エコラン等)、学校開放事業関係などである。 詳細については表4を参照されたい。 5.アンケート報告 各支援業務に対してアンケートを行った。対象は、教育支援については教員のみ、その他の支援 については教員、事務部も含む。 昨年と同様、教育、技術支援に関したアンケートは前期、後期2回行った。評価は5段階評価で 行った。 製作依頼については、納品時に依頼者に評価してもらう形で行った。 それぞれの項目の結果は以下の通り。 ○ 教育支援について 前期、後期に1回づつ、計2回実施。実験テーマごとにアンケートを実施。 回答数 ○ 69件/68科目(依頼数) 17年度 評価 大変良い 77% 良い 21% 普通 1.4% 16年度 大変良い 87% 評価 良い 12% 製作依頼について 回答数 51件/57件 6件は製作中。 評価の出ている51件につき集計。 ○ 17年度 評価 大変良い 94% 良い 0% 16年度 評価 大変良い 91% 良い 9% 普通 6% 技術支援について 回答数 21件/28件(依頼数) 17年度 評価 大変良い 65% 良い 35% 16年度 評価 大変良い 64% 良い 36% 回収率は、昨年度と比べ1.5倍~2倍(支援別に収集したものがあるため)に増加した。これは、 アンケート方法の改善、教員の認知度、またスタッフの努力によるものである。また、回収率が上 がったため昨年度よりも状況を反映したものになったと考える。 製作依頼、技術支援に関しては、依頼件数や、アンケートの回収率を見ると、昨年度のレベルをキ 9 ープしている。個人的見解では、依頼内容を考慮すると評価がアップしていると感じている。しか し、製作依頼に昨年度の評価にはなかった「普通」が6%出ている。このことに対しては、納品時 に評価をしてもらうシステムに変更し、製作者にフィードバックして、修正を促すことで対応した。 教育支援については、昨年度の評価と比較すると、「良い」以上の割合で考えるとほぼ昨年度と同 じであるが、 「大変良い」の数値が10%下がり、昨年度はなかった「普通」の項目が1件あった。 楽観的に考えると、あまり問題無いようであるが、教育支援は技術職員として最も重要な業務であ り、評価が落ちることは技術職員として考えなければならない大きな問題である。早急に原因を追 究し、改善していかなければならない。 コメント欄には、共通工学実験室、機器の運用についての要望、工具などの充実の要望、実習工 場の時間外使用の質問、実験指導書についての要望などがあった。これらには、センター長、室長、 支援委員で対応し、説明、修正をそれぞれに対して行った。そのほかのコメントはお礼等が多かっ た。 引き続きこのようなアンケートを行い技術室のサービス向上に役立てて行きたい。 山本 月 火 水 木 金 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 本多 泉 1班 奥原 奥田 山崎 川島 川見 2班 内村 池田 岡田 小松原 3班 原 福田 J1テクニカル D1電子基礎 D1電子基礎(*) D1電子基礎 J3プロ D4実験 M3実習 M3実習 M3実習 M3実習(*) M3実習 M3実習 E4実験 1-2情報(衣笠) C3測量学 C3測量学 C3測量学 E4実験 D5実験 C5卒研 1-4情報(戴) E3実験 E3実験 E3実験 J3演習 C2測量学 C2測量学 C2測量学 J3実験 C4実験 C4実験 1-3情報(箕田) E2実験 E2実験 M3創設 E2実験(*) M3創設 M3創設(*) M2実習 M2実習 M2実習 M2実習(*) J2実験 J2実験 1-5情報(寺本) E3情報 D3実験 C3測量学 C3測量学 C3測量学 J2実験(*) 1-1情報(加藤) M2実習 M2実習 C5実験 C5実験 E2情報 J4プロ言 D3創設(*) D3創設 D3創設 C2測量学 C2測量学 C2測量学 J2プロ D3創設 E5電デザ J2プロ(*) E5電デザ(*) C5卒研 (*)研修 表 1.17年度教育支援計画表(前期) 10 山本 月 火 水 木 金 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 M1機基 実 本多 M1機基 実 泉 1班 奥原 奥田(非) M1機基 実 M1機基 実(*) 山崎(非) M1機基 実 M3実習 M3実習 M3実習 M3実習 D2実験 D2実験 M4実験 D2実験 D2実験 2班 内村 池田 E3情報 J3アルゴ E1電気 製作実 J1テクニ D1電子 カルR&W 制御基 E1電気 製作実 川島 川見 E4実験 D4実験 J3実験 D2実験 3班 原 福田 C2測量 C2測量 C2測量 C3測量 C3測量 C2測量 C2測量 C5実験 C5実験 C3測量 C3測量 岡田 小松原 D1電子 制御基 E4実験 C5卒研 D2実験 J3実験 演習 C2専特 演 2年共通 2年共通 衣笠 衣笠 E2情報 M3創演 M3創演 M3創演 D3実験 D3実験 C2測量 M2実習 M2実習 M2実習 M2実習 M2実習 M2実習 E3実験 E3実験 EJ2実験 E3実験 EJ2実験 EJ2実験 J4プロ 言 C3測量 C4実験 D3創設 EJ2実験 D4創設 D4創設 C4実験 D3創設 D3創設 D4創設 EJ2実験 EJ2実験 J2プロ グ 1-5専特 1-5専特 演(箕 演(渡部 D4創設 J2プロ グ 1-5専特 1-5専特 演(箕 演(渡部 C5卒研 ※:研修 表 2.17年度教育支援計画表(後期) 表 3.17年度 製作依頼一覧表 受付 受領年月日 依頼先 番号 H17.4.13 数理科学科 1 使用目的 (研究題目等) 掲示板取り付け 担当 技術班 担当者 1班 山本・奥原・ 奥田・泉 3 H17.4.27 庶務課 学術情報係 学生委員会 4 H17.5.12 数理科学科 ホワイトボード壁取り付け 学生連絡用 H17.5.31 電気工学科 フランジ他 ロボコン H17.6.3 電子制御工学科 H17.6.9 電子制御工学科 立ち上がり介助システム 椅子フレーム 立ち上がり介助システム ステイ 立ち上がり介助システムの 1 班 本多 開発研究 立ち上がり介助システムの 1 班 本多 開発研究 8 H17.6.13 環境・建設 水路用固定台、板 学生実験用 3班 原 9 H17.6.14 電気工学科 フランジ ロボコン 1 班 奥原 10 H17.6.14 電気工学科 プーリー ロボコン H17.6.13 施設管理委員会 H17.6.16 電子制御工学科 2 5 6 7 H17.4.25 製作品名・加工品名 11 12 HP 会議室予約システム ロボコン競技フィールド 庶務係 HP により予約状況を 2 班 川見昌春 公開し、職員利便性を図る ロボコン2005校内対決 全員 全員 製作 1 班 山本・奥原 1班 奥田・本多・ 泉・奥原 1 班 奥原 電気錠解除申し込み受付シス 時間外における扉の電気錠 テム 解除申し込みを受け付け て、設定するオペレーター 2 班 川見昌春 に提示し、かつ記録を残す WEB 上のシステム ブラケットの穴あけ 卒研 1班 泉 11 受付 受領年月日 依頼先 番号 H17.6.16 人文科学科 13 14 15 16 17 使用目的 担当 担当者 (研究題目等) 技術班 ホワイトボードの移動・壁へ 研究室での学生指導等 1 班 山本・山崎 の取付 掲示用ボ-ドの取り付け 学内(学生,教職員)への 1 班 山本・奥原 掲示のため 製作品名・加工品名 H17.6.16 電気工学科 H17.6.2 電気工学科 掲示板掲揚(3棟3階) H17.6.24 テニス部顧問 ガ ッ ト 張り機修理(天板製 部活 作・オーバーホール) H17.6.30 電気工学科 フランジ H17.7.4 電子制御工学科 高専ロボコン参加マシン用フ ロボットパーツ ランジ 18 掲示のため ロボコン 1 班 山本・奥原 山本・泉・奥 原 本多・泉・奥 1班 原 1班 1 班 本多 H17.6.20 広報委員会 H17.7.7 電子制御工学科 H17.7.7 機械工学科 支柱とフランジのねじ切り H17.7 施設管理委員会 エアコン時間外利用受付シス テム 2 班 川見昌春 H17.7 機器整備委員会 公開機器開示システム 2 班 川見昌春 H17.6.30 機械工学科 ノズル部品 衝撃風洞を用いた超音速流 1 班 本多・泉 れに関する研究 H17.7.15 機械工学科 風車ディフューザ用ツバ 専攻科特別研究 H17.7.19 電子制御工学科 27 H17.7.13 機械工学科 28 H17.7.1 庶務課 山本・奥田 スイッチ・ボックス穴あけ加 学校開放事業で使用するス 工 イッチ・ボックスの穴あけ 1 班 加工 軸 ロボコン 1 班 山崎 公用車使用予約システム 公用車利用の管理効率化 2 班 川見昌春 H17.8.8 電気工学科 H17.8.29 電気工学科 H17.9.22 環境建設工学科 H17.9.22 教務委員会 現代 GP・地域産業論看板 現代 GP・地域産業論開校式 3 班 福田 用の看板の製作 H17.10.17 電気工学科 切断治具 プラスチックファイバの切 1 班 本多 断治具として用いる 34 H17.10.14 機械工学科 試料取り付け部品 卒業研究の実験 35 36 H17.10.6 H17.10.19 電気工学科 機械工学科 バトン持ち上げ機 弁の作成 ロボコン 曲がり管出口部の断面加工 特別研究 37 H17.10.1 機械工学科 測定部蓋 衝撃風洞の試作 H17.10.19 AO 委員会 1班 泉 中学校向け CD 表面のデザイ 中学校訪問の際の、松江高 内村 2班 ンと印刷 専宣伝用 CD H17.10.25 電子制御工学科 軸受けホルダー からくり技術の研究 19 20 21 22 23 24 25 26 29 30 31 32 33 38 39 オープンキャンパス参加申し オープンキャンパスの参加 込み受付システム を各中学教諭が web から申 2 班 川見昌春 し込めるようにするため 高専ロボコン参加マシン用ブ 高専ロボコンマシン製作 1 班 本多 ラケット 熱伝導率測定装置 1 班 泉・奥田 1 班 本多 オープンキャンパスミニ授業 オープンキャンパスミニ授 2 班 川島・内村 用基板 業用基板 剃刀電極 卒業研究 (線―平板電極 系における空間電荷分布計 1 班 泉 測) 重錘落下による衝撃応答実験 卒業研究の実験 1班 泉 装置 重錘 12 1班 泉 1班 泉 1班 泉 1 班 本多 受付 受領年月日 番号 依頼先 製作品名・加工品名 使用目的 (研究題目等) 担当 技術班 担当者 H17.11.2 電子制御工学科 太陽電池パネル設置台の設計 太陽電池の特性評価試験 と製作 1 班 本多 2 班 内村 41 H17.11.11 電子制御工学科 ネジ棒 からくり技術の研究 1 班 本多 42 H17.11.11 電子制御工学科 押し棒 からくり技術の研究 1 班 本多 H17.11.15 機械工学科 熱伝導率測定試料 定常法熱伝導率測定に関す 1 班 本多 る研究 H17.11.11 H17.11.17 電子制御工学科 電 子 情 報 シ ス テ 歯車 ム工学専攻 界面検出器の開発 1 班 本多・泉 視覚障害者支援自律移動ロ 1 班 奥原 ボットに関する研究 H17.12.13 環境・建設工学科 締固めモールド H17.12.16 H17.12.20 電気工学科 電子制御工学科 三つ又 webカメラ用防水ケース H17.12.21 機械工学科 熱伝導率測定試料 卒業研究の実験(締め固め 1 班 本多 た土の透水性) 計測システム製作の部品 1班 泉 太陽電池の特性評価試験 1、2 内村・本多 班 卒業研究 1 班 本多・奥原 H17.12.22 学生課 掲示板 入試合格者発表のため 小松原・原・ 1 班 山本・福田・ 3 班 本多・奥原・ 奥田 H18.1.10 電気工学科 ワイヤーソーによる溝形成 光部品実装の研究のため 1 班 本多 H18.1.12 機械工学科 原付レール部溶接 車椅子利用者が単独で乗降 1 班 本多 できる原動機付自転車 H18.1.10 電子制御工学科 ターンバックル用ネジ棒 H18.1.12 機械工学科 歯車におけるキー溝加工 卒業研究(虚弱者用立上り 1班 泉 介助システムの開発研究) 車椅子利用者が単独で乗降 できる原動機付自転車 1 班 本多・奥田 55 H18.1.26 電気工学科 ワイヤーソーによる溝形成 光部品実装の研究のため 1 班 本多 56 57 H18.1.26 H18.1.31 電気工学科 機械工学科 カプラー 曲げ試験片 卒業研究のため 曲げ強度測定 1班 泉 1 班 本多 40 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 表4.17年度 受付 受領年月日 