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平成18年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化へ

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平成18年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化へ
平成18年度における景品表示法の運用状況及び消費者取引の適正化への取組
平成19年5月23日
公 正 取 引 委 員 会
公正取引委員会は,公正かつ自由な競争を確保する観点から,消費者の適正な選択を
妨げる不当表示及び過大な景品提供行為に対して,景品表示法に基づいて厳正・迅速に
対処するとともに,消費者の関心の高い商品・サービスにおける表示の実態調査を行い,
表示の適正化についての取組を関係事業者団体に要請するなどにより,消費者取引の適
正化に努めている。
第1
1
景品表示法事件の処理状況
公正取引委員会
(1) 概
況
公正取引委員会は,景品表示法の違反事件について,違反行為者に対して排除
命令を行うほか,違反するおそれのある行為については関係事業者に対して警告
を行い是正措置を採るよう指導を,違反につながるおそれがある行為については
未然防止を図る観点から注意を行っている。
平成18年度の公正取引委員会による景品表示法の事件処理件数は,排除命令
32件,警告7件及び注意650件の計689件であった。排除命令については
昨年度と比較して4件増となる32件の措置を採っており,これは昭和48年度
の33件に次ぐ件数であり過去33年で最高となった。また,景品表示法第4条
第2項を適用して6件の排除命令を行った。
表1
事件処理件数
事
表
示
景
品
合
件
事
排除命令
警
告
注
意
合
計
件
32[ 28]
7[ 36]
596[532]
635[596]
事 件
計
0[ 0]
32[ 28]
0[ 0]
7[ 36]
54[ 78]
650[610]
54[ 78]
689[674]
(注) [
表2
(単位:件)
]内は平成17年度の件数。
新規発生件数
申
告
1,874[1,035]
(注) [
(単位:件)
職権探知
その他
255[ 254]
14[
合
25]
計
2,143[1,314]
]内は平成17年度の件数。「その他」は都道府県等からの移送を指す。
(2) 表示事件
平成18年度の排除命令及び警告は,すべて表示事件であり,その件数は合わ
せて39件であった。
1
【排除命令】(計32件)
○ 役務取引分野に係る不当表示
・ 結婚相手紹介サービス業者の会員数及び成婚退会者数に係る不当表示
・ 教育施設の学費返還に係る不当表示
・ 予備校の国家試験合格実績に係る不当表示
・ 一般小包郵便物の配達時間に係る不当表示
・ 学習塾の高校合格実績に係る不当表示
・ 有料老人ホーム等の介護体制等に係る不当表示
・ 「足延長術」及び「小顔整形術」と称する役務の効果に係る不当表示
・ 注文住宅業者の着工棟数実績「日本一」に係る不当表示
○
○
2件
1件
1件
1件
1件
3件
1件
1件
金融分野に係る不当表示
・ 仕組預金の金利に係る不当表示
1件
効果性能(景品表示法第4条第2項適用)に係る不当表示
・ たばこのニコチン減少効果を標ぼうする商品に係る不当表示
・ 消臭効果を標ぼうするステンレス製商品に係る不当表示
・ 「足延長術」及び「小顔整形術」と称する役務の効果に係る不当表示
3件
2件
1件
(注)効果性能(景品表示法第4条第2項適用)に係る不当表示と役務取引分野に係る不当表示と
で1件重複して数えている。
○
○
○
地域ブランドに係る不当表示
・ ズワイガニ詰合わせ商品の原産国に係る不当表示
・ 湯の花の原材料に係る不当表示
・ 観光土産品であるチョコレートの原材料に係る不当表示
1件
4件
1件
健康食品の含有成分に係る不当表示
・ アミノ酸の含有量に係る不当表示
・ 大豆イソフラボンの含有量に係る不当表示
・ アントシアニンの含有割合に係る不当表示
1件
2件
3件
その他の不当表示
・ 百貨店の歳暮商品(牛肉)の内容量に係る不当表示
・ 中古二輪自動車の走行距離に係る不当表示
・ バッグ等の通信販売商品の品質に係る不当表示
1件
1件
1件
【警告】(計7件)
○ 役務取引分野に係る不当表示(携帯電話役務,家庭教師派遣等)
○ 金融分野に係る不当表示(住宅ローン)
○ その他の不当表示(冷蔵庫用脱臭炭の使用期間)
5件
1件
1件
このほかパソコンのソフトウェアの性能に係る表示,携帯電話役務に係る表示
等について注意を行った。
2
表3
表示事件の内訳
関 係 法 条
第4条第1項第1号(優良誤認)
第4条第1項第2号(有利誤認)
第4条第1項第3号
無果汁
原産国表示
不動産おとり広告
おとり広告
有料老人ホーム
合 計(延べ数)
(単位:件)
排除命令
27[ 24]
4[ 2]
4[
4[ 3]
3]
警
告
4[ 28]
3[ 7]
注
意
289[263]
307[232]
合
計
320[315]
314[241]
0[ 1]
0[ 0]
0[ 0]
0[ 0]
0[ 1]
0[ 0]
7[ 36]
47[ 65]
2[ 0]
18[ 23]
1[ 1]
22[ 22]
4[ 19]
643[560]
51[ 69]
2[ 0]
19[ 24]
1[ 1]
22[ 23]
7[ 21]
685[625]
0[ 0]
1[ 1]
0[ 0]
0[ 0]
3[ 2]
35[ 29]
(注)1 関係法条が2以上にわたる事件があるため,本表の合計は表1の合計と一致しない。
2 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成15年法律第45号)(以下「改正法」という。
)施
行前の表示にあっては「第4条第1項」を「第4条」と読み替える。
(参考)事業者団体に対する要望等
個別の事業者に対して事件措置を採るだけでなく,措置と同時に事業者団
体等に対して要望を行い,問題のみられた業界として表示の適正に努めるよ
う求めた。
事件名
株式会社みずほ
銀行に対する警
告等について
(H18.8.8)
要望先
全国銀行公正
取引協議会
要望内容
景品表示法違反行為
の 未 然 防 止と 適 正 表 示
の 一 層の 徹底 が図 ら れ
るよう,会員への指導の
強化について要望。
携帯電話事業者
3社に対する警
告等について
(H18.12.12)
電気通信事業
者協会
携帯電話役務の取引
における表示の適正化
の観点から,より分かり
やすい情報の提供と適
正な表示を行うよう,会
員事業者を指導するこ
とを要望。
その後の対応
適正表示の一層の徹底を図る
ため,平成 18 年 9 月に住宅ロー
ン,同年 12 月に外貨預金,さら
に,平成 19 年 4 月に仕組預金等
の広告表示例を取りまとめて会
員宛に通知するとともに公表を
行った。
電気通信事業者協会を含む業
界団体である電気通信サービス
向上推進協議会が,「電気通信サ
ービスの広告表示に関する自主
基準」等の改正作業を行ってい
る。
(3) 景品事件
平成18年度においては,海外旅行,ホテル宿泊券,家電製品等の景品が提供
される事件がみられた。
表4
景品事件の内訳
関 係 告 示
懸 賞 景 品 告 示
総 付 景 品 告 示
業 種 別 景 品 告 示
合
計(延べ数)
(単位:件)
排除命令
0[ 0]
0[
0[
0[
警
0]
0]
0]
0[
告
0]
注
意
33[ 45]
合
計
33[ 45]
0[
0[
0[
0]
0]
0]
25[ 35]
1[ 0]
59[ 80]
25[ 35]
1[ 0]
59[ 80]
(注) 関係法条が2以上にわたる事件があるため,本表の合計は表1の合計と一致しない。
3
(4) 審判等
平成18年度における景品表示法違反事件に関する審判の状況は以下のとおり
であった。
ア 前年度から係属している事件
事件番号
被審人
平成 17 年
(判)第 5 号
㈱ユナイテッド
アローズ
平成 17 年
(判)第 1 号
㈱ビームス
平成 17 年
(判)第 3 号
㈱ベイクルーズ
平成 17 年
(判)第 2 号
平成 17 年
(判)第 4 号
㈱トゥモローラ
ンド
関係
法条
処理状況
18.5.15
審決
19.1.30
審決(※審
決取消訴
訟を提起)
19.1.30
審決(※審
決取消訴
訟を提起)
被審人の小売店舗において一般消
費者向けに,被審人の社名とともに
「イタリア製」及び「MADE IN
ITALY」と記載された品質表示タ
ッグ並びに被審人の社名及び商標と
ともに「イタリア製」と記載された下
げ札が付されたジー・ティー・アー モ
ーダ社製のズボンを販売する等した
が,当該ズボンの原産国はルーマニア
であった。
第4条
第1項
第3号
(原産
国告示)
被審人は,「ルートイン」との名
称を付したホテルにおいて提供す
る役務の内容について,当該ホテル
に設置した浴場の浴槽の温水が,水
道水を加温した上で医薬部外品で
ある温浴剤を溶かしたものであっ
たにもかかわらず,「ラジウムイオ
ン鉱泉大浴場」等の記載により,あ
たかも鉱泉又は温泉を使用したも
のであるかのように表示していた。
第4条
第1項
第1号
18.11.7
審決
事案の概要
関係
法条
審判通知
年月日
別紙 平成18年度の排除命令
3 効果性能(景品表示法第 4 条第
2 項適用)に関する不当表示事件
No.13∼15 参照
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第2項
適用)
18.12.14
第4条
第1項
第1号
19.1.30
現在審判
係属中
㈱ワールド
平成 17 年
ルートインジャ
(判)第 26 号 パン㈱
イ
事案の概要
新規に審判請求が行われた事件
事件番号
平成 18 年
(判)第 17 号
平成 18 年
(判)第 18 号
平成 18 年
(判)第 19 号
平成 19 年
(判)第 1 号
平成 19 年
(判)第 2 号
被審人
ミュー㈱
㈱ビタクールジ
ャパン
㈱オーシロ
㈱ウインズイン
ターナショナル
㈲ティー・アン
ド・エフ
別紙 平成18年度の排除命令
5 健康食品の含有成分に係る不
当表示事件 No.27・28 参照
4
2
都道府県
景品表示法第7条は,都道府県知事が,景品表示法違反があると認めるときは指示
をすることができると規定しており,景品表示法違反事件は,都道府県によっても処
理されている。
最近の都道府県による指示件数は,表5のとおりである。平成18年度においては,
9都県において18件の指示が行われ(タマネギの産地に関する不当表示1件(大分
