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高坂奈夫子 利用製品 CODE V 利用

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高坂奈夫子 利用製品 CODE V 利用
ORA 製品
利用報告書
兵庫県立大学
大学院工学研究科
格内 敏,高坂奈夫子
利用製品 CODE V
利用期間平成 21 年 4 月 1 日∼平成 22 年 3 月 12 日
<研究概要・背景>
当研究室(精密工学研究室)では,21 年度の「コンタクトレンズの計測評価技術
の研究・開発」において CODE V を使用した.
微小なピンホールで光が回折すると理想的な球面波が得られる.研究室では,こ
の 球 面 波 を 基 準 参 照 波 と し て 用 い る 点 回 折 干 渉 計 ( Point Diffraction
Interferometer:PDI)に関する研究をおこなってきた.本干渉計は実体基準面を用
いる従来の干渉計と異なり,基準面の加工精度によって測定精度が制限されること
なく,真球面に近い波面を使用できるために,高精度な干渉測定が可能となる.さ
らに,光学系はコモンパスの干渉計であり,周囲の外乱による影響を受けにくく,
振動にも比較的に強い安定した計測が可能となる.
今回は PDI の利点である容易に参照球面波が得られることを利用して,簡易な光
学装置を構築することにより,高精度なコンタクトレンズ(CL:Contact lens)の
波面計測装置を開発する.研究において,実験光学系のアライメントおよび実験結
果の予測のために,CODE V によるシミュレーション解析をおこなった.
<利用目的>
CL は屈折異常を矯正する優れた手段であり,広く普及している.しかし,近年に
なって Quality of vision(QOV)の重要性が唱えられ,CL の波面収差が測定される
ようになり,種々の問題点が指摘された.本研究では CL の低次収差,および高次
収差の波面測定を目的とした簡易な PDI 光学系を構築するために,主に次の解析に
CODE V を使用した.
1) 実験光学系のアライメント誤差のシミュレーション解析を行い,PDI ディス
クを正確にアライメントする方法を検討する.
2) 本光学装置で測定されるコンタクトレンズの球面収差に関して,前もってシ
ミュレーション解析を行い,予想される干渉縞を推察する.
<利用の成果または進捗状況>
PDIディスク
y
z(光軸)
x
z=0
試料
観察面
図の光学系において,PDI ディスクに取り付けられた X,Y,Z 軸のマイクロメータ
を用いて,ピンホール(直径数ミクロン)を正確に光軸近傍に設置するために,ア
ライメント中に観察される干渉縞と微調整のためのベクトル方向との関係について,
シミュレーション解析をおこなった.
その結果,Z 軸の調整ではピンホールとレンズ焦点との位置関係により,干渉縞
中心の明暗が変化することより,中心強度の変化より移動方向を判別しながら,ア
ライメントをおこなった(図1).X,Y 軸の調整では,アライメント誤差がある場合,
中心円環部がピンホールの移動誤差の方向にずれ,偏りのある強度分布となる(図
2).この偏りの程度を観察しながら調節する.なお,この干渉縞は Z 軸方向の移動
量に比べて敏感に変化する.
一方,本 PDI 実験光学系において,CL が特定の収差成分を持つ場合に生成され
る干渉縞のシミュレーション解析をおこなった(図3).
+方向の焦点移動
−方向の焦点移動
図1
+1μm の X 移動
+5μm の X 移動
図2
図3 試料レンズの球面収差(RMS 0.1μm)
が加わった場合の干渉縞
<利用に当っての問題点>
CODE V では光学系における回折や干渉のシミュレーション,および干渉縞の表
示に対するアプリケーション(コマンド)が少ないように思える.しかし,サポー
トシステムが充実しており俊敏な対応で大変に役立っている.
<今後の計画・展望>
実験で予想される波面収差に関するシミュレーション解析を充実する.また,測
定結果の収差成分から Zernike 多項式を用いて,含まれる収差成分を特定するシス
テムについて検討する.
<論文発表の有無>
2009 年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集,神戸大学(9.10 G02)
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