番号 技術支援一覧表 依頼先 依頼者 支援内容 担当者 H17.4.14 機械工学科 高尾 学 波力発電用衝動タービンの設計・製作 H17.4.14 施設管理委員会 飯塚育生 コピー機利用状況表示システムの開発 H17.4.14 機器整備委員会 飯塚育生 4 H17.4.14 施設管理委員会 飯塚育生 機器管理と学内外への利用促進を図るための 川見昌春 ホームページ設計 コピー機の設定とユーザー管理 第二班 5 H17.4.18 H17.4.23 機械工学科 機械工学科 郡原宏 高尾学 7 H17.4.23 機械工学科 高尾学 エコラン技術指導 本多将和 タービン試験におけるデータサンプリングシ 泉大樹 ステムの構築 遠心加圧ポンプの設計製作 奥田眞一 8 H17.4.26 電気工学科 別府俊幸 専攻科特別実験に関すること 1 2 3 6 13 本多・奥田・泉・ 奥原 川見昌春 原・福田 受付 受領年月日 番号 9 H17.6.8 10 H17.8.8 依頼先 人文科学科 依頼者 飯島睦美 支援内容 担当者 メタファーテスト支援ソフトの開発(日本人 川見昌春 学生向け) 環境・建設工学科 宇野和男 斜張橋の組み立て支援 H17.9.28 人文科学科 飯島睦美 インタビューテスト評価表コンピュータ版作 川見昌春 成 12 H17.10.3 13 H17.10.6 土木工学科 淺田純作 科展示での橋づくりの技術指導 教務主事 福間眞澄 14 H17.10.6 教務主事 福間眞澄 地域産業論の収録とTV会議システムの準備 福田恭司 機械工学科 藤岡美博 ロボコン支援 川島・川見・内 村・池田 技術室 小松原祐二 モルタルミキサーの変速機の修理 山本・泉・奥原 技術室 山本誠司 「革新的高有機性廃棄物の固液一括処理シス テムの開発」 実プラント化のための発酵分 解処理装置の設計、試作、試験 本多・内村 18 H17.11.2 電気工学科 別府俊幸 シジミ選別装置の搬送部分の開発 泉大樹 19 H17.11.7 機械工学科 新野邊幸市 学校開放事業の支援および制作依頼 山本・福田・泉 20 H17.11.15 電気工学科 別府俊幸 ロボコン用パーツの設計製作 本多・泉・奥原 H17.12.1 学生委員会 学生主事 第2学年合宿研修に伴うスキー用具の点検、 福田・内村・本多 整備 H17.12.8 情報工学科 藤井諭 Ruby 用プログラミング環境の設定 川見昌春 23 H17.12.21 機械工学科 高尾学 ポンプの設計製作 山崎肇 24 H18.1.10 機械工学科 高尾学 波力発電用タービンの開発 奥田眞一 H18.1.10 機械工学科 高尾学 遠心ポンプの開発 奥田眞一 11 15 H17.10.14 16 H17.10.18 H17.11.2 17 21 22 25 JABEE教育目標の掲示 福田恭司 福田恭司 原誠治 26 H18.1.25 環境・建設工学科 金子大二郎 h18 土木学会中国支部研究発表会 HP 開設支援 川見昌春 27 H18.2.2 機械工学科 高尾学 ポンプ用ケーシングの製作 本多・山崎 28 H18.2.10 教務主事 福間眞澄 2006年度シラバス用 WEB 作成 川見昌春 14 研修委員会 研修委員長:福田 恭司 研修委員会:福田 恭司・川島 久明・泉 大樹・奥原 真哉 技術室は、組織化以来5年が経過し、過去の報告集にあるように、ここまでの様々な取り組みによ り当初からは想像できないほどの進化を遂げてきたように思う。 研修委員会においても、その都度室員の現状と技術室を取り巻く環境・状況を把握し、今技術室に とって何が必要なのか議論の末、導き出した方向性に沿って、研修会等の企画を実施してきた。技術 室の動きの中で、室員それぞれの能力・意識の向上のため、自己研鑽の場を提供するといった研修委 員会の担う役割は大きいといえる。 今年度は、これまでの流れを踏まえ「支援業務の充実を目指して」を重点目標に掲げ、技術室の更 なる発展を目指して取り組んできた。 9月13日(火)~14日(水)2日間にわたり実施した技術職員研修会では、新たな試みとして、平 素の実験実習等支援業務の取り組みについて、それぞれの立場で個人発表を行った。続いて、平成1 6年度奨励研究採択者川見昌春氏による技術発表会。1班の指導のもと、旋盤・フライス等を使用し た機械工作。最後に、しまね自然の学校 岡野正美氏による「もの作りから見る子供の育ち」と題し た講演会でしめくくった。いずれも、現状を認識し将来に向かうための貴重な体験・糧となり、有意 義な研修会となった。また、研修会後の議論の中から、室員それぞれの実験実習等支援業務見直しに ついて、次回の研修会で発表・提案するという次年度に向けた方向性も示された。 平成 17 年度奨励研究については例年通り全員が応募し、山本誠司【斐伊川流域の砂鉄分布および 「たたら」の再考】、岡田康【ネットワーク認証システムを用いたキャンパスワイド無線 LAN システ ム】の2件が採択された。平成 18 年度の状況は、別掲「平成 18 年度奨励研究申請概要」の通り。 資格取得の推奨について、研修委員会として具体的な取り組みはなかったが、技術室にとって有意 義な資格を選別してホームページに掲載した。現在の状況は、別掲「各種資格・技能講習受講状況」 の通り。 今年度新たに、研修旅費の管理について研修委員会で担当することとなった。研修旅費の配分につ いては、順番制が定着し現在に至っているところであるが、より効率的な運用と目的意識を明確にす るため、応募制とし、下記「研修旅費の管理について」に沿って運用する。今年度は、泉、本多、福 田、池田、奥原の5名が選考された。詳細は、別記出張報告を参照いただきたい。 研修旅費の管理について ◎ 研修旅費の管理・運用については、研修委員会が中心となって行う。 ◎ 応募に当たっては、申し込み用紙に必要事項を記入の上、研修委員長へ提出する。 ◎ 選考は、研修委員・室長で組織する選考委員会が行う。 ◎ 選考基準:主に、実績・研修目的・研修効果等を考慮して、選考する。 ◎ 研修旅費総額、250,000 円(今年度) ◎ 申請金額の上限は、原則として 50,000 円程度を目安とする。 15 技術室職員研修会 第4回松江高専技術室職員研修会実施要項 ――― 1.目 的 支援業務の充実を目指して ――― 技術室、室員の能力・資質の向上を図るため、本年度の重点目標は、支援業務の充 実・発展を目指すことを目的とする。 2.主 催 実践教育支援センター(技術室) 3.研修期間 平成17年9月13日(火)~14日(水) 4.場 開講式・個人発表会…………(テクノセンター) 所 機械工作………………………(実習工場) 講演会…………………………(テクノセンター) 閉講式…………………………(テクノセンター) 懇親会…………………………(磯万) 5.受 講 者 技術室職員(11名)及び教職員希望者(延べ15名) 6.研修内容 ①個人発表会 テーマ「支援業務の充実を目指して」 ――各自の実験実習等支援業務の取組について―― (実験実習の改善、指導法、学生とのコミュニケーション等) 発表時間:10分程度、質疑応答:5分程度で、全員が発表する。 ②技術発表会 平成16年度奨励研究採択者による報告 川見昌春 研究テーマ「組込みIT技術学習のための基礎実験用教材の開発と試作」 ③機械工作 1班の指導のもと、旋盤・フライス・ボール盤等を使用して、文鎮を製作する。 ④講演会 「もの作りから見る子供の育ち」 しまね自然の学校 代表 岡 野 16 正 美 氏 第4回松江高専実践教育支援センター職員研修会日程表 ◎1日目 時間 9月13日(火) 題 目(場所) 9:00 開講式 内 容 室長あいさつ【小松原 祐二】 センター長挨拶・講話 10:00 個人発表会 福間センター長「本校の技術者教育について」 テーマ 支援業務の充実を目指して -各自の実験実習等支援業務の取り組みについて- 発表時間:10分程度 (実験実習の改善、指導法、学生とのコミュニケーション等) 質疑応答:5分程度 場所:テクノセンター 12:00 1班 山本誠司、本多将和、泉 大樹 2班 川島久明、川見昌春、内村和弘、池田総一郎、岡田 3班 小松原祐二、原 康 誠治、福田恭司 昼食、休憩 13:30 個人発表会 続き 全体討論 14:30 場所:テクノセンター 14:30 技術発表会 平成16年度奨励研究採択者による報告 川見昌春 場所:テクノセンター 14:50 研究テーマ 「組込みIT技術学習のための基礎実験用教材の開発と試作」 休憩、準備 15:00 機械工作 1班の指導のもと、旋盤・フライス・ボール盤等を使用して、 16:30 場所:実習工場 真鍮制の文鎮を製作する。 ◎2日目 時間 9月14日(水) 題 目(場所) 9:00 機械工作 内 容 続き 12:00 場所:実習工場 昼食、休憩 13:30 講演会 「もの作りから見る子供の育ち」 15:30 場所:テクノセンター しまね自然の学校 代表 岡 野 15:30 閉講式 16:00 室長挨拶 小松原祐二 18:00 懇親会 17 正 美 平成18年度奨励研究申請概要 ◎山 本 誠 司 研究課題:小型炉における竹炭を利用した「たたら製鉄」 日本古来の製鉄法たたらは、砂鉄と木炭を原料として鉄を作る技術である。出雲地方は真砂砂鉄を 豊富に産出し、燃料となる森林資源にも恵まれていた。しかし、明治に入り、技術の近代化とともに 衰退した。 近年、奥出雲町横田に日刀保たたらとして復元され、伝統技術が引き継がれ、全国の刀匠に玉鋼が 供給されている。たたら製鉄については数多くの研究がなされているが、竹炭を使用したものはあま り見当たらない。たたら製鉄の燃料となる森林資源は、近年、松は松くい虫の被害に遭い、雑木林は 植林され杉や桧に代わった。 竹は、地下茎を横に這わせ食用となる「筍」を地上に出し、その後2~3ヶ月で成長しきって、その 後数十年は伸びない。このため、竹林を維持するには間引きを行うなど管理しなければならないが、 切り出しても再生産性が高いので、環境への影響はあまりない。竹炭は生活の中で、暖房、調湿、消 臭、土壌改良、健康生活用品等に多量に使用されている。 本研究では、小型たたら炉を作り、簡易釜を製作して竹炭を焼き、「たたら製鉄」を行う。また、 木炭との比較を行い、炉内の温度分布、鋼の組織観察、分析をおこない竹炭での可能性を調べる。 ◎本 多 将 和 研究課題:低燃費ガソリンエンジンの研究と教育用教材の製作 環境問題が大きく取り上げられるようになった近年、乗用車の「省エネ化」が注目されている。 現在、燃料電池自動車・電気自動車など従来の化石燃料を必要としない乗用車が数多く研究・ 開発されているが、これら新しいタイプの乗用車には技術的な問題の他に、「開発に多くの費用 がかかり、販売されたとき高価になってしまう。」事や、「燃料の一般的普及が難しい。(ガソリ ンスタンドからの移行問題)」と言った、消費者から見た問題点も数多く存在するため、未だ実 用化か難しく普及率が乏しいのが現状である。 現時点では、限りある資源を有効に使用するための、より効率の良い原動機が求められている。 本研究では比較的構造が簡単で、普及率の高い「原動機付き自転車」に着目し、さまざまな観点か ら改良・開発を試みるための実験装置を開発する。開発した実験装置を利用して、より効率の良いシ ステムを研究すると共に、本研究で開発した実験装置を学生実験等で流用し、将来技術者になる若者 達に内燃機関への理解を深めさせると共に、環境や省エネに対する問題を具体的に考えるきっかけを つくる。 18 ◎泉 大 樹 研究課題:重油炉を使ったアルミ廃材のリサイクル 本校では、ロボコンや卒研などにアルミ材料を使用しており、それに関連して多量のアルミ廃材が 出る。そのアルミ廃材は、現在業者に引き取ってもらっているが、これをリサイクルできれば経費の 節減や資源の節約になる。 本校の実習工場には、アルミ溶解用の重油炉があり、鋳造の環境は整っている。そこで、この重油 炉を使ってアルミのリサイクルを行おうと、昨年アルミ廃材からインゴットを試作した。ところが、 できた製品には内部に小さなスがたくさん入っており、品質に問題があった。この欠陥は溶湯に混入 した水素によるものと思われる。 本研究は、この既存の施設を利用した鋳造での鋳造欠陥の原因となる工程を特定し、改善すること を目的とする。 ◎奥 原 真 哉 研究課題:自律移動福祉ロボットの開発 視覚に障害を持つ人は普段行動している範囲であれば不自由なく行動することができる。しかし、 それ以外の場所で行動しようとするとバリアフリー化が進んだ現在であっても困難を伴う。介護者が 付き添っていたとしても、このような状況は介護者・障害者共に負担が大きい。特に、障害者にとっ ては精神的に大きな負担である。また、白杖や盲導犬を使用して歩行する際も安全に歩行するために は訓練を必要とする。