県),ごぼうの原産国に関する不当表示1件(佐賀県),ミシンに関するおとり広告1
0件(埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,静岡県),精米の原料玄米等に関する不当
表示1件(長野県),和牛の品種に関する不当表示3件(兵庫県),マツタケの原産国
に関する不当表示1件(静岡県),りんごの受賞歴に関する不当表示1件(長野県)),
また,注意件数は720件(表示688件,景品32件)であった。
このうち,ミシンに関するおとり広告については,5都県が連携して調査に当たり,
同時に指示を行ったものである。
表5
都道府県による指示
年度
区分
都道府県による
指示件数
平成16年度
平成17年度
平成18年度
14件
11件
18件
(静岡県
3件)
(兵庫県
2件)
(静岡県
3件)
(京都府
3件)
(北海道
1件)
(兵庫県
3件)
(北海道
2件)
(東京都
1件)
(埼玉県
2件)
(岩手県
1件)
(新潟県
1件)
(千葉県
2件)
(宮城県
1件)
(長野県
1件)
(東京都
2件)
(群馬県
1件)
1件2社)
(神奈川県
(岐阜県
1件)
(静岡県
1件)
(長野県
2件)
(兵庫県
1件)
(大阪府
1件)
(大分県
1件)
(香川県
1件)
(高知県
1件)
(佐賀県
1件)
(佐賀県
1件)
(岐阜県
注:平成17年度の岐阜県の件数は1件であるが,これは2社に対して指示を行ったものである。
5
2件)
第2
1
消費者取引の適正化への取組状況
規制の見直し
・ 「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」の一部改正(平成19
年3月)
事業者が一般消費者に対して懸賞によらないで提供できる景品類(以下「総付景
品」という。)の最高額は,「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」
(昭和52年公正取引委員会告示第5号。以下「総付景品告示」という。)の規定に
基づき,総付景品の提供に係る取引の価額の10分の1の金額(この額が100円
未満の場合は,100円)とされていた。
しかし,小売段階における値引きなど事業者の販売促進活動の多様化,消費者の
購買態度や価値観の変化等を踏まえ,総付景品の最高額を,総付景品の提供に係る
取引の価額の10分の2の金額(この額が200円未満の場合は,200円)に引
き上げることとし,総付景品告示を一部改正し,平成19年3月7日付け官報に告
示(同日施行)した。
本件は,平成18年11月24日付けで総付景品告示の一部改正(案)を公表し,
同年12月20日に公聴会を開催して関係事業者及び一般から意見を求めるととも
に,同年12月25日を期限として関係各方面から広く意見を募集し,これらの意
見を慎重に検討した結果,一部改正することとしたものである。
改正前
改正後
取引価額
総付景品の最高額
1000円未満
100円
1000円以上 取引価額の10分の1
取引価額
総付景品の最高額
1000円未満
200円
1000円以上 取引価額の10分の2
(注)総付景品には,購入を条件として提供する場合のほか,購入を条件としないで来店者
に提供する場合等も含む。
2
表示実態調査
(1) 黒酢及びもろみ酢の表示に関する実態調査(平成18年5月)
食酢は,近年の健康ブームを反映し,希釈して直接飲用する利用が増えており,
このような需要に対応して,特に黒酢を中心に,調味料としてではなく直接飲用す
るタイプの商品も開発されている。また,食酢ではないが,「もろみ酢」と呼ばれて
いる泡盛等のもろみ粕を利用した比較的新しい商品も登場し,消費者の人気が高い。
これらの商品には,○○県産等の地域に関する表示,健康,ダイエット等に関す
る表示等が多く見られるほか,黒酢であるのかもろみ酢であるのかが紛らわしく,
一般消費者が両者を混同するおそれがある表示も見受けられる。
このため,公正取引委員会は,一般消費者の適正な商品選択に資する観点から,
黒酢及びもろみ酢の表示に関する実態調査を行い,景品表示法上の考え方を整理し,
これを公表した。
当該実態調査の結果を受け,公正取引委員会は,黒酢については,引き続き,全
国食酢公正取引協議会等による食酢の表示の適正化への取組を支援していくことと
6
し,もろみ酢については,適正表示の観点からみて問題がある表示もあったことか
ら,沖縄県酒造組合連合会のもろみ酢協議会等に対し,公正競争規約の策定を含め
表示適正化への取組を積極的に支援していくこととした。
(2) 果汁・果実表示のある加工食品の表示に関する実態調査(平成18年11月)
果汁,果実及びこれらを粉末,ペースト状等にしたもの(以下「果汁等」という。)
を原材料として使用した加工食品,あるいは,果汁等は使用せずに,香料,着色料
等によって果汁の風味を付けた加工食品には,果実の写真,絵,名称等や,果汁の
含有率等を強調した表示(以下「果汁等の強調表示」という。)が多くみられる。こ
れらの商品の中には,実際には果汁等が使用されていない,あるいは,写真,絵,
名称等で表示されている果実とは異なる果汁を使用しているものなどが見受けられ
た。
このため,公正取引委員会は,一般消費者の適正な商品選択に資する観点から,
果汁等の強調表示のある加工食品のうち,キャンデー,グミ等の固形タイプの商品
を対象に表示の実態調査を行い,景品表示法上の考え方を整理し,公表した。
当該実態調査の結果を受け,公正取引委員会は,関係業界における表示適正化へ
の自主的な取組について支援してきたところ,飴菓子類の業界団体である全国飴菓
子工業協同組合において,「果実・果汁等の表示のあるキャンデー(飴菓子)類の表
示に関する自主基準」が制定された。
(3) 短期の語学留学等の表示に関する実態調査(平成18年12月)
近年,若者を中心に留学あっせんサービスを利用した短期の語学留学等(3か月
未満の語学学校への留学等を目的としたもので,通常ビザの必要のないものをい
う。以下同じ。)も増加する傾向にあるといわれているところ,一般消費者の適正な
商品選択に資する観点から,短期の語学留学等の表示に関する実態調査を行い,景
品表示法上の考え方を整理し,公表した。
当該実態調査の結果を受け,公正取引委員会が関係団体に対し,表示の適正化に
向けた取組を行うよう要望したところ,留学あっせん業者を会員に含む社団法人日
本旅行業協会傘下のホームステイツアー等適正化協議会及び特定非営利活動法人海
外留学協議会は,今回示した景品表示法上の考え方を踏まえてガイドラインを作成
し,傘下会員に周知した。また,募集型企画旅行の表示に関する公正競争規約を運
用する旅行業公正取引協議会は,今回示した景品表示法上の考え方を取り入れるた
め,同規約の運用基準を改正した。
3
公正競争規約の設定,変更等
公正競争規約(平成19年4月末現在,景品38件,表示67件)は,景品表示法
に基づき,公正取引委員会の認定を受けて,業界において設定している自主ルールで
あり,①不当な顧客の誘引を防止し,公正な競争を確保するために適切なものである
こと,②一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと,③不当
に差別的でないこと,④公正競争規約に参加し,又は公正競争規約から脱退すること
を不当に制限しないことがその認定要件となっている。
7
公正取引委員会は,商品やサービスの表示方法の複雑化,消費者ニーズの多様化等
の状況の変化を踏まえ,表示の適正化及び過大な景品類の提供の防止が図られるよう,
消費者の適切な商品選択に資する観点から,公正競争規約の設定・変更等に関する指
導を行ってきている。また,公正競争規約を運用する公正取引協議会等に対して,設
定された公正競争規約が適正に運用されるよう指導,助言を行ってきているところで
ある。
平成18年度以降現在までに,公正競争規約の設定・変更が行われた主なものは次
のとおりである。
(1) 公正競争規約の設定
ア ドレッシング類の表示に関する公正競争規約(平成19年3月)
公正取引委員会は,容器に入れ,又は包装されたマヨネーズを含むドレッシン
グ類の取引について,原材料,製造方法,商品の特徴等に関する様々な表示が行
われている状況を踏まえ,名称,原材料名,内容量,賞味期限,事業者名等の必
要表示事項,特定の原産地のもの,使用原材料名を商品名に冠する場合等の特定
事項の表示基準,「無添加」,「手造り」等の特定用語の使用基準,不当表示事項,
適正な表示がなされた商品への「公正マーク」の表示等について定めた「ドレッ
シング類の表示に関する公正競争規約」の設定を認定した。
イ
しょうゆの表示に関する公正競争規約(平成19年4月)
公正取引委員会は,容器に入れ,又は包装されたしょうゆの取引について,原
材料,製造方法,商品の特徴等に関する様々な表示が行われている状況を踏まえ,
名称,原材料名,内容量,賞味期限,事業者名等の必要表示事項,特定の原産地
のもの,有機農産物を原材料に使用した旨,有機しょうゆである旨等の特定事項
の表示基準,「長期熟成」,「手造り」,「丸大豆」,「無添加」等の特定用語の使用基
準,不当表示事項等について定めた「しょうゆの表示に関する公正競争規約」の
設定を認定した。
(2) 変更
・ 出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(平成18年
5月)
公正取引委員会は,出版物小売業を取り巻く市場環境の変化に対応するため,
出版物小売業における取引について,施行日から3年以内に総付景品の制限につ
いて見直しを行う旨の規定を設ける「出版物小売業における景品類の提供に関す
る公正競争規約」の変更を認定するとともに,同規約の施行規則について,①景
品類を提供できる日数の制限を緩和し,②トレーディングスタンプによる総付景
品(購入実績に応じて取引価額の100分の2の範囲で提供するもの)の提供を
上記①の制限の対象外とするなどの変更を承認した。
このほか,30規約(表示19件,景品11件)について,所要の変更の認定を行
った。また,平成18年8月に「ゴム製履物及び合成樹脂製履物製造業における景品
類の提供の制限に関する公正競争規約」が,平成18年10月に「写真機類製造業に
8
おける景品類の提供の制限に関する公正競争規約」が廃止された。
4
消費者向け電子商取引の適正化ヘの対応
・ 電子商取引監視調査システムによる常時監視の実施
公正取引委員会は,消費者向け電子商取引の健全な発展と消費者取引の適正化を
図る観点から,一般消費者80名に,「電子商取引調査員」としてインターネット上
の広告表示の調査を委託して,問題となるおそれがあると思われる表示について報
告を受け(電子商取引監視調査システム),景品表示法違反事件の端緒の発見,景品
