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資料 2 かながわバイオ医療産業特区 ヒアリング結果 1.ヒアリング対象
資料 2 かながわバイオ医療産業特区 ヒアリング結果 1.ヒアリング対象特例措置 特例番号 特例事項名 特例の概要 910(医療・福祉・労働部会) 病院等開設会社による病院等開設事業 (四 高度な技術を用いて行う美容外科医療) 株式会社が、自由診療で高度な医療の提供を目的とする病院又は診療所 を開設することを認める。 2.ヒアリング対象特例措置を活用している特区の概要 都道府県名 申請主体名 神奈川県 神奈川県 特区の名称 特区の概要 かながわバイオ医療産業特区 地域経済の活性化には先端的で高度な研究成果に基づく新たな技術・産 業の創出促進が重要であり、中でもバイオ関連技術は多様な業種への波 及効果が期待される分野である。そこで、本特区計画により、バイオテ クノロジーを活用した高度美容医療を実施する病院等について、株式会 社による開設を可能にすることで、その資金調達力等を活かし、研究成 果の円滑な事業化、新たな研究開発への投資促進、関連産業への経済的 波及を図り、民間主導による地域産業活性化、県民の長寿・健康、心豊 かな暮らしのニーズの充足を図る。 区域の範囲 神奈川県全域 (特例措置の適用は横浜市域のみ) 3.ヒアリング実施要領 【日 時】平成 19 年 10 月 31 日(水)10:00∼12:00 【場 所】セルポートクリニック横浜 【参加者】 株式会社バイオマスター:桑名氏、杉元氏 セルポートクリニック横浜 佐藤院長 神奈川県商工労働部:菅沼副部長、藤井産業活性課長、藤嶋主幹、品川主査 評価委員:樫谷委員長、薬師寺委員、増田専門委員、中村専門委員、小宮専門委員 事 務 局:内閣府構造改革特区担当室 田畑参事官、石川補佐、飯島室員 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 大野 4.現地見学施設 セルポートクリニック横浜 受付、ロビー、診察室、個室病室、滅菌室、CPC(細胞調整室)直結型手術室 5.ヒアリング概要 ◇ 特区申請の背景、現状 ・ 特区では、株式会社が自由診療で高度な医療の提供を目的とする病院又は診療所を開 設することができるために、手を挙げた。県の支援体制も大きかった。 ・ 地元医師会は当初反対していたが、医療法人が行っていない医療行為に対して、ニー ズがあることは理解していた。よって、自由診療の中で高度医療による美容整形に限 って、医師会も認めたものである。 ・ 年に2回、県、医師会と当院とで協議会を開催し、運営状況を報告し、安全性を確認 してもらっている。 ◇ 特区事業の効果 ・ 最大のメリットとしては、資金調達が容易になったという点が挙げられる。通常、リ スクの高い研究開発に対して銀行はお金を貸してくれないが、株式を通じてリスクマ ネーを調達することができるようになった。 ・ 脂肪由来幹細胞を用いた軟部組織増大術(CAL 組織増大術)に限った術式を行ってお り、インターネット上で、料金、術式、アンケート結果や国による特区制度の説明な どをオープンにしており、その点が信頼感を生んでいる。華美な情報提供は少ないが、 むしろオープンな情報から当院を十分に理解してから来られる客層が多いと考えられ る。 ◇ 経営の安定性 ・ 手術は1日あたり1∼2例、1ヶ月あたり 10 数例である。来院者数、患者数は、 ひと月毎に上下を繰り返しながらも右肩上がり傾向にある。今年度下期は1ヶ月 あたり 20 例を目標とし、事業性を確保する考えである。 ・ 将来的には、1ヶ月あたり 40 例を目指し、研究開発と経営管理を含む事業モデル の有効性を確認する予定である。 ◇ 事業を実施する上での今後の方向性 ・ 株式会社である以上、将来的には株式公開を目指している。事業計画は、1ヶ月 あたりの手術を 40 件で頭打ちになる前提で作成しており、むやみに拡大しようと いう計画ではない。金融系ベンチャーキャピタルを中心とした今の株主は、この 計画に理解を示している。 ・ 将来的には、患者に株式を保有してもらい、パテントや医療サービスの提供を通 じて売上を上げていくモデルを想定している。