しかも、白杖では路面近くの情報は把握することができるが、空間状況の感知 をするのには十分とはいえない。盲導犬であっても安全に誘導してくれるに過ぎず目的地へ連れて行 ってくれるわけではない。 そこで本研究では、高齢者を支援するための電動車両を改良した自律移動ロボットを開発・試作す ることにより目的地まで安全に自律移動させることを目的とする。この自律移動福祉ロボットの開発 を行うことにより視覚障害者の行動の幅が拡がるだけでなく、他の障害者・高齢者の介護への支援な ど多岐にわたって活用できると思われる。 ◎川 島 久 明 研究課題:小型風車・水車に使用できる発電機の試作 筆者は3年にわたって大学等開放事業で中学生に対して風力発電コンテストを開講している。講座 の概要は、手作りの小型風車を作成して市販の小型モータを発電機として使用し発電量を測定し、コ ンテスト形式で自然エネルギーに興味を持たせるようにしている。しかし、モータに適当なものが無 く、発電量も微弱で実用性が乏しく、事業の発展性を考えたとき、効率がよい小型発電機の開発の必 要性を感じている。市販品にはこのような用途の発電機が無く、使えそうな製品(ユニ・エースポー ル発電機・錦正技研株式会社)もあったが量産されていなく高価で使用できない。また、再生可能な 自然エネルギーの利用の必要性が社会的要請になっている。将来的には、中国山地の河川の豊富な水 19 資源を利用した小勢力水力発電システムに発展させたい。 この事業に使える小型で効率のよい発電機の試作を目的に研究を進める。 ◎川 見 昌 春 研究課題:組込み向け OS を用いた組込み IT 技術の実践的実験教材の検討と試作 身近な生活環境で使うものをネットワークと接続できる「ユビキタス社会」において、組込み IT 技術は必要不可欠な技術であり、今後の日本の産業技術において重要な分野になると思われる。しか し、現在の高専教育においては、まだ直接的なテーマとして取り上げられていることが少なく、実験 実習等での実践的な組込み技術者教育も未整備という状況である。 そこで本研究では、組込み IT 技術の実践的教育を目的とする実験用教材の開発を行う。平成 16 年度の奨励研究課題において基本的な組込み技術学習用の基礎実験教材開発を行ったが、標準化が進 みつつある組込み IT 技術として各種のリアルタイム OS を用いた開発プラットフォームを教材に取り 入れることで、より高度で実践的な実験実習が可能になると考える。また、複数の情報端末や制御ボ ードを用意することにより、作成したいと思うシステムを学生自身に選択させる創造的実験スタイル が構築できるような体制を容易に整えられる教材としたい。 ◎内 村 和 弘 研究課題:創造教育におけるマイコン搭載ロボットモデルの開発 私は現在、創造教育として行なっているロボット製作の指導に携っている。内容は学生が、設計、 計算、図面、加工と、すべて手作りで行っている。制御系は手動制御が主で、自動制御系が不足して おり、「リモコンカー」の域である。これらの原因として考えられるのは、低学年で自動制御系の知 識や経験が浅く、時間的に不足していることが上げられる。これらをすべて解決するためには、かな りの時間が必要とされ、なかなか目的を達成し難い。 そこで、教育の中でも「体験先行型」の効果もあることから、自動制御の入門として、体験から 学ぶといった方法で取り組むことは出来ないかと考え、本研究では、体験を主にしたロボット制御モ デル、プログラミング評価装置を開発する。 ◎池 田 総一郎 研究課題:RSS による学生向け情報配信システムの開発 近年、RSS(RDF Site Summary)を利用し更新情報を提供するインターネットのサイトが増えてき ている。RSS とは XML をベースにしたフォーマットで、サイトの内容の要約や見出しを配信するため のものである。RSS リーダーと呼ばれるソフトウェアを利用することで、ブラウザで逐一サイトを訪 れ更新されたかどうかをチェックする手間を省き、更新内容を効率よく自動で取得することができる。 更に、更新内容だけでなく指定した地域の天気予報を配信するなど、個々のユーザーごとにカスタマ イズされた情報を RSS で提供するサービスも出てきており、その用途は広がっている。 20 そこで本研究では、学生に対し、様々な情報を RSS で提供するシステムの開発を行う。現在、多くの 学校では掲示板、ホームルーム等で学生に必要事項の伝達を行っているが、特に学生が直接足を運び 見に行かなければならない掲示板の情報の配信が主な目的となる。インターネットに接続できるパソ コンがあればどこでも必要な情報を取り出すことができるため、掲示板を見に行く手間を省き、学生 にとっての利便性を上げることが可能となる。他にも警報による急な休校の情報配信も行えば、電話 での問い合わせによる混乱をある程度緩和することができるなどの利用法も考えられる。 ◎岡 田 康 研究課題:ネットワーク管理者の知識を反映したサーバインストール用CDの製作 一般に、大学・高専といった教育研究機関では、各組織単位で構築されたネットワーク内において サーバを運営し、インターネットへの接続環境を提供している。 しかし、サーバの構築・管理業務は、ネットワークやコンピュータについての知識だけでなく、 「ノ ウハウ」も必要になっている。このような業務を担当する人員の確保のため、多くの組織では、外部 委託や専任職員を配置する体制を組んでいる。しかしながら、小規模組織では、専任の管理者を擁立 することが困難といえる。このため、サーバ構築・管理については一部の教職員が、他の業務と兼任 しているケースが多く、作業負荷が集中する弊害がある。 一方、近年の PC-UNIX と OSS(オープンソースソフトウェア)を組み合わせた情報教育の普及に伴い、 これに適した環境を構築するシステム開発の研究が行われている。これを用いることで、ネットワー クサーバ構築の際に有用となると考えられる。 以上の観点から、本研究では、PC-UNIX と OSS によるネットワークサーバを容易に構築するためのイ ンストール CD を開発する。 ◎小松原 祐 二 研究課題:廃瓦の色調を活かしたコンクリートの強度特性とその利用法についての検討 「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の社会システムの定着化が進む一方で、地域社会では環境保 全に配慮した循環型社会構築への意識が高まってきている。この廃棄物を「資源として再利用」する ことは、環境への負担の少ない持続的に発展する社会にとって重要な課題であると考える。 例えば、当県の主要産業の一つである瓦製造に於いて発生する廃瓦が、平成 13 年度に「廃瓦の不 法投棄」が指摘され、企業・行政共に対応に苦慮している(廃瓦発生量年間約 5 万㌧)。 また、国内のコンクリート用骨材に於いては、主流であった河川産骨材は枯渇化し、現在使用され ている骨材(山砂・海砂・砕砂・砕石)も品質や採取地の環境保全といった問題から、これ等の骨材 も「有限の資源」との認識が高くなりつつある。 こうした観点から、廃瓦をコンクリート用骨材として再利用することは非常に有意義なことである。 当研究者によるこれまでの「廃瓦についての基礎的研究」から、廃瓦コンクリートは「軽量・高強 度」で有ることを実証した。 これ等を踏まえ今回は、廃瓦骨材コンクリートの色調を活かした強度特性とその利用法について追 21 究する。 当骨材は、密度が小さく、吸水性・透水性が高く、色調が薄い赤褐色である。このような性質を利 用し、一般骨材(砂・砕石)を使用したコンクリートより、軽くて・強くて・自然に調和した柔らか な色彩を醸しだし、従来のコンクリートのイメージを払拭することが予想され、公園等の遊歩道・コ ンクリート二次製品化(L 型擁壁・舗装用タイル・溝蓋・淵石・家屋塀用ブロック等)について、最 適な配合を検討したい。 ◎原 誠 治 研究課題:水質浄化資材としての天然ゼオライト粉末の固化 水は生物の生存にとって必要不可欠のもので環境にとっても重要な要因である。産業の発展に伴い 水質の悪化が進み、影響の大きさから環境保全の必要性が叫ばれ、水環境についての関心の高まりと ともに、今日までに様様な水浄化法が開発されている。 今回、水浄化法として用いようとするゼオライトはその一般的性質として、イオン交換能、分子ふ るい分け作用、触媒作用、極性分子の吸着特性などがあり、これらの特性から水処理、家畜排泄物処 理、土壌改良などの分野に利用されている。 窒素は水域における富栄養化の原因物質の一つとされ、水中において分解、酸化の過程で変化する。 本研究は県内の天然ゼオライトを水浄化資材として利用し、その特性の一つであるイオン交換能によ りアンモニア性窒素を吸着させようとするものである。 ここで鉱物として存在するゼオライトは利用に適するように加工されるが、加工の際に発生する粉 末を浄化資材として利用するために成型固化する。成型方法としてこれまでに粘土の混合による燒結 固化、およびケイ酸ナトリウムと酸を混合し燒結固化する方法を検討してきた。 燒結固化に際して高温燒結を行うとその特性であるイオン交換能が著しく低下するため、より低温 で燒結し浄化資材として必要なイオン交換能を維持しつつ、水中で溶解することなく所要の強度を得 る必要がある。粘土による固化に比してケイ酸ナトリウムによる固化は低温で燒結固化が可能であり、 イオン交換能の低下は少ないようであるが水中に浸漬した場合のpH値が高い値を示す。 今後引き続きケイ酸ナトリウムによる固化条件について検討するとともに、他の固化方法について 検討したい。 固化助剤を用いたゼオライトブロックが水浄化資材として使用可能ならば、加工の際に発生するゼ オライト微粉末の有効利用の一面を持つと考える。 ◎福 田 恭 司 研究課題:雪のドーム型構造物(雪洞)の安定性に関する研究 島根県においては、「過疎」という大きな問題を抱え地域の活性化を目指して様々な取組みが展開 されている。 申請者は、島根県中山間地域研究センター(県試験研究機関)に設立された「野外体験産業研究会」 と共に、継続的にその取組みの一端を担ってきた。本研究会では、グリーンツーリズムに代表される、 22 環境保全あるいは農山村の社会的・経済的復興という考え方をベースに、山間部のマイナス面と思わ れている部分を力とした動きを展開しようとしている。これは、子供達や体験を持たない若者に対し て、『野外体験』の場を提供する事で、その育ち・学びに影響を与え、更に“生きる力”を育むとい った教育的意味合いを含んだものでもある。取組みの実施例として、冬の山間部において、田舎にと って厄介者である雪を使ったスノーケビン(雪洞)を作り、雪の体験が少ない山陽・北九州等、近隣の 都市部の家族・若者をターゲットに雪の中での快適な宿泊体験の場を提供しようとする試行事業を展 開している。 2005 年 2 月には北九州を対象に 2 組の家族を募集し、スノーケビンによる快適な宿泊を体験する というプログラムを試行的に実施した。本年からは民間企業の試行が始まり、積雪地帯の冬季の経済 活動としての期待が高まる。 現在までスノーケビンは、経験的な観点で製作しているが、今後、継続的な事業展開へつなげてい くために安定性・安全性を裏打ちする指標を明確にすることが求められている。 本研究では、雪のドーム構造に着目し、雪の強さ・雪の重量・気象条件等を考慮し、構造物として 安定した強度がどの程度保たれるのか、様々な実験条件によって明らかにしていく。 23 評価委員会 評価委員長:川見 昌春 評価委員会:山本 誠司・川見 昌春・池田 総一郎・岡田 康 1.はじめに 独立行政法人への移行により、評価という観点が今までに増して重要視されている。これまでの 自己点検・自己評価は勿論であるが、外部評価などの新たな評価制度も導入されるようになった。 技術室事業報告集も松江高専自己点検・自己評価書の中に資料として取り込まれ、より広い評価の 対象になっていることを考えたとき、掲載内容の更なる正確さが求められているのではないだろう か。本報告集を編纂する評価委員会としては、これらのことを考慮してより良い内容と正確な記事 を肝に命じて活動を行っていく必要がある。また普段の広報活動として、ホームページの内容や各 部署からの問い合わせに対して「速く・正確・充実」をモットーに対応していかなければならない と考える。 さて、今年度は前年に引き続きホームページの内容充実と、事業報告集への通年取組みを目標に 掲げていた。当初は目標達成の意気込みもあったが、年間を通して見ると例年と比較して然程には 変化が無いのが現状である。今までの経緯を振り返ってみたとき、「充実・向上」の言葉だけが毎 度上げられているが、広報活動の専任委員を配置するなど何らかの抜本的対策が必要ではないかと 痛感した。 今年度は新たな試みとして技術室会議の運営について多少の変更を行った。