表示法の遵守について啓発するメールの送信等に活用している。
平成18年度は,電子商取引調査員から991件のインターネット上の広告表示
について報告を受けた。また,平成18年度報告分のうち,
「消費者向け電子商取引
における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」(平成14年6月公表)
に照らして問題があると認められた60サイトの管理者に対し,景品表示法の遵守
について啓発するメールを送信することにより,同管理者に自主的な表示の改善を
促している。この結果,ほとんどの表示について改善がみられるなど一定の成果を
上げている。
5
消費者モニター及び消費者取引適正化推進員の活動
公正取引委員会は,昭和39年以降,消費者モニター制度を設け,平成18年度に
おいては,一般消費者約1,100名に消費者モニターを委嘱しており,一般消費者
の日常の生活経験に照らした意見や情報を収集し,独占禁止法・景品表示法の運用等
に役立てている。また,平成17年度からは,消費者取引適正化推進員制度を導入し,
前記消費者モニターの中から,消費者取引の適正化に関する経験・知識,地域,年齢
のバランス等を勘案して約200名に消費者取引適正化推進員を委嘱し,消費者取引
の適正化をより一層進めている。
平成18年度においては,消費者モニターに対して,各種アンケートへの回答,一
般的な情報収集活動を依頼するほか,消費者取引適正化推進員に対して,個別具体的
な事案に関する意見照会への回答,特定の事案に関する情報収集活動,表示検査会へ
の出席を依頼するなど,消費者取引の適正化の推進のため,消費者モニター制度及び
消費者取引適正化推進員制度を有効に活用している。また,消費者モニター制度等が
より効果的なものとなるよう,地方ブロックごとに,消費者モニター及び消費者取引
適正化推進員に対して,独占禁止法・景品表示法の概要等についての研修会を,90
か所において計127回行った。
6
景品表示法の普及・啓発
公正取引委員会は,従来,景品表示法の普及・啓発,同法違反行為の未然防止等の
ために,事業者団体や広告関係の団体,消費者団体,地方自治体が主催する景品表示
法に関する講習会,研修会等に講師を派遣している。
平成18年度においては,事業者団体等が開催する講習会等に,計91回講師を派
遣した。
9
7
各地区消費者団体との意見交換
公正取引委員会は,従来,独占禁止法・景品表示法の運用等を適切に行うため,全
国各地において消費者団体との懇談会を開催し,当委員会の活動状況等を説明すると
ともに,消費者団体と意見交換を行うことにより,適切な政策運営に役立てている。
平成18年度においては,本局,地方事務所等の管内で消費者団体との懇談会を計
41回行った。
8
関係行政機関等との連携強化
公正取引委員会は,消費者取引問題における情報収集等の観点から,内閣府国民生
活局と消費者行政に関して意見交換を行うなど連携を図っているところである。
また,国民生活センターとの連携強化の観点から,消費者取引問題や同センターに
寄せられた消費者苦情・相談等の状況について,定期的な意見交換を実施しており,
平成18年度は2回行った。また,同センターによる商品の品質・性能等の試験・検
査活動と連携して事件処理等の措置を行うこととしている。
さらに,都道府県における景品表示法の執行力の強化に向けた取組を支援するため
に,ブロックごとに連絡会議を開催し,また,景品表示法の運用に関する助言を行う
など,都道府県との協力関係の強化に努めている。
9
景品表示法に関する相談業務
公正取引委員会は,景品表示法違反行為の未然防止等の観点から,商品・サービス
に関する表示の方法や具体的な景品類の提供の方法について,事業者等からの相談に
応じている。
平成18年度において,景品表示法に関して受け付けた相談件数は22,782件
であった。このうち,特徴的な相談としては,有料老人ホームが提供するサービスに
関する表示の相談,商品の原産国の表示に関する相談,食料品の表示に関する相談,
景品類の提供限度額に関する相談等が挙げられる。
表6
景品表示法に係る相談件数の推移
相談件数
(件)
25,000
20,000
15,000
10,000
17,738
23,122
23,259
21,871
22,782
15年度
16年度
17年度
18年度
5,000
0
14年度
10
別紙
平成18年度の排除命令
1
№
1
2
役務取引分野における不当表示事件
事件名
平成 18 年
(排)第 17 号
(18.5.19)
㈱サンマー
クライフク
リエーショ
ン
事
件
概
要
㈱サンマークライフクリエーションは,「サンマリエ」と称する会員制
度による異性会員の情報提供及び紹介等のサービスの会員募集に関し,
平成 17 年 11 月ころから同年 12 月ころまでの間,雑誌広告において,
当該サービスについて,「理想の結婚はサンマリエから。」等と記載の
上,
① 「会員数 38,015 人 全国ネットワーク「明るい幸せな家庭環境づ
くりに奉仕する」サンマリエです。」と記載し,あたかも,当該サー
ビスの会員数が 38,015 人であるかのように,
② 「2005 年 1 月から 9 月実績」として「・成婚者数 3,478 人」と記
載し,当該サービスを通じて 2005 年 1 月から 9 月までの間に成婚し
た会員数を 3,478 人であるかのように,
それぞれ表示していたが,実際には,当該サービスの会員の数は,20,538
人であり,また,成婚者数として表示した 3,478 人は,会員との結婚又
は婚約を理由に退会した会員 947 人に,当該サービスを通じて成婚した
ものとはいえない会員との交際を理由に退会した会員 800 人及び会員
外の者との結婚又は婚約を理由に退会した会員約 1,600 人を加えるこ
とにより,当該サービスを通じて成婚したサンマリエ会員の数を誇大に
表示していたものであった。
平成 18 年
㈱オーエムエムジーは,平成 17 年 4 月ころ以降,「オーネット」と称
(排)第 18 号 する会員制度による異性会員の情報提供及び紹介等のサービスの会員
(18.5.19)
募集に関し,
㈱ オ ー エ ム ① 平成 17 年 4 月ころから同年 10 月ころまでの間,新聞広告において,
エムジー
「13 万人ものしあわせの声は、オーネットが選ばれる理由です。」,「オ
ーネットで成婚された方は延べ 133,076 人※ 1 」等と記載するととも
に,「※1:オーネット会員の成婚退会者数(1989 年∼2004 年/会員
外成婚者含む)」等と
② 平成 17 年 4 月ころから同年 10 月ころまでの間,雑誌広告において,
「13 万人ものしあわせの声は、オーネットが選ばれる理由です。」,「成
婚者数 133,076 人※1」等と記載するとともに,「※1:オーネット会員
の成婚退会者数(1989 年∼2004 年/会員外成婚者含む)」等と
③ 平成 17 年 11 月ころ以降,新聞広告及び雑誌広告において,「◎ハ
ートフルサポート 担当のアドバイザーや専門のカウンセラーのサ
ポートにより、延べ 13 万人※2 もの方がご成婚されています。」等と
記載するとともに,「※2:オーネット会員の成婚退会者数(1989 年
∼2004 年/会員外成婚者含む)」等と
それぞれ記載し,あたかも,当該サービスを通じて平成元年から平成
16 年までの間に成婚した会員の数が 133,076 人又は 13 万人であるかの
ように表示していたが,実際には,㈱オーエムエムジーが,当該サービ
スを通じて成婚した会員数として表示した 133,076 人又は 13 万人は,
会員との結婚又は婚約を理由に退会した会員 65,238 人に,当該サービ
スを通じて成婚したものとはいえない会員外の者との結婚又は婚約を
理由に退会した会員 67,838 人を加えることにより,当該サービスを通
じて成婚した会員の数を誇大に表示していたものであった。
11
違反法条
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
№
事件名
平成 18 年
(排)第 19 号
(18.5.24)
㈱代々木ラ
イブ・アニメ
イション
3
4
平成 18 年
(排)第 27 号
(18.11.13)
学校法人西
日本松永学
園
平成 19 年
(排)第 1 号
(19.1.25)
日本郵政公
社
5
平 成 19 年
(排)第 2 号
(19.1.26)
㈱受験Vア
カデミー
6
事
件
概
要
㈱代々木ライブ・アニメイションは,同社が経営する「代々木アニメ
ーション学院」と称する教育施設が提供する役務の取引に関し, 平成
17 年 8 月 25 日ころ発売の「月刊ホビージャパン」において,「低学費・
高品位教育」と記載するとともに,全国各地区に設置する代々木アニメ
ーション学院ごとの学費を記載(例えば,代々木アニメーション学院の
東京本部校については「声優科 59 万円 その他の科 65 万円」と記
載)の上,「学費よみがえり制度」,「安心出願・・・と大好評!」,「入
学取りやめの方に、納付学費が返還となります!」等と記載することに
より,あたかも,学費を納付し入学前に入学を取りやめた者(以下「入
学辞退者」という。)に対し,納付した学費のすべてを返還するかのよ
うに表示していたが,実際には,平成 17 年 10 月までの間の入学期の入
学辞退者に対しては,納付した学費のうち,入学手続金及び入学金並び
に授業料及び設備費の一部は返還しないこととしており,同学費の 3 割
強に相当する金額を返還しないものであった。
学校法人西日本松永学園は,福岡お茶の水専門学校の生徒募集に関
し,一般消費者に配布したパンフレット等において,平成 16 年度の社
会福祉士試験に合格した者の出身短期大学,専修学校及び各種学校(以
下,「出身福祉系短大等」という。)別にみた合格者数の順位について,
あたかも,福岡お茶の水専門学校が,全国に所在する出身福祉系短大等
中第 2 位,また,近畿地方以西の西日本地区に所在する出身福祉系短大
等中第 1 位であるかのように表示していたが,実際には,全国に所在す
る出身福祉系短大等中第 8 位,また,近畿地方以西の西日本地区に所在
する出身福祉系短大等中第 3 位であった。
日本郵政公社は,「ゆうパック」と称する一般小包郵便物の配達の役
務について,平成 17 年 11 月ころ以降,北海道内の郵便局,北海道内に
おいてゆうパックの引受業務を委託しているコンビニエンスストアの
店頭等で,それぞれ,一般消費者に配布したリーフレットにおいて,例
えば,1 面に「北海道版」と記載した上,「ゆうパックは、翌日配達!!」,
「人口カバー率 84.5%」,「明日届けたい!に応えます。広いエリアへ
翌日配達。もっと、あなたに!」と記載することにより,あたかも,北
