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独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 産業技術研究助成事業(若手研究グラント) 平成20年度第2回公募研究開発 研究テーマ名: 多孔質触媒層を利用した超小型燃焼器の 開発と携帯小型電源への応用 研究代表者名: 高橋 周平 岐阜大学工学部機械システム工学科 准教授 〒501-1193 岐阜県岐阜市柳戸1-1 TEL: 058-293-2539 FAX: 058-293-2491 E-mail: [email protected] Specific energy (Wh/kg) 燃焼エネルギーを利用するメリット 14000 8000 7000 13000 12000 6000 13956 炭化水素に代表される可燃性燃料は,エネルギー密度(単位質量あ たり,あるいは単位体積あたりのエネルギー量)が大きく,エネル ギーの缶詰と呼ばれます .これは既存の高性能バッテリーと比較して, 2桁大きな値をとります.また,一般に炭化水素燃料は電気などに比 べて低コストです. 10%効率の熱機関 12340 リチウムイオン電池 5509 5000 ・非常に小さなバーナー内で燃焼を維持させることにより,ご く微量の炭化水素燃料の化学エネルギーを,熱エネルギーに 連続的に変換して利用することができます. ・非常に小さな空間でも燃焼エネルギーを利用できるようにす ることで,従来では電気以外に選択肢のなかったフィールド において,安価なエネルギー供給を行うことが可能です. 4000 3000 2000 1000 1234 710 470 200 170 164 90 70 55 0 炭化水素燃料および電池のエネルギー密度 微小燃焼器の利用が期待される新分野 ウルトラマイクロガスタービン オンボードコジェネ(分散型エネルギーシステム) 6cm 燃料タンク(ブタン: 10cc) 5W出力で15時間 1.5W出力で50時間 空気取入口と流量調整器 4cm Gas Turbine Laboratory, Massachusetts Institute of Technology 携帯機器 マイクロコンバスター 熱電素子 災害時バックアップ スポーツ ミリタリー 革新的な特徴 1. 燃焼を利用していながら携帯可能な小出力 出力:~5W (min. 0.3W, max 10.4W) 高いターンダウンレシオ 2. 非常に大きな発熱密度 体積当たりの出力:~5GW/m3 (管内径:0.8mm, 高温部分長さ:約2mm) 面積あたりの出力:~10MW/m2 (管出口にて) 3. 高温排気が利用できる 1100K以上 Mixture flow rate (cc/min) 本提案のマイクロコンバスタの特徴 200 150 100 (メタン,ブタン,DMEなど燃料を選びません) 5. 安価な制作コスト (研究室レベルで1つ100円) 6. 高い耐久性 (連続作動時間:1300時間以上) 管内径0.8mm,外径1.2mm 当量比1.0( CH4: 10sccm, Air: 95sccm ) 作動中のマイクロコンバスタ 0 0.0 Mixture flow rate (cc/min) 4. 広い作動範囲(当量比: 0.2 ~ 8.0) Methane 希薄側限界:当量比0.8 低出力限界:1.5W 50 200 Mixture flow rate (cc/min) (エクセルギ効率が高いことを意味します) 0/3 1/3 2/3 3/3 200 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 Equivalence ratio 1.6 1.8 2.0 Butane 150 希薄側限界:当量比0.4 低出力限界:1.0W 100 50 0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 Equivalence ratio 1.6 1.8 2.0 DME 150 希薄側限界:当量比0.2 低出力限界:0.3W 100 50 0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 Equivalence ratio 各種燃料における可燃限界 1.6 1.8 2.0 本提案のマイクロコンバスタの原理 高温排気利用 ここが革新的(環境エネルギー分野) 触媒表面反応による発熱で気相部分の予熱を行い,微小空間における燃 焼を維持する.予熱過程が短時間で行われるため,大幅なサイズ低減が 可能.また,触媒反応を利用するため作動範囲が広い.高温で作動する ので被毒の影響が小さい. 気相反応 触媒反応 スポット加熱 既燃ガス 予混合気 触媒層 セラミックス管 熱の流れ 具体的な利用例 マイクロコンバスタ概念図 既存のマイクロコンバスタ 熱 酸素 気相反応 壁を通した熱再循環システムにより微小 空間内での燃焼を維持しているが,・・・ メタン 表面反応 触媒層近傍の反応機構 1. 複雑な形状のため,製作コストが高い 2. 流路が長いため燃焼器の小型化に限界 がある 3. 原理上,高温の廃棄を使うことができ ない 排気 吸気 スイスロール型マイクロコンバスタ (東北大学,IHI) 表面反応を利用した多孔質触媒層の形成法 断熱反応温度 2500 ここが革新的(ナノテクノロジー・材料分野) 触媒微粒子をコロイド状に分散させたペーストを塗布・乾燥 させた後,表面反応を利用して微粒子を溶融させて多孔質構 造を構築.焼結時の予混合気の当量比によって温度制御が可 能.触媒担持部の形状が自由で,製造コストが安価. Melting point of Pt (2041K) 2000 Melting point of Pd (1828K) 1500 Overheat zone 1000 500 0 1 2 3 4 5 6 当量比 反応温度と当量比および融点の関係 50mm 5mm スぺーサー セラミックス管 材質:ムライトセラミックス サイズ:内径=0.8mm, 外径=1.2mm 熱伝導率:λ= 3.4W/m·K 触媒コロイドペースト スペーサーを挿入 白金(Pt)ペースト Pt powder: 67wt% (粒径1μm, 密度21.5g/cm3, 融点2041K) パーム油 or 水: 33wt% 触媒ペースト 焼結前 触媒ペーストを管内に塗布 5μm 吸着した粒子状触媒 マッフル炉で溶媒を揮発 多孔質状触媒層 予混合気 過濃予混合気を導入して焼結 焼結法による多孔質触媒層の形成法 焼結後 0.1mm 焼結後 焼結前後の触媒層のSEM画像 5μm 7 熱電素子を利用した携帯小型電源への応用 温度 0 100 200 300 400 Bi-Te系 ここが革新的(ナノテクノロジー・材料分野&環境エネルギー分野) 熱電変換 モジュール 低温型の素子で既に3.5%の最終変換効率.(世界最高レベル) 高温型素子の利用で10%までの効率向上が見込める. 熱源が超小型なので放熱プロセスが容易である. 500 600 700 (低温用) Zn-Sb系 (高温用) シリサイド系 カスケードタイプ 各種熱電素子の使用温度 25 Environment: 300K 燃料投入量: 4.73W T=1500K 1000K 出力電力: 166.4mW (1.29V, 129mA) 熱電モジュール: Bi-Te (計34対,ZT~0.72) 最終熱電変換効率: 3.52% Efficiency (%) 20 (DME:5.22cc/min, Air: 74.78cc/min) 750K 15 600K Zn-Sb 500K 10 375K Heat sink block Heat sink block Thermoelectric modules 5 Bi-Te with ZT~1.0 present 0 Thermoelectric modules 800 (℃) 0.5 1 1.5 2 ZT ZT値および作動温度と変換効率 Microcombustor Copper heat receiver 338K Microcombustor Copper heat receiver 8.5mm 461K 9mm 303 523 (K) Heat sink 熱電モジュール: Bi-Te 型 (2個直列) 1MD04-017-12 (RMT Ltd.), 17 pairs, 3.8mm x 3.8mm x t2.3mm Z=2.4 x 10-3/K, ZT=0.72@300K 発電試験用熱電モジュールと超小型燃焼器 想定される携帯小型電源のモックアップ