成果と言えるほどの 実感には程遠いかもしれないが、評価委員会の活動内容を見直す切っ掛けになれば幸いである。 以下に今年度の活動を報告する。 2.活動内容と評価 ○ 技術室事業報告集の発行 技術室の年間業務・活動について集約したものであり、技術室の活動を学内外へアピールする ために大きな役割を果たしている。また技術室全体もしくは室員個々が自己点検・自己評価を行 い、今後の活動の指針と、機能する技術者集団の構築を目指すために重要な資料となっている。 なお、新規または重要な活動についてはトピックスとして特集記事を別に設けるなど、出来る だけ判読しやすい構成になるよう配慮を行った。 ○ 技術室会議の運営 技術室の円滑な業務遂行と報告・連絡等の徹底を考慮し、月 2 回の定例会議を開催した。会議 開催にあたっては事前に議題を記した資料をメールで配布することにより、スムーズな議事進行 を目指した。今年度も引き続き、実践教育支援センター長(教務主事)福間眞澄教授に出席して いただいた。 また、今年度は会議の司会を月毎にローテーションする試みを行った。これは議事進行などを 24 特に若手職員に経験させるためと、会議中の発言を促進させることを目的に行ったものである。 ベテラン・中堅職員と若手職員を交互に受け持たせるなど、若手職員が司会の参考となるような 方法も考慮しつつ実行に移した。1年目ということで成果はまだ実感できていないが、今後も引 き続き行うことで少しでも意識の高揚につながることを願いたい。 なお、議事録の管理は、議事全体の詳細な記録を内部文書として「技術室専用サーバ」で管理 し、ホームページには必要最小限の内容を記した簡易議事録を掲載するようにした。 ○ 予算管理 技術職員研究費として予算配布された技術室経費のうち、共通経費を管理した。 本年度は主に以下の費目を出費した。 技術室事業報告集 実験実習指導書保管用ファイルボックス 事務用品等の消耗品類 ○ 人事記録の管理 室員の人事記録の管理を継続して行った。 勤勉手当率、特別昇給などについても継続して調査を行っている。 ○ 情報公開・広報活動 ホームページ上で活動記録、各委員会報告、技術室会議議事録等を掲載した。年度始めには 月2回の更新を目標に掲げていたが、月1回程度の更新しかできなかった。技術室の活動自体 が低迷しているわけではないので、今後は掲載内容の募集を積極的に行い、わかりやすい構成 と記事で内容のレベルアップを図っていく必要があると思われる。場合によっては専任委員を 配置するなどの措置が必要となるであろう。 25 技術室の取組み 1. 民間企業研修 技術職員民間企業派遣研修を終えて 2. 学校開放事業 チャレンジ!電子工作 竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう! 金属加工に挑戦しよう! 町の鍛冶屋・たたいて作ろうレターオープナー 3. 技術相談 山間地の水流を利用した発電の可能性について 4. その他の取組み 石積みアーチ橋の制作支援 エコラン活動報告 工作機械研究会との関わりについて 26 技術職員民間企業派遣研修を終えて 報告者:奥原 真哉 1.研修期間:平成17年7月15日(金)~10月14日(金) 2.研 修 先:小松電機産業株式会社 松江市乃木福富町735-188 松江湖南テクノパーク内 3.研修心構え 民間企業における業務の体験を通して下記のような事項についての意識の啓蒙と今後の職務へ の反映を図ることをめざし研修を行った。 ① 効率的・合理的な業務の運営方法と安全管理 ② 業務を推進する上での柔軟な発想方法 ③ 競争原理とコスト意識 ④ 製品管理の手法 ⑤ 業務における OA 化の推進 ⑥ 顧客意識と顧客サービス 4.研修内容 研修はシャッター開発、シャッター事業部、水神事業部の各部署に約1ヶ月ずつ、部署の各グル ープに約1週間ずつ配属され様々な業務を体験した。以下に研修の内容を記す。 配属部署 研修内容 シャッター 新型シートシャッターの 開発 開発 シャッター 水神 研修内容詳細 新開発されたシートシャッターの部品製作および実験 板金・溶接 販売されている製品の部品の板金加工 組立 販売されている製品の組立 シート シートの溶着・仕上げ工程の作業 補修部品 補修部品の出荷段取り 受注登録・工場指示業務 代理店からの注文受付、工場への指示に関する作業 現場 シャッターの修理現場、施工現場での作業 板金・塗装 中継ポンプ盤、処理施設制御盤の製作 八雲電装 設計図を元に中継ポンプ盤、処理施設制御盤の配線や組立 現場 ポンプ工事、通信試験も含んだ現場での一連作業 27 5.研修報告 私が今回の研修を通して印象に残っていることは、自分の感想を言う機会が非常に多かったとい うことだった。日頃の生活の中でレポートに感想を書くことはあるが、人前で思ったことをすぐに 表現するということは非常に難しい。朝礼のとき、会議のとき、プロジェクトに携わったときなど、 さまざまな場面で感想を言う機会があった。感想を言うことでその作業を振り返ることもできるし、 作業を淡々とこなしているだけでは感想は出てこないと思う。また表現力も養われ、コミュニケー ションのひとつにもなるように感じた。感想を言う機会を高専での職務の中でも自分から作ったり、 学生にも与えたりしていきたいと思う。 工場や各作業場では改善案のシートがたくさん並んでいるのが目に付いた。どの案も作業の効率 を良くするよう考えられていた。最良の作業方法はなく常に改善の余地があるという考え方は、私 が高専の実習をしている中でも当てはまることだった。学生が理解しやすいような実習、学生がよ り興味を持つ内容の実習を考えていかなければならないと思う。 研修中社員の方々から感じたことに職人(プロ)としての意識ということがあった。より良い品 質の製品をお客様に提供するということ、お客様がこれくらいなら買ってもいいと思う製品の更に 上の製品を提供しようとする考えは、今までに感じたことのないものだった。このような意識を持 って働くということは、仕事の上でとても重要なことだ。どのような仕事でも人との関係、お客様 が相手の場合でも、学生が相手の場合でも、相手が満足のいくサービスを提供することがいい仕事 をすることにつながる。 他社との競争意識、生産上クリアしなければいけない課題など民間企業の厳しさというのを肌で 感じることのできた研修だった。またその厳しい環境の中で常に向上心をもって働かれている社員 の方々のパワーを感じ自分にまだ足りないもの、学生を指導する上でも重要なことを学べたように 思う。 三ヶ月という短い期間ではあったが各事業部の作業だけに限らず社員の方々との交流を通して もいろいろなことを学ぶことができた。社員の方々の個人的な考え方というのを聞くと社会人とし ての勉強にもなったように思う。 この研修で得たもの、得た繋がりというのは非常に大きなものだった。今後、高専での職務に携 わる中でこの研修の成果を反映し、技術室さらには松江高専全体に貢献していけるよう自己啓発し、 自分自身を高めていけたらと思う。 28 チャレンジ!電子工作 報告者:川島 実施期間:平成17年8月9日~11日 久明 9:00~16:00 実施場所:共通工学実験室3 担 当 者:川島 久明・川見 昌春・内村 和弘・池田 総一郎・岡田 康 募集人数:20名 参加人数:22名 1.講習内容 電子工作の基礎を簡単な回路(発光ダイオードの点滅回路)を使って練習させ、その後いくつか のテーマの中から作りたい物を選ばせて製作させた。市販キットなどに頼らず出来るだけ自分の手 で作ることを目標に、ケースやシャーシなどの作成や加工等も行い、「ものづくり」の基礎も体験 できるようにした。 製作テーマ インバータで点灯する蛍光灯 川島久明 乾電池点灯、常夜灯モードあり。 液晶マイコン時計 川見昌春 液晶表示ディジタル時計、ケース作成。 ライントレーサロボット 内村和弘 黒いラインに沿って走る。車体デザイン。 お絵かきロボット 池田総一郎 勝手に絵を描くロボット。 ディジタル温度計 岡田康 マイコンと半導体センサーを使った温度計。 2.日程 9日 電子工作に必要な電子部品・工具ついての説明と校内ロボコン見学を行った。 半田付け練習と発光ダイオード点滅回路の製作をした。 各テーマについて簡単な説明の後に希望調査と製作テーマの決定を行った。 テーマ毎に製作を開始した。 10日 テーマ毎に製作した。 11日 テーマ毎に製作した。 完成後動作テストや試走を行った。 閉講式 3.総括 昨年の反省に基づいて広報活動を充実させ、立ち上げも早く行った結果、定員を大きく上回る応 募があった。しかし、予算の関係から材料の準備等に余裕が無く22名の受け入れに終わった。今 後の検討課題としたい。 参加者の満足度はアンケート結果にあるように高かったと思われ、事業としては十分当初の目的 を達成できた。 29 主なアンケート内容を抜粋する。 ① まったく理解できなかった 0 電子工作の仕組みはよく理解できました ② あまり理解できなかった 3 か? ③ まあまあ理解できた ④ よく理解できた 電子工作をやってみてどうでしたか? ら、あなたは参加したいと思いますか? 4 5 ① 全然おもしろくなかった 0 ② あまりおもしろくなかった 0 ③ どちらともいえない 0 ④ まあまあおもしろかった 1 ⑤ とてもおもしろかった 無回答 これからもこのような事業が開催された 14 20 1 ① 参加したい ② 参加したくない 0 ③ 内容による 9 講座風景 30 12 竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう! 報告者:福田 実施時期:平成17年8月20日(土) 恭司 9:00~16:00 実施場所:創造演習室、及びR&D実験室 担 当 者:福田恭司・奥田眞一・池田総一郎・岡田康 協 力:高尾 学 助教授(機械工学科) 対 象:小学生(5~6年)親子で参加 募集人数:20名(10組) 参加人数:28人(14組) 竹とんぼという遊び道具を通して、楽しみながら流体力学を学ぶというものである。これは、自身 の手で竹とんぼを制作し実際に飛ばしてみることによって、理屈だけではない感覚的な理解にまで深 めようとするものである。このことは、実践教育を通して応用力を持った創造的な人材を育成すると いう高専教育の大切な部分を伝えようとするもの でもある。 また、刃物を使用した工作を取り入れることは、 子供の正常な育ちという観点から、危険を排除する のではなく、小さな危険に触れる事で、子供自身が 危険を認識し、さらには危険を回避する術をも身に つけるための体験という意味も含んでいる。今回、 親子での参加としているのは、このような価値観を 親に伝えたいという想いからのものである。 募集人員10組(20 人)に対して、14組(28 人) を受け入れた。昨年度参加者が少なかったことの反 風洞実験風景 省を踏まえ、小学校・公民館等に独自のチラシを作 成し配布したことが功を奏したと思われる。 アンケートの結果から、親子とも大変好評で満足し ていただいたようである。特に親からは有り難いコ メントが多数寄せられた。 講義に対しても、子供には少し難しい部分があっ たものの、風洞実験等により実感を伴った理解に結 びつくよう考えられており、大変好評であった。 最後に、ご協力頂いた機械工学科高尾助教授にこ の場を借りて厚くお礼申し上げます。 滞空時間を競うコンテスト 31 金属加工に挑戦しよう! 報告者:泉 実施期間:平成17年8月20日(土) 大樹 9:00~16:00 実施場所:実習工場 担 当 者:山本 誠司・本多 将和・泉 大樹 募集人数:12名 参加人数:14名 1.目的 普段の生活でなかなか接する機会のない金属加工作業を通じ て、機械工作の楽しさ・難しさを体験してもらうことを目的と する。 2.内容 金属の性質についての説明と作業上の注意を行い、製作に入るという手順で作業を進めた。 ①文鎮の作成 真鍮棒をけがき、ボール盤・タップ・ダイスなどで加工し、やすりで仕上げる。 ②キーホルダーの作成 金属板を好きな形に加工した後で、キャラクターの形の金属板を貼り付け、ボール盤で穴あけを 行い、チェーンをつけて仕上げる。 3.総括 昨年度までの開放事業の中には広報活動を行わないと募集人数に達しないことがあり、今回は事 前にチラシ等配布し広報活動を行った。この結果多数の応募者があり、定員より人数を増やして開 催することができた。参加者の感想は「ふだんできないようなことができてよかった。」 「最初、ね じがうまくいかなくて大変だった。 」 「機械の数が少なくて、待ち時間が多かったのがちょっと残念 だった。」などの感想があった。機械の数は限られているが、時間配分や作業方法を工夫すること で改善していきたい。次回はこれらの意見を参考にし、楽しく安全にものづくりができるような企 画をめざしていきたい。 