海道内で引き受けたゆうパックが,全国の大部分の地域に引受けの翌日
に配達できるかのように表示していたが,実際には,「人口カバー率」
とは同社が正午ころから午後 6 時ころまでの間に引き受けたゆうパッ
クを引受けの翌日に配達できる地域の人口を全国の人口で除した割合
であるところ,「84.5%」とは「人口カバー率」の全国の平均値であり,
北海道内で引き受けた場合の「人口カバー率」は 8 パーセント程度にす
ぎず,北海道内で引き受けたゆうパックを翌日に配達できる地域はごく
わずかな地域に限られるものであった。
㈱受験Vアカデミーは,同社が経営する「ena-TOPn(エナトップエヌ)」
と称する学習塾の受講生募集に関し,平成 17 年 12 月 5 日に一般消費者
に配布した新聞折り込みチラシにおいて,「2005 年度合格実績(感動教
育の成果です。)」と記載の上,「高校受験 修猷館・筑紫丘・福岡 ト
ップ校 95 名」,「筑紫・春日・城南・新宮・香住丘・福岡中央・宗像 上
位校 387 名」と記載することにより,あたかも,平成 17 年 3 月に実施
された福岡県立高校の入学試験において,エナトップエヌが行う講習を
受けたことのある者のうち,95 名が修猷館高等学校,筑紫丘高等学校
又は福岡高等学校の 3 校のいずれかに,また,387 名が筑紫高等学校,
春日高等学校,城南高等学校,新宮高等学校,香住丘高等学校,福岡中
央高等学校又は宗像高等学校の 7 校のいずれかに,それぞれ合格したか
のように表示していたが,実際には,エナトップエヌの講習を受けたこ
とのある者は,前記 3 校の合格者の中で 52 名,また,前記 7 校の合格
者の中で 167 名にすぎなかった。
12
違反法条
第4条
第1項
第2号
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
№
7
8
事件名
平成 19 年
(排)第 5 号
(19.2.8)
㈱原弘産
事
件
概
要
㈱原弘産は,同社が営む「シニアウエルス下関」の入居者募集に関し,
平成 17 年 6 月から平成 18 年 6 月までの間,パンフレットにおいて,以
下の表示を行っていた。
① あたかも,シニアウエルス下関に,例えば,看護師を常時 24 時間
配置するかのように表示していたが,実際には,平成 17 年 6 月から
平成 18 年 6 月までの間,看護師を昼夜を問わず全く配置していなか
った(第 4 条第 1 項第 1 号)。
② あたかも,シニアウエルス下関の入居者に対する健康診断をシニア
ウエルス下関自身が定期的に実施するかのように表示していたが,実
際には,遅くとも平成 16 年 10 月ころ以降,シニアウエルス下関自身
は,入居者に対する定期健康診断を実施していなかった(第 4 条第 1
項第 1 号)。
③ シニアウエルス 下関と医療機関 との協力関係について,「健康相
談・健康診断などは、「シニアウエルスシリーズ」にほど近い提携病
院が行います。」と記載していたが,シニアウエルス下関と協力関係
にある医療機関について,その名称及び診療科目等の協力の内容を明
瞭に記載していなかった(有料老人ホーム告示第 7 項)。
④ シニアウエルス 下関の入居者に提供する介護サービスについて,
「看護師、介護福祉士、ホームヘルパーなど常駐。」,「■万一寝たき
りになられた場合も、必要なサービスを受けることができる住宅で
す。」等と記載していたが,シニアウエルス下関の入居者に対する介
護サービスは,原弘産がシニアウエルス下関とは別に経営している訪
問介護事業所が提供しているところ,シニアウエルス下関自身が当該
介護サービスを提供するものでないにもかかわらず,そのことを明り
ょうに記載していなかった(有料老人ホーム告示第 8 項)。
平成 19 年
㈱ディア・レスト三次は,同社が営む「ケアホームディア・レスト三
(排)第 6 号 次」の入居者募集に関し,パンフレット等において,以下の表示を行っ
(19.2.8)
ていた。
㈱ディア・レ ① 平成 17 年 4 月から平成 18 年 9 月までの間,ケアホームディア・レ
スト三次
スト三次の建物外観のイラスト図又は写真を掲載していたが,ケアホ
ームディア・レスト三次の土地は,同社が所有していないにもかかわ
らず,そのことを明りょうに記載していなかった(有料老人ホーム告
示第 1 項)。
② 平成 17 年 4 月から平成 18 年 7 月までの間,ケアホームディア・レ
スト三次と医療機関との協力関係について,あたかも,ケアホームデ
ィア・レスト三次の入居者に対し,協力関係にある 4 医療機関の医師
が定期的な往診を実施し,また,当該 4 医療機関と 24 時間の協力関
係があるかのように表示していたが,ケアホームディア・レスト三次
の「協力医療機関」と表示されている 4 医療機関のうち,2 医療機関
とは医師が定期的な往診を実施する協力関係がなく,さらに,当該 2
医療機関のうち,1 医療機関とは 24 時間の協力関係がないことから,
記載されている内容は事実と異なるものであり,医療機関との協力の
内容を明りょうに記載していなかった(有料老人ホーム告示第 7 項)。
③ 平成 18 年 2 月から平成 18 年 4 月までの間,ケアホームディア・レ
スト三次の夜間における最少の介護職員の数について,あたかも,夜
間における最少の介護職員の数が 16 人又は 13 人であるかのように表
示していたが,ケアホームディア・レスト三次の夜間における最少の
介護職員の数は2人であることから,記載されている内容は事実と異
なるものであり,有料老人ホームの夜間における最少の介護職員の数
を明りょうに記載していなかった(有料老人ホーム告示第 10 項第 3
号)。
13
違反法条
第4条
第1項
第1号
及び
第3号
(有料老
人ホーム
告示)
第4条
第1項
第3号
(有料老
人ホーム
告示)
№
9
10
11
事件名
事
件
概
要
平成 19 年
㈱ハピネライフケアは,同社が営む「有料老人ホーム高砂苑」の入居
(排)第 7 号 者募集に関し,遅くとも平成 16 年 10 月から平成 18 年 10 月までの間,
(19.2.8)
パンフレット等において,以下の表示を行っていた。
㈱ ハ ピ ネ ラ ① 例えば,あたかも,高砂苑に常時,看護師を 24 時間配置するかの
イフケア
ように表示していたが,実際には,平成 17 年 9 月 16 日から平成 18
年 10 月ころまでの 1 年を超える期間において,看護師は夜間勤務を
行っておらず,看護師が高砂苑に 24 時間常駐していた日は皆無(0
日)であり,平成 16 年 9 月 16 日から平成 17 年 9 月 15 日までの 1 年
間においては,看護師が夜間勤務を行い高砂苑に 24 時間常駐してい
た日は 120 日程度であった(第 4 条第 1 項第 1 号)。
② 「介護付き終身利用型」と称する利用形態の居室の入居に係る費用
について,あたかも,高砂苑の入居者は,入居時に,コース別に定め
られた入居金を一時金として支払い,かつ,パンフレット及びホーム
ページに記載された家賃,管理費等の金額を毎月支払うことにより,
専用居室,共用施設,その他サービスを生涯利用することができるか
のように表示していたが,実際には,パンフレット及びホームページ
に記載された,高砂苑の入居者が毎月支払う家賃,管理費等の額は,
入居後 110 か月目までのものであって,入居後 111 か月目以降は,パ
ンフレット及びホームページに記載された額よりも高い額の家賃,管
理費等を支払わなければ,専用居室,共用施設,その他サービスを生
涯利用することができないものであった(第 4 条第 1 項第 2 号)。
③ 高砂苑と医療機関との協力関係について,「万一の際も、24 時間体
制で迅速に対応し、提携・協力病院で治療を受けていただきます。」
等と記載していたが,高砂苑と協力関係にある医療機関について,そ
の名称及び診療科目等協力の内容を明りょうに記載していなかった
(有料老人ホーム告示第 7 項)。
平成 19 年
㈱コジマ身長伸ばしセンター(旧社名:㈱ケイピーシー,平成 19 年
(排)第 8 号 1 月 10 日商号変更)は,「足延長術」及び「小顔整形術」と称する役務
(19.2.22)
の提供に当たり,平成 18 年 2 月から同年 5 月までの間,新聞折り込み
㈱ コ ジ マ 身 チラシにおいて,
長 伸 ば し セ ① 足延長術について,「コジマ式ローリングストレッチャー」と称す
ンター
る装置を用いることにより,脚部の骨を伸ばして身長を伸ばすかのよ
うに
② 小顔整形術について,頭部の骨と骨の隙間を整えることにより,元
の大きさに戻らない均整のとれた小顔にするかのように
それぞれ表示していたが,当委員会が㈱コジマ身長伸ばしセンターに対
し上記表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたと
ころ,期限内に当該表示の裏付けとする資料を提出したが,当該資料は,
当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められ
ないものであった。
平成 19 年
タマホーム㈱は,注文住宅の建築請負の役務について,例えば,平成
(排)第 12 号 18 年 10 月 9 日から同年 12 月 7 日までの間放送したテレビコマーシャ
(19.3.29)
ルにおいて,「注文住宅着工棟数 2 年連続日本一」との白ぬきの大きな
タ マ ホ ー ム 文字及び「2004・2005 年度注文住宅地域ビルダーランキング(着工)
㈱
第 1 位(株)住宅産業研究所調べ」との小さな文字を放送し,あたかも,
平成 16 年度及び平成 17 年度の 2 年間において連続してタマホームの注
文住宅着工棟数に係る順位が我が国で第 1 位であるかのように表示し
ていたが,実際には,上記 2 年間におけるタマホームの注文住宅着工棟
数に係る順位は,営業地域が限定された住宅建築業者の中で第 1 位であ
るにすぎないものであり,全国を営業地域とする住宅建築業者を含めた
我が国に所在するすべての住宅建築業者の中で第 1 位であるとの事実
はなかった。
14
違反法条
第4条
第1項
第 1 号,
第2号
及び
第3号
(有料老
人ホーム
告示)
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第 2 項適
用)
第4条
第1項
第1号
2
金融分野における不当表示事件
№
12
3
事件名
事
件
概
要
違反法条
平成 19 年
㈱新生銀行は,3 年を満期とする「パワード定期プラス」と称する定 第 4 条
(排)第 11 号 期預金の取引について,平成 18 年 8 月 16 日ころから同年 10 月 26 日こ 第 1 項