最初に作業の説明・諸注意を行う 作業風景 32 町の鍛冶屋・たたいて作ろうレターオープナー 報告者:山本 実施期間:平成17年11月20日(日) 誠司 9:00~16:00 実施場所:実習工場 担 当 者:機械工学科 新野邊 幸市 技術室 募集人数:10名 対 山本 誠司・福田 恭司・泉 大樹 参加人数:4名 象:中学生および小学校5・6年生 1.目的 鍛造の体験を通して、金属加工方法の一つを学ぶだけでなく、自分で考えたデザイン、機能性の ある製品にする事の難しさと、完成した時の喜びを感じてもらう。この体験をもとに「ものづくり」 にたいしての興味を深めてもらえれば幸いである。 2.内容 ①レターオープナーを製作するため、デザインを考え方眼紙に作図を行う。 ②火床において、軟鋼板を加熱し、金床で繰り返し鍛造し成形する。 ③鍛造後は、ベルトサンダー、鉄鋼やすり、紙やすりを使用して仕上げる。 3.総括 1000 度以上の温度での加熱作業であったが、受講生たちは怖がらず熱心に製作に取り組むこと が出来た。完成した製品は、自分で考えたデザインに近いものができ満足していたようであった。 今回、参加者は中学生が3名、小学生1名および保護者が1名であった。作業スペースの関係も あり一度に多くの人の作業ができないが、実施時期(学校行事)の検討、広報活動を活発に行う等、 今後の課題が残った。 今後、親子での「ものつくり」も考慮して企画していきたい。 鍛造の様子 仕上げ作業 33 山間地の水流を利用した発電の可能性について 報告者:福田 恭司 平成17年5月、本校土木工学科卒業生で もある、安来市広瀬町の足立組代表取締役足 立文彦氏より技術相談があった。足立組のあ る広瀬町布部では、布部ダムの下流域という こともあり、周辺の農業用水路には年間を通 じて豊富な水量があり、これを有効に活用で きないかとの考えからのものである。 これに対して、福田が対応した。図のよう な水車を設計し、制作予定である。自動車用 の中古オルタネーターを入手し、バッテリーに充電できる状況を作り、次年度を目処に結果を報告し たいと考えている。 石積みアーチ橋の制作支援 報告者:福田 土木工学科4年による高専祭科展示の取り組み で、今年は「石積みアーチ橋」を制作・展示する こととなった。学生を中心に取り組まれ、福田が サポートする形で進めた。依頼を受けてから高専 祭まで時間的な余裕がなかったため、私が事前に 作っていた設計図を元に制作に入った。高専祭に 対する取り組みは、学生が自主性をもって主体的 に動けるまたとない機会なので、学生の意志を尊 重し能力を発揮できる状況を作ってこそ意味があ ると考える。その点、今回残念であり今後学科に は配慮を期待したいところである。 具体的には、木製の基礎工・支保工の制作、煉 400kg の荷重にも耐えました 瓦の積み込み等に対して支援を行った。 34 恭司 エコラン活動報告 報告者:本多 将和 今年度のエコラン活動は、非常に残念な事故からスタートした。 新年度を迎え活動を再開しはじめた5月、エコランメンバーの中で最も知識が豊富で、低学年のリー ダー格であり、将来を期待された学生(M2 藤原 拓 君)が交通事故で亡くなったのだ。彼の死は非 常に多くの人達に衝撃を与え、当クラブもつらく悲しい時を過ごした。 しかし、他のメンバー達は彼の為にもより一層力を入れて活動を続けていくことを誓い、彼の意思を 継いで新たに参加したメンバーと共に、5年生3名・3年生3名・2年生3名の計9名で今年度の活 動を行なった。 今年度の大きな目標は、「FRPによるカウルの製作」と「インジェクションシステムの製作」で ある。2つとも、何の知識も無いゼロからのスタートであったため失敗の連続であったが、学生達は 諦めること無くチャレンジし続け、その結果次第にその成果が見えてきた。 今年度参加した大会は、8月7日に開催された「ホンダエコノパワー燃費競技九州大会」と、10 月1,2日に開催された「第 25 回 本田宗一郎杯 Honda エコノパワー燃費競技全国大会」の2つの 大会である。 残念ながら、「FRPカウル」も「インジェクション」も九州大会には間に合わず、製作した「シ ャシ」のみの状態で出場することになったが、結果は記録「295.349km/l」で優勝することが出来た。 (1 位/9 台中) この記録は当クラブとして九州大会では過去最高記録であったが、全国的にはまだまだ低いレベルで あり、全国大会の上位を目指すには更なる燃費向上が必要であった。 九州大会出場マシン 松江高専チーム 初優勝!! 全国大会までには苦難の末、なんとか「FRPカウル」が完成した。 初めての作業、失敗の連続、先の見えない型作り・・、数々の問題をクリアしやっと出来た「松江高 専オリジナルFRPカウル」、完成したときはメンバー全員で喜びを分かち合った。このような感動 35 を味わえるのが「ものづくり」の素晴らしさではないだろうか。 残念ながら「インジェクション」は間に合わず、今回もキャブレター仕様で出場することとなった。 完成した FRP カウルを装着しての出場! 全国大会での結果は「398.697km/l」 、49 位/126 台中であった。 当クラブとしては過去最高の記録だが、やはり「インジェクション」の未完は悔やまれる。 現在も「インジェクションシステム」の開発に奮闘中である。 システム自体は正常に動作するのだが、まだ微調整の必要なところがいくつか残っている。 これを来年度の大会までには完成させ、「800km/l」を目指して学生達と共に活動していきたい。 全国大会出場マシン 試作中インジェクションシステム 36 工作機械研究会との関わりについて 報告者:本多 将和 1.工作機械研究会とは 主に島根県商工労働部産業振興課(以下産業振興課)および、しまね産業振興財団(以下財団) のメンバーで構成された研究会で、島根県内の機械金属製造業(工作機械を主に活用して事業を営 んでいる県内事業所)の工作機械設営状況の把握と全国レベルでの島根県全体の競争率アップ(地 元産業の活性化・県外の仕事を取ってくる企業の育成)を目指し、さまざまな視点からどのように すれば良いかを研究・検討する研究会である。 2.松江高専(技術室)と工作機械研究会の関わり 工作機械研究会のメンバーは、工作機械に関する知識不足(実際に見たり、触ったことが無い) のため、アドバイザーとして松江高専(技術室)へ参画の依頼があり、1班の本多と3班の福田が 研究会へ参加することになった。 3.今年度の取り組み内容 島根県内の各中小企業の主要設備(各種 NC 工作機械を中心に)の設備導入年度やメーカーを調 べ、現状分析をする。そのデータを元に、最新機器との能力・性能の差を調べる。 結果をみて、各企業に最新設備の購入斡旋やリース制度の紹介等を行なう。 また、今後 産業振興課及び財団の関係者に機械工作の基礎を学ぶためのテキストを作成し、簡 単な作業を行なってみてはどうか検討する。 4.総括 この研究会の大きなテーマとして次の2つが挙げられる、①島根県内中小企業の競争率を上げ、 全国レベルでの企業能力を向上していくにはどのようにしたら良いかを検討する。②県職員の中で 産業振興に携わっている職員に対し、基礎的な工作機械の知識を身につけるためのテキストの製作、 研修会を企画する。 ①のテーマに対しては、短期間での成果は難しいため本年度は現状の把握、今後の活動方針を検 討するに留まった。 ②のテーマについては、島根県と松江高専の間で協議が行なわれ、松江高専で公開講座「機械工 作法における金属加工技術」を開催し、それに県職員の方に参加してもらう事となり、別掲の通り 実施した。 今後、産学官の連携は益々重要になってくると思われる。技術室もこのような取り組みに積極的 に参加して、様々な分野で発展して行くよう努力していきたい。 37 平成 17 年度奨励研究報告 1.【斐伊川流域の砂鉄分布および「たたら」の再考】 第一班:山本 誠司 2.【ネットワーク認証システムを用いたキャンパスワイド無線 LAN システム】 第二班:岡田 康 38 斐伊川流域の砂鉄分布および「たたら」の再考 第一班 山本 誠司 1.目的 斐伊川流域は花崗岩が風化を受けて砂質土壌化が進んだ真砂土が多く分布し、真砂土には砂鉄が 含まれている。砂鉄の選別方法としては、磁気選鉱法と比重選鉱法があり、近世たたら製鉄では「鉄 穴ながし」と呼ばれる比重選鉱法で採取されていた。たたら製鉄で出来た鋼は、刃物および農具や 生活用具として加工され使用されてきた。しかし「鉄穴ながし」は多くの土砂を流すため下流の川 底が上がり、洪水の原因及び河川の汚濁などいろいろな弊害をもたらした。 本研究では、斐伊川流域に産出する真砂土、および河川に堆積した砂に含まれる砂鉄を採取する ことにより、真砂土に含まれる砂鉄の量、および砂鉄の溜まりやすいところを調査する。 また、電子レンジを用いた瞬間「たたら法」で鋼の生成過程を考察する。 2.実験方法 斐伊川中流域の雲南市の3ヶ所より真砂土を採取し、乾燥させた後に混砂機を使用して細かく砕 き、磁気選鉱法により砂鉄を選別した。河川にある砂鉄の分布は、出水後を中心に調査を行った。 瞬間「たたら法」では、600W および 1000W の切り替えができる電子レンジで耐火レンガを用い、 木炭と砂鉄を入れた坩堝を加熱した。試料は走査型電子顕微鏡により組織観察を行い、硬さはマイ クロビッカース硬度計で測定した。 3.結果および考察 斐伊川中流域の真砂土に含まれる砂鉄の量は約 0.5wt(%)であった。河川において、瀬と淵があ る場所では出水時に、自然の比重選鉱により淵の淀みに層をなして砂鉄が堆積し容易に収集するこ とが出来る。 瞬間「たたら法」では、木炭3:砂鉄1の割合で坩堝に入れ、600W で 5min および 10min、1000W で 5min の加熱を行い比較したが、いずれの場合に おいても球状の鋼を得ることができた。写真1は、 600W で 5min 加熱の SEM 組織であるこの条件では、 0.5g程度の球状の鋼が生成され硬さは HV370 程 度であった。組織は、あまり不純物を含まず、オ ーステナイトおよびフェライトと思われる相が現 出している。 電子レンジを用いた、瞬間「たた ら法」では良質な鋼を得ることができるので、鋼 の生成過程を調べる上で有効な手段であると思わ れる。 写真1. 39 600W‐5min 加熱 ネットワーク認証システムを用いたキャンパスワイド無線 LAN システム 第二班 岡田 康 ◇研究目的 近年、ネットワーク利用の形態として、ノートパソコンなどで手軽に利用できる「無線 LAN 環境」 が普及してきた。とくに、大学・高専では、全学生・教職員がキャンパス全域で利用可能となる大 規模な無線 LAN 環境を導入するところがいくつか出てきている。しかし、無線 LAN 環境での利便性 を高めることは、時として悪意を持った利用者の不正アクセスを可能とすることにつながる。 そこで本研究では、VLAN 機構とネットワーク認証システムを併用した、キャンパスワイド無線 LAN システムを提案する。 ◇研究方法 1.VLAN により、無線 LAN 専用のネットワークセグメントを、試験的に学内に設置する。 2.ネットワーク認証用ゲートウェイシステムを、松江高専で独自に開発する。このシステムは、 2枚のネットワークインターフェースを設置した PC で構築された「ゲートウェイ」と、ユーザ 認証を行う「認証用サーバ」、そして学内既存の POP サーバから実現される。 3.無線 LAN 専用のネットワークセグメントと学内 LAN を、ゲートウェイで接続し、実際にクライ アントを接続した動作実験を行う。 ◇研究成果 本システムで構築した、認証用サーバおよびゲートウェイは、それぞれ次の役割で動作してい る。 ○認証用サーバ クライアント PC の Web ブラウザから、認証用サーバに通信すると「ユーザ認証画面」が開く。 ここで、「ユーザ ID」、「パスワード」の入力、そして、「利用の開始、または終了」の選択を行 う。認証用サーバでは、これらの入力情報を受け取り、 「ユーザ ID」および「パスワード」を用 い、POP サーバへ認証に行く。認証に成功すると、認証用サーバがゲートウェイに対し、クライ アントの IP アドレスと通信開始・終了の要求を送信する。 ○ゲートウェイ ゲートウェイでは、FreeBSD の ipfw により、通常は全てのクライアントからの通信を遮断し ているが、認証用サーバから送信されたクライアントの IP アドレスに限り、通信を許可する。 この結果、クライアント PC からゲートウェイを通過した、学内 LAN への通信を実現できる。 40 平成 17 年度出張報告 技術職員出張先一覧 平成 17 年度中国地区技術職員一般研修 氏名:池田 総一郎 第 25 回高専情報処理教育研究発表会 氏名:川見 昌春 期間:8 月 23 日 期間:8 月 25 日~26 日 場所:サンレイク平田 期間:11 月 17 日~19 日 場所:パシフィコ横浜 期間:12 月 3 日~4 日 場所:ポリテクセンター広島 機械保全実践(軸受・駆動機編)セミナー 期間:3 月 6 日~9 日 場所:ポリテクセンター広島 研究打ち合わせ及び情報収集 氏名:泉 大樹 期間:10 月 19 日~21 日 軽金属の溶接技術セミナー 氏名:本多 将和 場所:東京高専 ET2005 ソフトウェア関連技術打ち合わせ及び情報収集 氏名:本多 将和 場所:豊橋技術科学大学 平成 17 年度山陰 5 機関合同中堅職員研修 氏名:川見 昌春 場所:松江テルサ 期間:8 月 24 日~26 日 氏名:岡田 康、本多 将和 研究発表 第4回関東信越地区国立高等専門学校技術室長等会議講演 氏名:小松原 祐二 場所:大島商船高専 平成 17 年度西日本地域国立高等専門学校技術職員特別研修(情報系) 氏名:岡田 康 期間:8 月 22 日~26 日 期間:3 月 23 日~24 日 場所:九州大学 測量器械メンテナンス研修 氏名:福田 恭司、池田 総一郎、奥原 真哉 期間:3 月 16 日~17 日 場所:㈱トプコン スキーメンテナンス研修 氏名:福田 恭司、内村 和弘、本多 将和 期間:2 月 14 日~15 日 41 場所:京都府 平成17年度西日本地域高等専門学校技術職員特別研修(情報系) 報 告 者:岡田 康 出張期間:平成17年8月24日~26日 出 張 先:豊橋技術科学大学マルチメディアセンター 参 加 者:28人(28高専) ○目的 高等専門学校の技術職員(高専の学科、教室、教育研究センター、実習工場及び練習船等におけ る教育・研究の技術支援等に従事する職員をいう。)に対して、その職務の遂行に必要な高度で専 門的な知識を習得させ、技術職員の資質の向上を図ることを目的とする。 ○内容 特別講演 「国立大学法人化以降の技術職の展開」 豊橋技科大 松爲 宏幸 副学長 講義1 「音声言語処理技術の基礎と応用」 豊橋技科大 情報工学系 中川 聖一 教授 講義2 「複雑系とエージェントシミュレーション」 豊橋技科大 知識情報工学系 石田 好輝 教授 技術課題の発表及び討議 1人15分程度の発表、10分程度の討議 助言者 阿南高専 電気電子工学科 中村 雄一 助教授 阿南高専 制御情報工学科 福田 耕治 助教授 ※ 施設見学として、三菱レイヨン株式会社豊橋営業所が予定されていたが、台風のため中止とな った。 この研修のテーマの1つである技術課題の発表で、 「rsync を用いた HP 公開方法の紹介」という題 目で、松江高専で利用している HP 公開システムの概要と特徴を紹介した。他高専の参加者からは、 科研に採択された研究課題や、実験・実習等の取り組みの紹介があり、情報分野をはじめとした様々 な発表を聞くことができた。また、他高専の状況も知ることができた。 42 第 4 回関東信越地区国立高専技術室長等会議 報 告 者:小松原 祐二 出張期間:平成17年8月25日~26日 出 張 先:東京工業高等専門学校 出張目的:第 4 回関東信越地区国立高専技術室長等会議講師 報告 標記会議が東京高専(主管校)で開催された。これは、当地区 7 高専で平成14年度から実施され ている技術室長等を対象とした会議で、今回はじめての試みとして講演が組み入れられたとのこと。 昨年度当地区の技術職員研修会で「松江高専における技術室の取組」について紹介した。このことが ある程度評価を得たのか「是非とも当会議でも…」ということで、講演依頼を受けた。演題は「技術 室の今後の展望と技術職員像」で、本校の技術室の取組みを紹介しながら、技術室の課題と展望を明 らかにし、更に技術職員像を追及した。質疑応答を含め 1 時間半の予定が 30 分もオーバーし、参加 者の技術室創りへの熱意を感じたと同時に、本校技術室の一層の基盤構築に向け意を新たにした。 また、当会議で「松江高専の技術室の取組」をご紹介させて頂いたことは非常に光栄なことで、あ らためて主管校の東京高専並びに関東信越地区高専技術室長等会議に対しお礼申し上げます。 軽金属の溶接技術(アルミニウム材料編)セミナー 報 告 者:本多 将和 出張期間:平成17年12月3日~4日 出 張 先:広島職業能力開発促進センター 現在、高専内での軽金属(アルミ)の加工率が増えてきている。そこで、アルミ溶接(TIG溶接) の技術・精度を向上させる為にポリテクセンター広島で行なわれた「軽金属の溶接技術(アルミニウ ム材料編)」セミナーを受講した。 セミナーの内容は「アルミニウムの種類・規格・用途」や「最新のアルミニウム溶接について」等の 講義を6時間、「TIG溶接」による実技6時間を行なった。 TIG溶接に関する講習を受けるのは始めてであったので、基礎的な知識から学ぶことが出来て良か ったと思う。溶接の技術にも向上が見られたので、今後の職務に役立てて行きたい。 43 スキーメンテナンス研修 報 告 者:福田恭司、内村和弘、本多将和 出張期間:平成18年2月14日~15日 出 張 先:京都府与謝郡野田川町 今年度から2学年スキー合宿用スキー用具のメ ンテナンスについて、技術室で対応することとな り、チューンナップ等の技術を習得することが必 要となった。 京都府在住の坂根一弘氏を訪ね、スキーのチュ ーンナップ等の技術について研修を行った。 坂根氏は、京都府スキー連盟で競技部・普及部を 担当、日本テレマークスキー協会の理事で普及部 副部長を担当されご活躍中である。また、全日本 選手権(優勝一回)、TAJ公認テレマーク全日本 ポイントシリーズ戦(優勝二回)、国民体育大会ク ロスカントリー種目(出場五回)と、選手として も素晴らしい経歴の持ち主でもある。 スキーが滑るメカニズムから始まり、ワックスがいかに滑りに関わるかなど基礎的なことを教わっ た後、具体的なチューンナップの技術についてご指導をいただいた。今後のスキー用具メンテナンス に大いに反映できるものと確信するところである。 技術的なことにとどまらず坂根氏の経歴の中から得られた様々な価値観にも触れることができ、非 常に有意義な研修となった。 44 平成 17 年度 第1回 技術室会議議事録(抜粋) 平成 17 年 4 月 11 日(月) ○企業研修について(室長) 民間企業への研修を 3 ヶ月間(夏季休業とその前後)実施。若手(20 代)を中心に 1 名。 ○実験実習指導書の経費の報告(川島) 第2回 平成 17 年 4 月 18 日(月) ○人事等管理運営を事務から切り離し技術室長が行う(室長) ○超過勤務について(本来、自己管理すべきものではないので技術室として命令・管理する、室長) ○企業研修について(事務部は了承。時期は 7 月下旬~10 月上旬を予定、室長) ○技術室会議の司会について(評価委員会) 会議の活性化や司会経験を積むことを目的に司会をローテーションにする。 ○ISO14001 関連(ISO委員を各部門 2 名選出し、監査委員用講習会にも 2 名参加させる) 第 3 回 平成 17 年 5 月 9 日(月) ○平成 17 年度奨励研究採択者について(山本誠司 46 万円、岡田康 75 万円 の 2 名) ○平成 16 年度プロジェクト研究「コンクリート供試体クラッシャー」の成果報告について ○ロボコンフィールドの製作(7 月中旬実施、主担当:内村・副:福田、支援委員会) ○レポートの管理業務の依頼について検討 第4回 平成 17 年 5 月 23 日(月) ○定期試験監督業務の依頼について(室長) ○クラッシャー試作 1 号機完成について 問題点の洗い出しと目標設定(目標 5 分以内、残り供試体幅 10cm) ○技術室独自の学校開放事業について(3 テーマ実施:電子工作、竹とんぼ、金属加工) ○ロボコンフィールド製作について(予算 20 万円、6 月開始、支援委員会) ○技術室研修会について(9 月中旬~下旬の 2 日間、発表一人 10 分、研修委員会) 第5回 平成 17 年 6 月 13 日(月) ○奥原の民間企業研修について(小松電気産業株式会社に 7 月から 9 月までの 3 ヶ月を予定、室長) ○学校開放事業の広報について(評価委員会) ○ロボコンフィールド製作について(支援委員会) ○技術室研修会の開催時期について(研修委員会) ○ISO14001 の内部監査について(室長) ○しじみの分別装置研究の依頼(プロジェクト研究とするか製作依頼とするかは今後検討) 45 第6回 平成 17 年 6 月 27 日(月) ○後期実験指導書の締切りについて(8 月末) ○技術相談「発電用水車の試作」について報告(福田) ○ISO14001 監査の報告(6 月 16 日) 第7回 平成 17 年 7 月 11 日(月) ○プロジェクト研究費の申請について(応募件数:20 件) ○技術職員の今後について(室長) 技術職員の助手振り替え案が出ている(可能性が高い)。組織については不透明。 ○試験監督について(年内は 30 代以上の者が行う、軌道に乗れば全員が行う、室長) ○技術職員研修旅費について(合計 25 万円、1 回当たりの上限は 6 万円、申請 7 月 31 日締切。) ○技術室研修会について(9 月 5 日~16 日の間に行う。各個人が支援業務に関する発表を行う。) ○クラッシャー開発の途中経過報告 第8回 平成 17 年 7 月 25 日(月) ○「しまね振興センター・産業技術センターとの意見交換会」について 日時:7 月 26 日 15:30 場所:テクノアーク 技術室員全員出席(試験監督者 4 名を除く) ○第 24 回高等専門学校情報処理教育研究発表会について(日時:8 月 23 日、場所:松江テルサ) ○民間企業派遣研修について(期間:7 月 15 日~10 月 14 日、企業:小松電気株式会社) ○試験監督についての質疑応答(センター長) ○各委員会の今年度活動方針の説明 ○学校開放事業:チャレンジ電子工作、20 名募集で 23 名の受講者 ○技術室研修会について(日程:9 月 13 日~14 日) テーマ「支援業務の充実を目指して」について各自が発表 ○クラッシャー開発の経過報告 第9回 平成 17 年 8 月 18 日(木) ○ISO 内部環境監査員について(福田、岡田、泉の 3 名に決定) ○技術職員の次年度採用について(室長) ○学校開放事業「チャレンジ!電子工作」の結果報告(22 名で実施) ○研修旅費について(現時点で 3 名、6 件の応募あり、研修委員会) 第 10 回 平成 17 年 8 月 30 日(火) ○プロジェクト研究費「クラッシャー」採択(金額:54 万円、室長) ○学校開放事業終了の報告(3 件とも定員を満たし無事終了) ○出張報告:小松原(場所:東京高専 日時:8 月 25、26 日) 関東信越地区国立高等専門学校技術室長等会議講演依頼 ○技術室研修会の個人発表用レジュメについて(研修委員会) 46 ○研修旅費の申請について(7 件・4 名、研修委員会) ○島根工作機械研究会の報告(福田、本多) 第 11 回 平成 17 年 9 月 29 日(木) ○技術室研修会について(室長) 今年度の個人発表を踏まえ、実験・実習の改善等を提案・協議できるようスキルアップが必要。 ○平成 17 年度山陰 5 機関合同中堅職員研修について 日時:10 月 19 日(水)~21 日(金) 場所:島根県立青少年の家 受講者:岡田・本多 ○技術室研修会報告(研修委員会) 来年度の個人発表について、アンケートのお願い(締切 10 月 3 日) ○研修旅費割り当てについて(本多 2 件、泉 1 件、福田・池田 1 件、奥原 1 件) ○後期教育支援について(支援委員会) ○クラッシャー開発経過報告(既存試作品と新規作成品を試験動作させ方針を決める) 第 12 回 平成 17 年 10 月 13 日(木) ○8 月以降の依頼・支援について(支援委員会) 現代 GP「地域産業論」のテレビ会議システムセッティングの依頼について 生ゴミ処理の技術支援(地域コンソーシアム)について ○奨励研究の募集が 10 月末から開始(研修委員会) ○クラッシャー開発経過報告(油圧と削岩の 2 種類の方法を検討中) 第 13 回 平成 17 年 11 月 1 日(火) ○島根県産業振興財団からの技術指導の依頼について(県職員を対象とした金属加工実習) ○教務システム開発について(11 月 7 日に事務との会議、担当メイン:川見、サブ:池田) ○現代 GP 用の物品伝票について(川見) ○10 月分の支援依頼について(支援委員会) ○奨励研究の要綱について(研修委員会) ○クラッシャー開発経過報告(油圧圧縮試験装置の試験の結果報告) 第 14 回 平成 17 年 11 月 15 日(火) ○金属加工の公開講座(島根県商工労働部政策課からの依頼 参加人数:講義 29 名、実習 22 名) ○学生課の入試・学務システム開発について ○公開講座「レターオープナー」について(日時:11 月 20 日 参加人数:4 人) ○奨励研究について(研修委員会) ○技術セミナー報告(川見、内村、池田が受講) オリエンタルモーター主催「AC モーターとサーボモーターの使い分けについて」 ○クラッシャー開発経過報告(削岩 3 方向の試作開始、他) 47 第 15 回 平成 17 年 12 月 5 日(月) ○スキー合宿のスキー用具点検の依頼について(福田、内村、本多の 3 名が主担当) ○メールシステムのトラブルが起きたときの対応について ○奨励研究について(12 月中に提出、研修委員会) ○クラッシャー開発経過報告(新規に 3 方向削岩方式を試作中) 第 16 回 平成 17 年 12 月 22 日(木) ○物品請求について(来年 1 月末日で終了。