(19.3.28)
ろまでの間,同社の店舗で一般消費者に配布したチラシにおいて,「パ 第 2 号
㈱新生銀行
ワード定期プラス(特約設定レート後決めタイプ)」,「円・米ドルタイ
プ 3 年もの 金利 年 3.19%(税引後 年 2.552%)」,「上記の例に
おける特約設定レートは「基準レート=116.40 円」です。2006 年 8 月
14 日現在の条件に基づいた金利であり、市場動向により異なります。」
と記載することにより,あたかも,当該預金については,例えば,年
3.19%(税引前)という一つの金利のみが適用されるかのように表示し
ていたが,実際には,上記の年 3.19%(税引前)の金利は,特約設定
レートが基準レートのときにのみ適用されるものであって,この場合に
おいて他の特約設定レートのときに適用される金利は,5 円引レートの
ときにあっては年 2.14%(税引前),7.5 円引レートのときにあっては
年 1.72%(税引前),10 円引レートのときにあっては年 1.31%(税引
前)であり,いずれも,表示された金利より低い金利が適用されるもの
であった。
効果性能(景品表示法第4条第2項適用)に係る不当表示
№
13
事件名
平成 18 年
(排)第 24 号
(18.10.19)
㈱ビタクー
ルジャパン
事
件
概
要
㈱ビタクールジャパンは,「ビタクール」と称する商品の取引に関し,
遅くとも平成 15 年 12 月ころ以降,当該商品の包装紙において,また,
平成 17 年 3 月ころから平成 18 年 2 月ころまでの間インターネット上に
開設した同社のホームページに掲載した広告において,ビタクールをた
ばこの先端に付着させ喫煙すれば,
① 喫煙者が体内に吸い込むたばこの煙について,その煙に含まれるニ
コチンがビタミンに変化することによりニコチンが減少し,タールが
還元作用によって減少し,又は体内のビタミン C の破壊を抑制する
② 当該たばこの点火部から立ち昇るたばこの煙について,その煙に含
まれるニコチン及びタールが減少する
ことにより,喫煙による害が軽減されるかのように表示していたが,当
委員会が㈱ビタクールジャパンに対し上記表示の裏付けとなる合理的
な根拠を示す資料の提出を求めたところ,期限内に当該表示の裏付けと
する資料を提出したが,当該資料は,当該表示の裏付けとなる合理的な
根拠を示すものであるとは認められないものであった。
(㈱ビタクールジャパンに対し審判手続が開始(平成 18 年 12 月 14 日)
されている。)
15
違反法条
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第2項
適用)
№
14
15
16
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
ミュー㈱は,「ビタクール」と称する商品の取引に関し,遅くとも平
(排)第 25 号 成 16 年 12 月ころから平成18年 2 月ころまでの間当該商品の包装箱に
(18.10.19)
おいて,また,平成 17 年 2 月ころから平成 18 年 2 月ころまでの間イン
ミュー㈱
ターネット上に開設した同社のホームページに掲載した広告において,
ビタクールをたばこの先端に付着させ喫煙すれば,
① 喫煙者が体内に吸い込むたばこの煙について,その煙に含まれるニ
コチンがビタミンに変化することによりニコチンが減少し,又は体内
のビタミン C の破壊を抑制する
② 当該たばこの点火部から立ち昇るたばこの煙について,その煙に含
まれるニコチン及びタールが減少する
ことにより,喫煙による害が軽減されるかのように表示していたが,当
委員会がミュー㈱に対し上記表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す
資料の提出を求めたところ,期限内に当該表示の裏付けとする資料を提
出したが,当該資料は,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すも
のであるとは認められないものであった。
(ミュー㈱に対し審判手続が開始(平成 18 年 12 月 14 日)されている。)
平成 18 年
㈱オーシロは,「タバクール」と称する商品の取引に関し,遅くとも
(排)第 26 号 平成 15 年 12 月ころ以降,当該商品の包装紙において,タバクールをた
(18.10.19)
ばこの先端に付着させ喫煙すれば,たばこの煙に含まれるニコチンがビ
㈱オーシロ
タミンに変化することによりニコチンが減少し,喫煙による害がなくな
るかのように表示していたが,当委員会が㈱オーシロに対し上記表示の
裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ,期限内に
当該表示の裏付けとする資料を提出したが,当該資料は,当該表示の裏
付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであ
った。
(㈱オーシロに対し審判手続が開始(平成 18 年 12 月 14 日)されてい
る。)
平成 19 年
コラムジャパン㈱は,「スメルキラー」と称する商品を一般消費者に
(排)第 3 号 販売するに当たり,例えば,「スメルキラー・クラシックセット」と称
(19.2.1)
する商品(直径約 5 センチメートルの円盤状のステンレス塊及び当該ス
コ ラ ム ジ ャ テンレス塊と水を入れるための受け皿がセットになったもの。)につい
パン㈱
て,平成 17 年 8 月以降,当該商品の包装箱において,「水と空気で消臭
します。」,「16 ㎡(約 8 畳)の空気を消臭!」等と記載することにより,
あたかも,当該商品は,水と空気に接触することによって消臭効果を有
するかのように表示していたが,当委員会がコラムジャパン㈱に対し上
記表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ,
期限内に当該表示の裏付けとする資料を提出したが,当該資料は,当該
表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められない
ものであった。
16
違反法条
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第2項
適用)
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第2項
適用)
第4条
第1項
第1号
(第 4 条
第2項
適用)
№
17
10
事件名
平成 19 年
(排)第 4 号
(19.2.1)
ジュピター
ショップチ
ャンネル㈱
事
件
概
要
違反法条
ジュピターショップチャンネル㈱は,「スメルキラー」と称する商品
第4条
を一般消費者に販売するに当たり,例えば,「スメルキラージロポップ
第1項
2個迎春セット」,「スメルキラー2個セット<小>」及び「スメルキラ 第 1 号
ー<大>専用トレー付特別セット」と称する商品について,平成 18 年 (第 4 条
1 月 4 日,「ショップチャンネル」と称するテレビショッピング広告に 第 2 項
おいて,「水だけで臭いを分解 スメルキラージロポップ 2 個迎春セッ 適用)
ト」,「水だけで臭いを分解 スメルキラー2 個セット<小>」,「水だけ
で臭いを分解 スメルキラー<大>専用トレー付特別セット」等の文
字,「スメルキラー自体がにおいを劇的に、あっという間にこれは消し
てってくれます」等の音声,スメルキラージロポップ 2 個迎春セット等
のステンレス部分が水と空気に接触することによって「臭いの構造」を
「分解」して「原子」にすることを示す「ステンレスと水と空気の触媒
作用」と題する図解の映像を放送することにより,あたかも,当該商品
は,水と空気に接触することによって消臭効果を有するかのように表示
していたが,当委員会がジュピターショップチャンネル㈱に対し上記表
示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ,期限
内に当該表示の裏付けとする資料を提出したが,当該資料は,当該表示
の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないもの
であった。
平成 19 年
(1 役務取引分野における不当表示事件を参照。)
第4条
(排)第 8 号
第1項
(19.2.22)
第1号
㈱コジマ身
(第 4 条
長伸ばしセ
第 2 項適
ンター
用)
17
4
地域ブランドに係る不当表示事件
№
18
19
20
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
㈱朝日パルは,「日本海から産地直送 かに料理 ズワイガニ」と称
(排)第 20 号 するズワイガニを詰め合わせた商品を一般消費者に販売するに当たり,
(18.6.15)
当該商品のズワイガニについて,平成 17 年 11 月 20 日ころから平成 18
㈱朝日パル
年 1 月 7 日までの間,新聞広告及び同社が運営する「朝日友の会」と称
する会員組織の会員に配布したチラシ等において,「日本海から産地直
送 かに料理 ズワイガニ」と記載した上で,「日本海で水揚げされた
冬の味覚の代表格、ズワイガニ。おいしさを保つため獲れたてを急速冷
凍した根強い人気商品です。」,「釜ゆでかに豪快に丸ごと」,「城崎直
送」,「山陰・城崎の卸元から直送します。」等と記載し,あたかも,当
該商品のズワイガニは,日本海において漁獲されて兵庫県豊岡市に所在
する城崎温泉近辺の日本海沿岸の港において水揚げされ,城崎温泉近辺
において冷凍され又は釜ゆで後に冷凍されたものであるかのように,ま
た,城崎温泉から直接一般消費者に配送されるものであるかのように表
示していたが,実際には,カナダ又はロシアにおいて漁獲されて水揚げ
され,冷凍され又は釜ゆで後に冷凍されたものであり,また,カナダ又
はロシアから東京港,大阪港等に輸送されて我が国に輸入され,城崎温
泉まで陸送されたものが,一般消費者に配送されるものであった。
平成 18 年
㈲湯本物産は,「天然湯の花(220 グラム入り)」,
「草津温泉湯の花(300
(排)第 33 号 グラム入り)」及び「天然湯畑の花(230 グラム入り)」と称する入浴剤
(18.12.14)
を一般消費者に販売するに当たり,例えば「天然湯の花(220 グラム入
㈲湯本物産
り)」について,昭和 63 年 3 月ころから平成 18 年 8 月ころまでの間,
当該商品 の包装袋の前面において,「草津温泉 天然 湯の花 純度
100%」と,また,当該商品の裏面において,「この湯の花は源泉から採