残額は各自でチェック) ○ボーナスの勤勉手当率の調査について(評価委員会) ○技術室報告集の原稿の依頼(評価委員会) ○製作依頼について(11 月から 9 件、支援委員会) ○奨励研究について(確認のための締切は 12 月 28 日、研修委員会) ○出張報告(本多:軽金属の溶接に関するセミナー 第 17 回 広島ポリテクセンター、2 日間実施) 平成 18 年 1 月 17 日(火) ○実験実習費予算執行業務について(不足分は予備費で補う、室長) ○報告集について(目次発表と執筆依頼、締切 2 月 10 日、評価委員会) ○支援依頼について(12 月:3 件、1 月:3 件、支援委員会) ○クラッシャー開発経過報告(研究費について) 第 18 回 平成 18 年 2 月 2 日(木) ○定期試験監督業務について(室長) ○入試業務について(2 月 19 日、室長) ○クラッシャー開発経過報告(3 方向方式が完成) ○実験指導書について(2 月末締切りを決定) 48 スタッフ紹介 - 新人紹介 - ◎奥原 真哉 今年度、技術職員として採用され、技術室第一技術班で働くこと になり、一年が瞬く間に過ぎていったように感じます。この一年は 私にとってとても充実した一年であり、自分の未熟さを痛感した一 年でもありました。 松江高専の出身者である私は、少し前までは学生として技術職員 の方々の指導を受けていました。学生を指導する立場に変わり、 「学 生とどのように接すれば良いのか」「実習についてどのように説明 すればより良く理解してもらえるのか」「どのように実習の内容を 構成すれば興味を持ってもらえるのか」など、人に教えることの難 しさを実習を進めるにつれて感じるようになりました。学生の頃、当たり前のように受けていた実習 の裏で技術職員の方が様々な工夫をして指導されていることに気付きました。 学生を指導することの難しさに初めは戸惑いましたが、今は先輩方にアドバイスを頂きながら、ま た自分が学生だった頃どんな実習が良かったのかを思い出しながら日々悪戦苦闘しております。 実習以外にも公開講座として、学生ではなく一般の方に金属加工を指導する機会がありました。学 生を指導する場合とは勝手が違い、思った以上に難しく感じましたが、受講者の方々は私の拙い説明 でも熱心に聞いてくださり、人に説明・指導することに少し自信が持てたように思います。 夏には三ヶ月間の企業研修に行かせて頂きました。この企業研修では民間企業の厳しさと、自分が 今までいかに安易な考えを持っていたかを感じ、考え方、仕事に対する意識を改める良い機会になっ たように思います。三ヶ月という短い期間でしたが、日頃経験することのできない様々な業務に携わ ることができ、私にとって今後の高専の業務を行う上で非常に意義深い研修であったと感じています。 また今後の産学連携業務においても、この経験を活かし技術室さらには松江高専全体に少しでも貢献 していけたらと考えています。 今年度を振り返ってみますと、製作依頼業務においては先輩方の助けを必要とする場面が数多くあ りました。実習においては、見習いとして先輩方の指導の仕方を学ぶ機会を頂きました。このように 様々な業務において室員の方々に頼っている面が多かったように思います。 即戦力として働ける人材の求められる現在、このような環境で仕事に従事することができるという ことは非常に恵まれていると思います。この環境に甘えることのないように来年度は自分自身の目標 をしっかりと見定めて、技術力を高めていきたいと思っています。そして先輩方のように、学生の信 頼に応えられる技術職員をめざし、今まで以上に向上心を持って自己啓発に努めたいと思います。 49 - 今年度を振り返って、来年度への抱負 - 第一技術班【機械系】 ◎山本 誠司 今年度1班は、4月に奥原真哉君を迎え、職員4名パート職員2名の6人体制でスタートした。7 月15日~10月14日まで初めての試みで、3ヶ月の民間企業派遣研修を奥原君が受講した。研修 を今後に生かして業務に反映させてもらいたい。 工場の取り組みとしては、実習工場パトロールチェックシートを作成して、機械設備、整理整頓、 省エネの項目をあげ、毎週点検を行った。安全マニュアル、チェックシートを活用して事故を未然に 防ぐように取り組みたい。 実習以外での取り組みは、公開講座、学校開放事業、製作依頼等があり、技術の伝承、向上が益々 の急務となってきている。 個人の取り組みとしては、奨励研究の採択で研究を行ってきたが、これからも継続して取り組ん で行きたいと思う。 ◎本多 将和 本年度は新たなチャレンジをする事の多い一年でした。エコラン活動を通じてFRPの製作技術・ インジェクションの基本システムの作製、主に県職員で構成されている「工作機械研究会」への参加、 各種セミナーや研修会を通じて最新の工作機械情報や今後の動向について等、多くのことに挑戦し学 びました。 来年度以降も今までの経験を生かしながら、新たなことに挑戦し、毎年成長する事ができるように 努めていきたい。 ◎泉 大樹 今年は、今までの業務に加えて、実習工場の予算管理とクラッシャーのまとめ役を担当した。 実習で担当した科目は、主に機械工学科の実験実習だったが、特に実習でフライスを担当したこと や、製作依頼でマシニングセンタの加工を多く受け持ったことで、フライス加工についての知識がと ても身に付き、また自信もついた。切削加工の知識・技能も向上したと自分では思う。 予算管理は、当初私の考えが甘く計画的にはいかなかったが、周りの協力により何とか収めること ができた。今年の経験を生かし来年度はがんばりたい。 クラッシャーのまとめ役は、私には正直言って荷が重すぎ、問題は山のようにあった。内容も漠然 としていたりして何が本当に問題なのかよく把握できていなかったが、ここでもほかの室員の協力に より徐々にではあるが進んでいる。 来年度もいろいろなことに挑戦したい。そして、表現力を養うこと、人の発言に対する理解力をつ けることを自分の課題としたい。 50 ◎奥田 眞一 平成 13 年 4 月から当校にお世話になって、早や 5 年が過ぎようとしています。 この間、工場実習・工学実験・創造設計・卒業研究等の「もの造り」の実践教育に従事し試行錯誤を 繰り返しながら、「学生に何を理解させ、何を習得させるべきか」をようやく自分なりに理解し、学 生指導ができるようになりました。 しかし、民間企業の後輩を指導してきた私にとり、学校教育の一環として学生に技術指導をするこ とは大きなギャップがありました。例えば、学生の実践教育は必ずしも売れる製品を作ることではな く、「もの作り」の実践を通してその基礎的な知識や技術を学び、更に「もの造り」の楽しさを知る ことが、創造性を養うことに繋がることだと思います。 こうした事から、次年度は「やって見せて、やらせて見る」をモットーに、学生に「もの造り」の 楽しさを理解してもらえるような指導を心がけたいと思います。 一方、今年度から新たに付加された職務に、若手室員に対する技術の伝承ということがあります。 企業の生産現場では安全が第一です。また当然、実践教育現場でもより安全性に配慮する必要がある ことは言うまでもありません。こうした観点から、永年民間企業で培った技能・技術に基づいた安全 性の向上について、特に若手室員の皆さんに継承してきたところである。次年度も引き続き継承して 行きたいと思っています。 第二技術班【電気・電子・情報系】 ◎川島 久明 松江高専での仕事も残り1年になりました。今年は40年にわたる高専での仕事の見つめなおし、 技術室の今後に役立つような働きをしたいと思います。 ◎川見 昌春 技術室も組織化されて5年となり、室員の組織や仕事に対する意識が徐々に固まってきたように感 じられる。活動の基盤となる組織が固まってきたことで、今後は支援業務など仕事の内容について、 少しずつでもレベルアップしていくことが必要になってくる。単に依頼数が増えるということだけで なく、より良い仕事を行うということが技術室の更なる評価に繋がっていくことになり、さらに個人 の評価にも反映されていくことになると思う。 今後、技術職員には様々な難しい問題や制約が待ち構えているということが昨今の情報から容易に 推察できる。しかし目標を常に前に進めていくことで組織としての評価や個人の資質を高め、他の追 従を許さないような技量・技術を磨いていくことで、今後の道も開けていくように思われる。次年度 はこのような心構えで、少しでもいい仕事ができるように励みたい。 ◎内村 和弘 私が支援委員長になり3年目が過ぎようとしている。業務内容もこの3年間で変わってきた。引継 ぎ当初は、各支援業務を室内でのとりまとめるといったものであった。2年目は、複数の学科間で使 51 用する共通実験室、実習工場の調整といった業務が加わった。昨年度末からは、実験実習管理業務が 加わった。この業務の中には、教務委員会の時間割作成に関する実験実習全般の調整、実験実習の予 算案作成といった実験実習業務全般に掛かる重要な項目がある。 特に、時間割作成の業務では、情報の収集や処理だけでもかなりの労力が必要であった。また、共通 的な実験室、情報センターの調整など、普段の状況を把握している者がいないと難しい作業であった。 これらの業務を遂行していくのには委員メンバーと学科担当者だけでは難しく、他の室員の協力も必 要であった。そして、私自身、取りまとめ役として、人を動かすといった難しさや、コミュニケーシ ョンの大切さを改めて実感した年であった。 そして、今年度経験したことを活かし、来年度からの業務の整理、効率化を目指して工夫していきた いと考えている。 ◎池田 総一郎 松江高専に勤務するようになって 1 年がたちました。実験実習で電子工作を担当するようになっ て、初めての経験だったので分からないこともたくさんあり、自分の勉強不足を痛感しました。理 論は学んだことがありましたが、実際に作ったことはなかったので、実践が大事だと気付かされま した。 大島商船高専に研修で行ったことも良い経験になりました。高専自体をよく知らない状況で松江 高専に勤め始めて、これが普通だと思っていたことが他の高専の技術職員の現状を聞くことで、普 通ではなかったり、優れていたりということが分かり、改めて松江高専の技術室の現状を理解する ことができたと思います。 色々なことに気付かされた 1 年でした。自分にはまだまだ多くの課題があります。その課題を胸 に来年度もがんばっていきたいと思います。 ◎岡田 康 今年度から、技術室の新たな職務として、「実験実習にかかる費用の管理」と「実験におけるその 部屋割りと調整」が加わった。これらは、実験実習に携わっているという、技術職員の特徴を生かす ことで、学内に対し、技術室の存在意義をより深く知ってもらえたのではないかと思う。 個人の活動では、実験等の教育支援や情報処理センターの業務を行ったが、これらの取り組みは、 いずれも自分の力量不足を気づかされることが多かった。 今後、多様化そして高度化する技術支援に対して、できる限りの範囲で取り組んで行きたいと思う。 第三技術班【土木系】 ◎小松原 祐二 技術室創設 5 年間の半昔が経過しようとしています。この間ほぼ独断専行で突っ走り、室員の皆 さんには、迷惑を掛けっぱなしでした。私の性格は皆さんご承知の通り、直情型で浪花節的な時代遅 れの人間だと思っています。また、酒を飲むと歌うか喋るかで、それが長いと言う欠点もあります。 52 しかし、物事に対しては非常に負けず嫌いで「有言実行・やって何ぼ・前進!」と言う変な信念を 持っています。それが、良きに付け悪きに付けこの四十数年間、自分自身を支えてくれました。あと 1 年となりましたが、「機能する技術室・松江オリジナル」の基盤構築に向け尽力していきたいと考 えていますので、関係各位のご支援とご協力をお願いします。 ◎原 誠治 この一年を振り返って見ると,支援業務を通していろいろと反省する面があった。その原因とし ては、事前のチェックの不足があったのでのではないかと思っている。技術室は今年度から実験実習 の管理業務を行っており、事前の検討を充分にしておかないと、小さなミスが大きなミスに繋がりか ねないだけに、今一度足元を見つめなおしたい。 