集された天然湯の花です。小さじ一∼二杯の湯の花を風呂に入れますと
家庭で温泉気分が満喫できます。」と記載することにより,あたかも,
これらの商品の原材料として草津温泉で採集された湯の花を用いてい
るかのように表示していたが,実際には,原材料として草津温泉で採集
された湯の花は用いられておらず,原油から生産された硫黄又は当該硫
黄に炭酸カルシウムを混ぜたものが用いられているものであった。
平成 18 年
㈱ホテル一井は,「天然湯畑の花(220 グラム入り)」と称する入浴剤
(排)第 34 号 を一般消費者に販売するに当たり,平成 13 年 9 月ころから平成 18 年 8
(18.12.14)
月ころまでの間,当該商品の包装袋の前面において,「草津温泉ホテル
㈱ ホ テ ル 一 一井 天然湯の花 純度 100%」と,また,当該商品の包装袋の裏面に
井
おいて,「この湯の花は源泉から採集された天然湯の花です。小さじ一
∼二杯の湯の花を風呂に入れますと家庭で温泉気分が満喫できます。」
と記載することにより,あたかも,当該商品の原材料として草津温泉で
採集された湯の花を用いているかのように表示していたが,実際には,
原材料として草津温泉で採集された湯の花は用いられておらず,原油か
ら生産された硫黄に炭酸カルシウムを混ぜたものが用いられているも
のであった。
18
違反法条
第4条
第1項
第1号
及び
第3号
(原産国
告示第 2
項)
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
№
21
22
23
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
㈱笹乃屋は,「草津温泉湯の花(300 グラム入り)」,「草津温泉湯の花
(排)第 35 号 (20 グラム 5 袋入り)」,「草津温泉湯の花(20 グラム 6 袋入り)」と称
(18.12.14)
する入浴剤を一般消費者に販売するに当たり,例えば「草津温泉湯の花
㈱笹乃屋
(300 グラム入り)」について,平成 6 年 9 月ころから平成 18 年 8 月こ
ろまでの間,当該商品の包装袋の前面において,「天下の名湯 草津温
泉 湯の花」と,また,当該商品の包装袋の裏面において,「草津温泉
湯の花」及び「本品をティースプーン1∼2杯(浴槽の大きさによって
増減してください。)を入れ良くかきまぜていただきますと草津温泉同
様の気分が味わえます。」と記載することにより,あたかも,これらの
商品の原材料として草津温泉で採集された湯の花を用いているかのよ
うに表示していたが,実際には,原材料として草津温泉で採集された湯
の花は用いられておらず,原油から生産された硫黄が用いられているも
のであった。
平成 18 年
㈲さつき物産は,「草津温泉湯の花(300 グラム入り)」と称する入浴
(排)第 36 号 剤を一般消費者に販売するに当たり,遅くとも平成 14 年 2 月ころ以降,
(18.12.14)
当該商品の包装袋の前面において,「天下の名湯 草津温泉湯の花」と
㈲ さ つ き 物 記載することにより,あたかも,当該商品の原材料として草津温泉で採
産
集された湯の花を用いているかのように表示していたが,実際には,原
材料として草津温泉で採集された湯の花は用いられておらず,原油から
生産された硫黄に炭酸カルシウムを混ぜたものが用いられているもの
であった。
平成 19 年
㈱ろすまりんは,平成 15 年 1 月ころから平成 18 年 10 月ころまでの
(排)第 10 号 間,
(19.3.26)
① 「りんごの森のチョコレート」と称する商品を一般消費者に販売す
㈱ろすまり
るに当たり,当該包装箱の表面に,りんごの果実の写真を掲載するとと
ん
もに,「大地の恵みで真っ赤に育った天然果汁が美味しいりんごのチョ
コレートです」等と
② 「ブルーベリー畑のチョコレート」と称する商品を一般消費者に販
売するに当たり,当該包装箱の表面に,ブルーベリーの果実の写真を
掲載するとともに,「大地の恵みで豊かに実った天然果汁が美味しい
ブルーベリーのチョコレートです」等と
それぞれ記載することにより,あたかも,原材料として,りんご又はブ
ルーベリーの果肉若しくは果汁を使用しているかのように表示してい
たが,実際には,香料を使用しているにすぎず,果肉又は果汁を全く使
用していないものであった。
19
違反法条
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
5
健康食品の含有成分に係る不当表示事件
№
24
25
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
㈱やずやは,「熟成やずやの香醋」と称するカプセル状の食品(以下,
(排)第 22 号 「やずやの香醋」という。)を一般消費者に販売するに当たり,平成 18
(18.7.13)
年 1 月 18 日に一般消費者に配布した新聞折り込みチラシにおいて,
「中
こうず
㈱やずや
国の「香醋」には、日本の一般的な米酢の約 10 倍ものアミノ酸が含ま
れています。」,「私たちが健康を維持していくためには、このアミノ酸
をバランス良くとることが大切だといわれています。」,「●高温で水分
を飛ばし、栄養成分だけを残しました。」と記載した上で,
① 「『熟成やずやの香醋』は、この香醋を約 20 倍に濃縮して、飲みや
すいカプセルにしています」と
② 「カプセルだから飲みやすい。約 8cc の香醋を 2 球のカプセルに詰
めました。」と
それぞれ記載することにより,あたかも,やずやの香醋は,香ずに含ま
れるアミノ酸の量を保持したまま約 20 倍に濃縮した香ずをカプセルに
詰めたものであるかのように,また,やずやの香醋 2 粒分のカプセルに
は,香ずに含まれるアミノ酸の量を保持したまま約 8cc に相当する香ず
が詰められているかのように表示していたが,実際には,①やずやの香
醋のカプセルに詰められている香ずパウダー(香ずを粉末にしたもの。
以下同じ。)に含まれるアミノ酸の重量は,香ずパウダーの約 20 倍の重
量に相当する香ずに含まれるアミノ酸の重量の 5 分の 1 程度であり,や
ずやの香醋は,香ずに含まれるアミノ酸の量を保持したまま約 20 倍に
濃縮した香ずをカプセルに詰めたものではなく,②また,やずやの香醋
2 粒分のカプセルに詰められている香ずパウダーは,約 8cc に相当する
香ずを粉末にしたものではあるものの,当該香ずパウダーに含まれるア
ミノ酸の重量は,約 1.6cc に相当する香ずに含まれるアミノ酸の重量に
すぎないものであり,香ずに含まれるアミノ酸の量を保持したまま約
8cc に相当する香ずが詰められているものではなかった。
平成 18 年
㈱大機は,「COMSQUID BLOCK DHT」と称する食品を一般消費者に販売
(排)第 28 号 するに当たり,平成 14 年 9 月以降平成 18 年 7 月までの間
(18.11.14)
① 自社ホームページにおいて,「■大豆イソフラボン 女性ホルモン
㈱大機
「エストロゲン」に似たはたらきを持つことで広く知られる成分。女
性らしいボディラインや髪や肌をツヤツヤにしてくれるなどの美容
効果が期待できる成分です。」と大豆イソフラボンの有効性を記載の
上 ,「 主 成 分 含 有 量 3 粒 あたり 」 と記 載 し,「 大豆 イ ソ フ ラ ボ
ン・・・・・・・・90mg」と
② 商品ラベルにおいて,「主成分含有量 3 粒あたり」と記載の上,「大
豆イソフラボン・・・・・・・・90mg」と
それぞれ記載することにより,あたかも当該食品 3 粒分に含まれる大豆
イソフラボンの量が 90 ミリグラムであるかのように表示していたが,
実際には,当該食品 3 粒中に含まれる大豆イソフラボンの量は,約 18
ミリグラムにすぎないものであった。
20
違反法条
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
(景品表
示法改正
法の施行
前に係る
表示につ
いては第
4 条第 1
号)
№
26
27
28
29
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
㈱エープライムは,「LIFE STYLE 天然・オイスターシェル カルシ
(排)第 29 号 ウム プラス 大豆イソフラボン」と称する食品を一般消費者に販売す
(18.11.14)
るに当たり,平成 17 年 11 月以降平成 18 年 6 月までの間
㈱ エ ー プ ラ ① 自社ホームページにおいて,「イソフラボンは大豆が発芽する部分
イム
「胚芽」に含まれる植物性ポリフェノールの一つで、女性に美しい肌
をもたらしてくれたり、骨からカルシウムが溶け出すのを防いでくれ
たりします。特に更年期障害に悩む女性にとっては重要な栄養素の一
つです。」と大豆イソフラボンの有効性を記載の上,「一日当たりの標
準摂取量 1 粒」と記載し,「大豆イソフラボン」の「標準量当たり
の数値」について「25mg」と
② 商品ラベルにおいて,「内容成分(1 錠中)」と記載の上,「大豆イ
ソフラボン 25mg」と
それぞれ記載することにより,あたかも当該食品 1 粒分に含まれる大豆
イソフラボンの量が 25 ミリグラムであるかのように表示していたが,
実際には,当該食品 1 粒中に含まれる大豆イソフラボンの量は,約 0.025
ミリグラムにすぎないものであった。
平成 18 年
㈲ティー・アンド・エフは,「濃縮ベリーベリー・ルテイン」と称す
(排)第 30 号 る食品を一般消費者に販売するに当たり,平成 17 年 3 月ころから平成
(18.12.13)
18 年 6 月ころまでの間,当該食品の包装箱において,「アントシアニン
㈲ティー・ア 豊富な北欧産ブルーベリー を配合(3 粒中 555mg アントシアニン
ンド・エフ
36%)。」等と記載することにより,あたかも当該食品 3 粒分に含まれる
ブルーベリーエキス(555 ミリグラム)の 36 パーセントに相当する量
のアントシアニンが含まれているかのように表示していたが,実際に
は,当該食品 3 粒分に含まれるアントシアニンの量は,当該食品 3 粒分
に含まれるブルーベリーエキスの 1 パーセント程度にすぎないもので
あった。
(㈱ティー・アンド・エフに対し審判手続が開始(平成 19 年 1 月 30 日)
されている。)
平成 18 年
㈱ウインズインターナショナルは,「特濃ベリーベリー・ルテイン」
(排)第 31 号 と称する食品を一般消費者に販売するに当たり,平成 17 年 6 月ころか
(18.12.13)
ら平成 18 年 4 月ころまでの間,当該食品の包装袋において,また,平
㈱ ウ イ ン ズ 成 18 年 3 月ころ,通信販売用カタログにおいて,「1 粒あたりに何と!
イ ン タ ー ナ アントシアニン 36%含有の北欧産ブルーベリーを 185mg 配合!」等と
ショナル
記載することにより,あたかも当該食品 1 粒分に含まれるブルーベリー
エキス(185 ミリグラム)の 36 パーセントに相当する量のアントシア
ニンが含まれているかのように表示していたが,当該食品 1 粒分に含ま
れるアントシアニンの量は,当該食品 1 粒分に含まれるブルーベリーエ
キスの 1 パーセント程度にすぎないものであった。
(㈱ウインズインターナショナルに対し審判手続が開始(平成 19 年 1
月 30 日)されている。)
平成 18 年
㈱メディカルコスメティクスジャパンは,「ロイヤル・ルイズ・ルテ
(排)第 32 号 イン」と称する食品を一般消費者に販売するに当たり,平成 17 年 4 月
(18.12.13)
ころから平成 18 年 4 月ころまでの間,当該食品の包装袋において,ま
㈱ メ デ ィ カ た,平成 17 年 4 月ころ,ダイレクトメールにおいて,また,平成 17 年
ル コ ス メ テ 10 月ころ,チラシにおいて,「北欧産 野生種ビルベリー 180mg(ア
ィ ク ス ジ ャ ントシアニン 36%)」等と記載することにより,あたかも当該食品 1 粒
パン
分に含まれるビルベリーエキス(注)
(180 ミリグラム)の 36 パーセント
に相当する量のアントシアニンが含まれているかのように表示してい
たが,当該食品 1 粒分に含まれるアントシアニンの量は,当該食品 1 粒
分に含まれるブルーベリーエキスの 1 パーセント程度にすぎないもの
であった。
(注)実際に使用している原料はブルーベリーエキス
21
違反法条
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
6 その他の不当表示事件
№
30
31
32
事件名
事
件
概
要
平成 18 年
㈱丸井今井は,平成 17 年 11 月 23 日から同年 12 月 25 日までの間,
(排)第 21 号 同社の札幌本店及び旭川店に設置したギフトセンターにおいて歳暮用
(18.6.19)
の商品を販売するに当たり, 6 品目の牛肉の詰め合わせ商品(以下,「6
㈱丸井今井
品目の歳暮商品」という。)について,これらの商品に梱包される牛肉
の重量を明示せずに,ろう製の牛肉の模型が詰められた商品見本又は牛
肉の写真を発泡スチロール製の容器の表面に貼付した商品見本を陳列
し,当該商品見本と同一視野に掲示した「ご注文カード」の「梱包重量」
欄に一定の重量を記載することにより,あたかも,6 品目の歳暮商品は,
「ご注文カード」の「梱包重量」欄記載の重量から当該商品の容器の重
量を差し引いた重量に相当する量の牛肉が詰められた商品であるかの
ように表示していたが,実際には,これら 6 品目の歳暮商品には,牛肉
のほかに,当該商品見本からは認識することができないソース又は割り
下及び蓄冷剤が詰められており,それぞれの牛肉の重量は,「ご注文カ
ード」の「梱包重量」欄記載の重量の 40.0%から 60.0%に相当する量
にすぎないものであった。
平成 18 年
㈱アイビーは,平成 18 年 7 月 20 日,北大阪オートと称する展示場に
(排)第 23 号 展示した中古二輪自動車 17 台及びアトムと称する展示場に展示した中
(18.10.18)
古二輪自動車 15 台の計 32 台について,一般消費者に販売するに当たり,
㈱アイビー
それぞれ,走行距離計を巻き戻し,又は走行距離計を走行距離数のより
少ないものに交換することにより,走行距離数を過少に表示し,また,
前記 32 台の中古二輪自動車のうち 24 台について,「GooBike 関西版」
平成 18 年 6 月号,同年 7 月号又は同年 8 月号において,走行距離数を
過少に表示していた。
平成 19 年
㈱フェリシモは,一般消費者に配布した通信販売用カタログに掲載し
(排)第 9 号 た広告において,
「f.e.a.information 塩素系樹脂の使用をやめて安全
(19.3.22)
性を高めました ポリ塩化ビニルなどの塩素系樹脂は、ごみとして焼却
㈱ フ ェ リ シ されるときにダイオキシンなどの有害物質を発生する原因となる可能
か そ
モ
性があります。また素材に含まれる可塑剤などの添加物質には、環境ホ
ルモン(内分泌撹乱)作用の疑いも指摘されています。フェリシモでは
商品の安全性を考慮し、ポリ塩化ビニルなどの塩素系樹脂素材の代替を
推進しています。」等と記載の上,例えば,バッグのセット商品につい
て,「f.e.a.商品/安全性を考え、防水コーティングバッグとポーチに
塩素系樹脂を使っていません。」と記載することにより,あたかも,当
該商品のコーティング又は素材に,環境や安全に配慮して塩素系樹脂を
使用していないかのように表示していたが,実際には,当該商品のコー
ティング又は素材に,塩素系樹脂を使用しているものであった。
22
違反法条
第4条
第1項
第2号
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第1号
平成18年度の警告
1
№
1
2
3
役務取引分野に係る不当事件
事
件
概
要
【資格試験等の合格実績に係る不当表示】
TAC㈱,学校法人大原学園及び㈱早稲田セミナーの 3 名は,それぞれ,自らが開設す
る公認会計士試験,税理士試験又は公務員試験に係る試験対策講座の受講生を募集す
るに当たり,一般消費者に配布したこれらの講座案内のパンフレットにおいて,あた
かも,パンフレットに記載した合格実績について自らが開設する試験対策講座を受講
した成果であるかのように示す表示を行っていたが,実際には,記載した合格実績の
中には,短期間の講座を受講したにすぎない合格者等自らが開設する試験対策講座を
受講した成果とは認められない合格者が含まれているものであった。
(平成 18 年 10 月 12 日)
【携帯電話の通話料金及びメール料金に係る不当表示】
ソフトバンクモバイル㈱は,携帯電話役務の取引に当たり,平成 18 年 10 月 26 日に,
新聞広告において,また,平成 18 年 10 月 26 日から同年 11 月 2 日までの間に,テレ
ビコマーシャルにおいて,あたかも,同社の携帯電話役務を利用するすべての場合に
おいて,通話料金及びメール料金が無料となるかのように表示していたが,実際には,
通話料金及びメール料金が無料となるのは,同社の携帯電話役務の利用者間のみの通
話及びメールに限定されており,国際電話を利用した場合及び 21 時台から 24 時台の
通話時間が 1 請求月に累計 200 分を超過した場合の通話料金は無料とならず,また,
当該役務の提供を受けるためには,「ゴールドプラン」及び「新スーパーボーナス」と
称する携帯電話役務の契約を締結することが条件であった。
(平成 18 年 12 月 12 日)
【家庭教師の派遣に伴う料金に係る不当表示】
㈱トライグループは,平成 18 年 3 月に配布した新聞折り込みチラシにおいて,「ト
ライ新年度生 いよいよ募集スタート!塾を決める前に、トライをお試しください。」
と記載の上,「3 月限定 授業料をいただく前にまずは効果をお試しください。 受付
期間 3/31(金)まで お子様にピッタリの家庭教師に出会えるまで、何度でも【無料】
で、授業を受けることができます。」と記載することにより,あたかも,当該チラシを
配布して以降平成 18 年 3 月 31 日までの間,同社の家庭教師派遣を無料で体験できる
かのように示す表示をしていたが,実際には,家庭教師派遣の契約を締結した上,同
期間中に体験を希望する生徒を同社に登録して会員とし,当該生徒が,例えば同社と
提携している中学校又は高等学校から紹介を受けた者である場合を除き,当該契約者
から「登録費」と称する費用及び「教務費」と称する費用(ただし,当該生徒が,例
えば同社に再入会した者である場合は「教務費」と称する費用のみ)を徴収している
ものであった。
なお,同社は,家庭教師派遣の契約を締結して当該費用を支払い,生徒が家庭教師
派遣の体験を受けた後,当該契約の解除を申し出た者に対して,同費用を返還してい
る。
(平成 18 年 12 月 26 日)
23
関係法条
第4条
第1項
第1号
第4条
第1項
第2号
第4条
第1項
第2号
2
№
4
3
№
5
金融分野に係る不当表示
関係法条
事
件
概
要
【住宅ローンの金利に係る不当表示】
第4条
㈱みずほ銀行は,固定金利方式による住宅ローンの取引に当たり,平成 18 年 3 月 1
第1項
日から同年 3 月 31 日までの間に,同社の全国の店舗において一般消費者に配布した 2
第2号
種類の店頭チラシにおいて,あたかも,平成 18 年 3 月 1 日から同年 3 月 31 日までの
間に申込みをし,同年 6 月 30 日までに借入れをすれば,当該店頭チラシに記載された
とおりの金利が適用されるかのように表示していたが,実際には,3 月 31 日までに申
し込んだとしても,借入れが 4 月以降になれば表示どおりの金利は適用されず,金利
が上昇している状況においては,表示していた金利より割高の金利が適用されるもの
であった。
(平成 18 年 8 月 8 日)
その他の不当表示
事
件
概
要
【冷蔵庫用脱臭炭の使用期間に係る不当表示】
エステー化学㈱は,同社商品「脱臭炭冷蔵庫用」及び「脱臭炭冷蔵庫用大型」を取
引先販売業者を通じて一般消費者に販売するに当たり,
① 平成 12 年 4 月 1 日から平成 18 年 6 月までの間,「脱臭炭冷蔵庫用」の包装袋に,
「使用期間 通常約 5∼6 ヵ月(環境により異なります。)」と