今後は多様な面で効率化が求められるようになり、それに対応できるように、室員の持つ知恵と新 しい情報の共有等を基に、自己の向上に努力したい。 技術室は多くの業務を展開しているが、業務がスムースに進むためにも今後は一層の自己啓発に励 みたい。 ◎福田 恭司 今年度印象に残る取り組みとして、学校開放事業「竹とんぼを作って飛行機が飛ぶわけを学ぼう!」 を実施した。これは、小学校高学年の親子を対象としたもので、これまでの自分の様々な取り組みか ら得た価値観をベースに、 「子供の育ち」 「高専教育」等を意識しながら、自分なりに形にしたもので ある。実施後のアンケートからは、ほぼねらい通りの反応が得られた。特に親からは、体験の大切さ 等に共感する声が聞かれ非常に有り難かった。この実績を踏まえ次年度は更にグレードアップを図り 今一度取り組みたい。 1年を振り返って、個人レベルでの取り組みとしてはまずまず納得のいくものとなったが、技術室 全体の自分を考えると、まだまだ考え方や取り組みに甘さがみられる。この先1年、周辺の問題点を ... 明確にし、自分なりにあがくことを意識しながら動きたい。 53 各種資格・技能講習受講状況(平成17年度現在) 取得資格 人数 測量士 1名 測量士補 2名 2級ボイラー技士 1名 2級技能士(普通旋盤作業) 1名 電気工事士(第2種) 3名 第3種電気主任技術者 1名 電話級無線通信士 1名 第2種情報処理技術者 1名 甲種危険物取扱者 1名 乙種危険物取扱者1類 1名 乙種危険物取扱者2類 1名 乙種危険物取扱者3類 1名 乙種危険物取扱者4類 2名 乙種危険物取扱者5類 1名 乙種危険物取扱者6類 1名 一般毒物劇物取扱者 1名 技術士補 1名 (情報工学) 有機溶剤作業主任者技能講習 2名 特定化学物質等作業主任者技能講習 1名 技能検定2級(機械・組立) 1名 職業訓練指導員免許 1名 ガス溶接技能講習終了 7名 動力プレスの金型等取扱業務特別教育 5名 アーク溶接等業務特別教育 3名 粉塵作業特別教育 3名 クレーン運転業務特別教育 2名 研削といし取替等業務特別教育 6名 職長・安全衛生責任者教育 1名 フォークリフト運転講習 1名 玉掛技能講習 3名 54 資 料 集 1. 松江高専実践教育支援センター規則 …………………………………… 56 2. 松江高専実践教育支援センター運営委員会規則 3. 組織図 ……………………… 58 ……………………………………………………………………… 59 4. 技術室運営に関する内規 ………………………………………………… 60 5. 写真集 町の鍛冶屋・たたいて作ろうレターオープナー ………………… チャレンジ! 電子工作 ……………………………………………… 竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう! ………………… 第4回技術室職員研修会 …………………………………………… 6. 新聞記事等 63 64 65 66 ………………………………………………………………… 67 55 松江工業高等専門学校実践教育支援センター規則 (平成17年4月1日 制 定) (設置) 第1条 松江工業高等専門学校に、教育及び研究に対する技術支援を行うため、松江工業高等専門学 校実践教育支援センター(以下「センター」という。)を置く。 (目的) 第2条 センターは、技術に関する専門的業務を円滑かつ効果的に処理するとともに、技術職員(施 設系の技術職員を除く。以下同じ。)の能力及び資質の向上を図り、もって教育研究支援体制の 充実を図ることを目的とする。 (業務) 第3条 センターは、次の各号に掲げる業務を行う。 一 教育及び研究に対する技術支援の基本計画の策定に関すること。 二 技術の継承及び保存並びに技術向上のための技術研修、技術発表会及び技術講演会等の企 画・実施等に関すること。 三 学生の実験、実習、卒業研究の技術指導及び安全確保に関すること。 四 教育及び研究に対する技術支援に関すること。 五 技術資料の作成、保管及び提供等に関すること。 六 機器等の保守・管理並びに災害防止に関すること。 七 所掌業務の調査統計及び諸報告に関すること。 八 その他センターの技術分野について必要な事項に関すること。 (組織) 第4条 センターは、センター長及び技術室をもって組織する。 2 センター長は教務主事をもって充て、センターの業務を統括する。 3 技術室は、センターの業務を遂行する。 4 第一技術班は、第3条の業務のうち機械系に関する業務を分掌し遂行する。 5 第二技術班は、第3条の業務のうち電気、電子及び情報系に関する業務を分掌し遂行する。 6 第三技術班は、第3条の業務のうち土木系に関する業務を分掌し遂行する。 (センター運営委員会) 第5条 センターの運営に関し、必要事項を審議するため、松江工業高等専門学校実践教育支援セン ター運営委員会(以下「委員会」という。)を置く。 (職員) 2 委員会は次の各号に掲げる委員をもって組織する。 一 センター長 二 技術室長 三 主査 四 その他校長が必要と認める者 56 3 委員会に委員長を置き、センター長をもって充てる。 4 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。 5 委員長が必要と認めるときは、委員以外の者を出席させることができる。 (センターの利用) 第6条 センターの利用に関して必要な事項は、別に定める。 (センターの事務) 第7条 センターの事務は、技術室において処理する。 (雑則) 第8条 この規則に定めるもののほか、センターに必要な事項は別に定める。 附 則 1 この規則は、平成17年4月1日から施行する。 2 松江工業高等専門学校テクノ教育支援センター規則(平成14年4月1日制定)は、廃止する。 57 松江工業高等専門学校実践教育支援センター運営委員会規則 (平成17年4月1日 制 定) (趣旨) 第1条 松江工業高等専門学校実践教育支援センター規則第7条第2項の規定に基づき、この規則を 定める。 (審議事項) 第2条 松江工業高等専門学校実践教育支援センター運営委員会(以下「委員会」という。)は、次 の各号に掲げる事項を審議する。 一 実践教育支援センターの管理運営に関すること。 二 その他必要と認められる事項に関すること。 (組織) 第3条 委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。 一 センター長 二 技術室長 三 主査 四 その他校長が必要と認める者 (委員長) 第4条 委員会に委員長を置き、センター長をもって充てる。 2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。 3 委員長が必要と認めるときは、委員以外の者を出席させることができる。 (事務) 第5条 委員会の事務は、技術室において処理する。 附 則 1 この規則は、平成17年4月1日から施行する。 2 松江工業高等専門学校テクノ教育支援センター運営委員会規則(平成14年4月1日制定)は、 廃止する。 58 校 長 実践教育支援センター運営委員会 ◆会計課長 ◆庶務課長 ◆実践教育支援センター長 福間 眞澄 教授 (教務主事) ◆事務部長 ◆学生課長 ◆第2技術班主査 川島 久明 (技術専門職員) ◆第1技術班主査 山本 誠司 (技術専門職員) ◇松江高専実践教育支援センター組織図 ◆技術室長 小松原 祐二 (技術専門員) ◆第3技術班主査 原 誠治 (技術専門職員) 本多 将和 (技術職員) 泉 大樹 (技術職員) 奥原 真哉 (技術職員) 奥田 眞一 (技能補佐員) 肇 (技能補佐員) 池田 総一郎 (技術職員) 山崎 ◆主任 川見 昌春 (技術専門職員) 岡田 康 (技術職員) ◆主任 内村 和弘 (技術専門職員) ◆主任 福田 恭司 (技術専門職員) 59 技術室運営に関する内規 (平成 14 年 2 月 19 日 決定) (目的) 1.「機能する技術集団(技術室)」を達成するため、技術室に次の会議・委員会を置く。室員 は、支援委員会、研修委員会、評価委員会のいずれかに所属し、各委員会で委員長を互選する。 委員の任期は当面1年とする。 ① 技術室会議(全員、議長 ② 支援委員会 ③ 研修委員会 ④ 評価委員会 技術室長) (会議) 2.会議、及び各委員会は次の会務を掌る。 ① 技術室会議 本会は技術室運営に関する最高決議機関とし、全室員をもって構成する。議長は、室長とする。 室長事故あるときは主査が代行する。議事録は評価委員会が処理する。 ② 支援委員会 支援業務を円滑且つ効率的に処理するため、次の会務を処理する。 イ.学科・教員・学内組織等からの支援業務依頼の受付・処理(依頼者との打合せも含む)に関 すること。 ロ.派遣者の人選等を連絡・調整し、「技術室会議」に提案する。 ハ.学外組織との共同技術開発・研究等の受付・処理に関すること。 ニ.室員の均衡ある仕事量の調整に関すること。 ホ.支援終了後の依頼者に対しての評価に関すること。(アンケート等により今年の自己点検 評価) ヘ.その他必要な事項。(学校行事…等) ③ 研修委員会 技術室、室員の能力・資質の向上を図るため、次の会務を処理する。 イ.技術研修会・技術講習会・技術発表会等を企画・立案し「技術室会議」に提案する。 ロ.外部でのイ、等の行事についての連絡・調整に関すること。 (個人研修旅費等も含む) ハ.技術室、室員の地位確立について検討する。特に室員の日常研修による、各種技術認定資 格の取得についての啓蒙、及び「技術室と資格」に関する検討。 (資格取得の講習会参加者 の旅費補助等) ニ.その他必要な事項。 60 ④ 評価委員会 技術室が学内外から評価を得るため、また、技術の伝承・保存を確保するため、次の会務を処 理する。 イ.技術室の年間業務の総括を行い、自己点検・自己評価の資料を技術室会議に提案する。(自 己評価) ロ.イ.の項を、技術室ホームページに掲載し情報公開する。(外部評価) ハ.イ.の項を、「年次報告」として冊子を作成し保存する。(技術の伝承・保存) ニ.技術室の広報的業務に関すること。(ホームページ等にて) ホ.技術室会議の書記、及び議事録の処理に関すること。 庶 へ.技術室の予算、親睦に関すること。 務 ト.技術室員の人事記録に関すること。 チ.その他必要な事項。 61 62 写真集 第4回技術室職員研修会 平成17年9月13日・14日 【開講式】技術室長挨拶:小松原専門員 【講演会】しまね自然の学校:岡野 正美 氏 【個人発表会】支援業務の充実を目指して 【技術発表会】川見 昌春 【機械工作】旋盤の操作説明 【機械工作】フライス盤での加工 63 学校開放事業 チャレンジ! 電子工作 竹とんぼを作って飛行機の飛ぶわけを学ぼう! 平成17年8月9日~11日 平成17年8月20日 64 学校開放事業 金属加工に挑戦しよう! 町の鍛冶屋・たたいて作ろうレターオープナー 平成17年8月20日 平成17年11月20日 65 島根県産業振興担当職員対象の公開講座 「機械工作法における金属加工技術」 66 平成17年12月2日 新聞記事等 2005 年 11 月 25 日文教速報 2005 年 12 月 5 日文教速報 2005 年 12 月 5 日 67 産経新聞 2005 年 12 月 16 日文教速報 編集後記 平成13年度より、各年度における活動を紹介してきました本報告集も、今回で5冊目の発行とな りました。過去の報告集を読み返すと、技術室独自での多方面にわたる多くの取り組みの様子が記録 されており、あらためて本報告集の重要性を実感しました。 さて、今年度の新たな活動として、 「実験室の時間割作成と調整」、「各学科での実験・実習費の取 りまとめ」、 「定期試験における試験監督の担当」があります。これらの業務は、各学科の実験・実習 の指導を主とした教育に携わっている技術職員が、それぞれの役割を生かし、協力して取り組んだこ とで実現できたことだといえます。また、学内に対し、技術職員の存在を「教育に関する業務を行う 職員」と位置づけ、その立場を明確にするために実に有意義な活動でもあります。 今後の高専を取り巻く状況は非常に厳しいものと予想されますが、技術室一同、出来る限りの支援 をしていくつもりです。 最後に報告集作成にあたり、ご多忙にもかかわらず貴重な時間を割き、ご協力いただいた皆様方に、 この場を借りまして厚くお礼申し上げます。 編集委員(技術室評価委員会)川 見 昌 春 山 本 誠 司 池 田 総一郎 岡 田 康 平成17年度松江高専技術室事業報告集 発 行:松江高専技術室評価委員会 発行日:2006年3月31日 発行・編集責任者:岡 田 康 連絡先:〒690-8518 松江市西生馬町 14-4 Tel:0852-36-5255 E-mail:[email protected] http://www.matsue-ct.jp/tech/ 68