② 平成 12 年 9 月 25 日から平成 18 年 6 月までの間,「脱臭炭冷蔵庫用大型」の包装
袋に,「使用期間 通常 5∼6 ヵ月(環境により異なります。)」と
それぞれ記載することにより,あたかも,当該商品の使用期間が約 5∼6 ヵ月であるか
のように表示していたが,実際には,使用する冷蔵庫の機種によっては,約 2 ヶ月程
度で当該商品の内容物の蒸散が完了し,脱臭効力が無くなる場合もあった。
(平成 18 年 6 月 9 日)
24
関係法条
第4条
第1項
第1号
3
主要な注意事件
(1) 表示事件
ア 第4条第1項第1号(優良誤認)
事
件
概
要
【洗剤の効果に係る不当表示】
洗剤の販売業を営むA社は,当該洗剤のテレビコマーシャルにおいて,換気扇の油汚れでも,
少量でぬるま湯に5分程度漬けて置けば,擦り洗いせずに汚れが落ちるかのように示す表示を
しているが,実際には,より多くの洗剤量,より高い温度の湯,より長時間の浸け置きや擦り
洗いが必要であった。
【ソフトウェアの性能に係る不当表示】
パソコンのセキュリティ対策ソフトウェアの販売業を営むB社は,当該ソフトウェアについ
て自社のホームページにおいて,「世界No1検出率,検出数」と表示しているが,実際には,
No1となったものは旧バージョンのものであった。
【健康食品の販売実績に係る不当表示】
ローヤルゼリーの販売業を営むC社は,当該商品の新聞広告において,「シェアNo1」と
表示しているが,実際には,ローヤルゼリーを含む特定のサプリメントの分野におけるシェア
は第1位であったもののローヤルゼリーの販売だけでのシェアは第1位ではなかった。
イ
第4条第1項第2号(有利誤認)
事
件
概
要
【葬儀費用に係る不当表示】
葬儀業を営むD社は,チラシにおいて,「一般市場価格・・・1,007,300 円 ○○コース会員価
格・・・390,000 円」と表示していたが,実際には,一般市場価格に根拠はなく,また,会員価格
390,000 円には,通常利用されるサービス(通夜・告別式の料理,返礼品等)が含まれておら
ず,同価格では通常の葬儀を行うことはできないものではなかった。
【住宅機器販売業者による不当な二重価格表示】
住宅機器販売業者E社は,住宅機器について,チラシ及び雑誌において,「各メーカー40∼
60%OFF」と記載し,メーカー希望小売価格の 40∼60%引きで販売するかのように示す表示を
しているが,実際には,一部の商品については,40∼60%より低い割引率で販売しており,ま
た,メーカー希望小売価格がない商品もあった。
【庭木の手入れサービス価格に係る不当表示】
庭木の手入れサービス業を営むF社は,チラシにおいて,「1回お試し 3,150 円(税込)」と
記載し,あたかも「お試し」として 1 回 3,150 円で当該サービスを提供するかのように示す表
示をしているが,実際には,当該サービスの年間契約の締結をした場合にのみ,初回が 3,150
円となるものであった。
【パソコン教室の料金に係る不当表示】
パソコン教室を営むG社は,新聞折り込みチラシにおいて,「月々3,150 円 習い放題」と記
載し,あたかも1か月 3,150 円でパソコンの授業を何回も受けることができるように示す表示
をしているが,実際には,特定のコースに登録することが必要であり,同コースの料金として
最低 31,500 円を別途支払わなければ授業を受けることができないものであった。
【携帯電話役務の料金に係る不当表示】
KDDI㈱は,新聞広告,テレビコマーシャルにおいて,「すべてのヒトに最大半額を。」,「お一
人の場合は新登場「MY割」。」等と記載しているが,実際には,基本使用料が半額となるのは,
契約後11年目以降である。なお,契約後11年目以降である旨は表示されていたが,明りょ
うに記載されているとはいえなかった。
また,同社は,旅客電車内の広告,テレビコマーシャルにおいて,「究極のくりこし au
の無期限くりこし」等と記載しているが,実際には,繰り越すことができる金額には上限額が
設定されている。なお,繰り越すことができる金額には上限額が設定されている旨は表示され
ていたが,明りょうに記載されているとはいえなかった。
(平成 18 年 12 月 12 日)
25
【携帯電話役務の料金に係る不当表示】
㈱エヌ・ティ・ティ・ドコモは,新聞広告,テレビコマーシャルにおいて,「中学生以下と
60歳以上におトク!「ファミ割ワイド」好評受付中!」,「月々の基本使用料1,575円(税
込)!」等と記載しているが,実際には,「ファミリーワイド」と称する料金プランの利用者
が,新規に「ファミリー割引」と称する割引サービスの契約を締結した場合は,最初の1か月
の月額基本使用料は2,362円であり,翌月以降,月額基本使用料が1,575円となるも
のである。
また,同社は,新聞広告,テレビコマーシャルにおいて,「あまった無料通信分が2ヶ月く
りこせてわけあえる。しかも、パケット代としてもわけあえる。ファミリー割引」等と記載し
ているが,実際には,当該権利を家族に利用させることができるのは繰越しの権利が発生した
月の翌々月の1か月間に限定されるものである。
(平成 18 年 12 月 12 日)
ウ
第4条第1項第3号
事
件
概
要
【百貨店による不当な原産国表示】
百貨店業を営むH社は,カタログ販売による贈答品用電気製品について,カタログにおいて
日本製と表示していたが,実際には,インドネシア共和国又は中華人民共和国において製造さ
れたものであった。
【ディスカウントストアによるおとり広告】
ディスカウントストアを営むI社は,「○○デー大感謝祭」と称する新聞折り込みチラシに
おいて,供給量が著しく限定されているにもかかわらず,1 日限りの限定商品として「○○ブ
リーフケース 輸 49,350 円の品 39%OFF 29,800 円」と記載し,限定の内容を明りょうに記
載していなかった。
(2) 景品事件
懸賞景品告示事件
事
件
概
要
【ドラッグストアによる海外旅行等の景品の提供】
医薬品等の販売業を営むJ社は,2,000 円以上の医薬品等を購入した者を対象として,抽選
で海外旅行(47,000 円相当),液晶テレビ(49,000 円相当)等を提供することを企画し,これ
を実施した。
(取引の価額:2,000 円,提供できる景品類の最高額:40,000 円)
【鶏卵の販売業者によるホテル宿泊券等の景品の提供】
鶏卵の販売業を営むK社は,同社の販売する鶏卵を 1 パック(最低価格 155 円)以上を購入
した者を対象として,抽選でホテル宿泊券(50,000 円相当)等を提供することを企画し,これ
を実施した。
(取引の価額:155 円,提供できる景品類の最高額:3,100 円)
【ディスカウントストアによる家電製品等の景品の提供】
ディスカウントストアを営むL社は,家電製品等を購入した者に対し,購入額 10,000 円に
対して抽選券1枚を交付し,当該抽選券を用いた抽選で液晶テレビ(218,000 円相当)等を提
供することを企画し,これを実施した。
(取引の価額:10,000 円,提供できる景品類の最高額:100,000 円)
26
(参考1)
景品表示法による規制の概要
<表示>
優良誤認
(4条1項1号)
商品・役務の品質,規格その他の内容についての不当表示
不実証広告規制(4条2項)
優良誤認に該当する表示か否かを判断するために,事業
者に対し,表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の
提出を求めることができる。当該資料の提出がないときは,
当該表示は不当表示とみなす。
有利誤認
(4条1項2号)
誤認されるおそ
れのある表示
(4条1項3号)
商品・役務の価格その他の取引条件についての不当表示
商品・役務の取引に関する事項について誤認されるおそれが
ある表示であって公正取引委員会が指定するもの
1 無果汁の清涼飲料水等についての表示
2 商品の原産国に関する不当な表示
3 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
4 不動産のおとり広告に関する表示
5 おとり広告に関する表示
6 有料老人ホームに関する不当な表示
<景品>
一般懸賞
(昭和52年
告示3号)
景品類限度額
懸賞に係る
取引の価額
最高額
5,000円未満
5,000円以上
取引価額の20倍
10万円
共同懸賞
(昭和52年
告示3号)
額
懸 賞 に係 る 売 上 予
定総額の2%
景品類限度額
最高額
取引価額にかかわらず
30万円
総付景品
(昭和52年
告示5号)
業種別
景品告示
(4業種)
総
1
2
3
4
総
額
懸 賞 に係 る 売 上 予
定総額の3%
取引価額
景品類の最高額
1,000円未満
1,000円以上
200円
取引価額の2/10
新聞業
雑誌業
不動産業
医療用医薬品業・医療機器業及び衛生検査所業
27
(参考2)
平成19年度の排除命令
No.
1
事件名
平成 19 年
(排)第 13 号
(19.5.18)
㈱テレマー
ト
事
件
概
要
㈱テレマートは,
「牛サーロインステーキ」と称する牛肉を詰め合わ
せた商品を一般消費者に販売するに当たり,平成 18 年 6 月ころから同
年 8 月ころまでの間,「テレマートラジオショッピング」と称するラジ
オ放送による広告及び一般日刊紙による広告において,あたかも当該
商品の牛肉は,飼育により「サシが入った」肉であるかのように示す
表示をしているが,実際には,牛のサーロインの部位の肉に牛脂その
他の添加物を注入する加工を行ったものであった。
28
違反法条
第4条
第1項
第1号
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